JP3691529B2 - プログラマブルコントローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、入力回路と出力回路の機能を保有する1種類の入出力切替ユニットのみを使用して、装着方向の選択により入力回路と出力回路の選択が可能な入力と出力を切替えることが可能なプログラマブルコントローラ(以下PCと記す)に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にボード形のPCにおいては、通常、外部入力点数と外部出力点数は固定されているが、PCのユーザ側としは、構成しようとしているシステムの都合によって、外部入力と外部出力を固定することなく、任意に切替えられるようにしたいという要求が生ずる。
この要求を実現するために、従来のPCでは、図9に示すように、入力または出力回路のユニットをそれぞれ取外し可能な入力ユニット4または出力ユニット5とし、これらをユニット装着用ソケット3に装着することにより、入力/出力の切替えを行なっていた。すなわち、入力ユニット4が装着された端子側が外部入力端子6、出力ユニット5が装着された端子側が外部出力端子7として設定されている。このように、通常、外部入出力端子2とユニット装着用ソケット3は1対1で対応している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、入出力を切替えるユニットが入力設定専用の入力ユニットと出力設定専用の出力ユニットの2種類が必要となる。そのため図10に示すような入出力レイアウト変更時にさまざまな問題点が生じる。すなわちユーザは、当初みずから設定した入力と出力の数に応じて、入力ユニット4と出力ユニット5を入手し、システムを構成するが、後日、入力/出力の比率を変更したい場合、図3に示すように、入力ユニット4を取外して、代りに出力ユニット5を装着しなければならない。この時、新たに出力ユニット5を手配したり、取外した入力ユニット4を保管するなどの煩雑さがあり、また、不足したユニットを入手する必要もあるのでコストアップの原因ともなっている。
【0004】
また、入力と出力の位置を変更する場合、入力ユニット4と出力ユニット5を交換しなければならないが、この時、使用していない外部入出力端子のソケット8に誤って装着することによる、トラブル発生のおそれがあった。さらに、メーカー側としては、PCとは別売の形で2種類のユニットを保有して製造、流通、販売に対応しなければならないから、標準化を進める上での障害となりコストアップの要因になっていた。すなわち、図10に示すように入力ユニット4と出力ユニット5を別々に用意して、ユニット装着用ソケット3に装着する方式では、入力点数と出力点数に見合うだけの入力ユニットと出力ユニットをそろえる必要があるため、入力/出力点数の比率を変更するに際し、手間とコストがかかり、事前に入力ユニットと出力ユニットの所要数を決定し手配する必要があるなどの問題点があった。さらに、入出力のレイアウト変更作業も複雑になり、未使用のユニットの保管を行なう必要もあった。本発明の目的は、1種類の入出力切替ユニットの装着方向を反転させるだけで、PCの外部入力と外部出力の切替を可能な構成とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する手段としては、図1に示すように、入力回路と出力回路の両方の機能を内蔵した入出力切替ユニット9を設け、これを反転して差し替えることにより入力/出力の切替えを行なうものである。すなわち本発明は、外部からの入力信号を取り込む入力部と、前記入力信号に基づいて所定の処理を行なう制御部と、この制御部により処理された信号を取り出す出力部とを有するプログラマブルコントローラにおいて、少なくともフォトカプラを備える入出力切替ユニットを有し、前記制御部からの信号若しくは外部からの信号によって、前記フォトカプラを駆動することにより入出力を可逆的に切替える手段を有し、前記入出力切替ユニットを装着するユニット装着用ソケットにシンクタイプ用とソースタイプ用のそれぞれの挿入穴を設け、前記シンクタイプと前記ソースタイプとでコモン端子と外部入力端子とが逆になるのに合わせて前記挿入穴の位置を異ならせたことを特徴とするプログラマブルコントローラである。
【0006】
【作用】
入力回路と出力回路の機能を内蔵した、入出力切替ユニット9を使用することにより、後記図1に示すように、入出力切替ユニット9を入力の極性でユニット装着用ソケット3へ装着した場合、この装着端子は外部入力6に設定される。外部出力7の設定も同様にして実現することができる。従って、従来は入力用と出力用それぞれ専用のユニットが必要であったが、本発明は、1種類の入出力切替ユニット9のみで入出力を設定することができ、入出力切替ユニット9の装着方向反転するのみで入出力の切替えが実行可能であるから、入力と出力の比率変更や入出力レイアウトを変更することも、新規ユニットを手配すること必要もなく、迅速かつ容易に切替えを実施することがことができる。
【0007】
【実施例】
図1は、本発明に係るPCの入出力切替ユニット9の配置を示す図である。ユーザは入出力切替ユニット9の挿入方向をどちらにするかを決めるだけで、各外部入出力端子を入力側、出力側の何れかに選択することができる。また、入出力の切替え作業も、入出力切替ユニット9をユニット装着用ソケット3から取り外し、方向を反転して再び装着するだけでよい。
〈実施例1〉
図2は本発明に係る実施例1のPCの入出力切替ユニット9の回路構成図である。図2(a)は出力ユニットとして使用した場合、図2(b)は入力ユニットとして使用した場合の回路構成を示すものである。
入出力切替ユニット9の回路は、入力回路とトランジスタ出力回路が共にフォトカプラ13を使用することにより実現できることに着目して回路を統一した。入出力切替ユニット9を出力ユニットとして使用するには、図2(a)に示すように、出力ポート12からの電流によりフォトカプラ13を駆動し、また、入力ユニットとして使用する場合は、図2(b)に示すように、外部入出力端子2からの電流によりフォトカプラ13を駆動することにより、出力は外部入出力端子2へ、入力は入力ポート17へON/OFF情報を伝えることができる。従って入力ユニットとして使用する場合と、出力ユニットとして使用する場合のそれぞれに、入出力切替ユニット9の装着方向を識別しておけば、図1に示したように単に装着方向を反転することにより、1種類のユニットを用いて入出力の切替えが可能となる。
【0008】
図3は、従来技術と本発明の入出力切替ユニットの装着を比較する図である。図3(a)は従来方式のPCを装着した例を示す。従来方式の場合、入力専用ユニット4と出力専用ユニット5の2種類品を揃える必要があり、しかも、入力専用ユニット4と出力専用ユニット5の構成比率はユーザ側の仕様により異なるため、入力専用ユニット4と出力専用ユニット5の使用必要数は不定である。このためPCに入力専用ユニット4と出力専用ユニット5を予め装着した状態で出荷することは好ましくなく、各ユニットは取り外して別売とせざるを得ない。
【0009】
一方、本発明のPCの場合、ユニットは1種類の入出力切替ユニット9のみであるから、図3(b)のように、ユニットを入力用と出力用に1対1に設定し、入出力切替ユニット9をPCに装着した状態で出荷することができるから効率的な販売運用が可能となる。
【0010】
〈実施例2〉
図5は本発明に係る実施例2のPCの入出力切替ユニットによるシンクタイプとソースタイプ機種統合を示す図である。図4(a)に示すように、PCにはシンク入出力タイプのPC18とソース入出力タイプのPC19があり、両者は入出力電流の方向が逆になる。すなわち、図4に示すように、シンクタイプとソースタイプでは、入力と出力とで電流の流入と流出の方向が逆になる。シンクタイプの出力は、同図(a)に示すように外部出力に電流が流入する極性、シンクタイプの入力は、同図(b)に示すように外部入力から電流が流出する極性である。またシンクタイプのセンサとPC入力の関係では、同図(c)に示すようにセンサ側へ電流が流入する。これに反して、ソースタイプでは、同図(d)、(e)、(f)に示すように前記の関係がシンクタイプとは全く正反対の極性を有している。従来は、各入出力端子の単位でシンク、ソースの設定と切替えを行なうことができず、全てがシンク入出力か、またはソース入出力かに限定する必要がありそれぞれ機種により決定されていた。
図5(b)はこれらの問題を解決するための入出力切替ユニット装着の応用実施例を示すものである。まず、シンク用とソース用それぞれの挿入穴を設ける。図5(b)では、シンク用挿入穴は白丸、ソース用挿入穴は黒丸で示している。シンクタイプとソースタイプではコモン端子14と外部入出力端子2が逆になるため、この2端子と接続されるユニット挿入穴の位置をシンクとソースで変え、図5(b)のようにEとH、GとFのように位置をクロスして設けている。これによって、入出力切替ユニットを実線枠22で示したソース入出力タイプの場合の位置に装着すれば、その入出力はソース入出力となり、点線枠23で示したシンク入出力タイプの場合の位置に装着すれば、その入出力はシンク入出力に設定されることになる。
【0011】
以上の機能を利用すれば、入出力切替ユニットの装着位置及び方向の選択により、各端子毎に、ソースタイプの入力と出力、シンクタイプの入力と出力に任意に設定、切替が可能となり、機種の標準化を一層進めることができる。また、ユーザ側にとって、好ましい入出力レイアウトを容易に実現することができる。
【0012】
図6は本発明に係る実施例2のPCの入出力切替ユニット9の入力/出力極性を示す図である。まず、入出力切替ユニット9の側面と上面に矢印を形取った入出力極性マーク28を付ける。次に、入出力切替ユニットの入出力極性の判定は、例えば、以下のように規定する。すなわち、入出力極性マーク28の矢印方向が外部入出力端子からPC側に向っている場合は入力使用、矢印の方向が外部入出力端子からPCと反対側に向っている場合は出力使用とする。最後に入出力切替ユニットのリード線27及びユニット装着用挿入穴29と実際の回路との対応関係を決定する。以下にその対応関係例を表1に示す。
【0013】
【表1】
Figure 0003691529
【0014】
図8は、本発明に係る実施例2のPCの入出力切替ユニットの入出力極性を逆に使用した場合の安全性を示す回路構成図である。まずシンク、ソースタイプの装着位置から外れた場所に、それぞれシンク、ソースタイプ表示用パターン30をユニット装着用ソケットの底に印刷する。これにより、シンクタイプの設定を行ないたい場合、シンクの印刷パターンが見えるようにユニットを装着すればよい。ソースタイプの場合も同様に行なえばよい。
【0015】
図8(a)は入出力切替ユニットを出力に設定したにもかかわらず、入力として使用した場合の回路図である。また、図8(b)は入出力切替ユニットを入力に設定したにもかかわらず、出力として使用した場合の回路図である。入力の場合はフォトカプラ13が動作しないため、入力ポート17へは電流が流れず、入力は常時OFFと認識される。一方、出力ポート12から電流を流しても、フォトカプラは動作せず、出力端子側には電流は流れないため、出力は常時OFFとなる。従って意図した通りの動作はできないが、入力、出力は共に常時OFFになるので、システムは暴走などの事故は発生せず安全である。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、標準の入出力切替ユニットの装着方向を変更するだけでPCの各外部入出力端子ごとに、入力と出力を容易に設定、切替えることが可能となる。また、従来は入力ユニットと出力ユニットとに専用化していた装着ユニットは、1種類の入出力切替ユニットで間にあうので、製造、流通、販売上での標準化が図られるので、コストダウン及び効率向上に極めて効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPCの入出力切替ユニットの配置を示す図である。
【図2】本発明に係る実施例1のPCの入出力切替ユニットの回路構成図である。
【図3】従来技術と本発明の入出力切替ユニットの装着を比較する図である。
【図4】シンクタイプとソースタイプの入出力極性及びセンサとの入力関係を示す図である。
【図5】本発明に係る実施例2のPCの入出力切替ユニットによるシンクタイプとソースタイプ機種統合を示す図である。
【図6】本発明に係る実施例2のPCの入出力切替ユニットの入力/出力極性を示す図である。
【図7】本発明の実施例2のシンクタイプとソースタイプ設定を示す図である。
【図8】本発明に係る実施例2のPCの入出力切替ユニットの入出力極性を逆に使用した場合の安全性を示す回路構成図である。
【図9】従来技術による入出力切替ユニットを示す図である。
【図10】従来技術による入出力切替のユニットの装着と交換を示す図である。
【符号の説明】
1…PC 2…外部入出力端子
3…ユニット装着用ソケット 4…入力専用ユニット
5…出力専用ユニット 6…外部入力
7…外部出力 8…不使用の外部入出力端子ソケット
9…入出力切替ユニット
10…入力の極性で装着した入出力切替ユニット
11…出力の極性で装着した入出力切替ユニット
12…出力ポート 13…フォトカプラ
14…コモン端子
15…入出力切替ユニットの極性(データの流れる方向)
16…入出力切替ユニットとユニット装着用ソケットとの接続点
17…入力ポート
18…シンク入出力タイプのPC
19…ソース入出力タイプのPC
20…センサ 21…負荷
22…ソース入出力タイプの場合の装着位置
23…シンク入出力タイプの場合の装着位置
24…ソース入出力タイプの場合の挿入穴
25…シンク入出力タイプの場合の挿入穴
26…端子台、コネクタ
27…リード線 28…入出力極性マーク
29…ユニット装着用挿入穴
30…シンク、ソースタイプ表示用パターン
31…シンクタイプとして動作する入出力切替ユニット
32…ソースタイプとして動作する入出力切替ユニット
33…ユーザが使用しようとしている方向

Claims (1)

  1. 外部からの入力信号を取り込む入力部と、前記入力信号に基づいて所定の処理を行なう制御部と、この制御部により処理された信号を取り出す出力部とを有するプログラマブルロントローラにおいて、
    少なくともフォトカプラを備える入出力切替ユニットを有し、
    前記制御部からの信号若しくは外部からの信号によって、前記フォトカプラを駆動することにより入出力を可逆的に切替える手段を有し、
    前記入出力切替ユニットを装着するユニット装着用ソケットにシンクタイプ用とソースタイプ用のそれぞれの挿入穴を設け、
    前記シンクタイプと前記ソースタイプとでコモン端子と外部入力端子とが逆になるのに合わせて前記挿入穴の位置を異ならせたことを特徴とするプログラマブルコントローラ。
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