JP3691174B2 - 給湯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯機に関し、詳しくは、給湯機に使用される逆止弁の回り止め機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、給湯機の一例として図3に示す構成の給湯機が知られている。
【0003】
図3中、1は台所や洗面所等に設置された蛇口栓や、風呂場の浴槽9などへ温水を供給するための給湯用の熱交換器であって、この熱交換器1が燃焼を成すメーンバーナ2と、その上方に設けられた熱交換用のフィン付きパイプ3で構成されている。このフィン付きパイプ3の上流側となる給水側管路4の端部は水道管(図示せず)に接続され、一方、前記フィン付きパイプ3の下流側となる給湯側管路5は出湯量を設定流量以下に制限するための流量制御弁6を介し、さらにその下流側で分岐して、一方が切替バルブ7ならびに逆止弁8が付設された風呂給水管17を介して浴槽9に接続されていると共に、他の一方が逆止弁18を備えた給湯管継手10を介して給湯用の蛇口栓に接続されている。
【0004】
又、前記給水側管路4は熱交換器1の上流側で分岐してバイパス管路11を形成し、このバイパス管路11の他端が電磁弁12を介して前記給湯管継手10に接続されており、給湯時にこの電磁弁12が開放されることで、バイパス管路11を介して供給される常温水(水道水)が前記熱交換器1より供給される高温水と前記給湯管継手10内にて合流・混合させられ、蛇口栓より給湯される湯温が設定温度に調整される。
【0005】
尚、図3中、14は給水検知用の流水スイッチ、16はバイパス流検知用の流水スイッチ、15は出湯温度検知用の出湯センサ、13は風呂水の逆流を防止するバキュームブレーカ(大気開放弁)である。
【0006】
上記構成の給湯機は台所優先型の給湯機であって、浴槽9への湯張中に蛇口栓が開かれて給湯が開始されると、その際の湯・水混合によってバイパス管路11に生ずる水流で、このバイパス管路11に設けた流水スイッチ16が作動し、その結果、これと連動する風呂給水管17に設けた切替バルブ7が閉じて浴槽9への湯張が中断され、給湯だけが成されるように構成されている。
【0007】
ところで、前記給湯管継手10は、図4に示すように、前記給湯側管路5との接続部である給湯口19と前記バイパス管路11の接続部であるバイパス管口21と外部給湯用配管との接続部である送湯口20とを備えており、この給湯口19と送湯口20の間にバイパス流の逆流を防止するための逆止弁18が付設されている。また、前記逆止弁18の対向位置には、バイパス管路11や給湯側管路5に滞留する水を排出するための水抜き栓22が螺着されていると共に、前記給湯管継手10がこの水抜き栓22と前記送湯口20を外部に突出させた形で給湯機のケーシング28に取り付けされている。
【0008】
前記逆止弁18には、その弁部24の側縁に4枚の羽根板23が付設されており(図5参照)、これらの羽根板23が継手管路の内壁に沿うように逆止弁18が取り付けられて、逆止弁18が開閉する際に、その弁部24がスムースに移動できるようにするためのガイド板の役目を果たしている。なお、この逆止弁18は、給湯管継手10に螺着された逆止弁支持用のボルト27を取り外すことで、簡単に取り付けすることができる。
【0009】
上記構成において、この逆止弁18はリターンスプリング25の弾発力により、常時閉方向に付勢されているが、給湯時においては、給湯口19より供給される温水の圧力によって逆止弁18は開放されて給湯口19と送湯口20との連通が成され、これによって熱交換器1で加熱された温水が蛇口栓を介して給湯される。この時、バイパス管路11に設けた電磁弁12が開放されていれば、この熱交換器1からの温水にバイパス管口21を介して給水側管路4の常温水が合流する。
【0010】
又、給湯停止時においては、逆止弁18を開方向に移動させていた温水圧力が解除されて逆止弁18が閉じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記給湯機における給水から給湯に至る一連の流水管路においては、給湯を成す下流側に比べて給水を成す上流側の水圧が高く設定されているため、給湯時は前記給湯管継手10においても、バイパス管口21側には給湯口19側の水圧に比べてより高い水圧がかかる構造となっている。また、前記逆止弁18を付勢しているリターンスプリング25のバネ圧は極めて弱いものであることから、給湯の際の高い水圧と急激な水流によって、この逆止弁18が回転して羽根板23が位置ずれを起こし、図5のようにその1枚が送湯口20の口元に重なって(水圧が高いほどこの現象が著しい)蛇口栓への給湯を阻害したり、あるいは、羽根板23の他の1枚がバイパス管口21の口元を塞いでしまってそこから流出するバイパス流水量を減らし、給湯される湯温の調整を不安定なものにしてしまうといった問題が生じた。
【0012】
また、高い水圧によって逆止弁18の羽根板23が変形させられた場合には、弁部24の移動がスムースに行かなくなり、給湯停止中であっても逆止弁18を介してバイパス流が給湯口19側に逆流してしまったり、あるいは、この逆流現象によって生じるバイパス管路11の流水で流水スイッチ16が作動し、これと連動する風呂給水管17の切替バルブ7を閉じる、所謂、既述した台所優先制御が作動し、浴槽の湯張りを中断させてしまうといった問題が発生することもある。
【0013】
本発明は、上記問題を解消するために成されたものであって、水圧による逆止弁の回転を防止することによって、安定した給湯や浴槽の湯張りを可能とした給湯機を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明では、熱交換器の上流の給水側管路より分岐したバイパス管路の一端が接続されるバイパス管口、熱交換器の下流の給湯側管路が接続される給湯口及び送湯口を有し、かつ、内部に逆止弁が設けられた給湯管継手を備え、この給湯管継手は、逆止弁を介して供給される給湯側管路からの高温水を、バイパス管口より供給されるバイパス管路からの常温水に合流させ、送湯口より供給するようにした給湯機において、前記逆止弁の弁部の側縁に突起物を設けると共に、この突起部を前記給湯管継手の送湯口に突出させて前記逆止弁の回り止め機構を構成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1および図2に基づいて説明する。尚、説明を簡略化するために以下の説明で従来と共通する部分については、同一の符号を用いた。
【0016】
図1は本発明が適用された給湯管継手の縦断面図、図2は、図1に示す逆止弁の外観斜視図である。
【0017】
図1において、給湯管継手10は、給湯側管路5との接続部である給湯口19とバイパス管路11の接続部であるバイパス管口21と外部給湯用配管との接続部である送湯口20とを備え、この給湯口19と送湯口20の間に給湯口19への逆流を防止する逆止弁18と、これと対向する位置にバイパス管路11や給湯管路5の滞留水を排出するための水抜き栓22を設けた点で従来型と一致するが、以下に説明する逆止弁18の構成が相違している。
【0018】
即ち、図2に示すように、前記逆止弁18の弁部24の側縁に径方向に突出する突起部26を設けると共に、この逆止弁18を前記給湯管継手10内に取り付ける際に、この突起部26の先端部分を隣接する送湯口20の口元に挿入し、この送湯口20の側壁をストッパーとすることで、逆止弁18の回り止め機構とした点である。勿論、上記構成では、逆止弁18が位置決めされた時、図示するようにバイパス管口21に前記逆止弁18の羽根板23が重ならないように突起部26と羽根板23の位置関係が定められている。
【0019】
また、逆止弁18の位置決めは、前記突起部26の先端部分が僅かに送湯口20の口元に突出されていれば良いから、突起部26の寸法は極力短くすることができる。係る構成であれば、本逆止弁18の取り付けは、給湯管継手10に螺着された逆止弁支持用のボルト27を外し、そこから突起部26を少々撓めるように管内に挿入することによって、従来と全く同様に行うことができる。
【0020】
このように、逆止弁18に回り止め機構を設けることによって、給湯時の湯・水混合で逆止弁18が高い水圧を受けたとしても、逆止弁18はストッパーで係止されて回転しないため、従来より問題となっていた羽根板23の位置ずれでバイパス管口21や送湯口20が塞がれ、給湯量や水温調整が阻害されるといった不都合や、あるいは、水圧による羽根板23の変形で逆止弁18の移動がスムースに行かず、その結果、バイパス流の逆流現象が生じるといった不都合が一気に解消され、安定した給湯や浴槽の湯張りが実現できるようになる。
【0021】
また、この回り止め機構においては、送湯口20を突起部26のストッパとして利用することによって、その構造を極めて簡潔なものとすることができ、さらに、その簡潔な構造ゆえ、給湯管継手10内の逆止弁18を交換するだけの簡単な手段で快適な給湯および安定した湯張りを実現することができる。しかも、この逆止弁18の取り付けは上述したように従来と変わらない方法で極めて容易に行えるものである。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、逆止弁の弁部の側縁に突起部を設けると共に、この突起部の先端を給湯管継手の送湯口に突出させて逆止弁の回り止め機構を構成したので、従来のような、給湯時の強力な水圧で前記逆止弁が回転し、その羽根板がバイパス管口や送湯口を塞いで、湯水の流れを阻害するといった問題や、また、水圧による羽根板の変形で逆止弁がスムースに移動しなくなってバイパス流が逆流するといった問題も解消され、安定した給湯や浴槽の湯張りが行えるようになる。
【0023】
また、前記逆止弁の回り止め機構は、逆止弁に設けた突起部のストッパとして送湯口を利用したので、その構造は極めて簡潔なものとなる。しかも、逆止弁を交換するだけの簡単な手段で安定した給湯や浴槽の湯張りを実現することができるので極めて好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された給湯管継手の構造を示す縦断面図である。
【図2】本発明による逆止弁の外観斜視図である。
【図3】給湯機の一実施形態を示す概略構成図である。
【図4】従来の給湯管継手の構造を示す縦断面図である。
【図5】従来の逆止弁の外観斜視図である。
【符号の説明】
1 熱交換器
4 給水側管路
10 給湯管継手
11 バイパス管路
18 逆止弁
19 給湯口
20 送湯口
21 バイパス管口
24 逆止弁の弁部
26 突起部
Claims (1)
- 熱交換器の上流の給水側管路より分岐したバイパス管路の一端が接続されるバイパス管口、熱交換器の下流の給湯側管路が接続される給湯口及び送湯口を有し、かつ、内部に逆止弁が設けられた給湯管継手を備え、この給湯管継手は、逆止弁を介して供給される給湯側管路からの高温水をバイパス管口より供給されるバイパス管路からの常温水に合流させ、送湯口より給湯するようにした給湯機において、前記逆止弁の弁部の側縁に突起部を設けると共に、この突起部を前記給湯管継手の送湯口内に突出させて前記逆止弁の回り止め機構を構成したことを特徴とする給湯機。
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1996
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