JP3690699B2 - 家具類における扉の蝶番装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロッカー、書庫、キャビネット等の家具類に好適に用いることのできる扉の蝶番装置に関し、更に詳しくは、扉をニ段階に開閉させて大きな開度を確保することのできる家具類における扉の蝶番装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に使用される事務用のロッカーや保管庫等に設けられた扉の蝶番装置には、特開平6−240943号公報および実公平5−36939号公報等に示される如く、中間に連結板を介在して、扉を本体戸口に連結し、該扉をニ段階に開閉させる間接状部分を設けることにより、閉鎖した扉の外表面が面一と成る如く構成され、さらに、扉開放時には隣接された他のロッカー前面や他の家具の前面面等に、干渉することなく、且つ、隣接する他のロッカー前面等に平行な状態にまで開放することができるように構成されたものが有る。
【0003】
上記家具は、特に本体や扉等の外表面部分に耐久性に優れた金属素材を使用するものが主流となっており、製造時に蝶番装置や把手部品等を組み込む場合には、溶接や、ねじによる結合が行われるものである。金属製の部品は価格を低減することが困難であると共に、溶接やねじ締め等製造に要する作業工数が多く、完成された家具類も比較的高価な製品となることが避けられないものであった。
【0004】
このような事務用の家具類では、蝶番装置の騒音を発する部分等の極限られた部分に、合成樹脂製の緩衝用部品を介在させること等が行われ、開閉時の静粛性や開閉操作の円滑化に配慮が成されるものであった。
【0005】
近年、事務用家具に対しても、価格の低減を要求する声が高まり、ロッカーや保管庫等においても、扉の把手や解錠レバー等、必ずしも金属製である必要のない部分に関しては、合成樹脂化され、軽量化や、低コスト化が行われるようになりつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ロッカーや保管庫等の家具類の扉における蝶番装置は、要求される耐久性と、作動性能を満足するために、従前より殆どの部品が金属により構成され、且つ、本体と扉への連結構造もまた、溶接やねじによる結合構造等を利用するものであり、本体重量を増大し、また、溶接部分の塗装仕上げ工程を増加し、長期に渡る使用により、溶接部やねじによる結合部分には錆びが発生したり、きしみによる騒音を発する等の欠点があり、また、高価な金属部品の多用は低価格化を妨げる要因の一つとなるものであった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、従前の家具類においては殆どの部品が金属製であった蝶番装置を、可能な限り合成樹脂化することにより、部品点数を減少し、組立て工数を削減すると共に、製品の軽量化を計り、錆び等の発生を防止し、且つ、きしみによる騒音の発生を抑え、より低価格化が可能な家具類における扉の蝶番装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、家具類の筐体の開口隅部に固着される筐体側蝶番を備え、該筐体側蝶番の一端側に設けられた上下に軸芯を向けた第1枢軸を介して中間蝶番の一端側が枢着され、同中間蝶番の他端側に鉛直下方に突設された第2枢軸には合成樹脂からなる扉側蝶番が枢着され、第2枢軸には中間蝶番に対して扉側蝶番を閉鎖方向に回動付勢するばね部材が環装され、扉の枢支側角部に形成された切欠部に対応する如く取着された取付部材に対峙する該扉側蝶番の取着側部には嵌合連結部が突設され、該嵌合連結部に対応する取付部材には挿着孔が穿設され、該嵌合連結部を挿着孔に圧入嵌合して取着されてなる家具類における扉の蝶番装置である。
【0009】
上記発明によれば、扉側蝶番を取付部材に取り付ける場合に、ねじによる締付けや溶接等の特別な固着作業を必要とせずに、取付部材に対して、扉側蝶番を圧入するのみで、組み立てを完了することができるので、部品点数を減少すると共に、組立て工数を削減することができ、低コスト化を計ることができる。また、合成樹脂化することにより、軽量化することができると共に、金属と合成樹脂の接合により扉の開閉操作時の作動音を低減して、静粛な開閉を可能とし、且つ、より円滑な開閉操作感を確保できる。さらに、扉側蝶番には錆び等の発生が無いので、長期に渡る使用に耐える耐久性を確保できる。
【0010】
請求項2の発明は、扉の枢支側角部には合成樹脂成形品からなる取付部材を嵌合取着してなる上記家具類における扉の蝶番装置である。
【0011】
上記発明によれば、取付部材を合成樹脂化することで、軽量化を計ることができ、さらに、嵌合による取着構造を併設することにより、溶接やねじによる締付け作業を無くし、極めて簡単に取着できるようにすることができ、作業工数を削減して製造コストを低く抑えることが可能となる。
【0012】
請求項3の発明は、合成樹脂により成形された扉側蝶番に対して、第2枢軸に同心状に配置されて中間蝶番を所定高さに保持する台座部を一体に形成した上記家具類における扉の蝶番装置である。
【0013】
上記発明によれば、公知の技術において別部品として設けていた樹脂製の台座部品を、扉側蝶番に一体的に設けたことにより、部品点数を低減し、組立て作業を楽にすることができる。
【0014】
請求項4の発明は、扉側蝶番が一体に形成され全体が合成樹脂からなる取付部材を、扉の枢支側角部に形成された切欠部に対応して、裏面側から嵌合取着し、扉に取着された扉側蝶番に対して中間蝶番の第2枢軸を枢着すると共に、第2枢軸には扉側蝶番を閉鎖方向に回動付勢するばね部材を設け、上記中間蝶番の一端側には第1枢軸を介して家具類の筐体における開口隅部に固着された筐体側蝶番に枢着した家具類における扉の蝶番装置である。
【0015】
上記発明によれば、従来構造にあっては、別体に設けられていた金属製の扉側蝶番と取付部材を、合成樹脂化すると共に、一体化することにより、部品点数を削減し、部品製造のために必要とされる金型の点数も減少させることができる。
さらに、組立て工数をも低減して製造コストを著しく削減することができる。
【0016】
請求項5の発明は、上記請求項4の発明であって、取付部材に一体に形成された軸受け部の第2枢軸の先端部に対応する部位には、該第2枢軸を回転自在に嵌合保持する嵌合爪を形成し、また、第2枢軸の中途部を先端側が小径となる如く段差部を形成し、この段差部に対応する上記軸受け部にも第2枢軸の段差部を回転自在に保持する段部を形成し、中間蝶番と扉側蝶番との間に所定隙間を形成してなる上記家具類における扉の蝶番装置である。
【0017】
上記発明によれば、第2枢軸を軸受け部に圧入するだけで、嵌合爪が第2枢軸の先端部に嵌合自在に保持する如く嵌合し、第2枢軸が不用意に抜け外れることを防止できるので、従来別部品としてEリング等により行っていた第2枢軸の抜け止めを、特別の部品を必要とせずに行うことができる。また、取付も圧入作業のみなので、工具が不要であり、組立て作業をより迅速化することができる。また、第2枢軸と軸受け部とにそれぞれ段差部を形成して、所定高さに保持する如く構成することにより、ばね部材を介在した場合であっても、ばね部材を圧縮することなく、良好な作動を確保することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例につき説明する。
【0019】
【実施例】
図1は、キャビネットの扉の上部に取り付けられた本発明に包含される蝶番装置の第1実施例を示す分解斜視図であり、図2は、蝶番装置の組み立てを完了した状態を示す斜視図である。
【0020】
図中に示される蝶番装置1は図示しないキャビネットの筐体にねじにより固定される金属製の筐体側蝶番2を備え、この筐体側蝶番2の扉の角側端に対応する部位には垂直下方に突出された第1枢軸2aを介して金属製の中間蝶番3が該第1枢軸の回りに回動自在に枢支されている。中間蝶番3の他端部には該中間蝶番3に一体に形成され下方に延長された第2枢軸3aが設けられている。
【0021】
一方、扉4の枢着側の上角部には切欠部4aが形成され、該切欠部4aには、折り返された垂直および水平の縁部4b,4cの内側壁のそれぞれに、両端部が接合する如く挿着された取付部材としての金属製の取付板5を備え、該取付板5の中途部は、上記切欠部4aに対応する部分が扉4の上側の水平縁部4cよりも一段下位に位置される如く折曲され、該折曲部には、扉4の水平縁部4cの上方より挿着される扉側蝶番6の軸受け部6aおよび嵌合連結部7とが嵌合状に挿入される挿着孔5a,5bが穿設されている。該扉側蝶番6は、その全ての部分が合成樹脂から形成されており、一体的に形成されたものである。つまり、中間蝶番3の第2枢軸3aが挿入される筒状の軸受け部6aと、該軸受け部6a上に一体に形成されて中間蝶番3を支持し、ばね部材8の上下方向の潰れを防止して、外周部に環装されたばね部材8の確実な作動を確保する台座部9、および、該軸受け部6aの左右側に隣接して下側に突出されたブロック形状の一対の嵌合連結部7は、全て扉側蝶番6に一体的に成形されてなるものである。該嵌合連結部7の側壁面には、外側に突出して、押圧力を受けると弾性的に没する舌片状に切り出された係合爪7aがそれぞれ形成され、上記取付板5の挿着孔5aの縁部に係合して、連結されるように形成されている。また、扉側蝶番6の上面の一側には上方に突出して、該ばね部材8の一端が係合される係合突片10が一体に形成され、さらに、上面の他側には同様に上方に突出して中間蝶番3の回動範囲を約90°の範囲に規制する如く干渉する回動規制片11が一体に形成されている。
【0022】
そして、筐体側蝶番2に枢着された中間蝶番3の第2枢軸3aが、扉4に固着された扉側蝶番6の軸受け部6aに枢着状態に挿入され、さらに、軸受け部6aより露出された第2枢軸3aの下端には、Eリング12が取着され、抜け防止構造を成し、且つ、ばね部材8の他端が中間蝶番3の下面側に係合される。
【0023】
以上の如くして完成された蝶番装置1は、扉4を開く際に、先ず始めに、第1枢軸2aを中心に開放(第1段階)され、キャビネットの筐体前面に対して、約90°の角度に開放することができる。さらに、扉4を開くことにより、第2枢軸3aを中心に扉4が回動(第2段階)され、キャビネットの筐体前面に対して、約180°の角度にまで開放することができる。
【0024】
なお、中間蝶番3は閉位置および上記第1段階の開き状態においては、扉4の切欠部4aに略面一に収容されキャビネットの前面や外側に突出しない構造となっている。
【0025】
また、取付板5を合成樹脂化すると共に、嵌合挿着可能な構造とすることにより、溶接や、ねじによる締付け構造を廃止し、部品点数と作業工数を削減することも可能である。
【0026】
次に、本発明の第2実施例につき説明する。
【0027】
図3は、キャビネットの扉の上部に取り付けられた本発明に包含される蝶番装置の一実施例を示す分解斜視図であり、図4は、蝶番装置の組み立てを完了した状態を示す斜視図である。
【0028】
図中において、筐体側蝶番2および中間蝶番3の構成は上記第1実施例で説明した構成と同様のため、同一構成部分に関しては同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ以下に説明することとする。
【0029】
扉4の枢着側の上角部には切欠部4aが形成され、該切欠部4aには、折り返された垂直および水平の縁部4b,4cの内側壁に、両端部が接合する如く挿着された合成樹脂製の取付部材5が設けられている。
【0030】
垂直縁部4bは、さらに、扉4の外表壁に平行に折曲された補強壁部aと、この補強壁部aから、さらに折曲延長されて、該外表壁に略垂直状に形成された支持リブbとを備えている。該支持リブbは切欠部4aに近接する部位が水平に切除され、且つ、扉4の外表壁と対峙する縁部は所定巾の隙間をもって形成され、上記取付部材5の一端部には、該所定巾の隙間に嵌合状に挿入される挿着片部13が設けられると共に、支持リブbの上端部を乗り越えて、挿着され係合する楔状爪14が一体に設けられている。
【0031】
また、扉4の水平縁部4cの切欠部4aに近接する部分には、舌片状に打ち抜かれ、一段没した状態で、先端部を該切欠部4aとは反対側に延長され、且つ、水平縁部4cに略平行に形成された保持片15が設けられている。また、水平縁部4cの縁部には、外表壁に平行に折曲された補強壁部aが形成され、板厚方向に四角形状の係合小孔16が穿設されている。そして、取付部材5の他端側上面には、上記保持片15が挿入可能な縦孔17が穿設され、さらに、扉4の切欠部4aが有る隅側にスライド移動されることで、保持片15が係合する如く板状に形成された噛合部17aが形成されている。また、取付部材5の他端側の上記係合小孔16に対応する側面には、係合小孔16に向けて突出された楔状爪18が凸設されており、上記切欠部4が有る隅側にスライド移動された場合に、楔状爪18が係合小孔16に係合するように構成されている。
【0032】
取付部材5は、上記挿着片部13、楔状爪14,縦孔17、噛合部17aおよびもう一つの楔状爪18により、扉4の切欠部4aに対応する如く固着されるように構成されており、その取着作業は、上記縦孔17に保持片15を挿入し、切欠部4a側にスライド移動させるという極めて簡単なものである。
【0033】
取付部材5の中途部は、上記切欠部4aに対応する部分が扉4の上側の水平縁部4cよりも一段下位に位置される如く折曲され、該折曲部には、扉側蝶番6が一体に形成されている。つまり、該扉側蝶番6に設けられた、中間蝶番3の第2枢軸3aが挿入される筒状の軸受け部6aと、該軸受け部6a上に一体に形成されて中間蝶番3を支持し、ばね部材8の上下方向の潰れを防止して、外周部に環装されたばね部材8の確実な作動を確保する台座部9は、全て取付部材5に一体的に成形されてなるものである。
【0034】
扉側蝶番6の上面の一側には、取付部材5の折曲隅部に凹欠状に形成され、ばね部材8の一端が係合されるた凹部10aが形成され、さらに、扉側蝶番6の上面の他側には上方に突出して中間蝶番3の回動範囲を約90°の範囲に規制する如く干渉する回動規制片11が一体に形成されている。
【0035】
そして、筐体側蝶番2に枢着された中間蝶番3の第2枢軸3aが、扉4に固着された取付部材5の軸受け部6aに枢着状態に挿入され、さらに、軸受け部6aより露出された第2枢軸3aの下端には、Eリング12が取着され、抜け防止構造を成し、且つ、ばね部材8の他端が中間蝶番3の下面側に係合される。
【0036】
以上の如くして完成された蝶番装置1は、扉4を開く際に、先ず始めに、第1枢軸2aを中心に開放(第1段階)され、キャビネットの筐体前面に対して、約90°の角度に開放することができる。さらに、扉4を開くことにより、第2枢軸3aを中心に扉4が回動(第2段階)され、キャビネットの筐体前面に対して、約180°の角度にまで開放することができる。
【0037】
なお、中間蝶番3は閉位置および第1段階の開き状態においては、扉4の切欠部4aに収容されキャビネットの前面に面一に取着され外側に突出しない構造となっている点については既に上記した第1実施例と同様である。
【0038】
次に、図5の蝶番装置の分解斜視図を参照して、本発明に包含される蝶番装置の第3実施例について説明する。
【0039】
図に示される扉4の枢着側の上角部には切欠部4aが形成され、該切欠部4aには、折り返された垂直および水平の縁部4b,4cの内側壁に、両端部が接合する如く挿着された合成樹脂製の取付部材5が設けられている。
【0040】
垂直縁部4bは、さらに、扉4の外表壁に平行に折曲された補強壁部aと、この補強壁部aから、さらに折曲延長されて、該外表壁に略垂直状に形成された支持リブbとを備えている。該支持リブbの上端側には、補強壁部a部分から連続されたL字状の平断面を有する係止舌片19が形成されている。
【0041】
そして、上記取付部材5の一端部には、該係止舌片19部分に嵌合挿着される凹欠部6bが形成され、この凹欠部6bの底部には、係止舌片19の縁部に対峙して、係合する係合爪6cが設けられ、取付部材5を扉4の中央側から切欠部4a側にスライド移動させることにより、上記係合爪6cが弾性変形して係止舌片19を乗り越えて移動し、同係止舌片19の内壁に係合し、固定されるようになっている。さらに、取付部材5の一端部は、上記凹欠部6bを形成する壁面が係止舌片19の上下に嵌合状に当接して、該取付部材5の上下移動を阻止する如く構成されている。
【0042】
また、取付部材5の他端側は、上方に折曲延長され、扉4の水平縁部4cの下面に当接する如く構成されている。該水平縁部4cの縁部は、さらに、外表壁に向けて垂直状に折曲された補強壁部aおよび支持リブbが形成されており、該補強壁部aと支持リブbの切欠部4aに近接する部分には、補強壁部a部分から連続されたL字状の断面形状を有する係止舌片20が所定幅の間隔20aをもって形成されている。
【0043】
取付部材5の他端には略水平に切り込まれた係合溝21が形成されており、この他端部は上記係止舌片20に隣接する間隔部分20aを通過して水平縁部4cの直下に挿入され、該係合溝21を係止舌片20に嵌合する如くスライド移動させることにより、取付部材5の他端が扉4に嵌合挿着される。
【0044】
従って、取付部材5は、他端部を補強壁部aの間隔部20aから挿入し、スライド移動させることにより、係合溝21を係止舌片20に係合し、また、このスライド移動により一端部の凹欠部6bが係合舌片19に嵌合し、係合爪6cが嵌合され、取付部材5の両端部が極めて簡単な作業により扉4の内側部に嵌合挿着される。
【0045】
さらに、取付部材5の切欠部4aに対応する部位の略中央部には、垂直方向に穿設された軸受け部6aが形成され、該軸受け部6aの下端部には、一対の嵌合爪12が設けられており、中間蝶番3の下面に垂直状に垂下立設され、ばね部材8が環装された第2枢軸3aの先端部が回転自在に嵌合され、軸3aの不用意な抜け出しを防止するように構成されている。
【0046】
扉4に取着された取付部材5には、上方より中間蝶番3が挿着されるが、該中間蝶番3は全体が合成樹脂より成形されて成り、第2枢軸3aの先端側には上記嵌合爪12に嵌合する係合端が形成され、さらに、中途部には直径が変更されて段差部が形成されている。該段差部は取付部材5に穿設された軸受け部6aの孔内に形成された図示しない段差部に保持されて、所定深さにて、回転自在に支持するように構成され、ばね部材8の良好な作動を確保するように形成されている。
【0047】
上記ばね部材8の一端部は、取付部材5の上部に鉤状に突設された係合突片10に係合され、また、他端部は、上記中間蝶番3の下面に係合され、中間蝶番3を取付部材5に対して閉鎖方向に付勢する如く取着されている。なお、中間蝶番3は取付部材5の上部に突設された回動規制片11に係止されて、その回動の範囲を約90°に制限されている。また、中間蝶番3は、上記実施例と同様に、図示しない金属製の筐体側蝶番の第1枢軸に対して回動自在に枢着される。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、蝶番装置を構成する部品を可能な限り合成樹脂化することにより、部品点数を減少し、組立て工数を削減すると共に、製品の軽量化を計り、錆び等の発生を防止し、且つ、きしみによる騒音の発生を抑え、より低価格化が可能な家具類における扉の蝶番装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の蝶番装置の分解斜視図である。
【図2】図1の蝶番装置の組立て状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例の蝶番装置の分解斜視図である。
【図4】図3の蝶番装置の組立て状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3実施例の蝶番装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 蝶番装置
2 金属製の筐体側蝶番
2a 第1枢軸
3 合成樹脂製の中間蝶番
3a 第2枢軸
4 扉
4a 切欠部
4b 垂直縁部
4c 水平縁部
5 取付板(取付部材)
5a 嵌合連結部の挿着孔
5b 軸受け部の挿着孔
6 合成樹脂製の扉側蝶番
6a 軸受け部
7 嵌合連結部
8 ばね部材
9 台座部
Claims (5)
- 家具類の筐体に固定される筐体側蝶番と、一端部が第1枢軸を介して筐体側蝶番に枢支された中間蝶番と、中間蝶番の他端側に閉鎖方向に回動付勢するばね部材を併設した第2枢軸を介して枢支した扉側蝶番とを備えた扉の蝶番装置において、
扉側蝶番は、合成樹脂により一体成形され、該扉側蝶番の下側に突設された嵌合連結部を、扉の枢支側角部に形成された切欠部に対応して扉の裏面側より挿着された取付部材に形成された挿着孔に圧入嵌合して取着されたことを特徴とする家具類における扉の蝶番装置。 - 取付部材は、合成樹脂成形品から成り、扉の枢支側角部に扉の裏面側から嵌合挿着されてなることを特徴とする請求項1に記載の家具類における扉の蝶番装置。
- 中間蝶番を所定高さに保持する台座部を第2枢軸に同心状に且つ扉側蝶番に一体的に形成したことを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の家具類における扉の蝶番装置。
- 扉の枢支側角部に形成された切欠部に対応する如く扉の裏面側から嵌合取着された合成樹脂製の取付部材を備え、該取付部材の切欠部に対応する部位には扉側蝶番が一体に形成され、扉側蝶番を閉鎖方向に回動付勢するばね部材を環装した第2枢軸を介して該扉側蝶番を中間蝶番に対して枢支し、中間蝶番の一端側を第1枢軸を介して家具類の筐体に固定される筐体側蝶番に枢支したことを特徴とする家具類における扉の蝶番装置。
- 合成樹脂からなり取付部材に一体に形成された扉側蝶番には第2枢軸の軸受け部が形成され、該軸受け部の下部には第2枢軸の先端部を回転自在に嵌合保持する嵌合爪が一体に形成され、また、第2枢軸の中途部には先端側が小径化された段差部が形成され、軸受け部には該第2枢軸の段差部を回転自在に当接支持する段部が形成され、中間蝶番と扉側蝶番との間に所定隙間を保持する如く構成されたことを特徴とする請求項4に記載の家具類における扉の蝶番装置。
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