JP3690450B2 - 建物の振動制御方法および制震構造 - Google Patents

建物の振動制御方法および制震構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の振動特性を調整して、これにより、特に地震時における建物の安全性を向上させるための建物の振動制御方法、およびそれに用いる制震構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、地震時における建物の安全性を高めるために、建物にある種の構造や機構を設けることによって、建物の振動特性を調整することが、近年盛んに行われるようになっている。
【0003】
このような構造や機構の例としては、建物の基礎部分に積層ゴムを介装することによって、建物の固有周期を長周期化する免震構造や、建物の各所に設置されて、建物の振動エネルギーを吸収するエネルギー吸収機構、あるいは、建物の振動エネルギーを付加質量の運動エネルギーに変換する質量効果機構等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような免震構造においては、地震波において長周期成分が卓越する場合には、建物の安全性を確保できない懸念がある。
また、建物中にエネルギー吸収機構や質量効果機構を配置する場合には、建物中においてこれらの機構が設置される位置や、これらの機構と建物との動特性の違いによって、得られる効果に大きな違いが生じることとなる。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、地震波の周期成分や制震機構の特性や位置などの影響を受けずに建物本体の振動応答を低減することのできるような建物の振動制御方法および制震構造を提供することをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、建物に対し、付加質量体と付加質量体の建物本体に対する相対変位を規制するための弾性体とを設けておき、地震により建物が水平振動する際には、付加質量体を建物本体と同方向に変位させて、これら建物本体および付加質量体を、あたかも鞭が振られるかのように振動(以下、ホイッピング現象という。)させることとし、これにより、地震の建物に対する入力エネルギーをこれら付加質量体および弾性体の部分に集中させて、その結果として、建物本体に対する地震入力エネルギーを低減化するようにした。以下に、その原理について若干の説明を加えておく。
【0007】
まず、建物の特性を簡単に表現するために、建物本体の全質量をm1とし、さらに、建物本体の動的特性を等価なバネ(バネ定数:k1)で置き換えて表す。また、建物本体に設置される付加質量体の質量をm2とし、付加質量体の建物本体に対する相対変位を規制するための弾性体のバネ定数をk2とする。これにより、建物本体および付加質量体によって構成される振動系は、図8に示すように、質点A,Bおよびバネp,qによって、模式的に表されることとなる。
【0008】
図8において、振動系1の応答は、各々の固有振動形uの影響度合いを表す刺激係数βと固有振動形uとの積である刺激関数βuにより求められる。ホイッピング現象が最大限に発揮されるのは、刺激関数βuが極値をとるときの固有振動であって、このとき、
【数13】
Figure 0003690450
の条件式により、ホイッピング現象発生時の固有振動形uiは、式(14)に示すように求められる。また、式(14)を用いて、ホイッピング現象発生時の刺激係数βiは、式(14)に示すように求められる。
【数14】
Figure 0003690450
【数15】
Figure 0003690450
ここに、質量比m=m2/m1
【0009】
また、質点Aの変位で基準化した固有振動形を{u 1}Tとして、固有振動の共役性は、式(16)および(17)で与えられる。
【数16】
Figure 0003690450
【数17】
Figure 0003690450
ここに、
【数18】
Figure 0003690450
【数19】
Figure 0003690450
【0010】
ホイッピング現象発生時の式(14)の固有振動を式(16)および(17)式に代入することにより、図8に示した振動系1における質点q(質量m2)に関する振動諸元が、式(20)のように得られる。また、付加質量体を設置する前の建物本体の固有周期をT0とすると、付加質量体を設置したときのホイッピング発生時の固有周期T1は、式(21)で与えられる。
【数20】
Figure 0003690450
【数21】
Figure 0003690450
ここに、
【数22】
Figure 0003690450
【数23】
Figure 0003690450
【数24】
Figure 0003690450
【0011】
質量比をm=0.05とした場合に、バネ比kの関数として刺激関数βuの分布を図9のグラフに示す。このグラフから、式(20)のバネ条件が満足されるときに刺激関数βuは、極値をとることが理解できる。
【0012】
このように、付加質量体においてホイッピング現象を生じるための条件が式(20)および(22)で表せられるため、逆に、式(20)および(22)に示したような条件で、または、それに近い条件で付加質量体および弾性体の諸元を設定しておけば、付加質量体に対してホイッピング現象を生じさせることができる。
【0013】
次に、ホイッピング現象が発生した際に、上記の建物本体および弾性体においてどのようにエネルギーが分布するかについてを説明する。
ここでは、エネルギー分布の検討を明確化するために、エネルギー消費のない非減衰の弾性振動を考える。この場合には、地震入力エネルギーがバネのポテンシャルエネルギーに等しくなり、図8に示した振動系1におけるバネq,pのポテンシャルエネルギーU2,U1は、以下の式(25)および(26)により求められる。
【数25】
Figure 0003690450
【数26】
Figure 0003690450
ここに、
0:質点Aに対して質点Bを設けない場合の質点Aの応答
1,R2:質点Aに対して質点Bを設けた場合のR0に対する応答変位の比
【0014】
質量比をm=0.05と仮定して、バネ比kの関数として、式(25)および(26)に示したポテンシャルエネルギーU1,U2とk10 2との比を求めたのが、図10に示したグラフである。
図10に示したグラフによれば、バネ比kがk=0(m=0)とk=1(m=∞)の場合には、バネpが全てのポテンシャルエネルギーを負担して、バネqのポテンシャルエネルギーは0となるが、式(20)を満足するホイッピング現象発生時には、各々のバネp,qのポテンシャルエネルギーが地震入力エネルギーを等分することになる。したがって、建物本体、付加質量体および弾性体からなる系に意図的にホイッピング現象を発生させることにより、付加質量体および弾性体に地震エネルギーの約半分までを集中化させることが可能である。
また、一般に、応答はエネルギーの平方根に比例するので、この場合、建物の応答を70%程度に低減することが可能である。
【0015】
本発明は、以上のような原理に基づき建物本体の振動の低減化を図るものであり、そのために以下に示すような手段を採用している。
すなわち、請求項1記載の建物の振動制御方法は、建物において、付加質量体を建物本体に対して少なくとも水平方向に相対変位可能に設けるとともに、該建物本体側に、該相対変位を弾性的に規制する弾性体を固定しておき、
前記建物に水平振動が作用した際には、該付加質量体が前記建物本体と同方向に変位するように該付加質量体を振動させる建物の振動制御方法であって、
前記付加質量体の質量および前記弾性体のバネ定数を、以下の(1)ないし(3)の条件式を満たすように設定しておくことによって、前記建物に水平振動が作用した際に、前記付加質量体を前記建物本体と同方向に変位させることを特徴とする。
【数27】
Figure 0003690450
【数28】
Figure 0003690450
【数29】
Figure 0003690450
ここに、k 1 :前記建物本体の動的特性と等価なバネ定数、
2 :前記弾性体のバネ定数、
1 :前記建物本体の全質量
2 :前記付加質量体の質量
【0018】
上記のような構成とされるため、この建物の振動制御方法によれば、地震時に、付加質量体が建物本体と同方向に変位して、これにより付加質量体と建物本体とが、あたかも鞭が振られるように振動する「ホイッピング現象」を、最大限に発揮させることができる。これにより、付加質量体および弾性体に、建物本体の振動エネルギーを集中させることができ、建物本体の振動応答の低減化を図ることが可能となる。
【0019】
請求項記載の建物の振動制御方法は、請求項1記載の建物の振動制御方法であって、
前記弾性体を弾塑性材料により形成しておき、前記相対変位が生じた際には、該弾性体を塑性変形させて、前記付加質量体の振動エネルギーを吸収させることを特徴とする。
【0020】
この建物の振動制御方法においては、弾性体が塑性変形して建物本体の振動エネルギーを吸収することにより、さらなる制震効果を期待することができる。
【0021】
請求項記載の制震構造は、建物本体に設けられた弾性体と、該弾性体によって支持された構造体とを備えてなり、
該弾性体のバネ定数および該構造体の質量は、以下の(4)ないし(6)の条件式を満たすように設定されていることを特徴とする。
【数30】
Figure 0003690450
【数31】
Figure 0003690450
【数32】
Figure 0003690450
ここに、k1:前記建物本体の動的特性と等価なバネ定数、
k2:前記弾性体のバネ定数、
m1:前記建物本体の全質量
m2:前記構造体の質量
【0022】
この制震構造においては、上記のような条件で弾性体および構造体の諸元が設定されるため、地震時には、構造体および建物本体からなる系において、ホイッピング現象を生じることとなる。
【0023】
請求項記載の制震構造は、請求項記載の制震構造であって、
前記構造体は、建物の塔屋であることを特徴とする。
この制震構造は、建物に通常設置される塔屋を利用して形成することができる。
【0024】
請求項記載の制震構造は、建物本体に設けられて互いに平行に配置される複数の第一のレールと、これら第一のレールに直交するように配置されるとともに、該第一のレールにより、該第一のレールの延在方向に相対変位可能に支持される複数の第二のレールと、該第二のレールにより、該第二のレールの延在方向に相対変位可能に支持される付加質量体と、前記建物本体側に固定されるとともに、該付加質量体を水平方向から囲むように設けられた反力壁とを備えてなり、
前記付加質量体および前記反力壁は、弾性体を介して連結され、
該弾性体のバネ定数および付加質量体の質量は、以下の(7)ないし(9)の条件式を満たすように設定されていることを特徴とする。
【数33】
Figure 0003690450
【数34】
Figure 0003690450
【数35】
Figure 0003690450
ここに、k1:前記建物本体の動的特性と等価なバネ定数、
k2:前記弾性体のバネ定数、
m1:前記建物本体の全質量、
m2:前記付加質量体の質量。
【0025】
この制震構造においては、付加質量体と弾性体の諸元が上記のように設定されているため、地震時には、付加質量体が建物本体と同方向に変位することにより、建物の振動エネルギーの一部を付加質量体に集中させることが可能である。
【0026】
請求項記載の制震構造は、建物本体が地盤上に立設された下層階と、該下層階上に支持された中間階と、該中間階上に支持された上層階とを備えた構成とされ、
前記中間階は、その剛性が前記下層階および前記上層階に比較して小とされるとともに、その動的特性と等価なバネ定数が、以下の(10)ないし(12)の条件式を満たすように形成されていることを特徴とする。
【数36】
Figure 0003690450
【数37】
Figure 0003690450
【数38】
Figure 0003690450
ここに、k1:前記下層階の動的特性と等価なバネ定数、
k2:前記中間階の動的特性と等価なバネ定数、
m1:前記下層階の全質量、
m2:前記上層階の全質量。
【0027】
この制震構造においては、中間階が上記のように形成されるために、中間階において建物本体への地震入力エネルギーを吸収することができる。また、中間階によって支持される上層階を鞭振り振動させることにより、地震入力エネルギーを上層階の振動エネルギーとして集中させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る建物の振動制御方法および制震構造の第一ないし第四の実施の形態を、それぞれ図面を参照して説明する。
[第一の実施の形態]
図1は、本発明の第一の実施の形態を示す図であり、図中、符号3は、建物を表す。
図中に示すように、建物3は、建物本体4と、建物本体4の屋上5に対して設けられた制震構造7とを備えて構成されている。また、制震構造7は、屋上5に対して設置された複数の積層ゴム9,9,…と、積層ゴム9,9,…上に設置されたコンクリート板(付加質量体)10とから構成されている。
【0029】
これらコンクリート板10および積層ゴム9,9,…は、建物本体4の動的特性と等価なバネ定数をk1、積層ゴム9,9,…のバネ定数をk2、建物本体4の全質量をm1、コンクリート板10の質量をm2としたとき、以下の条件式(39)〜(41)を満たすように形成されている。
【数39】
Figure 0003690450
【数40】
Figure 0003690450
【数41】
Figure 0003690450
【0030】
このように、コンクリート板10および積層ゴム9,9,…の諸元を式(39)〜(41)に示すように設定しておくことにより、地震発生時には、建物本体4およびコンクリート板10においてホイッピング現象が発生し、建物本体4および積層ゴム9,9,…は、あたかも鞭が振られるかのように振動することとなる。
【0031】
これにより、地震による建物本体4への入力エネルギーの一部を、積層ゴム9,9,…の変形によるポテンシャルエネルギーおよびコンクリート板10の運動エネルギーに変換することができ、したがって、建物本体4の地震による振動応答を低減させることができる。
【0032】
上述の建物の振動制御方法によれば、付加質量体としてのコンクリート板10と積層ゴム9,9,…とからなる制震構造7を、建物本体4に付加しておくことによって、地震入力エネルギーが制震構造7に集中するように建物3の振動特性をあらかじめ調整しておき、これにより建物本体4の地震時の振動応答を低減することとされている。したがって、これにより得られる制震効果は、従来用いられてきた免震構造や制震構造から得られる制震効果と異なり、地震波の周期成分による影響や建物と制震構造の配置や動特性の違いに依存することがない。これにより、従来に比較して、より安定した制震効果を得ることが可能である。
【0033】
また、この際、式(39)〜(41)を満たすように、コンクリート板10および積層ゴム9,9,…の諸元を設定しておけば、建物本体4および制震構造7において、ホイッピング現象を最大限に発揮させることが可能であり、これにより、建物本体4において、地震による振動応答のより一層の低減化を図ることができる。
【0034】
また、上述の制震構造7においては、コンクリート板10および積層ゴム9,9,…の諸元が、式(39)〜(41)を満たすように設定されているため、制震構造7と建物本体4とが一体となって鞭を振るように振動するホイッピング現象が最大限に発揮されることとなり、これにより建物本体4において優れた振動応答の低減効果を得ることが可能となる。また、この制震構造7は、単に、建物本体4の屋上に設置されるのみで制震効果を発揮することが可能であるため、建物の基礎や内部等に設置される従来の免震構造や制震構造に比較して、容易に建物に対して設置できる。また、この制震構造7は、既存建築物の耐震安全性の増強工事に用いる場合には、建物内部の間取りに影響を与えることなく設置することが可能であり、なおかつ、設置にあたって、建物内部の日常活動を阻害するようなことがない。
【0035】
[第二の実施の形態]
次に、本発明の第二の実施の形態を図2を参照して説明する。なお、図2において、上記第一の実施の形態と共通する構成については、同符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
図2に示す制震構造12は、上記第一の実施の形態における制震構造7において用いられる付加質量体を、コンクリート板10の代わりに、建物3に設置される塔屋13としたものである。
【0037】
図中に示すように、塔屋13の基礎部分13aと建物本体4側との間には、金属製のバネ14が介装されている。このバネ14は、建物本体4の質量をm1、塔屋13の質量をm2、建物本体4の動的特性と等価なバネ定数をk1、バネ14のバネ定数をk2とした場合に、バネ定数k2が、上記第一の実施の形態と同様の式(39)〜(41)の条件を満たすように形成されている。
【0038】
このように、式(39)〜(41)に示したような条件を満たすバネ14を用いて、建物本体4の上に制震構造12を形成しておくことによって、地震発生時には、建物本体4および制震構造12においてホイッピング現象が発生し、これらは、あたかも鞭が振られるかのように振動することとなる。
【0039】
これにより、地震による建物本体4への入力エネルギーの一部を、塔屋13の運動エネルギーおよびバネ14のポテンシャルエネルギーとして変換させることができ、これにより、建物本体4の地震による振動応答が低減される。
【0040】
さらに、上記の制震構造12においては、バネ14が金属製とされていることから、大規模な地震が発生した際には、バネ14が塑性変形して、建物3に対する地震入力エネルギーの一部を吸収することが可能である。これによって、建物本体4の地震による振動応答がさらに低減される。
【0041】
このように、本実施の形態の建物の振動制御方法によっても、上記第一の実施の形態における建物の振動制御方法と全く同一の効果を得ることができる。さらに、本実施の形態においては、バネ14を金属製としておき、強大な地震が発生した場合には、バネ14が弾塑性履歴を受け、建物3の振動エネルギーの一部を吸収するように作用させることにより、上記の効果をより一層顕著なものとすることができる。
【0042】
また、このようにバネ14を構成しておくことによって、地震時に、建物3において破損が生じる部位を、バネ14の部分に特定することができる。したがって、例えば、この建物の振動制御方法を、保有水平耐力が不足する建物に対して適用した場合には、従来のように、建物の耐力を増強させるために、建物の各所の耐力が不足する部分に耐震要素を付加するなどの作業が必要なくなる。これにより、本方法を用いて、耐震改修工事の著しい合理化を達成することが可能となる。
また、このように、建物3において破損が生じる部位が予め特定されているため、大規模な地震が生じた際にも、復旧工事を極めて容易に行うことができる。
【0043】
さらに、この制震構造12においては、上述の制震構造7と同様の効果を得ることができるだけでなく、付加質量体として塔屋13を用いるために、建物に設置する際に、特別な装置や構造を必要としない。
【0044】
[第三の実施の形態]
次に、本発明の第三の実施の形態を図3および図4を参照して説明する。なお、これらの図においても、上記第一および第二の実施の形態と共通する構成については、同符号を付し、その説明を省略することとする。
【0045】
図3,4は、それぞれ本実施の形態の制震構造16を側方および上方から見た図である。図中に示すように、制震構造16は、鉄筋コンクリート造の建物本体4の屋上5から第一、第二のレール18,18,…、19,19,…、および支持台20を介して支持された付加質量体21と、屋上5に固定されるとともに、付加質量体21を囲むように設けられた反力壁22と、付加質量体21および反力壁22の間に介装された金属製のバネ23,23,…とから概略構成されている。
【0046】
これら図中に示すように、第一のレール18,18,…は、建物本体4の屋上5に固定されるとともに、互いに平行に配置されている。また、支持台20と第一のレール18,18,…との間には、滑車25,25,…が介装されており、これにより、支持台20は、第一のレール18,18,…に沿って移動可能とされている。
【0047】
また、第二のレール19,19,…は、支持台20上に固定されており、付加質量体21を滑車26,26,…を介して支持する構成とされている。これにより、付加質量体21は、第二のレール19,19,…に沿って移動可能な構成とされている。したがって、付加質量体21は、建物本体4に対して互いに直交する二方向に相対変位可能とされるとともに、この相対変位をバネ23,23,…が規制する構成とされている。
【0048】
さらに、これら付加質量体21およびバネ23,23,…は、建物本体4の質量をm1、付加質量体21の質量をm2、建物本体4の動的特性と等価なバネ定数をk1、バネ14のバネ定数をk2とした場合に、質量m2およびバネ定数k2が、上記第一、第二の実施の形態と同様の式(39)〜(41)の条件を満たすように形成されている。
【0049】
このように、式(39)〜(41)に示したような条件を満たす付加質量体21、およびバネ23,23,…を用いて、建物本体4の上に制震構造16を形成しておくことにより、地震発生時には、付加質量体21は、建物本体4と同方向に変位し、付加質量体21および建物本体4においては、ホイッピング現象が発生することとなる。
【0050】
これにより、地震による建物本体4への入力エネルギーの一部を、付加質量体21の運動エネルギーおよびバネ23,23,…のポテンシャルエネルギーにて変換させることができ、これにより、建物本体4の地震による振動応答が低減される。
【0051】
さらに、大規模な地震が発生した際には、バネ23,23,が塑性変形することによって、地震入力エネルギーの一部を吸収し、建物本体4の地震による振動応答をさらに低減するように作用する。
【0052】
このように、本実施の形態における建物の振動制御方法および制震構造16によっても、上記第一および第二の実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。特に、本実施の形態の制震構造16においては、上記のような構成とされるため、保守点検が容易であり、また、装置自体のコストを安価とすることができる。さらに、この制震構造16においては、バネ23,23,…の交換を容易に行うことができるために、万一、ひび割れ等を原因として建物本体4の動的特性が変化したとしても、建物本体4の固有周期等の動的特性を測定し直し、バネ23,23,…を最適なものに交換し直すことによって、常にその制震効果を維持することが可能である。
【0053】
[第四の実施の形態]
次に、本発明の第四の実施の形態を図5を参照して説明する。
図5に示す制震構造30は、建築物の建物本体32を構成する架構33に対して適用されたものである。
【0054】
建物本体32は、地盤G上に立設された下層階35と、下層階35上に支持された中間階36と、中間階36上に位置する上層階37とから構成されている。中間階36においては、架構33を構成する柱38,38,…の中間に積層ゴム39,39,…からなる免震装置40,40,…が設けられている。また、これら免震装置40,40,…が設けられることにより、中間階36の剛性は、上層階37および下層階35に比較して小さいものとされている。
【0055】
さらに、中間階36の剛性は、下層階35の動的特性と等価なバネ定数をk1、中間階36の動的特性と等価なバネ定数をk2、下層階35の全質量をm1、上層階37の全質量をm2とした場合に、k2が、第一ないし第三の実施の形態と同様の式(39)〜(41)の条件を満たすように設定されている。
また、免震装置40,40,…は、中間階36に設置された際に、上記のような条件を実現するように、その性能が設定されている。
【0056】
このように、建物本体32において、剛性の小さい中間階36を設けた場合には、中間階36において大変形が許容されることにより、中間階36が建物本体32への地盤Gからの地震入力エネルギーを吸収するように作用することとなり、したがって、中間階36より上に位置する上層階37には、地震入力エネルギーの伝播が殆どない。
【0057】
特に、中間階36の剛性が、式(39)から(41)を満たすように設定されているために、上層階37においては、ホイッピング現象が生じ、したがって上層階37は、地震時には下層階35と同方向に鞭を振るように振動するとともに、全体として剛体的な運動をすることとなる。これにより上層階37において、その内部にひずみ等が発生することを避けることができる。
【0058】
さらに、このように剛性の小さい中間階36を設けることにより、建物本体32の固有周期が長周期化されることとなる。したがって、地震波が、長周期成分が卓越しないような特性を持つ場合には、建物本体32に対する地震入力エネルギーを低減することができ、これにより、建物本体32の応答を低減させることができる。
【0059】
また、この制震構造30においては、地震による被害を特定層(中間階36)に対して集中することができるために、あらかじめ中間階36を特定の用途等に使用するようにしておくことによって、地震による損害を最小限とすることができる。
【0060】
また、上層階37の応答を著しく低減することができるために、上層階37を構成する躯体の断面を一般の場合に比較して小さくして、建設コストの経済化を図ることも可能である。
【0061】
さらに、本実施の形態における免震装置40,40,…は、建物本体32の中間階36に設けられるため、建築物の基礎に免震装置を介装する基礎免震の場合に比較して、鉛直方向の軸力負担能力の小さいものを用いることができ、これにより免震装置40,40,…の設置に係るコストを低減化することが可能である。
【0062】
なお、この制震構造30においては、将来発生が予想される地震波のスペクトル特性を勘案しながら、建物本体32の応答が最小化するように、建物本体32における中間階36の位置を決定するようにすることも可能である。
【0063】
以上において、本発明の第一ないし第四の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態において、建物の振動制御方法の詳細や、建物本体4および制震構造7,12,16,30の各部の構造や材料等について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の構成を採用するようにしても構わない。
例えば、上記の実施の形態において、バネ14やバネ23,23,…の材料は金属製であるとしたが、その代わりに、他の弾塑性材料を使用するようにしても構わない。
また、免震装置40の構成は、積層ゴム39に限定されるものでなく、他の材料等を使用するようにしてもよい。
【0064】
なお、以下に、本発明による建物の制震効果を示すために行った動的解析の結果についてを説明する。
この動的解析は、現存する11階建ての建物をモデルとし、▲1▼原建物の屋上に付加質量体を設けた場合、▲2▼原建物の中間階の剛性を低減した場合、についてそれぞれ解析を行なったものである。以下にこれらの解析結果をそれぞれ説明する。
▲1▼ 原建物の屋上に付加質量体を設けた場合
以下の表1は、原建物を11質点系モデルと考えた場合の各質点重量とバネ定数を示したものである。
【表1】
Figure 0003690450
【0065】
また、建物本体をこのようにモデル化した場合の、各モード次数における建物本体の固有周期Tおよび刺激係数βの値を、表2に示す。
【表2】
Figure 0003690450
この質点系において、地震波(EL Centro1940 NS ; 継続時間30秒)が作用した場合の弾性応答は、ベースシヤQ=2.708×104(t)と計算される。
【0066】
一方、この質点系を一質点系とみなした場合、固有周期の次数をn=1〜5としたときの、建物本体の動的特性を表す等価なバネのバネ定数k1は、
【数42】
Figure 0003690450
となる。
【0067】
この建物本体の最上階に、バネを介して付加質量体を設置するとする。質量比mをm=0.1とした場合には、式(39)〜(41)の条件を満たすような付加質量体の質量m2および付加質量体に設置されるバネのバネ定数k2は、以下のように表せられることとなる。
【数43】
Figure 0003690450
【数44】
Figure 0003690450
この付加質量体を設けた12質点系に対して、地震波(EL Centro1940 NS ; 継続時間30秒)が作用した場合の弾性応答は、ベースシヤQ=1.871×104(t)と計算される。これは、上述の原建物モデルにおけるベースシャQの約69%となる。
【0068】
以上の計算結果から分かるように、式(39)〜(41)を満たすような付加質量体を建物の屋上に設置することによって、弾性振動の範囲で応答せん断力を69%に低減することができる。
【0069】
また、建物に3%程度の減衰があり、付加質量体を支持するバネ(バネ定数k2)が塑性率2程度の弾塑性履歴をする(等価減衰定数で31.8%程度)と仮定すると、付加質量体・建物本体系で5.4%程度の等価減衰となる。このバネの塑性履歴によるエネルギー吸収効果(ダンピング効果)を、
【数45】
Figure 0003690450
(α:ダンピング効果による低減係数、h:弾塑性履歴に等価な減衰定数)
により評価すると、ダンピング効果による低減係数:αは、
【数46】
Figure 0003690450
となり、その結果、建物本体に対して作用する地震力は、0.69×0.77=0.53となって、おおよそ半減することとなる。
【0070】
▲2▼ 原建物の中間階の剛性を低減した場合
次に、▲1▼において表1として示した原建物において、重量をほぼ等分する6階の剛性を低減させた場合の例について説明する。
表1において示した原建物において、5階までの建物部分の動的特性は、重量W1が、W1=29430t、バネ定数k1が、k1=147.1t/cmとなる。したがって、式(39)ないし(41)の条件式を満たすような6階部分のバネ定数k2は、k2=75.7t/cmとなる。
【0071】
このように6階部分の剛性を低減した建物の固有一次周期T1を、6階以上の建物重量とバネ定数k1とから概算すると、T1=4.1secとなり、原建物の固有一次周期(T1=0.78sec)に対して5倍近い長周期化が図られることになる。
【0072】
また、この建物に対して、地震波(EL Centro1940 NS および八戸港湾1968NS)が作用した場合の地震応答解析結果を示すのが、以下の表3および図6,7である。
【表3】
Figure 0003690450
表3は、それぞれの地震波が作用した際に、原建物による質点系モデル、および原建物の6階部分の剛性を低減した(6階を脆弱層とした)場合の質点系モデルの双方におけるポテンシャルエネルギーを比較したものである。
これによれば、いずれの地震の際にも、6階部分の剛性を低減した場合には、地震入力エネルギーが1/3〜1/4に低減している。
【0073】
また、図6および7は、地震波が作用した際の各階における最大応答変位および最大応答せん断力の解析結果を、原建物モデルおよび6階に脆弱層を設けた場合のモデルとで比較したグラフである。
これによれば、いずれの地震波においても、6階を脆弱層とした場合は、そうでない場合に比較して、6階以上の上層階における最大応答せん断力が著しく低減されている。また、6階以下の下層階においても、6階を脆弱層とした場合は、そうでない場合に比較して、最大応答変位および最大応答せん断力の双方が低減されていることがわかる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る建物の振動制御方法によれば、建物本体に対して設けられた付加質量体が、建物に水平振動が作用した際に、建物本体と同方向に変位するように振動することとなるため、付加質量体の質量および弾性体のバネ定数を、付加質量体および建物本体が一体となって鞭を振るように振動するために最適な条件に設定しておくことにより、建物本体の振動エネルギーを付加質量体の運動エネルギーおよび弾性体のポテンシャルエネルギーとして集中させることができ、これにより建物本体の振動応答を良好に低減化することが可能である。さらに、この方法により得られる制震効果は、従来用いられてきた免震構造や制震構造から得られる制震効果と異なり、地震波の周期成分による影響や建物と制震構造の配置や動特性の違いに依存することがないため、本方法によれば、従来に比較して、より安定した制震効果を得ることが可能である。
【0076】
請求項に係る建物の振動制御方法によれば、弾性体を弾塑性材料により形成しておき、付加質量体および建物本体に相対変位が生じた際には、弾性体を塑性変形させて、付加質量体の運動エネルギーを吸収させることとされているために、これにより、建物本体の振動エネルギーも結果的に吸収されることとなり、請求項1および2に係る発明により得られる制震効果を、より一層顕著なものとすることができる。さらに、このような方法を用いることによって、地震時に、建物において破損が生じる箇所を弾性体の部分にあらかじめ特定することができ、これによって、地震後の破損箇所の復旧工事を容易に行うことができる。
【0077】
請求項に係る制震構造は、建物本体に設けられた弾性体と、弾性体によって支持された構造体とを備えた構成とされるとともに、これら弾性体のバネ定数および構造体の質量が、構造体および建物本体が一体となって同方向に鞭を振るように振動するために最適な条件に設定されているために、地震時には、建物の振動エネルギーの一部を、構造体の振動エネルギーおよび弾性体のポテンシャルエネルギーとして最大限に集中させることができ、これにより、地震波の周期成分による影響や建物と制震構造の配置や動特性の違いに影響を受けることなく、優れた制震効果を得ることができる。
【0078】
請求項に係る制震構造は、建物本体に設けられる構造体として、建物の塔屋が利用されるため、通常の建物において容易に設置することが可能である。また、地震時に塔屋および弾性体が破損したとしても、建物に通常設置される塔屋を利用して形成することができる。
【0079】
請求項に係る制震構造においては、第一、第二のレールにより、付加質量体が直交する二方向に変位可能となるように支持されるとともに、付加質量体と、それを囲むように設けられた反力壁との間に弾性体が介装され、さらに、これら弾性体のバネ定数および付加質量体の質量が、付加質量体および建物本体が鞭を振るように同方向に振動するために最適な条件に設定されていることにより、地震時には、建物の振動エネルギーの一部を、構造体の振動エネルギーおよび弾性体のポテンシャルエネルギーに最大限に集中させることができ、これにより、地震波の周期成分による影響や建物と制震構造の配置や動特性の違いに影響を受けることなく、優れた制震効果を得ることができる。また、この制震構造は、上記のような構成とされるために、保守点検が容易であり、装置自体のコストを安価とすることができる。さらに、弾性体の交換を容易に行うことができるために、万一、ひび割れ等を原因として建物本体の動的特性が変化したとしても、建物本体の固有周期等の動的特性を測定し、弾性体を最適なものに交換し直すことによって、常にその制震効果を維持することが可能である。
【0080】
請求項に係る制震構造においては、建物本体の中間階が、下層階および上層階に比較して剛性の小さい構造とされるとともに、下層階および上層階が、鞭を振るように同方向に振動するために最適な条件に設定されている。これにより地震時には、中間階が大変形して、建物本体への地震エネルギーを吸収するように作用することとなり、したがって、上層階への地震入力エネルギーの伝播を減少させることができる。さらに、上層階が全体として剛体的に振動することとなるために、上層階においては、その内部にひずみ等が発生することが避けられる。 また、中間階により、建物本体の固有周期が長周期化されるため、地震波が、長周期成分が卓越しないような特性を持つ場合には、建物本体に対する地震入力エネルギーを低減することができ、これにより、建物本体の応答を低減させることができる。
また、この制震構造においては、地震による被害を特定層(中間階)に対して集中することができるために、あらかじめ中間階を特定の用途等に使用するようにしておくことによって、地震による損害を最小限とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態である制震構造が適用された建物を示す正面図である。
【図2】 本発明の第二の実施の形態を模式的に示す制震構造の正面図である。
【図3】 本発明の第三の実施の形態を模式的に示す制震構造の側面図である。
【図4】 同、平面図である。
【図5】 本発明の第四の実施の形態を示す制震構造の斜視図である。
【図6】 本発明の制震構造による制震効果を示すための図であって、前記制震構造が適用された建物に地震波が作用したと仮定した場合の建物各階の最大応答変位の解析結果を示すグラフである。
【図7】 同、建物各階の最大応答せん断力の解析結果を示すグラフである。
【図8】 本発明の原理を示すための図であって、建物本体に付加質量体を設けた場合に、付加質量体および建物本体により構成される振動系を模式的に示す図である。
【図9】 図8に示した振動系において、バネ比k(=k2/k1)の関数として刺激関数βuの分布を示した場合の一例を示すグラフである。
【図10】 図8に示した振動系において、バネ比kの関数としてバネpおよびqのポテンシャルエネルギーと基準値:k10 2との比を表した場合の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
3 建物
4 建物本体
5 屋上
7 制震構造(第一の実施の形態)
9 積層ゴム
10 コンクリート板
12 制震構造(第二の実施の形態)
13 塔屋
14 バネ
16 制震構造(第三の実施の形態)
18 第一のレール
19 第二のレール
21 付加質量体
22 反力壁
23 バネ
30 制震構造(第四の実施の形態)
32 建物本体
35 下層階
36 中間階
37 上層階

Claims (6)

  1. 建物において、付加質量体を建物本体に対して少なくとも水平方向に相対変位可能に設けるとともに、該建物本体側に、該相対変位を弾性的に規制する弾性体を固定しておき、
    前記建物に水平振動が作用した際には、該付加質量体が前記建物本体と同方向に変位するように該付加質量体を振動させる建物の振動制御方法であって、
    前記付加質量体の質量および前記弾性体のバネ定数を、以下の(1)ないし(3)の条件式を満たすように設定しておくことによって、前記建物に水平振動が作用した際に、前記付加質量体を前記建物本体と同方向に変位させることを特徴とする建物の振動制御方法。
    Figure 0003690450
    Figure 0003690450
    Figure 0003690450
    ここに、k 1 :前記建物本体の動的特性と等価なバネ定数、
    2 :前記弾性体のバネ定数、
    1 :前記建物本体の全質量
    2 :前記付加質量体の質量
  2. 請求項1記載の建物の振動制御方法であって、
    前記弾性体を弾塑性材料により形成しておき、前記相対変位が生じた際には、該弾性体を塑性変形させて、前記付加質量体の振動エネルギーを吸収させることを特徴とする建物の振動制御方法。
  3. 建物本体に設けられた弾性体と、該弾性体によって支持された構造体とを備えてなり、
    該弾性体のバネ定数および該構造体の質量は、以下の(4)ないし(6)の条件式を満たすように設定されていることを特徴とする制震構造。
    Figure 0003690450
    Figure 0003690450
    Figure 0003690450
    ここに、k1:前記建物本体の動的特性と等価なバネ定数、
    k2:前記弾性体のバネ定数、
    m1:前記建物本体の全質量
    m2:前記構造体の質量
  4. 請求項記載の制震構造であって、
    前記構造体は、建物の塔屋であることを特徴とする制震構造。
  5. 建物本体に設けられて互いに平行に配置される複数の第一のレールと、これら第一のレールに直交するように配置されるとともに、該第一のレールにより、該第一のレールの延在方向に相対変位可能に支持される複数の第二のレールと、該第二のレールにより、該第二のレールの延在方向に相対変位可能に支持される付加質量体と、前記建物本体側に固定されるとともに、該付加質量体を水平方向から囲むように設けられた反力壁とを備えてなり、
    前記付加質量体および前記反力壁は、弾性体を介して連結され、
    該弾性体のバネ定数および付加質量体の質量は、以下の(7)ないし(9)の条件式を満たすように設定されていることを特徴とする制震構造。
    Figure 0003690450
    Figure 0003690450
    Figure 0003690450
    ここに、k1:前記建物本体の動的特性と等価なバネ定数、
    k2:前記弾性体のバネ定数、
    m1:前記建物本体の全質量
    m2:前記付加質量体の質量
  6. 建物本体が、地盤上に立設された下層階と、該下層階上に支持された中間階と、該中間階上に支持された上層階とを備えた構成とされ、
    前記中間階は、その剛性が前記下層階および前記上層階に比較して小とされるとともに、その動的特性と等価なバネ定数が、以下の(10)ないし(12)の条件式を満たすように形成されていることを特徴とする制震構造。
    Figure 0003690450
    Figure 0003690450
    Figure 0003690450
    ここに、k1:前記下層階の動的特性と等価なバネ定数、
    k2:前記中間階の動的特性と等価なバネ定数、
    m1:前記下層階の全質量
    m2:前記上層階の全質量
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