JP6274726B2 - 制震建物及び制震建物の設計方法 - Google Patents

制震建物及び制震建物の設計方法 Download PDF

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Description

本発明は、地震の振動を抑制する制震建物に関し、特に、マスダンパー型の制震建物であって、建物の寸法や構造に即した制震を行う制震建物及び制震建物の設計方法に関する。
本願発明者らは、現在までにマンションやオフィスビル等の中間層(5〜15階)の免震建物を開示してきた(特許文献1、2参照)。特許文献1の免震建物は、基礎上のグラウンドレベルに複数の免震支承手段を分散して配置し、建物の最下段の床の一段下のグラウンドレベルに別の床面を形成し、この別の床面と建物の最下段の床との間の空間を、居室や収納空間として利用可能な床下空間とした建物である。特許文献2の免震建物は、上部階と下部階との間に免震装置を設けた中間層免震建物であって、免震最下階の床スラブの厚さを上部階の床スラブよりも厚くして、免震最下階の床スラブの重量を増加させて上部階の重心を下げたものである。
特許第4898207号公報 特許第4914940号公報
前者の建物は、免震装置のメンテナンス性や建物内の空間の利用度を向上させることができる。後者の建物は、デッドスペースを活用して免震最下階の床スラブの厚さを厚くして重量を増加させることにより、上部階の重心を下げることができ、地震発生時に免震装置にかかる引抜力を低減することができる。
本発明は上記の手法とは異なる手法を用いて、比較的低コストで、制震効果を高めた制震建物や制震建物の設計方法等を提供することを目的とする。
本発明の制震建物は、 建物の屋上に免震装置を介して制震錘、屋上屋、屋上庭園、保水層、プール、水槽、防火水槽、池、ドッグラン、広告塔・広告板、設備機器、発電装置、蓄電池及び/又は蓄熱器を設けるか、あるいは、 建物の最上層階を含む上層階部分とその下の階との間に免震装置を設け、 地震時における前記建物の揺れを低減したことを特徴とする。
建物の屋上に免震装置を配置し、免震装置上に屋上屋・水槽・設備機器などを載せるか、あるいは、建物の最上層階を含む上層階部分(例えば15階建ての建物の15階部分)を免震装置上に載せる。これらの場合、いずれも、免震装置上の重量がカウンターマスのような役割を果たして、免震装置下の建物の揺れを小さくできる。
「地震時における建物の揺れを低減」の詳細については、シミュレーション例を用いつつ後述する。なお、力学モデル上は、免震装置は、バネ要素+ダンパー要素となり、具体的には、滑り支承、復元バネ、オイルダンパー等で構成される。
屋上屋とはマンションのオーナールーム、シェルター、防災倉庫などを含み、設備機器とは空調機器、電源機器、キュービクル(変電機器)などを含む。
本発明においては、 前記免震装置が、建物の平面視で複数箇所に分散配置された滑り支承、復元バネ及びダンパーを有し、 前記復元バネ及び/又はダンパーの特性及び/又は個数を調整することにより、前記免震装置の水平面におけるX方向及びY方向特性を変え得ることが好ましい。
復元バネの設置個数を、建物の方向(例えば壁方向とラーメン方向)により変える。あるいは、バネ線の径やピッチの異なるものを建物の方向別に配置する。これにより、免震装置の、水平面内のXY各方向特性を変えることができる。例えば、剛性の高い壁方向(図1のX方向)にはバネ定数の高いものを配置する、あるいは、バネ数を増やし、剛性の低いラーメン方向(図1のY方向)には、逆にバネ定数の低いものを配置する、あるいは、バネ数を減らすことにより、前記XY方向の各々にほぼ均等に十分な制震性能を発揮させることができる。
なお、支承手段を滑り支承とし、復元バネやダンパーをほとんど与圧のない状態で装備することにより、復元バネやダンパーの取外し点検・修理・取替えが容易となる。また、復元バネ・ダンパーの取り付け部周辺にクッションを設けておき、想定以上の規模の地震が発生したときの対策や、装置の故障時のフェールセーフを図ることもできる。
本発明においては、 前記建物が、階数5〜15で強化コンクリート(RC)製の制震構造であり、 前記免震装置の上の構造体(上構造体)の固有周期Tuと、前記免震装置の下の構造体(下構造体)の固有周期Tbの比(上下固有周期比)を、Tb/Tu=0.01〜0.04とすると、鉄骨の超高層建物ではない、中高層(5階〜15階)のRCビルにおいて、良好な制震効果を得ることができる。
本発明においては、 前記上構造体の質量Wuと前記下構造体の質量Wbの比(上下質量比)を、Wu/Wb=0.05〜0.07とすると、中高層(5階〜15階)のRCビルにおいて、特に良好な制震効果を得ることができる。
本発明の制震建物の設計方法は、上記に記載の制震建物の設計方法であって、 前記建物が、階数5〜15で強化コンクリート(RC)製の制震構造であり、 該建物の建設場所において発生が想定される想定地震波について地震応答解析を行い、 その解析結果に応じて前記復元バネ及び/又はダンパーの仕様変更又は増減を行うか、 あるいは、前記解析結果によって明らかになった前記建物の弱点を補う詳細設計を行うことを特徴とする。
地震応答解析は、一般に、超高層の建物(高さ60m以上、17階以上)の設計後の検査基準の認可のために行われているもので、本発明の対象となる中高層(5階〜15階)の建物については行われていない。本発明では、中高層の建物にも地震応答解析を行い、その結果を踏まえた設計を行うので、制震に対して信頼性の高い建物を提供できる。
なお、想定地震波とは、告示波(八戸波)、告示波(ELCENTRO波)、告示波(ランダム位相波)、サイト波(東京湾北部NS)、サイト波(東京湾北部EW)などを示す。
弱点を補う詳細設計とは、弾性限を超えない範囲内でも、特に変形量の大きい階やせん断力係数の大きい階に、これらを抑制するような対策を施す設計であり、具体的には、揺れの大きい階の梁や柱の寸法を変更したり、鉄筋量を増やす設計である。これにより、さらに建物の信頼性を高めることができる。
本発明の制震建物の制震性能の調整方法は、 上記に記載の制震建物の制震性能の調整方法であって、 該建物の建設後に、該建物の固有周期を測定し、 その測定結果に応じて前記復元バネ及び/又はダンパーの取り換え、増減、及び/又は、調整を行うことを特徴とする。
建物の固有周期を所定の値(設計時に想定した免震固有周期)となるように調整することにより、良好な免震効果を発揮できる。
なお、チューニング方法は、前述の建物の水平方向におけるX方向とY方向における調整と同様に、復元バネのバネ径やピッチを変えて行うことができる。
本発明においては、 前記建物が、階数5〜15で強化コンクリート(RC)製の制震構造であり、 前記想定地震波が、告示波(八戸波)、告示波(ELCENTRO波)、告示波(ランダム位相波)、サイト波(東京湾北部NS)、サイト波(東京湾北部EW)の内の1以上であり、 前記解析結果における建物の各階が受ける地震の力を弾性限度以下とすることが好ましい。
建物が階数5〜15で強化コンクリート(RC)製の制震構造の場合、上記想定地震波の地震が発生すると、一般的には建物の各階が受ける地震の力(せん断力係数)はいずれかの階で弾性限度を超える。しかし、本発明では、設計段階において建物の各階が受ける地震の力を弾性限度以下とするので、建物躯体の補修作業等を行うことなく耐用年数を長くできる。
本発明の制震建物は、前記に記載の方法によって設計されているか、制震性能が調整されていることを特徴とする。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、建物の屋上に免震装置を介して屋上屋や水槽等の設備を設けるなどにより、免震装置上の重量がカウンターマスのような役割を果たすので、免震装置下の建物の揺れを小さくできる。また、免震装置の配置や種類を、建物の方向(例えば壁方向とラーメン方向)により変えれば、免震装置の水平面内のXY方向特性を変えることができる。
本発明の実施の形態に係る制震建物の免震装置の配置を説明する平面図である。 図1のA−A矢視図である。 図3(A)は図1のB−B矢視図、図3(B)は図1のC−C矢視図である。 図4(A)は滑り支承の構造を説明する断面図であり、図4(B)はオイルダンパーの構造を説明する断面図である。 本発明の実施の形態に係る制震建物の設計工程の一例を説明するフローチャートである。 建物の壁方向におけるシミュレーション結果を示すグラフであり、図6(A)は変形量、図6(B)はせん断力係数を示す。 建物のラーメン方向におけるシミュレーション結果を示すグラフであり、図7(A)は変形量、図7(B)はせん断力係数を示す。 想定地震波に対するシミュレーション結果を示すグラフであり、図8(A)は変形量、図8(B)はせん断力係数を示す。 想定地震波に対するシミュレーション結果(加速度)を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る制震建物について説明する。図1は建物の平面図、図2は図1の建物の最上階とその下の階との間の空間を示すA−A矢視図、図3(A)は図1の建物の最上階とその下の階との間の空間を示すB−B矢視図、図3(B)はC−C矢視図である。
この建物1は、図1に示すように、平面形状が略長方形の、強化コンクリート製の8階建てのマンションであり、各階には、ワンルームの部屋が2部屋並んで形成されている。建物の長手方向に延びる側の面はコンクリート製の壁構造3となっている。壁構造3には、窓となる開口4が複数箇所に形成されている。短手方向に延びる側の一方の面7にはバルコニー8が設けられており、その反対側の面7には、1階から8階まで延びる屋外避難階段9が設けられている。さらに、1階から8階まで、エレベータシャフトが貫通して設けられている。
図1において、建物の長手方向をX方向、短手方向をY方向とする。
図2に示すように、建物1の屋上には、免震機構20を介して、制震錘60が配置されている。制震錘60は、地震時にカウンターマスとして作用するものであり、この例では鉄筋コンクリート版である。免震機構20は、複数の滑り支承手段30及び復元バネ40と、ダンパー50であり、建物1の屋上の外周に設けられた塀11に囲まれた空間内に配置されるとともに、図1に示すように、建物1の平面視において複数箇所に分散して配置されている。
図4を参照して、滑り支承手段30とダンパー(オイルダンパー)50の構造の一例を説明する。図4(A)は滑り支承手段の側断面図であり、図4(B)はオイルダンパーの側断面図である。
図4(A)に示すように、滑り支承手段30は、コンクリート版60の下面に取り付けられた滑り板31と、この滑り板31に接触する滑り支承33とからなる。滑り板31は、例えばフッ素樹脂等でコーティングされたステンレス鋼板である。滑り支承33は、鋼材等で作製されたブロック34と、ブロック34の上面に設けられた、フッ素樹脂等でコーティングされた滑り材36からなる。後述するように、ブロック34は、屋上に設けられたコンクリート製のブロック(台)13にボルト等により固定される。滑り支承手段30は、コンクリート版60の重量を支持するとともに、地震時には水平方向に変形し、地震エネルギーを吸収する。
図4(B)に示すように、オイルダンパー50は、作動油が充填されたシリンダ51、ピストン53及びピストンロッド54を有する。ピストン53には調圧弁55とリリーフ弁56とが備えられている。オイルダンパー50は、地震エネルギーを吸収し、地震の揺れを収束させる。
図1〜図3を参照して、滑り支承手段及び復元バネ、オイルダンパーの配置を説明する。
図1に示すように、滑り支承手段30は、平面視において、建物1の屋上の四隅に配置されている。図2や図3(A)に示すように、屋上の四隅のやや内寄りの位置には、上方に突出した直方体状のコンクリート製ブロック(台)13が設けられている。滑り支承手段30は、各台30と、コンクリート版60との間に配置されている。そして、図4(A)に示すように、滑り板31がコンクリート版60の下面に固定されており、ブロック34が各台13に固定されて、滑り板31が滑り材36に接触している。前述のように、滑り支承手段30は、地震時に水平方向に変形する。
復元バネ40は、図1に示すように、平面視において、建物1のX方向(この例では建物の長手方向)及びY方向(この例では建物の短手方向)に延びる軸にほぼ対称に配置されているが、X方向とY方向で、配置されるバネの数が異なる。詳細には、X方向に延びる各壁3、4のやや内側の滑り支承手段30の間に、X方向に延びる2個の復元バネ40Aが、直列に配置されている。さらに、建物1の中央付近にも、X方向に延びる2個の復元バネ40Aが、並列に配置されている。また、建物1の中央付近に、Y方向に延びる4個の復元バネ40Bが、2個ずつ直列に配置されている。復元バネ40は、復元力により滑り支承手段30の変形を元に戻す、すなわち、コンクリート版60を元の位置に戻す作用を有する。
X方向に延びる壁沿いに配置された復元バネ40Aは、図2に示すように、一方の端部が、屋上の四隅の内寄りに設けられた台13にブラケットを介して係止され、もう一方の端部は、コンクリート版の下面から下方に突出した直方体状のブロック(アゴ)61にブラケットを介して係止されている。各ブラケットは、台やアゴに埋め込まれてボルトで固定されている。
建物の中央付近に配置された、Y方向に延びる復元バネ40Bは、図3(B)に示すように、一端がコンクリート版60の下面から突出したアゴ61にブラケットを介して係止され、もう一方の端部は、屋上から上方に突出した台13に係止されている。建物の中央付近の、X方向に延びる復元バネ40Aも同様にアゴと台との間に取り付けられている。
オイルダンパー50も、図1に示すように、平面視において、建物のX方向及びY方向に延びる軸に対称に配置されている。すなわち、X方向に延びる各壁のやや内側の、復元バネ40Aの間に、1個のオイルダンパー50が、X方向に延びるように配置されている。また、Y方向に延びる壁のやや内側の、滑り支承手段30の間に、1個のオイルダンパー50がY方向に延びるように配置されている。
X方向に延びる壁沿いに配置されたオイルダンパー50は、図2に示すように、シリンダ51又はピストンロッド54の一方が、コンクリート版60の下面から突出するアゴ61にブラケットを介して係止され、もう一方が、建物1の屋上から突出するブロック状の台13にブラケットを介して係止されている。
Y方向の壁沿いに配置されたオイルダンパー50は、図3(A)に示すように、シリンダ51及びピストンロッド54の一方が、建物1の屋上から突出するブロック状の台13にブラケットを介して係止されて、もう一方が、コンクリート版60の下面から突出するアゴ61にブラケットを介して係止されている。
さらに、図2に示すように、コンクリート版60の下面に設けられたアゴ61の、屋上に設けられた台13に対向する面には、クッション70が設けられている。このようなクッション70は、この位置だけではなく、台13やアゴ61の適宜な位置に設けることもできる。このようなクッション70は、想定以上の規模の地震が発生したときや、他の装置の故障時のフェールセーフを図るためのものである。
上記のように、この例では、オイルダンパー50は、建物のX方向及びY方向において、同じ数(2個)ずつ配置されているが、復元バネ40はX方向とY方向とで数が異なり、X方向には6個(復元バネ40A)、Y方向には4個(復元バネ40B)配置されている。建物においては、壁構造を有する方向(壁方向、この例ではX方向)は比較的剛性が高く、ラーメン方向(この例ではY方向)は比較的剛性が弱いとされている。そこで、剛性の低い方向であるY方向の復元バネの個数を減らす、あるいは、バネ定数の低いものに変更する。これにより、X方向とY方向の両方向において、均等で十分な制震機能を発揮させることができる。
また、支承手段を滑り支承とし、復元バネやオイルダンパーをほとんど与圧のない状態で装備すると、復元バネやダンパーの取外し点検・修理・取替えが容易となる。
なお、復元バネ40の数を増加する必要がある場合に備えて、免震装置20が配置される空間内に、バネの設置可能スペースを開けておいたり、予めコンクリート版60にアゴ61を設けておいたり、屋上に台13を設けておくことが好ましい。
そして、建物の屋上に免震装置(オイルダンパー、復元バネ)を介して制震錘を配置することにより、免震装置上の制震錘の重量がカウンターマスのような役割を果たして、免震装置下の建物の揺れを小さくできる。この例では、制震錘としてコンクリート版を使用したが、実際には、屋上屋(オーナールーム、シェルター、防災倉庫等)、屋上庭園、保水層、プール、水槽、防火水槽、池、ドッグラン、広告塔・広告板、設備機器(空調装置、電源装置等)等とすると、屋上空間を有効活用できるとともに制震機能を持たせることができる。言い換えれば、屋上に上記のような付帯施設がある場合、これらを制震錘に含めることができる。
制震錘の質量(Wu)と、建物の質量(Wb)の比(上下質量比)(Wu/Wb)は、0.05〜0.07であり、この範囲で、5階から15階建てのRC建物において良好な制震効果を得ることができる。
また、制震錘の固有周期(Tu)と、建物の固有周期Tbの比(上下固有周期比)(Tb/Tu)は、0.01〜0.04であり、この範囲で、5階から15階建てのRC建物において良好な制震効果を得ることができる。
次に、図5を参照して本発明の制震建物の設計工程の一例を説明する。図5は、設計工程の一例のフローチャートである。
まず、ステップS1で、建物の基本設計を行う。基本設計では、建物の基本的な構造を、平面図や立面図に起こす。次に、ステップS2で、実施設計を行う。実施設計では、一般的な耐震設計、杭や基礎の設計を行うとともに、前述の制震の設定を行う。具体的には、免震機構のオイルダンパーや復元バネの配置を決定したり、免震機構の上方の部分(屋上屋など)と下方の建物との質量比や固有周期比を前述の通りに設定する。
次に、ステップS3で、設計された建物の地震応答解析(シミュレーション)を行う。地震応答解析は、一般に、超高層の建物(高さ60m以上、17階以上)の設計後の検査基準の認可のために行われているもので、本発明の対象となる中高層(5階〜15階)の建物については行われていないが、本発明では、中高層の建物についても地震応答解析を行う。そして、ステップS4で、地震応答解析の結果を判定し、想定地震波に対して、全ての階で弾性限を超えないことを確認する。弾性限とは、建物に力が作用して元の状態に戻らなくなる限界を示す。その結果、全ての階で弾性限を超えず、さらに、弱点とみられる特徴(例えば、特定の階だけ変形量やせん断力係数が特に大きいなど)が存在しなければ、ステップS5に進んで、建物の施工を行う。ステップS4で、弾性限を超える階が存在したり、弱点とみられる特徴が顕著であれば、ステップS6に進んで、これらの結果を踏まえた詳細設計を行う。詳細設計では、例えば、変形量が顕著に大きい階に対しては、梁や柱の寸法を変更したり、鉄筋量を増やす。また、せん断力係数が特に大きい階に対しては、柱や梁の鉄筋の量を増やす。この詳細設計を、ステップS3の地震応答解析の結果が良好(想定される地震波に対して、全ての階で弾性限を超えない、顕著な特徴が見当たらない)と判定されるまで行う。
ステップS5の施工に次いでステップS7で躯体が完成した後、ステップS8で完成した建物の固有周期を実測する。具体的には、完成した建物の屋上に加速度センサを設置して、常時微動(建物周りの交通振動や風による振動)を測定し、測定値をスペクトル解析して、建物の固有周期を算出する。そして、ステップS9で、測定された周期が、設計時に想定した周期の許容範囲内(例えば、想定周期の±10%内)かどうかを判定する。許容範囲内であれば建物が完成となる。ステップS9で、固有値が許容範囲外(想定周期から10%程度外れる場合)の場合は、ステップS10に進んで建物のチューニングを行う。チューニング方法は、復元バネをバネ定数の異なるものに変更するか、復元バネの個数を変更し、測定結果に見合った固有周期とする。バネの調整のみでは難しい微小調整は、免震装置の上方の部分(制震錘等)の厚みを変更する。このチューニングを、固有周期が許容範囲内となるまで行う。
このように、本発明では、中高層の建物にも地震応答解析を行い、その結果を踏まえた設計を行うので、制震に対して信頼性の高い建物を提供できる。また、弾性限を超えない範囲内でも、特に変形量の大きい階やせん断力係数の大きい階に、これらを抑制するような対策を施すので、さらに信頼性を高めることができる。
また、建物の屋上に図1のような制震錘を設けた場合、建物自体の屋根(屋上)は降雨や紫外線を受けないので、防水層の経年劣化を抑制できる。また、建物自体の最上階の太陽光線による熱負荷を低減できる。
次に、図1の建物の制震性能を検証するために、地震応答解析(シミュレーション)を行った結果を説明する。図6は建物の壁方向、図7はラーメン方向を示し、各図の(A)は各階の変形量、(B)は建物が受ける地震の力(せん断力係数)を示す。各グラフの縦軸は階数、横軸は、(A)では各階の変形(mm)、(B)ではせん断力係数を示す。各グラフの黒い丸のプロットは告示波(ELCENTRO波)、黒い四角のプロットはサイト波(東京湾北部NS)、黒い菱形のプロットはサイト波(東京湾北部EW)を示す。比較例として、制震錘を備えていない図1の耐震建物を挙げる。実線は、本実施例、破線は比較例を示す。以下にシミュレーションに用いた条件を示す。
制震錘の重量(Wu):80トン、
建物の重量(Wb):1350トン、
建物の減衰定数:0.02、
制震錘の建物に対する重量比(Wu/Wb):0.06、
制震錘の固有振動の周期(Tu):1.48sec、
建物の固有振動の周期(Tb):0.209sec、
建物の固有周期と制震錘の固有周期の比(Tb/Ts):0.1414、
滑り支承の摩擦係数:0.01〜0.1、
復元バネのバネ定数:10〜500N/mm、
オイルダンパーの減衰係数:25〜500kN‐s/m。
各グラフから、どの地震波に対しても、本実施例(実線)の建物は比較例(破線)に比べて、変形、地震力とも大きく低減されていることがわかる。
まず、壁方向においては、図6(A)ので示す変形量は、本実施例、比較例とも、建物の二次振動モードや建物の振動特性と地震波の特性との関係等によって、2階が最大となるように増減しており、3階から上層階となるほど低減されているが、いずれの階も本実施例の方が変形量が小さい。また、低い階ほど比較例との差が大きく、本実施例の効果が大きく現れている。また、図6(B)で示すせん断力係数は、本実施例では、7階をピークにして増減している。一方、比較例においては、階数が高くなるに従って大きくなり、6階以上(グラフの実線の四角で囲んだ部分)で弾性限界を超えている。
図7(A)のラーメン方向における変形量は、図6の壁方向の変形量よりも大きくなっており、各波とも建物の中層階が最大となるように増減しており、中階層で比較例との差が大きくなっている。グラフ中の破線で示される直線は層間変形角が1/90程度のラインを示すが、本実施例では、全ての階においてこのラインよりも小さくなっている。また、せん断力係数は、本実施例では、上階層(6階〜7階)が最大となるように増減している。一方、比較例においては、階数が高くなるに従って徐々に大きくなっていき、図の実線で囲んだ部分で示すように、7階以上で弾性限界を超えている。
このように地震応答解析の結果、本実施例では変形量、建物が受ける地震の力とも、比較例に比べて低減されることが確認された。具体的には、変形量の低減率は33〜68%であり、せん断力係数は全ての階で弾性限を超えておらず、低減率は32〜42%であった。
次に、建物の建設場所において発生が想定される想定地震波を、本発明の建物のモデルに入力して地震応答解析を行った結果を、図8、図9を参照して説明する。
想定される地震波としては、告示波(八戸波)、告示波(ELCENTRO波)、告示波(ランダム位相波)、サイト波(東京湾北部NS)、サイト波(東京湾北部EW)を使用した。
図8(A)は変形量、図8(B)はせん断力係数、図9は加速度を示す。いずれも建物の壁方向における結果を示す。各グラフの縦軸は階数、横軸は、各々、各階の変形(mm)、せん断力係数、加速度(cm/S)を示す。比較例として、本発明の制震機構を備えていない耐震建物を挙げる。以下にモデルの条件を示す。
建物の階数:5階(4階建て建物の屋上(5階)に免震装置を介して屋上屋(オーナールーム)を設けたもの、各グラフの縦軸の4(階)と5(階)の間に免震装置が存在する)、
オーナールーム重量(Wu):145トン、
建物の重量(Wb):2400トン、
建物の減衰定数:0.02〜0.03、
制震錘の建物に対する重量比(Wu/Wb):0.06、
制震錘の固有振動の周期(Tu):1.06sec、
建物の固有振動の周期(Tb):0.15sec、
建物の固有周期と制震錘の固有周期の比(Tb/Tu):0.1414、
滑り支承の数:4〜10、
滑り支承の摩擦係数:0.01〜0.1、
復元バネの数:X方向(長手方向)2〜20、Y方向(短手方向)2〜20、
復元バネのバネ定数:10〜500N/mm、
オイルダンパーの数:X方向(長手方向)2〜4、Y方向(短手方向)2〜4、
オイルダンパーの減衰係数:25〜500kN‐s/m。
図8(A)のグラフからわかるように、本発明の建物では、全ての地震波に対して、4階まで(下方の建物の全階)の変形量は、上階に行くほどやや増加しているが、比較例に比べてその量や増加率は低く、低減率は最大で31%であった。なお、5階(屋上屋)の変形量が大きいのは、その下方に設置した免震装置の水平方向へのずれによるものであり、実際に人間が5階にいた場合にはほとんど変形を感じない。
図8(B)のグラフから、本発明では、全ての地震波において、せん断力係数は各階で大きく変化しておらず、いずれの階でも弾性限(図の実線で示す)を超えていないとともに、比較例に比べて低減されている。せん断力係数の低減率は、最大で59%であった。一方、比較例では、階数が高くなるに従い大きくなる傾向があり、波の種類によっては、ほとんどの階で弾性限を超える場合がある。
図9のグラフから、本発明の建物では、全ての地震波に対して、4階まで(下方の建物の全階)の加速度は、上階に行くほどやや増加しているが、比較例に比べてその量や増加率は低い。また、免震装置の上方の5階の加速度は顕著に低減されている。最上階一方、比較例では、加速度は上の階ほど高くなる傾向がある。
以上のシミュレーション結果から、本発明の制震建物は、想定される地震波に対して、各階の変形量やせん断力計数を低減できる可能性を有することが確認された。
1 建物 3 壁構造
4 開口 7 短手方向に延びる面
11 塀 13 台
20 免震機構 30 滑り支承手段
31 滑り板 33 滑り支承
34 ブロック 36 滑り材
40 復元バネ 50 オイルダンパー
51 シリンダ 53 ピストン
54 ピストンロッド 55 調圧弁
56 リリーフ弁
60 制震錘 61 アゴ

Claims (6)

  1. 建物の屋上に免震装置を介して制震錘、屋上屋、屋上庭園、保水層、プール、水槽、防火水槽、池、ドッグラン、広告塔・広告板、設備機器、発電装置、蓄電池及び/又は蓄熱器を設け、
    地震時における前記建物の揺れを低減した制震建物であって、
    前記免震装置が、建物の平面視で複数箇所に分散配置された滑り支承、復元バネ及びダンパーを有し、
    前記復元バネ及び/又はダンパーの特性及び/又は個数を調整することにより、前記免震装置の水平面におけるX方向及びY方向特性を変え得るものであり、
    前記建物は、X方向とY方向のいずれか一方が壁方向で他方がラーメン方向である構造を有しており、
    前記復元バネとして、剛性の高い壁方向にはバネ定数の高いものを配置するか、あるいは、バネ数を増やし、剛性の低いラーメン方向には、バネ定数の低いものを配置するか、あるいは、バネ数を減らしてあることを特徴とする制震建物。
  2. 前記建物が、階数5〜15で鉄筋コンクリート製の制震構造であり、
    前記免震装置の上の構造体(上構造体)の固有周期Tuと、前記免震装置の下の構造体(下構造体)の固有周期Tbの比(上下固有周期比)が、
    Tb/Tu=0.01〜0.04
    であることを特徴とする請求項記載の制震建物。
  3. 前記建物が、階数5〜15で鉄筋コンクリート製の制震構造であり、
    前記免震装置の上の構造体(上構造体の質量Wuと前記免震装置の下の構造体(下構造体の質量Wbの比(上下質量比)が、
    Wu/Wb=0.05〜0.07
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の制震建物。
  4. 請求項1〜いずれか1項記載の制震建物の設計方法であって、
    前記建物が、階数5〜15で鉄筋コンクリート製の制震構造であり、
    該建物の建設場所において発生が想定される想定地震波について地震応答解析を行い、
    その解析結果に応じて前記復元バネ及び/又はダンパーの仕様変更又は増減を行うか、
    あるいは、前記解析結果によって明らかになった前記建物の弱点を補う詳細設計を行うことを特徴とする制震建物の設計方法。
  5. 請求項1〜3いずれか1項記載の制震建物の制震性能の調整方法であって、
    該建物の建設後に、該建物の固有周期を測定し、
    その測定結果に応じて前記復元バネ及び/又はダンパーの取り換え、増減、及び/又は、調整を行うことを特徴とする制震建物の制震性能の調整方法。
  6. 前記建物が、階数5〜15で鉄筋コンクリート製の制震構造であり、
    前記想定地震波が、告示波(八戸波)、告示波(ELCENTRO波)、告示波(ランダム位相波)、サイト波(東京湾北部NS)、サイト波(東京湾北部EW)の内の1以上であり、
    前記解析結果における建物の各階が受ける地震の力を弾性限度以下とすることを特徴とする請求項に記載の制震建物の設計方法。
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