JP3690076B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ビデオ画像、文字、図形などの画像を表示するために液晶表示装置が広く用いられている。
液晶表示装置は各画素ごとに設けられたスイッチング素子と信号電圧を保持するための電荷蓄積素子とを含み、スイッチング素子の種類により2つに大別される。1つは2端子の非線型素子をスイッチング素子として用いたものであり、もう1つは電界効果トランジスタなどの3端子素子をスイッチング素子として用いたものである。
【0003】
ここでは、本発明に関連する後者について説明する。
図9は従来の液晶表示装置の一例を示す分解斜視図、図10は同回路図である。
図9に示すように、この液晶表示装置102は、ガラス基板の表面に薄膜トランジスタが形成されたTFTガラス基板104と、ガラス基板表面にカラーフィルタおよび対向電極106が形成されたCFガラス基板108とを液晶を挟んで対向配置することにより構成されている。
【0004】
TFTガラス基板104上には、図10に示すように、走査電極駆動回路110および信号電極駆動回路112が形成されており、各画素に対応する液晶素子LCを駆動している。
すなわち走査電極駆動回路110は各走査に対応する複数のゲートライン116のうちの1本に高電圧を与えてゲートライン116上に位置するすべての電界効果トランジスタである薄膜トランジスタ118を一時導通状態にする。一方、信号電極駆動回路112は垂直方向に延在する信号ライン120を介して液晶素子LCと、液晶素子LCに対して並列に接続されたコンデンサCsに画像信号を供給する。
そして液晶素子LCとコンデンサCsに供給された画像信号の電圧Vsigと対向電極106に印加される電圧Vcomとの差電圧ΔV(=Vsig−Vcom)によって液晶素子LCを励起させるようになっている。ここでコンデンサCsは供給された画像信号の電圧を保持してた上で液晶素子LCに印加するために設けられている。
【0005】
また、CFガラス基板108上の対向電極106は表示画面大に形成されるのが一般的である。
図11は対向電極106に一定の電圧Vcomを印加した場合の電圧Vcomと画像信号Vsigおよびゲート電圧VGとの関係を示す信号波形図、図12は対向電極106に印加する電圧Vcomを変化させた場合の電圧Vcomと画像信号Vsigおよびゲート電圧VGとの関係を示す信号波形図である。
これらの図に示すように、液晶表示装置102の駆動方法には、対向電極106に常に一定の電圧を印加する方法と、一定周期で対向電極106に印加する電圧を反転させる方法とがある。
【0006】
また、このような液晶表示装置102では、CRT(陰極線管)による画像表示の場合のインターレース走査と同様の効果を得るため、液晶素子LCのインターレース駆動が行われる。
すなわち、奇数フィールドの期間では、図10に示した奇数番目のゲートライン116にゲートが接続された薄膜トランジスタ118を順次オンして、対応する各液晶素子LCに信号電圧が印加され、偶数フィールドの期間では、偶数番目のゲートライン116にゲートが接続された薄膜トランジスタ118を順次オンして、対応する各液晶素子LCに信号電圧が印加される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の液晶表示装置102では、各走査線ごとにゲートライン116が設けられており、ゲートライン116をTFTガラス基板104上に延設するために各液晶素子LCの開口はその分だけ狭くせざるを得ず、その結果、開口率の低下を招いている。
【0008】
さらに、インターレース駆動において、例えば奇数番目のゲートライン116に対応する液晶素子LCに新たな信号電圧が供給されて、奇数フィールドの画像が更新されるとき、その間、偶数番目のゲートライン116に対応する各液晶素子LCには、各コンデンサCsが保持している信号電圧が印加されているので、古い偶数フィールドの画像も同時に表示されている。したがって、従来の液晶表示装置102では、CRTでインターレース走査を行う場合のように、奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とを完全に切り換えて表示することはできない。
【0009】
本発明は、このような欠点を解消するためになされたもので、その目的は、ゲートラインの数を削減して開口率を向上させることができ、さらにCRTの場合と同等のインターレース表示が可能な液晶表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、液晶素子と、チャンネルの一端が前記液晶素子の透明電極に接続された薄膜トランジスタと、一端が前記透明電極に接続された電荷蓄積素子との組みをマトリクスを形成して多数配列し、前記マトリクスの列ごとに信号ラインを設けて前記列を成す前記薄膜トランジスタの前記チャンネルの他端を対応する前記信号ラインに接続し、前記薄膜トランジスタのゲート電圧を制御して前記薄膜トランジスタを通じ各液晶素子に前記信号ラインからの電圧を印加することで画像を表示する液晶表示装置において、前記マトリクスの行ごとに、前記液晶素子の前記透明電極に対向する対向電極を形成し、前記マトリクスの前記行ごとに制御ラインを設けて前記行を成す前記電荷蓄積素子の他端を対応する前記制御ラインに接続し、前記マトリクスの隣接する奇数番目と偶数番目の2つの行ごとにゲートラインを設けて、これらの行を成す前記薄膜トランジスタのゲートを対応するゲートラインに接続し、前記マトリクスの奇数番目(または偶数番目)の行を成す前記液晶素子により画像を形成するときは、前記マトリクスの奇数番目(または偶数番目)の行に対応する前記対向電極と前記制御ラインとに、前記信号ラインを通じ印加される電圧に応じた前記液晶素子の励起を可能とする電圧を印加する一方、前記マトリクスの偶数番目(または奇数番目)の行に対応する前記対向電極と前記制御ラインとには、前記信号ラインを通じ印加される電圧に係わらず前記液晶素子を特定の励起状態とする電圧を印加する電圧制御手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の液晶表示装置では、電圧発生手段は、行ごとの対向電極および電荷蓄積素子に印加する電圧を制御して、奇数番目の行および偶数番目の行のいずれか一方の液晶素子でのみ、信号電圧に応じた励起を可能とし、もう一方の行の液晶素子は特定の励起状態とする。
したがって、隣接する奇数番目の行と偶数番目の行の薄膜トランジスタのゲートが同一のゲートラインに接続され、同一のゲート信号によって制御されても、奇数番目の行と偶数番目の行のうちの一方の液晶素子によってのみ画像表示を行え、その結果、従来と同様の解像度でインターレース駆動による画像表示が可能である。
すなわち、本発明の液晶表示装置では、従来どうりの解像度を確保しつつゲートラインの数を半減することができ、したがって、液晶素子の面積を拡大して開口率を向上させることが可能となる。
また、インターレース駆動において、あるフィールドで例えば奇数番目の行の液晶素子が駆動されて信号電圧に応じた励起状態となるとき、偶数番目の行の液晶素子はすべて、上述のように特定の励起状態となり、したがって、例えば黒表示となる。その結果、CRT(陰極線管)の場合と同等のインターレース表示を液晶表示装置においても実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明を実施の形態例にもとづき図面を参照して説明する。
図1は本発明による液晶表示装置の一例を示す概略構成図、図2は、図1の液晶表示装置を構成するTFTガラス基板側の回路図、図3は、図1の液晶表示装置を構成するCFガラス基板側の回路図である。
図1に示すように、本実施の形態例の液晶表示装置2は、TFTガラス基板4とCFガラス基板6とを対向配置し、間に不図示の液晶層を介在させることで構成されている。
TFTガラス基板4には、図2に示したように、液晶素子LCの透明電極10(ITO)と、チャンネルの一端(ソースまたはドレイン)が透明電極10に接続された、電界効果トランジスタである薄膜トランジスタ12(TFTトランジスタとも呼ばれる)と、一端が透明電極10に接続されたコンデンサCs(本発明に係わる電荷蓄積素子)との組みがマトリクスを形成して多数配列されている。
そして、マトリクスの列ごとに信号ライン16が設けられ、各列を成す薄膜トランジスタ12のチャンネルの他端(ドレインまたはソース)は対応する信号ライン16に接続されている。
また、マトリクスの行ごとに制御ライン18が設けられ、各行を成すコンデンサCsの他端が対応する制御ライン18に接続されている。
さらに、マトリクスの隣接する奇数番目と偶数番目の2つの行ごとにゲートライン20が設けられ、これらの行を成す薄膜トランジスタ12のゲートが対応するゲートライン20にそれぞれ接続されている。
【0013】
TFTガラス基板4上にはさらに走査電極駆動回路22および信号電極駆動回路24が配設されている。
走査電極駆動回路22はゲートライン20と同数の出力端子を有し、それぞれ対応するゲートライン20に接続されている。
走査電極駆動回路22には、垂直駆動用の電源Vvss、VvddおよびクロックVck1、Vck2が入力され、また、インターレース駆動におけるフィールドの開始時期を示すスタート信号Vstが入力されている。
【0014】
信号電極駆動回路24はマトリクスの列数と同数の出力端子を有し、それぞれ対応する信号ライン16に接続されている。
信号電極駆動回路24には、水平駆動用の電源Hvss、HvddおよびクロックHck1、Hck2が入力され、また、信号ライン16に出力する画像信号Vsigの先頭が水平走査周期の開始時期に一致するようにするためのスタート信号Hstが入力されている。
また、信号電極駆動回路24には3原色信号Vsig.R、Vsig.G、Vsig.Bが入力され、信号電極駆動回路24はこれら原色信号に応じた画像信号Vsigが信号ライン16に出力する。なお、画像信号Vsigの極性はフィールド周期または水平周期ごとに反転される。
【0015】
一方、CFガラス基板6には、図3に示したように、上記マトリクスの行ごとに、液晶素子LCの透明電極10に対向する対向電極26(ITO)が形成されている。各液晶素子LCは、この対向電極26および上記不図示の液晶層と各透明電極10により構成されている。
【0016】
そして、TFTガラス基板4上にはさら第1の電圧制御回路23が形成され、一方、CFガラス基板6上には第2の電圧制御回路25が形成されている。これら第1および第2の電圧制御回路23、25により本発明に係わる電圧制御手段が構成されている。
第1および第2の電圧制御回路23、25は共に上記マトリクスの各行に対応する出力端子を有し、第1の電圧制御回路23の各出力端子はそれぞれ対応する行の制御ライン18に接続され、第2の電圧制御回路25の各出力端子はそれぞれ対応する行の対向電極26に接続されている。
【0017】
第1の電圧制御回路23には、図2に示したように、垂直駆動用の電源Vvss、Vvddの他、クロックVcs.ck1、Vcs.ck2、スタート信号Vcs.st、フィールドリバースパルスVfrpがそれぞれ入力されており、第1の電圧制御回路23はこれらの信号にもとづき、Pチャンネルトランジスタ28およびNチャンネルトランジスタ29のいずれかを能動状態にして、高電圧Vcs.Hまたは低電圧Vcs.Lの一方をコンデンサ電圧Vcs.swとして各制御ライン18に出力する。
【0018】
一方、第2の電圧制御回路25には、図3に示したように、垂直駆動用の電源Vvss、Vvddの他、クロックVcom.ck1、Vcom.ck2、スタート信号Vcom.st、フィールドリバースパルスVfrpがそれぞれ入力されており、第2の電圧制御回路25はこれらの信号にもとづき、Pチャンネルトランジスタ28およびNチャンネルトランジスタ29のいずれかを能動状態にして、高電圧Vcom.Hまたは低電圧Vcom.Lの一方を対向電極電圧Vcom.swとして対向電極26に印加する。
【0019】
そして、後にさらに詳しく説明するように、第1および第2の電圧制御回路23、25によって、上記マトリクスの奇数番目(または偶数番目)の行を成す液晶素子LCにより画像を形成するときは、マトリクスの奇数番目(または偶数番目)の行に対応する対向電極26と制御ライン18とに、信号ライン16からの電圧に応じた液晶素子LCの励起を可能とする電圧(コンデンサ電圧Vcs.swおよび対向電極電圧Vcom.sw)が印加される一方、マトリクスの偶数番目(または奇数番目)の行に対応する対向電極26と制御ライン18とには、液晶素子LCを信号ライン16からの電圧に係わらず特定の励起状態とする電圧が印加される。
【0020】
図4は本実施の形態例の液晶表示装置2の断面構造を示す断面図である。
この図に示すように、TFTガラス基板4およびCFガラス基板6は、それぞれ第1および第2のガラス基板30、32上に導電膜、絶縁膜、ならびにポリシリコン膜を積層して形成されている。
このうち第2のガラス基板32の内側表面にはブラックマスク34によって囲まれたカラーフィルタ36が積層され、さらにその面上にポリイミド膜38で覆われた対向電極26が形成されている。
一方、第1のガラス基板30の内側表面にはポリシリコン薄膜40上にゲート絶縁膜42を挟んでゲート電極44が形成された電界効果トランジスタ(FET)である薄膜トランジスタ12と、絶縁膜46を挟んで制御ライン18とがそれぞれ形成されている。
ここで薄膜トランジスタ12のドレイン領域にはアルミニウム電極48が形成され、またゲート電極44の上部は層間絶縁膜50によって覆われている。
また、制御ライン18の上部も層間絶縁膜50で覆われている。 これら素子の上部には層間絶縁膜52を挟んで透明電極10が積層され、この透明電極10の周囲を覆うようにシリコン窒化膜54が積層されている。そしてこれらの表面はポリイミド膜56によって保護されている。
【0021】
次に、このように構成された液晶表示装置2の動作について説明する。
図5は液晶表示装置2の動作を示すタイミングチャートである。図中、(A)ないし(F)は、それぞれ上記マトリクスの1行〜4行、およびLを自然数として2L−1行と2L行のコンデンサCsおよび対向電極26にそれぞれ印加されるコンデンサ電圧Vcsおよび対向電極電圧Vcom.swを表し、(G)ないし(K)は上記マトリクスの2行ごとの各ゲートライン20に出力されるゲート電圧VGを、(L)は画像信号Vsigをそれぞれ表している。
【0022】
図5の(L)に示したように、信号電極駆動回路24は1フィールドごとに画像信号Vsigの極性を反転させ、したがって第1および第2の電圧制御回路23、25も、(A)ないし(F)に示したように、コンデンサ電圧Vcsおよび対向電極電圧Vcom.swの極性をフィールドの周期で反転させる。
走査電極駆動回路22は各フィールドごとに、1水平走査の期間、すなわち1Hの期間だけハイレベルとなるゲート電圧VGを各ゲートライン20に順次出力する。
そして、各ゲートライン20に接続された上記マトリクスの2行分の薄膜トランジスタ12はゲート電圧VGがハイレベルとなった期間において導通状態となり、そのとき信号電極駆動回路24が出力している画像信号Vsigが薄膜トランジスタ12を通じて各コンデンサCsに供給され、コンデンサCsはその信号電圧を保持すると共に各液晶素子LCに印加し、液晶素子LCを励起する。
【0023】
第1および第2の電圧制御回路23、25は、制御ライン18および対向電極26が奇数番目および偶数番目のいずれであるいかによって、すなわち、マトリクスの偶数番目および奇数番目の行のいずれに対応しているかによって、さらに奇数フィールドであるか偶数フィールドであるかによってコンデンサ電圧Vcsおよび対向電極電圧Vcom.swの大きさを切り換える。
詳しく説明すると、奇数フィールドにおいては、第1および第2の電圧制御回路23、25は、図5の(A)、(B)に示したように、まず1番目および2番目の制御ライン18および対向電極26に対して、共に同じタイミングで正の電圧(コンデンサ電圧Vcs.sw(1)および対向電極電圧Vcom.sw(1))を出力する。ただし、1番目の制御ライン18および対向電極26には絶対値が相対的に低い電圧を出力し、2番目の制御ライン18および対向電極26には絶対値が相対的に高い電圧を出力する。
【0024】
このとき、1番目の制御ライン18および対向電極26に対応するマトリクスの1行目を成す各液晶素子LCは通常の動作状態となり、各信号ライン16から各薄膜トランジスタ12を通じて供給されて各コンデンサCsが保持している信号電圧を反映して励起される。
一方、2番目の制御ライン18および対向電極26に対応するマトリクスの2行目を成す各液晶素子LCは通常の動作を行わず、対応する各コンデンサCsが保持している信号電圧に係わらず特定の励起状態、例えばノーマリホワイトモードで黒表示の状態となる。
【0025】
その後、第1および第2の電圧制御回路23、25は、1Hの時間が経過した時点で、図5の(C)、(D)に示したように、3番目および4番目の制御ライン18および対向電極26に対して、同様の電圧を出力する。すなわち、3番目の制御ライン18および対向電極26には絶対値が相対的に低い電圧を出力し、4番目の制御ライン18および対向電極26には絶対値が相対的に高い電圧を出力する。
その結果、3番目の制御ライン18および対向電極26に対応するマトリクスの3行目を成す各液晶素子LCは通常の動作状態となり、各信号ライン16から各薄膜トランジスタ12を通じて供給されて各コンデンサCsが保持している信号電圧を反映して励起される。
一方、4番目の制御ライン18および対向電極26に対応するマトリクスの4行目を成す各液晶素子LCは通常の動作を行わず、対応する各コンデンサCsが保持している信号電圧に係わらず特定の励起状態、例えば黒表示の状態となる。
【0026】
そして、第1および第2の電圧制御回路23、25は5番目以降の制御ライン18および対向電極26に対しても同様の電圧を出力する。
したがって、奇数フィールドでは、奇数番目の行の液晶素子LCのみが通常に動作し、これらの液晶素子LCにより画像が表示される。一方、偶数番目の行の液晶素子LCは黒表示となり、これらの液晶素子LCによっては画像は表示されない。
その後、偶数フィールドとなると、第1および第2の電圧制御回路23、25は、図5に示したように、極性を反転させて負の電圧を出力するが、この偶数フィールドでは、奇数フィールドの場合とは逆に、1番目、3番目などの奇数番目の制御ライン18および対向電極26には、絶対値が相対的に大きい電圧を出力し、2番目、4番目などの偶数番目の制御ライン18および対向電極26には、絶対値が相対的に小さい電圧を出力する。
そのため、偶数フィールドでは、偶数番目の行の液晶素子LCのみが通常に動作し、これらの液晶素子LCにより画像が表示される。一方、奇数番目の行の液晶素子LCは黒表示となり、これらの液晶素子LCによっては画像は表示されない。
【0027】
このように、本実施の形態例の液晶表示装置2では、第1および第2の電圧制御回路23、25は、行ごとの対向電極26およびコンデンサCsに印加する電圧を制御して、奇数番目の行および偶数番目の行のいずれか一方の液晶素子LCでのみ、信号電圧に応じた励起を可能とし、もう一方の行の液晶素子LCは特定の励起状態とする。
したがって、隣接する奇数番目の行と偶数番目の行の薄膜トランジスタ12のゲートが同一のゲートライン20に接続され、同一のゲート信号によって制御されても、奇数番目の行と偶数番目の行のうちの一方の液晶素子LCによってのみ画像表示を行え、その結果、従来と同様の解像度でインターレース駆動による画像表示が可能である。
すなわち、本発明の液晶表示装置2では、従来どうりの解像度を確保しつつゲートラインの数を半減することができ、したがって、液晶素子LCの面積を拡大して開口率を向上させることが可能となる。
また、インターレース駆動において、例えば奇数フィールドで奇数番目の行の液晶素子LCが駆動されて信号電圧に応じた励起状態となるとき、偶数番目の行の液晶素子LCはすべて、上述のように特定の励起状態となり、例えば黒表示となる。したがって、CRT(陰極線管)の場合と同等のインターレース表示を液晶表示装置2においても実現できる。
【0028】
なお、上記実施の形態例では、信号電極駆動回路24は奇数フィールドで負極性の画像信号Vsigを出力し、偶数フィールドで正極性の画像信号Vsigを出力するとしたが、この極性を逆にすることも無論可能であり、その場合には、図6の(A)ないし(F)に示すように、第1および第2の電圧制御回路23、25がそれぞれ、奇数フィールドで負、偶数フィールドで正のコンデンサ電圧Vcs.swおよび対向電極電圧Vcom.swを出力する構成とすればよい。
また、上記実施例では、信号電極駆動回路24がフィールドごとに画像信号Vsigの極性を切り換えるとしたが、図7の(L)に示すように、1Hの期間ごとに画像信号Vsigの極性を切り換える場合にも本発明は無論有効であり、第1および第2の電圧制御回路23、25は、図7の(A)ないし(F)に示したように、上記実施例の場合と同様のコンデンサ電圧Vcs.swおよび対向電極電圧Vcom.swを出力することで同様の作用を実現できる。
無論この場合にも、図8の(L)に示したように、画像信号Vsigを逆極性で切り換えることも可能であり、この場合には第1および第2の電圧制御回路23、25が、図8の(A)ないし(F)に示したように、フィールドごとに逆極性でコンデンサ電圧Vcs.swおよび対向電極電圧Vcom.swを切り換えるようにすればよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の液晶表示装置では、電圧発生手段は、行ごとの対向電極および電荷蓄積素子に印加する電圧を制御して、奇数番目の行および偶数番目の行のいずれか一方の液晶素子でのみ、信号電圧に応じた励起を可能とし、もう一方の行の液晶素子は特定の励起状態とする。
したがって、隣接する奇数番目の行と偶数番目の行の薄膜トランジスタのゲートが同一のゲートラインに接続され、同一のゲート信号によって制御されても、奇数番目の行と偶数番目の行のうちの一方の液晶素子によってのみ画像表示を行え、その結果、従来と同様の解像度でインターレース駆動による画像表示が可能である。
すなわち、本発明の液晶表示装置では、従来どうりの解像度を確保しつつゲートラインの数を半減することができ、したがって、液晶素子の面積を拡大して開口率を向上させることが可能となる。
また、インターレース駆動において、あるフィールドで例えば奇数番目の行の液晶素子が駆動されて信号電圧に応じた励起状態となるとき、偶数番目の行の液晶素子はすべて、上述のように特定の励起状態となり、したがって、例えば黒表示となる。その結果、CRT(陰極線管)の場合と同等のインターレース表示を液晶表示装置においても実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の液晶表示装置を構成するTFTガラス基板側の回路図である。
【図3】図1の液晶表示装置を構成するCFガラス基板側の回路図である。
【図4】実施例の液晶表示装置の断面構造を示す断面図である。
【図5】実施例の液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】他の実施例の液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】他の実施例の液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】他の実施例の液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】従来の液晶表示装置の一例を示す分解斜視図である。
【図10】従来の液晶表示装置の一例を示す回路図である。
【図11】対向電極に印加される電圧Vcomとゲート電圧VGおよび画像信号Vsigとの関係を示す信号波形図である。
【図12】対向電極に印加される電圧Vcomとゲート電圧VGおよび画像信号Vsigとの関係を示す信号波形図である。
【符号の説明】
2……液晶表示装置、4……TFTガラス基板、6……CFガラス基板、10……透明電極、12……薄膜トランジスタ、16……信号ライン、18……制御ライン、20……ゲートライン、22……走査電極駆動回路、23……第1の電圧制御回路、24……信号電極駆動回路、25……第2の電圧制御回路、26……対向電極、28……Pチャンネルトランジスタ、29……Nチャンネルトランジスタ、Cs……コンデンサ、LC……液晶素子。

Claims (3)

  1. 液晶素子と、チャンネルの一端が前記液晶素子の透明電極に接続された薄膜トランジスタと、一端が前記透明電極に接続された電荷蓄積素子との組みをマトリクスを形成して多数配列し、前記マトリクスの列ごとに信号ラインを設けて前記列を成す前記薄膜トランジスタの前記チャンネルの他端を対応する前記信号ラインに接続し、前記薄膜トランジスタのゲート電圧を制御して前記薄膜トランジスタを通じ各液晶素子に前記信号ラインからの電圧を印加することで画像を表示する液晶表示装置において、
    前記マトリクスの行ごとに、前記液晶素子の前記透明電極に対向する対向電極を形成し、
    前記マトリクスの前記行ごとに制御ラインを設けて前記行を成す前記電荷蓄積素子の他端を対応する前記制御ラインに接続し、
    前記マトリクスの隣接する奇数番目と偶数番目の2つの行ごとにゲートラインを設けて、これらの行を成す前記薄膜トランジスタのゲートを対応するゲートラインに接続し、
    前記マトリクスの奇数番目(または偶数番目)の行を成す前記液晶素子により画像を形成するときは、前記マトリクスの奇数番目(または偶数番目)の行に対応する前記対向電極と前記制御ラインとに、前記信号ラインを通じ印加される電圧に応じた前記液晶素子の励起を可能とする電圧を印加する一方、前記マトリクスの偶数番目(または奇数番目)の行に対応する前記対向電極と前記制御ラインとには、前記信号ラインを通じ印加される電圧に係わらず前記液晶素子を特定の励起状態とする電圧を印加する電圧制御手段を備えた、
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記電圧制御手段は、前記制御ラインに電圧を印加する第1の電圧制御手段と、前記対向電極に電圧を印加する第2の電圧制御手段とから成ることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記透明電極と、前記薄膜トランジスタと、前記電荷蓄積素子と、前記信号ラインと、前記制御ラインと、前記ゲートラインと、前記第1の電圧制御手段とは第1の透明基板上に形成され、
    前記対向電極と、前記第2の電圧制御手段とは第2の透明基板上に形成され、
    前記液晶素子は、前記第1および第2の透明基板の間に介在された液晶層を含んで構成されていることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
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