JP3690018B2 - 冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍冷蔵機を備えた冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年にあっては、冷凍冷蔵コンテナや食品保管庫等の内部をオゾンで脱臭、殺菌するためのオゾン発生器を備えた脱臭殺菌装置が使用されている。このオゾンによる脱臭殺菌は、従来の塩素等の薬剤や空気清浄器等よりも効率よく行い得るものである。そして、この種の脱臭装置においては、冷凍冷蔵室内にオゾン濃度計及び残存オゾン処理装置等を設けて、オゾン濃度を保管物或いは人体に無害となる濃度に制御するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、冷凍冷蔵コンテナ等においての脱臭及び殺菌にオゾンを利用する場合に、低湿度雰囲気でオゾンが使用されると、オゾンの分解に時間を要するので、高濃度のオゾンが必要となる。しかし、冷凍冷蔵コンテナ室内が労働基準法で定められている0.1ppmを越えてしまうので、残存オゾン処理装置等が必要となると共に、残存オゾンを処理するのに時間がかかり、効率的な荷役作業の妨げとなっていた。
【0004】
また、生鮮食品等を運搬している時には、運搬物の変質等の影響が懸念されるので高濃度オゾンは暴露できず、期待される脱臭殺菌効果が得られないという問題があった。
【0005】
さらに、オゾンを暴露したときには、暴露による冷凍冷蔵コンテナ内の低湿度化による生鮮食品等の劣化という問題もあった。
【0006】
そこで、特開平5−245191号公報に開示されるように、水滴にオゾンを溶解させOHラジカルを生成させて、このOHラジカルとオゾン自体の酸化作用によって脱臭を行う脱臭装置が提案されている。しかしながら、上述の脱臭装置においては、水滴とオゾンとが接する部分が小さく、OHラジカルの生成が十分ではなかった。
【0007】
そこで、本発明はこれらの課題を解決すべく案出されたものであり、低濃度オゾンを用いて、効率的に脱臭、殺菌を行うことができる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明は、オゾンを発生させるオゾン発生器と、エバポレータの上流側に位置して上下多段に設けられると共に、その間に空気通路を形成したオゾンバブリング槽棚と、このオゾンバブリング槽棚の各オゾンバブリング槽に水を供給する水供給手段と、上記オゾン発生器に接続されオゾンバブリング槽内の水にオゾンを注入するオゾンバブリング管とを備えたものである。これによれば、低濃度オゾンを用いて効率的にOHラジカルが生成でき、脱臭、殺菌を行える。
【0009】
そして、上記オゾンバブリング槽に、槽内の水が凍るのを防止すると共にオゾン分解を促進するためのヒータを設けたものが望ましい。これによれば、冷凍時においても、オゾンを効率的にバブリングすることができる。
【0010】
また、上記水供給手段が、上記エバポレータの除霜時に発生する凝縮水を上記冷凍冷蔵ユニット外で溜める水タンクと、この水タンクから上記オゾンバブリング槽に水を供給する水供給管とを備えたものであってもよい。
【0011】
さらに、上記冷凍冷蔵コンテナ内に、上記オゾン発生器に接続されたオゾン濃度計を設けて、冷凍冷蔵コンテナ内のオゾン濃度に応じてオゾン発生器を作動停止させるようにすれば、冷凍冷蔵コンテナ内のオゾン濃度を効率的に制御できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。まず、本発明にかかる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置の構成について説明する。
【0013】
図1は本発明にかかる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を示した側断面図、図2は図1の冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を後方から見た断面図、図3はオゾンバブリング槽内のオゾンバブリング管を示した平面図である。
【0014】
冷凍冷蔵コンテナ11は、断熱性を有する壁体12により直方体状に区画されて成り、一方に荷物の積下しを行うための扉(図示せず)が備えられている。この冷凍冷蔵コンテナ11の天井12aと後面12bとの隅部分には、ハウジング14に収容された冷凍冷蔵機15のユニットが設けられている。ハウジング14には、空気の吸込口18と吹出口19とが形成されている。
【0015】
冷凍冷蔵機15は、圧縮機及びコンデンサ(図示せず)を備え、圧縮された高温高圧の冷媒をコンデンサで外気と熱交換させて凝縮させた後、冷媒を膨脹させてエバポレータ(蒸発器)16で庫内空気と熱交換させて蒸発させるものである。冷凍冷蔵機15の運転は、冷凍冷蔵コンテナ11内の温度を所定温度に保つように、膨張弁の開度や圧縮機能力などが制御されている。エバポレータ16は、冷媒が流れるパイプとフィン(図示せず)とから成り、ハウジング14を前後に仕切るように設けられている。エバポレータ16の前面側にはファン17が設けられ、庫内空気を吸込口18からハウジング14内に吸い込み、エバポレータ16を通して吹出口19から庫内に吹き出すようになっている。
【0016】
脱臭殺菌装置1は、ハウジング14内に収容されており、オゾンを発生させるオゾン発生器2と、エバポレータ16の上流側に位置して上下多段に設けられると共に、その間に複数の空気通路3を形成したオゾンバブリング槽棚4と、このオゾンバブリング槽棚4の各オゾンバブリング槽4bに水を供給する水供給手段5と、オゾン発生器2に接続されオゾンバブリング槽4b内の水にオゾンを注入するオゾンバブリング管6とから主に構成されている。
【0017】
オゾン発生器2は、庫内の空気を吸い込み、これをオゾン化するもので、オゾンバブリング槽棚4の前方に配置され、オゾンバブリング管6を介して各オゾンバブリング槽4bに低濃度のオゾンを供給するようになっている。
【0018】
オゾンバブリング槽4bは上部が開放された直方体状に形成されており、底部にはオゾンバブリング管6が、図3に示すように、矩形波状に配置されている。また、最下段のオゾンバブリング槽4bは、ハウジング14に載置されて設けられ、その上に所定の高さを有した空気通路3を隔てて、オゾンバブリング槽4bが順次設けられてオゾンバブリング槽棚4を形成している。オゾンバブリング槽4b内には図2に示すように、槽内の水が凍るのを防止するためのヒータ7が幅方向に延びてそれぞれ設けられている。このヒータ7は、エンジンの排熱によって、例えばエンジン冷却水等で加熱されるようになっている。また、オゾンバブリング槽4bの吸込口18側には、吸込み空気の流れをよくするために案内板10が幅方向に形成されている。また、オゾンバブリング槽4bの上面開放部は、四辺から内側に向かって所定幅の折り返し部(図示せず)が形成され、トラックの走行中の水の飛散を防止するようになっている。
【0019】
オゾンバブリング管6のオゾンバブリング槽4b内に挿入された部分は、多孔質体により形成され、その多孔質体からオゾンを槽内の水中に注入するようになっている。
【0020】
水供給手段5は、冷凍冷蔵コンテナ11の外側に設けられ、エバポレータ16の除霜時に発生する凝縮水を溜めたり、或いは適宜補給された水を溜める水タンク8と、この水タンク8からオゾンバブリング槽棚4に水を供給する水供給管9とから主に構成されている。水タンク8には、エバポレータ16の下側に設けられたドレンパン21と、ドレンパン21と水タンク8とを連結するパイプ22と、ドレンパン21から水タンク8に水を圧送するポンプ(図示せず)とが連結されている。また、水タンク8のオゾンバブリング管6の接続部分には弁(図示せず)が設けられ、オゾンバブリング槽4b内の水が所定の水位になるように調節されている。
【0021】
なお、冷凍を行わない冷蔵コンテナの場合には、水タンクは、冷蔵ユニットの外部であれば、コンテナ内に収納して設けることもできる。また、冷凍コンテナの場合でも、水タンクにヒータ等を設ければ、コンテナ内に収納することができる。
【0022】
また、冷凍冷蔵コンテナ11内には、コンテナ内のオゾン濃度を計測するオゾン濃度計23が設けられている。このオゾン濃度計23は、オゾン発生器2に接続されており、冷凍冷蔵コンテナ内のオゾン濃度が設定値を越えるとオゾン発生器2を停止させるようになっている。
【0023】
次に、本発明にかかる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置の作用について説明する。
【0024】
冷凍冷蔵コンテナ11外の水タンク8には、除霜時の凝縮水や適宜補給された水が溜められている。そして、水タンク8から各オゾンバブリング槽4bに水を給水して、オゾン発生器2により低濃度のオゾンを発生させオゾンバブリング管6を介して水中にバブリングさせる。このとき、オゾンバブリング管6が矩形波状に形成されていることによって、オゾンバブリング槽4b内の水中に均一に分散させてオゾンを注入することができ、水とオゾンとが接する部分が多くなる。従って、低濃度のオゾンであっても水と効率よく反応して多くのOHラジカルを生成することができる。さらに、オゾンバブリング槽棚4は上下多段に形成されており、その間にファン17によって循環させられた庫内の空気が流れるように空気通路3が形成されているので、オゾン及び存在時間の短いOHラジカルが循環する空気と短時間で効率的に接触でき、その酸化作用による脱臭及び殺菌の効果が向上する。また、エバポレータ16自体に付着する悪臭成分や雑菌を低減することもできる。
【0025】
冷凍時には冷凍冷蔵コンテナ11内は、その温度が0℃以下になっているが、オゾンバブリング槽4b内にヒータ7を設けているので、水を凍らせることなく、オゾンと反応させることができる。また、ヒータ7によりオゾンバブリング槽4b内の水の温度を上昇させることにより、水とオゾンの反応速度が速くなり、さらに効率が上がる。
【0026】
オゾンバブリング槽4b間の空気通路3で脱臭、殺菌された空気は、エバポレータ16を通過し、冷却されて再び冷凍冷蔵コンテナ11内に吹き出される。
【0027】
上述のように、低濃度のオゾンを用いて効率的に脱臭、殺菌を行うので、高濃度のオゾンが冷凍冷蔵コンテナ11内に暴露されることがない。また、オゾン濃度が徐々に上昇していっても、オゾン濃度計23により管理しており、所定の濃度を越えるとオゾン発生器2が停止するので、冷凍冷蔵コンテナ11内のオゾン濃度が設定値を越えることはない。従って、運搬する生鮮食品の変質等の影響はなく、冷凍冷蔵コンテナ11内の低湿度化も防止できるので、生鮮食品を劣化させることはない。さらに、残存オゾン処理装置等を設ける必要もない。
【0028】
なお、上述の実施の形態においては、オゾンバブリング管6は、途中で分岐して、各オゾンバブリング槽4bに挿入されるようになっているが、図4に示すように、オゾンバブリング管6がオゾンバブリング槽4b内を貫通して一本のパイプで形成するようにしてもよい。また、挿入部は、多孔質体にて成形されているが、パイプに小穴を複数設けるようにすることも考えられる。オゾン発生器は、オゾンバブリング槽4bの上方や側方であっても、その近傍に配置されていればよい。
【0029】
また、トラックの走行時にオゾンバブリング槽4b内の水がこぼれないように、その上方開口部に蓋を被せ、複数の小穴を形成するようにしてもよい。これによれば、水は蓋によって遮られ飛散せず、オゾンやOHラジカルは、小穴から空気通路に流れるようになる。さらに、案内板10により、空気が絞られオゾンバブリング槽4b間の空気通路3でその速度が速くなので、この空気の流れにより小穴からオゾンやOHラジカルが吸引され、この吸引作用によって、空気とオゾンやOHラジカルが攪拌され、より効率的に消臭殺菌が行われる。
【0030】
また、オゾンバブリング槽4b内のヒータ7の向きは、幅方向に限るものではない。さらに、冷凍冷蔵コンテナ11外の水タンク8は、断熱材等で区画して冷凍冷蔵コンテナ11内に収納するようにしてもよい。
【0031】
本発明は、冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置に限るものではなく、通常の冷凍冷蔵庫にも適用することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、低濃度オゾンを用いて、オゾンバブリング槽内で効率よくオゾンと水とを反応させOHラジカルを生成するので、効率的に脱臭、殺菌を行うことができると共に、冷凍冷蔵コンテナ内のオゾン濃度を保管物或いは人体に無害な状態に保つことができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を示した側断面図である。
【図2】図1の冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を後方から見た断面図である。
【図3】オゾンバブリング槽内のオゾンバブリング管を示した平面図である。
【図4】他の実施の形態にかかる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を示した側断面図である。
【符号の説明】
1 脱臭殺菌装置
2 オゾン発生器
3 空気通路
4 オゾンバブリング槽棚
4b オゾンバブリング槽
5 水供給手段
6 オゾンバブリング管
7 ヒータ
8 水タンク
9 水供給管
11 冷凍冷蔵コンテナ
16 エバポレータ
23 オゾン濃度計
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍冷蔵機を備えた冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年にあっては、冷凍冷蔵コンテナや食品保管庫等の内部をオゾンで脱臭、殺菌するためのオゾン発生器を備えた脱臭殺菌装置が使用されている。このオゾンによる脱臭殺菌は、従来の塩素等の薬剤や空気清浄器等よりも効率よく行い得るものである。そして、この種の脱臭装置においては、冷凍冷蔵室内にオゾン濃度計及び残存オゾン処理装置等を設けて、オゾン濃度を保管物或いは人体に無害となる濃度に制御するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、冷凍冷蔵コンテナ等においての脱臭及び殺菌にオゾンを利用する場合に、低湿度雰囲気でオゾンが使用されると、オゾンの分解に時間を要するので、高濃度のオゾンが必要となる。しかし、冷凍冷蔵コンテナ室内が労働基準法で定められている0.1ppmを越えてしまうので、残存オゾン処理装置等が必要となると共に、残存オゾンを処理するのに時間がかかり、効率的な荷役作業の妨げとなっていた。
【0004】
また、生鮮食品等を運搬している時には、運搬物の変質等の影響が懸念されるので高濃度オゾンは暴露できず、期待される脱臭殺菌効果が得られないという問題があった。
【0005】
さらに、オゾンを暴露したときには、暴露による冷凍冷蔵コンテナ内の低湿度化による生鮮食品等の劣化という問題もあった。
【0006】
そこで、特開平5−245191号公報に開示されるように、水滴にオゾンを溶解させOHラジカルを生成させて、このOHラジカルとオゾン自体の酸化作用によって脱臭を行う脱臭装置が提案されている。しかしながら、上述の脱臭装置においては、水滴とオゾンとが接する部分が小さく、OHラジカルの生成が十分ではなかった。
【0007】
そこで、本発明はこれらの課題を解決すべく案出されたものであり、低濃度オゾンを用いて、効率的に脱臭、殺菌を行うことができる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明は、オゾンを発生させるオゾン発生器と、エバポレータの上流側に位置して上下多段に設けられると共に、その間に空気通路を形成したオゾンバブリング槽棚と、このオゾンバブリング槽棚の各オゾンバブリング槽に水を供給する水供給手段と、上記オゾン発生器に接続されオゾンバブリング槽内の水にオゾンを注入するオゾンバブリング管とを備えたものである。これによれば、低濃度オゾンを用いて効率的にOHラジカルが生成でき、脱臭、殺菌を行える。
【0009】
そして、上記オゾンバブリング槽に、槽内の水が凍るのを防止すると共にオゾン分解を促進するためのヒータを設けたものが望ましい。これによれば、冷凍時においても、オゾンを効率的にバブリングすることができる。
【0010】
また、上記水供給手段が、上記エバポレータの除霜時に発生する凝縮水を上記冷凍冷蔵ユニット外で溜める水タンクと、この水タンクから上記オゾンバブリング槽に水を供給する水供給管とを備えたものであってもよい。
【0011】
さらに、上記冷凍冷蔵コンテナ内に、上記オゾン発生器に接続されたオゾン濃度計を設けて、冷凍冷蔵コンテナ内のオゾン濃度に応じてオゾン発生器を作動停止させるようにすれば、冷凍冷蔵コンテナ内のオゾン濃度を効率的に制御できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。まず、本発明にかかる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置の構成について説明する。
【0013】
図1は本発明にかかる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を示した側断面図、図2は図1の冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を後方から見た断面図、図3はオゾンバブリング槽内のオゾンバブリング管を示した平面図である。
【0014】
冷凍冷蔵コンテナ11は、断熱性を有する壁体12により直方体状に区画されて成り、一方に荷物の積下しを行うための扉(図示せず)が備えられている。この冷凍冷蔵コンテナ11の天井12aと後面12bとの隅部分には、ハウジング14に収容された冷凍冷蔵機15のユニットが設けられている。ハウジング14には、空気の吸込口18と吹出口19とが形成されている。
【0015】
冷凍冷蔵機15は、圧縮機及びコンデンサ(図示せず)を備え、圧縮された高温高圧の冷媒をコンデンサで外気と熱交換させて凝縮させた後、冷媒を膨脹させてエバポレータ(蒸発器)16で庫内空気と熱交換させて蒸発させるものである。冷凍冷蔵機15の運転は、冷凍冷蔵コンテナ11内の温度を所定温度に保つように、膨張弁の開度や圧縮機能力などが制御されている。エバポレータ16は、冷媒が流れるパイプとフィン(図示せず)とから成り、ハウジング14を前後に仕切るように設けられている。エバポレータ16の前面側にはファン17が設けられ、庫内空気を吸込口18からハウジング14内に吸い込み、エバポレータ16を通して吹出口19から庫内に吹き出すようになっている。
【0016】
脱臭殺菌装置1は、ハウジング14内に収容されており、オゾンを発生させるオゾン発生器2と、エバポレータ16の上流側に位置して上下多段に設けられると共に、その間に複数の空気通路3を形成したオゾンバブリング槽棚4と、このオゾンバブリング槽棚4の各オゾンバブリング槽4bに水を供給する水供給手段5と、オゾン発生器2に接続されオゾンバブリング槽4b内の水にオゾンを注入するオゾンバブリング管6とから主に構成されている。
【0017】
オゾン発生器2は、庫内の空気を吸い込み、これをオゾン化するもので、オゾンバブリング槽棚4の前方に配置され、オゾンバブリング管6を介して各オゾンバブリング槽4bに低濃度のオゾンを供給するようになっている。
【0018】
オゾンバブリング槽4bは上部が開放された直方体状に形成されており、底部にはオゾンバブリング管6が、図3に示すように、矩形波状に配置されている。また、最下段のオゾンバブリング槽4bは、ハウジング14に載置されて設けられ、その上に所定の高さを有した空気通路3を隔てて、オゾンバブリング槽4bが順次設けられてオゾンバブリング槽棚4を形成している。オゾンバブリング槽4b内には図2に示すように、槽内の水が凍るのを防止するためのヒータ7が幅方向に延びてそれぞれ設けられている。このヒータ7は、エンジンの排熱によって、例えばエンジン冷却水等で加熱されるようになっている。また、オゾンバブリング槽4bの吸込口18側には、吸込み空気の流れをよくするために案内板10が幅方向に形成されている。また、オゾンバブリング槽4bの上面開放部は、四辺から内側に向かって所定幅の折り返し部(図示せず)が形成され、トラックの走行中の水の飛散を防止するようになっている。
【0019】
オゾンバブリング管6のオゾンバブリング槽4b内に挿入された部分は、多孔質体により形成され、その多孔質体からオゾンを槽内の水中に注入するようになっている。
【0020】
水供給手段5は、冷凍冷蔵コンテナ11の外側に設けられ、エバポレータ16の除霜時に発生する凝縮水を溜めたり、或いは適宜補給された水を溜める水タンク8と、この水タンク8からオゾンバブリング槽棚4に水を供給する水供給管9とから主に構成されている。水タンク8には、エバポレータ16の下側に設けられたドレンパン21と、ドレンパン21と水タンク8とを連結するパイプ22と、ドレンパン21から水タンク8に水を圧送するポンプ(図示せず)とが連結されている。また、水タンク8のオゾンバブリング管6の接続部分には弁(図示せず)が設けられ、オゾンバブリング槽4b内の水が所定の水位になるように調節されている。
【0021】
なお、冷凍を行わない冷蔵コンテナの場合には、水タンクは、冷蔵ユニットの外部であれば、コンテナ内に収納して設けることもできる。また、冷凍コンテナの場合でも、水タンクにヒータ等を設ければ、コンテナ内に収納することができる。
【0022】
また、冷凍冷蔵コンテナ11内には、コンテナ内のオゾン濃度を計測するオゾン濃度計23が設けられている。このオゾン濃度計23は、オゾン発生器2に接続されており、冷凍冷蔵コンテナ内のオゾン濃度が設定値を越えるとオゾン発生器2を停止させるようになっている。
【0023】
次に、本発明にかかる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置の作用について説明する。
【0024】
冷凍冷蔵コンテナ11外の水タンク8には、除霜時の凝縮水や適宜補給された水が溜められている。そして、水タンク8から各オゾンバブリング槽4bに水を給水して、オゾン発生器2により低濃度のオゾンを発生させオゾンバブリング管6を介して水中にバブリングさせる。このとき、オゾンバブリング管6が矩形波状に形成されていることによって、オゾンバブリング槽4b内の水中に均一に分散させてオゾンを注入することができ、水とオゾンとが接する部分が多くなる。従って、低濃度のオゾンであっても水と効率よく反応して多くのOHラジカルを生成することができる。さらに、オゾンバブリング槽棚4は上下多段に形成されており、その間にファン17によって循環させられた庫内の空気が流れるように空気通路3が形成されているので、オゾン及び存在時間の短いOHラジカルが循環する空気と短時間で効率的に接触でき、その酸化作用による脱臭及び殺菌の効果が向上する。また、エバポレータ16自体に付着する悪臭成分や雑菌を低減することもできる。
【0025】
冷凍時には冷凍冷蔵コンテナ11内は、その温度が0℃以下になっているが、オゾンバブリング槽4b内にヒータ7を設けているので、水を凍らせることなく、オゾンと反応させることができる。また、ヒータ7によりオゾンバブリング槽4b内の水の温度を上昇させることにより、水とオゾンの反応速度が速くなり、さらに効率が上がる。
【0026】
オゾンバブリング槽4b間の空気通路3で脱臭、殺菌された空気は、エバポレータ16を通過し、冷却されて再び冷凍冷蔵コンテナ11内に吹き出される。
【0027】
上述のように、低濃度のオゾンを用いて効率的に脱臭、殺菌を行うので、高濃度のオゾンが冷凍冷蔵コンテナ11内に暴露されることがない。また、オゾン濃度が徐々に上昇していっても、オゾン濃度計23により管理しており、所定の濃度を越えるとオゾン発生器2が停止するので、冷凍冷蔵コンテナ11内のオゾン濃度が設定値を越えることはない。従って、運搬する生鮮食品の変質等の影響はなく、冷凍冷蔵コンテナ11内の低湿度化も防止できるので、生鮮食品を劣化させることはない。さらに、残存オゾン処理装置等を設ける必要もない。
【0028】
なお、上述の実施の形態においては、オゾンバブリング管6は、途中で分岐して、各オゾンバブリング槽4bに挿入されるようになっているが、図4に示すように、オゾンバブリング管6がオゾンバブリング槽4b内を貫通して一本のパイプで形成するようにしてもよい。また、挿入部は、多孔質体にて成形されているが、パイプに小穴を複数設けるようにすることも考えられる。オゾン発生器は、オゾンバブリング槽4bの上方や側方であっても、その近傍に配置されていればよい。
【0029】
また、トラックの走行時にオゾンバブリング槽4b内の水がこぼれないように、その上方開口部に蓋を被せ、複数の小穴を形成するようにしてもよい。これによれば、水は蓋によって遮られ飛散せず、オゾンやOHラジカルは、小穴から空気通路に流れるようになる。さらに、案内板10により、空気が絞られオゾンバブリング槽4b間の空気通路3でその速度が速くなので、この空気の流れにより小穴からオゾンやOHラジカルが吸引され、この吸引作用によって、空気とオゾンやOHラジカルが攪拌され、より効率的に消臭殺菌が行われる。
【0030】
また、オゾンバブリング槽4b内のヒータ7の向きは、幅方向に限るものではない。さらに、冷凍冷蔵コンテナ11外の水タンク8は、断熱材等で区画して冷凍冷蔵コンテナ11内に収納するようにしてもよい。
【0031】
本発明は、冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置に限るものではなく、通常の冷凍冷蔵庫にも適用することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、低濃度オゾンを用いて、オゾンバブリング槽内で効率よくオゾンと水とを反応させOHラジカルを生成するので、効率的に脱臭、殺菌を行うことができると共に、冷凍冷蔵コンテナ内のオゾン濃度を保管物或いは人体に無害な状態に保つことができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を示した側断面図である。
【図2】図1の冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を後方から見た断面図である。
【図3】オゾンバブリング槽内のオゾンバブリング管を示した平面図である。
【図4】他の実施の形態にかかる冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置を示した側断面図である。
【符号の説明】
1 脱臭殺菌装置
2 オゾン発生器
3 空気通路
4 オゾンバブリング槽棚
4b オゾンバブリング槽
5 水供給手段
6 オゾンバブリング管
7 ヒータ
8 水タンク
9 水供給管
11 冷凍冷蔵コンテナ
16 エバポレータ
23 オゾン濃度計
Claims (4)
- オゾンを発生させるオゾン発生器と、エバポレータの上流側に位置して上下多段に設けられると共に、その間に空気通路を形成したオゾンバブリング槽棚と、該オゾンバブリング槽棚の各オゾンバブリング槽に水を供給する水供給手段と、上記オゾン発生器に接続され上記オゾンバブリング槽内の水にオゾンを注入するオゾンバブリング管とを備えたことを特徴とする冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置。
- 上記オゾンバブリング槽に、槽内の水が凍るのを防止すると共にオゾン分解を促進するためのヒータを設けた請求項1記載の冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置。
- 上記水供給手段が、上記エバポレータの除霜時に発生する凝縮水を冷凍冷蔵ユニット外で溜める水タンクと、該水タンクから上記オゾンバブリング槽に水を供給する水供給管とを備えた請求項1又は2いずれかに記載の冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置。
- 上記冷凍冷蔵コンテナ内に、上記オゾン発生器に接続されたオゾン濃度計を設けて、冷凍冷蔵コンテナ内のオゾン濃度に応じてオゾン発生器を作動停止させるようにした請求項1乃至3いずれかに記載の冷凍冷蔵コンテナの脱臭殺菌装置。
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