JP3688340B2 - 多孔性シート及びその製造方法並びに該多孔性シートを用いた吸収性物品 - Google Patents

多孔性シート及びその製造方法並びに該多孔性シートを用いた吸収性物品 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、多孔性シート及びその製造方法並びに吸収性物品に関し、シート強度に優れ、且つ透湿性及び耐水圧性等に優れた多孔性シート及びその製造方法並びに該多孔性シートを用いた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、多孔性シートとしては、結晶性ポリオレフィン樹脂と無機充填物とを溶融混合し、シート状に成形した後、1軸または2軸方向に延伸して得られるシート、結晶性ポリオレフィン樹脂と該樹脂の溶融下で該樹脂に混和性があり、該樹脂の結晶化温度またはそれ以下の温度に冷却すると相分離を起こす有機配合剤を溶融混合し、シート状に成形した後、該有機配合剤に対し易溶性の抽出液中にて抽出して得られるシート、該有機配合剤を含有したまま1軸または2軸方向に延伸して得られるシート、又は前記延伸後、該有機配合剤に対し易溶性の抽出液中にて抽出して得られるシート等が知られている。そして、この様な多孔性シートは、柔軟性やシャリ音防止(シートが揉まれたり、すれたりする時に出る音)のために可塑剤等が添加されて、例えば使い捨てオムツ、生理用ナプキン等の吸収性物品等の裏面材として使用されている。
【0003】
しかし、これらの吸収性物品においては、裏面材としての上記多孔性シートにおむつの使用時におむつを止着するためのテープ等が貼着されるのが一般的であるが、従来の多孔性シートでは、縦一軸延伸、横一軸延伸又は縦横延伸のいずれかの延伸処理により得られたものでも、引張強度、引裂強度共に十分ではなく、止着テープのはりつけ位置に補強用テープをはることなしでは着用中又は着脱中にシートが破損するという問題があった。
また、強度を補強するために、特公平6−89163号公報、特公平6−89164号公報には、それぞれ、シートにエンボスによって縞模様の筋をつけた後、該筋と交差する方向へ延伸する方法が提案されているが、MD方向及びCD方向のバランスのとれた引張強度のアップには至っておらず、テープ止着部の補強テープを省くことはできていない。
【0004】
従って、本発明の目的は、透湿性及び耐水性を有し、シート強度に優れ、且つ吸収性物品等に用いた際に、良好な使用感を有する多孔性シート及びその製造方法並びに該多孔性シートを用いた吸収性物品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解消するために鋭意検討したところ、シートの表面に、MD方向及びCD方向にリブを有し、裏面に該リブに対応した凹部を有する多孔性シートが上記目的を達成し得ることを知見した。
【0006】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、シートの表面に、MD方向及びCD方向のそれぞれに所定間隔をおいて多列に形成された複数のリブを有し、裏面に該リブに対応して設けられた凹部を有しており、上記リブの厚みが、該リブの配されていない部分の厚みの0.1〜4倍の範囲であり、上記凹部の深さが、上記リブの配されていない部分の厚みの0.1〜3倍の範囲である多孔性シートを提供するものである。
【0007】
また、本発明は、上記多孔性シートの好ましい製造方法として、格子模様と該格子模様により形成された多数の開孔とを有する格子模様附形部材の一面上に、Tダイより樹脂組成物を押し出し、更に該格子模様附形部材の他面側から真空吸引して、MD方向及びCD方向のそれぞれにリブを有し且つ該リブに対応して凹部を有するフィルムを形成し、次いで該フィルムをMD方向、CD方向、又はMD方向及びCD方向に延伸する多孔性シートの製造方法を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、液透過性の表面材と、防漏性の裏面材と、これらの間に配置される吸収体とを具備してなる吸収性物品において、上記面材として上記多孔性シートを用いることを特徴とする吸収性物品を提供するものである。
【0009】
以下、先ず、本発明の多孔性シートについて詳細に説明する。
本発明の多孔性シートの形成材料としては、下記する樹脂組成物▲1▼及び▲2▼等が挙げられる。
組成物▲1▼:結晶性ポリオレフィン樹脂100重量部、充填剤30〜400重量部及び柔軟化剤0.1〜20重量部よりなる組成物。
組成物▲2▼:結晶性ポリオレフィン樹脂30〜90重量部、該結晶性ポリオレフィンの融点以上では該結晶性ポリオレフィンに対して混和性があり溶解するが、融点以下では相分離を起こす有機配合剤70〜10重量部よりなる組成物。
【0010】
上記組成物▲1▼に用いられる上記結晶性ポリオレフィン樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン等のモノオレフィン重合体及び共重合体を主成分とするものをいい、線状低密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0011】
上記組成物▲1▼に用いられる上記充填剤としては、無機及び有機の充填剤が用いられ、炭酸カルシウム、石膏、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、燐酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、カーボンブラック、木粉、パルプ等が挙げられる。また、上記炭酸カルシウム等は、脂肪酸、又はその金属塩等により表面を疎水化する等して表面処理を施してもよい。
【0012】
上記組成物▲1▼に用いられる上記柔軟化剤としては、ポリエステル、炭化水素重合体等が挙げられる。また、該ポリエステルは、多塩基酸又は多価アルコールを構成成分とするポリエステルであり、トリメチロールプロパン/アジピン酸/ステアリン酸系のポリエステル等が挙げられる。
【0013】
また、上記組成物▲2▼に用いられる上記結晶性ポリオレフィン樹脂としては、上記組成物▲1▼に用いられる上記結晶性ポリオレフィン樹脂と同じものが用いられる。
【0014】
上記組成物▲2▼に用いられる上記有機配合剤としては、前記特性を有していれば、特に限定されないが、具体的には、流動パラフィン等の鉱油、合成潤滑油、ジオクチルフタレート、ジエチルフタレート、トリエチレングリコール、ジブチルフタレート、並びに、フタール酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及び/又は脂肪族多塩基カルボン酸とアルキルアルコールとのエステル等が好ましく挙げられる。
【0015】
而して、本発明の多孔性シートは、シートの表面に、縦方向(MD方向)及び横方向(CD方向)のそれぞれに、所定間隔をおいて多列に形成された複数のリブを有し、裏面に該リブに対応して設けられた凹部を有する。
上記「所定間隔」は、各リブ間のピッチで表すことができる。このピッチについては、後述する。
【0016】
本発明の多孔性シートについて図1及び図2を参照して更に詳細に説明する。ここで、図1は、本発明の多孔性シートの要部を拡大して示す拡大斜視図であり、図2は、図1に示す多孔性シートのA−A断面図である。
【0017】
図1及び図2に示す本発明の多孔性シート1は、平面部2と、該平面部2の表面に形成されたリブ3,3’と、該平面部2の裏面に該リブ3,3’のそれぞれに対応して設けられた凹部4,4’とからなっている。上記リブ3は、多孔性シート1のMD方向(図1の矢印の方向)に沿って多列に形成されており、上記リブ3’は、多孔性シート1のCD方向(図1の矢印と垂直の方向)に沿って多列に形成されている。また、上記凹部4は、上記リブ3に対応して、多孔性シート1のMD方向(図1の矢印の方向)に沿って多列に設けられており、上記凹部4’は、上記リブ3’に対応して、多孔性シート1のCD方向(図1の矢印と垂直の方向)に沿って多列に設けられている。
即ち、本発明の多孔性シートにおいて、上記リブ3,3’は、各々が交差するように形成されており、全体として格子状の模様を形成するようになされている。ここで、上記リブ3とリブ3’との交差角度Θは、1〜90°であるのが好ましく、略直角であるのが更に好ましい。
また、上記リブ3,3’は、MD方向又はCD方向と平行でなくてもよく、1〜90°の角度を以て、多列に平行なリブを形成してもよい。
【0018】
上記MD方向に多列に形成されている上記リブ3の厚みbは、図2に示すように、平面部2の厚みaの0.1〜4倍の範囲であ、0.3〜2倍の範囲であるのが好ましい。上記リブ3の厚みbが平面部2の厚みaの0.1倍未満であると、十分な強度が得られず、4倍を超えると、柔軟性が損なわれるので好ましくない。また、上記MD方向に多列に形成されている各リブ3間のピッチcは、100μ〜50mmであるのが好ましく、1〜5mmであるのが更に好ましい。上記ピッチcが50mmを超えると、十分な強度が得られず、100μ未満であると、柔軟性が損なわれるので好ましくない。また、上記MD方向に多列に形成されているリブ3の幅dは、50μ〜10mmであるのが好ましく、0.5〜2mmであるのが更に好ましい。上記dが50μ未満であると、十分な強度が得られず、10mmを超えると柔軟性が損なわれるので好ましくない。
【0019】
上記CD方向に多列に形成されている上記リブ3’の厚みb、各リブ3’間のピッチe、リブ3’の幅fの好ましい範囲は、上述した上記MD方向に多列に形成されているリブについての好ましい範囲と同じであるが、それぞれMD方向のリブ3の厚みb,ピッチc,及び幅dと異なるものとしても、また同じにしてもよい。また、それぞれ該範囲の下限未満の場合及び該範囲の上限を超えた場合は、上述した上記MD方向に多列に形成されているリブについての理由と同様の理由から好ましくない。
【0020】
また、上記MD方向及び上記CD方向に多列に形成されている上記リブ3,3’の幅d,fは、それぞれ下記に述べる格子模様附形部材の線幅や延伸条件等により左右されるため、図2に示すように明確に表わせない場合がある。その場合は、図3に示すように、リブの頂部と底部との距離の半分の長さの地点におけるリブ幅を代表値とすることにより、上記リブ3,3’の幅d,fを求めることができる。
【0021】
また、上記MD方向及び上記CD方向に多列に形成されているリブ3,3’の厚みbは、それぞれ3〜400μであるのが好ましい。
また、平面部2の厚みaは、10μ〜200μであるのが好ましい。
【0022】
また、本発明の多孔性シートに設けられる上記凹部4,4’は、それぞれ上記リブ3,3’に対応するように、該リブ3,3’の真裏に設けられている。従って、該凹部4,4’も、上記リブ3,3’と同様に、各々が交差するように設けられており、全体として格子状の模様を形成するようになされている。また、上記凹部4と凹部4’との交差角度Θは、上記リブ3とリブ3’との交差角度と同じ範囲の角度が好ましい。
【0023】
上記MD方向に多列に設けれている上記凹部4の深さgは、図2に示すように、平面部2の厚みaの0.1〜3倍の範囲であ、0.3〜1倍の範囲であるのが好ましい。上記凹部4の深さgが平面部2の厚みaの0.1倍未満であると、柔軟性が損なわれ、3倍を超えると、十分な強度が得られないので好ましくない。また、上記MD方向に多列に設けられている各凹部4間のピッチiは、100μ〜50mmであるのが好ましく、1〜5mmであるのが更に好ましい。上記ピッチiが50mmを超えると、十分な強度が得られず、100μ未満であると、柔軟性が損なわれるので好ましくない。また、上記MD方向に多列に設けられている凹部4の幅hは、50μ〜50mmであるのが好ましく、0.5〜2mmであるのが更に好ましい。上記hが50μ未満であると、柔軟性が損なわれ、50mmを超えると、十分な強度が得られないので好ましくない。
【0024】
上記CD方向に多列に設けられている上記凹部4’の深さj、各凹部4’間のピッチl、凹部4’の幅kの好ましい範囲は、上述した上記MD方向に多列に設けられている凹部4についての好ましい範囲と同じであるが、それぞれMD方向の凹部4の深さg,ピッチi,及び幅hと異なるものとしても、また同じにしてもよい。また、それぞれ該範囲の下限未満の場合及び該範囲の上限を超えた場合は、上述した上記MD方向に多列に設けられている凹部4についての理由と同様の理由から好ましくない。
【0025】
また、上記MD方向及び上記CD方向に多列に設けられている上記凹部4,4’の幅h,kは、それぞれ下記に述べる格子模様附形部材の線幅や延伸条件等により左右されるため、図2に示すように明確に表わせない場合がある。その場合は、図3に示すように、凹部の最深部と周面部との距離の半分の長さの地点における凹部幅を代表値とすることにより、上記凹部4,4’の幅h,kを求めることができる。
【0026】
また、上記MD方向及び上記CD方向に多列に設けられている凹部4,4’の深さg,jは、それぞれ3〜200μであるのが好ましい。
また、平面部2の厚みaは、10〜200μであるのが好ましい。ここで、該平面部2は、通常、図2の様に、凹面鏡状に表面と裏面とが共にやや窪んだ窪みを有しており、該平面部2の厚みaとは、該窪みの最も深い部分間における距離、即ち最短距離をいうものとする。
【0027】
また、上記平面部2は、図2に示すように凹面鏡状(両面とも窪みを有する)となていても、片面だけが凹面状でもう片面が平面状となっていても、また、表面と裏面が共に平行に平面状になっていてもよい。
【0028】
次に、本発明の多孔性シートの好ましい製造方法について、図4、図5(a)及び図5(b)を参照して説明する。
ここで、図4は、本発明の多孔性シートの製造方法に用いられる製造装置を示す概略図である。また、図5(a)は、図4に示す格子模様附形部材としての平織りネットの拡大平面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す平織りネットのB−B断面図である。
【0029】
先ず、図4に示す製造装置100について説明する。該製造装置100は、溶融された上記樹脂組成物1”を押し出すTダイ11を備えた押出機10と、該押出機10から押出された樹脂組成物1”に所定の模様を付与する格子模様附形部材としての平織りネット20と、該平織りネット20の他面側から吸引ノズル31を介して該樹脂組成物1''を真空吸引する真空ポンプ30と、所定の模様(上記のリブ及び凹部)が形成されたフィルム1’を冷却する冷却ロール40と、該冷却ロール40を通過した該フィルム1’をMD方向に延伸するMD方向延伸機60と、該フィルム1’をCD方向に延伸するCD方向延伸機70と、該フィルム1’を延伸して形成された多孔性シート1を巻取る巻取機80と、ガイドローラー50、51、52とからなる。
【0030】
更に詳述すると、上記平織りネット20は、格子模様21と該格子模様21により形成された多数の開孔22とを有するものであり、該格子模様21は、それぞれ平行に且つ多列に(上記多孔性シートのMD方向に対応する方向に向けて)配された多数の線材23と、該線材23と直行するように且つ多列に(上記多孔性シートのCD方向に対応する方向に向けて)、該線材23に織り込まれた多数の線材24とからなる。また、上記平織りネット20は、ベルトコンベア状になされており、フィルム1’を矢印方向に搬送できるようになされている。
ここで、上記ネット23,24の線ピッチi’,l’は、上述した凹部4,4’のピッチi,l及び上述したリブ3,3’のピッチc,eに応じて任意であり、上記ネット23,24の線幅(線径)h’,k’は、上述した凹部4,4’の幅h,k及び上述したリブ3,3’の幅d,fに応じて任意である。また、上記線材23、24の形成材料は、溶融した上記樹脂組成物が載置されても変形しないものであれば特に制限されないが、金属などが好ましく用いられる。
【0031】
また、上記吸引ノズル31は、上記平織りネット20上に押し出された上記樹脂組成物1”が溶融状態のうちに真空吸引を行い得るように、上記のコンベア状の平織りネット20の上方側において、上記平織りネットの他面側に当接するように配されている。
また、上記押出機10及びTダイ11のサイズや、上記平織りネット20の幅、長さは、所望の多孔性シートのサイズに応じて任意である。
【0032】
而して、本発明の多孔性シートの製造方法を実施するには、図4に示すように、上記平織りネット20の一面上に、Tダイ11より樹脂組成物1”を押し出し、更に該平織りネット20の他面側から上記真空ポンプ30により真空吸引して、MD方向及びCD方向のそれぞれにリブ3,3’を有し且つ該リブ3,3’に対応して凹部4,4’を有するフィルム1’を形成し、次いで該フィルム1’をMD方向、CD方向、又はMD方向及びCD方向に延伸することにより行うことができる。
【0033】
詳細には、上記Tダイの設定温度は、150〜240℃とするのが好ましい。そして、押し出された上記樹脂組成物1”は、上記コンベア状の平織りネット20が矢印方向に転動することにより、矢印方向に搬送されてフィルム状に成形される。
この際の上記平織りネット20の転動速度は、フィルム1’の引き取り速度に対応しており、該引き取り速度は、5〜300m/分とするのが好ましい。
また、上記真空吸引は、上記樹脂組成物1”が溶融状態のうちに行うものであり、この際の真空度Vは、上記リブ3,3’の 所望の厚みbや上記平面部2の所望の厚みaに応じて任意である。そして、該真空度Vを適宜変更することにより、得られる多孔性シートの厚み(平面部の厚みa)、該多孔性シートにおけるリブ3,3’の厚みb及び凹部4,4’の深さg,jを調節することができる。
【0034】
次いで、得られたフィルム1’を冷却ロール40を通過させて冷却し、ガイドローラー50を介してMD方向延伸機50及びCD方向延伸機60に供給する。ここで、MD方向延伸機60とCD方向延伸機70との何れか一方のみを稼働させれば、MD方向とCD方向との何れか一方のみに延伸された多孔性シートを得ることができ、両方を稼働させれば、両方向に延伸された多孔性シートを得ることができる。
ここで、上記延伸は、通常の延伸方法に従って行うことができ、延伸倍率は、MD方向、CD方向共に1.2〜3倍とするのが好ましい。
そして、延伸された多孔性シート1をガイドローラー51、52を介して、巻取機80で巻き取る等して種々の成型品の製造工程に供給することができる。
【0035】
このように、上記平織りネット20上に樹脂組成物1”を押し出し、次いで、真空吸引することにより、上記平織りネット20の格子模様21及び開孔22により、該格子模様21に対応した凹凸(即ち、上記リブ3,3’及び上記凹部4,4’)と開孔22に沿った平面部2とが形成され、上記多孔性シート1が得られる。
【0036】
尚、本実施例においては、上記格子模様附形部材として上記平織りネットを例示して説明したが、これに制限されず、綾織りネット、格子状のうねとうねに囲まれた開孔を有する板等を用いることもできる。
【0037】
上述のように、本発明の多孔性シートは、シート全体が延伸されており、上記リブ及び凹部が形成されている部分は、リブが形成されていない部分よりも透湿性が低くなっており、全体としては多孔性シートでありながら、強度の高いリブ及び凹部を有するので、縦横両方向に対して引張、引裂強度共に強いシートである。また、特に上記凹部を有することにより、リブの部分の柔軟性が損なわれない。
従って、本発明の多孔性シートは、生理用ナプキン、使い捨てオムツ等の吸収性物品に裏面材として好適である他、フィルター、医療用材料、衣料用材料に用いることもできる。
【0038】
次に、本発明の吸収性物品について説明する。
本発明の吸収性物品は、液透過性の表面材と、防漏性の裏面材とこれらの間に配置される吸収体とを具備してなる。このような構成及び上記表面材及び上記吸収体の形成材料等は従来公知の構成及び形成材料と同様である。
而して、本発明の吸収性物品においては、上記裏面材として上記の本発明の多孔性シートが用いられている。
尚、本発明の吸収性物品としては、生理用ナプキン、大人用又は乳幼児用の使い捨ておむつ、失禁パッド等が挙げられ、上記多孔性シートは、吸収性物品の用途に応じて所望の形状として用いられる。
【0039】
【実施例】
次いで、実施例により本発明の多孔性シートについて具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0040】
〔実施例1及び実施例2〕
実施例1では下記組成物Aを用い、実施例2では下記組成物Bを用いて、下記押出機及び下記平織りネットにより、図5に示す製造装置にて、下記成形条件で成形し、多孔性シートを得た。
【0041】
Figure 0003688340
【0042】
(押出機)
Tダイを備えた押出機; 50φmmの単軸押出機
(平織りネット)
線幅(線径);0.6mm
線ピッチ ;1.8mm
【0043】
Figure 0003688340
【0044】
実施例1及び実施例2で得られた多孔性シートの形状は、平面部の厚みaが40μ、リブの厚みbが70μ、各リブ間のピッチc,eが1.8mm、リブ幅d,fが0.6mm、凹部の深さg,jが20μ、各凹部間のピッチi,lが1.8mm、凹部の幅h,kが0.4mmである。これらの多孔性シートについて、下記評価基準に従って下記1)〜4)の試験を行い、評価した。それらの結果を〔表1〕に示す。
【0045】
〔評価基準〕
1)透湿度:JIS ZO 208に準拠して測定
2)耐水圧:JIS L 1093B法に準拠して測定
3)引っ張り強度:延伸方向と該延伸方向に対して直角方向とにそれぞれ10mm幅で切り出したシートをテンシロン引張試験機にかけチャック間50mm、引張速度300mm/分にて測定した。
4)引裂強度:60mm×30mmの切片を、その長辺がシートの延伸方向に等しくなるように切り出し、さらに上記切片の中心から短辺の一端まで剃刀の刃で長辺に並行に切り込みを入れ試料とした。次いで、テンシロン引張試験機を用い、該試料の切り込みにより形成された2つの末端をチャックに固定して、試料をT字とし、引張速度300mm/分にてシート延伸方向への引き裂き測定を行い、得られた測定チャートから平均の荷重を求め引裂強度とした。
【0046】
〔比較例1及び比較例2〕
平織りネットを使用しない通常のTダイフィルム成形機を用いた以外は、それぞれ実施例1及び実施例2と同様にして、リブを有しない多孔性シートを得た。得られた多孔性シートについて、それぞれ実施例1及び実施例2と同様にして試験を行った。その結果を〔表1〕に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003688340
【0048】
【発明の効果】
本発明の多孔性シートは、透湿性及び耐水圧を有し、シート強度に優れ且つ吸収性物品等に用いた際に良好な使用感を有するものである。
また、本発明の多孔性シートの製造方法によれば、上記多孔性シートを容易に製造することができる。
また、本発明の吸収性物品は、上記多孔性シートを裏面材として用いているのでテープ止着部に補強テープがなくても、使用時にテープ等により接着固定しても、着用中又は着脱中に該シートが破れることがなく、またテープをどの位置にも付け剥がしできるため使用感に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の多孔性シートの要部を拡大して示す拡大斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す多孔性シートのA−A断面図である。
【図3】図3は、リブ幅の測定方法の他の例を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の多孔性シートの製造方法に用いられる製造装置を示す概略図である。
【図5】図5(a)は、図4に示す平織りネットの拡大平面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す平織りネットのB−B断面図である。
【符号の説明】
1 多孔性シート
1’ フィルム
1'' 樹脂組成物
2 平面部
3,3’ リブ
4,4’ 凹部
10 押出機
11 Tダイ
20 平織りネット
21 格子模様
22 開孔
23,24 線材
30 真空ポンプ
31 吸引ノズル
40 冷却ロール
50,51,52 ガイドローラー
60 MD方向延伸機
70 CD方向延伸機
80 巻取機
100 製造装置

Claims (5)

  1. シートの表面に、MD方向及びCD方向のそれぞれに所定間隔をおいて多列に形成された複数のリブを有し、裏面に該リブに対応して設けられた凹部を有しており、
    上記リブの厚みが、該リブの配されていない部分の厚みの0.1〜4倍の範囲であり、
    上記凹部の深さが、上記リブの配されていない部分の厚みの0.1〜3倍の範囲である多孔性シート。
  2. 上記多孔性シートが、MD方向、CD方向、又はMD方向及びCD方向に延伸されており、且つ上記リブが形成されていない部分の透湿度が上記リブの形成されている部分の透湿度より大きい請求項1記載の多孔性シート。
  3. 上記リブの幅が50μ〜10mmであり、各リブのピッチが100μ〜50mmである請求項1又は2記載の多孔性シート。
  4. 請求項1記載の多孔性シートの製造方法であって、格子模様と該格子模様により形成された多数の開孔とを有する格子模様附形部材の一面上に、Tダイより樹脂組成物を押し出し、更に該格子模様附形部材の他面側から真空吸引して、MD方向及びCD方向のそれぞれにリブを有し且つ該リブに対応して凹部を有するフィルムを形成し、次いで該フィルムをMD方向、CD方向、又はMD方向及びCD方向に延伸する多孔性シートの製造方法。
  5. 液透過性の表面材と、防漏性の裏面材と、これらの間に配置される吸収体とを具備してなる吸収性物品において、上記面材として請求項1記載の多孔性シートを用いることを特徴とする吸収性物品。
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