JP3687812B2 - 自動取引装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャッシュ・ディスペンサ(ＣＤ：Cash Dispenser）やエイ・ティ・エム（ＡＴＭ：Automatic Teller Machine）など、利用者との現金等の取引処理を自動的に行う自動取引装置に係り、特に、利用者の操作効率を向上させるのに好適な自動取引装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、自動取引装置で入出金の操作を行う場合、利用者は、自動取引装置の前まで出向き、クレジットカード類を装置に挿入しキーボードやタッチパネルなどの入力操作を行なっている。そのため、自動取引装置側には、キーボードやタッチパネルなどの入力操作部、ＣＲＴ（Cathode Ray Tube、陰極線管）やＬＣＤ（Liquid Crystal Display、液晶パネル）などの表示部、キャッシュカード類の読み取り部などが設けられている。
【０００３】
このような自動取引装置における操作性の向上を図る従来技術としては、例えば、特開平６ー２１５２３４号公報に記載の「現金自動取引装置」のように、自動車免許証の番号をリードするＯＣＲリーダ機構を設けたものがある。このことにより、利用者がクレジットカード等の磁気カードを忘れた時などにも取引可能となる。
また、例えば、特開平７ー３２０１２４号公報に記載の「暗証番号入力装置」のように、順次サイクリツクに表示、または、音声発生される数字が特定された時、その数字を用いて暗証番号を生成する技術がある。この技術によれば、暗証番号の生成時に、第三者による察知を防止でき、安全性を高めることができる。
【０００４】
また、例えば、特開平１−１２５６９９号公報に記載の「自動取引処理システム」のように、自動取引処理装置の操作エリアへの自動車の進入を制御する技術がある。この技術によれば、自動車に乗ったまま、ドライブスルー方式で、利用者が操作するシステムの効率化が可能となる。
しかし、これらの従来技術のいずれにおいても、利用者の操作形態は、上述したものと同じである。すなわち、利用者は、自動取引装置上に設けられたタッチパネルやボタン等を指などにより直接操作して、取引内容を入力している。そのため、装置側には、上述の各デバイスを設ける必要がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、利用者は、装置上に設けられたタッチパネルやボタン等を指などにより直接操作して、取引内容を入力しなければならない点である。
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決し、利用者の操作性を向上させることを可能とすると共に、操作パネル関連のデバイスを不要として装置構成の簡素化を可能とする自動取引装置を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の自動取引装置は、（１）利用者が操作する無線電話機から該無線電話機の固有情報と、出金金額を含む入力操作情報の受信を行う通信処理部を有し、該通信処理部が受信する固有情報によって登録確認を実行すると共に受信する出金金額に基づき該出金金額の現金を現金の入出金口を介して出金を行うことを特徴とする。
また、（２）上記（１）に記載の自動取引装置において、無線電話機からの入力操作情報は、音声情報を含み、その音声情報を認識する音声認識部を有することを特徴とする。
また、（３）上記（１）または２に記載の自動取引装置において、前記登録確認の実行後に当該登録確認された番号へ返信するコールバック処理を実行することを特徴とする。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を、以下、図面を用いて詳細に説明する。
図１は、本発明の自動取引装置の本発明に係る構成およびそれを用いた自動取引システムの一実施例を示すブロック図である。
図１において、１は利用者が操作する自動車電話や携帯電話あるいはＰＨＳ等の無線電話機、２は無線電話機１からの情報を収容する電話交換機、３は本発明に係る自動取引装置、４は専用線により自動取引装置３が接続されたホストコンピュータである。
無線電話機１には、ＬＣＤ等からなる表示部１ａと、押しボタン式のダイヤルキー１ｂが設けられている。
【０００８】
また、自動取引装置３には、無線電話機１との情報の送受信を電話交換機２を介して行う通信処理部３ａと、通信処理部３ａを介して無線電話機１に操作案内情報を送出する案内情報送出部３ｂと、通信処理部３ａで受信した無線電話機１からの情報に基づき対応する自動取引処理を行なう取引処理部３ｃと、無線電話機１から通信処理部３ａに送られてきた暗証番号を少なくとも含む音声情報を認識する音声認識部３ｄと、接続された無線電話機１の電話番号が予め登録済みであることを確認する番号確認部３ｅと、この番号確認部３ｅによる確認後、無線電話機１に対するコールバック処理を行うコールバック処理部３ｆと、専用線を介してセンタにあるホストコンピュータ４との情報の送受信処理を行うセンタ接続処理部５と、現金の受け払い処理を行なう現金処理部６とを具備し、現金の受け払い口７、および、自動取引装置３の電話番号８が設けられている。
【０００９】
このような構成により、自動取引装置３は、以下に説明する動作により、利用者による無線電話機１の操作に基づき自動取引を行なう。
すなわち、利用者は、自動取引装置３の電話番号８に従って無線電話機１のダイヤルキー１ｂを押下して、自動取引装置３への発呼操作を行う。このようにして、無線電話機１から自動取引装置３へ発呼されると、電話交換機２は、自動取引装置３を呼び出し、無線電話機１に接続する。
【００１０】
接続された自動取引装置３は、まず、番号確認部３ｅにより、センタ接続処理部５を介して、センタのホストコンピュータ４に、無線電話機１の電話番号が予め登録済みであるか否かを問い合わせて確認する。登録されていなければ無線電話機１との接続を切り、予め登録済みの無線電話機１に対してのみ取引処理を行うことにより、登録されていない無線電話機１からの操作はできない仕組としている。
【００１１】
番号確認部３ｅによる登録済みの無線電話機１の確認に基づき、自動取引装置３は、案内情報送出部３ｂを起動し、コールバックする旨の操作案内情報を、通信処理部３ａを介して、電話交換機２経由で無線電話機１に送出し、その後、無線電話機１との接続を切る。そして、所定時間後、コールバック処理部３ｆを起動して、無線電話機１をコールバックする。このコールバック処理により、自動取引処理を行う前に、無線電話機１の所在の確認できるので、例えば、当地にいない利用者に現金の支払処理を行うといった事態を回避することができる。
【００１２】
コールバック先の無線電話機１と接続されると、自動取引装置３は、案内情報送出部３ｂにより通信処理部３ａを介して、操作案内情報を電話交換機２そして無線電話機１に送出する。無線電話機１は、その操作案内情報を表示部１ａに表示して、または、図示していないスピーカを介して音声で利用者に通知する。
この通知に基づき利用者は、ダイヤルキー１ｂの選択押下もしくは音声により、取引内容や暗証番号などの入力操作を行う。この入力操作は、電話交換機２を介して自動取引装置３に送られ、自動取引装置３では、取引処理部３ｃを起動し、取引処理部３ｃは、その内容に対応して、センタ接続処理部５を介して、ホストコンピュータ４と情報のやり取りを行う。
【００１３】
この時、無線電話機１からの入力操作情報が音声であれば、自動取引装置３は、音声認識部３ｄにより、無線電話機１からの音声情報を認識し、利用者の暗証番号の確認や取引金額の認識を行い、その結果に基づき、ホストコンピュータ４と情報のやり取りを行う。
ホストコンピュータ４との情報のやり取りの結果、暗証番号や取引金額が適切なものであれば、自動取引装置３は、現金処理部６により、例えば、現金の受け払い口７からの現金の支払を行う。
このように、本実施例においては、無線電話機１を介して利用者からの操作情報を入力するので、クレジットカードが不要となる。また、自動取引装置３においても、操作案内情報を表示するためのパネル等が不要となる。
【００１４】
次に、自動取引装置３の動作説明をフローチャートを用いて行う。
図２は、図１における自動取引装置３の本発明に係る処理動作例を示すフローチャートである。
まず利用者は、自動取引装置の前に来る（ステップ１００）。この時、ドライブスルー式の場合は車に乗車したまま自動取引装置の前に停車する。その後、自動取引装置に表示されている電話番号に、携帯電話やＰＨＳ等の無線電話機により、銀行またはクレジット会社等の金融会社(以下金融会社)の電話交換機に電話をする(ステップ１０１)。
【００１５】
電話交換機は、自動取引装置に接続し、自動取引装置は、利用者の無線電話機がセンタのホストコンピュータに登録されているかを確認する(ステップ１０２)。このホストコンピュータへの確認は、利用者を限定するものであり、従来の磁気カードの代用となる。センタのホストコンピュータは、登録の有無を判断して利用の可否を自動取引装置に連絡する。
登録確認ができた場合は、「電話を切ってしばらくお待ちください」等の音声メッセージを利用者に通知する(ステップ１０３)。この通知に基づき、利用者は、一旦電話を切り待機する(ステップ１０４)。
【００１６】
所定の時間経過後、自動取引装置は、利用者の無線電話機に対してコールバックを行う(ステップ１０５)。このように、自動取引装置側から再コールすることにより、利用者の再確認をすると共に自動取引装置の前に利用者がいることの確認ができる。
利用者が、自動取引装置からの再コールを無線電話機で受ける(ステップ１０６)と、自動取引装置は、第三者による使用を防止するために本人確認を行う(ステップ１０７)。
【００１７】
この時の本人確認方法は、従来のように暗証番号を無線電話機のダイヤルキーにより入力し、センタのホストコンピュータに照合確認する方法と、さらに利用者本人の声を登録しておき、その音声情報との照合確認を行う方法があるが、後者の方が本人の特定をより確実にでき、かつ第三者による察知を防止でき、安全性を高められる。
【００１８】
このようにして、本人の照合が済めば、入出金ガイダンスに従っての入出金操作を行う(ステップ１０８)。例えば、「出金の場合は、１を入金の場合は２を押してください」等の音声メッセージガイダンスを通知し、この通知に従って、利用者は入力操作を行っていく。
この入力操作に基づき、自動取引装置は、入出金口（現金受け払い口）を介して入出金を行う(ステップ１０９)。
【００１９】
尚、この入力操作は、音声指示により行うようにすることもできる。例えば、利用者が「出金、３万円」と声で指示した場合には、自動取引装置は、それを音声認識して３万円を出金する。
このようにする事により、利用者は入出金操作を簡単にでき、自動取引装置の操作性が向上する。
入出金が完了すると、自動取引装置は、残高の照合結果を、無線電話機の表示部もしくはスピーカを介して利用者に通知し(ステップ１１０)、一連の入出金処理を終了する(ステップ１１１)。
【００２０】
以上、図１および図２を用いて説明したように、本実施例の自動取引装置では、携帯電話やＰＨＳ等の無線電話機を入出金操作の入力装置とする。
このことにより、暗証番号による使用者の確認を音声認識で行うことができ、暗証番号の第三者による察知を防止し、より安全性を高めることができる。
また、キャッシュカードやクレジットカードが不要となり、カードを忘れた時にも取引が可能となる。
【００２１】
また、入出金操作を音声指示で行うことができ、より操作性が向上する。特に、車に乗ったまま自動取引装置の前で入出金操作をすることができるドライブスルー式の現金自動取引システムに適用することにより、利用者が車から身を乗り出して入力操作する必要が無くなり、操作性が向上する。
さらに、自動取引装置においても、キーボードやタッチパネルなどの入力操作部、ＣＲＴやＬＣＤなどの表示部、キャッシュカードの読み取り部を不要とする事ができ、利便性、小型化、原価低減の向上が図れる。
尚、本発明は、図１および図２を用いて説明した実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【００２２】
【発明の効果】
本発明によれば、取引内容の入力に、装置上に設けられたタッチパネルやボタン等を操作する必要がなくなり、また、キャッシュカードやクレジットカード等の磁気カードの使用が不要となり、利用者の操作性、特に、ドライブスルー方式の自動取引システムにおける操作性の向上、および、カードの不正使用の防止を図ることができ安全性の向上が可能となると共に、操作パネル等のデバイスが不要となり、装置構成を簡素化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の自動取引装置の本発明に係る構成およびそれを用いた自動取引システムの一実施例を示すブロック図である。
【図２】図１における自動取引装置３の本発明に係る処理動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１：無線電話機、１ａ：表示部、１ｂ：ダイヤルキー、２：電話交換機、３：自動取引装置、３ａ：通信処理部、３ｂ：案内情報送出部、３ｃ：取引処理部、３ｄ：音声認識部、３ｅ：番号確認部、３ｆ：コールバック処理部、４：ホストコンピュータ、５：センタ接続処理部、６：現金処理部、７：現金の受け払い口、８：電話番号。

Claims (3)

1. 利用者からの入力操作に基づき、現金の自動取引を行う自動取引装置であって、
   利用者が操作する無線電話機から該無線電話機の固有情報と、出金金額を含む入力操作情報の受信を行う通信処理部を有し、
   該通信処理部が受信する前記固有情報によって登録確認を実行すると共に受信する出金金額に基づき該出金金額の現金を現金の入出金口を介して出金を行うことを特徴とする自動取引装置。
2. 請求項１に記載の自動取引装置において、
   上記無線電話機からの入力操作情報は、音声情報を含み、その音声情報を認識する音声認識部を有することを特徴とする自動取引装置。
3. 請求項１または２に記載の自動取引装置において、
   前記登録確認の実行後に当該登録確認された番号へ返信するコールバック処理を実行することを特徴とする自動取引装置。

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