JP3686689B2 - 繊維系クッション体の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、各種乗り物用座席のパッド等を始めとして、ソファやベッド等の家具類などに好適な繊維系クッション体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、家具、ベッド、車両の座席等に使われているクッション体は、発泡ウレタンの一体成形品や、ポリエステル等の非弾性捲縮繊維の詰綿、あるいは非弾性捲縮繊維をバインダによって接着した繊維系クッション体などが知られている。特に、発泡−架橋型ウレタンは、クッション体としての耐へたり性が良好であり、加工性も良いため、乗り物用シートなどに多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記発泡ウレタンは、透湿・透水性に劣り、蓄熱性があるため人体と触れる部位が蒸れ易いという問題がある。一方、熱可塑性のポリエステル繊維をバインダによって接着した従来の繊維系クッション体は、繊維の紡糸、捲縮、開綿工程やバインダ繊維との混綿工程、あるいはバインダの添加工程が必要であり、製造工程が多いという問題がある。また、通常の硬綿は短繊維を使用しているため、繊維のほつれによる形状の崩れを生じやすく、しかも成形品にバリが生じやすい。また、型によって成形する場合、成形しようとする大きさと形に合わせて必要な繊維の量を計り取り、モールドに対しては成形品の形などに応じて部分的に投入量を調整する等の手間のかかる工程を必要とし、製造工程に煩雑さがあった。
【0004】
従って本発明の目的は、通気性が良くて蒸れにくく、しかも従来に比べて簡単な製造工程によって所定の立体形状に精度良く成形することが可能な繊維系クッション体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を果たすために開発された本発明の繊維系クッション体は、発泡剤入りの熱可塑性弾性樹脂のエラストマーからなる300デニール以上の複数の連続繊維をランダムに曲がりくねらせかつ互いの接触部を融着させた繊維集合体からなり、上記連続繊維を発泡させかつモールドによって所定の立体形状に成形したことを特徴とするものである。
【0006】
本発明の製造方法は、発泡剤または架橋剤と発泡剤を含ませた熱可塑性弾性樹脂を上記樹脂の軟化点よりも高くかつ上記発泡剤の分解温度よりも低い温度に加熱した状態で押出し機のノズル部からモールド内に繊維状に一定量連続的に押出すとともに押出された連続繊維をモールドの内部で曲がりくねらせかつ繊維同志の接触部を互いに融着させる工程と、閉鎖された上記モールドの内部で上記連続繊維を発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させることによりこれら連続繊維をモールド内で膨脹させてモールドの内部に充満させるとともにモールドの内面形状に応じた立体形状に成形する工程と、上記モールドを冷却したのち脱型する工程とを具備している。
【0007】
上記熱可塑性弾性樹脂は、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマーおよびウレタン系エラストマーのうちから選ばれる樹脂などである。
【0008】
本発明で言うポリオレフィンとは、低密度ポリエチレンあるいは高密度ポリエチレン、その他のエチレン・α−オレフィンの共重合体、ポリプロピレンや、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のα−オレフィンと15モル%以下の他の重合成単量体との共重合体、あるいはプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体等のプロピレンと他の少量のα−オレフィンとの共重合体である樹脂状高分子物質である。
【0009】
また、ポリオレフィンエラストマーとは、前記のポリオレフィンとオレフィン系共重合体ゴムとから構成されたもので、ここで言うオレフィン系共重合体ゴムとはエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。また必要に応じて、充填剤や安定剤、その他の添加剤や鉱物油軟化剤を本発明の目的を損わない範囲で配合してもよい。
【0010】
ポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等と、それらの共重合体が挙げられる。また、ポリエステルエラストマーとは、ハードセグメントとソフトセグメントをブロック共重合したもので、ハードセグメントとしてはPET,PBT,PEN等が挙げられ、ソフトセグメントとしては、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0011】
ポリアミドとは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12等と、それらの共重合体が挙げられる。またポリアミドエラストマーとは、ハードセグメントとソフトセグメントをブロック共重合したもので、ハードセグメントとしては前記のナイロン、ソフトセグメントとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール共重合体で少なくとも1種から構成されるブロック共重合が挙げられる。
【0012】
ポリウレタンとは、ポリエステル系ポリウレタン、ポリテトラメチレングリコール系ポリウレタンやポリカプロラクトングリコール系ポリウレタン等が挙げられる。また、ウレタン系エラストマーとは、ハードセグメントとしてポリウレタン、ソフトセグメントとしてポリオールやポリエステルで構成されるポリカーボネート系ポリオールタイプ、エーテル系ポリオールタイプ、カプロラクトン系ポリエステルタイプやアジペート系ポリエステルタイプのウレタン系エラストマーが挙げられる。
【0013】
本発明で言う発泡または架橋発泡した繊維とは、公知の熱分解型発泡剤を樹脂に分散させて繊維状に押出した後、発泡剤の分解温度以上の温度で加熱して発泡させた繊維、および架橋剤と熱分解型発泡剤を樹脂に分散させて繊維状に押出した後、架橋剤および発泡剤の分解温度以上の温度で加熱して架橋発泡させた繊維である。架橋については、架橋剤の代りに、押出した繊維を加熱発泡させる前に電子線等を照射して架橋させてもよい。また、発泡剤および架橋剤は樹脂と別々に押出し機に投入して分散させてもよく、または前もって発泡剤および架橋剤を分散させた樹脂を用いてもよい。
【0014】
熱分解型発泡剤とは、ジエチルアゾジカルボキシレート、アゾジカルボンアミド、N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等が挙げられる。発泡剤の分解温度が樹脂の軟化点よりも低いと、繊維の押出しに支障が出ることがあり、発泡剤はその分解温度が樹脂の軟化点より10℃以上高いものが好ましい。また発泡剤の量は、得ようとするクッション体の密度によって調整し、また樹脂の押出し量によって、発泡した際にモールド内に繊維が充満するように調整することが望ましい。
【0015】
ここで言う軟化点とは、フローテスタで測定した見掛け粘度が105 を示す温度である。見掛け粘度の測定は、島津製作所CFT−500によって、余熱時間180sec、昇温速度5℃/min、押出圧力45kgf/cm2 、ダイ(径φ1mm×長さ10mm)で測定した結果に基いている。
【0016】
本発明で言う架橋剤とは、公知のラジカル発生剤、例えばジクミルペルオキシド、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等が挙げられる。また公知の電子線架橋等を利用してもよい。
【0017】
本発明で言う押出し機とは、射出成形機に使われる押出し装置、吐出と対流の切替えができる機能をもたせた押出し機等の供給装置が挙げられる。また一般の押出し機でも、ノズル部への樹脂の供給と遮断を切替えることのできるものや、樹脂の供給をノズル部以外に切替えることのできるものであれば使用できる。
【0018】
樹脂を定量的に押出すことのできる上記押出し機を用いて、発泡剤もしくは架橋剤と発泡剤を分散させた樹脂を、直接モールド内に繊維状に押出し、続いてモールドを閉じてから加熱を行う。通気孔が設けられたモールド内での発泡または架橋発泡は、発泡剤および架橋剤の分解温度以上の温度で行わわる。この時に用いる加熱装置としては、モールドに直接熱風を供給できる構造であればよいが、閉鎖された空間内で熱風が循環する構造のものであればエネルギー消費量が少ないため望ましい。熱風を通過させることのできるモールドとして、パンチングメタル製モールドや多数の通気孔を設けた鋳型やアルミ型などが挙げられる。
【0019】
【作用】
本発明のクッション体は、繊維の材料である軟化状態の熱可塑性樹脂を、モールド内に直接供給して連続繊維を形成し、同時に発泡させて繊維を膨脹させるため、モールドの内面形状に沿う所定の立体形状のクッション体を能率良くしかも正確な形状に成形することができる。しかも、繊維同志が互いに接触部で圧迫されることによって強固に融着するため、形崩れしにくく、しかも一定量の繊維を正確にかつ無駄なく用いることがきる。
【0020】
なお、繊維の発泡倍率が1.3倍未満であると、モールド内で繊維を発泡させても繊維をモールド内に十分に充満させることができない場合がある。発泡倍率が5倍を越えると、発泡後の繊維の強度が著しく低下し、耐へたり性などに悪影響が出る。より好ましい発泡倍率は1.5倍〜2.1倍の範囲である。
【0021】
本発明のクッション体に使われる繊維集合体は、発泡した連続繊維を曲がりくねらせて多数のランダムループを形成し、各々のループの接触部の大部分を互いに融着させて三次元的な立体網目構造を形成している。このため、クッション体の使用時に大きい応力で大変形を与えても、立体網目構造全体が互いに協働して三次元的に変形しつつ応力を吸収し、応力が解除されると立体網目構造が元の形状に復元することができる。
【0022】
上記クッション体は、連続繊維の繊度が300デニール未満では強度が低下して反発力が低下するので好ましくない。連続繊維の好ましい繊度は、クッション体として好ましい反発力が得られる300デニール以上、望ましくは400デニール以上、100000デニール以下である。繊度が100000デニールを越えると、クッション体の単位体積当たりの連続繊維の構成本数が少くなり、圧縮特性が悪くなるので好ましくない。連続繊維の繊度は、より好ましくは、500〜50000デニールである。
【0023】
本発明における繊維集合体は、見掛け密度が0.005g/cm3 未満では反発力が失われるのでクッション体として不適当である。また0.20g/cm3 を越えると弾発性が強くなり過ぎて、座り心地が悪くなるので、やはりクッション体として不適当である。これらの理由から、繊維集合体の好ましい見掛け密度は、0.005g/cm3 以上、0.20g/cm3 以下であり、より好ましくは、0.01g/cm3 以上、0.05g/cm3 以下である。この繊維集合体を座席等のクッション体に使用する場合、着座時の嵩保持性と弾発性および通気性を保持して快適な座り心地を得るための圧縮時の見掛け密度としては、100g/cm2 の荷重下で0.03g/cm3 〜0.20g/cm3 の嵩高性を有するものが好ましく、0.05g/cm3 〜0.20g/cm3 の嵩高性を有するものが特に好ましい。
【0024】
この明細書で言う発泡倍率、融着状況、見掛け密度、通気性、蒸れ性の詳細は以下の通りである。
発泡倍率:試料の四隅と中心部から長さ2cm程度の繊維を切出し、ミラージュ貿易(株)製の電子比重計によって測定した平均値とした。
融着状況:試料の繊維を手で引っ張り、繊維の交絡点が破壊するか、もしくは外れない場合に融着していると判断した。
クッション体の見掛け密度:試料を20cm×20cm×5cmの大きさに切出し、精密天秤で重さを測定して、重さを体積で除した値とした。
通気性:JIS L−1096に準じて測定した。
蒸れ性:温度23℃、湿度30%の恒温恒湿室において、クッション体と大腿部の間に湿度センサを設置し、着座してから60分後の湿度を測定した時の値とした。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
図1,2に概念的に示したクッション体製造装置10によって、立体網目構造の繊維集合体11を製造する。この繊維集合体11は、後述の発泡剤入りの熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性弾性樹脂からなる複数の連続繊維12をランダムに曲がりくねらせかつ互いの接触部を融着させたものである。
【0026】
クッション体製造装置10の一例は、二軸押出し機15と、ノズル部16と、加熱装置17などを備えている。加熱装置17は、ヒータ18と送風機19を備えている。ノズル部16に、多数のオリフィスが設けられている。押出し機15は、材料供給口20から投入された樹脂原料をその軟化点よりも高い温度に加熱しつつ、例えばスクリューフィーダ21によって樹脂を定量押出しシリンダ22に向って押出すようにしている。上記温度に加熱された樹脂は、定量押出しシリンダ22によってノズル部16のオリフィスから下方に吐出され、線状に連続して途切れることなく自由落下するようになっている。
【0027】
上記押出し機15に、低密度ポリエチレンとエチレン−プロピレン共重合体ゴムを3対7の割合で混ぜたものを投入する。そしてスクリューフィーダ21等によって加熱混練して得られたポリオレフィンエラストマー(軟化点:132℃)とアゾジカルボンアミド系の発泡剤(分解温度:142℃)と、パーオキシケタール(1分間半減期温度148℃)を、発泡剤と架橋剤が樹脂100に対して1の割合(以下1部と称する)になるように配合し、135℃に加熱された状態で、定量押出しシリンダ22によってノズル部16からパンチングメタル製のモールド30(図1に示す)に一定量を繊維状に押出す。
【0028】
ノズル部16から吐出した樹脂は、モールド30の内部に落ちることにより、ノズル部16のオリフィス数に応じた本数の連続繊維12を形成しつつ、全ての連続繊維12がモールド30の内部で曲がりくねりながらランダムなループが発生する。そしてループ同志を互いに接触させ、ループ同志の接触部を融着させるようにした。
【0029】
続いて、図2に示されるようにモールド30に蓋31をし、加熱装置17によって150℃の熱風で3分間加熱して架橋発泡させることで、立体的な繊維集合体11を成形した。図示例の加熱装置17は熱風を循環させることのできる導風路32を有しており、熱エネルギーを有効に使用できるようにしている。
【0030】
モールド30と蓋31は、例えばアルミニウム合金等からなるいわゆる簡易アルミ型であり、パンチングメタルのように多数の通気孔35,36が形成されている。そしてヒータ18と送風機19によって発生させた熱風を、通気孔35,36を通じてモールド30の内部に吹込むことができるようになっている。そして所定時間経過後、モールド30を冷却し、脱型して所望の立体形状のクッション体40を得た。
【0031】
上述のような繊維集合体11からなるクッション体40は、連続繊維12をノズル部16から押出す際にランダムループ状に曲がりくねらせて繊維12を連続成形するため、従来の合成樹脂綿を用いたクッション体の場合に必要であった開綿工程が不要となり、しかも繊維集合体11がその長手方向に連続なる繊維12からなるため、ほつれたり形状の崩れを生じることがない。そして連続繊維12同志が軟化状態で互いに融着するから、バインダが不要であり、しかも熱可塑性樹脂からなるため、再溶融によるリサイクル使用が可能である。また、本実施例のクッション体40の製造方法によれば、従来の合成樹脂綿を用いたクッション体に比較して、トータルとしての加工熱量が少なくてすみ、バリ取り工程も不要であるなど省エネルギー化と製造工程の簡略化が図れ、コストを低減させることが可能である。
(実施例2)
市販のポリエステルエラストマー(軟化点:180℃)とアゾジカルボンアミド系の発泡剤(分解温度:198℃)1部を、185℃に加熱された実施例1と同様の押出し機15からパンチングメタル製のモールド30に一定量を繊維状に押出した。続いて、モールド30に蓋31をしてから、実施例1と同様の加熱装置17によって205℃の熱風で3分間加熱して発泡させた。
(実施例3)
市販のポリアミドエラストマー(軟化点:165℃)とアゾジカルボンアミド系の発泡剤(分解温度:185℃)1部を、170℃に加熱された実施例1と同様の押出し機15からパンチングメタル製のモールド30に一定量を繊維状に押出した。続いて、モールド30に蓋31をしてから、実施例1と同様の加熱装置17によって190℃の熱風で3分間加熱して発泡させた。
(実施例4)
市販のウレタン系エラストマー(軟化点:180℃)とアゾジカルボンアミド系の発泡剤(分解温度:198℃)1部を、185℃に加熱された実施例1と同様の押出し機15からパンチングメタル製のモールド30に一定量を繊維状に押出した。続いて、モールド30に蓋31をしてから、実施例1と同様の加熱装置17によって205℃の熱風で3分間加熱して発泡させた。
(比較例1)
実施例1と同様のポリオレフィンエラストマーにアゾジカルボンアミド系の発泡剤(分解温度:137℃)1部と、ジアシルパーオキサイド(1分間半減期温度117℃)1部を、135℃に加熱された押出し機15から、パンチングメタル製のモールド30に押出すことを試みた。しかしながらこの条件では、押出し機15の内部で樹脂の架橋と発泡が進行してしまい、繊維の押出しに支障が生じた。
(比較例2)
実施例1と同様のポリオレフィンエラストマーに、アゾジカルボンアミド系の発泡剤(分解温度:142℃)3部と、パーオキシケタール(1分間半減期温度148℃)1部を、135℃に加熱された押出し機15から、パンチングメタル製のモールド30に一定量を繊維状に押出した。続いてモールド30に蓋31をしてから、加熱装置17によって150℃の熱風で3分間加熱して架橋発泡させた。
上記実施例1〜3と比較例1,2の主な特性を次表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
本発明の繊維系クッション体の製造方法によれば、繊維の材料である熱可塑性弾性樹脂をモールド内に直接供給して発泡させるため、モールドの内面形状に応じた立体的なクッション体を能率良くかつ正確な形状に成形することができる。しかも、モールド内で熱可塑性弾性樹脂のエラストマーからなる繊維同志が互いに接触部で圧迫され、強固に融着するため、形崩れしにくく、しかも一定量の材料を直接モールド内に供給して繊維集合体を作るため材料を無駄なく使用でき、重量的に安定したクッション体が得られる。
【0034】
そして通気性が充分な繊維集合体を用いているために蒸れにくいなど、座り心地が良いものである。また、バインダを使用しない熱可塑性樹脂を主体とするクッション体であるから、リサイクル使用が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すクッション体製造装置の押出し機の概略断面図。
【図2】本発明の一実施例を示すクッション体製造装置の加熱装置の概略断面図。
【図3】クッション体の断面図。
【符号の説明】
10…クッション体製造装置
11…繊維集合体
12…連続繊維
17…加熱装置
30…モールド
40…クッション体
Claims (4)
- 発泡剤または架橋剤と発泡剤を含ませた熱可塑性弾性樹脂を上記樹脂の軟化点よりも高くかつ上記発泡剤の分解温度よりも低い温度に加熱した状態で押出し機のノズル部からモールド内に繊維状に一定量連続的に押出すとともに押出された連続繊維をモールドの内部で曲がりくねらせかつ繊維同志の接触部を互いに融着させる工程と、閉鎖された上記モールドの内部で上記連続繊維を上記発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させることによりこれら連続繊維をモールド内で膨脹させてモールドの内部に充満させるとともにモールドの内面形状に応じた立体形状に成形する工程と、上記モールドを冷却したのち脱型する工程とを具備したことを特徴とする繊維系クッション体の製造方法。
- 上記モールドの内部で上記連続繊維を加熱する工程は、多数の通気孔を有するモールドの内部に熱風を通過させることによって行うことを特徴とする請求項1記載のクッション体の製造方法。
- 上記連続繊維の発泡倍率が1.3〜5倍であることを特徴とする請求項1記載のクッション体の製造方法。
- 上記連続繊維の発泡倍率が1.5〜2.1倍であることを特徴とする請求項1記載のクッション体の製造方法。
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