JP3686683B2 - (1,2− ナフトキノン−2− ジアジド) スルフォン酸エステル、それを用いて調製した放射線感応性混合物および放射線感応性記録材料 - Google Patents
(1,2− ナフトキノン−2− ジアジド) スルフォン酸エステル、それを用いて調製した放射線感応性混合物および放射線感応性記録材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3686683B2 JP3686683B2 JP08788393A JP8788393A JP3686683B2 JP 3686683 B2 JP3686683 B2 JP 3686683B2 JP 08788393 A JP08788393 A JP 08788393A JP 8788393 A JP8788393 A JP 8788393A JP 3686683 B2 JP3686683 B2 JP 3686683B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- radiation
- weight
- naphthoquinone
- sensitive
- mixture
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C309/00—Sulfonic acids; Halides, esters, or anhydrides thereof
- C07C309/63—Esters of sulfonic acids
- C07C309/71—Esters of sulfonic acids having sulfur atoms of esterified sulfo groups bound to carbon atoms of rings other than six-membered aromatic rings
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/004—Photosensitive materials
- G03F7/022—Quinonediazides
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、置換トリヒドロキシベンゾフェノンの新規な(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド) スルフォン酸エステル、およびそれを用いて調製した、水不溶性であるが、水性アルカリ溶液には可溶か、すくなくとも膨潤可能である、ポリマー状バインダーと、少なくとも一つの放射線感応性化合物と、を含んでなる放射線感応性混合物に関する。本発明は、基質と放射線感応性層からなる放射線感応性材料にも関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品製造の中で重要なステップは、像様照射、ならびにそれに引き続く、パターンをつける材料に塗布された放射線感応性層の現像、である。そのような層は、ポジ型でもネガ型でもよい。
【0003】
ポジ型層において、光活性成分は、(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド) 単位を含むものが一般に使われる。そのような成分のうちの多くは、芳香族ポリヒドロキシ化合物と(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド) スルフォン酸の第一級エステルである。そのようなエステルの大多数が、Jaromir Kosar 著"Light-Sensitive
Systems" John Wiley + Sons、米国ニューヨーク、1965年、の 343 〜351 頁に開示されている。
【0004】
電子部品製造に当たって小型化が進行して、より一層小さなパターンの登場が求められている。これには、より高い解像力をもつ放射線感応性フォトレジストが必要となる。解像度は、放射線感応性層中のジアゾキノンの含有量を増加させることで改良されることが知られている(H.Munzel, J.Lux, R.Schulz 著"A- and B-Paramete dependent Submicron Stepper Performance of Positive Type Photoresist" マイクロエレクトロニック・エンジニアリング6巻(1987)、 421〜 426頁)。P.Trefonas III and B.K.Daniels("New Principle for Image Enhancement in Single Layer Positive Photoresist"プロシーディング・オブ・SPIE、771 (1987)、 194〜 210頁)は、複数のジアゾナフトキノン単位を含んでなる化合物により、より硬い階調と、その結果より優れた解像度とが達成できることを指摘している。
【0005】
複数のジアゾナフトキノン単位を含んでなり、たびたび特許明細書に開示されて、頻繁に使用される化合物は、(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-または-5- スルフォン酸とポリヒドロキシベンゾフェノンとのエステルである。ポリヒドロキシベンゾフェノンの中では、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンが好ましい。
【0006】
しかしながら、これらのエステルの欠点は、一般に使用される溶媒に対する溶解度が比較的低いということであり、その結果、放射線感応性混合物中におけるそれらの濃度を所望の範囲まで増加させることができない。従って、さらなる解像力は、この方法では増加させることができない。さらに、これらのエステルを使用して調製したレジスト混合物は、適当な保存寿命を持っていない。
【0007】
これらの欠点はすでに知られており、特開平 01-017049号明細書に開示されている。レジストの保存寿命は、(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-5-スルフォン酸と2,3,4-トリヒドロキシ-2´-メチルベンゾフェノンのエステルを使用することで改良された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、フォトレジストに使用される溶媒に対して改良された溶解度を有し、化学的に均一な形態で容易に調製ができて、放射線感応性混合物のリソグラフ性能に不利な影響を与えない、(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド) スルフォン酸と2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンのエステル、を提案することである。さらに、新規のナフトキノンジアジドの使用は、レジストの保存寿命を著しく改良することをも意図するものである。意図されているところによれば、この新規のナフトキノンジアジドは、レジストの吸収性能に影響しないか、あるいは、ほんのわずか影響するだけである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的は、(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸で、または(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸と(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸との組み合わせで、完全にエステル化された2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチル- 、- エチル- 、- プロピル- または- イソプロピル- ベンゾフェノンにより達成される。
【0010】
特開平01-017049 号明細書に、(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-5- スルフォン酸により完全にエステル化された3´- メチル-2,3,4- トリヒドロキシベンゾフェノンが保存寿命が適当でないレジスト処方を与えたと述べられているにもかかわらず、前記エステルにより目的が達成されたことは驚くべきことである。
【0011】
本発明による化合物は、3´- メチル-2,3,4- トリヒドロキシベンゾフェノンのエステルが好ましい。
【0012】
本発明の化合物は、当業者に既知の方法で調製することができる。通常は、3´- アルキル置換-2,3,4- トリヒドロキシベンゾフェノンを(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸または(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド) スルフォン酸の反応性誘導体と、好ましくはスルフォニルクロライドとともに、反応させる。ケトンまたは塩素化炭化水素のような不活性な溶媒中で、炭酸ナトリウムや第3級アミン、例えばトリエチルアミン、のような有機または無機の塩基の存在下に、反応を行うことが好ましい。しかしながら、本発明による( ナフトキノンジアジド) スルフォン酸エステルは、相転移触媒条件、例えばメチレンクロライドと炭酸ナトリウムまたはテトラアルキルアンモニウム水酸化物の水性溶液からなる二相系において適当な触媒、例えばテトラブチルアンモニウムブロマイド、を用いた条件、の下でも調製することができる。
【0013】
さらに本発明は、水不溶性であるが水性アルカリ溶液には可溶か、すくなくとも膨潤可能である、ポリマー状バインダーと、少なくとも一つの放射線感応性化合物と、を含んでなる放射線感応性混合物にも関する。ここで放射線感応性化合物は前記の種類のエステルである。
【0014】
本発明による化合物の比率は、すべての場合において本発明の混合物の総重量を基準にして 5〜40重量% 、好ましくは10〜35重量% 、特に15〜30重量% 、である。
【0015】
本発明による(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸エステルに加え、混合物にさらにほかの放射線感応性成分を含ませてもよい。この場合、放射線感応性混合物中の本発明によるエステルの比率は、広い範囲で変化させることができる。ある場合には、混合物中の本発明のエステルが少ない量であっても、ほかの放射線感応性成分と一緒に、放射線感応性混合物全体に予期せぬ高い溶解度と保存寿命を与えるのに十分であることもある。一般に、本発明によるエステルの比率は、すべての場合において全放射線感応性成分の重量を基準にして、 5〜99重量% 、好ましくは20〜80重量% 、特に30〜70重量% 、である。
【0016】
さらなる放射線感応性成分として適当なものは、特に、完全にまたは部分的に( ナフトキノンジアジド) スルフォン酸でエステル化された、トリ- またはテトラ- ヒドロキシベンゾフェノン、である。
【0017】
本発明による放射線感応性混合物は、本発明による混合物に使用する溶媒に溶解し、加えて水性アルカリに可溶または少なくとも膨潤可能な、ポリマー状の水溶性樹脂バインダーをさらに含んでなる。
【0018】
多くのポジ型複写材料におけるバインダーとして有利であることがわかっているノボラック縮合樹脂は、本発明による混合物中でも特に有用で有利であることがわかった。後者の調製のための出発成分として、一般にフェノール、クレゾールおよびキシレン、ならびにアルキルフェノールを使用することができる。アルデヒドまたはケトンは第二の成分である。混合物中のノボラック樹脂の種類と比率は適用する目的に応じて変えてもよい。一般に、ノボラックの比率は、すべての場合において混合物の固体総重量を基準にして、60〜95重量% の間、好ましくは65〜90重量% の間、特に好ましくは70〜85重量% の間、である。
【0019】
側鎖にヒドロキシフェニル基を含むポリマー成分は、同様にバインダーとして適当である。これらは、特に、ビニルフェノール、ならびにアクリル酸およびメタクリル酸のポリヒドロキシまたはアミノヒドロキシ芳香族、例えばハイドロキノン、ピロカテコール、レゾルシン、ピロガロールおよびヒドロキシアニリン、のエステルおよびアミドからなるモノマー単位を含んでなる。ホモポリマーに加え、コポリマーも適当である。コポリマーはさらなるモノマー単位、例えばスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、ビフェニロールメタクリレートまたはビフェニロールアクリレート、のモノマー単位、を含んでもよい。これらポリマーのノボラックとの混合物を使用してもよい。混合物中のバインダーの種類と比率は適用する目的に応じて変えることができるが、それに相当する比率はノボラックに対しては特定される。
【0020】
さらに、その上ほかの成分、例えば色素、可塑剤、湿潤剤、接着促進剤その他、を本発明により放射線感応性混合物に添加して、特定の要件を満たしてもよい。
【0021】
基質物質を被覆するために、例えば本発明による複写材料を製造するために、一般に混合物は溶媒に溶解される。溶媒の選択は、設計された塗布工程、層の厚さおよび乾燥条件、に適合すべきである。適当な溶媒は、特に(イ)ケトン、例えばブタノンおよびN-メチルピロリドン、(ロ)グリコールモノエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびモノエチルエーテル、(ハ)グリコールエーテルアセテート、例えばエチレングリコールエチルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、および(ニ)エステル、例えばブチルアセテート、である。溶媒混合物も使用することができる。混合物は、さらに芳香族、例えばキシレン、も含んでよい。原則的に、適当な溶解力と層成分と不可逆な反応をしないすべての溶媒(溶媒混合物)を使うことができる。
【0022】
本発明による混合物は放射線感応性成分として複写材料、特にマイクロチップ製造用のフォトレジスト、に使用できる。好ましい層支持体はシリコンウェファーであり、それは表面が酸化されていてもよい。同様に適当なのは、窒化シリコン、ポリシリコン、シリコンオキサイド、ポリイミドまたは金属、例えばアルミニウム、適当な物質でドーピングされたシリコン、の基板、およびガリウム/ヒ素合金からなるウェファー、である。
【0023】
さらに本発明による混合物は、プリント回路基板の製造に使用することができる。最後に、放射線感応性印刷版にも使用できる。この場合、適当な層支持体は、特に、適当な前処理をされたアルミニウム板である。
【0024】
従って、本発明のひとつの態様は、層支持体と放射線感応性層からなり、当該層が本発明による前記混合物からなる、記録材でもある。
【0025】
精密電子工業で使用される層支持体は、回転法(spinning-on) により被覆されるのが有利である。しかしながら、他の塗布技術、例えばスプレー法、ロール法、浸漬法、ならびにフラットフィルムダイス、ドクターブレードまたはキャスト塗布法による塗布、も使用してもよい。
【0026】
現像処理の間、照射により影響された放射線感応性領域は除去されて、原版のポジ像があとに残る。現像は水性アルカリ溶液中で行う。後者は、金属イオンが入っていなくてもよいし、ナトリウムおよび(または)カリウムのような金属イオンを含んでいてもよい。現像溶液を、例えばシリケート、ボーレートまたはフォスフェートの溶液、あるいは適当な塩溶液混合物、により緩衝液処理してもよい。少量の界面活性剤を含むことも有効である。
【0027】
放射線感応性混合物として適当な成分を選べば、ネガ像を生成されることもできる。すなわち、例えば、原版を通して照射した層を、もし必要であればアミンを気化させると共に、加熱して、次に全表面を照射して、その後現像だけを行う。
【0028】
本発明の放射線感応性混合物は、集積回路または個別部品の製造に好ましく使用される。そのような場合、それらは種々の処理ステップ、例えば層基質のエッチング、層基質中へのイオン挿入または層基質上への物質の沈積、のマスキング材として作用する。
【0029】
リソグラフの重要な評価基準は、とりわけレジストの解像度、すなわち、レジストとともに生成され得る最小のパターンであり、現像耐性、すなわち、照射エネルギーの変化に伴うパターンの寸法変化であり、そして照射線感度、すなわち、リソグラフ処理による寸法的に正確な原版パターン複写に必要な照射エネルギー、である。レジストの複写処理のために、一方でリソグラフの特性値がレジストの貯蔵の間に変わらないこと、他方でレジスト層の均一性を損なう粒子(結晶またはゲル粒子)が貯蔵の間に析出しないこと、が大切である。そのような粒子は、レジスト層の欠陥を招き、そして、リソグラフ処理の収率低下につながる。さらに、そのような粒子はレジストを塗布機に送るポンプのフィルターに目詰まりをたびたび生じさせ、より多くのフィルター交換が必要になる。
【0030】
本発明によるエステルは、非置換2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンの( ナフトキノンジアジド)-4-スルフォン酸エステルを含む混合物と少なくとも同等に良好のリソグラフ性能を有しながら、十分に改良された保存寿命をもつ混合物を生じる。
【0031】
本発明による混合物の諸例を以下に述べるが、本発明の発想をそれらの例に限定する訳ではない。
【実施例】
【0032】
例1
a)2,3,4-トリヒドロキシ-3´-ベンゾフェノン
13.6g の3-メチル安息香酸を14.4mlの三フッ化ホウ素エーテラートに加えたものに 12.6gのピロガロールを徐々に添加する。反応混合物を80℃で 2.5時間加熱し、放冷し、冷却中に50mlの水を添加して、次にメチレンクロライドで抽出する。有機層を中和して、乾燥する。次に、溶媒を除去する。水から再結晶できる 13.1gの2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンが後に残る。これは融点が 108.5〜 110℃の淡黄色結晶の形状で得られる。
【0033】
【0034】
b)(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸により完全にエステル化された2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノン
12.09gの(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドおよび 3.66gの2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンを 100mlのアセトニトリルに加えたものに、 4.55gのN-メチルモルフォリンをゆっくりと滴下する。室温で 1.5時間後、反応混合物を 800mlの0.1N塩酸に注ぎ、沈澱生成物(8.8g)を吸引瀘過により瀘別する。融点が約 170℃(分解を伴う)の黄色固体を得る(化合物1)。
【0035】
【0036】
例2(化合物2)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンを3倍モル量の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドと反応させて、相当する完全にエステル化された生成物を形成させる。
【0037】
例3(化合物3)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンを3倍モル量の、0.9 重量部の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4- スルフォニルクロライドと 0.1重量部の(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドの混合物(重量部はいずれもナフトキノンジアジドの総重量に対して)、と反応させて、相当するエステルを形成させる。
【0038】
例4(化合物4)
1bに記載されているのと同様に、 0.5重量部の2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンと 0.5重量部の2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン(重量部はいずれもトリヒドロキシベンゾフェノンの総重量に対して)を3倍モル量の、 0.9重量部の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドと 0.1重量部の(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドの混合物(重量部はいずれもナフトキノンジアジドの総重量に対して)、と反応させて、相当する完全にエステル化された生成物を形成させる。
【0039】
比較例1(化合物5)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンを3倍モル量の(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドと反応させて、相当するトリスエステルを形成させる。
【0040】
比較例2(化合物6)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンを3倍モル量の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドと反応させて、相当するトリスエステルを形成させる。
【0041】
比較例3(化合物7)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンを3倍モル量の、 0.9重量部の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドと 0.1重量部の(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドの混合物(重量部はいずれもナフトキノンジアジドの総重量に対して)、と反応させて、相当するトリスエステルを形成させる。
【0042】
比較例4(化合物8)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンを3倍モル量の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-5-スルフォニルクロライドと反応させて、相当するトリエステルを形成させる。
【0043】
応用例1(溶解度)
化合物1と化合物5の溶解度を比較するために、両方の化合物を結晶の状態と、次にそれから調製した飽和プロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液で、用意した。溶液中の含有量をUV分光吸収でλmax を測定し, 既知濃度の溶液から得られたキャリブレーション直線に比較することで、決定する。化合物1の溶解度は 1.7重量% 、そして化合物5の溶解度は 0.4重量% であり、これは溶解度の増加が4倍であることを意味する。
【0044】
応用例2(溶解度)
化合物2、3、4、6、7および8の溶解度を調べるため、ナフトキノンジアジドの25重量% ノボラック含有プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA) 飽和溶液を調製する。この方法で得られる溶液は、フォトレジストにおける実際の条件を非常によく示すものである。飽和溶液の濃度は、UV分光吸収でλmax を測定し, 既知濃度の溶液から得られたキャリブレーション直線に比較することで、測定する。結果は、表1に示してある。
【0045】
【0046】
応用例3(保存寿命とリソグラフ性能)
保存寿命とリソグラフ性能を測定するために、下記の処方によるフォトレジストを本発明による化合物と比較化合物から調製する。
ナフトキノンジアジド 5.6重量部
m-およびp-クレゾールならびにキシレンからなる平均分子量
MW が4200(ポリスチレン基準品を比較として)のノボラック 18.7重量部
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 36.5重量部
【0047】
保存寿命を示すものとして、レジストを室温で貯蔵して、ナフトキノンがレジスト溶液から析出し始めるまでに経過する時間を利用する。得られた結果を表2に示す。
【0048】
相対値による放射線感度(マスクパターンがレジストに転写されるのに必要な照射エネルギーで定義される)、暗食刻(レジストが現像中に未照射の領域で食刻されること)、および階調(レジストの溶解力を示すものとして)を、リソグラフ性能として表2に特記する。
【0049】
表2には、層の厚さを規格化したレジストの、λmax におけるUV吸収値も示してある。
【0050】
【0051】
表2には、本発明によるナフトキノンジアジドのUV吸収、放射線感度、暗食刻および階調は比較化合物から判別が出来ないのに対して、本発明によるナフトキノンジアジドの貯蔵寿命がかなり改良されていることが、はっきりと示されている。
【産業上の利用分野】
本発明は、置換トリヒドロキシベンゾフェノンの新規な(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド) スルフォン酸エステル、およびそれを用いて調製した、水不溶性であるが、水性アルカリ溶液には可溶か、すくなくとも膨潤可能である、ポリマー状バインダーと、少なくとも一つの放射線感応性化合物と、を含んでなる放射線感応性混合物に関する。本発明は、基質と放射線感応性層からなる放射線感応性材料にも関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品製造の中で重要なステップは、像様照射、ならびにそれに引き続く、パターンをつける材料に塗布された放射線感応性層の現像、である。そのような層は、ポジ型でもネガ型でもよい。
【0003】
ポジ型層において、光活性成分は、(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド) 単位を含むものが一般に使われる。そのような成分のうちの多くは、芳香族ポリヒドロキシ化合物と(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド) スルフォン酸の第一級エステルである。そのようなエステルの大多数が、Jaromir Kosar 著"Light-Sensitive
Systems" John Wiley + Sons、米国ニューヨーク、1965年、の 343 〜351 頁に開示されている。
【0004】
電子部品製造に当たって小型化が進行して、より一層小さなパターンの登場が求められている。これには、より高い解像力をもつ放射線感応性フォトレジストが必要となる。解像度は、放射線感応性層中のジアゾキノンの含有量を増加させることで改良されることが知られている(H.Munzel, J.Lux, R.Schulz 著"A- and B-Paramete dependent Submicron Stepper Performance of Positive Type Photoresist" マイクロエレクトロニック・エンジニアリング6巻(1987)、 421〜 426頁)。P.Trefonas III and B.K.Daniels("New Principle for Image Enhancement in Single Layer Positive Photoresist"プロシーディング・オブ・SPIE、771 (1987)、 194〜 210頁)は、複数のジアゾナフトキノン単位を含んでなる化合物により、より硬い階調と、その結果より優れた解像度とが達成できることを指摘している。
【0005】
複数のジアゾナフトキノン単位を含んでなり、たびたび特許明細書に開示されて、頻繁に使用される化合物は、(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-または-5- スルフォン酸とポリヒドロキシベンゾフェノンとのエステルである。ポリヒドロキシベンゾフェノンの中では、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンが好ましい。
【0006】
しかしながら、これらのエステルの欠点は、一般に使用される溶媒に対する溶解度が比較的低いということであり、その結果、放射線感応性混合物中におけるそれらの濃度を所望の範囲まで増加させることができない。従って、さらなる解像力は、この方法では増加させることができない。さらに、これらのエステルを使用して調製したレジスト混合物は、適当な保存寿命を持っていない。
【0007】
これらの欠点はすでに知られており、特開平 01-017049号明細書に開示されている。レジストの保存寿命は、(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-5-スルフォン酸と2,3,4-トリヒドロキシ-2´-メチルベンゾフェノンのエステルを使用することで改良された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、フォトレジストに使用される溶媒に対して改良された溶解度を有し、化学的に均一な形態で容易に調製ができて、放射線感応性混合物のリソグラフ性能に不利な影響を与えない、(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド) スルフォン酸と2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンのエステル、を提案することである。さらに、新規のナフトキノンジアジドの使用は、レジストの保存寿命を著しく改良することをも意図するものである。意図されているところによれば、この新規のナフトキノンジアジドは、レジストの吸収性能に影響しないか、あるいは、ほんのわずか影響するだけである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的は、(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸で、または(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸と(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸との組み合わせで、完全にエステル化された2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチル- 、- エチル- 、- プロピル- または- イソプロピル- ベンゾフェノンにより達成される。
【0010】
特開平01-017049 号明細書に、(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-5- スルフォン酸により完全にエステル化された3´- メチル-2,3,4- トリヒドロキシベンゾフェノンが保存寿命が適当でないレジスト処方を与えたと述べられているにもかかわらず、前記エステルにより目的が達成されたことは驚くべきことである。
【0011】
本発明による化合物は、3´- メチル-2,3,4- トリヒドロキシベンゾフェノンのエステルが好ましい。
【0012】
本発明の化合物は、当業者に既知の方法で調製することができる。通常は、3´- アルキル置換-2,3,4- トリヒドロキシベンゾフェノンを(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸または(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド) スルフォン酸の反応性誘導体と、好ましくはスルフォニルクロライドとともに、反応させる。ケトンまたは塩素化炭化水素のような不活性な溶媒中で、炭酸ナトリウムや第3級アミン、例えばトリエチルアミン、のような有機または無機の塩基の存在下に、反応を行うことが好ましい。しかしながら、本発明による( ナフトキノンジアジド) スルフォン酸エステルは、相転移触媒条件、例えばメチレンクロライドと炭酸ナトリウムまたはテトラアルキルアンモニウム水酸化物の水性溶液からなる二相系において適当な触媒、例えばテトラブチルアンモニウムブロマイド、を用いた条件、の下でも調製することができる。
【0013】
さらに本発明は、水不溶性であるが水性アルカリ溶液には可溶か、すくなくとも膨潤可能である、ポリマー状バインダーと、少なくとも一つの放射線感応性化合物と、を含んでなる放射線感応性混合物にも関する。ここで放射線感応性化合物は前記の種類のエステルである。
【0014】
本発明による化合物の比率は、すべての場合において本発明の混合物の総重量を基準にして 5〜40重量% 、好ましくは10〜35重量% 、特に15〜30重量% 、である。
【0015】
本発明による(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸エステルに加え、混合物にさらにほかの放射線感応性成分を含ませてもよい。この場合、放射線感応性混合物中の本発明によるエステルの比率は、広い範囲で変化させることができる。ある場合には、混合物中の本発明のエステルが少ない量であっても、ほかの放射線感応性成分と一緒に、放射線感応性混合物全体に予期せぬ高い溶解度と保存寿命を与えるのに十分であることもある。一般に、本発明によるエステルの比率は、すべての場合において全放射線感応性成分の重量を基準にして、 5〜99重量% 、好ましくは20〜80重量% 、特に30〜70重量% 、である。
【0016】
さらなる放射線感応性成分として適当なものは、特に、完全にまたは部分的に( ナフトキノンジアジド) スルフォン酸でエステル化された、トリ- またはテトラ- ヒドロキシベンゾフェノン、である。
【0017】
本発明による放射線感応性混合物は、本発明による混合物に使用する溶媒に溶解し、加えて水性アルカリに可溶または少なくとも膨潤可能な、ポリマー状の水溶性樹脂バインダーをさらに含んでなる。
【0018】
多くのポジ型複写材料におけるバインダーとして有利であることがわかっているノボラック縮合樹脂は、本発明による混合物中でも特に有用で有利であることがわかった。後者の調製のための出発成分として、一般にフェノール、クレゾールおよびキシレン、ならびにアルキルフェノールを使用することができる。アルデヒドまたはケトンは第二の成分である。混合物中のノボラック樹脂の種類と比率は適用する目的に応じて変えてもよい。一般に、ノボラックの比率は、すべての場合において混合物の固体総重量を基準にして、60〜95重量% の間、好ましくは65〜90重量% の間、特に好ましくは70〜85重量% の間、である。
【0019】
側鎖にヒドロキシフェニル基を含むポリマー成分は、同様にバインダーとして適当である。これらは、特に、ビニルフェノール、ならびにアクリル酸およびメタクリル酸のポリヒドロキシまたはアミノヒドロキシ芳香族、例えばハイドロキノン、ピロカテコール、レゾルシン、ピロガロールおよびヒドロキシアニリン、のエステルおよびアミドからなるモノマー単位を含んでなる。ホモポリマーに加え、コポリマーも適当である。コポリマーはさらなるモノマー単位、例えばスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、ビフェニロールメタクリレートまたはビフェニロールアクリレート、のモノマー単位、を含んでもよい。これらポリマーのノボラックとの混合物を使用してもよい。混合物中のバインダーの種類と比率は適用する目的に応じて変えることができるが、それに相当する比率はノボラックに対しては特定される。
【0020】
さらに、その上ほかの成分、例えば色素、可塑剤、湿潤剤、接着促進剤その他、を本発明により放射線感応性混合物に添加して、特定の要件を満たしてもよい。
【0021】
基質物質を被覆するために、例えば本発明による複写材料を製造するために、一般に混合物は溶媒に溶解される。溶媒の選択は、設計された塗布工程、層の厚さおよび乾燥条件、に適合すべきである。適当な溶媒は、特に(イ)ケトン、例えばブタノンおよびN-メチルピロリドン、(ロ)グリコールモノエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびモノエチルエーテル、(ハ)グリコールエーテルアセテート、例えばエチレングリコールエチルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、および(ニ)エステル、例えばブチルアセテート、である。溶媒混合物も使用することができる。混合物は、さらに芳香族、例えばキシレン、も含んでよい。原則的に、適当な溶解力と層成分と不可逆な反応をしないすべての溶媒(溶媒混合物)を使うことができる。
【0022】
本発明による混合物は放射線感応性成分として複写材料、特にマイクロチップ製造用のフォトレジスト、に使用できる。好ましい層支持体はシリコンウェファーであり、それは表面が酸化されていてもよい。同様に適当なのは、窒化シリコン、ポリシリコン、シリコンオキサイド、ポリイミドまたは金属、例えばアルミニウム、適当な物質でドーピングされたシリコン、の基板、およびガリウム/ヒ素合金からなるウェファー、である。
【0023】
さらに本発明による混合物は、プリント回路基板の製造に使用することができる。最後に、放射線感応性印刷版にも使用できる。この場合、適当な層支持体は、特に、適当な前処理をされたアルミニウム板である。
【0024】
従って、本発明のひとつの態様は、層支持体と放射線感応性層からなり、当該層が本発明による前記混合物からなる、記録材でもある。
【0025】
精密電子工業で使用される層支持体は、回転法(spinning-on) により被覆されるのが有利である。しかしながら、他の塗布技術、例えばスプレー法、ロール法、浸漬法、ならびにフラットフィルムダイス、ドクターブレードまたはキャスト塗布法による塗布、も使用してもよい。
【0026】
現像処理の間、照射により影響された放射線感応性領域は除去されて、原版のポジ像があとに残る。現像は水性アルカリ溶液中で行う。後者は、金属イオンが入っていなくてもよいし、ナトリウムおよび(または)カリウムのような金属イオンを含んでいてもよい。現像溶液を、例えばシリケート、ボーレートまたはフォスフェートの溶液、あるいは適当な塩溶液混合物、により緩衝液処理してもよい。少量の界面活性剤を含むことも有効である。
【0027】
放射線感応性混合物として適当な成分を選べば、ネガ像を生成されることもできる。すなわち、例えば、原版を通して照射した層を、もし必要であればアミンを気化させると共に、加熱して、次に全表面を照射して、その後現像だけを行う。
【0028】
本発明の放射線感応性混合物は、集積回路または個別部品の製造に好ましく使用される。そのような場合、それらは種々の処理ステップ、例えば層基質のエッチング、層基質中へのイオン挿入または層基質上への物質の沈積、のマスキング材として作用する。
【0029】
リソグラフの重要な評価基準は、とりわけレジストの解像度、すなわち、レジストとともに生成され得る最小のパターンであり、現像耐性、すなわち、照射エネルギーの変化に伴うパターンの寸法変化であり、そして照射線感度、すなわち、リソグラフ処理による寸法的に正確な原版パターン複写に必要な照射エネルギー、である。レジストの複写処理のために、一方でリソグラフの特性値がレジストの貯蔵の間に変わらないこと、他方でレジスト層の均一性を損なう粒子(結晶またはゲル粒子)が貯蔵の間に析出しないこと、が大切である。そのような粒子は、レジスト層の欠陥を招き、そして、リソグラフ処理の収率低下につながる。さらに、そのような粒子はレジストを塗布機に送るポンプのフィルターに目詰まりをたびたび生じさせ、より多くのフィルター交換が必要になる。
【0030】
本発明によるエステルは、非置換2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンの( ナフトキノンジアジド)-4-スルフォン酸エステルを含む混合物と少なくとも同等に良好のリソグラフ性能を有しながら、十分に改良された保存寿命をもつ混合物を生じる。
【0031】
本発明による混合物の諸例を以下に述べるが、本発明の発想をそれらの例に限定する訳ではない。
【実施例】
【0032】
例1
a)2,3,4-トリヒドロキシ-3´-ベンゾフェノン
13.6g の3-メチル安息香酸を14.4mlの三フッ化ホウ素エーテラートに加えたものに 12.6gのピロガロールを徐々に添加する。反応混合物を80℃で 2.5時間加熱し、放冷し、冷却中に50mlの水を添加して、次にメチレンクロライドで抽出する。有機層を中和して、乾燥する。次に、溶媒を除去する。水から再結晶できる 13.1gの2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンが後に残る。これは融点が 108.5〜 110℃の淡黄色結晶の形状で得られる。
【0033】
【0034】
b)(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸により完全にエステル化された2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノン
12.09gの(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドおよび 3.66gの2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンを 100mlのアセトニトリルに加えたものに、 4.55gのN-メチルモルフォリンをゆっくりと滴下する。室温で 1.5時間後、反応混合物を 800mlの0.1N塩酸に注ぎ、沈澱生成物(8.8g)を吸引瀘過により瀘別する。融点が約 170℃(分解を伴う)の黄色固体を得る(化合物1)。
【0035】
【0036】
例2(化合物2)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンを3倍モル量の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドと反応させて、相当する完全にエステル化された生成物を形成させる。
【0037】
例3(化合物3)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンを3倍モル量の、0.9 重量部の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4- スルフォニルクロライドと 0.1重量部の(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドの混合物(重量部はいずれもナフトキノンジアジドの総重量に対して)、と反応させて、相当するエステルを形成させる。
【0038】
例4(化合物4)
1bに記載されているのと同様に、 0.5重量部の2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンと 0.5重量部の2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン(重量部はいずれもトリヒドロキシベンゾフェノンの総重量に対して)を3倍モル量の、 0.9重量部の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドと 0.1重量部の(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドの混合物(重量部はいずれもナフトキノンジアジドの総重量に対して)、と反応させて、相当する完全にエステル化された生成物を形成させる。
【0039】
比較例1(化合物5)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンを3倍モル量の(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドと反応させて、相当するトリスエステルを形成させる。
【0040】
比較例2(化合物6)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンを3倍モル量の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドと反応させて、相当するトリスエステルを形成させる。
【0041】
比較例3(化合物7)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンを3倍モル量の、 0.9重量部の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドと 0.1重量部の(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォニルクロライドの混合物(重量部はいずれもナフトキノンジアジドの総重量に対して)、と反応させて、相当するトリスエステルを形成させる。
【0042】
比較例4(化合物8)
1bに記載されているのと同様に、2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノンを3倍モル量の(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-5-スルフォニルクロライドと反応させて、相当するトリエステルを形成させる。
【0043】
応用例1(溶解度)
化合物1と化合物5の溶解度を比較するために、両方の化合物を結晶の状態と、次にそれから調製した飽和プロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液で、用意した。溶液中の含有量をUV分光吸収でλmax を測定し, 既知濃度の溶液から得られたキャリブレーション直線に比較することで、決定する。化合物1の溶解度は 1.7重量% 、そして化合物5の溶解度は 0.4重量% であり、これは溶解度の増加が4倍であることを意味する。
【0044】
応用例2(溶解度)
化合物2、3、4、6、7および8の溶解度を調べるため、ナフトキノンジアジドの25重量% ノボラック含有プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA) 飽和溶液を調製する。この方法で得られる溶液は、フォトレジストにおける実際の条件を非常によく示すものである。飽和溶液の濃度は、UV分光吸収でλmax を測定し, 既知濃度の溶液から得られたキャリブレーション直線に比較することで、測定する。結果は、表1に示してある。
【0045】
【0046】
応用例3(保存寿命とリソグラフ性能)
保存寿命とリソグラフ性能を測定するために、下記の処方によるフォトレジストを本発明による化合物と比較化合物から調製する。
ナフトキノンジアジド 5.6重量部
m-およびp-クレゾールならびにキシレンからなる平均分子量
MW が4200(ポリスチレン基準品を比較として)のノボラック 18.7重量部
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 36.5重量部
【0047】
保存寿命を示すものとして、レジストを室温で貯蔵して、ナフトキノンがレジスト溶液から析出し始めるまでに経過する時間を利用する。得られた結果を表2に示す。
【0048】
相対値による放射線感度(マスクパターンがレジストに転写されるのに必要な照射エネルギーで定義される)、暗食刻(レジストが現像中に未照射の領域で食刻されること)、および階調(レジストの溶解力を示すものとして)を、リソグラフ性能として表2に特記する。
【0049】
表2には、層の厚さを規格化したレジストの、λmax におけるUV吸収値も示してある。
【0050】
【0051】
表2には、本発明によるナフトキノンジアジドのUV吸収、放射線感度、暗食刻および階調は比較化合物から判別が出来ないのに対して、本発明によるナフトキノンジアジドの貯蔵寿命がかなり改良されていることが、はっきりと示されている。
Claims (8)
- (7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸で、または(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸と(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸との組み合わせで、完全にエステル化された2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチル- 、- エチル- 、- プロピル- または- イソプロピル- ベンゾフェノン。
- (7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸で、または(1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸と(7- メトキシ-1,2- ナフトキノン-2- ジアジド)-4-スルフォン酸との組み合わせで、完全にエステル化された2,3,4-トリヒドロキシ-3´-メチルベンゾフェノン。
- 水不溶性であるが水性アルカリ溶液には可溶か、すくなくとも膨潤可能であるポリマー状バインダーと、少なくとも一つの、請求項1に記載の放射線感応性化合物と、を必須成分として含んでなることを特徴とする、放射線感応性混合物。
- 請求項1の化合物の比率が、すべての場合において混合物中の固体総重量を基準にして 5〜40重量% 、好ましくは10〜35重量% 、特に15〜30重量% 、である、請求項3に記載の放射線感応性混合物。
- さらにほかの放射線感応性化合物を含んでなり、請求項1に記載の放射線感応性化合物の比率が、すべての場合において全放射線感応性化合物の重量を基準にして、 5〜99重量% 、好ましくは20〜80重量% 、特に30〜70重量% 、である、請求項3に記載の放射線感応性混合物。
- ポリマー状バインダーがノボラックであり、後者のの比率が、すべての場合において混合物の固体総重量を基準にして、60〜95重量% の間、好ましくは65〜90重量% の間、特に好ましくは70〜85重量% の間、である、請求項3に記載の放射線感応性混合物。
- バインダーが、側鎖のヒドロキシフェニル基を有するポリマー状化合物である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の放射線感応性混合物。
- 層基質と放射線感応性層からなり、層が請求項3〜7のいずれか1項に記載の放射線感応性混合物を含んでなることを特徴とする、放射線感応性記録材料。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE4209343A DE4209343A1 (de) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | 1,2-Naphthochinon-2-diazid-sulfonsäureester, damit hergestelltes strahlungsempfindliches Gemisch und strahlungsempfindliches Aufzeichnungsmaterial |
DE4209343.0 | 1992-03-23 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641050A JPH0641050A (ja) | 1994-02-15 |
JP3686683B2 true JP3686683B2 (ja) | 2005-08-24 |
Family
ID=6454764
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08788393A Expired - Fee Related JP3686683B2 (ja) | 1992-03-23 | 1993-03-23 | (1,2− ナフトキノン−2− ジアジド) スルフォン酸エステル、それを用いて調製した放射線感応性混合物および放射線感応性記録材料 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5563018A (ja) |
EP (1) | EP0563663B1 (ja) |
JP (1) | JP3686683B2 (ja) |
KR (1) | KR100272384B1 (ja) |
DE (2) | DE4209343A1 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3615699B2 (ja) * | 2000-09-26 | 2005-02-02 | Necトーキン栃木株式会社 | 密閉型電池およびその製造方法 |
NL1019155C2 (nl) | 2001-10-11 | 2003-04-14 | Compark Octrooi B V | Transportinrichting en werkwijze voor het transporteren van een voertuig. |
KR100995417B1 (ko) * | 2008-08-14 | 2010-11-18 | 삼성에스디아이 주식회사 | 이차전지 |
WO2012043578A1 (ja) | 2010-09-30 | 2012-04-05 | 株式会社Gsユアサ | 電池及び電池の製造方法 |
JP6213372B2 (ja) * | 2014-05-19 | 2017-10-18 | トヨタ自動車株式会社 | 二次電池および二次電池の製造方法 |
KR101637224B1 (ko) * | 2014-11-03 | 2016-07-07 | 주식회사 비츠로셀 | 누액 및 크랙 방지구조를 갖는 전지의 헤더 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3100077A1 (de) * | 1981-01-03 | 1982-08-05 | Hoechst Ag, 6000 Frankfurt | Lichtempfindliches gemisch, das einen naphthochinondiazidsulfonsaeureester enthaelt, und verfahren zur herstellung des naphthochinondiazidsulfonsaeureesters |
US4931381A (en) * | 1985-08-12 | 1990-06-05 | Hoechst Celanese Corporation | Image reversal negative working O-quinone diazide and cross-linking compound containing photoresist process with thermal curing treatment |
US4929536A (en) * | 1985-08-12 | 1990-05-29 | Hoechst Celanese Corporation | Image reversal negative working O-napthoquinone diazide and cross-linking compound containing photoresist process with thermal curing |
US5217840A (en) * | 1985-08-12 | 1993-06-08 | Hoechst Celanese Corporation | Image reversal negative working o-quinone diazide and cross-linking compound containing photoresist process with thermal curing treatment and element produced therefrom |
US4863827A (en) * | 1986-10-20 | 1989-09-05 | American Hoechst Corporation | Postive working multi-level photoresist |
JP2558716B2 (ja) * | 1987-07-10 | 1996-11-27 | 東洋合成工業株式会社 | ポジ型ホトレジスト組成物 |
NO891062L (no) * | 1988-03-31 | 1989-10-02 | Thiokol Morton Inc | Positiv fotofoelsom sammensetning. |
JP2636348B2 (ja) * | 1988-07-20 | 1997-07-30 | 住友化学工業株式会社 | ポジ型レジスト用組成物 |
DE3837500A1 (de) * | 1988-11-04 | 1990-05-23 | Hoechst Ag | Neue, strahlungsempfindliche verbindungen, hiermit hergestelltes strahlungsempfindliches gemisch und aufzeichnungsmaterial |
KR0184870B1 (ko) * | 1990-02-20 | 1999-04-01 | 아사구라 다기오 | 감방사선성 수지 조성물 |
-
1992
- 1992-03-23 DE DE4209343A patent/DE4209343A1/de not_active Withdrawn
-
1993
- 1993-03-13 EP EP93104131A patent/EP0563663B1/de not_active Expired - Lifetime
- 1993-03-13 DE DE59301187T patent/DE59301187D1/de not_active Expired - Fee Related
- 1993-03-17 US US08/032,276 patent/US5563018A/en not_active Expired - Fee Related
- 1993-03-22 KR KR1019930004385A patent/KR100272384B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1993-03-23 JP JP08788393A patent/JP3686683B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE4209343A1 (de) | 1993-09-30 |
EP0563663B1 (de) | 1995-12-20 |
KR100272384B1 (ko) | 2000-11-15 |
US5563018A (en) | 1996-10-08 |
JPH0641050A (ja) | 1994-02-15 |
DE59301187D1 (de) | 1996-02-01 |
KR930019618A (ko) | 1993-10-18 |
EP0563663A1 (de) | 1993-10-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR910004849B1 (ko) | 감광성 수지 조성물 | |
US4524121A (en) | Positive photoresists containing preformed polyglutarimide polymer | |
US4141733A (en) | Development of light-sensitive quinone diazide compositions | |
JP2552891B2 (ja) | ポジ型フオトレジスト組成物 | |
US5342727A (en) | Copolymers of 4-hydroxystyrene and alkyl substituted-4-hydroxystyrene in admixture with a photosensitizer to form a photosensitive composition | |
JPH0772797B2 (ja) | ポジ型写真材料のネガチブ画像の製法 | |
EP0800665B1 (en) | Method for producing positive photoresist compositions with low metal ions p-cresol oligomers | |
US4696886A (en) | Positive photoresist composition with m-hydroxy-α-methylstyrene homopolymer and quinonediazide compound | |
JPS63305348A (ja) | ポジ型フオトレジスト組成物 | |
JPH0582935B2 (ja) | ||
EP0929842B1 (en) | Bottom antireflective coatings containing an arylhydrazo dye | |
JP3686683B2 (ja) | (1,2− ナフトキノン−2− ジアジド) スルフォン酸エステル、それを用いて調製した放射線感応性混合物および放射線感応性記録材料 | |
JPH01309052A (ja) | ポジ型フオトレジスト組成物 | |
US5358823A (en) | Radiation-sensitive composition containing esterification product of (1,2-naphthoquinone-2-diazide)-sulfonic acid with 2,3,4,4'-tetrahydroxybenzophenone and a di- or tri-hydroxybenzophenone | |
JP2541736B2 (ja) | オルトナフトキノンジアジドスルフォン酸エステルを含む感光性混合物、およびそれでつくった記録材料 | |
JP2577858B2 (ja) | 放射線感受性組成物 | |
KR20010088864A (ko) | 포지티브 포토레지스트용 혼합 용제계 | |
JPH05224411A (ja) | 迅速なジアゾキノンポジレジスト | |
KR950000480B1 (ko) | 비스-1,2-나프토퀴논-2-디아지드-설폰산 아미드-함유 감광성 혼합물 | |
EP0907108A1 (en) | Radiation-sensitive resin composition | |
US5763135A (en) | Light sensitive composition containing an arylhydrazo dye | |
JP3361624B2 (ja) | ポジ型感光性組成物 | |
US5807947A (en) | Copolymers 4-hydroxystyrene and alkyl substituted-4-hydroxystyrene | |
JP3592332B2 (ja) | ポジ型感光性組成物 | |
JPH04214563A (ja) | フォトレジスト組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050606 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |