JP3686586B2 - 希土類ボンド磁石用組成物および希土類ボンド磁石 - Google Patents

希土類ボンド磁石用組成物および希土類ボンド磁石 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、希土類磁石粉末と樹脂成分からなる希土類ボンド磁石に関し、希土類ボンド磁石中の磁石粉末の充填量の多い、従って高性能な希土類ボンド磁石およびこの磁石を製造するに用いられる希土類ボンド磁石用組成物、希土類ボンド磁石の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
希土類ボンド磁石の成形方法としては、以下に示すような成形方法が挙げられる。
1. 圧縮成形法
2. 射出成形法
3. 押出成形法
圧縮成形法は、一般に磁石粉末と熱硬化性樹脂からなる磁石用組成物を室温でプレスの金型中に充填し、これに圧力を加えて圧縮して成形し、その後、加熱して樹脂を硬化させて成形する方法である。この圧縮成形法は他の成形方法に比べ磁石組成物中の樹脂成分量が少ないため、成形された磁石の磁気性能は高いが、磁石の形状に対する自由度は小さい。
【0003】
射出成形法は、磁石粉末と樹脂成分からなる磁石用組成物を加熱溶融し、十分な流動性をもたせた状態で金型内に注入して所定の形状に成形する方法である。射出成形法は磁石組成物に流動性をもたせるために磁石用組成物中の樹脂成分量が圧縮成形に比べて多くなるために磁石成形体の磁気性能は低下する。しかし、形状の自由度は圧縮成形法に比べ大きい。
【0004】
押出成形法は、磁石粉末と樹脂成分からなる磁石組成物を加熱溶融し、十分な流動性をもたせた状態で金型内で賦形し、かつ冷却固化して所定の形状に成形する方法である。押出成形法は射出成形法と同様、磁石組成物に流動性をもたせるために樹脂成分の含有率が高くなる。この成形法は薄肉長尺磁石の製造が容易であるという利点を有する。
【0005】
これらの成形法の内、主に樹脂として熱可塑性樹脂を使用する成形法は射出成形法及び押出成形法が一般的であり、これらについては特開昭62−123702、特開昭62−152107、特開昭60−194503、または特開昭60−211908に開示された方法がある。
【0006】
しかし、従来の技術、特に射出成形や押出成形に用いられる希土類磁石粉末と熱可塑性樹脂からなる希土類ボンド磁石用組成物について以下の問題点を有する。すなわち、希土類磁石粉末はその組成中にFe、Co等の遷移金属成分を有しているため、熱可塑性樹脂と混合、混練及び組成物の成形を行なうと金属成分が樹脂成分に対し触媒作用を起こし、樹脂成分の分子量増加、それに伴う溶融粘度の上昇等の組成物の物性の変化を引き起こす。これは希土類ボンド磁石用組成物の熱安定性の低下を意味する。この現象については一部、「日本応用磁気学会誌 Vol.16,No.2, 135-138 (1992)」にNd−Fe−B系磁石粉末とポリアミド樹脂からなる組成物が温度やせん断により物性、特に粘度が変化することが示されている。この現象は希土類磁石粉末の組成物中の充填率が増加するほど、また希土類磁石粉末の比表面積が増加するほど起こり易くなる。従って、これらの現象により、希土類ボンド磁石用組成物を製造することができなかったり、できたとしても成形中の変質により安定成形を行なうことができなかったり、成形磁石の磁気性能の向上を図ることが困難になるというような問題点があった。
【0007】
希土類ボンド磁石用組成物について組成物の物性と成形性との関係は特に押出成形においてはあまり明確になっていない。特開平1−162301に開示された方法の場合には粘度の規定が成されているがこれは磁場配向との関係で成されているものであり、また使用している樹脂は熱硬化性樹脂であり熱可塑性樹脂を使用した磁石用組成物の成形性に関わる物性については明確になってはいない。また、成形中での物性の変化についてもあまり留意されてはいない。前述したような現象により生じる物性の変化は、実際に成形を行なう場合には、成形機中の金型への搬送時に生じ、これによって成形を行なうことが出来なくなるというような問題が生じる。また、射出成形の場合、その成形法上、スプルーやランナーを生じ、これについてはリサイクルする必要が生じるが組成物の物性が変わることによりリサイクルを行なうことが困難となり、材料ロスが増加するという欠点があった。これは希土類ボンド磁石のコスト増をもたらす。押出成形の場合には射出成形に比べリサイクルを行なう必要は殆ど無いが連続的に稼働するため押出機中や金型中で滞留が生じるとそれが原因で成形が行なえなくなるというような事が起こる。更には組成物の変質により機械に負荷がかかり、機械の故障やスクリューや金型、射出成形機のノズル等の破損を起こす事がある。
【0008】
押出成形に使用されている磁石用組成物については特開昭62−264601で減摩材の添加、特開昭63−289807、特開平1−162301では熱硬化性樹脂を用いた磁石組成物、特願平3−270884で磁石組成物の粘度規定が示されている。しかし従来の技術における押出成形用磁石組成物については上記に示したように磁石組成物の溶融状態の物性や減摩材等の添加剤については考慮されているものの特に樹脂成分として熱可塑性樹脂を採用したときの樹脂成分についての考慮が十分にはなされていなかった。希土類樹脂結合型磁石の押出成形は成形磁石の磁気特性を高めるために磁石組成物中に非常に多くの磁石粉末を充填させるために磁石組成物の溶融時の強度、すなわちメルトストレングスが小さいために一般の樹脂の押出成形のように金型で賦形した後に金型外に引取機で取り出し、金型外で冷却、サイジングを行なって最終形状に成形するという方法を採用することができない。そこで磁石組成物の押出成形法としては金型内で最終形状に賦形し、その状態で金型先端部で冷却固化した後に金型外に押し出すという方法を採用する必要がある。この成形方法の場合、金型先端部(以後冷却部と称す)で冷却固化された状態の磁石組成物を押し出す必要が生じる。そのため、磁石組成物に使われている樹脂が1種類の場合、特に結晶性の樹脂を使用している場合には溶融状態から固化状態への変化が急速であるため押出成形を行なうことができないか押出速度(成形速度)が樹脂の融点近傍の特性により制限されてしまうという問題点があった。
【0009】
また、希土類磁石粉末は前述したように成形中に樹脂成分を変質させるほど活性であり、従って磁石成形体にして放置しておくと酸化により錆びるという欠点があった。
【0010】
さらに、希土類ボンド磁石の製造方法としては3種類の製造方法が挙げられたが、このうち圧縮成形法が最も高性能な磁石を製造できる製法であるが樹脂として熱硬化性樹脂を使用するために成形機に加熱硬化する工程が加わることから加熱硬化時の樹脂特性を考慮する必要が生じることから成形性のみで樹脂を選定することができず、従って樹脂の種類や使用量や成形条件が成形性の改善という観点のみで選定することができない。また、熱硬化性樹脂を使用することから成形不良品を再生利用することができないという問題点があった。
【0011】
そこで本発明はこれらの課題を解決するもので、その目的とするところは高性能な希土類ボンド磁石を生産性良く、提供することにある。また、希土類ボンド磁石を磁石の使用用途に応じた種々の形状で提供するところにある。
【0016】
本発明は、希土類磁石粉末と樹脂成分(無機添加剤を含む)からなる、金型内冷却固化をともなう押出成形に用いる希土類ボンド磁石用組成物であって、樹脂成分が融点の異なる2種類以上の熱可塑性樹脂からなり、それらの樹脂の融点が120℃以上、かつ、融点差が50℃以下であることを特徴とする希土類ボンド磁石用組成物を提供するものである。
【0017】
さらに、本発明は、希土類磁石粉末と樹脂成分(無機添加剤を含む)からなる、金型内冷却固化をともなう押出成形に用いる希土類ボンド磁石用組成物であって、樹脂成分が融点の異なる2種類以上の熱可塑性樹脂からなり、そのうち最も分子量の低い樹脂の平均分子量に対し、その他の樹脂の平均分子量が5倍以下であることを特徴とする、希土類ボンド磁石用組成物を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を例に従い説明する。
参考例1として、各磁石粉末と熱可塑性樹脂のみを混合、混練した時の混練物の状態変化について示す。
【0020】
実験方法としては表1に示した各磁石粉末とポリアミド樹脂(ナイロン12)を磁石粉末が体積率で75vol%となるように秤量した後にV型混合機で混合し、この混合物45gをラボプラストミル(東洋精器製作所製)に設置したローラミキサー(R−60)に投入し、温度230℃、スクリュー回転数10rpmで混練を行ない、混練中の混練トルクを測定した。その時の結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0003686586
ここで、表中のトルク上昇時間Aは混練開始1分後のトルク値に対し、トルク値が3倍以上になるまでの混練時間を示している。
【0022】
表中の結果から明らかなようにフェライト磁石粉末を使用したときと希土類磁石粉末を使用した時では状況が異なり、希土類磁石粉末を使用したときには一様にトルク上昇時間は短い。またトルクの経時変化も異なっており、フェライト磁石粉末を使用したときには混練開始1分後のトルク値は高く、経時的に徐々にトルク値の上昇が見られるもののトルク値が3倍以上にはならない。それに対し、希土類磁石粉末を使用した時には急激にトルク値が上昇する。これはフェライト系磁石粉末に比べ、希土類磁石粉末が活性であるためにトルク値の上昇、すなわち樹脂成分の変質を起こさせるものと考えられる。 この現象は樹脂成分としてポリアミド樹脂を使用した場合だけでなく、PPS(ポリフェニレンサルファイド)や液晶ポリマー、PEN(ポリエーテルニトリル)等の熱可塑性樹脂を使用した場合にも同様に起こる。
【0023】
以上の結果から、希土類磁石粉末を使用したときにはフェライト磁石粉末を使用したときとは異なり、混練物の安定性の確保が困難であることは明らかである。
【0024】
そこで、次に参考例2として上記のような混練物の変化を抑える方法についての検討を行なった。その結果について示す。
【0025】
Nd−Fe−B系急冷磁石粉末(GM社製MQP−B)とポリアミド樹脂及び表2に示した各種キレート化剤を磁石粉末が70vol%、キレート化剤添加量を1.0wt%となるように混合し、この混合物45gをラボプラストミル(東洋精器製作所製)に設置したローラミキサー(R−60)に投入し、温度230℃、スクリュー回転数10rpmで混練を行ない、混練中の混練トルクを測定した。その時の評価結果を表3に示す。
【0026】
【表2】
Figure 0003686586
ここで表3中のトルク上昇時間Bとはラボプラストミルによる混練中の混練トルクの変動を経時的に測定し、混練開始1分後トルク値の1.5倍のトルクになるまでの時間を表わしている。この時間が長ければ長いほど組成物は熱的に安定であり、従って成形を行なうことが容易であることを示している。この測定は各サンプル60分測定を行なっており、60分までにトルクの上昇がみられなかったものについては>60と示してある。
【0027】
また、表中の組成物19については比較例として、キレート化剤を添加しなかった組成物のトルク上昇時間を評価した。
【0028】
【表3】
Figure 0003686586
表3から明らかなようにキレート化剤を添加することにより、キレート化剤の種類によりその効果にばらつきはみられるものの、キレート化剤をいれなかったものに比べ、トルク上昇時間は一様に長くなっている。このことから、キレート化剤を添加することにより、磁石用組成物の熱安定性の向上は明らかであり、従って、混練、成形時の生産性は向上する。また、フェノール構造を有するキレート剤8〜10、12を添加することにより、他のキレート化剤に比べその効果が高く、より有効であることは明らかである。これはフェノール構造により、より樹脂の酸化による変質を抑える効果によるものと考えられる。
【0029】
次に参考例3として参考例2で示したように混練物の変質の抑制に有効であったキレート化剤の添加量による影響を調べた。その結果を如何に示す。
【0030】
粉砕により粒度分布を平均粒径20μmに調製したNd−Fe−B系急冷磁石粉末(GM社製MQP−B)とポリアミド樹脂及び表2に示した各種キレート化剤を磁石粉末が72.5vol%、キレート化剤添加量を表4に示した添加量となるように混合し、この混合物45gをラボプラストミル(東洋精器製作所製)に設置したローラミキサー(R−60)に投入し、温度230℃、スクリュー回転数10rpmで混練を行ない、混練中の混練トルクを測定した。その時の評価結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
Figure 0003686586
ここで、表中の圧壊強度とは各組成物と同じ組成に秤量、混合し、その混合物を2軸混練機により混練を行ない、混練物を作製し、この混練物を射出成形機により成形を行ない外径18mm、内径16mm、高さ10mmのリング磁石を作製し、このリング磁石を圧壊する時に必要な荷重を圧縮試験機により測定した。その結果を表中に示している。
【0032】
表4から明らかなように添加量が0.1wt%以下の時には若干効果はみられるもののトルク上昇時間が短く、組成物の熱安定性は不十分であった。そのため添加量0.1wt%以下の組成物については成形を行なうことができず、従って形成品の圧壊強度を測定することができなかった。一方、添加量が0.1wt%以上のものについてはどれもトルク上昇時間を伸びており、成形も可能であったことから圧壊強度を行なうことは可能であった。しかしながら添加量が2.0wt%以上の組成物の成形品は一様に圧壊強度の低下がみられる。これは添加量の増加にともない相対的に樹脂量が低下したため、機械的強度が低下したものと考えられる。従ってキレート剤の添加量の上限値は2.0wt%が適当であると考えられる。
【0033】
次に組成物22、27、33については圧壊強度用サンプル作製に使用した組成物をφ10mmの金型に投入し、230℃に加温した後、成形圧3t/cmかけて温間成形を行ない、外径10mm、長さ10mmの円柱状磁石を作製し、このサンプルを用いて磁気性能を測定した。その結果を表5に示す。
【0034】
【表5】
Figure 0003686586
表5から明らかなように熱的安定性が良好である組成物を用いることにより、高い磁気性能を有する磁石を製造することが可能となった。また、表5に示されている磁石の理論密度は5.8g/cmであり、このことから、温間成形により空孔のほとんど無い高密度の成形を行なうことが可能であった。
【0035】
次に参考例3としてキレート化剤と酸化防止剤を複合添加したときの結果を以下に示す。
【0036】
粉砕により粒度分布を平均粒径20μmに調製したNd−Fe−B系急冷磁石粉末(GM社製MQP−B)とポリアミド樹脂及び表2に示した各種キレート化剤、表6に示した酸化防止剤を磁石粉末が75.0vol%、キレート化剤と酸化防止剤の添加量を総量で1.0wt%、キレート化剤と酸化防止剤を等量となるように混合した。
【0037】
【表6】
Figure 0003686586
この混合物45gをラボプラストミル(東洋精器製作所製)に設置したローラミキサー(R−60)に投入し、温度230℃、スクリュー回転数10rpmで混練を行ない、混練中の混練トルクを測定した。その時の評価結果を表7に示す。
【0038】
【表7】
Figure 0003686586
ここで表6中の酸化防止剤Dはキレート構造を有する酸化防止剤である。また、表6中で酸化防止剤を示していないものについては酸化防止剤をいれず、キレート化剤を1.0wt%入れたときの結果である。
【0039】
表7から明らかなようにキレート化剤に酸化防止剤を添加することにより、一様にトルク上昇時間が長くなり、組成物の熱安定性は向上している。これは酸化防止剤を複合添加することにより、キレート化剤の分散の不均一等により生じた樹脂の変質を酸化防止剤により反応の連鎖を抑えることが可能になったことから、より安定性が向上したものと考えられる。また、酸化防止剤としてフェノール構造を有するキレート化剤を添加することにより、より酸化防止効果を果たすことが可能となる。以上の結果からキレート化剤(フェノール構造を有するものを含む)と酸化防止剤の複合添加により、より組成物を熱的に安定化させることが可能となり、成形性が改善される。
【0040】
続いて参考例4としてキレート化剤と酸化防止剤の添加量を変えたときの結果を以下に示す。
【0041】
粉砕により粒度分布を平均粒径20μmに調製したNd−Fe−B系急冷磁石粉末(GM社製MQP−B)とポリアミド樹脂及び表2に示したキレート剤、表6に示した酸化防止剤を磁石粉末が78.0vol%、キレート化剤と酸化防止剤の添加量を総量については表8に示したような量に、キレート剤と酸化防止剤を等量となるように混合し、この混合物45gをラボプラストミル(東洋精器製作所製)に設置したローラミキサー(R−60)に投入し、温度230℃、スクリュー回転数10rpmで混練を行ない、混練中の混練トルクを測定した。その時の評価結果を表8に示す。
【0042】
ここで、表中の圧壊強度とは各組成物と同じ組成に秤量、混合し、その混合物を2軸混練機により混練を行ない、混練物を作製し、この混練物を押出成形機により成形を行なった。この時の成形方法の詳細は以下の通りである。
【0043】
製造された磁石用組成物を1軸の押出成形機に投入し押出機中で溶融状態とする。この状態で図1に示したような金型に押し流し、金型内で所望の形状に賦形した後、磁石用組成物は金型先端部(冷却部)1で冷却され、固化状態とされた後に金型外に押し出される。ここで図1は金型構造の概略断面図であり、シートやかわら形状もしくはブロック形状の成形用の金型の構造である。図中、1は冷却部、2は磁石組成物流路、3は金型流路入口、4は金型流路出口、5は断熱材、6はヒーター、7は冷却治具である。パイプ形状の成形の場合には金型中央部流路2内にマンドレルが設置される。また、異方性磁石粉末を使用する場合には必要に応じて冷却部に軟磁性材料を使用し、冷却部に磁気回路を設置し、金型流路に磁束を生じさせ、磁場配向を行なう。押し出された成形品は切断機により必要な形状に切断され、成形品は最終形状となる。
【0044】
ここで成形した磁石は外径18mm、内径16mmの磁石であり、これを長さ10mmに切断してリング磁石を作製した。このリング磁石を圧壊する時に必要な荷重を圧縮試験機により測定した。その結果を表中に示している。また、表中の添加量はキレート剤と酸化防止剤の総添加量を示している。また、組成物69はキレート化剤のみを入れた組成物である。
【0045】
【表8】
Figure 0003686586
表8から明らかなようにキレート化剤と酸化防止剤の総添加量が0.1wt%以下の時にはトルク上昇時間が短く、従って組成物の熱安定性は良好ではない。そのため実際に押出成形を行なった時にも成形を行なうことができず、圧壊強度を図ることができなかった。総添加量が0.1wt%以上の時にはどの組成物もトルク上昇時間が増加し、組成物の熱安定性が増加したことを示している。しかしながら総添加量が2.0wt%を越えると成形品の圧壊強度の低下が見られる。これは添加量の増加により相対的に樹脂量が減少し、樹脂のバインド能力が低下したためと添加剤によっては樹脂のバインド能力を低下させるためであると考えられる。
以上の結果から、キレート化剤と酸化防止剤の添加量は0.1wt%以上、2.0wt%以下が望ましいと考えられる。
【0046】
【表9】
Figure 0003686586
また、表9に組成物56、61、67の圧壊試験用に作製したサンプルの磁気性能測定結果を示す。ここで作製した磁石の理論密度は6.12g/cmである。
【0047】
表9から明らかなように熱安定性の向上した組成物を用いて成形することにより、高密度かつ高性能な磁石を製造することが可能となった。
【0048】
更にこれらの磁石を60℃×95%恒温恒湿槽に静置し、耐食性試験を行なった。比較例として従来の圧縮成形法で同じ形状に成形した磁石も試験を行なった。
【0049】
試験結果としては従来の圧縮成形磁石は100時間で発錆が見られたのに対し、本発明の磁石は500時間まで発錆がみられなかった。この結果から磁石中にキレート化剤が含まれること及び磁石中に空孔が少ないことによって耐食性は向上する。
【0050】
次に参考例5として各種樹脂を用いたときの本発明の評価結果を以下に示す。
粉砕により粒度分布を平均粒径20μmに調製したNd−Fe−B系急冷磁石粉末(GM社製MQP−B)と表7に示した樹脂及び表2に示したキレート剤、表6に示した酸化防止剤を磁石粉末が75.0vol%、キレート化剤、もしくはキレート化剤と酸化防止剤の添加量を1.0wt%に、キレート化剤と酸化防止剤の複合添加の時には等量となるように混合し、この混合物45gをラボプラストミル(東洋精器製作所製)に設置したローラミキサー(R−60)に投入し、温度280℃、スクリュー回転数10rpmで混練を行ない、混練中の混練トルクを測定した。その時の評価結果を表10に示す。
【0051】
【表10】
Figure 0003686586
ここで表中のPPS、PEN、PA6はそれぞれポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルニトリル、ポリアミド‐6(ナイロン6)を示している。
【0052】
表から明らかなようにキレート化剤もしくはキレート化剤と酸化防止剤の複合添加を行なわなかったものに比べ、添加したものの方が一様にトルク上昇時間に増加がみられる。このことから、各樹脂について効果に程度差はあるものの熱安定性を増加させることは可能である。また、ポリアミド樹脂にアミド基を有するキレート化剤10を添加することにより他の樹脂との組合せに比べ、熱安定性を増加させることが可能であった。
【0053】
参考例6として磁石粉末としてSm−Co系磁石粉末を使用したときの結果を示す。
【0054】
合金組成がSm(Co0.672 Fe0.22Cu0.08Zr0.028 8.35となるように溶解・鋳造した磁石合金を熱処理した後に粉砕し、平均粒径約20μmのSm−Co系磁石粉末を得た。この磁石粉末とポリアミド樹脂及び表2に示したキレート化剤と表6に示した酸化防止剤を磁粉体積率80.0vol%、添加剤の添加量1.0wt%、キレート化剤と酸化防止剤を複合添加したときには等量になるように秤量し混合した。この混合物45gをラボプラストミル(東洋精器製作所製)に設置したローラミキサー(R−60)に投入し、温度230℃、スクリュー回転数10rpmで混練を行ない、混練中の混練トルクを測定した。その時の評価結果を表11に示す。
【0055】
【表11】
Figure 0003686586
表11から明らかなように磁石粉末としてSm−Co系磁石粉末を使用した場合にもキレート化剤もしくはキレート化剤と酸化防止剤の複合添加を行なうことにより、添加しないものに比べ、組成物の熱安定性を向上させることが可能であり、従ってこの組成物を使用することにより容易に成形を行なうことが可能となる。
【0056】
参考例7として磁石粉末の体積率による影響を調べた。
粉砕により粒度分布を平均粒径20μmに調製したNd−Fe−B系急冷磁石粉末(GM社製MQP−B)とポリアミド樹脂及び表2に示したキレート剤、表6に示した酸化防止剤をキレート化剤、もしくはキレート化剤と酸化防止剤の添加量を1.0wt%に、キレート剤と酸化防止剤の複合添加の時には等量となるようにし、各種磁粉体積率の混合物を作製し、この混合物を2軸押出機に投入し混練物を作製した。この混練物を押出成形機に投入しφ18×φ16のパイプ磁石の作製を行なった。この時、各組成でどこまで磁粉体積率を上げて成形ができるかを調査した。その時の結果を表12に示す。
【0057】
【表12】
Figure 0003686586
表から明らかなように添加剤を入れていない組成の場合には50vol%までしか成形できないのに対し他の組成については一様に75vol%以上の高体積率化を図ることが可能であり、従って高性能な磁石を成形することが可能である。
【0058】
次に組成5及び6、7については最大磁粉体積率の組成物で磁気性能を測定した。その結果を表13に示す。
【0059】
【表13】
Figure 0003686586
表から明らかなように本発明の組成物を用いることにより高性能かつ高密度の磁石を成形することが可能となった。
【0060】
更にこれらの磁石を60℃×95%恒温恒湿槽に静置し、耐食性試験を行なった。比較例として従来の圧縮成形法で同じ形状に成形した磁石も試験を行なった。
【0061】
試験結果としては従来の圧縮成形磁石は100時間で発錆が見られたのに対し、本発明の磁石は500時間まで発錆がみられなかった。この結果から磁石中にキレート化剤が含まれることによって耐食性は向上する。
【0062】
次に参考例8として磁粉体積率及び添加剤量等を変えることにより組成物の物性を変えたときの押出成形性等について調べた。その結果を以下に示す。
【0063】
Nd−Fe−B系急冷磁石粉末(GM社製MQP−B)とポリアミド樹脂及びキレート化剤10、酸化防止剤C及び滑剤を所望の量比になるように秤量し、これらを混合した後に2軸の押出機に投入して230℃で混練を行ない、各種の組成物を作製した。この時、磁石粉末の体積率を変えて各種の粘度の組成物を作製した。これらの組成物は1軸押出機に投入して230〜270℃で押出成形を行ない成形性の評価を行なった。成形性の評価は外径10mm、内径8mm、のパイプ磁石を10時間以上の成形ができるか否かで評価を行なった。また成形機投入前と押出成形機から押し出された後の組成物をキャピラリーレオメーターで粘度測定を行なった。この時の前者の粘度をη、後者のそれをηとする。この粘度の測定条件は温度230℃、せん断速度25sec−1であった。これらの評価結果を表14に示す。
【0064】
【表14】
Figure 0003686586
表14から明らかなように組成物の粘度が500kpoise以上の時には押出成形を行なうことができない。組成物の粘度が500kpoise以下で且つ粘度比が10以下の時には成形を行なうことが可能であった。これらの結果から押出成形時の粘度の上限値は500kpoiseである。
【0065】
【表15】
Figure 0003686586
また、成形可能であった組成物92、93の成形品をVSMにより磁気性能を測定した。その結果を表15に示す。
【0066】
表から明らかなように本発明の範囲に組成物の物性を抑えることにより高性能な磁石を得ることが可能となった。
【0067】
次にR−Fe−B系磁石粉末とポリアミド樹脂及びキレート化剤10と酸化防止剤C、滑剤からなる組成物の添加剤量を変えて組成物の粘度を変えたときの各種評価結果を表2に示す。この時磁石粉末の体積率は60%に固定して各種組成物を作製した。成形性についてはどの組成物も問題なく成形可能であった。
【0068】
【表16】
Figure 0003686586
ここで表中の圧壊強度は成形したφ10×φ8のリング磁石を10mmに切断したものを圧壊した時の強度を示している。表16から明らかなように組成物の粘度が5kpoise以下の時には成形性には問題無いものの成形品の機械的強度が低下している。このことから、押出成形用の組成物の粘度の下限は5kpoiseである。
【0069】
更にNd−Fe−B系磁石粉末とナイロン12及びキレート化剤10、酸化防止剤C、滑剤からなる組成物中の酸化防止剤の添加量を変えて、成形機投入前の組成物の粘度ηと押出成形機から吐出された後の組成物の粘度ηの比を変えた組成物の成形性、圧壊強度の評価を行なった。この時磁石粉末の体積率は67%であった。その結果を表17に示す。この時の評価方法は参考例8、9と同様である。
【0070】
【表17】
Figure 0003686586
表17に示されているように粘度比η/ηが10より大きいときには成形機中での組成物の変質により成形を行なうことが困難となる。10以下の時には10時間以上の成形が可能となり、このことから成形可能範囲の上限は10である。一方、粘度比が0.3以下の時には10時間以上の安定成形を行なう事は可能であるが機械的強度は0.3以上の組成物の約半分となり、強度の低下が見られる。このことから粘度比は機械的強度を確保するためには0.3以上必要となる。
【0071】
次に参考例9として参考例8と同様な実験を射出成形について調査した。
Nd−Fe−B系急冷磁石粉末(GM社製MQP−B)とポリアミド樹脂及びキレート化剤10、酸化防止剤C、滑剤を所望の量比になるように秤量し、これらを混合した後に2軸の押出機に投入して230℃で混練を行ない、各種の組成物を作製した。この時、磁石粉末の体積率を変えて各種の粘度の組成物を作製した。これらの組成物は射出成形機に投入して250〜300℃で射出成形を行ない成形性の評価を行なった。成形性の評価は組成物のリサイクル性で評価を行なった。成形した磁石形状は外径R4.6mm、内径r3.6mm、円周角115°、長さ10mmのかわら磁石であった。また成形機投入前と射出成形機から吐出された後の組成物をキャピラリーレオメーターで粘度測定を行なった。この時の前者の粘度をη、後者のそれをηとする。この粘度の測定条件は温度250℃、せん断速度1000sec−1であった。これらの評価結果を表18に示す。
【0072】
【表18】
Figure 0003686586
表18から明らかなように組成物の粘度が100kpoise以上の時には射出成形を行なうことができない。組成物の粘度が100kpoise以下で且つ粘度比が5以下の時には成形を行なうことが可能であった。これは100kpoise以上の時には組成物の流動性が悪くなり、金型へ射出することができないためである。これらの結果から射出成形時の粘度の上限値は100kpoiseである。
【0073】
【表19】
Figure 0003686586
また、成形可能であった組成物109、110の成形品をVSMにより磁気性能を測定した。その結果を表19に示す。
【0074】
表から明らかなように本発明の範囲に組成物の物性を抑えることにより高性能な磁石を得ることが可能となった。
【0075】
次にR−Fe−B系磁石粉末とポリアミド樹脂及びキレート化剤10、酸化防止剤C、滑剤からなる組成物の添加剤量を変えて組成物の粘度を変えたときの各種評価結果を表20に示す。この時磁石粉末の体積率は60%に固定して各種組成物を作製した。成形性についてはどの組成物も問題なく成形可能であった。
【0076】
【表20】
Figure 0003686586
ここで表中の圧壊強度は成形したφ10×φ8×t10のリング磁石を圧壊した時の強度を示している。表20から明らかなように組成物の粘度が1kpoise以下の時には成形性には問題無いものの成形品の機械的強度が低下している。このことから、射出成形用の組成物の粘度の下限は1kpoiseである。
【0077】
更にNd−Fe−B系磁石粉末とナイロン12及びキレート化剤10、酸化防止剤C、滑剤からなる組成物中の酸化防止剤の添加量を変えて、成形機投入前の組成物の粘度ηと成形機から吐出された後の組成物の粘度ηの比を変えた組成物の成形性、圧壊強度の評価を行なった。この時磁石粉末の体積率は70%であった。その結果を表21に示す。この時の評価方法は参考例8と同様である。
【0078】
【表21】
Figure 0003686586
表21に示されているように粘度比η/ηが5より大きいときには成形機中での組成物の変質により成形を行なうことが困難となる。5以下の時には10回以上のリサイクルが可能となり、このことから成形可能範囲の上限は5である。一方、粘度比が0.3以下の時には10回以上のリサイクル成形を行なう事は可能であるが機械的強度は0.3以上の組成物の約半分となり、強度の低下が見られる。このことから粘度比は機械的強度を確保するためには0.3以上必要となる。
【0079】
次に参考例10として参考例9と同様な実験を磁石粉末及び樹脂成分を変えたときの影響について調査した。参考例6で使用したSm−Co系磁石粉末と液晶ポリマー及びキレート化剤10、酸化防止剤C、滑剤を所望の量比になるように秤量し、これらを混合した後に2軸の押出機に投入して280℃で混練を行ない、各種の組成物を作製した。この時、磁石粉末の体積率を変えて各種の粘度の組成物を作製した。これらの組成物は射出成形機に投入して280〜330℃で射出成形を行ない成形性の評価を行なった。成形性の評価は組成物のリサイクル性で評価を行なった。成形した磁石形状は外径R4.6mm、内径r3.6mm、円周角115°、長さ10mmのかわら磁石であった。また成形機投入前と射出成形機から吐出された後の組成物をキャピラリーレオメターで粘度測定を行なった。この時の前者の粘度をη、後者のそれをηとする。この粘度の測定条件は温度320℃、せん断速度1000sec−1であった。これらの評価結果を表22に示す。
【0080】
【表22】
Figure 0003686586
表18から明らかなように組成物の粘度が100kpoise以上の時には射出成形を行なうことができない。組成物の粘度が100kpoise以下で且つ粘度比が5以下の時には成形を行なうことが可能であった。これは100kpoise以上の時には組成物の流動性が悪くなり、金型へ射出することができないためである。これらの結果から射出成形時の粘度の上限値は100kpoiseである。 次にSm−Co系磁石粉末と液晶ポリマー及びキレート化剤10、酸化防止剤C、滑剤からなる組成物の添加剤量を変えて組成物の粘度を変えたときの各種評価結果を表23に示す。この時磁石粉末の体積率は60%に固定して各種組成物を作製した。成形性についてはどの組成物も問題なく成形可能であった。
【0081】
【表23】
Figure 0003686586
ここで表中の圧壊強度は成形したφ10×φ8×t10のリング磁石を圧壊した時の強度を示している。表23から明らかなように組成物の粘度が1kpoise以下の時には成形性には問題無いものの成形品の機械的強度が低下している。このことから、射出成形用の組成物の粘度の下限は1kpoiseである。
【0082】
更にSm−Co系磁石粉末と液晶ポリマー(商標ペクトラ、ポリプラスチック社製)及びキレート化剤10、酸化防止剤C、滑剤からなる組成物中の添加剤の添加量を変えて、成形機投入前の組成物の粘度ηと成形機から吐出された後の組成物の粘度ηの比を変えた組成物の成形性、圧壊強度の評価を行なった。この時磁石粉末の体積率は70%であった。その結果を表24に示す。この時の評価方法は参考例8と同様である。
【0083】
【表24】
Figure 0003686586
表24に示されているように粘度比η/ηが5より大きいときには成形機中での組成物の変質により成形を行なうことが困難となる。5以下の時には10回以上のリサイクルが可能となり、このことから成形可能範囲の上限は5である。一方、粘度比が0.3以下の時には10回以上のリサイクル成形を行なう事は可能であるが機械的強度は0.3以上の組成物の約半分となり、強度の低下が見られる。このことから粘度比は機械的強度を確保するためには0.3以上必要となる。
【0084】
参考例8、9、10で得られた結果は樹脂成分としてPPSやPEN等の樹脂を使用したときにも同様な結果が得られる。また、参考例9、10から磁石粉末として希土類磁石粉末を使用したときにも同様な結果が得られる。
【0085】
次に、本発明の実施例として、押出成形における樹脂の影響について調べた。
Nd−Fe−B系磁石粉末(GM社製MQP−B粉末)と表25に示した各種の樹脂成分にキレート化剤10を1wt%を加え、磁粉体積率75vol%となるように混合物を調製した。この混合物を混練した後に押出成形機に投入し成形実験を実施した。
【0086】
ここで表25中の樹脂中の成分比は樹脂成分全体を体積比で100とした時の各樹脂の割合を示したものである。成形実験について、成形した磁石の形状は外径18mm、内径16mmのパイプ形状であり、冷却部の長さは20mmとした。
【0087】
この時の実験結果を表26に示す。ここで、表中の成形可能冷却部温度とは成形実験を行なったときに成形品形状が維持されかつその形状で金型から成形品が押し出され、成形を行なうことができたときの冷却部温度の範囲を示している。この温度範囲が広いほど成形を行なうことが容易であることを示す。また、表中の押出速度は成形可能であった最大の成形速度を示している。また、押出成形性については成形可能な条件への設定を行なうことの難易度及び成形の安定性を示している。
【0088】
【表25】
Figure 0003686586
【0089】
【表26】
Figure 0003686586
表26から明らかなように1種類の樹脂だけ用いた成形6、7、8についてはどれも成形可能温度範囲が2℃以下と狭く、そのため成形を行なうことが困難であり、また押出速度を上げることも困難であった。一方、2種類以上の樹脂を用いた場合には成形可能温度範囲が約10℃前後と広くなり、このことから成形を行なうことが容易となり、また押出速度を向上させることも可能となった。
【0090】
以上の結果から、押出成形用磁石組成物中の樹脂成分の融点の異なる2種類以上の樹脂を用いることにより、成形性の向上及び成形速度の向上を図ることが可能となった。
【0091】
次に混合する樹脂の融点差の影響を調査した。
基本組成が
Sm(Co0.672 Fe0.22Cu0.08Zr0.028 8.35
となるように各種原料を秤量し、溶解・鋳造した合金を熱処理した後に粉砕し、平均粒径を約20μmとした磁石粉末と表27に示した樹脂成分及び可塑剤を磁粉体積率が70vol%となるように混合し、この混合物を混練して磁石組成物を作製した。ここで表27中には混合した各種樹脂の融点及び融点差を示している。また、混合した樹脂の混合比はすべてPPS、ナイロン12が全樹脂成分の70%となるように混合した。
【0092】
【表27】
Figure 0003686586
表27に示した樹脂からなる各磁石組成物を押出成形機に投入し、押出成形実験を実施した。その時の結果を表28に示す。この時成形した磁石の形状はR5.0×r4.0×115°のアーク形状の磁石であり、冷却部の長さは15mmとした。
【0093】
【表28】
Figure 0003686586
表28から明らかなように融点差が50℃以下である樹脂9、10、12、13を使用して成形実験を行なった時には成形温度範囲も約10℃ほどあるため成形が容易で高速成形を行なうことも可能であった。しかしながら融点差が50℃より大きな樹脂成分を使用した成形10、14の時には押出成形は可能であるが成形温度範囲が狭く、また高速成形を行なうこともできず、押出速度は遅い。また、この成形条件に調整することが困難であり、さらに調整後も成形に安定性がなく、量産化は困難である。
【0094】
以上の結果から、混合する樹脂の融点差は50℃以下が望ましいことは明らかである。
【0095】
次に使用する樹脂の融点の影響について調べた。
Nd−Fe−B系磁石粉末(GM社製MQP−B粉末)と樹脂成分及び酸化防止剤を磁石粉末の体積率が80vol%となるように秤量した後、混合・混練して磁石組成物を作製した。この時、樹脂成分としては融点150℃のナイロン6−12コポリマー(ナイロン6、25%)を全樹脂成分中の60%、残り40%を表5に示したようなモノマーの比率等を変えることにより得られた各種融点のナイロン6−12コポリマーとし、これらの樹脂の混合物とした。これらの磁石組成物を押出機に投入し押出成形を行ない、外径20mm、内径17mmのパイプ形状を成形した。この時の成形品の寸法ばらつきは外径で±2/100mmであった。この磁石を長さ10mmに切断した後に温度120℃の恒温槽に500時間投入し、投入後の成形品の外径寸法ばらつきを測定した。その結果を表29に示す。
【0096】
【表29】
Figure 0003686586
表29から明らかなように混合したコポリマーの融点が低くなるにつれて120℃に500時間投入した後の磁石の寸法ばらつきが増加している。これは融点の低い樹脂を混合した成形品は高温化で低融点樹脂成分が溶解し成形品の変形が生じるため、その結果寸法ばらつきが増加する。一般に磁石成形品に求められる特性は耐熱性120℃、寸法精度は±5/100mm程度であり、融点が120℃より低い樹脂を混合した場合には要求寸法精度は維持することは困難であった。
以上の結果から混合する樹脂の融点は120℃以上が望ましい。
【0097】
また、使用する樹脂の分子量影響について調査した。 Sm−Co系磁石粉末と数平均分子量が12000であるナイロン12を全樹脂成分の50vol%含有した樹脂成分及び可塑剤からなり、磁粉体積率が72.5vol%となるように混合し、これを混練して磁石組成物を作製した。この時残りの50%の樹脂成分は表6に示したような各種分子量のナイロン6を用いた。これらの磁石組成物を押出機に投入して押出成形を行ない成形性の調査を行なった。その結果を表30に示す。この時成形した磁石の形状は外径30mm、内径27mmのパイプ磁石であった。ここで表中の連続成形時間とは押出成形開始時に成形条件を設定した後に無調整で何時間連続成形が可能であったかを示している。
【0098】
【表30】
Figure 0003686586
表から明らかなようにナイロン6の分子量が55000以下の時には量産可能な連続成形時間の目安である8時間以上の成形が可能であるが分子量65000の時には8時間以上の成形ができていない。これは分子量の異なる樹脂を混合すると混練による樹脂成分の分散が不十分となり、磁石組成物の均一性が低下する。その結果成形時に押出速度のばらつきが生じ、これが成形条件の変化を引き起こし成形中の吐出しの停止を起こさせる。これにより連続成形ができなくなると考えられる。
以上の結果から、混合する樹脂の分子量差が低い樹脂の平均分子量に対し、5倍以下が連続成形には良好であることは明らかである。
【0099】
上記の押出成形の製造方法は参考例4で示したような金型内での冷却固化成形であり、以下に比較例として一般的な樹脂の押出成形法でボンド磁石を作製したときの結果を以下に示す。
【0100】
Nd−Fe−B系磁石粉末(GM社製MQP−B粉末)と樹脂4及び酸化防止剤からなり、磁粉体積率が70vol%となるように秤量し、混合・混練を行ない、磁石組成物を作製した。この磁石組成物を押出機に投入して押出成形を行なった。この時金型内で所望の形状に賦形した後に先端冷却部では冷却せず、賦形されただけの状態で吐出させた。この吐出物を押出機の前方に設置した引取機で引き取りながらサイジングダイに導入し、そこで最終形状に調整しながら冷却を行なう成形を行なった。この時の成形磁石形状は外径18mm、内径16mmを目標とした。
【0101】
その結果、吐出物を金型からサイジングダイに導入する間に切れてしまい成形を行なうことができず、たまにできたにしてもすぐにきれて安定に成形を行なうことはできなかった。
【0102】
また、Sm−Co系磁石粉末(平均粒径約20μm)と樹脂12及び可塑剤からなり、磁粉体積率が75vol%となるように秤量し、混合・混練を行ない、磁石組成物を作製した。この磁石組成物を押出機に投入して押出成形を行なった。この時金型内で所望の形状に賦形した後に先端冷却部では冷却せず、賦形されただけの状態で吐出させた。この吐出物を押出機の前方に設置した引取機で引き取りながらサイジングダイに導入し、そこで最終形状に調整しながら冷却を行なう成形を行なった。この時の成形磁石形状はR5.0×r4.0×115°のかわら形状を目標とした。
【0103】
その結果、吐出物を金型からサイジングダイに導入する間に切れてしまい成形を行なうことができず、たまにできたにしてもすぐにきれて安定に成形を行なうことはできなかった。
【0104】
更にSm−Co系磁石粉末(平均粒径約20μm)と成形15で使用した樹脂及び可塑剤からなり、磁粉体積率が72.5vol%となるように秤量し、混合・混練を行ない、磁石組成物を作製した。この磁石組成物を押出機に投入して押出成形を行なった。この時金型内で所望の形状に賦形した後に先端冷却部では冷却せず、賦形されただけの状態で吐出させた。この吐出物を押出機の前方に設置した引取機で引き取りながらサイジングダイに導入し、そこで最終形状に調整しながら冷却を行なう成形を行なった。この時の成形磁石形状は外径30mm、内径27mmのパイプ形状を目標とした。
【0105】
その結果、吐出物を金型からサイジングダイに導入する間に切れてしまい成形を行なうことができず、たまにできたにしてもすぐにきれて安定に成形を行なうことはできなかった。
【0106】
次に希土類ボンド磁石の製造方法として温間圧縮成形についての調査を行なった。その結果を下記に示す。
Nd−Fe−B系磁石粉末とポリアミド樹脂及びキレート化剤9、酸化防止剤Dを磁粉体積率が78.0vol%となるように秤量して混合し、この混合物をKCK混練機により混練をし、磁石用組成物を作製した。この組成物を樹脂の溶融温度以上の220℃に加熱した金型に投入し、成形圧3t/cmで温間圧縮成形を行なった。この時の成形品形状は外径20mm、内径17mm、長さ20mmのリング磁石であった。この磁石を磁石16とする。
また、比較例として混合物を混練しないで成形を行ない磁石を作製した。この磁石を磁石17とする。また、従来の圧縮成形法によりボンド磁石を作製した。この磁石を磁石18とする。この磁石18については樹脂成分としてエポキシ樹脂1.5wt%を使用した。これらの磁石の磁気性能及び成形品密度、成形品内の密度ばらつき、耐食性を調べた。この結果を表31に示す。ここで、成形品内の密度ばらつきは成形品を1mm厚さにスライスし、それぞれのスライス品の密度を測定したときのばらつきを示している。また、耐食性は60℃×95%の恒温恒湿槽に各磁石を10個を500時間静置した時の良品数を示している。
【0107】
【表31】
Figure 0003686586
表から明らかなように混練物を温間圧縮成形で成形した時には密度ばらつきも小さく、耐食性も良好である。一方、混合物の成形品や従来の成形方法における成形品の場合には密度ばらつきが大きく、耐食性が大きい。これは従来品の場合には磁石内に空孔が多く、これによる耐食性の劣化、密度ばらつきの増加が生じる。また、混合物の成形品の場合には磁粉等の分散が悪いため、密度耐食性が低下する一方、磁石16の場合、添加剤が十分に分散され、また理論密度通りの成形が可能であることから高耐食性の磁石を得ることが可能となる。
【0108】
次にSm−Co系磁石粉末とPPS及びキレート化剤9、酸化防止剤Dを磁粉体積率が78.0vol%となるように秤量して混合し、この混合物をKCK混練機により混練をし、磁石用組成物を作製した。この組成物を樹脂の溶融温度以上の300℃に加熱した金型に投入し、配向磁場15kOe、成形圧2t/cmで温間圧縮成形を行なった。この時の成形品形状は外径20mm、内径17mm、長さ20mmのリング磁石であった。この磁石を磁石19とする。
【0109】
また、比較例として混合物を混練しないで成形を行ない磁石を作製した。この磁石を磁石20とする。また、従来の圧縮成形法によりボンド磁石を作製した。この磁石を磁石21とする。この磁石21については樹脂成分としてエポキシ樹脂約1.5wt%を使用した。これらの磁石の磁気性能及び成形品密度、成形品内の密度ばらつき、耐食性を調べた。この結果を表32に示す。ここで、成形品内の密度ばらつきは成形品を1mm厚さにスライスし、それぞれのスライス品の密度を測定したときのばらつきを示している。
【0110】
【表32】
Figure 0003686586
表から明らかなように混練物を温間圧縮成形で成形した時には密度ばらつきも小さい。一方、混合物の成形品や従来の成形方法における成形品の場合には密度ばらつきが大きい。これは従来品の場合には磁石内に空孔が多く、これによる密度ばらつきの増加が生じる。また、混合物の成形品の場合には磁粉等の分散が悪いため、密度がばらつく。一方、磁石16の場合、添加剤が十分に分散され、また理論密度通りの成形が可能であることから高密度の磁石を得ることが可能となる。
【0111】
以上のように本発明にかかる希土類ボンド磁石用組成物及び製造方法は高性能、高耐食性の希土類磁石を生産性良く提供することを可能にする。また、本発明にかかる希土類ボンド磁石は自動車やOA機器に使用するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において使用した押出成形用の金型構造を示す断面図。
【符号の説明】
1 金型先端部(冷却部)
2 流路
3 金型流路入口
4 金型流路出口
5 断熱材
6 ヒーター
7 冷却治具

Claims (3)

  1. 希土類磁石粉末と樹脂成分(無機添加剤を含む)からなる、金型内冷却固化をともなう押出成形に用いる希土類ボンド磁石用組成物であって、樹脂成分が融点の異なる2種類以上の熱可塑性樹脂からなり、それらの樹脂の融点が120℃以上、かつ、融点差が50℃以下であることを特徴とする、希土類ボンド磁石用組成物。
  2. 希土類磁石粉末と樹脂成分(無機添加剤を含む)からなる、金型内冷却固化をともなう押出成形に用いる希土類ボンド磁石用組成物であって、樹脂成分が融点の異なる2種類以上の熱可塑性樹脂からなり、そのうち最も分子量の低い樹脂の平均分子量に対し、その他の樹脂の平均分子量が5倍以下であることを特徴とする、希土類ボンド磁石用組成物。
  3. 請求項1または2に記載の組成物からなることを特徴とする、希土類ボンド磁石。
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