JP3685981B2 - Smaコネクタ等のコネクタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の利用分野】
本発明は、MIL(米軍規格)により制定され広く世界で高周波帯域の結合用コネクタとして多用されているSMA(Sub−Miniature Tipe
A)コネクタに類するSMAコネクタ等のコネクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のSMAコネクタは、雄接合部1は、図13に記載のように、六角ナット状のカプリングナット2の雌ネジ部3の奥に一体に設けてあり、絶縁性のフッ素樹脂からなる芯材4の中央に針状の内部コンタクト部5が設けてあると共に、芯材4の外周に外部コンタクト部6が設けてある。
【0003】
一方、雌接合部7は、図14に記載のように、カプリングナット2の雌ネジ部3に螺合する雄ネジ部8を具備すると共に、雄接合部に向かって内側に外部コンタクト部6が嵌合する内径Cの嵌合穴からなる外部コンタクト部9が設けてあり、その内奥に段部10を介して絶縁性の芯材11が収納されており、芯材11の中心に前記針状の内部コンタクト部5が嵌合する内部コンタクト部12が設けてある。
【0004】
この従来のSMAコネクタにより良好な電気的結合状態を得るためには、雄接合部1の外部コンタクト6の先端部のA面が雌接合部の段部10のB面に一定範囲内の圧接力で強く接触することが必要条件であり、そのため、六角ナット状のカプリングナット2の締め付けトルクを7〜8kgf・cmの範囲内と規定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上の通り、従来のSMAコネクタは、六角ナット状の雄接合部を雌接合部にねじ込まなければ結合することができないのみならず、単にねじ込むだけでは必要な電気的結合状態が得られず、7〜8kgf・cmの範囲内と規定されている締め付けトルクで締め付けて始めて良好な結合状態が得られる構成であるから、コネクタの結合時の六角ナットの締め付けが面倒な課題があるばかりでなく、不十分な場合には電気的性能に影響を与える課題があり、振動等により六角ナットに緩みが生じる課題があり、トルク管理が面倒である等の課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、一方の雄接合部21の外部コンタクト部本体20の先端部に弾性膨出部27を有する弾性外周壁23を一体に設け、他方の雌接合部31の外部コンタクト部本体30の内周に前記雄接合部21の弾性外周壁23の弾性膨出部27が弾性変形を伴って嵌合する結合内周壁33を有する嵌合穴32を一体に設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置において、一方の外部コンタクト本体20の先端部に鈎状突起部46を内周に沿って複数個所に設けた弾性円筒部45を有するカプリングナット40を一体に設けると共に、他方の外部コンタクト本体30の外周部に前記鉤状突起部46が締め付け抵抗を伴ってクリック式に係合するクリック係合部50を有するボルトねじ部36を一体に設け、前記カプリングナット40をボルトねじ部36に螺合して締め付け、外部コンタクト本体20,30の接合部同士を圧着して接合するようにしたSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
【0007】
本発明によれば、カプリングナットをボルトねじ部に螺合して締め付けていくと、カプリングナットの先端部の鉤状突起部がクリック係合部に当接し、締め付け終端部を予測させる締め付け抵抗を生じると共に、更に締め付け抵抗に抗して強く締め付けると、鉤状突起部がクリック係合部を乗り越えてカチッという感覚を伴ってクリック式に係合し、締め付け終端部を感知させ、締め付け不十分や、締め付け過剰になるような無理な締め付けを防止することができると共に、鉤状突起部とクリック係合部の係合により、振動等により緩みが生じない強固な接合状態を維持することができ、従来の7〜8kgf・cmの範囲内と規定されている締め付けトルクに比較して、手で充分に締め付け可能な1kgf・cm程度の締め付けトルクで信頼性の高い良好な結合状態を得ることができる。
【0008】
また、接合を解除するときには、ボルトねじ部に対してカプリングナットを解除方向に逆回転しようとするとき、カプリングナットとボルトねじ部との間に生じる強力なねじ推進力によって、鉤状突起部とクリック係合部の強固な接合状態も比較的容易に解除され、コネクタを分離することができることとなる。
【0009】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部の鉤状突起部が、鉤状突起縁部に向かって徐々に内径の狭まるテーパー内周面を有するSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
【0010】
本発明によれば、カプリングナットをボルトねじ部に螺合して締め付け、カプリングナットの先端部の鉤状突起部がクリック係合部に当接するとき、クリック係合部に対して、鉤状突起部はテーパー内周面の内径の大きい部分から徐々に内径の小さい部分に摺動して行き、内径の最も狭い内周面を経てクリック係合部を乗り越えるから、締め付け抵抗に抗して滑らかに締め付けることができ、鉤状突起部がクリック係合部を円滑に乗り越えてクリック感覚を伴って係合することができると共に、鉤状突起部の鉤状をテーパー角度分だけ鋭角的にし、係合を強固、確実にすることができる。
【0011】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、ボルトねじ部の基端部の外周に設けたクリック係合部に鉤状突起部が係合する係合突起部を設け、係合突起部に向かってボルトねじ部の基端部側から徐々に外径の拡がるテーパー外周面を有するSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
【0012】
本発明によれば、カプリングナットをボルトねじ部に螺合して締め付け、カプリングナットの先端部の鉤状突起部がクリック係合部に当接するとき、鉤状突起部がクリック係合部のテーパー内周面の内径の小さい部分から徐々に内径の大きい部分に円滑に摺動して行き、内径の最も大きい内周面を経て鉤状突起部がクリック係合部を乗り越えるから、締め付け抵抗に抗して滑らかに締め付けることができ、鉤状突起部がクリック係合部を円滑に乗り越えてクリック感覚を伴って係合することができると共に、クリック係合部の係合角度をテーパー角度分だけ鋭角的にし、係合を強固、確実にすることができる。
【0013】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部を弾性部材で形成し、弾性部材に設けた鉤状突起部が弾性部材の弾性変形を伴ってクリック係合部に係合するようにしたSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
本発明によれば、鉤状突起部が弾性部材の弾性変形を伴ってクリック係合部に係合することにより、鉤状突起部がクリック係合部を円滑に乗り越え、且つ、クリック感覚を伴って係合させることができる。
【0014】
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項1乃至4に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部に複数個の鉤状突起部を等角度間隔に配設してなるSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
本発明によれば、等角度間隔に配設した複数個の鉤状突起部がカプリングナットの中心軸に対して均等の圧接力でクリック係合部に係合するから、安定した接合状態を得ることができる。
【0015】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部に弾性変形用のスリットを有する弾性円筒部を設け、弾性円筒部の内周壁に鉤状突起部を設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
【0016】
本発明によれば、弾性円筒部に設けた弾性変形用のスリットにより、弾性円筒部の弾性変形を容易にすると共に、スリットにより分割された個々の鉤状突起部を有する弾性円筒部片が個々にクリック接合部に弾性変形を伴って平滑に密着して接合することにより、コネクタ接合部に確実な電気的結合状態が得られることとなる。
【0017】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項1乃至6に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、ボルトねじ部の基端部の外側に円周状のクリック係合部を設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
本発明によれば、鉤状突起部がその円周角度位置に係わらず円周状に設けたクリック係合部に係合するから、確実な接合状態を得ることができる。
【0018】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項1乃至7に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、一方の外部コンタクト本体の接合部に弾性外周壁を設け、該弾性外周壁が他方の外部コンタクト本体の結合内周壁に弾性変形を伴って接合するSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
【0019】
本発明によれば、一方の外部コンタクト部本体の接合部に設けた弾性外周壁が、他方の外部コンタクト本体の結合内周壁に弾性変形を伴って密着して接合することにより、SMAコネクタ等に充分な電気的結合状態が得られるから、カプリングナットとボルトねじ部とのネジ結合と鉤状突起部とクリック結合部との結合と相まって、振動等により緩みが生じることがなくなり、トルク管理も不要にすることができる。
【0020】
また、本発明は、請求項9に記載のように、請求項8に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、弾性外周壁がその内側の芯材に対して円弧状に膨出する弾性膨出部を具備するSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
本発明によれば、弾性外周壁の内側の芯材に対して円弧状に膨出する弾性膨出部が、結合内周壁に弾性変形を伴って平滑に密着して接合することにより、コネクタ接合に充分な電気的結合状態が得られることとなる。
【0021】
また、本発明は、請求項10に記載のように、請求項8又は9に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、弾性外周壁の内側の芯材に、弾性外周壁を弾性変形可能にする細芯部を設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
本発明によれば、弾性外周壁の内側の芯材に設けた弾性変形用の細芯部により弾性外周壁の変形が吸収されるから、弾性外周壁にそれだけ大きな弾性変形許容量を与えることができ、それだけ強固な電気的接合状態を得ることができる。
【0022】
また、本発明は、請求項11に記載のように、請求項8、9又は10に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、弾性外周壁に弾性変形用のスリットを設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
【0023】
本発明によれば、弾性外周壁に設けた弾性変形用のスリットにより、弾性外周壁の弾性変形を容易にすると共に、スリットにより分割された個々の弾性外周壁片が個々に結合内周壁に弾性変形を伴って平滑に密着して接合することにより、コネクタに充分な電気的結合状態を与えることができる。
【0024】
また、本発明は、請求項12に記載のように、請求項8乃至11に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、他方の外部コンタクト本体の結合内周壁に、弾性外周壁が嵌合する凹溝状の結合内周壁を設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置を提供するものである。
本発明によれば、内周に設けた凹溝状の結合内周壁に、弾性外周壁が弾性変形を伴って嵌合することにより、接合状態をより確実で強固に維持することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下図示する実施例により本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図8に記載の実施例において、20は雄接合部21の外部コンタクト本体で、筒状をなし、外周部には回転ガイドキー41を介して、回転自在にカプリングナット40が設けてある。22は防塵用のガスケットである。
雄接合部21は、外部コンタクト本体20と、その内部の絶縁材からなる芯材24の中心に設けた針状の内部コンタクト部25とからなる。
【0026】
30は雌接合部31の外部コンタクト本体で、外周部にカプリングナット40が螺合するボルトねじ部36を具備している。
雌接合部31は、図12に記載のごとく、外部コンタクト本体30と、その内部の絶縁材からなる芯材34の中心に設けた細管状の内部コンタクト部35とからなるが、図1、図2、図3及び図6では、内部の芯材34及び内部コンタクト部35は省略してある。
【0027】
カプリングナット40は、ボルトねじ部36に螺合する雌ねじ部43を内周壁先端部に具備し、カプリングナット40をボルトねじ部36に螺合することによって、雄接合部21と雌接合部31と内外部のコンタクト本体同士が圧着して接合するように構成してある。
カプリングナット40の先端部には、図8に記載のように、弾性変形用のスリット44を有する弾性円筒部45を設け、弾性円筒部45の内周壁に鉤状突起部46を設けてある。
【0028】
鉤状突起部46は、図5に記載のように、先端縁部47から鉤状突起縁部48に向かって徐々に内径の狭まる20:1のような滑らかな傾斜角を有するテーパー内周面49を具備している。
これに対して、雌接合部31の外部コンタクト本体30のボルトねじ部36の基端部37には、前記鉤状突起部46が締め付け抵抗を伴ってクリック式に係合するクリック係合部50が設けてある。
【0029】
クリック係合部50は、図7に記載のごとく、ボルトねじ部36の基端部37に段部38を介して形成した大径部39に、係合突起部51を具備する一方、ボルトねじ部36の基端部37側から係合突起部51に向かって徐々に外径の拡がるテーパー外周面52を具備している。大径部39は固定孔54を有する基礎固定部53に一体に設けてある。
弾性円筒部45は、ステンレス、隣青銅、又はベリリウム銅等の加工性、導電性、ばね弾性及び耐久性等に富んだばね部材からなる。
【0030】
上記の実施例の構成において、カプリングナット40をボルトねじ部36に螺合して締め付けていくと、カプリングナット40の先端部の鉤状突起部46がクリック係合部50に当接し、締め付け終端部を予測させる締め付け抵抗を生じると共に、更に締め付け抵抗に抗して強く締め付けると、鉤状突起部46がクリック係合部50を乗り越えてカチッという感覚を伴ってクリック式に係合し、締め付け終端部を感知させ、締め付け不十分や、締め付け過剰になるような無理な締め付けを防止することができる。
【0031】
また、鉤状突起部46とクリック係合部50の係合により、振動等により緩みが生じない強固な接合状態を維持することができ、従来の7〜8kgf・cmの範囲内と規定されている締め付けトルクに比較して、指で充分に締め付け可能な1kgf・cm程度の締め付けトルクで信頼性の高い良好な結合状態を得ることができる。
【0032】
また、接合を解除するときには、ボルトねじ部36に対してカプリングナット40を解除方向に逆回転すると、カプリングナット40のねじ部43とボルトねじ部36との間に生じる強力なねじ推進力によって、鉤状突起部46とクリック係合部50の強固な接合状態も比較的容易に解除され、コネクタを分離することができることとなる。
【0033】
カプリングナット40を設けた雄接合部21の外部コンタクト本体20は図9及び図10に示してある。この図9及び図10においては、外部コンタクト本体20からは、図11に示す芯材24及びその中心の針状の内部コンタクト部25は省略されている。
【0034】
雄接合部21の外部コンタクト部本体20には、その先端部の接合部に弾性外周壁23が一体に設けてある。弾性外周壁23は、ステンレス、隣青銅、又はベリリウム銅等の加工性、導電性、ばね弾性及び耐久性等に富んだばね部材からなり、芯材24と同心円の外周壁を有する基端胴部26と、その先端方向の円弧状に外周が膨出した弾性膨出部27とからなる。
【0035】
弾性膨出部27は、図示の実施例では、弾性外周壁23の外周を円弧状に肉厚に盛り上げた構成であるが、弾性外周壁を肉厚をあまり変えずに円弧状に湾曲した構成にすることも、弾性変形が容易なように薄く構成することも勿論可能である。
【0036】
弾性外周壁23は、図示の実施例の場合、六等分に分割するスリット28が設けてあり、スリット28の幅は円弧状の弾性膨出部27が扁平状に弾性変形したときに隣接する分割辺部が重ならない間隔に設けてある。なお、スリット28により分割するか否か、スリット28の数、分割する方法等は、接合すべき雌接合部の構造等に対応して、必要に応じて種々に変更して設計することができる。
【0037】
また、図11に記載のように、弾性外周壁23の内側の芯材24には、弾性外周壁23を内側に弾性変形可能にする細芯部29を設けることができる。細芯部29に弾性変形した弾性外周壁23が進入することにより変形が吸収されるから、肉厚にすることができる等、弾性外周壁23にそれだけ大きな膨出部を設けることができ、弾性変形許容量を大きく設定することができる。
【0038】
また、図11の実施例の場合、雄接合部21のカプリングナット40が従来通りに六角ナット状に記載してあるが、本発明の場合には、六角ナット状である必要はなく、ねじ込み・ねじ戻し推進用に円筒部に滑り止めのローレット42を設ける程度で充分である。
【0039】
上記の構成からなる雄接合部21を、図14に記載の従来の雌接合部7に連結する場合、雌接合部の外部コンタクト部9の嵌合穴13内に、雄接合部21の外部コンタクト部本体20の弾性外周壁23を押し込んで嵌合すると、弾性外周壁23が内側の芯材24と外側の外部コンタクト部9の嵌合穴13の内壁部に挟まれて弾性変形を伴って密着状態で嵌着し、良好な電気結合状態で接合することとなる。
【0040】
このとき、実施例のように、円弧状に外周が膨出した弾性膨出部27は扁平方向に弾性変形して密着し、スリット28が設けてあれば、個々の分割片が個々に弾性変形して密着状態となり、細芯部29が設けてあれば、細芯部29に収納される形で弾性変形して密着状態となる。
【0041】
図12は本発明に係る雌接合部31を記載してあり、この場合、雌接合部31の外部コンタクト部本体30の嵌合穴32の内周に、上記雄接合部21の弾性外周壁23の弾性膨出部27が嵌合する凹溝状の結合内周壁33を設けてある。
その他、34は絶縁性の芯材、35は内部コンタクト部である。
【0042】
この雌接合部31に設けた凹溝状の結合内周壁33に、雄接合部21の弾性外周壁23の弾性膨出部27が弾性変形を伴って嵌合することにより、クリック感覚で雌接合部31に雄接合部21を確実に嵌着することができ、この嵌合状態で、凹溝状の結合内周壁33と弾性膨出部27とが強固に密着して接合することにより、良好な電気結合状態を確実に維持することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の通り、本発明に係るSMAコネクタ等のコネクタ装置によれば、一方の雄接合部21の外部コンタクト部本体20の先端部に弾性膨出部27を有する弾性外周壁23を一体に設け、他方の雌接合部31の外部コンタクト部本体30の内周に前記雄接合部21の弾性外周壁23の弾性膨出部27が弾性変形を伴って嵌合する結合内周壁33を有する嵌合穴32を一体に設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置において、一方の外部コンタクト本体20の先端部に鈎状突起部46を内周に沿って複数個所に設けた弾性円筒部45を有するカプリングナット40を一体に設けると共に、他方の外部コンタクト本体30の外周部に前記鉤状突起部46が締め付け抵抗を伴ってクリック式に係合するクリック係合部50を有するボルトねじ部36を一体に設け、前記カプリングナット40をボルトねじ部36に螺合して締め付け、外部コンタクト本体20,30の接合部同士を圧着して接合するようにした構成を有することにより、外部コンタクト本体20に設けた鈎状突起部46を複数個所に設けた弾性円筒部45を有するカプリングナット40を、他方の外部コンタクト本体30の外周部に前記鉤状突起部46が締め付け抵抗を伴ってクリック式に係合するクリック係合部50を有するボルトねじ部36に螺合することによって、鉤状突起部46がクリック係合部50を乗り越えてカチッという感覚を伴ってクリック式に係合し、締め付け終端部を感知させると同時に、雌雄接合部21,31の外部コンタクト本体20,30が弾性外周壁23の弾性膨出部27と嵌合穴32の結合内周壁33とで強固に密着して接合し、締め付け不十分や、締め付け過剰になるような無理な締め付けを防止することができる効果があると共に、鉤状突起部46とクリック係合部50の係合により、振動等により緩みが生じない強固な接合状態を維持することができ、手で充分に締め付け可能な1kgf・cm程度の締め付けトルクで信頼性の高い良好な結合状態を得ることができる効果がある。
【0044】
また、接合を解除するときには、ボルトねじ部に対してカプリングナットを解除方向に逆回転しようとするとき、カプリングナットとボルトねじ部との間に生じる強力なねじ推進力によって、鉤状突起部とクリック係合部の強固な接合状態も比較的容易に解除され、コネクタを容易に分離することができる効果がある。
【0045】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部の鉤状突起部が、鉤状突起縁部に向かって徐々に内径の狭まるテーパー内周面を有する構成を有することにより、カプリングナットをボルトねじ部に螺合して締め付け、カプリングナットの先端部の鉤状突起部がクリック係合部に当接するとき、クリック係合部に対して、鉤状突起部はテーパー内周面の内径の大きい部分から徐々に内径の小さい部分に摺動して行き、内径の最も狭い内周面を経てクリック係合部を乗り越えるから、締め付け抵抗に抗して滑らかに締め付けることができる効果があり、鉤状突起部がクリック係合部を円滑に乗り越えてクリック感覚を伴って係合すると共に、鉤状突起部の鉤状をテーパー角度分だけ鋭角的にし、係合を強固、確実にすることができる効果がある。
【0046】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、ボルトねじ部の基端部の外周に設けたクリック係合部に鉤状突起部が係合する係合突起部を設け、係合突起部に向かってボルトねじ部の基端部側から徐々に外径の拡がるテーパー外周面を有する構成を有することにより、カプリングナットをボルトねじ部に螺合して締め付けるとき、鉤状突起部がクリック係合部のテーパー内周面の内径の小さい部分から徐々に内径の大きい部分に円滑に摺動して行き、内径の最も大きい内周面を経て鉤状突起部がクリック係合部を乗り越えるから、締め付け抵抗に抗して滑らかに締め付けることができ、鉤状突起部がクリック係合部を円滑に乗り越えてクリック感覚を伴って係合すると共に、クリック係合部の係合角度をテーパー角度分だけ鋭角的にし、係合を強固、確実にすることができる効果がある。
【0047】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部を弾性部材で形成し、弾性部材に設けた鉤状突起部が弾性部材の弾性変形を伴ってクリック係合部に係合するようにした構成を有することにより、鉤状突起部がクリック係合部を円滑に乗り越え、且つ、クリック感覚を伴って係合させることができる効果がある。
【0048】
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項1乃至4に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部に複数個の鉤状突起部を等角度間隔に配設してなる構成を有することにより、等角度間隔に配設した複数個の鉤状突起部がカプリングナットの中心軸に対して均等の圧接力でクリック係合部に係合するから、安定した接合状態を得ることができる効果がある。また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部に弾性変形用のスリットを有する弾性円筒部を設け、弾性円筒部の内周壁に鉤状突起部を設けてなる構成を有することにより、弾性円筒部に設けた弾性変形用のスリットにより、弾性円筒部の弾性変形を容易にすると共に、スリットにより分割された個々の鉤状突起部を有する弾性円筒部片が個々にクリック接合部に弾性変形を伴って平滑に密着して接合することにより、コネクタ接合部に確実な電気的結合状態が得られる効果がある。
【0049】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項1乃至6に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、ボルトねじ部の基端部の外側に円周状のクリック係合部を設けてなる構成を有することにより、鉤状突起部がその円周角度位置に係わらず円周状に設けたクリック係合部に係合するから、任意の角度位置で螺合して締め付けても確実な接合状態を得ることができる効果がある。
【0050】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項1乃至7に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、一方の外部コンタクト本体の接合部に弾性外周壁を設け、該弾性外周壁が他方の外部コンタクト本体の結合内周壁に弾性変形を伴って接合する構成を有することにより、一方の外部コンタクト部本体の接合部に設けた弾性外周壁が、他方の外部コンタクト本体の結合内周壁に弾性変形を伴って密着して接合することにより、SMAコネクタ等に充分な電気的結合状態が得られるから、カプリングナットとボルトねじ部とのネジ結合と鉤状突起部とクリック結合部との結合と相まって、振動等により緩みが生じることがなくなり、トルク管理も不要にすることができる効果がある。
【0051】
また、本発明は、請求項9に記載のように、請求項8に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、弾性外周壁がその内側の芯材に対して円弧状に膨出する弾性膨出部を具備する構成を有することにより、弾性外周壁の内側の芯材に対して円弧状に膨出する弾性膨出部が、結合内周壁に弾性変形を伴って平滑に密着して接合するから、コネクタ接合に充分な電気的結合状態が得られる効果がある。
【0052】
また、本発明は、請求項10に記載のように、請求項8又は9に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、弾性外周壁の内側の芯材に、弾性外周壁を弾性変形可能にする細芯部を設けてなる構成を有することにより、弾性変形用の細芯部により弾性外周壁の変形が吸収されるから、弾性外周壁にそれだけ大きな弾性変形許容量を与えることができ、それだけ強固な電気的接合状態を得ることができる効果がある。
【0053】
また、本発明は、請求項11に記載のように、請求項8、9又は10に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、弾性外周壁に弾性変形用のスリットを設けてなる構成を有することにより、弾性外周壁に設けた弾性変形用のスリットにより、弾性外周壁の弾性変形を容易にすると共に、スリットにより分割された個々の弾性外周壁片が個々に結合内周壁に弾性変形を伴って平滑に密着して接合することにより、コネクタに充分な電気的結合状態を与えることができる効果がある。
【0054】
また、本発明は、請求項12に記載のように、請求項8乃至11に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、他方の外部コンタクト本体の結合内周壁に、弾性外周壁が嵌合する凹溝状の結合内周壁を設けてなる構成を有することにより、内周に設けた凹溝状の結合内周壁に、弾性外周壁が弾性変形を伴って嵌合することにより、接合状態をより確実で強固に維持することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の要部を一部縦断して示す一部縦断側面図。
【図2】 図1の一実施例の要部の一部を断面にして示す斜面図。
【図3】 図1の一実施例の斜面図。
【図4】 図1の一実施例の要部の一部縦断側面図。
【図5】 図1の一実施例の要部を一部分を拡大して示す一部拡大側面図。
【図6】 図1の実施例の要部を一部縦断して示す一部縦断側面図。
【図7】 図1の一実施例の要部を一部分を拡大して示す一部拡大側面図。
【図8】 図1の実施例の要部の斜面図。
【図9】 本発明の一実施例の要部を一部縦断して示す一部縦断側面図。
【図10】 図9の実施例の要部の斜面図。
【図11】 本発明の他の実施例の要部を一部縦断して示す一部縦断側面図。
【図12】 本発明の他の実施例の要部を一部縦断して示す一部縦断側面図。
【図13】 従来装置の一実施例の要部を一部分を縦断して示す一部縦断説明図。
【図14】 従来装置の一実施例の要部を一部分を縦断して示す一部縦断説明図。
【符号の説明】
1 雄接合部
2 カプリングナット
3 雌ネジ部
4 芯材
5 内部コンタクト部
6 外部コンタクト部
7 雌接合部
8 雄ネジ部
9 外部コンタクト部
10 段部
11 芯材
12 内部コンタクト部
20 外部コンタクト部本体
21 雄接合部
22 ガスケット
23 弾性外周壁
24 芯材
25 内部コンタクト部
26 基端胴部
27 弾性膨出部
28 スリット
29 細芯部
Claims (12)
- 一方の雄接合部21の外部コンタクト部本体20の先端部に弾性膨出部27を有する弾性外周壁23を一体に設け、他方の雌接合部31の外部コンタクト部本体30の内周に前記雄接合部21の弾性外周壁23の弾性膨出部27が弾性変形を伴って嵌合する結合内周壁33を有する嵌合穴32を一体に設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置において、一方の外部コンタクト本体20の先端部に鈎状突起部46を内周に沿って複数個所に設けた弾性円筒部45を有するカプリングナット40を一体に設けると共に、他方の外部コンタクト本体30の外周部に前記鉤状突起部46が締め付け抵抗を伴ってクリック式に係合するクリック係合部50を有するボルトねじ部36を一体に設け、前記カプリングナット40をボルトねじ部36に螺合して締め付け、外部コンタクト本体20,30の接合部同士を圧着して接合するようにしたSMAコネクタ等のコネクタ装置。
- 請求項1に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部の鉤状突起部が、鉤状突起縁部に向かって徐々に内径の狭まるテーパー内周面を有するSMAコネクタ等のコネクタ装置。
- 請求項1又は2に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、ボルトねじ部の基端部の外周に設けたクリック係合部に鉤状突起部が係合する係合突起部を設け、係合突起部に向かってボルトねじ部の基端部側から徐々に外径の拡がるテーパー外周面を有するSMAコネクタ等のコネクタ装置。
- 請求項1、2又は3に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部を弾性部材で形成し、弾性部材に設けた鉤状突起部が弾性部材の弾性変形を伴ってクリック係合部に係合するようにしたSMAコネクタ等のコネクタ装置。
- 請求項1乃至4に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部に複数個の鉤状突起部を等角度間隔に配設してなるSMAコネクタ等のコネクタ装置。
- 請求項1乃至5に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、カプリングナットの先端部に弾性変形用のスリットを有する弾性円筒部を設け、弾性円筒部の内周壁に鉤状突起部を設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置。
- 請求項1乃至6に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、ボルトねじ部の基端部の外側に円周状のクリック係合部を設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置。
- 請求項1乃至7に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、一方の外部コンタクト本体の接合部に弾性外周壁を設け、該弾性外周壁が他方の外部コンタクト本体の結合内周壁に弾性変形を伴って接合するSMAコネクタ等のコネクタ装置。
- >請求項8に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、弾性外周壁がその内側の芯材に対して円弧状に膨出する弾性膨出部を具備するSMAコネクタ等のコネクタ装置。
- 請求項8又は9に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、弾性外周壁の内側の芯材に、弾性外周壁を弾性変形可能にする細芯部を設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置。
- 請求項8、9又は10に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、弾性外周壁に弾性変形用のスリットを設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置。
- 請求項8乃至11に記載のSMAコネクタ等のコネクタ装置において、他方の外部コンタクト本体の結合内周壁に、弾性外周壁が嵌合する凹溝状の結合内周壁を設けてなるSMAコネクタ等のコネクタ装置。
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