JP3685579B2 - エンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニット - Google Patents

エンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン駆動の空調装置等の熱ポンプ装置における室外機ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、コンプレッサをエンジンで駆動するようにしたエンジン駆動熱ポンプ装置は空調装置等において一般に知られている。このエンジン駆動熱ポンプ装置は、空調装置に適用されるような場合に、1乃至複数の部屋に配設される室内機ユニットとこれに接続される室外機ユニットとで構成され、室外機ユニットに、コンプレッサ及びエンジンを含む動力部と、エンジンの燃料系、吸・排気系、冷却系及び潤滑系と、上記コンプレッサに連結される冷媒循環系の一部とが備えられている。
【0003】
ところで、上記エンジンの潤滑系としては、一般に、エンジンのオイルパンにオイルを貯留し、エンジン駆動により作動するポンプによってオイルを吸い上げてクランク軸やコンロッドの軸受等に給送しつつ再度オイルパンにオイルを戻すようにするとともに、オイルの消費に伴い、別に設けられたオイルタンクからポンプやバルブ等を介してオイルを供給するように潤滑系が構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような室外機ユニットの潤滑系では、オイルパンやオイルタンクの容量を大きくして、できるだけ多くのオイルを貯留できる方がメンテナンスサイクル等の点で有利である。
【0005】
しかし、この種の室外機ユニットにおいては、省スペース化がひとつの課題となっており、エンジンのオイルパンやオイルタンクの容量を大きくすることが難しい。従って、ユニット内にできるだけ多くのオイルを確保できるようにしながらも、室外機ユニットの大型化を抑えることができるような合理的な構成が望まれる。さらに、構造の簡略化及び部品点数の削減も望まれる。また、この場合、組立て性や清掃等のメンテナンス性をも向上させることができる方がより好ましい。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、多くの潤滑オイルをユニット内に確保するようにしながらも室外機の大型化を抑えることができるエンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニットを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コンプレッサ及びエンジンを含む動力部等を収納ケース内に納めたエンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニットにおいて、上記エンジンは、シリンダを略水平横方向となるように形成配置する一方、シリンダ端部に設けられるクランク室を下方に延ばすように形成して下部をオイルパンとすることにより先端部がシリンダヘッドとなり、上記シリンダが内部に形成されるシリンダブロックと、上記クランク室内部が内部に形成されるクランクケースとからなるエンジン本体がL字型に形成されてなり、前記オイルパン側方かつ上記シリンダブロック下方にオイルを貯留したオイルタンクを並置し、上記オイルパン及びオイルタンクを、それぞれに貯留されたオイルの液面の下方と上方とで相互に連通させた(請求項1)ものである。
【0008】
この構成によると、オイルパン及びオイルタンク内のオイルの液面レベルが均一となり、オイルパン内のオイルの消費に伴ってオイルタンクからオイルパンへ自然にオイルが供給される。そのため、従来のようにオイル補給のためのポンプやポンプを作動させるための機構、あるいは供給量を調整するための各種バルブ等が不要となり、エンジンの潤滑系の構成が簡素化される。
【0009】
さらに、シリンダを略水平横方向となるように形成配置することで、エンジン高さを低くでき、かつオイルパン側方かつシリンダブロックの下方空間を活用してオイルタンクを配置している。これにより収納ケースをコンパクトにでき、結果として室外機ユニットを小さくできる。
【0010】
この室外機ユニットにおいて、上記シリンダブロックの後方に、熱ポンプ装置の冷媒にエンジン廃熱を回収させるための循環冷却水に排ガスの熱を吸収させる排ガス熱交換器を配置するとともに、上記オイルタンクを、上記シリンダブロック下方から上記排ガス熱交換器の下方まで、前後方向に延長形成すること(請求項2)が望ましい。
【0011】
このようにすると、シリンダブロックの後方の空間を利用して排ガス熱交換器を配置することができ、かつオイルタンクを前後方向に長い形状とでき、大容量とすることができる。
【0012】
この室外機ユニットにおいては、さらに上記収納ケースの少なくとも前面を開放可能に構成するとともに、収納ケースの底面をケース背面側から前面側に向かって先下がりに形成すること(請求項3)が好ましい。
【0013】
このようにすると、エンジンやオイルタンクから漏れた水やオイルがユニット前側に流れ落ちるため、エンジン等の故障の早期発見に役立ち、また、ユニット前側で水やオイルを容易に捕集でき、オイル補給時等のオイルこぼれの清掃等を容易に行うことができる。特に、エンジン及びオイルタンクを収納ケースの底面近傍に配置し、収納ケースの底面にエンジン及びオイルタンクに対応する凹部を形成するようにすれば(請求項4)、エンジン及びオイルタンクの部分で漏れたオイル等が他の部品に付着したり、また、ケース内に広がることを防止することができる。
【0014】
また、室外機ユニットにおいては、上記オイルタンクの前側に、下方に延びてケース底面に沿うブラケットを設けるとともに、オイルタンクの後側に、後方に向かって突出する軸体を設け、この軸部を収納ケースの背面に形成された位置決め穴に嵌入した状態で上記ブラケットを収納ケースの底面に固定することによって上記オイルタンクを収納ケースに固定すること(請求項5)が好ましい。
【0015】
このようにすると、収納ケースへのオイルタンクの取り付けが簡単になり、また、取り付けに必要なボルト等の部品を減らすことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
図1及び図2は、本発明のエンジン駆動熱ポンプ装置の一例としての空調装置における室外機ユニットを示している。また、図3は、室外機ユニットの内部構成を示している。
【0018】
これらの図に示すように、室外機ユニットは、動力部収納ケース1とその上方に配置される補助ケース10とからなる枠組みを有しており、この枠組みに室外機ユニットの構成部品を組み込んだ構造となっている。
【0019】
上記動力部収納ケース1は、熱ポンプ装置のコンプレッサとこれを駆動するエンジンとを含む動力部を収納、保持するものであり、概略直方体の箱状とされている。本実施形態においては、このケース1の主要部をなすフレーム2が、少なくとも上下両面、一側面及び背面の4面の壁を一体に成形した鋳造品(アルミダイカスト)により構成され、このフレーム2に前面及び側面の開口部を覆うパネル及びカバー等がボルト等によって着脱可能に取付けられることにより上記動力部収納ケース1が構成されている。
【0020】
一方、上記補助ケース10は、略中央にファン配置用の空洞部12を備えた合成樹脂製の本体部分11を有しており、この本体部分11に正面カバー、天井カバーあるいはファンガード等の各種カバーがボルト等で着脱可能に取付けられる構成となっている。
【0021】
そして、上記動力部収納ケース1のフレーム2上に補助ケース10の本体部分11が設置、固定され、これらに対して各種パネル及びカバー類等が組付けられるとともに、その背面部に室外熱交換器17が取り付けられることにより室外機ユニットの枠組部分が構成されている。なお、これらの図では、便宜上、両ケース1,10のカバーやパネルを取外した状態で内部を示している。
【0022】
上記動力部収納ケース1には、熱ポンプ装置のコンプレッサ21と、これを駆動するエンジン22とを含む動力部が収納されている。当実施形態において上記エンジン22は水冷式ガスエンジンであり、このエンジン22のクランク軸22aとコンプレッサ21の回転軸とが駆動ベルト23を介して接続されるとともに、コンプレッサ21のハウジングがエンジン22のクランクケースに連結された状態で、これらエンジン22及びコンプレッサ21がマウント24及びマウントブラケット25を介してフレーム2の底面部上に設置されている。
【0023】
また、上記補助ケース10には、その上記空洞部12内に送風ファン30が配置されている。そして、エンジンの吸気系、燃料系、排気系、潤滑系及び冷却系と上記コンプレッサ21に連結される冷媒循環系の一部とが上記両ケース1,10にわたって配設されている。
【0024】
エンジンの吸気系は、エアクリーナ31と、このエアクリーナ31に外気を導入する吸気導入管32と、エアクリーナ31を通った空気をエンジンに導く吸気管33とを備えている。上記エアクリーナ31及び吸気導入管32は上記補助ケース10内に配置されている。また、吸気管33は、エアクリーナ31から下方に導出され、上記フレーム2の上面に設けられた窓穴(図示せず)を通って動力部収納ケース1内に延び、エンジン22のヘッド部に設置されたミキサー34に接続されている。そして、このミキサー34で空気と燃料が混合されて、その混合気がエンジン22に供給されるようになっている。なお、エアクリーナ31の下方には後記ブローバイガス導出管202に接続されるオイルセパレータ35が配置されている。
【0025】
エンジンの燃料系は、上記ミキサー34に接続された燃料供給管36を備え、この燃料供給管36がフレーム2の左側面部を通り抜けて外部の燃料ガス供給源(図示せず)に接続されている。この燃料供給管36に電磁弁37,38及び減圧調整のためのゼロガバナ39が介設されている。
【0026】
エンジンの排気系は、エンジン22に接合配置される排ガス熱交換器42から導出される排気管41を備え、この排気管41が、排ガス熱交換器42から上方へ延び、フレーム2の上面部に設けられた窓穴を通って補助ケース10内に達し、エアクリーナ31の上方に配置された排気サイレンサ43に接続されている。また、図4に示すように、エンジン22は、先端がシリンダヘッド22bとされ、水平方向に延びるシリンダ22cが内部に形成されるシリンダブロック22dと、シリンダ22cの端部から下方に延びるクランク室22eが内部に形成されるクランクケース22fとでエンジン本体が構成される。そして、クランク室22eの下部がオイルパン22gとされる。なお、シリンダヘッド22bには、図5に示すように排気弁22h、吸気弁22iが配置され、シリンダヘッド22bの上方にミキサー34が配置される。
【0027】
エンジンの潤滑系は、エンジン22のオイルパン22g内のオイルをエンジン各部に給送しつつ循環させる供給管及びポンプ等と、このオイルパン22gとは別にオイルを貯留するオイルタンク200を備え、このオイルタンク200がエンジン22の側方に配設されるとともにオイル流通管201を介してエンジン22に接続されている。これらオイルタンク200及びオイル流通管201等によりエンジンへのオイルの補給系統が構成されている。
【0028】
また、エンジンの冷却系は、水ポンプ51から吐出される冷却水をエンジン22に導く冷却水管50aを備え、この冷却水管50aが排ガス熱交換器42から水ポンプ52を経てエンジン22のウォータジャケット53の冷却水入口に接続されるとともに、ウォータジャケット53の冷却水出口からサーモスタット54を介して導出された冷却水管50bがリニア三方弁55に接続されている。さらに、上記リニア三方弁55から2本の冷却水管50c,50dが導出され、各冷却水管50c,50dがラジエータ56及び二重管熱交換器57にそれぞれ接続されるとともに、ラジエータ56及び二重管熱交換器57からそれぞれ導出された冷却水管50e,50fが合流して冷却水ポンプ51に接続されている。また、冷却水管50fには、リカバリタンク58及び加圧キャップ59が接続されている。
【0029】
上記水ポンプ52は上記フレーム2の背面側下部に設けられた水ポンプ室92内に配置され、水ポンプ51はフレーム2の左側面部2dの外側の小室内で、上記張出部2g上に配置されている。上記ラジエータ56は室外熱交換器17の前面側に装備され、上記送風ファン30の後方に配置されている。また、上記二重管熱交換器57、リカバリタンク58及び加圧キャップ59は補助ケース10の上部に配設されている。
【0030】
一方、上記コンプレッサ21に連結される冷媒循環系は、コンプレッサ21の吐出口にフレキシブルチューブ61aを介して上流端側が接続された吐出側冷媒管60aと、コンプレッサ21の吸入口にフレキシブルチューブ61bを介して下流端側が接続された吸入側冷媒管60bとを備え、吐出側冷媒管60aの下流端及び吸入側冷媒管60bの上流端が四方弁62に接続されている。また吐出側冷媒管60aにはオイルセパレータ63が介設され、吸入側冷媒管60bにはアキュムレータ64が介設されている。上記オイルセパレータ63及びアキュムレータ64は補助ケース10の左側方部に配置されている。
【0031】
上記四方弁62から冷媒管60c,60eが導出されている。冷媒管60cは、下方に延びて上記フレーム2の左側面部2dの外側の小室に達し、この小室内で、パックドバルブ65及びストレーナ66を経てその先で複数に分岐しており、各分岐管60dの先端にはフランジ67が設けられている。
【0032】
また、冷媒管60eは、二重管熱交換器57を経て室外熱交換器17に達し、さらに室外熱交換器17から導出された冷媒管60fが上記フレーム2の左側面部2dの外側の小室に達し、この小室内で、フィルタドライヤ68、サイトグラス69、パックドバルブ70を経て分岐部71に達しており、分岐部71から導出された分岐管60gには電子膨張弁72及びストレーナ73が介設され、各分岐管60gの先端にはフランジ74が設けられている。
【0033】
そして、図外の複数の室内熱交換器との接続用の配管が、上記各分岐管60d及び60gの各先端のフランジ67,74に着脱可能に接続されるようになっている。なお、図3中、符号94は、ワイヤーハーネス及び冷却水配管等を挿通させるためにフレーム2に設けられる配管類挿通部分である。
【0034】
次に、上記エンジンの潤滑系におけるオイルの補給系統の具体的な構成について図4〜図6を用いて説明する。
【0035】
上記オイルタンク200は、上記エンジン22のオイルパン22gの側方かつシリンダブロック22c下方に並べて配置され、動力部収納ケース1のフレーム2に固定されている。オイルタンク200及びオイルパン22gは、上記オイル流通管201を介してそれぞれ下部同士、具体的には貯留されるオイルの液面より下方の部分同士が接続されている。これによりオイルタンク200内のオイルがオイル流通管201を介していオイルパン22g内に導入され得るようになっている。
【0036】
また、エンジン22には、図4に示すようにクランクケース部分からブローバイガスを導出するブローバイガス導出管202が設けられ、このブローバイガス導出管202が上記オイルセパレータ35を経てエアクリーナ31に至っているとともに、オイルセパレータ35の近傍においてこのブローバイガス導出管202から分岐する戻し管203が設けられ、この戻し管203が上記オイルタンク200の上部に接続されている。そして、さらに、この戻し管203から分岐する均圧管204が設けられ、この均圧管204がエンジン22のオイルパン22gの上部、具体的には貯留されるオイルの液面より上方の部分に接続されている。
【0037】
すなわち、エアクリーナ31の負圧によりブローバイガスを吸引してオイルセパレータ35を通過させ、ここでオイルを分離して戻し管203を介してオイルタンク200に戻すように構成されるとともに、均圧管204を介してオイルタンク200内とオイルパン22g内の各上方空間を相互に連通して両者間の圧力差を無くし、オイルパン22g内のオイルとオイルタンク200内のオイルとの液面レベルを均一に保つようになっている。これによりオイルの消耗に伴いオイルタンク200内のオイルがオイル流通管201を介して速やかオイルパン22g内に導入されるようになっている。
【0038】
オイルタンク200の具体的な形状等は、本願で特に限定されるものではないが、本実施形態では、図5及び図6に示すように、オイルタンク200が前側上部にオイル吸入口207を備えた断面方形の細長形状とされている。詳しくは、オイルタンク200は、シリンダブロック22d及び排ガス熱交換器42の下方において、排ガス熱交換器42より後方及びシリンダブロック22dの前方の両方向に延びた、前後方向に長い形状をしている。排ガス熱交換器42は、後部上方が欠けたL字状をしており、欠けた部分に動力部収納ケース1の壁を介して室外熱交換器17が配置されている。これにより、室外熱交換ユニットの前後方向の大きさを小さくできる。
【0039】
オイルタンク200には、その前側下方にフレーム2の底面に沿うブラケット208が一体に形成されているとともに、背面側には後方に向かって突出する軸部209が一体に形成されている。そして、この軸部209がグロメット210を介してフレーム2の背面に形成された貫通穴2aに嵌入された状態で上記ブラケット208がボルトによりフレーム底面に一点で固定され、これによってオイルタンク200がフレーム2に固定されてる。なお、図5中、211はオイルタンク200内の液面レベルを検出するセンサで、このセンサ211の検出に基づいてエンジン22内のオイル量が間接的に検出されるようになっている。
【0040】
ここで、フレーム2の底面は、フレーム鋳造時の抜き勾配により図5に示すようにユニットの背面側から前面側に向かって先下がりに形成されるとともに、その幅方向中央部分に一定幅の凹部からなる液溜め部212が形成され、この液溜め部212内にオイルタンク200が取り付けられるとともに、この液溜め部212がエンジン22のオイルパン22g下方まで至っている。そして、同図に示すように動力部収納ケース1の正面パネル5が装着されると、正面パネル5に取り付けられたシール部材213がフレーム2の前面側に密接するようになっている。
【0041】
すなわち、動力部収納ケース1内で冷却水やオイルの漏が発生したときには、そのオイル等がフレーム2の底面に沿ってユニット前面側に集められる。特に、上記液溜め部212が設けられることにより、エンジン22に故障が生じた時、あるいは補給時にオイルがこぼれた場合などは、液溜め部212内にオイル等が集められてフレーム2の底面全体にオイル等が広がるのが防止されるようになっている。
【0042】
以上のような当実施形態の室外機ユニットによると、上述のようにエンジン22の潤滑系において、エンジン22でのオイルの消費に伴いオイルタンク200内のオイルが自然にオイルパン22g内に給送されるので、従来必要であったオイル給送のためのポンプやこのポンプを作動させるための機構、あるいはオイル供給量を調整するためのバルブ等が一切不要となる。そのため、従来のこの種の室外機ユニットに比べると、比較的オイルパン22gやオイルタンク200の容量を大きくしながらも、室外機ユニットをコンパクトに納めることができる。
【0043】
また、シリンダ22cを略水平横方向となるように形成配置することで、エンジン22高さを低くでき、しかも、オイルパン22g側方かつシリンダブロック22dの下方の空間を活用してオイルタンク200を配置しているので、フレーム2をコンパクトにでき、結果として室外機ユニットを小さくできる。
【0044】
さらに、上記シリンダブロック22dの後方に、循環冷却水に排ガスの熱を吸収させる排ガス熱交換器42を配置するとともに、上記オイルタンク200を上記シリンダブロック22d下方から上記排ガス熱交換器42の下方まで、前後方向に延長形成しているので、シリンダブロック22dの後方の空間を利用して排ガス熱交換器42を配置することができ、かつ、オイルタンク200を前後方向に長い形状とでき、大容量とすることができる。
【0045】
また、上記エンジン22の潤滑系では、オイルタンク200にブラケット208及び軸部209を一体に設け、軸部209をフレーム2の背面の貫通穴2aに嵌入し、ブラケット208をボルトでフレーム底面に固定することによってオイルタンク200をフレーム2に取り付けるようにしているため、オイルタンク200の取り付けを室外機ユニットの前面側から、しかも1本のボルトを締め付けるだけで行うことができる。そのため、エンジンの潤滑系の簡素化のみならず、組み付け性をも向上させることができるという特徴もある。
【0046】
さらに、上記室外機ユニットによると、上述のように動力部収納ケース1内で冷却水やオイルに漏れが生じると、漏れたオイル等がユニット前面側に集められるため、漏れたオイル等を容易に除去することができるとともに、室外機ユニットの故障等を速やかに検知することができるという特徴もある。従来では、定期的にメンテナンスを行っていても、オイル漏れ等が室外機ユニットの背面近傍等で発生すると、オイル漏れ等の発見が遅れることがあったが、上記の室外機ユニットによればこのような事態の発生を回避することが可能となる。
【0047】
なお、上記の構成では、オイル等がフレーム2の底面に沿って流れると正面パネル5によってオイルがユニット前面側にせき止められる構造となっているが、この場合、正面パネル5を取り外す際、フレームの前側下方に受け皿等を置いてオイルを回収すればよい。また、このような構造に代えて、例えば、フレーム2の先端部分にオイル等を溜める収容部分を一体に形成するようにしてもよい。
【0048】
また、上記の室外機ユニットでは、動力部収納ケース1のフレーム2を鋳造品によって構成しているが、必ずしも鋳造品である必要はない。但し、上記実施形態のようにフレーム2を鋳造品から構成するようにすれば、抜き勾配を利用してフレーム2の内部底面に傾斜面を形成することができるので、動力部収納ケースを合理的に製造することができるという利点がある。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のエンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニットは、エンジンのオイルパン側方にオイルを貯留したオイルタンクを並置し、オイルパン及びオイルタンクを、それぞれに貯留したオイルの液面の下方と上方とで相互に連通させることによりオイルパン及びオイルタンク内のオイルの液面レベルを均一にし、オイルの消費に伴ってオイルタンクからオイルパンへ自然にオイルを供給できるようにしたので、従来のようなオイル補給のためのポンプやポンプを作動させるための機構、あるいは供給量を調整するための各種バルブ等が不要となり、エンジンの潤滑系の構成を大幅に簡素化することができる。そのため、オイルパンやオイルタンクの容量を大きく設定しながらも、室外機ユニットをコンパクトに納めることができる。
【0050】
その上、シリンダを略水平横方向となるように形成配置することで、エンジン高さを低くでき、しかも、オイルパン側方かつシリンダブロックの下方の空間を活用してオイルタンクを配置しているので、収納ケースをコンパクトにでき、結果として室外機ユニットを小さくすることができる。
【0051】
特に、この室外機ユニットおいて、シリンダブロックの後方に、熱ポンプ装置の冷媒にエンジン廃熱を回収させるための循環冷却水に排ガスの熱を吸収させる排ガス熱交換器を配置するとともに、オイルタンクを、シリンダブロック下方から排ガス熱交換器の下方まで、前後方向に延長形成するようにすれば、シリンダブロックの後方の空間を利用して排ガス熱交換器を配置することができ、かつオイルタンクを前後方向に長い形状とでき、大容量とすることができる。
【0052】
また、収納ケースの少なくとも前面を開放可能に構成するとともに、収納ケースの底面をケース背面から前面に向かって先下がりに形成し、エンジンやオイルタンク等から漏れた水やオイルがユニットの前側に流れるようにすれば、エンジンの故障等を早期に発見することができ、また、オイル補給時等にオイルがこぼれた場合でも容易に清掃することができる。特に、エンジン及びオイルタンクを収納ケースの底面近傍に配置し、収納ケースにエンジン及びオイルタンクに対応して凹部を形成するようにすれば、エンジン及びオイルタンクの部分で漏れたオイル等が他の部品に付着したり、また、ケース内に広がることを防止することができる。
【0053】
さらに、上記オイルタンクの前側にケース底面に沿うブラケットを、また、後側に後方に延びる軸体を設け、この軸体を収納ケースの背面に形成された位置決め穴に嵌入した状態で上記ブラケットを収納ケースの底面に固定することによってオイルタンクを収納ケースに固定するようにすれば、収納ケースへのオイルタンクの取り付けが簡単になり、また、取り付けに必要なボルト等の部品を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニットの一例を示す正面図である。
【図2】同室外機ユニットの側面図である。
【図3】上記室外機ユニットの内部構成を示す説明図である。
【図4】同室外機ユニットに組み込まれるエンジンの潤滑系の一部を示す回路図である。
【図5】オイルタンクを動力部収納ケースに取り付けた状態を示す断面図である。
【図6】オイルタンクを動力部収納ケースに取り付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 動力部収納ケース
10 補助ケース
21 コンプレッサ
22 エンジン
22a クランク軸
22g オイルパン
200 オイルタンク
201 オイル流通管
202 ブローバイガス導出管
203 戻し管
204 均圧管

Claims (5)

  1. コンプレッサ及びエンジンを含む動力部等を収納ケース内に納めたエンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニットにおいて、上記エンジンは、シリンダを略水平横方向となるように形成配置する一方、シリンダ端部に設けられるクランク室を下方に延ばすように形成して下部をオイルパンとすることにより先端部がシリンダヘッドとなり、上記シリンダが内部に形成されるシリンダブロックと、上記クランク室内部が内部に形成されるクランクケースとからなるエンジン本体がL字型に形成されてなり、前記オイルパン側方かつ上記シリンダブロック下方にオイルを貯留したオイルタンクを並置し、上記オイルパン及びオイルタンクを、それぞれに貯留されたオイルの液面の下方と上方とで相互に連通させたことを特徴とするエンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニット。
  2. 上記シリンダブロックの後方に、熱ポンプ装置の冷媒にエンジン廃熱を回収させるための循環冷却水に排ガスの熱を吸収させる排ガス熱交換器を配置するとともに、上記オイルタンクを、上記シリンダブロック下方から上記排ガス熱交換器の下方まで、前後方向に延長形成したことを特徴とする請求項1記載のエンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニット。
  3. 上記収納ケースの少なくとも前面を開放可能に構成するとともに、収納ケースの底面をケース背面側から前面側に向かって先下がりに形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のエンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニット。
  4. 上記エンジン及びオイルタンクを上記収納ケースの底面近傍に配置し、上記収納ケースの底面にエンジン及びオイルタンクに対応する凹部を形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニット。
  5. 上記オイルタンクの前側に、下方に延びてケース底面に沿うブラケットを設けるとともに、オイルタンクの後側に、後方に向かって突出する軸体を設け、この軸体を収納ケースの背面に形成された位置決め穴に嵌入した状態で上記ブラケットを収納ケースの底面に固定することによって上記オイルタンクを収納ケースに固定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエンジン駆動熱ポンプ装置の室外機ユニット。
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