JP3685107B2 - Dvdプレーヤの音声ミュート回路及び同回路を備えたテレビジョン受像機 - Google Patents
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- H04N5/44—Receiver circuitry for the reception of television signals according to analogue transmission standards
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、DVDプレーヤの音声ミュート回路及び同回路を備えたテレビジョン受像機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤを内蔵したテレビジョン受像機がある。DVDプレーヤは、ディスクに傷があるときやFF、RF等の特殊再生時にテレビジョン受像機のスピーカ装置から音声出力を停止させるためのオーディオミュート(A−Mute)信号を発生するミュート機能を備えている。DVDプレーヤが発生したA−Mute信号は、テレビジョン受像機の音声ミュート回路に入力され、音声ミュート回路は、このA−Mute信号に基いてスピーカ装置に出力する音声出力をミュート制御する。
【0003】
図4は、音声ミュート回路の一例を示している。音声ミュート回路100は、スイッチング動作によりDVDプレーヤ5の音声ラインをグランド接続するNPN形のトランジスタQ1と、DVDプレーヤ5からA−Mute信号(ロー)の入力を受けトランジスタQ1の入力を制御するPNP形のトランジスタQ2を備えている。また、同音声ミュート回路100は、DVDプレーヤ5のミュート信号出力端子12から入力されるA−Mute信号を整流するダイオードDと、トランジスタQ2,Q1のベース電流を適正化するための抵抗R1,R2と、スピーカ端子11と、DVD音声ラインを通して音声出力端子11に出力する信号電流を適正化する抵抗R3と、コンデンサC1を備えている。トランジスタQ2のエミッタ端子にはプラスの電源電圧が印加されており、トランジスタQ2はDVDプレーヤ5からのA−Mute信号を受けスイッチング動作し、トランジスタQ1の入力を制御する。例えば、トランジスタQ2のスイッチング動作によりトランジスタQ1にベース電流が流れると、トランジスタQ1は導通し、DVDプレーヤ5の音声ラインをグランドに引き込み、DVDプレーヤ5の音声出力にミュートがかかる。
【0004】
上記の音声ミュート回路とは別の音声ミュート回路として、音声ミュート回路がオフの状態で入力される音声信号が負の範囲のとき、スピーカ装置と接地(グランド)との間に設けられたスィッチングトランジスタにベース電流が流れ込まないようにして、出力音声信号の歪を抑制した回路が知られている(例えば、特開平5−110358号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
DVDプレーヤを内蔵するテレビジョン受像機においては、テレビジョン及びAUX音声を出力するTV/AUX音声ラインとDVD音声ラインとを共用化することは、その回路構成を簡素化することができるので、装置の製造コストを低減する上で望ましい。しかしながら、図4に示した音声ミュート回路100において、DVD音声ラインとTV/AUX音声ラインを兼用し、ユーザによって選択された動作モードに応じて、コンデンサC1及び抵抗R1にDVD音声ライン信号又はTV/AUX音声ライン信号を入力するような構成とした場合、以下の問題が発生する。例えば、ユーザがテレビを視聴しているとき、すなわち、DVDプレーヤモードでないとき、又はDVDプレーヤ5がスタンバイ状態であるときに、DVDプレーヤ5からA−Mute信号(ロー)が出力されると、トランジスタQ2及びトランジスタQ1が順次オンし、スピーカ端子11はグランドに接続される。これにより、TV/AUXの音声出力にミュートがかかりテレビの音声が聞こえなくなる。
【0006】
そこで、ユーザがテレビを視聴中において、DVDプレーヤ5からA−Mute信号が出力された場合であっても、テレビの音声出力にミュートがかからないようにするためには、テレビ音声ラインを別途設けなければならない。この場合は、テレビ音声ラインとDVD音声ラインとを共用化することができず、回路構成が複雑になり、装置の製造コストを低減することができない。上述した特開平5−110358号公報に記載された音声ミュート回路を適用しても、この問題点は解決しない。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、テレビを視聴中にDVDプレーヤからミュート信号が出力されても、テレビの音声出力にミュートがかからないようにしたDVDプレーヤの音声ミュート回路を、簡素な回路構成により低コストで提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、テレビジョン受像機及びDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤの共用化された音声ラインとグランドとの間に接続されたスイッチング動作する第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子を導通させる第2のスイッチング素子とを備えたDVDプレーヤの音声ミュート回路において、第1のスイッチング素子の入力端子と第2のスイッチング素子の出力端子との間にスイッチング動作する第3のスイッチング素子が設けられると共に、この第3のスイッチング素子のスイッチング動作を制御する第4のスイッチング素子及び第5のスイッチング素子を備え、第4のスイッチング素子は、テレビジョン受像機を制御する制御手段からDVDプレーヤが動作中である信号を受けたとき第3のスイッチング素子を導通させ、それに伴いDVDプレーヤからの音声ミュート信号によって第2のスイッチング素子が導通状態となったとき第1のスイッチング素子を導通させて音声ミュートをかけ、第5のスイッチング素子は、制御手段からテレビジョン受像機のオーディオミュート信号を受けたとき、第3のスイッチング素子を導通させるものである。
【0009】
この構成においては、装置の製造コストを低減するために、テレビジョン受像機とDVDプレーヤの音声ラインを共用化しており、第1のスイッチング素子の導通により、音声ラインがグランドに接続され、音声ミュートがかかる。例えば、テレビジョン受像機がDVDモードであるとき、すなわち、DVDプレーヤが動作中であるときには、第4のスイッチング素子は導通し、第3のスイッチング素子を導通させる。従って、DVDプレーヤからのミュート信号によって第2のスイッチング素子がスイッチング動作し、もって第1のスイッチング素子の導通を制御し、音声ミュートをかけることができる。
【0010】
DVDプレーヤが動作中でなければ、第4のスイッチング素子の導通は絶たれ、第3のスイッチング素子は第5のスイッチング素子のスイッチング動作により制御される。例えば、ユーザがテレビを視聴しているときは、第5のスイッチング素子の導通は絶たれ、第3のスイッチング素子の導通も絶たれる。従ってこのとき、DVDプレーヤから第2のスイッチング素子にミュート信号が入力されたとしても、第1のスイッチング素子は導通することはなく、音声ミュートはかからない。そして、ユーザがテレビの音声出力をミュートする指令を制御手段に入力すると、制御手段はテレビジョン受像機のオーディオミュート信号を第5のスイッチング素子に出力し、これを受けた第5のスイッチング素子は、第3のスイッチング素子を導通させる。これにより、第2のスイッチング素子のスイッチング動作、すなわち、DVDプレーヤからのミュート信号の有無によって、第1のスイッチング素子は制御されるが、別途、テレビ音声出力に音声ミュートをかけることにより、DVDプレーヤからのミュート信号の有無に関わらずテレビの音声ミュートをかけることができる。
【0014】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載された音声ミュート回路を備えた受像機である。この構成においては、DVDプレーヤを内蔵したテレビジョン受像機の音声ミュート制御を、DVDプレーヤの動作状態に応じて適切に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態に係るDVDプレーヤの音声ミュート回路とそれを備えたテレビジョン受像機を図面を参照して説明する。図1はDVDプレーヤとその音声ミュート回路及びビデオカセットレコーダ(VCR)を備えたテレビジョン受像機のブロック構成を示している。テレビジョン受像機1は、チューナ部2と、AUX端子3と、VCR部4と、DVDプレーヤ5と、音声ミュート回路6と、TVマイコン7(制御部)と、スピーカ装置8と、画像表示部9と、操作装置10によって構成されている。チューナ部2は放送局から発信された放送信号をアンテナ2aを介して受信し、VCR部4に入力する。AUX端子3は、テレビジョン受像機1の外部から映像信号及び音声信号を取り込みVCR部4に入力する入力端子である。VCR部4は、装填されたビデオカセットにチューナ部2から入力された放送信号又はAUX端子3から入力された映像信号及び音声信号を記録したり、TVマイコン7にスルーして、TVマイコン7を介して画像表示部9及びスピーカ装置8に出力する。また、VCR部4は、DVDプレーヤ5が再生した映像信号や音声信号をビデオカセットに記録することもできる。DVDプレーヤ5は装填されたDVDを再生し、TVマイコン7を介して画像表示部9及びスピーカ装置8に出力する。
【0016】
音声ミュート回路6は、TVマイコン7とスピーカ装置8の間に設けられ、DVDプレーヤ5及びTVマイコン7から受けたミュート信号に基いて、音声出力にミュートをかける。TVマイコン7は、テレビジョン受像機1内の各ブロックの制御を司る。また、操作装置10は、ユーザがTVマイコン7に対してDVD再生指令等の各種指令を入力するための装置であり、主として、テレビジョン受像機1の外部から赤外線等を用いて指令を送出するリモコン操作装置が適用される。なお、VCR部4からTV/AUX音声を出力する音声ラインと、DVDプレーヤ5からDVD音声を出力する音声ラインは、単一の音声ラインによりTVマイコン7からスピーカ装置8に至る区間において共用化され、回路の簡素化とそれに伴うテレビジョン受像機1の製造コストの低減を図っている。
【0017】
図2は、音声ミュート回路6の回路図を示している。音声ミュート回路6は、スイッチング動作により、TV/AUXとDVDプレーヤ5の共用化された音声ラインをグランド接続するNPN形のトランジスタQ1(第1のスイッチング素子)と、DVDプレーヤ5のミュート信号出力端子12からA−Mute信号の入力(ロー)を受けトランジスタQ1の入力を制御するPNP形のトランジスタQ2(第2のスイッチング素子)を備えている。さらに、本音声ミュート回路6は、トランジスタQ1の入力端子とトランジスタQ2の出力端子との間にスイッチング動作するPNP形のトランジスタQ3(第3のスイッチング素子)と、このトランジスタQ3のスイッチング動作を制御するNPN形のトランジスタQ4(第4のスイッチング素子)と、NPN形のトランジスタQ5(第5のスイッチング素子)を備え、DVDプレーヤ5の動作状態を示す信号及びTVマイコン7から入力されるA−Mute信号に基いて音声ミュートをかけるようにしている。
【0018】
また、音声ミュート回路6は、ダイオードDと、抵抗R1,R2,R3と、コンデンサC1及び音声出力端子11に加えて、トランジスタQ3のエミッタ・ベース間電圧を付与するための抵抗R4と、トランジスタQ4のベース電流を適正化するための抵抗R5と、トランジスタQ4又はトランジスタQ5がオンのときトランジスタQ3のベース電流を適正化するための抵抗R6,R7と、トランジスタQ4,Q5が共にオフのときトランジスタQ3のベース電流を適正化する抵抗R8と、コンデンサC2と、TVマイコン7からDVDモード信号をトランジスタQ4に入力する入力端子13と、TVマイコン7からテレビのA−Mute信号をトランジスタQ5に入力する入力端子14とを備えている。また、トランジスタQ3のベース端子は、抵抗R8を介してTVマイコン7に接続され、テレビジョン受像機1の電源オン時に所定の電圧が印加される。
【0019】
次に、各トランジスタQ1〜Q5の動作とそれに伴う音声出力状態について、図3を参照しながら説明する。テレビジョン受像機1がDVDモードのとき、すなわち、DVDプレーヤ5が動作中のときには、TVマイコン7から入力端子13にDVDモード信号(ハイ)が入力され、トランジスタQ4がオンし、トランジスタQ3のベース電位が下がり、トランジスタQ3がオンする。このトランジスタQ3の導通によって、トランジスタQ2の出力端子とトランジスタQ1の入力端子が導通し、DVDプレーヤ5からのA−Mute信号によってトランジスタQ1の導通を制御することができる。例えば、DVDプレーヤ5がミュート時、すなわち、DVDプレーヤ5からのA−Mute信号がローになると、トランジスタQ2がオンし、トランジスタQ1にベース電流が流れ、トランジスタQ1がオンし、これにより音声ミュートがかかる。DVDプレーヤ5がミュートでないとき、すなわち、DVDプレーヤ5からのA−Mute信号がハイになると、トランジスタQ2がオフし、トランジスタQ1がオフし、これにより音声ミュートがかからずにDVD音声が出力される。
【0020】
一方、テレビジョン受像機1がTVモードであるとき、すなわち、DVDプレーヤ5が動作中でないときは、トランジスタQ4はオフとなり、トランジスタQ3はトランジスタQ5のスイッチング動作により制御される。例えば、ユーザがテレビを視聴しているときはトランジスタQ5はオフとなり、それに伴いトランジスタQ3もオフとなる。従って、DVDプレーヤ5からトランジスタQ2にA−Mute信号(ロー)が入力されたとしても、トランジスタQ1はオンすることなく、音声ミュートはかからない。そして、ユーザが操作装置10を介して、TV/AUXの音声出力をミュートする指令をTVマイコン7に入力すると、TVマイコン7はテレビジョン受像機1のA−Mute信号を入力端子14を介してトランジスタQ5に出力し、これを受けたトランジスタQ5はオンとなり、それに伴いトランジスタQ3もオンとなる。これにより、トランジスタQ1のスイッチング動作、すなわち、DVDプレーヤからのA−Mute信号の有無によって、トランジスタQ1は制御されるが、別途、TV/AUX音声出力に音声ミュートをかけることにより、DVDプレーヤ5からのA−Mute信号の有無に関わらずTV/AUXの音声ミュートをかけることができる。
【0021】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく種々の変形が可能であり、例えば、各スイッチング素子は、トランジスタに限られることなく、FET(Field Effect Transistor)等のスイッチング素子を適用してもよい。また、テレビジョン受像機1は、DVDプレーヤ5とその音声ミュート回路6及びVCR部4を備えた形態に限られることなく、DVDプレーヤ5とその音声ミュート回路6を備えたものであれば、本発明を適用することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、DVDプレーヤとテレビジョン受像機の音声ラインを共用化した場合であっても、DVDプレーヤが動作中でなく、テレビジョン受像機1のオーディオミュート信号を受けないときには、第3のスイッチング素子は導通状態とならず、DVDプレーヤからの音声ミュート信号に関わらず音声ミュートはかからない。従って、ユーザの操作に応じて適正な音声ミュート制御を可能とする音声ミュート回路を低コストで提供することができる。
【0025】
請求項2の発明によれば、DVDプレーヤを備えたテレビジョン受像機の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるテレビジョン受像機のブロック構成図。
【図2】 同テレビジョン受像機に内蔵される音声ミュート回路の回路図。
【図3】 同音声ミュート回路に実装されるトランジスタのスイッチング動作と、それに伴う音声出力状態を示した図。
【図4】 従来の音声ミュート回路の回路図。
【符号の説明】
1 テレビジョン受像機
5 DVDプレーヤ
6 音声ミュート回路
7 TVマイコン(制御部)
Q1 トランジスタ(第1のスイッチング素子)
Q2 トランジスタ(第2のスイッチング素子)
Q3 トランジスタ(第3のスイッチング素子)
Q4 トランジスタ(第4のスイッチング素子)
Q5 トランジスタ(第5のスイッチング素子)
Claims (2)
- テレビジョン受像機及びDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤの共用化された音声ラインとグランドとの間に接続されたスイッチング動作する第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子を導通させる第2のスイッチング素子とを備えたDVDプレーヤの音声ミュート回路において、
前記第1のスイッチング素子の入力端子と第2のスイッチング素子の出力端子との間にスイッチング動作する第3のスイッチング素子が設けられると共に、この第3のスイッチング素子のスイッチング動作を制御する第4のスイッチング素子及び第5のスイッチング素子を備え、
前記第4のスイッチング素子は、前記テレビジョン受像機を制御する制御手段から前記DVDプレーヤが動作中である信号を受けたとき前記第3のスイッチング素子を導通させ、それに伴いDVDプレーヤからの音声ミュート信号によって前記第2のスイッチング素子が導通状態となったとき前記第1のスイッチング素子を導通させて音声ミュートをかけ、
前記第5のスイッチング素子は、前記制御手段からテレビジョン受像機のオーディオミュート信号を受けたとき、前記第3のスイッチング素子を導通させるものであることを特徴とするDVDプレーヤの音声ミュート回路。 - 請求項1に記載された音声ミュート回路を備えたことを特徴とするテレビジョン受像機。
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