JP3684862B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等、用紙上に画像を形成する画像形成装置に係り、特に、複数種類の用紙を収容する複数の用紙収容トレイが積み重ねられたトレイユニットを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の用紙収容トレイが積み重ねられたトレイユニットを備えた画像形成装置としては、例えば特開平8−208051号公報に記載されているものが知られている。この公報に記載の画像形成装置は、画像形成装置の給紙部に設けられた給紙機構と、給紙部に着脱自在に装着された複合トレイとを備えている。給紙機構は、ピックアップローラ、フィードローラおよびリタードローラで構成され、複合トレイから用紙を抜き出して用紙搬送路に向けて送り出す。複合トレイは、トレイフレームと、このトレイフレームの底部に回動自在に支持された支持プレートと、この支持プレートに積み重ねられ、複数種類の用紙を収容する複数のトレイと、支持プレートを押し上げる押上アームと、複数のトレイを給紙方向およびその逆方向に移動させる駆動機構とを有している。
【0003】
このような画像形成装置により給紙動作を行う場合、駆動機構により複数のトレイを給紙方向に所定の位置まで移動させ、次いで押上アームにより支持プレートを回動させて複数の用紙収容トレイを押し上げ、トレイに収容された用紙をピックアップローラに当接させ、その後ピックアップローラおよびフィードローラを回転させて用紙を用紙搬送路に向けて送り出す。
【0004】
また、特開平10−55082号公報にも、上記とほぼ同じような画像形成装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。
【0006】
すなわち、上記従来の画像形成装置では、給紙動作を行っていないときには、複数のトレイは当該トレイに用紙を補給するための位置(用紙補給位置)にあるのが一般的である。そして、例えば用紙選択の操作ボタンが操作されると、複数のトレイは用紙補給位置から当該選択された用紙が給紙機構のピックアップローラに当接する位置(給紙位置)まで移動し、その後給紙動作が終了すると、複数のトレイが給紙位置から用紙補給位置に戻るようになっている。このように給紙動作を行うには、複数のトレイを用紙補給位置と給紙位置との間を移動させる必要があるため、用紙選択の操作ボタンが操作されてから給紙動作を行うまでにかなりの時間を要し、非常に生産性が悪い。
【0007】
本発明の目的は、給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量を少なくし、生産性を向上させることができる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、次のような構成を採用する。すなわち、画像形成部を有する装置本体と、この装置本体に対して出し入れ可能に設けられ、複数種類の用紙を収容する複数の用紙収容トレイが積み重ねられたトレイユニットとを備え、用紙上に画像を形成する画像形成装置において、用紙収容トレイに収容された用紙を画像形成部に送り出す給紙手段と、複数種類の用紙のいずれかを選択する用紙選択手段と、複数の用紙収容トレイを、当該用紙収容トレイに用紙を補給するための用紙補給位置と給紙手段が用紙を送り出すことのできる給紙位置との間を移動させる移動手段と、複数の用紙収容トレイに用紙があるかどうかを検出する用紙有無検出手段と、給紙手段及び移動手段を制御して給紙動作を実行する制御手段とを備え、制御手段は、用紙選択手段で用紙が選択される前に、複数の用紙収容トレイを、最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の第1の待機位置に予め移動させ、その第1の待機位置で待機させておくように移動手段を制御する第1の移動制御手段と、用紙選択手段で用紙が選択されると、複数の用紙収容トレイを、当該選択された用紙を収容する用紙収容トレイの給紙位置に移動させるように移動手段を制御する第2の移動制御手段と、用紙有無検出手段で複数の用紙収容トレイのいずれかに用紙が無くなったことが検出されると、複数の用紙収容トレイを、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の第2の待機位置に移動させ、その第2の待機位置で待機させておくように移動手段を制御する第3の移動制御手段とを有する構成とする。
【0009】
以上のように構成した本発明においては、第1の移動制御手段及び第2の移動制御手段を設けることにより、用紙選択手段で用紙が選択される前は、複数の用紙収容トレイは第1の待機位置で待機している状態にあり、用紙選択手段で用紙が選択されると、複数の用紙収容トレイが第1の待機位置から給紙位置に移動するため、給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量が従来に比べて少なくなる。また、第3の移動制御手段を設けることにより、複数の用紙収容トレイのいずれかに用紙が無くなったときは、複数の用紙収容トレイは第1の待機位置ではなく、用紙の有無情報に応じて設定された第2の待機位置で待機するようになる。このため、例えば最下段の用紙収容トレイに用紙が無くなったときは、第1の待機位置にあるときよりも最上段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離が短くなるため、その分給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量が少なくなり、また最上段の用紙収容トレイに用紙が無くなったときは、第1の待機位置にあるときよりも最下段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離が短くなるため、その分給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量が少なくなる。したがって、用紙選択手段で用紙が選択されてから給紙動作が開始されるまでの時間が短縮され、生産性が向上する。
【0010】
上記画像形成装置において、好ましくは、第3の移動制御手段は、用紙有無検出手段で用紙のある用紙収容トレイが少なくとも2つあると検出されたときは、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路のほぼ中間位置を第2の待機位置に設定し、用紙有無検出手段で用紙のある用紙収容トレイが1つと検出されたときは、当該用紙のある用紙収容トレイの給紙位置を第2の待機位置に設定する。
【0011】
これにより、用紙のある用紙収容トレイが少なくとも2つあるときは、そのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離と最上段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離がほぼ同じになるため、用紙収容トレイの移動時間がほぼ平均化される。また、用紙のある用紙収容トレイが1つのときは、給紙動作を行うために用紙収容トレイを移動させなくてすむ。
【0012】
また、上記画像形成装置において、好ましくは、第1待機位置の設定を指示する待機位置設定指示手段をさらに備え、第1の移動制御手段は、待機位置設定指示手段で第1の待機位置の設定が指示されると、用紙有無検出手段の検出結果に基づいて、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の任意の位置を第1の待機位置に設定する。
【0013】
これにより、例えば最初から最下段の用紙収容トレイに用紙が無い場合は、第1の待機位置から最上段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離が短くなるため、その分給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量がさらに少なくなり、最初から最上段の用紙収容トレイに用紙が無い場合は、第1の待機位置から最下段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離が短くなるため、その分給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量がさらに少なくなる。
【0014】
さらに、上記画像形成装置において、好ましくは、複数の用紙収容トレイを用紙補給位置に戻すことを指示するトレイ戻し指示手段をさらに備え、第3の移動制御手段は、用紙有無検出手段で複数の用紙収容トレイのいずれかに用紙が無くなったことが検出されてから所定時間経過前に、トレイ戻し指示手段で複数の用紙収容トレイを用紙補給位置に戻すことが指示されないときに、複数の用紙収容トレイを第2の待機位置に移動させるように移動手段を制御し、所定時間経過前に用紙補給位置に戻すことが指示されたときは、複数の用紙収容トレイを当該用紙補給位置に移動させるように移動手段を制御する。
【0015】
これにより、選択手段で選択した用紙が無くなった場合に、複数の用紙収容トレイを用紙補給位置に戻して無くなった用紙を補給し、引き続き選択した用紙の給紙を行うか、あるいは他の用紙を選択して給紙を行うかを、ユーザー自身が選択することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の画像形成装置である複写機を示す概略構成図である。同図において、この複写機は、上面にコピーガラス1aが設けられた装置本体1と、この装置本体1の上部にコピーガラス1aを開閉自在に覆うように設置され、載置部(図示せず)に置かれた原稿を自動的にコピーガラス1a上に搬送する自動原稿搬送装置2と、装置本体1に出し入れ可能に設けられ、用紙を収容する複数(ここでは3つ)の給紙トレイユニット10,10a,10bとを備えている。
【0018】
装置本体1は、自動原稿搬送装置2によりコピーガラス1a上に搬送された移動原稿またはコピーガラス1a上に載置された固定原稿の画像を読み取って画像信号に変換する原稿読取部3と、この原稿読取部3からの画像信号に基づいて用紙上に可視像を形成する画像形成部4と、この画像形成部4に対して用紙を供給する給紙部5とを有している。
【0019】
画像形成部4は、帯電装置(図示せず)により帯電され、露光装置14からのレーザビームにより露光されることによって静電潜像を形成する感光体ドラム6と、この感光体ドラム6上に形成された静電潜像をトナー等の現像剤で画像として可視化すなわち現像する現像装置7と、この現像装置7により現像された画像を給紙部5から送られてきた用紙に転写する転写装置8と、この転写装置8により用紙に転写された画像を当該用紙に定着させて排出口13に送り出す定着装置9とを有している。
【0020】
給紙部5は、給紙トレイユニット10,10a,10bに対応して設けられた給紙装置11,11a,11bと、この給紙装置11,11a,11bから送り出された用紙を画像形成部4に搬送するための複数の搬送ロール12とを有している。ここで、給紙トレイユニット10は複数種類の用紙を収容することができるいわゆる複合トレイユニットであり、給紙トレイユニット10a,10bは所定のサイズの用紙のみを収容する一般的なトレイユニットである。なお、1点鎖線Rは給紙装置11,11a,11bから送り出された用紙の搬送路である。
【0021】
次に、本発明の主要部分である複合トレイユニット10およびこれに対応した給紙装置11について説明する。
【0022】
図2は、給紙装置(給紙手段)11の構成を含む複合トレイユニット10内の側面図であり、図3は、複合トレイユニット10内の上面図である。同図において、複合トレイユニット10は、装置本体1に対して出し入れ可能なトレイフレーム21を有し、このトレイフレーム21には、支持プレート23が給紙装置11と反対側の端部(以下、後端部という)に設けられたヒンジ部材22を介して回動自在に支持されている。また、トレイフレーム21の中央部には押上アーム25が回動自在に取り付けられ、この押上アーム25はトレイリフトモータ26の回転により回動し、支持プレート23の給紙装置11側の端部(以下、前端部という)を押し上げる。
【0023】
なお、支持プレート23を押し上げる手段としては、これ以外にも、例えば支持プレート23にクランプされたタイミングベルトと、このタイミングベルトを駆動するモータとを設け、タイミングベルトの上下動に連動して支持プレート23も上下動させるようにしてもよい。
【0024】
支持プレート23上には、3つの用紙収容トレイT1,T2,T3が下から順に積み重ねられており、最下段の用紙収容トレイT1に最も大きなサイズの用紙が収容され、最上段の用紙収容トレイT3に最も小さなサイズの用紙が収容されるようになっている。用紙収容トレイT1〜T3は、用紙を収容するための収容部28と、この収容部28の両側に位置する支持部29,29とからなり、収容部28には用紙の収容位置を決めるための3つのガイド部材30が取り付けられている。
【0025】
ここでは、3つのガイド部材30で位置決めを行ういわゆるセンタレジ方式としているが、収容部28の一側板と2つのガイド部材30で位置決めを行ういわゆるサイドレジ方式としてもよい。また、収容部28を支持部29,29に対して後端部を中心に回動可能な構成とし、用紙収容トレイT1,T2の収容部28に用紙を入れやすくすることもできる。
【0026】
なお、上記の支持プレート23、ヒンジ部材22、押上アーム25及びトレイリフトモータ26は、用紙収容トレイT1〜T3を高さ方向に移動させる移動手段を構成するものである。
【0027】
また、支持部29には、用紙収容トレイT1〜T3を給紙装置11の位置する方向(以下、給紙方向という)およびその逆方向(以下、反給紙方向という)に移動させる移動手段としての駆動機構が設けられている。以下、この駆動機構の詳細を図3及び図4により説明する。
【0028】
図4は、用紙収容トレイT1〜T3の支持部29の断面図である。同図において、用紙収容トレイT1の支持部29(支持部29a)の後端部には長孔31が形成され、この長孔31内にはカム40が軸32によって支持部29aに対して回動自在に配置されている。カム40の先端部には、下方に突出する半円状の駆動部40aおよび上方に突出する略矩形状の係合部40bが形成されている。また、支持プレート23にはカム面41aを有する長孔41が形成されており、この長孔41にカム40の駆動部40aが入り込めるようになっている。
【0029】
支持部29aの中央部には前後方向(図4で見て左右方向)に延びるカム溝34が形成されており、このカム溝34は、第1溝部34aと、この第1溝部34aから給紙方向に延び、第1溝部34aよりも深い第2溝部34bとで構成されている。また、支持部29aの前端部には前後方向に延びるガイド溝35が形成されている。
【0030】
用紙収容トレイT2の支持部29(支持部29b)の中央部には長孔36が形成され、この長孔36内にはカム42が軸37によって支持部29bに対して回動自在に配置されている。このカム42は、上記カム40とほぼ同じ形状の駆動部42aおよび係合部42bを有し、駆動部42aはカム溝34の第1溝部34aに前後方向に摺動可能に収容されている。また、長孔36の後端部には段部36aが形成され、この段部36aにカム40の係合部40bが収容されている。また、支持部29bの先端部には、上記ガイド溝35と同じガイド溝38が形成されるとともに、下方に突出し、ガイド溝35を摺動するスライド部43が形成されている。
【0031】
用紙収容トレイT3の支持部29(支持部29c)の先端部には、上記カム42の係合部42bを収容する溝39が形成されるとともに、下方に突出し、ガイド溝38を摺動するスライド部44が形成されている。
【0032】
また、図3に示すように、用紙収容トレイT3の支持部29の両側部にはラック46がそれぞれ取り付けられており、ラック46にはピニオン47が噛み合わせられ、このピニオン47はトレイシフトモータ48により回転するようになっている。
【0033】
ここで、用紙収容トレイT1〜T3が図4に示すような位置にある状態において、トレイシフトモータ48を一方向へ回転させると、その回転がピニオン47を介してラック46に伝達され、用紙収容トレイT3が給紙方向(前方)へ移動する。このとき、用紙収容トレイT1〜T3はそれぞれカム40,42によって係合させられているため、用紙収容トレイT1,T2は用紙収容トレイT3とともに給紙方向へ移動する。そして、用紙収容トレイT1のカム40が支持プレート23の長孔41に達すると、カム40が回動してその駆動部40aが長孔41に入り込み、これにより用紙収容トレイT1はそれ以上給紙方向へ移動しなくなる。このようにカム40が回動した結果、カム40の係合部40bが上側の用紙収容トレイT2の溝36から抜け出し、これにより用紙収容トレイT2と用紙収容トレイT1との係合状態が解除され、用紙収容トレイT2の支持部29bは用紙収容トレイT1の支持部29a上を摺動する。このとき、用紙収容トレイT2のスライダ部43は用紙収容トレイT1のガイド溝35内を摺動し、用紙収容トレイT2のカム42は用紙収容トレイT1のカム溝34の第1溝部34aを摺動する。そして、カム42がカム溝34の第2溝部34bに達すると、カム42が回動して駆動部42aが第2溝部34bに入り込み、その先端側壁部に当接すると、用紙収容トレイT2はそれ以上給紙方向へ移動しなくなる。その後、トレイシフトモータ48をオフにすると、用紙収容トレイT3が停止する。
【0034】
また、複合トレイユニット10は、図2および図3に示すように、第1トレイ位置センサ51と、第2トレイ位置センサ52と、第1トレイレベルセンサ53とを有している。第1トレイ位置センサ51は、用紙収容トレイT3が後述する用紙補給位置に相当する位置にあるかどうかを検出するセンサであり、第2トレイ位置センサ52は、用紙収容トレイT3が後述する通常待機位置及び用紙収容トレイT2の給紙位置に相当する位置にあるかどうかを検出するセンサである。
【0035】
これら位置センサ51,52は、互いに向き合う光送信部および光受信部を有し、光送信部から照射された光が光受信部で受光されるかどうかによって用紙収容トレイT3の位置を検出するフォトセンサであり、用紙収容トレイT1〜T3の一側面側に配置されたガイド部29gに所定の間隔を隔てて設けられている。ここで、用紙収容トレイT3が用紙補給位置(後述)に相当する位置にあるときは、用紙収容トレイT3の側面後端部に取り付けられた検出用片29hが第1トレイ位置センサ51の光送信部から照射された光を遮り、これにより光受信部で光を受光できなくなる。
【0036】
第1トレイレベルセンサ53は、支持プレート23の先端部が押し上げらていない最低レベルにあるかどうかを検出するセンサであり、上記のようなフォトセンサが用いられる。
【0037】
給紙装置11は、図2に示すように、複合トレイユニット10の用紙収容トレイT1〜T3に収容された用紙に当接(圧接)して当該用紙を順次送り出すピックアップロール15と、このピックアップロール15からの用紙を重送を防止しながら送り出すフィードローラ16aおよびリタードローラ16bと、ピックアップロール15およびフィードローラ16aを駆動する給紙モータ17とを有している。フィードローラ16aと対をなすリタードローラ16bは、フィードローラ16aの回転により連れ回る。ここで、ピックアップロール15は、ソレノイド等により用紙に対して当接/離隔できるようにすることもできる。
【0038】
また、給紙装置11は、第2トレイレベルセンサ54と、用紙有無センサ55と、用紙通過センサ56とを有している。第2トレイレベルセンサ54は、用紙収容トレイT1〜T3がピックアップロール15で用紙を送り出すことができる高さ位置(以下、給紙位置という)にあるかどうかを検出するセンサである。用紙有無センサ55は、用紙収容トレイT1〜T3が上記給紙位置にあるときに、当該用紙収容トレイT1〜T3に用紙があるかどうかを検出するセンサである。用紙通過センサ56は、フィードローラ16aおよびリタードローラ16bの下流側に設けられ、給紙装置11により送り出された用紙が通過したかどうかを検出するセンサである。なお、これらのセンサ54〜56も、上述したようなフォトセンサが用いられる。
【0039】
また、図3に示すように、複合トレイユニット10の前面部には、用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すためのトレイ戻しボタン61が設けられている。ここで、用紙補給位置とは、用紙補給のために設定されている位置のことであり、本実施形態では図2に示すように用紙収容トレイT1〜T3の全てが支持プレート23に対して最も後端部側にある位置とする。
【0040】
また、装置本体1における複合トレイユニット10の挿入部には、複合トレイユニット10が装置本体1に差し込まれたかどうかを検出するトレイ挿入センサ57が設けられている。
【0041】
また、本実施形態の複写機は、図5に示すように、上述した構成の他に、用紙選択ボタン62、枚数設定ボタン63、給紙開始ボタン64、リセットスイッチ65等の入力指示手段と、装置本体1の上面部に設けられた表示部71と、電源スイッチ66がオンすることにより作動するCPU80と、後述するフローチャートで示す処理プログラムが書き込まれたROM81と、CPU80による演算処理中にデータを一時的に記憶するRAM82とを備えている。ここで、CPU80、ROM81、RAM82は、複合トレイユニット10のトレイシフトモータ48、トレイリフトモータ26及び給紙装置11の給紙モータ17を制御して給紙動作を実行する制御手段を構成するものである。
【0042】
用紙選択ボタン62は給紙する用紙を選択するための入力ボタンであり、枚数設定ボタン63は用紙選択ボタン62で選択された用紙の給紙枚数を設定するための入力ボタンであり、給紙開始ボタン64は用紙選択ボタン62で選択された用紙の給紙開始を指示するための入力ボタンであり、これらの入力ボタン62〜64は装置本体1の上面部に設けられている。また、リセットスイッチ65は、例えばメンテナンス終了後にCPU80をリセットすることを指示するためのスイッチである。
【0043】
CPU80は、上記のセンサ51〜57、入力ボタン61〜64、リセットスイッチ65、電源スイッチ66からの信号を入力し、ROM81に書き込まれた処理プログラムを実行し、トレイシフトモータ48、トレイリフトモータ26及び給紙モータ17に制御信号を出力すると共に、表示部71に表示信号を出力する。以下、このCPU80による制御処理の詳細を説明する。
【0044】
まず、図6に用紙収容トレイT1〜T3の基本的な位置及び用紙収容トレイT1〜T3の移動経路を示す。同図において、(a)は用紙補給位置を示しており、この位置では第1トレイシフトセンサ51及び第1トレイレベルセンサ53がオンになり、第2トレイシフトセンサ52及び第2トレイレベルセンサ54がオフになる。
【0045】
(b)は用紙収容トレイT1の給紙位置を示し、(c)は用紙収容トレイT2の給紙位置を示し、(d)は用紙収容トレイT3の給紙位置を示している。用紙収容トレイT2の給紙位置では、第2トレイシフトセンサ52及び第2トレイレベルセンサ54がオンになり、第1トレイシフトセンサ51及び第1トレイレベルセンサ53がオフになる。また、用紙収容トレイT1及びT3の給紙位置では、第2トレイレベルセンサ54がオンになり、第1トレイシフトセンサ51、第2トレイシフトセンサ52及び第1トレイレベルセンサ53がオフになる。なお、図6においては、上記給紙位置にある状態で用紙収容トレイT1〜T3全体が持ち上がっているが、実際には押上アーム25により用紙収容トレイT1〜T3の前端部だけが持ち上がって傾いた状態になる。
【0046】
(e)は通常待機位置を示している。ここで、通常待機位置とは、図7(a)に示すように用紙収容トレイT1,T2が支持プレート23に対して最も前方側にありかつ用紙収容トレイT3が用紙収容トレイT2に対して最も後方側にある位置であり、用紙収容トレイT1の給紙位置との用紙収容トレイT3の給紙位置との間の移動経路のほぼ中間位置である。この位置では第2トレイシフトセンサ52及び第1トレイレベルセンサ53がオンになり、第1トレイシフトセンサ51及び第2トレイレベルセンサ54がオフになる。
【0047】
(f)は用紙収容トレイT1のシフト位置を示し、(g)は用紙収容トレイT3のシフト位置を示している。ここで、シフト位置とは、通常待機位置と給紙位置との間で、トレイシフトモータ48による制御とトレイリフトモータ26による制御を切り換える位置であり、(e)の通常待機位置は用紙収容トレイT2のシフト位置を兼ねている。これら(f),(g)の位置では第1トレイレベルセンサ53がオンになり、第1トレイシフトセンサ51、第2トレイシフトセンサ52及び第2トレイレベルセンサ54がオフになる。
【0048】
(h)は第1変更待機位置を示し、(i)は第2変更待機位置を示している。ここで、第1変更待機位置とは、図7(b)に示すような用紙収容トレイT2,T3が通常待機位置と用紙収容トレイT1のシフト位置とのほぼ中間にある位置であり、第2変更待機位置とは、図7(c)に示すような用紙収容トレイT3が通常待機位置と用紙収容トレイT3のシフト位置とのほぼ中間にある位置である。これらの位置では第1トレイレベルセンサ53がオンになり、第1トレイシフトセンサ51、第2トレイシフトセンサ52及び第2トレイレベルセンサ54がオフになる。
【0049】
次に、CPU80の処理手順を図8〜図11のフローチャートにより説明する。図8は、電源スイッチ66がオンされた時や、リセットスイッチ65でリセットされた時のイニシャライズ処理手順を示すフローチャートである。同図において、まず電源オンまたはリセットされると、RAM82の記憶データ等各種変数を初期化する(ステップ100)。
【0050】
続いて、用紙収容トレイT1〜T3が図6のどの位置にあるかにかかわらず、当該用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ101)。このとき、通常待機位置に達したかどうかは、第2トレイシフトセンサ52及び第1トレイレベルセンサ53がオン状態になったかどうかで判断する。
【0051】
続いて、用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置から用紙収容トレイT3の給紙位置に移動させるための制御信号を、トレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ102)。このとき、まず用紙収容トレイT3を前方に所定パルス分移動させ、続いて用紙収容トレイT1〜T3を上方に移動させる。そして、第2トレイレベルセンサ54がオン状態になったときに、用紙収容トレイT3の給紙位置に達したと判断する。
【0052】
続いて、用紙有無センサ55からの信号に基づいて用紙収容トレイT3に用紙があるかどうかを判断し(ステップ103)、用紙収容トレイT3に用紙がないと判断されると、RAM82のトレイT3用メモリM3にノーペーパー情報を登録する(ステップ104)。
【0053】
続いて、用紙収容トレイT1〜T3を用紙収容トレイT3の給紙位置から用紙収容トレイT2の給紙位置に移動させるための制御信号を、トレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ105)。このとき、まず用紙収容トレイT1〜T3をわずかに下方に移動させ、続いて用紙収容トレイT3を後方に所定パルス分移動させ、続いて用紙収容トレイT1〜T3を上方に移動させる。そして、第2トレイシフトセンサ52及び第2トレイレベルセンサ54がオン状態になったときに、用紙収容トレイT2の給紙位置に達したと判断する。
【0054】
続いて、用紙有無センサ55からの信号に基づいて用紙収容トレイT2に用紙があるかどうかを判断し(ステップ106)、用紙収容トレイT2に用紙がないと判断されると、RAM82のトレイT2用メモリM2にノーペーパー情報を登録する(ステップ107)。
【0055】
続いて、用紙収容トレイT1〜T3を用紙収容トレイT2の給紙位置から用紙収容トレイT1の給紙位置に移動させるための制御信号を、トレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ108)。このとき、まず用紙収容トレイT1〜T3をわずかに下方に移動させ、続いて用紙収容トレイT2,T3を後方に所定パルス分移動させ、続いて用紙収容トレイT1〜T3を上方に移動させる。そして、第2トレイレベルセンサ54のみがオン状態になったときに、用紙収容トレイT1の給紙位置に達したと判断する。
【0056】
続いて、用紙有無センサ55からの信号に基づいて用紙収容トレイT1に用紙があるかどうかを判断し(ステップ109)、用紙収容トレイT1に用紙がないと判断されると、RAM82のトレイT1用メモリM1にノーペーパー情報を登録する(ステップ110)。続いて、RAM82のメモリM1〜M3の各情報を読み込み(ステップ111)、その後トレイ移動制御処理を実行する(ステップ112)。
【0057】
このステップ112のトレイ移動制御処理を図9に示す。同図において、まずメモリM1〜M3の全てにノーペーパー情報が登録されていないかどうかを判断し(ステップ131)、登録されていないと判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力し(ステップ132)、その後給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0058】
ステップ131でメモリM1〜M3のいずれかにノーペーパー情報が登録されていると判断されたときは、メモリM3のみにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ133)、メモリM3のみに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を第1変更待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ134)。このとき、まず用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させ、その後用紙収容トレイT2,T3を後方に所定パルス分移動させる。そして、給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0059】
ステップ133でメモリM3のみにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM2のみにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ135)、メモリM2のみに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力し(ステップ136)、その後給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0060】
ステップ135でメモリM2のみにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM1のみにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ137)、メモリM1のみに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を第2変更待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ138)。このとき、まず用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させ、その後用紙収容トレイT3を前方に所定パルス分移動させる。そして、給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0061】
ステップ137でメモリM1のみにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM2,M3の2つにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ139)、メモリM2,M3の2つに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を用紙収容トレイT1の給紙位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ140)。このとき、用紙収容トレイT1〜T3が用紙収容トレイT1の給紙位置にあるときは、用紙収容トレイT1〜T3は停止したままとなる。その後、給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0062】
ステップ139でM2,M3の2つにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM1,M3の2つにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ141)、メモリM1,M3の2つに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を用紙収容トレイT2の給紙位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力し(ステップ142)、その後給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0063】
ステップ141でメモリM1,M3の2つにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM1,M2の2つにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ143)、メモリM1,M2の2つに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を用紙収容トレイT3の給紙位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力し(ステップ144)、その後給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0064】
ステップ143でメモリM1,M2の2つにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM1〜M3の全てにノーペーパー情報が登録されているということで、用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ146)。このとき、用紙補給位置に達したかどうかは、第1トレイシフトセンサ51及び第1トレイレベルセンサ53がオン状態になったかどうかで判断する。
【0065】
その後、複合トレイユニット10を装置本体1から引き出し、無くなった用紙を用紙収容トレイに補給してから、再び複合トレイユニット10を装置本体1に挿入すると、トレイ挿入センサ57によりそのことが検出され、この時には用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する。
【0066】
図9に示すステップ145の給紙処理を図10に示す。同図において、用紙収容トレイT1〜T3は、通常待機位置、第1及び第2変更待機位置、用紙収容トレイT1〜T3の給紙位置のいずれか(第1の待機位置)で待機されている状態となっている。
【0067】
まず、用紙選択ボタン62で給紙する用紙が選択されたかどうかを判断し(ステップ161)、用紙が選択されたと判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を第1の待機位置から選択された用紙を収容する用紙収容トレイの給紙位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48およびトレイリフトモータ26に出力する(ステップ162)。
【0068】
続いて、用紙有無センサ55からの信号に基づいて用紙選択ボタン62で選択された用紙が用紙収容トレイにあるかどうかを判断し(ステップ163)、用紙があると判断されると、給紙開始ボタン64で給紙開始が指示されたかどうかを判断する(ステップ165)。このとき、給紙開始が指示されたと判断されると、用紙選択ボタン62で選択された用紙を送り出すための制御信号を給紙モータ17に出力する(ステップ166)。これにより給紙動作が実行される。
【0069】
一方、ステップ163で用紙選択ボタン62で選択された用紙が用紙収容トレイに無いと判断されたときは、表示部71に”用紙無し”を表示させる(ステップ167)。続いて、CPU80に内蔵されているタイマに基づいて、用紙選択ボタン62で選択された用紙が用紙収容トレイに無いことが検出されてから所定時間経過前に、トレイ戻しボタン61で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことが指示されたかどうかを判断する(ステップ168)。このとき、用紙補給位置に戻すことが指示されたと判断されたときは、用紙収容トレイT1〜T3を給紙位置から用紙補給位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48およびトレイリフトモータ26に出力する(ステップ169)。
【0070】
一方、ステップ168で所定時間経過前に用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことが指示されなかったと判断されたときは、メモリM1〜M3のうち用紙の無い用紙収容トレイに対応するメモリにノーペーパー情報を登録する(ステップ171)。そして、RAM82のメモリM1〜M3の各情報を読み込み(ステップ172)、図9に示すトレイ移動制御処理を実行する(ステップ173)。これにより、用紙収容トレイT1〜T3は、最新のメモリM1〜M3の情報に応じた位置(第2の待機位置)に移動して待機することになる。
【0071】
次に、図10に示すステップ166により実行された給紙動作中の処理を図11に示す。同図において、用紙通過センサ56からの信号およびCPU80に内蔵されているタイマに基づいて枚数設定ボタン63で設定された枚数の給紙が終了したかどうかを判断し(ステップ181)、給紙が終了したと判断されると、RAM82のメモリM1〜M3の各情報を読み込み(ステップ182)、図9に示すトレイ移動制御処理を実行する(ステップ183)。このとき、メモリM1〜M3の情報に変更はないため、用紙収容トレイT1〜T3は第1の待機位置に戻り待機することになる。
【0072】
一方、ステップ181で設定枚数の給紙が終了していないと判断されたときは、用紙有無センサ55からの信号に基づいて用紙収容トレイに用紙が無くなったかどうかを判断し(ステップ184)、用紙が無くなったと判断されると、表示部71に”用紙無し”を表示させる(ステップ185)。
【0073】
続いて、CPU80に内蔵されているタイマに基づいて、用紙選択ボタン62で選択された用紙が用紙収容トレイに無いことが検出されてから所定時間経過前に、トレイ戻しボタン61で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すのが指示されたかどうかを判断する(ステップ186)。このとき、用紙補給位置に戻すことが指示されたと判断されたときは、用紙収容トレイT1〜T3を給紙位置から用紙補給位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48およびトレイリフトモータ26に出力する(ステップ187)。
【0074】
一方、ステップ186で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことが指示されなかったと判断されたときは、メモリM1〜M3のうち用紙の無い用紙収容トレイに対応するメモリにノーペーパー情報を登録する(ステップ189)。そして、RAM82のメモリM1〜M3の各情報を読み込み(ステップ182)、図9に示すトレイ移動制御処理を実行する(ステップ183)。これにより、用紙収容トレイT1〜T3は、最新のメモリM1〜M3の情報に応じた第2の待機位置に移動して待機することになる。
【0075】
以上において、図8に示すイニシャライズ処理、図9に示すトレイ移動制御処理のステップ131〜144は、用紙選択手段62で用紙が選択される前に、複数の用紙収容トレイT1〜T3を、最下段の用紙収容トレイT1の給紙位置と最上段の用紙収容トレイT3の給紙位置との間の移動経路上の第1の待機位置に予め移動させ、その第1の待機位置で待機させておくように移動手段48,26を制御する第1の移動制御手段を構成する。また、図10に示す給紙処理のステップ161,162は、用紙選択手段62で用紙が選択されると、複数の用紙収容トレイT1〜T3を、当該選択された用紙を収容する用紙収容トレイの給紙位置に移動させるように移動手段48,26を制御する第2の移動制御手段を構成する。さらに、図10に示す給紙処理のステップ163,167〜169,171〜173(ステップ173は、図9に示すトレイ移動制御処理のステップ131〜144)は、用紙有無検出手段55で複数の用紙収容トレイT1〜T3のいずれかに用紙が無くなったことが検出されると、複数の用紙収容トレイT1〜T3を、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の第2の待機位置に移動させ、その第2の待機位置で待機させておくように移動手段48,26を制御する第3の移動制御手段を構成する。
【0076】
また、電源スイッチ66及びリセットスイッチ65は第1の待機位置の設定を指示する待機位置設定指示手段を構成し、トレイ戻しボタン61は複数の用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことを指示するトレイ戻し指示手段を構成する。
【0077】
次に、以上のように構成した本実施形態の動作の一例を説明する。ここでは、用紙収容トレイT1〜T3の全てに用紙がある状態で用紙収容トレイT1の用紙の給紙動作を行い、その給紙動作中に当該用紙が無くなってしまう場合について説明する。なお、用紙収容トレイT1〜T3は用紙補給位置にあり、電源スイッチ66がオフになっているものとする。
【0078】
まず、複合トレイユニット10が装置本体1に挿入された状態で電源スイッチ66をオンにすると、図8に示すイニシャライズ動作が行われる。つまり、用紙収容トレイT1〜T3が用紙補給位置から図6の経路P1〜P8を通って用紙収容トレイT1〜T3の給紙位置に順番に移動し、各給紙位置にて用紙有無センサ55で用紙があるかどうか検出される。そして、用紙収容トレイT1〜T3はその検出結果に応じた第1の待機位置に移動する。ここでは、用紙収容トレイT1〜T3の全てに用紙があるため、用紙収容トレイT1〜T3は図6の経路P9,P2,P3を通って通常待機位置に移動する。
【0079】
続いて、用紙選択ボタン62で用紙収容トレイT1の用紙を選択するとともに、枚数設定ボタン63で給紙枚数を設定する。すると、図10のステップ161,162により用紙収容トレイT1〜T3は図6の経路P10〜P12を通って用紙収容トレイT1の給紙位置に移動する。
【0080】
続いて、給紙開始ボタン64で給紙開始を指示する。すると、図10のステップ165,166により給紙動作が開始され、用紙収容トレイT1の用紙が給紙装置11から画像形成部4に向かって送り出される。
【0081】
この給紙動作中に用紙収容トレイT1の用紙が無くなると、図11のステップ184,185により表示部71に”用紙無し”が表示される。このとき、ユーザーはこの表示を見て用紙を補給したいと思ったときは、トレイ戻しボタン61で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことを指示する。すると、図12のステップ186,187により用紙収容トレイT1〜T3は図6の経路P9,P13を通って用紙補給位置に移動する。
【0082】
そして、ユーザーは複合トレイユニット10を装置本体1から引き出して用紙収容トレイT1に用紙を補給し、再度複合トレイユニット10を装置本体1に挿入すると、用紙収容トレイT1〜T3は通常待機位置に移動する。その後、用紙選択ボタン62で用紙収容トレイT1の用紙を選択するとともに、枚数設定ボタン63で給紙枚数を設定すると、上記と同様の手順により再び用紙収容トレイT1の用紙の給紙動作が行われる。
【0083】
一方、ユーザーが表示部71の”用紙無し”の表示を見て、用紙収容トレイT1の用紙の代わりに用紙収容トレイT2の用紙を給紙しようと思ったときは、トレイ戻しボタン61を操作しない。このときは、用紙収容トレイT1の用紙が無くなったことにより、図11のステップ186,189,182,183により用紙収容トレイT1〜T3は図6の経路P9,P2〜P4を通って第2変更待機位置(第2の待機位置)に移動する。
【0084】
そして、用紙選択ボタン62で用紙収容トレイT2の用紙を選択するとともに、枚数設定ボタン63で給紙枚数を設定すると、図10のステップ161,162により用紙収容トレイT1〜T3は図6の経路P14,P15を通って用紙収容トレイT2の給紙位置に移動する。その後、給紙開始ボタン64で給紙開始を指示することによって、用紙収容トレイT2の用紙の給紙動作が行われる。
【0085】
以上のように構成した本実施形態にあっては、給紙動作を行っていないときは、用紙収容トレイT1〜T3を第1の待機位置で待機させておき、用紙選択ボタン62で用紙が選択されると、用紙収容トレイT1〜T3を第1の待機位置から選択した用紙を収容する用紙収容トレイの給紙位置に移動させるようにしたので、給紙動作を実行させるための用紙収容トレイT1〜T3の移動量が従来に比べて少なくなり、用紙選択ボタン62で用紙が選択されてから給紙動作が開始されるまでの時間が短縮され、これにより生産性が向上する。
【0086】
このとき、用紙収容トレイT1のみに用紙がないときは、用紙収容トレイT1〜T3を第2変更待機位置で待機させておくため、用紙収容トレイT3の用紙が選択されたときは、通常待機位置で待機させておく場合に比べて用紙収容トレイT1〜T3の移動量が少なくて済む。また、用紙収容トレイT3のみに用紙がないときは、用紙収容トレイT1〜T3を第1変更待機位置で待機させておくため、用紙収容トレイT1の用紙が選択されたときは、通常待機位置で待機させておく場合に比べて用紙収容トレイT1〜T3の移動量が少なくて済む。
【0087】
また、用紙のある用紙収容トレイが1つのときは、その用紙収容トレイの給紙位置で待機させておくので、給紙動作を行うために用紙収容トレイT1〜T3を移動させなくて済む。
【0088】
さらに、用紙収容トレイT1〜T3のいずれかに用紙が無くなった場合、トレイ戻しボタン61で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことが指示されたときは、用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻し、そうでないときは用紙収容トレイT1〜T3を第2の待機位置に移動させ、その第2の待機位置で待機させるようにしたので、無くなった用紙を用紙収容トレイに補給して当該用紙の給紙を引き続き行うか、あるいは別の用紙を給紙するようにするかを、ユーザー自身が選択することができる。
【0089】
このとき、用紙収容トレイT1〜T3を第2の待機位置に移動させる場合、用紙収容トレイT1のみに用紙がないときは、用紙収容トレイT1〜T3を第2変更待機位置で移動させ、用紙収容トレイT3のみに用紙がないときは、用紙収容トレイT1〜T3を第1変更待機位置で移動させるので、上述したように用紙収容トレイT1またはT3の用紙が選択されたときに、用紙収容トレイT1〜T3の移動量が少なくて済む。また、用紙のある用紙収容トレイが1つのときは、その用紙収容トレイの給紙位置に移動させるので、上述したように用紙収容トレイT1〜T3を移動させる必要がない。
【0090】
なお、以上説明してきた本実施形態においては、用紙収容トレイT1〜T3のいずれかに用紙が無くなった場合、所定時間経過前にトレイ戻しボタン61で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことが指示されたときは、用紙収容トレイT1〜T3を給紙位置から用紙補給位置に戻すものとしたが、特にこれに限らず、常に用紙収容トレイT1〜T3を第2の待機位置に移動させるようにしてもよい。
【0091】
また、用紙収容トレイT1のみに用紙がないときは用紙収容トレイT1〜T3を第2変更待機位置に移動させ、用紙収容トレイT2のみに用紙がないときは通常待機位置に移動させ、用紙収容トレイT3のみに用紙がないときは第1変更待機位置に移動させるものとしたが、第1及び第2の待機位置は特にこれに限らず、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の任意の位置であればよい。
【0092】
さらに、電源投入時やリセット時には、用紙収容トレイT1〜T3に用紙があるかどうかを検出し、その結果に応じて第1の待機位置を設定するものとしたが、電源投入時やリセット時には必ず用紙があるのであれば、第1の待機位置は通常待機位置に固定してもよい。
【0093】
その他、本発明は、上記以外にも、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。また、本発明は、上述した複写機に限らず、プリンタ等の画像形成装置にも適用できる。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、用紙選択手段で用紙が選択される前には、複数の用紙収容トレイを第1の待機位置で待機させておくようにしたので、給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量が少なくなる。また、複数の用紙収容トレイのいずれかに用紙が無くなったときは、その用紙の有無情報に応じた第2の待機位置で複数の用紙収容トレイを待機させておくようにしたので、最上段または最下段の用紙が選択されたときには、給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量がより少なくなる。以上により、用紙選択手段で用紙を選択してから給紙動作が開始されるまでの時間を短縮することができ、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による画像形成装置(複写機)を示す概略構成図である。
【図2】 図1に示す複合トレイユニット内の側面図及び給紙装置の概略構成図である。
【図3】 図1に示す複合トレイユニット内の上面図である。
【図4】 図3に示す用紙収容トレイの支持部の断面図である。
【図5】 図2に示す複合トレイユニット及び給紙装置の制御系を示す構成図である。
【図6】 図2に示す用紙収納トレイの基本的な位置関係及び移動経路を示す図である。
【図7】 図2に示す用紙収納トレイが通常待機位置、第1変更待機位置、第2変更待機位置にあるときの状態を示す図である。
【図8】 図5に示すCPUによるイニシャライズ処理を示すフローチャートである。
【図9】 図8に示すトレイ移動制御処理を示すフローチャートである。
【図10】 図9に示す給紙処理を示すフローチャートである。
【図11】 図10に示す給紙処理の続きを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…装置本体、4…画像形成部、10…複合トレイユニット、11…給紙装置、17…給紙モータ、25…押上アーム(移動手段)、26…トレイリフトモータ(移動手段)28…収容部、29…支持部(移動手段)、48…トレイシフトモータ(移動手段)、55…用紙有無センサ(用紙有無検出手段)、61…トレイ戻しボタン(トレイ戻し指示手段)、62…用紙選択ボタン(用紙選択手段)、65…リセットスイッチ(待機位置設定指示手段)、66…電源スイッチ(待機位置設定指示手段)、80…CPU(制御手段)、81…ROM(制御手段)、82…RAM(制御手段)、T1〜T3…用紙収容トレイ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等、用紙上に画像を形成する画像形成装置に係り、特に、複数種類の用紙を収容する複数の用紙収容トレイが積み重ねられたトレイユニットを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の用紙収容トレイが積み重ねられたトレイユニットを備えた画像形成装置としては、例えば特開平8−208051号公報に記載されているものが知られている。この公報に記載の画像形成装置は、画像形成装置の給紙部に設けられた給紙機構と、給紙部に着脱自在に装着された複合トレイとを備えている。給紙機構は、ピックアップローラ、フィードローラおよびリタードローラで構成され、複合トレイから用紙を抜き出して用紙搬送路に向けて送り出す。複合トレイは、トレイフレームと、このトレイフレームの底部に回動自在に支持された支持プレートと、この支持プレートに積み重ねられ、複数種類の用紙を収容する複数のトレイと、支持プレートを押し上げる押上アームと、複数のトレイを給紙方向およびその逆方向に移動させる駆動機構とを有している。
【0003】
このような画像形成装置により給紙動作を行う場合、駆動機構により複数のトレイを給紙方向に所定の位置まで移動させ、次いで押上アームにより支持プレートを回動させて複数の用紙収容トレイを押し上げ、トレイに収容された用紙をピックアップローラに当接させ、その後ピックアップローラおよびフィードローラを回転させて用紙を用紙搬送路に向けて送り出す。
【0004】
また、特開平10−55082号公報にも、上記とほぼ同じような画像形成装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。
【0006】
すなわち、上記従来の画像形成装置では、給紙動作を行っていないときには、複数のトレイは当該トレイに用紙を補給するための位置(用紙補給位置)にあるのが一般的である。そして、例えば用紙選択の操作ボタンが操作されると、複数のトレイは用紙補給位置から当該選択された用紙が給紙機構のピックアップローラに当接する位置(給紙位置)まで移動し、その後給紙動作が終了すると、複数のトレイが給紙位置から用紙補給位置に戻るようになっている。このように給紙動作を行うには、複数のトレイを用紙補給位置と給紙位置との間を移動させる必要があるため、用紙選択の操作ボタンが操作されてから給紙動作を行うまでにかなりの時間を要し、非常に生産性が悪い。
【0007】
本発明の目的は、給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量を少なくし、生産性を向上させることができる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、次のような構成を採用する。すなわち、画像形成部を有する装置本体と、この装置本体に対して出し入れ可能に設けられ、複数種類の用紙を収容する複数の用紙収容トレイが積み重ねられたトレイユニットとを備え、用紙上に画像を形成する画像形成装置において、用紙収容トレイに収容された用紙を画像形成部に送り出す給紙手段と、複数種類の用紙のいずれかを選択する用紙選択手段と、複数の用紙収容トレイを、当該用紙収容トレイに用紙を補給するための用紙補給位置と給紙手段が用紙を送り出すことのできる給紙位置との間を移動させる移動手段と、複数の用紙収容トレイに用紙があるかどうかを検出する用紙有無検出手段と、給紙手段及び移動手段を制御して給紙動作を実行する制御手段とを備え、制御手段は、用紙選択手段で用紙が選択される前に、複数の用紙収容トレイを、最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の第1の待機位置に予め移動させ、その第1の待機位置で待機させておくように移動手段を制御する第1の移動制御手段と、用紙選択手段で用紙が選択されると、複数の用紙収容トレイを、当該選択された用紙を収容する用紙収容トレイの給紙位置に移動させるように移動手段を制御する第2の移動制御手段と、用紙有無検出手段で複数の用紙収容トレイのいずれかに用紙が無くなったことが検出されると、複数の用紙収容トレイを、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の第2の待機位置に移動させ、その第2の待機位置で待機させておくように移動手段を制御する第3の移動制御手段とを有する構成とする。
【0009】
以上のように構成した本発明においては、第1の移動制御手段及び第2の移動制御手段を設けることにより、用紙選択手段で用紙が選択される前は、複数の用紙収容トレイは第1の待機位置で待機している状態にあり、用紙選択手段で用紙が選択されると、複数の用紙収容トレイが第1の待機位置から給紙位置に移動するため、給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量が従来に比べて少なくなる。また、第3の移動制御手段を設けることにより、複数の用紙収容トレイのいずれかに用紙が無くなったときは、複数の用紙収容トレイは第1の待機位置ではなく、用紙の有無情報に応じて設定された第2の待機位置で待機するようになる。このため、例えば最下段の用紙収容トレイに用紙が無くなったときは、第1の待機位置にあるときよりも最上段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離が短くなるため、その分給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量が少なくなり、また最上段の用紙収容トレイに用紙が無くなったときは、第1の待機位置にあるときよりも最下段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離が短くなるため、その分給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量が少なくなる。したがって、用紙選択手段で用紙が選択されてから給紙動作が開始されるまでの時間が短縮され、生産性が向上する。
【0010】
上記画像形成装置において、好ましくは、第3の移動制御手段は、用紙有無検出手段で用紙のある用紙収容トレイが少なくとも2つあると検出されたときは、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路のほぼ中間位置を第2の待機位置に設定し、用紙有無検出手段で用紙のある用紙収容トレイが1つと検出されたときは、当該用紙のある用紙収容トレイの給紙位置を第2の待機位置に設定する。
【0011】
これにより、用紙のある用紙収容トレイが少なくとも2つあるときは、そのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離と最上段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離がほぼ同じになるため、用紙収容トレイの移動時間がほぼ平均化される。また、用紙のある用紙収容トレイが1つのときは、給紙動作を行うために用紙収容トレイを移動させなくてすむ。
【0012】
また、上記画像形成装置において、好ましくは、第1待機位置の設定を指示する待機位置設定指示手段をさらに備え、第1の移動制御手段は、待機位置設定指示手段で第1の待機位置の設定が指示されると、用紙有無検出手段の検出結果に基づいて、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の任意の位置を第1の待機位置に設定する。
【0013】
これにより、例えば最初から最下段の用紙収容トレイに用紙が無い場合は、第1の待機位置から最上段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離が短くなるため、その分給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量がさらに少なくなり、最初から最上段の用紙収容トレイに用紙が無い場合は、第1の待機位置から最下段の用紙収容トレイの給紙位置までの移動距離が短くなるため、その分給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量がさらに少なくなる。
【0014】
さらに、上記画像形成装置において、好ましくは、複数の用紙収容トレイを用紙補給位置に戻すことを指示するトレイ戻し指示手段をさらに備え、第3の移動制御手段は、用紙有無検出手段で複数の用紙収容トレイのいずれかに用紙が無くなったことが検出されてから所定時間経過前に、トレイ戻し指示手段で複数の用紙収容トレイを用紙補給位置に戻すことが指示されないときに、複数の用紙収容トレイを第2の待機位置に移動させるように移動手段を制御し、所定時間経過前に用紙補給位置に戻すことが指示されたときは、複数の用紙収容トレイを当該用紙補給位置に移動させるように移動手段を制御する。
【0015】
これにより、選択手段で選択した用紙が無くなった場合に、複数の用紙収容トレイを用紙補給位置に戻して無くなった用紙を補給し、引き続き選択した用紙の給紙を行うか、あるいは他の用紙を選択して給紙を行うかを、ユーザー自身が選択することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の画像形成装置である複写機を示す概略構成図である。同図において、この複写機は、上面にコピーガラス1aが設けられた装置本体1と、この装置本体1の上部にコピーガラス1aを開閉自在に覆うように設置され、載置部(図示せず)に置かれた原稿を自動的にコピーガラス1a上に搬送する自動原稿搬送装置2と、装置本体1に出し入れ可能に設けられ、用紙を収容する複数(ここでは3つ)の給紙トレイユニット10,10a,10bとを備えている。
【0018】
装置本体1は、自動原稿搬送装置2によりコピーガラス1a上に搬送された移動原稿またはコピーガラス1a上に載置された固定原稿の画像を読み取って画像信号に変換する原稿読取部3と、この原稿読取部3からの画像信号に基づいて用紙上に可視像を形成する画像形成部4と、この画像形成部4に対して用紙を供給する給紙部5とを有している。
【0019】
画像形成部4は、帯電装置(図示せず)により帯電され、露光装置14からのレーザビームにより露光されることによって静電潜像を形成する感光体ドラム6と、この感光体ドラム6上に形成された静電潜像をトナー等の現像剤で画像として可視化すなわち現像する現像装置7と、この現像装置7により現像された画像を給紙部5から送られてきた用紙に転写する転写装置8と、この転写装置8により用紙に転写された画像を当該用紙に定着させて排出口13に送り出す定着装置9とを有している。
【0020】
給紙部5は、給紙トレイユニット10,10a,10bに対応して設けられた給紙装置11,11a,11bと、この給紙装置11,11a,11bから送り出された用紙を画像形成部4に搬送するための複数の搬送ロール12とを有している。ここで、給紙トレイユニット10は複数種類の用紙を収容することができるいわゆる複合トレイユニットであり、給紙トレイユニット10a,10bは所定のサイズの用紙のみを収容する一般的なトレイユニットである。なお、1点鎖線Rは給紙装置11,11a,11bから送り出された用紙の搬送路である。
【0021】
次に、本発明の主要部分である複合トレイユニット10およびこれに対応した給紙装置11について説明する。
【0022】
図2は、給紙装置(給紙手段)11の構成を含む複合トレイユニット10内の側面図であり、図3は、複合トレイユニット10内の上面図である。同図において、複合トレイユニット10は、装置本体1に対して出し入れ可能なトレイフレーム21を有し、このトレイフレーム21には、支持プレート23が給紙装置11と反対側の端部(以下、後端部という)に設けられたヒンジ部材22を介して回動自在に支持されている。また、トレイフレーム21の中央部には押上アーム25が回動自在に取り付けられ、この押上アーム25はトレイリフトモータ26の回転により回動し、支持プレート23の給紙装置11側の端部(以下、前端部という)を押し上げる。
【0023】
なお、支持プレート23を押し上げる手段としては、これ以外にも、例えば支持プレート23にクランプされたタイミングベルトと、このタイミングベルトを駆動するモータとを設け、タイミングベルトの上下動に連動して支持プレート23も上下動させるようにしてもよい。
【0024】
支持プレート23上には、3つの用紙収容トレイT1,T2,T3が下から順に積み重ねられており、最下段の用紙収容トレイT1に最も大きなサイズの用紙が収容され、最上段の用紙収容トレイT3に最も小さなサイズの用紙が収容されるようになっている。用紙収容トレイT1〜T3は、用紙を収容するための収容部28と、この収容部28の両側に位置する支持部29,29とからなり、収容部28には用紙の収容位置を決めるための3つのガイド部材30が取り付けられている。
【0025】
ここでは、3つのガイド部材30で位置決めを行ういわゆるセンタレジ方式としているが、収容部28の一側板と2つのガイド部材30で位置決めを行ういわゆるサイドレジ方式としてもよい。また、収容部28を支持部29,29に対して後端部を中心に回動可能な構成とし、用紙収容トレイT1,T2の収容部28に用紙を入れやすくすることもできる。
【0026】
なお、上記の支持プレート23、ヒンジ部材22、押上アーム25及びトレイリフトモータ26は、用紙収容トレイT1〜T3を高さ方向に移動させる移動手段を構成するものである。
【0027】
また、支持部29には、用紙収容トレイT1〜T3を給紙装置11の位置する方向(以下、給紙方向という)およびその逆方向(以下、反給紙方向という)に移動させる移動手段としての駆動機構が設けられている。以下、この駆動機構の詳細を図3及び図4により説明する。
【0028】
図4は、用紙収容トレイT1〜T3の支持部29の断面図である。同図において、用紙収容トレイT1の支持部29(支持部29a)の後端部には長孔31が形成され、この長孔31内にはカム40が軸32によって支持部29aに対して回動自在に配置されている。カム40の先端部には、下方に突出する半円状の駆動部40aおよび上方に突出する略矩形状の係合部40bが形成されている。また、支持プレート23にはカム面41aを有する長孔41が形成されており、この長孔41にカム40の駆動部40aが入り込めるようになっている。
【0029】
支持部29aの中央部には前後方向(図4で見て左右方向)に延びるカム溝34が形成されており、このカム溝34は、第1溝部34aと、この第1溝部34aから給紙方向に延び、第1溝部34aよりも深い第2溝部34bとで構成されている。また、支持部29aの前端部には前後方向に延びるガイド溝35が形成されている。
【0030】
用紙収容トレイT2の支持部29(支持部29b)の中央部には長孔36が形成され、この長孔36内にはカム42が軸37によって支持部29bに対して回動自在に配置されている。このカム42は、上記カム40とほぼ同じ形状の駆動部42aおよび係合部42bを有し、駆動部42aはカム溝34の第1溝部34aに前後方向に摺動可能に収容されている。また、長孔36の後端部には段部36aが形成され、この段部36aにカム40の係合部40bが収容されている。また、支持部29bの先端部には、上記ガイド溝35と同じガイド溝38が形成されるとともに、下方に突出し、ガイド溝35を摺動するスライド部43が形成されている。
【0031】
用紙収容トレイT3の支持部29(支持部29c)の先端部には、上記カム42の係合部42bを収容する溝39が形成されるとともに、下方に突出し、ガイド溝38を摺動するスライド部44が形成されている。
【0032】
また、図3に示すように、用紙収容トレイT3の支持部29の両側部にはラック46がそれぞれ取り付けられており、ラック46にはピニオン47が噛み合わせられ、このピニオン47はトレイシフトモータ48により回転するようになっている。
【0033】
ここで、用紙収容トレイT1〜T3が図4に示すような位置にある状態において、トレイシフトモータ48を一方向へ回転させると、その回転がピニオン47を介してラック46に伝達され、用紙収容トレイT3が給紙方向(前方)へ移動する。このとき、用紙収容トレイT1〜T3はそれぞれカム40,42によって係合させられているため、用紙収容トレイT1,T2は用紙収容トレイT3とともに給紙方向へ移動する。そして、用紙収容トレイT1のカム40が支持プレート23の長孔41に達すると、カム40が回動してその駆動部40aが長孔41に入り込み、これにより用紙収容トレイT1はそれ以上給紙方向へ移動しなくなる。このようにカム40が回動した結果、カム40の係合部40bが上側の用紙収容トレイT2の溝36から抜け出し、これにより用紙収容トレイT2と用紙収容トレイT1との係合状態が解除され、用紙収容トレイT2の支持部29bは用紙収容トレイT1の支持部29a上を摺動する。このとき、用紙収容トレイT2のスライダ部43は用紙収容トレイT1のガイド溝35内を摺動し、用紙収容トレイT2のカム42は用紙収容トレイT1のカム溝34の第1溝部34aを摺動する。そして、カム42がカム溝34の第2溝部34bに達すると、カム42が回動して駆動部42aが第2溝部34bに入り込み、その先端側壁部に当接すると、用紙収容トレイT2はそれ以上給紙方向へ移動しなくなる。その後、トレイシフトモータ48をオフにすると、用紙収容トレイT3が停止する。
【0034】
また、複合トレイユニット10は、図2および図3に示すように、第1トレイ位置センサ51と、第2トレイ位置センサ52と、第1トレイレベルセンサ53とを有している。第1トレイ位置センサ51は、用紙収容トレイT3が後述する用紙補給位置に相当する位置にあるかどうかを検出するセンサであり、第2トレイ位置センサ52は、用紙収容トレイT3が後述する通常待機位置及び用紙収容トレイT2の給紙位置に相当する位置にあるかどうかを検出するセンサである。
【0035】
これら位置センサ51,52は、互いに向き合う光送信部および光受信部を有し、光送信部から照射された光が光受信部で受光されるかどうかによって用紙収容トレイT3の位置を検出するフォトセンサであり、用紙収容トレイT1〜T3の一側面側に配置されたガイド部29gに所定の間隔を隔てて設けられている。ここで、用紙収容トレイT3が用紙補給位置(後述)に相当する位置にあるときは、用紙収容トレイT3の側面後端部に取り付けられた検出用片29hが第1トレイ位置センサ51の光送信部から照射された光を遮り、これにより光受信部で光を受光できなくなる。
【0036】
第1トレイレベルセンサ53は、支持プレート23の先端部が押し上げらていない最低レベルにあるかどうかを検出するセンサであり、上記のようなフォトセンサが用いられる。
【0037】
給紙装置11は、図2に示すように、複合トレイユニット10の用紙収容トレイT1〜T3に収容された用紙に当接(圧接)して当該用紙を順次送り出すピックアップロール15と、このピックアップロール15からの用紙を重送を防止しながら送り出すフィードローラ16aおよびリタードローラ16bと、ピックアップロール15およびフィードローラ16aを駆動する給紙モータ17とを有している。フィードローラ16aと対をなすリタードローラ16bは、フィードローラ16aの回転により連れ回る。ここで、ピックアップロール15は、ソレノイド等により用紙に対して当接/離隔できるようにすることもできる。
【0038】
また、給紙装置11は、第2トレイレベルセンサ54と、用紙有無センサ55と、用紙通過センサ56とを有している。第2トレイレベルセンサ54は、用紙収容トレイT1〜T3がピックアップロール15で用紙を送り出すことができる高さ位置(以下、給紙位置という)にあるかどうかを検出するセンサである。用紙有無センサ55は、用紙収容トレイT1〜T3が上記給紙位置にあるときに、当該用紙収容トレイT1〜T3に用紙があるかどうかを検出するセンサである。用紙通過センサ56は、フィードローラ16aおよびリタードローラ16bの下流側に設けられ、給紙装置11により送り出された用紙が通過したかどうかを検出するセンサである。なお、これらのセンサ54〜56も、上述したようなフォトセンサが用いられる。
【0039】
また、図3に示すように、複合トレイユニット10の前面部には、用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すためのトレイ戻しボタン61が設けられている。ここで、用紙補給位置とは、用紙補給のために設定されている位置のことであり、本実施形態では図2に示すように用紙収容トレイT1〜T3の全てが支持プレート23に対して最も後端部側にある位置とする。
【0040】
また、装置本体1における複合トレイユニット10の挿入部には、複合トレイユニット10が装置本体1に差し込まれたかどうかを検出するトレイ挿入センサ57が設けられている。
【0041】
また、本実施形態の複写機は、図5に示すように、上述した構成の他に、用紙選択ボタン62、枚数設定ボタン63、給紙開始ボタン64、リセットスイッチ65等の入力指示手段と、装置本体1の上面部に設けられた表示部71と、電源スイッチ66がオンすることにより作動するCPU80と、後述するフローチャートで示す処理プログラムが書き込まれたROM81と、CPU80による演算処理中にデータを一時的に記憶するRAM82とを備えている。ここで、CPU80、ROM81、RAM82は、複合トレイユニット10のトレイシフトモータ48、トレイリフトモータ26及び給紙装置11の給紙モータ17を制御して給紙動作を実行する制御手段を構成するものである。
【0042】
用紙選択ボタン62は給紙する用紙を選択するための入力ボタンであり、枚数設定ボタン63は用紙選択ボタン62で選択された用紙の給紙枚数を設定するための入力ボタンであり、給紙開始ボタン64は用紙選択ボタン62で選択された用紙の給紙開始を指示するための入力ボタンであり、これらの入力ボタン62〜64は装置本体1の上面部に設けられている。また、リセットスイッチ65は、例えばメンテナンス終了後にCPU80をリセットすることを指示するためのスイッチである。
【0043】
CPU80は、上記のセンサ51〜57、入力ボタン61〜64、リセットスイッチ65、電源スイッチ66からの信号を入力し、ROM81に書き込まれた処理プログラムを実行し、トレイシフトモータ48、トレイリフトモータ26及び給紙モータ17に制御信号を出力すると共に、表示部71に表示信号を出力する。以下、このCPU80による制御処理の詳細を説明する。
【0044】
まず、図6に用紙収容トレイT1〜T3の基本的な位置及び用紙収容トレイT1〜T3の移動経路を示す。同図において、(a)は用紙補給位置を示しており、この位置では第1トレイシフトセンサ51及び第1トレイレベルセンサ53がオンになり、第2トレイシフトセンサ52及び第2トレイレベルセンサ54がオフになる。
【0045】
(b)は用紙収容トレイT1の給紙位置を示し、(c)は用紙収容トレイT2の給紙位置を示し、(d)は用紙収容トレイT3の給紙位置を示している。用紙収容トレイT2の給紙位置では、第2トレイシフトセンサ52及び第2トレイレベルセンサ54がオンになり、第1トレイシフトセンサ51及び第1トレイレベルセンサ53がオフになる。また、用紙収容トレイT1及びT3の給紙位置では、第2トレイレベルセンサ54がオンになり、第1トレイシフトセンサ51、第2トレイシフトセンサ52及び第1トレイレベルセンサ53がオフになる。なお、図6においては、上記給紙位置にある状態で用紙収容トレイT1〜T3全体が持ち上がっているが、実際には押上アーム25により用紙収容トレイT1〜T3の前端部だけが持ち上がって傾いた状態になる。
【0046】
(e)は通常待機位置を示している。ここで、通常待機位置とは、図7(a)に示すように用紙収容トレイT1,T2が支持プレート23に対して最も前方側にありかつ用紙収容トレイT3が用紙収容トレイT2に対して最も後方側にある位置であり、用紙収容トレイT1の給紙位置との用紙収容トレイT3の給紙位置との間の移動経路のほぼ中間位置である。この位置では第2トレイシフトセンサ52及び第1トレイレベルセンサ53がオンになり、第1トレイシフトセンサ51及び第2トレイレベルセンサ54がオフになる。
【0047】
(f)は用紙収容トレイT1のシフト位置を示し、(g)は用紙収容トレイT3のシフト位置を示している。ここで、シフト位置とは、通常待機位置と給紙位置との間で、トレイシフトモータ48による制御とトレイリフトモータ26による制御を切り換える位置であり、(e)の通常待機位置は用紙収容トレイT2のシフト位置を兼ねている。これら(f),(g)の位置では第1トレイレベルセンサ53がオンになり、第1トレイシフトセンサ51、第2トレイシフトセンサ52及び第2トレイレベルセンサ54がオフになる。
【0048】
(h)は第1変更待機位置を示し、(i)は第2変更待機位置を示している。ここで、第1変更待機位置とは、図7(b)に示すような用紙収容トレイT2,T3が通常待機位置と用紙収容トレイT1のシフト位置とのほぼ中間にある位置であり、第2変更待機位置とは、図7(c)に示すような用紙収容トレイT3が通常待機位置と用紙収容トレイT3のシフト位置とのほぼ中間にある位置である。これらの位置では第1トレイレベルセンサ53がオンになり、第1トレイシフトセンサ51、第2トレイシフトセンサ52及び第2トレイレベルセンサ54がオフになる。
【0049】
次に、CPU80の処理手順を図8〜図11のフローチャートにより説明する。図8は、電源スイッチ66がオンされた時や、リセットスイッチ65でリセットされた時のイニシャライズ処理手順を示すフローチャートである。同図において、まず電源オンまたはリセットされると、RAM82の記憶データ等各種変数を初期化する(ステップ100)。
【0050】
続いて、用紙収容トレイT1〜T3が図6のどの位置にあるかにかかわらず、当該用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ101)。このとき、通常待機位置に達したかどうかは、第2トレイシフトセンサ52及び第1トレイレベルセンサ53がオン状態になったかどうかで判断する。
【0051】
続いて、用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置から用紙収容トレイT3の給紙位置に移動させるための制御信号を、トレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ102)。このとき、まず用紙収容トレイT3を前方に所定パルス分移動させ、続いて用紙収容トレイT1〜T3を上方に移動させる。そして、第2トレイレベルセンサ54がオン状態になったときに、用紙収容トレイT3の給紙位置に達したと判断する。
【0052】
続いて、用紙有無センサ55からの信号に基づいて用紙収容トレイT3に用紙があるかどうかを判断し(ステップ103)、用紙収容トレイT3に用紙がないと判断されると、RAM82のトレイT3用メモリM3にノーペーパー情報を登録する(ステップ104)。
【0053】
続いて、用紙収容トレイT1〜T3を用紙収容トレイT3の給紙位置から用紙収容トレイT2の給紙位置に移動させるための制御信号を、トレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ105)。このとき、まず用紙収容トレイT1〜T3をわずかに下方に移動させ、続いて用紙収容トレイT3を後方に所定パルス分移動させ、続いて用紙収容トレイT1〜T3を上方に移動させる。そして、第2トレイシフトセンサ52及び第2トレイレベルセンサ54がオン状態になったときに、用紙収容トレイT2の給紙位置に達したと判断する。
【0054】
続いて、用紙有無センサ55からの信号に基づいて用紙収容トレイT2に用紙があるかどうかを判断し(ステップ106)、用紙収容トレイT2に用紙がないと判断されると、RAM82のトレイT2用メモリM2にノーペーパー情報を登録する(ステップ107)。
【0055】
続いて、用紙収容トレイT1〜T3を用紙収容トレイT2の給紙位置から用紙収容トレイT1の給紙位置に移動させるための制御信号を、トレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ108)。このとき、まず用紙収容トレイT1〜T3をわずかに下方に移動させ、続いて用紙収容トレイT2,T3を後方に所定パルス分移動させ、続いて用紙収容トレイT1〜T3を上方に移動させる。そして、第2トレイレベルセンサ54のみがオン状態になったときに、用紙収容トレイT1の給紙位置に達したと判断する。
【0056】
続いて、用紙有無センサ55からの信号に基づいて用紙収容トレイT1に用紙があるかどうかを判断し(ステップ109)、用紙収容トレイT1に用紙がないと判断されると、RAM82のトレイT1用メモリM1にノーペーパー情報を登録する(ステップ110)。続いて、RAM82のメモリM1〜M3の各情報を読み込み(ステップ111)、その後トレイ移動制御処理を実行する(ステップ112)。
【0057】
このステップ112のトレイ移動制御処理を図9に示す。同図において、まずメモリM1〜M3の全てにノーペーパー情報が登録されていないかどうかを判断し(ステップ131)、登録されていないと判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力し(ステップ132)、その後給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0058】
ステップ131でメモリM1〜M3のいずれかにノーペーパー情報が登録されていると判断されたときは、メモリM3のみにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ133)、メモリM3のみに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を第1変更待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ134)。このとき、まず用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させ、その後用紙収容トレイT2,T3を後方に所定パルス分移動させる。そして、給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0059】
ステップ133でメモリM3のみにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM2のみにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ135)、メモリM2のみに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力し(ステップ136)、その後給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0060】
ステップ135でメモリM2のみにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM1のみにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ137)、メモリM1のみに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を第2変更待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ138)。このとき、まず用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させ、その後用紙収容トレイT3を前方に所定パルス分移動させる。そして、給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0061】
ステップ137でメモリM1のみにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM2,M3の2つにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ139)、メモリM2,M3の2つに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を用紙収容トレイT1の給紙位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ140)。このとき、用紙収容トレイT1〜T3が用紙収容トレイT1の給紙位置にあるときは、用紙収容トレイT1〜T3は停止したままとなる。その後、給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0062】
ステップ139でM2,M3の2つにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM1,M3の2つにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ141)、メモリM1,M3の2つに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を用紙収容トレイT2の給紙位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力し(ステップ142)、その後給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0063】
ステップ141でメモリM1,M3の2つにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM1,M2の2つにノーペーパー情報が登録されているかどうかを判断し(ステップ143)、メモリM1,M2の2つに登録されていると判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を用紙収容トレイT3の給紙位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力し(ステップ144)、その後給紙処理を実行する(ステップ145)。
【0064】
ステップ143でメモリM1,M2の2つにノーペーパー情報が登録されているのではないと判断されたときは、メモリM1〜M3の全てにノーペーパー情報が登録されているということで、用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する(ステップ146)。このとき、用紙補給位置に達したかどうかは、第1トレイシフトセンサ51及び第1トレイレベルセンサ53がオン状態になったかどうかで判断する。
【0065】
その後、複合トレイユニット10を装置本体1から引き出し、無くなった用紙を用紙収容トレイに補給してから、再び複合トレイユニット10を装置本体1に挿入すると、トレイ挿入センサ57によりそのことが検出され、この時には用紙収容トレイT1〜T3を通常待機位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48及びトレイリフトモータ26に出力する。
【0066】
図9に示すステップ145の給紙処理を図10に示す。同図において、用紙収容トレイT1〜T3は、通常待機位置、第1及び第2変更待機位置、用紙収容トレイT1〜T3の給紙位置のいずれか(第1の待機位置)で待機されている状態となっている。
【0067】
まず、用紙選択ボタン62で給紙する用紙が選択されたかどうかを判断し(ステップ161)、用紙が選択されたと判断されると、用紙収容トレイT1〜T3を第1の待機位置から選択された用紙を収容する用紙収容トレイの給紙位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48およびトレイリフトモータ26に出力する(ステップ162)。
【0068】
続いて、用紙有無センサ55からの信号に基づいて用紙選択ボタン62で選択された用紙が用紙収容トレイにあるかどうかを判断し(ステップ163)、用紙があると判断されると、給紙開始ボタン64で給紙開始が指示されたかどうかを判断する(ステップ165)。このとき、給紙開始が指示されたと判断されると、用紙選択ボタン62で選択された用紙を送り出すための制御信号を給紙モータ17に出力する(ステップ166)。これにより給紙動作が実行される。
【0069】
一方、ステップ163で用紙選択ボタン62で選択された用紙が用紙収容トレイに無いと判断されたときは、表示部71に”用紙無し”を表示させる(ステップ167)。続いて、CPU80に内蔵されているタイマに基づいて、用紙選択ボタン62で選択された用紙が用紙収容トレイに無いことが検出されてから所定時間経過前に、トレイ戻しボタン61で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことが指示されたかどうかを判断する(ステップ168)。このとき、用紙補給位置に戻すことが指示されたと判断されたときは、用紙収容トレイT1〜T3を給紙位置から用紙補給位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48およびトレイリフトモータ26に出力する(ステップ169)。
【0070】
一方、ステップ168で所定時間経過前に用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことが指示されなかったと判断されたときは、メモリM1〜M3のうち用紙の無い用紙収容トレイに対応するメモリにノーペーパー情報を登録する(ステップ171)。そして、RAM82のメモリM1〜M3の各情報を読み込み(ステップ172)、図9に示すトレイ移動制御処理を実行する(ステップ173)。これにより、用紙収容トレイT1〜T3は、最新のメモリM1〜M3の情報に応じた位置(第2の待機位置)に移動して待機することになる。
【0071】
次に、図10に示すステップ166により実行された給紙動作中の処理を図11に示す。同図において、用紙通過センサ56からの信号およびCPU80に内蔵されているタイマに基づいて枚数設定ボタン63で設定された枚数の給紙が終了したかどうかを判断し(ステップ181)、給紙が終了したと判断されると、RAM82のメモリM1〜M3の各情報を読み込み(ステップ182)、図9に示すトレイ移動制御処理を実行する(ステップ183)。このとき、メモリM1〜M3の情報に変更はないため、用紙収容トレイT1〜T3は第1の待機位置に戻り待機することになる。
【0072】
一方、ステップ181で設定枚数の給紙が終了していないと判断されたときは、用紙有無センサ55からの信号に基づいて用紙収容トレイに用紙が無くなったかどうかを判断し(ステップ184)、用紙が無くなったと判断されると、表示部71に”用紙無し”を表示させる(ステップ185)。
【0073】
続いて、CPU80に内蔵されているタイマに基づいて、用紙選択ボタン62で選択された用紙が用紙収容トレイに無いことが検出されてから所定時間経過前に、トレイ戻しボタン61で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すのが指示されたかどうかを判断する(ステップ186)。このとき、用紙補給位置に戻すことが指示されたと判断されたときは、用紙収容トレイT1〜T3を給紙位置から用紙補給位置に移動させるための制御信号をトレイシフトモータ48およびトレイリフトモータ26に出力する(ステップ187)。
【0074】
一方、ステップ186で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことが指示されなかったと判断されたときは、メモリM1〜M3のうち用紙の無い用紙収容トレイに対応するメモリにノーペーパー情報を登録する(ステップ189)。そして、RAM82のメモリM1〜M3の各情報を読み込み(ステップ182)、図9に示すトレイ移動制御処理を実行する(ステップ183)。これにより、用紙収容トレイT1〜T3は、最新のメモリM1〜M3の情報に応じた第2の待機位置に移動して待機することになる。
【0075】
以上において、図8に示すイニシャライズ処理、図9に示すトレイ移動制御処理のステップ131〜144は、用紙選択手段62で用紙が選択される前に、複数の用紙収容トレイT1〜T3を、最下段の用紙収容トレイT1の給紙位置と最上段の用紙収容トレイT3の給紙位置との間の移動経路上の第1の待機位置に予め移動させ、その第1の待機位置で待機させておくように移動手段48,26を制御する第1の移動制御手段を構成する。また、図10に示す給紙処理のステップ161,162は、用紙選択手段62で用紙が選択されると、複数の用紙収容トレイT1〜T3を、当該選択された用紙を収容する用紙収容トレイの給紙位置に移動させるように移動手段48,26を制御する第2の移動制御手段を構成する。さらに、図10に示す給紙処理のステップ163,167〜169,171〜173(ステップ173は、図9に示すトレイ移動制御処理のステップ131〜144)は、用紙有無検出手段55で複数の用紙収容トレイT1〜T3のいずれかに用紙が無くなったことが検出されると、複数の用紙収容トレイT1〜T3を、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の第2の待機位置に移動させ、その第2の待機位置で待機させておくように移動手段48,26を制御する第3の移動制御手段を構成する。
【0076】
また、電源スイッチ66及びリセットスイッチ65は第1の待機位置の設定を指示する待機位置設定指示手段を構成し、トレイ戻しボタン61は複数の用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことを指示するトレイ戻し指示手段を構成する。
【0077】
次に、以上のように構成した本実施形態の動作の一例を説明する。ここでは、用紙収容トレイT1〜T3の全てに用紙がある状態で用紙収容トレイT1の用紙の給紙動作を行い、その給紙動作中に当該用紙が無くなってしまう場合について説明する。なお、用紙収容トレイT1〜T3は用紙補給位置にあり、電源スイッチ66がオフになっているものとする。
【0078】
まず、複合トレイユニット10が装置本体1に挿入された状態で電源スイッチ66をオンにすると、図8に示すイニシャライズ動作が行われる。つまり、用紙収容トレイT1〜T3が用紙補給位置から図6の経路P1〜P8を通って用紙収容トレイT1〜T3の給紙位置に順番に移動し、各給紙位置にて用紙有無センサ55で用紙があるかどうか検出される。そして、用紙収容トレイT1〜T3はその検出結果に応じた第1の待機位置に移動する。ここでは、用紙収容トレイT1〜T3の全てに用紙があるため、用紙収容トレイT1〜T3は図6の経路P9,P2,P3を通って通常待機位置に移動する。
【0079】
続いて、用紙選択ボタン62で用紙収容トレイT1の用紙を選択するとともに、枚数設定ボタン63で給紙枚数を設定する。すると、図10のステップ161,162により用紙収容トレイT1〜T3は図6の経路P10〜P12を通って用紙収容トレイT1の給紙位置に移動する。
【0080】
続いて、給紙開始ボタン64で給紙開始を指示する。すると、図10のステップ165,166により給紙動作が開始され、用紙収容トレイT1の用紙が給紙装置11から画像形成部4に向かって送り出される。
【0081】
この給紙動作中に用紙収容トレイT1の用紙が無くなると、図11のステップ184,185により表示部71に”用紙無し”が表示される。このとき、ユーザーはこの表示を見て用紙を補給したいと思ったときは、トレイ戻しボタン61で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことを指示する。すると、図12のステップ186,187により用紙収容トレイT1〜T3は図6の経路P9,P13を通って用紙補給位置に移動する。
【0082】
そして、ユーザーは複合トレイユニット10を装置本体1から引き出して用紙収容トレイT1に用紙を補給し、再度複合トレイユニット10を装置本体1に挿入すると、用紙収容トレイT1〜T3は通常待機位置に移動する。その後、用紙選択ボタン62で用紙収容トレイT1の用紙を選択するとともに、枚数設定ボタン63で給紙枚数を設定すると、上記と同様の手順により再び用紙収容トレイT1の用紙の給紙動作が行われる。
【0083】
一方、ユーザーが表示部71の”用紙無し”の表示を見て、用紙収容トレイT1の用紙の代わりに用紙収容トレイT2の用紙を給紙しようと思ったときは、トレイ戻しボタン61を操作しない。このときは、用紙収容トレイT1の用紙が無くなったことにより、図11のステップ186,189,182,183により用紙収容トレイT1〜T3は図6の経路P9,P2〜P4を通って第2変更待機位置(第2の待機位置)に移動する。
【0084】
そして、用紙選択ボタン62で用紙収容トレイT2の用紙を選択するとともに、枚数設定ボタン63で給紙枚数を設定すると、図10のステップ161,162により用紙収容トレイT1〜T3は図6の経路P14,P15を通って用紙収容トレイT2の給紙位置に移動する。その後、給紙開始ボタン64で給紙開始を指示することによって、用紙収容トレイT2の用紙の給紙動作が行われる。
【0085】
以上のように構成した本実施形態にあっては、給紙動作を行っていないときは、用紙収容トレイT1〜T3を第1の待機位置で待機させておき、用紙選択ボタン62で用紙が選択されると、用紙収容トレイT1〜T3を第1の待機位置から選択した用紙を収容する用紙収容トレイの給紙位置に移動させるようにしたので、給紙動作を実行させるための用紙収容トレイT1〜T3の移動量が従来に比べて少なくなり、用紙選択ボタン62で用紙が選択されてから給紙動作が開始されるまでの時間が短縮され、これにより生産性が向上する。
【0086】
このとき、用紙収容トレイT1のみに用紙がないときは、用紙収容トレイT1〜T3を第2変更待機位置で待機させておくため、用紙収容トレイT3の用紙が選択されたときは、通常待機位置で待機させておく場合に比べて用紙収容トレイT1〜T3の移動量が少なくて済む。また、用紙収容トレイT3のみに用紙がないときは、用紙収容トレイT1〜T3を第1変更待機位置で待機させておくため、用紙収容トレイT1の用紙が選択されたときは、通常待機位置で待機させておく場合に比べて用紙収容トレイT1〜T3の移動量が少なくて済む。
【0087】
また、用紙のある用紙収容トレイが1つのときは、その用紙収容トレイの給紙位置で待機させておくので、給紙動作を行うために用紙収容トレイT1〜T3を移動させなくて済む。
【0088】
さらに、用紙収容トレイT1〜T3のいずれかに用紙が無くなった場合、トレイ戻しボタン61で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことが指示されたときは、用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻し、そうでないときは用紙収容トレイT1〜T3を第2の待機位置に移動させ、その第2の待機位置で待機させるようにしたので、無くなった用紙を用紙収容トレイに補給して当該用紙の給紙を引き続き行うか、あるいは別の用紙を給紙するようにするかを、ユーザー自身が選択することができる。
【0089】
このとき、用紙収容トレイT1〜T3を第2の待機位置に移動させる場合、用紙収容トレイT1のみに用紙がないときは、用紙収容トレイT1〜T3を第2変更待機位置で移動させ、用紙収容トレイT3のみに用紙がないときは、用紙収容トレイT1〜T3を第1変更待機位置で移動させるので、上述したように用紙収容トレイT1またはT3の用紙が選択されたときに、用紙収容トレイT1〜T3の移動量が少なくて済む。また、用紙のある用紙収容トレイが1つのときは、その用紙収容トレイの給紙位置に移動させるので、上述したように用紙収容トレイT1〜T3を移動させる必要がない。
【0090】
なお、以上説明してきた本実施形態においては、用紙収容トレイT1〜T3のいずれかに用紙が無くなった場合、所定時間経過前にトレイ戻しボタン61で用紙収容トレイT1〜T3を用紙補給位置に戻すことが指示されたときは、用紙収容トレイT1〜T3を給紙位置から用紙補給位置に戻すものとしたが、特にこれに限らず、常に用紙収容トレイT1〜T3を第2の待機位置に移動させるようにしてもよい。
【0091】
また、用紙収容トレイT1のみに用紙がないときは用紙収容トレイT1〜T3を第2変更待機位置に移動させ、用紙収容トレイT2のみに用紙がないときは通常待機位置に移動させ、用紙収容トレイT3のみに用紙がないときは第1変更待機位置に移動させるものとしたが、第1及び第2の待機位置は特にこれに限らず、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の任意の位置であればよい。
【0092】
さらに、電源投入時やリセット時には、用紙収容トレイT1〜T3に用紙があるかどうかを検出し、その結果に応じて第1の待機位置を設定するものとしたが、電源投入時やリセット時には必ず用紙があるのであれば、第1の待機位置は通常待機位置に固定してもよい。
【0093】
その他、本発明は、上記以外にも、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。また、本発明は、上述した複写機に限らず、プリンタ等の画像形成装置にも適用できる。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、用紙選択手段で用紙が選択される前には、複数の用紙収容トレイを第1の待機位置で待機させておくようにしたので、給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量が少なくなる。また、複数の用紙収容トレイのいずれかに用紙が無くなったときは、その用紙の有無情報に応じた第2の待機位置で複数の用紙収容トレイを待機させておくようにしたので、最上段または最下段の用紙が選択されたときには、給紙動作を行うための用紙収容トレイの移動量がより少なくなる。以上により、用紙選択手段で用紙を選択してから給紙動作が開始されるまでの時間を短縮することができ、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による画像形成装置(複写機)を示す概略構成図である。
【図2】 図1に示す複合トレイユニット内の側面図及び給紙装置の概略構成図である。
【図3】 図1に示す複合トレイユニット内の上面図である。
【図4】 図3に示す用紙収容トレイの支持部の断面図である。
【図5】 図2に示す複合トレイユニット及び給紙装置の制御系を示す構成図である。
【図6】 図2に示す用紙収納トレイの基本的な位置関係及び移動経路を示す図である。
【図7】 図2に示す用紙収納トレイが通常待機位置、第1変更待機位置、第2変更待機位置にあるときの状態を示す図である。
【図8】 図5に示すCPUによるイニシャライズ処理を示すフローチャートである。
【図9】 図8に示すトレイ移動制御処理を示すフローチャートである。
【図10】 図9に示す給紙処理を示すフローチャートである。
【図11】 図10に示す給紙処理の続きを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…装置本体、4…画像形成部、10…複合トレイユニット、11…給紙装置、17…給紙モータ、25…押上アーム(移動手段)、26…トレイリフトモータ(移動手段)28…収容部、29…支持部(移動手段)、48…トレイシフトモータ(移動手段)、55…用紙有無センサ(用紙有無検出手段)、61…トレイ戻しボタン(トレイ戻し指示手段)、62…用紙選択ボタン(用紙選択手段)、65…リセットスイッチ(待機位置設定指示手段)、66…電源スイッチ(待機位置設定指示手段)、80…CPU(制御手段)、81…ROM(制御手段)、82…RAM(制御手段)、T1〜T3…用紙収容トレイ。
Claims (4)
- 画像形成部を有する装置本体と、この装置本体に対して出し入れ可能に設けられ、複数種類の用紙を収容する複数の用紙収容トレイが積み重ねられたトレイユニットとを備え、用紙上に画像を形成する画像形成装置において、
前記用紙収容トレイに収容された用紙を前記画像形成部に送り出す給紙手段と、
前記複数種類の用紙のいずれかを選択する用紙選択手段と、
前記複数の用紙収容トレイを、当該用紙収容トレイに用紙を補給するための用紙補給位置と前記給紙手段が用紙を送り出すことのできる給紙位置との間を移動させる移動手段と、
前記複数の用紙収容トレイに用紙があるかどうかを検出する用紙有無検出手段と、
前記給紙手段及び前記移動手段を制御して給紙動作を実行する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記用紙選択手段で用紙が選択される前に、前記複数の用紙収容トレイを、最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の第1の待機位置に予め移動させ、その第1の待機位置で待機させておくように前記移動手段を制御する第1の移動制御手段と、
前記用紙選択手段で用紙が選択されると、前記複数の用紙収容トレイを、当該選択された用紙を収容する用紙収容トレイの給紙位置に移動させるように前記移動手段を制御する第2の移動制御手段と、
前記用紙有無検出手段で前記複数の用紙収容トレイのいずれかに用紙が無くなったことが検出されると、前記複数の用紙収容トレイを、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の第2の待機位置に移動させ、その第2の待機位置で待機させておくように前記移動手段を制御する第3の移動制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第3の移動制御手段は、前記用紙有無検出手段で用紙のある用紙収容トレイが少なくとも2つあると検出されたときは、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路のほぼ中間位置を前記第2の待機位置に設定し、前記用紙有無検出手段で用紙のある用紙収容トレイが1つと検出されたときは、当該用紙のある用紙収容トレイの給紙位置を前記第2の待機位置に設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記第1の待機位置の設定を指示する待機位置設定指示手段をさらに備え、
前記第1の移動制御手段は、前記待機位置設定指示手段で前記第1の待機位置の設定が指示されると、前記用紙有無検出手段の検出結果に基づいて、用紙のある用紙収容トレイのうちの最下段の用紙収容トレイの給紙位置と最上段の用紙収容トレイの給紙位置との間の移動経路上の任意の位置を前記第1の待機位置に設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記複数の用紙収容トレイを前記用紙補給位置に戻すことを指示するトレイ戻し指示手段をさらに備え、
前記第3の移動制御手段は、前記用紙有無検出手段で前記複数の用紙収容トレイのいずれかに用紙が無くなったことが検出されてから所定時間経過前に、前記トレイ戻し指示手段で前記複数の用紙収容トレイを前記用紙補給位置に戻すことが指示されないときに、前記複数の用紙収容トレイを前記第2の待機位置に移動させるように前記移動手段を制御し、
前記所定時間経過前に前記用紙補給位置に戻すことが指示されたときは、前記複数の用紙収容トレイを当該用紙補給位置に移動させるように前記移動手段を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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