JP3684470B2 - 直液式筆記具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は直液式筆記具に関する。さらに詳細には、インキタンクとペン先との間に、インキタンク内の圧力変化に応じた溢出インキを一時的に保持するインキ保溜部材を介在させた直液式筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の直液式筆記具において、インキ保溜部材の表面に親水処理を施して、濡れ性を改質させたものが広く知られている(例えば、実開昭63−119082号公報等)。
【0003】
前記インキ保溜部材は、ペン先保持部とインキ保溜部(櫛溝や螺旋溝)とが一体に形成されているが、親水処理の工程において、インキ保溜部のみを親水処理することは困難であった。そのため、ペン先保持部表面にもインキ保溜部同様に親水処理がなされることが多い。
【0004】
前記ペン先保持部に親水処理がなされた場合、一般に軸筒先端から外部に突出されているペン先保持部に、インキ保溜部に存在するインキが次第に移行して、ペン先保持部表面に滲み出すおそれがある。そのため、使用時、ペン先保持部表面に付着したインキによってユーザーの手を汚すおそれがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、インキ保溜部からペン先保持部にインキが容易に移行せず、使用時、ユーザーの手を汚すおそれのない直液式筆記具を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インキタンク8とペン先9との間に、インキタンク8内の圧力変化に応じた溢出インキを一時的に保持するインキ保溜部材2を介在させた直液式筆記具1であって、前記インキ保溜部材2は、前部のペン先保持部3と、後部のインキ保溜部4とが合成樹脂により一体に形成されており、前記インキ保溜部4表面に親水処理5を施すとともに、前記ペン先保持部3表面を非親水処理状態にさせたことを要件とする。
【0007】
前記構成において、非親水処理状態とは、前記ペン先保持部3表面に撥水処理6を施してなる構成が好ましい。さらには、前記ペン先保持部3表面に親水処理5を施し、前記親水処理5表面の上に撥水処理6を施してなる構成が好ましい。
【0008】
前記親水処理5は、例えば、インキ保溜部材2の表面に界面活性剤や親水性物質の薄い皮膜を形成する構成、インキ保溜部材2の表面にエッチング処理や析出物等で凸凹面を形成する構成、あるいは放射線照射やプラズマ処理等が挙げられる。
【0009】
前記撥水処理6は、例えば、シリコン系樹脂やフッ素系樹脂の皮膜を付着させる構成が挙げられる。
【0010】
前記インキ保溜部材2の材質として、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル・スチレン樹脂)等の合成樹脂が有効である。
【0011】
前記ペン先9は、ボールペンチップ、繊維加工ペン体、軸方向のインキ導出孔を有する合成樹脂の押出成形体(プラスチックペン体)、毛筆ペン体、小管ペン体、万年筆等の金属板状ペン体等、いずれであってもよい。
【0012】
【作用】
ペン先保持部3の表面を非親水処理状態にさせたことによって、インキ保溜部4からペン先保持部3表面へインキが滲み出すことが抑制される。
【0013】
ペン先保持部3表面に撥水処理6を施したことによって、前記インキの滲み出しがより一層抑制される。
【0014】
さらに、親水処理5表面(特に、粗面化された表面)の上に撥水処理6を施してなる構成では、該親水処理5表面の濡れ易さを利用して、液状の撥水処理液(樹脂液)等をムラなく均一に塗布することができる。
【0015】
【実施例】
図1に本発明の第1実施例を示す。
【0016】
軸筒7は、先端開口部に、インキ保溜部材2が嵌入され、該インキ保溜部材2の後方にインキタンク8が形成される。
【0017】
前記インキ保溜部材2は、前部のペン先9が取り付けられるペン先保持部3と、後部の複数の櫛溝によるインキ保溜部4とが、ABS樹脂により一体に形成される。前記インキ保溜部4(櫛溝)は、複数の円板状の櫛歯41によって形成される。さらに、前記櫛歯41には、スリット状のインキ誘導溝42と空気交替凹溝43が軸方向に設けられている。また、前記ペン先保持部3には、ペン先9(先端にボールを回動自在に抱持した金属製のボールペンチップ)が取付孔31に圧入固着されている。
【0018】
インキ保溜部材2の軸心には中心孔21が設けられ、該中心孔21には、軸方向の毛細管間隙を有する合成樹脂製のインキ誘導部材22が挿着されている。前記インキ誘導部材22は、その先端がペン先9(ボールペンチップ)に接続されるとともに、その後端がインキ保溜部材2後端から突出されている。
【0019】
前記インキ保溜部材2の全表面には、親水処理5が施されている。そして、ペン先保持部3の前記親水処理5が施された表面には、撥水処理6として、フッ素系樹脂による硬化薄膜が形成されている。前記フッ素系樹脂の硬化薄膜は、樹脂の希釈溶媒の揮散による乾燥塗膜である。その厚みは、0.01μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜1μm、より好ましくは0.01μm〜0.5μmが効果的である。
【0020】
前記フッ素系樹脂としては、市販のフッ素系コーティング剤、例えば、住友スリーエム株式会社製のフロラードFC−722〔フッ素系ホモポリマーと完全フッ素化された不活性液体(パーフロロカーボン)中で合成した、固形分約2%のコーティング剤〕や、同社製のフロラードFC−725(フッ素コポリマー30重量%のn−ブチルアセテート液)等が挙げられる。
【0021】
前記希釈溶媒としては、完全フッ素化合物(基本構造C6 F14)、酢酸エチル、トルエン、1,1,1−トリクロロメタン等が挙げられる。
【0022】
前記撥水処理6は、樹脂液(フッ素系樹脂が溶媒により希釈された溶液)が、インキ保溜部材2の軸筒7からの突出部(ペン先保持部3)に塗布又は滴下される。前記撥水処理6の箇所としては、ペン先保持部3外周面の、軸筒7先端部近傍に施されることが効果的である。前記撥水処理6は、ペン先保持部3外周に環状に設けることが好ましいが、この他にも不連続な斑点状であってもよい。
【0023】
図2に第2実施例を示す。ペン先9は、繊維ペン体(合成繊維の樹脂加工体)であり、ペン先保持部3の取付孔31に圧入される。インキ保溜部4には、第1実施例同様に、親水処理5が施される。一方、ペン先保持部3には、前記親水処理5は施されず、その親水処理5の未処理面に撥水処理6が施される。
【0024】
また、ペン先保持部3と軸筒7開口部との間に、カバー部材71が嵌着される。前記カバー部材71は、キャップ装着時,ペン先保持部3とキャップとの衝突を回避し、前記ペン先保持部3表面の撥水処理6の硬化薄膜の剥がれを防ぐ。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、前記構成により、親水処理状態にあるインキ保溜部には、水性インキが効果的に濡れ、インキ保溜機能を満たし、一方、非親水処理状態にあるペン先保持部表面には、インキ保溜部からインキが滲み出すことが抑制され、使用時のユーザーの手を汚すことが防止される。
【0026】
ペン先保持部表面に撥水処理を施したことによって、前記インキの滲み出しがより一層抑制される。
【0027】
さらに、親水処理表面(特に、粗面化された表面)の上に撥水処理を施してなる構成では、該親水処理表面の濡れ易さを利用して、液状の撥水処理液(樹脂液)等をムラなく均一に塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 直液式筆記具
2 インキ保溜部材
21 中心孔
22 インキ誘導部材
3 ペン先保持部
31 取付孔
4 インキ保溜部
41 櫛歯
42 インキ誘導溝
43 空気交替凹溝
5 親水処理
6 撥水処理
7 軸筒
71 カバー部材
8 インキタンク
9 ペン先
Claims (2)
- インキタンク(8)とペン先(9)との間に、インキタンク(8)内の圧力変化に応じた溢出インキを一時的に保持するインキ保溜部材(2)を介在させた直液式筆記具であって、前記インキ保溜部材(2)は、前部のペン先保持部(3)と、後部のインキ保溜部(4)とが合成樹脂により一体に形成されており、前記インキ保溜部(4)表面に親水処理(5)を施すとともに、前記ペン先保持部(3)表面に撥水処理(6)を施し、前記ペン先保持部(3)表面を非親水処理状態にさせたことを特徴とする直液式筆記具。
- 前記ペン先保持部(3)表面に親水処理(5)を施し、その親水処理(5)表面の上に撥水処理(6)を施してなる請求項1記載の直液式筆記具。
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JP32379494A JP3684470B2 (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 直液式筆記具 |
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JPH08156481A JPH08156481A (ja) | 1996-06-18 |
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1994
- 1994-11-30 JP JP32379494A patent/JP3684470B2/ja not_active Expired - Fee Related
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