JP3684149B2 - 熱型赤外線検出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線固体撮像素子に用いられる熱型の赤外線検出器に関し、特にSOI(Silicon On Insulator)基板上に形成されたPN接合ダイオードを利用する熱型検出器のダイオード特性の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のシリコン(Si)LSI技術の進歩にともない、半導体基板上に多数の光検出器をアレイ状に配置し、同一基板上に信号電荷の読出回路や出力アンプ等を形成した固体撮像素子が多数開発されている。このうち光検出器として赤外線検出器を用いた赤外線固体撮像素子は、赤外線レンズ、駆動回路、信号処理回路などと組み合わせて赤外線カメラとして実用化されており、防犯、報道、計測、リモートセンシングなどの様々な分野で利用されている。赤外線検出器は、その光検出機構によって量子型検出器と熱型検出器とに大別される。
【0003】
量子型検出器としては、バンド間遷移を利用する化合物半導体系の検出器や、金属/半導体接合からなるショットキダイオード等が利用され、熱型検出器に比べて感度が高く、応答速度が早いといった長所がある。ただし、これらの量子型検出器は動作温度が−200℃程度と極めて低温なため、撮像には素子冷却が必要であり、撮像装置が大型かつ高価になる。
【0004】
一方、熱型検出器は素子冷却が不要なため、撮像装置の小型化、低価格化に適しており、シリコンマイクロマシーニング技術の進歩とともに、急速に開発が進められるようになってきた。熱型検出器は、半導体基板上方に基板と熱的に分離した中空構造体を形成し、被写体が放出する赤外線を受けたときの中空構造体の温度変化を検知するものである。その温度変化を検知する手段としては、中空構造体上にボロメータを形成して抵抗変化を検知するボロメータ方式や、中空構造体上にダイオードを形成して、順方向電流を流したときの電圧変化を検知するダイオード方式等が提案されている。このうち、半導体基板としてSOI基板を用いて中空構造体を形成し、検知部としてPN接合ダイオードを用いたSOIダイオード方式の熱型検出器は、通常のシリコンLSIプロセスを用いて検出器と信号読出回路とをモノリシックに形成することが可能なため、量産化が容易で、素子の低価格化に適している。
【0005】
図12は、従来のSOIダイオード方式の熱型検出器の中空断熱構造を示す検出器の断面図である。図12に示すように、SOI基板のバルクSi1において、SOI基板のボックス酸化膜2、2’、SOI基板の上層シリコン薄膜3、絶縁膜からなる保護膜4が設けられている。PN接合ダイオードは上層シリコン薄膜3中に形成される。このとき、ボックス酸化膜2の下方にはシリコンマイクロマシーニング技術を用いて空隙5が形成されており、ボックス酸化膜2と上層シリコン薄膜3と保護膜4とで構成される中空構造体6が、下地のバルクSi1と熱的に分離されている。空隙5は、エッチング孔7を通して下地のバルクSiの一部が除去されることにより形成されている。また、SOI基板のボックス酸化膜2、2’上にTiNなどからなる薄膜配線8、Alなどからなる金属配線9がそれぞれ設けられている。ボックス酸化膜2と薄膜配線8と保護膜4とで構成される支持脚11が中空構造体6とバルクSi1とを機械的に結合し、さらに薄膜配線8が上層シリコン薄膜3中のPN接合ダイオードと金属配線9とを電気的に結合している。
【0006】
図13は、図12に示した従来のSOIダイオード方式の熱型検出器の平面図である。図13におけるA−A’断面が、図12の検出器の断面図に相当する。図13に示すように、熱型検出器には、中空構造体6、エッチング孔7、金属配線9、10、中空構造体6を機械的に支持するための支持脚11、上層シリコン薄膜3中に形成され、不純物が高濃度ドープされた高濃度P型Si領域12、上層シリコン薄膜3中に形成され、不純物が低濃度ドープされた低濃度N型Si領域13、上層シリコン薄膜3を熱酸化して形成される分離用のフィールド酸化膜14が設けられている。このとき、1つの高濃度P型Si領域12と、1つの低濃度N型Si領域13との接合によって1つのダイオードD11が形成される。高濃度P型Si領域12と低濃度N型Si領域13とが交互に連なった一連のSi領域によって複数個のダイオードが形成される。また、薄膜配線によるコンタクト14を介して複数個のダイオードが電気的に直列接続される。なお、図13では1個の検出器あたりにダイオード6個を直列に配置した場合を示している。また、コンタクト16は薄膜配線8と金属配線9、10とを電気的に接続するためのものである。検出器1個(=画素)の境界は外枠17で模式的に示されている。
【0007】
次に、図12および図13を用いて、従来のSOIダイオード方式の熱型検出器の赤外線検出動作について説明する。被写体から放出された赤外線は、光学レンズ等によって集光されて各画素17に入射し、ここで吸収される。このとき、画素の中空構造体6は断熱構造となっているため、吸収された赤外線エネルギに応じて中空構造体6の温度が変化する。基板のバルクSi1の温度を一定に保つ場合、中空構造体6で吸収される赤外線エネルギがΔPだけ変化したときの中空構造体6の温度変化ΔTdは、熱平衡状態においては近似的に次の関係を満たす。
ΔP=Gt・ΔTd (1)
ここで、Gtは支持脚11の熱コンダクタンスである。Gtが小さいほど入射赤外線強度の変化に対する中空構造体6の温度変化が大きくなるため、支持脚11は細長く形成するなどして熱コンダクタンスを小さくすることで、赤外線検出感度の向上を図ることができる。
【0008】
熱型検出器はこの中空構造体6の温度変化を検出するものであり、SOIダイオード方式の熱型検出器では、SOI基板上に形成したPN接合ダイオードの順方向IV(電流−電圧)特性の温度変化によってこれを検出する。一般的に、1個のPN接合ダイオードの順方向IV特性は次式で与えられる。
If=Io・exp(q・Vf/n/k/Td) (2)
ここで、Ifはダイオードを流れる順方向電流、VfはPN接合界面に印加される順方向電圧、Ioは飽和電流、qは素電荷、nはダイオードの理想係数、kはボルツマン定数、Tdはダイオードの温度である。飽和電流Ioも温度依存性を有するため、式(2)に示すようにダイオードの順方向IV特性は温度によって変化する。従って、ダイオードの両端に一定の順方向電圧を印加したときの電流値の変化を計測する(定電圧駆動)か、あるいは一定の順方向電流を流したときにダイオードの両端に発生する電圧の変化を計測する(定電流駆動)ことにより、ダイオードの温度変化、すなわち入射赤外線の強度変化を検出することができる。
【0009】
複数個の熱型検出器をアレイ状に配置して赤外線固体撮像素子を形成する場合、定電圧駆動を行おうとすると、各検出器への配線長は各々異なり、配線による電圧降下分が検出器ごとに異なったものとなるため、各検出器に印加する順方向電圧を揃えることが難しい。そのため、SOIダイオード方式の赤外線固体撮像素子では、定電流駆動によって温度変化を検出するのが一般的である。定電流駆動の場合、1つの検出器内にm個(m>1)のダイオードを形成し、これらを直列に接続すると、ダイオードの温度変化に対する電圧の変化分がトータルでm倍に増大する。つまり、定電流駆動の場合、複数個のダイオードを直列接続することで赤外線検出感度の向上が図られている。
【0010】
また、図14は、従来のSOIダイオード方式の赤外線固体撮像素子の構成を示す素子ブロック図である。図14に示すように、図12および図13に示した熱型検出器からなる画素17が二次元アレイ状に配置されている。また赤外線固体撮像素子は、複数個が直列に接続されたPN接合ダイオード18、垂直信号線9、垂直選択線10、垂直走査回路19、水平走査回路20、垂直信号線9の一端に接続されたMOSトランジスタからなる定電流源21、垂直信号線に接続された積分増幅回路22、水平走査回路20によって制御される水平選択トランジスタ23、水平信号線24及びソースフォロアアンプなどからなる出力アンプ25を有する。
【0011】
次に、図14を用いて、従来のSOIダイオード方式の赤外線固体撮像素子の動作について説明する。まず、垂直走査回路19により1つの垂直選択線10が選択され、選択された行のダイオード18のアノードに電圧Vが印加される。各ダイオードを流れる順方向電流は、定電流源21の作用によって一定値に制御される。このとき、赤外線入射によって決まるダイオードの温度に応じて複数個が直列接続されたダイオードの両端に電位差Vdを生じるため、垂直信号線9の電位は各々V−Vdとなる。なお、非選択行の垂直選択線10の電位は0Vであり、非選択行のダイオード18の両端には−(V−Vd)の逆方向電圧が印加されるため、ダイオードの整流作用によって非選択行のダイオードに電流が流れることはない。各垂直信号線9の電位変化分は、各列ごとに設けられた積分増幅回路22によって増幅される。次に、水平走査回路20によって1個の水平選択トランジスタ23が選択されると、対応した列の積分増幅回路22の出力が水平信号線24および出力アンプ25を介して素子外部へと出力される。以上の一連の動作が垂直走査回路19と水平走査回路20を走査することによって繰り返され、アレイ状に配置された各画素からの出力を時系列に読み出すことで、二次元の赤外線画像情報を得る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のSOIダイオード方式の熱型検出器では以下のような問題があった。図15は、従来の熱型検出器において複数個のダイオードを直列接続する場合の連結方向に沿った断面図である。図15に示す例では、2個のダイオードを直列に接続した場合を示しているが、3個以上の場合も同様である。図15に示すように、SOI基板のバルクSi1上に、ボックス酸化膜2、断熱構造とするために形成された空隙5、SOIの上層シリコン薄膜中に形成された高濃度P型Si領域12、上層シリコン薄膜中に形成された低濃度N型Si領域13、分離用のフィールド酸化膜14、酸化膜などの層間絶縁膜26、及び、保護膜4が設けられている。また、コンタクト27、29は直列接続された複数個のダイオードの両端におけるコンタクトであり、コンタクト28は各々のダイオードを直列に接続するためのダイオード間のコンタクトである。なお、同図には示していないが、低濃度のN型Si領域13にコンタクト28、29が接する箇所では、良好なコンタクト特性を得るため、コンタクトホール直下のN型Si領域の不純物濃度が高められている。
【0013】
図15に示した従来の熱型検出器を定電流駆動する場合、その動作は以下のようになる。まず、垂直走査によって1行の画素が選択されると、コンタクト27を介してダイオードの一端(P側)に電圧Vが印加され、ダイオードに定電流Ifが流れる。このとき、式(2)に従ってダイオード1個あたりVfの電圧降下を生じ、ダイオードをm個連結した場合には両端でVd(=m・Vf)の電圧降下を生じる。すなわち、ダイオード他端(N側)のコンタクト29の電位はV−Vdとなる。入射赤外線強度に応じてダイオード温度が変化するとVdの値が変化するため、コンタクト29を介してその変化分を読み出すことで赤外線を検知する。
【0014】
ところが、図15に示した従来の熱型検出器では、複数個のダイオードを連結する場合に高濃度P型Si領域12と低濃度N型Si領域13とが交互に連なって形成されている。ここで、バルクSi/ボックス酸化膜/SOIの上層シリコン薄膜で構成される構造は、いわばMOSトランジスタを基板の裏側に形成しているのと同様の構造をしている。このため、一連の高濃度P型Si領域12/低濃度N型Si領域13/高濃度P型Si領域12で構成されたP/N/P構造の部分が寄生的なPMOSトランジスタを、一連の低濃度N型Si領域13/高濃度P型Si領域12/低濃度N型Si領域13で構成されたN/P/N構造の部分が寄生的なNMOSトランジスタをなす。定電流駆動動作において選択画素のダイオードには(V−Vd)〜Vの正電圧が印加されるが、一方、バルクSi1の基板電位は0Vである。このため、駆動時には寄生MOSトランジスタのゲート(=基板)に相対的に負電圧を印加した状態になる。その場合、二種類の寄生MOSトランジスタのうち寄生NMOSトランジスタは電流を遮断する方向に作用するが、一方、寄生PMOSトランジスタはより電流を流す方向に作用する。その結果、定電流駆動時に検出器を流れる電流が、ダイオードの順方向電流と寄生PMOSトランジスタを流れるリーク電流との和となり、検出器のIV特性を著しく劣化させるという問題があった。
【0015】
この寄生PMOSトランジスタの影響を低減するための1つの方策として、N型Si領域13の不純物濃度を高めることも考えられるが、この場合にはPN接合の逆方向耐圧が低下する。従来の赤外線固体撮像素子では、非選択の画素にはV−Vdの比較的大きな逆方向バイアスが印加される。このため、ある画素の逆方向耐圧が不足した場合には、正常画素の読出動作中でもその不良画素に接続された垂直信号線9の電位が低下してしまい、縦方向のライン欠陥を生じる。すなわち、単純にN型Si領域13の不純物濃度を高めるだけでは、寄生PMOSトランジスタによるリークを低減させる効果はあるが、他の不良を引き起こすという問題があった。
【0016】
また、図12などに示した従来の赤外線検出器では、以下に示す別の問題があった。赤外線固体撮像素子の最も重要な性能である温度分解能は、感度と読出ノイズの比で決定される。このうち読出ノイズに関しては、従来のSOIダイオード方式の赤外線固体撮像素子においてはダイオードが発生する1/fノイズが最も大きく、その低減が重要な課題となっていた。従来のSOIダイオード方式の熱型検出器におけるダイオードの1/fノイズの発生要因について説明する。
【0017】
図16は、従来のSOIダイオード方式の熱型検出器における、ダイオードの連結方向に垂直なPN接合界面での断面図である。同図において、各符号は図15に示した従来の熱型検出器と同一符号のものを示している。また、同図においてダイオードのPN接合界面30、及び、PN接合界面30とその周囲の酸化膜(ボックス酸化膜2、フィールド酸化膜14および層間酸化膜26)とのSi/酸化膜界面付近に存在する界面準位トラップ31が模式的に表されている。
【0018】
図16に示した検出器断面図において、ダイオードに電流が流れるということは、PN接合界面30を横切って界面に垂直な方向にキャリアが移動することに相当する。一般に、PN接合界面から低濃度Si側へと広がる空乏層内に結晶欠陥などの何らかのトラップが存在する場合、キャリアが移動中にトラップに遭遇すると、ここでキャリアの捕獲/再放出が起こる。その結果、ダイオードを流れる電流に時間的なゆらぎを生じ、ダイオード両端の電位差Vfにも電圧のゆらぎが発生する。このゆらぎは周波数特性を有し、その大きさが1/f(f:周波数)に依存することから、一般に「1/fノイズ」と呼ばれている。SOIダイオード方式の熱型検出器では、図16に示したようにSi領域およびPN接合界面30は酸化膜で囲まれており、その酸化膜との界面近傍には結晶の不連続性のため多数のSi/酸化膜界面準位31が存在している。このため、ダイオードを流れる電流のうち、特にSi領域の周辺付近を流れる電流は、界面準位トラップ31と遭遇する確率が高い。また、PN接合界面30と接する酸化膜にはボックス酸化膜2、フィールド酸化膜14および層間酸化膜26が存在するが、成膜方法の違いのため、このうちフィールド酸化膜14との界面が最も界面準位密度が高い。以上の点から、従来のSOIダイオード方式の熱型検出器においては、主にフィールド酸化膜14との界面に存在するSi/酸化膜界面準位にキャリアが捕獲/再放出されることによって1/fノイズが発生するものと考えられている。
【0019】
このように、従来のSOIダイオード方式の熱型検出器ではPN接合近傍のSi領域とフィールド酸化膜界面に存在するSi/酸化膜界面準位が1/fノイズの発生要因となっていた。それゆえこの検出器を用いた従来の赤外線固体撮像素子では、1/fノイズが他の読出ノイズに比べて極めて大きく、撮像素子としての温度分解能を劣化させるという問題点があった。
【0020】
さらに、この1/fノイズのため、画素の検出器レイアウトを決定する上でも以下のような制約があった。定電流駆動を行う熱型検出器では、1つの画素内に複数個のダイオードを直列接続することで感度を向上できるが、限られた画素サイズ内に多数のダイオードを形成しようとすると、1個あたりのダイオード幅を小さくする必要がある。また、画素数を増加させて画質の向上を図る場合や素子サイズを小さくして撮像装置の小型化を図る場合には画素サイズ自体を小さくしたいという要求があるが、その場合も1個あたりのダイオード幅を小さくする必要がある。ところが、ダイオード幅を小さくすると、Si領域内を流れる電流のうちフィールド酸化膜界面近傍を流れる電流の割合が増加し、界面準位との遭遇確率が増す。それゆえ従来の熱型検出器では、ダイオード幅を小さくすると1/fノイズがますます増大してしまい、感度向上や画素サイズ縮小などの性能改善を行えないといった問題点があった。
【0021】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、SOIダイオード方式の熱型検出器において、十分な逆方向耐圧を有し、寄生PMOSトランジスタによるリーク電流を低減した良好なダイオード特性を有し、さらに1/fノイズを低減した良好な熱型検出器を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の熱型赤外線検出器は、半導体基板と、半導体基板と熱的に分離された断熱構造体と、断熱構造体上に形成された複数個のPN接合ダイオードとを有し、各々のダイオードが電気的に直列接続される熱型赤外線検出器である。熱型赤外線検出器において、複数個のPN接合ダイオードを構成するP型半導体領域とN型半導体領域は交互に配置されて一連の半導体領域を形成する。複数個のPN接合ダイオードには、第1のタイプのダイオードと第2のタイプのダイオードとが含まれる。このとき、第1のタイプのダイオードは、P型またはN型のうちの一の導電型の第1の半導体と、P型またはN型のうちの他の導電型の半導体であって第1の半導体よりも高い不純物濃度を有する第2の半導体とのPN接合によって構成される。第2のタイプのダイオードは、第2の半導体と、一の導電型の半導体であって第1の半導体よりも高い不純物濃度を有する第3の半導体とのPN接合によって構成される。
【0023】
本発明に係る第2の熱型赤外線検出器は、第1の熱型赤外線検出器において、第3の半導体が上層及び下層の2つの半導体領域からなる。下層の半導体領域は上層の半導体領域よりも高い不純物濃度を有する。
【0024】
本発明に係る第3の熱型赤外線検出器は、第1の熱型赤外線検出器において、断熱構造体上に形成された複数個のPN接合ダイオードのうち、第1のタイプのダイオードは1つだけ形成する。このとき、その1つのダイオードは複数ダイオードの直列接続の終端に配置される。
【0026】
本発明に係る第4の熱型赤外線検出器は、半導体基板と、半導体基板と熱的に分離された断熱構造体と、断熱構造体上に形成された複数個のPN接合ダイオードを有し、各々のダイオードが電気的に直列接続される熱型赤外線検出器である。第3の熱型赤外線検出器において、各ダイオードは、第1の導電型の半導体領域と、第1の導電型と異なる第2の導電型の半導体領域とから構成される。各ダイオードにおいて、第1及び第2の導電型の半導体領域は、熱型赤外線検出器の上方から見て、第2の導電型の半導体領域が第1の導電型の半導体領域を囲繞するように形成される。
【0027】
本発明に係る第5の熱型赤外線検出器は、半導体基板と、半導体基板と熱的に分離された断熱構造体と、断熱構造体上に形成された複数個のPN接合ダイオードとを有し、各々のダイオードが電気的に直列接続される熱型赤外線検出器である。各ダイオードは、第1の導電型の半導体領域と、第1の導電型と異なる第2の導電型の半導体領域とから構成される。各ダイオードにおいて、第1及び第2の導電型の半導体領域は、第2の導電型の半導体領域が第1の導電型の半導体領域を熱型赤外線検出器の上面を除いて三次元的に内包するように形成される。
【0028】
本発明に係る第6の熱型赤外線検出器は、第4または第5の熱型赤外線検出器において、各ダイオードにおける第1の導電型の半導体領域と第2の導電型の半導体領域との接合面の形状をなめらかな曲面状に形成する。
【0029】
本発明に係る第7の熱型赤外線検出器は、第4ないし第6の熱型赤外線検出器のいずれかにおいて、各ダイオードにおける第2の導電型の半導体領域の不純物濃度を、第1の導電型の半導体領域の不純物濃度よりも高くする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱型赤外線検出器の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。なお、各図において同一符号は同一または相当する構成要素または部分を表す。
【0031】
実施の形態1.
図1は、本発明による熱型赤外線検出器の一例である第1の熱型検出器の平面図である。第1の熱型検出器はSOIダイオード方式の熱型検出器である。同図に示すように、第1の熱型検出器には、中空構造体6、エッチング孔7、金属配線(垂直信号線)9、金属配線(垂直選択線)10、中空構造体6を機械的に支持するための支持脚11、上層シリコン薄膜3中に形成され、不純物が高濃度ドープされた高濃度P型Si領域12、上層シリコン薄膜3中に形成され、不純物が低濃度ドープされた低濃度N型Si領域13、上層シリコン薄膜3を熱酸化して形成される分離用のフィールド酸化膜14が設けられている。
【0032】
領域12はSOIの上層シリコン薄膜中に形成された高濃度P型Si領域である。領域13はSOIの上層シリコン薄膜中に形成された低濃度N型Si領域である。領域32はSOIの上層シリコン薄膜中に形成された高濃度N型Si領域である。ここで、高濃度P型Si領域12及び高濃度N型Si領域32は、低濃度N型Si領域13の不純物濃度を基準とし、それよりも高い不純物濃度でドーピングされている(以下の実施形態においても同じ)。ここで、高濃度とは、例えば1×1018個/cm3程度以上が、低濃度とはそれよりも2桁程度小さい値が一般的に考えられうる。しかし、これらの濃度値に限定されるものではない。1つの高濃度P型Si領域12と1つの低濃度N型Si領域13とをPN接合して1つのダイオード(第1のタイプのダイオード)D1が形成される。また、1つの高濃度P型Si領域12と1つの高濃度N型Si領域32とをPN接合して、別のタイプのダイオード(第2のタイプのダイオード)D2が1つ形成される。図1に示す例では、これらの2種類のダイオードの各々3個ずつ、すなわち、合計6個のダイオードが、交互に異なるタイプが配置されるように直列に接続されている。すなわち、第1のタイプ→第2のタイプ→第1のタイプ→第2のタイプ…となるように、複数のダイオードが直列接続される。直列接続の終端に有るダイオードは配線9a、配線8を介してそれぞれ垂直信号線9及び垂直選択線10に接続される。
【0033】
図2は、図1に示した第1の熱型検出器を、複数個のダイオードを直列接続するときの連結方向に沿った断面図である。図2の例では、2個のダイオードを直列に接続する場合について示しているが、3個以上の場合も同様である。図2に示すように、SOI基板のバルクSi1において、SOI基板のボックス酸化膜2、SOI基板の上層シリコン薄膜3、絶縁膜からなる保護膜4が設けられている。上層シリコン薄膜3中にPN接合ダイオードが形成されている。このとき、ボックス酸化膜2の下方には空隙5が形成されている。ボックス酸化膜2と上層シリコン薄膜3と保護膜4とが、下地のバルクSi1と熱的に分離される中空構造体を構成する。また、同図には示していないが、低濃度のN型Si領域13にコンタクト29が接する箇所では、良好なコンタクト特性を得るため、コンタクトホール直下のN型Si領域の不純物濃度が高められている。
【0034】
図1および図2に示した第1の熱型検出器の動作を説明する。なお、被写体から放射された赤外線が熱型検出器に入射したとき、これを検出する赤外線検出動作については従来の熱型検出器の場合と同様であるためここでの説明は省略する。
【0035】
第1の熱型検出器では、前述の様に高濃度P型Siと高濃度N型Siで構成されるダイオードと、高濃度P型Siと低濃度N型Siで構成されるダイオードの2種類のダイオードが交互に直列に接続されている。このうち、高濃度P型Siと低濃度N型SiによるダイオードはPN接合の逆方向耐圧が高いため、直列接続されたダイオード全体の逆方向耐圧は十分に高いものとなる。このため、この熱型検出器を用いた赤外線固体撮像素子では、非選択の画素に大きな逆方向バイアスが印加されても、耐圧不足によってライン欠陥が生じるといった不良が発生しない。また、バルクSi/ボックス酸化膜/SOIの上層シリコン薄膜で構成されて寄生的に生じるPMOSトランジスタに関しては、N型Si領域32の不純物濃度を高濃度としたため、この部分での寄生PMOSトランジスタの閾値電圧が上昇し、これにより、寄生PMOSトランジスタを流れるリーク電流が低減される。なお、2種類のPN接合ダイオードはN型Si領域の不純物濃度が異なるが、PN接合界面の面積を同じにすればIV特性は互いに等しくなるため、本実施形態の熱型検出器の赤外線検出感度は従来のものと同一である。
【0036】
また、熱型検出器において、P型とN型を入れ換えて、第1のタイプのダイオードD1を、高濃度N型Si領域と低濃度P型Si領域をPN接合することにより形成してもよい。
【0037】
実施の形態2.
上記の第1の熱型赤外線検出器の別の例を説明する。図3は、本発明による第2の熱型検出器であってSOIダイオード方式の熱型検出器の、複数個のダイオードの直列接続における連結方向に沿った断面図である。図3の例では、図2の場合と同様に2個のダイオードを直列に接続した場合について示している。
【0038】
図3に示した第2の熱型検出器は、図2に示した実施の形態1のものと同様に2種類のダイオードが直列に接続されるが、一方のダイオードの構造が図2の場合とは異なっている。すなわち、本実施形態の熱型検出器は、SOIの上層シリコン薄膜3中の下方に形成された高濃度N型Si領域32と、SOIの上層シリコン薄膜3中、その高濃度N型Si領域32の上方に形成された低濃度N型Si領域13'とを有する。つまり、実施の形態1において高濃度P型Si(12)と高濃度N型Si(32)で構成されるダイオード(図2参照)を、本実施形態では、図3に示すように、高濃度P型Si(12)と高濃度N型Si(32)で構成されるダイオードと、高濃度P型Si(12)と低濃度N型Si(13')で構成されるダイオードとの並列回路によって構成する。この場合も、下層のN型Si領域32の不純物濃度は、上層の低濃度N型Si領域13'に比して高濃度とするため、この部分での寄生PMOSトランジスタの閾値電圧が上昇し、寄生PMOSトランジスタを流れるリーク電流が低減される。その他の動作については、実施の形態1の場合と同様である。
【0039】
以上のように、上記実施形態による熱型検出器によれば、十分大きな逆方向耐圧を確保した上で寄生PMOSトランジスタによるリーク電流を低減でき、IV特性に優れた熱型検出器を得ることができる。さらに、熱型検出器は、その製造プロセスにおいてN型不純物領域の濃度を変更するだけで従来の熱型検出器からの変更が可能である。このため、熱型検出器を用いて従来の赤外線撮像素子の検出器特性を改善する場合には、画素のレイアウト変更は不要で、容易に性能改善が行えるという利点がある。
【0040】
実施の形態3.
図4は、本発明に係る熱型赤外線検出器の別の例である第3の熱型検出器の平面図である。第3の熱型検出器はSOIダイオード方式の熱型検出器である。図4において、領域32はSOIの上層シリコン薄膜3中に形成された高濃度N型Si領域である。1つの高濃度P型Si領域12と1つの高濃度N型Si領域32とのPN接合により1個のダイオードが形成される。また、1つの高濃度P型Si領域12と1つの低濃度N型Si領域13とのPN接合により別の1個のダイオードが形成される。
【0041】
このとき、第3の熱型検出器では、垂直信号線9の最も近くに配置するダイオードすなわち配線9aを介して垂直信号線9に接続されたダイオードD3を、高濃度P型Si(12)と低濃度N型Si(13)で形成する。このように第3の熱型検出器において高濃度P型Si(12)と低濃度N型Si(13)で形成されるダイオードはその1つのみであり、残りの複数個のダイオードは全て高濃度P型Si(12)と高濃度N型Si(32)で形成される。ここで、垂直信号線9の最も近くのダイオードとは、垂直信号線9との電気的接続関係において近くにあるダイオードのことを意味し、すなわち、一連のダイオード群の終端にあり、垂直信号線9と直接的に電気的に接続される一つのダイオードを指す。
【0042】
次に、第3の熱型検出器の動作について説明する。第3の熱型検出器では、直列接続された複数個のダイオードを構成する一連のPNPN・・・構造において、最も垂直信号線9側にあるN型Si領域13の不純物濃度のみが低濃度で、他のN型Si領域32の不純物濃度は高濃度としている。すなわち、寄生的に形成されるPMOSトランジスタのP/N/P構造において、2つのP型Si領域12で挟まれたN型Si領域32は全て高濃度となる。このため、全ての寄生PMOSトランジスタの閾値電圧が上昇し、これによるリーク電流が大幅に低減される。また、逆方向耐圧に関しては、最も垂直信号線9側に配置された、高濃度P型Si(12)と低濃度N型Si(13)からなるPN接合によって、その耐圧が確保される。なお、赤外線検出等のその他の動作については、図2に示した例の場合と同様である。
【0043】
以上のように、この発明による第3の熱型検出器によれば、比較的大きな逆方向耐圧を確保した上で寄生PMOSトランジスタによるリーク電流を大幅に低減でき、IV特性に優れた熱型検出器を得ることができる。第3の熱型検出器は、この発明による第1の熱型検出器に比べてリーク電流の低減効果が大きいため、1個の高濃度P型Siと低濃度N型Siの接合だけでも素子駆動に十分な逆方向耐圧が得られる場合には特に有効である。さらに、この発明による第3の熱型検出器は、第1の熱型検出器と同様に、従来の熱型検出器からの変更には画素レイアウトの変更が不要といった利点がある。
【0044】
実施の形態4.
図5は、本発明に係る熱型赤外線検出器のさらに別の例である第4の熱型検出器の平面図である。第4の熱型検出器はSOIダイオード方式の熱型検出器である。図6は、第4の熱型検出器の、複数個のダイオードの直列接続の連結方向に沿った断面図である。図5及び図6において、P型Si領域12とN型Si領域13とはPN接合され、一対となって1つのダイオードを形成する。P型Si領域12あるいはN型Si領域13には電気的接続を得るためのコンタクト15が接続され、ダイオード間はそのコンタクト15を介してTiN等からなる薄膜配線33により電気的に接続される。
【0045】
図5および図6に示した第4の熱型検出器の動作について説明する。第4の熱型検出器では、P型Si領域12とN型Si領域13とのPN接合で構成されるダイオードが複数個配置されるが、各々のダイオード間はフィールド酸化膜14によって分離されており、薄膜配線33によって互いに直列接続される。このようにダイオード間をフィールド酸化膜14で分離したため、従来の熱型検出器で見られた一連のP/N/P構造もしくはN/P/N構造が存在せず、寄生PMOSトランジスタ及び寄生NMOSトランジスタは形成されない。このため、従来の熱型検出器の場合に問題となっていた寄生PMOSトランジスタによるリーク電流は完全に解消される。また、耐圧に関しては、各ダイオードが高濃度P型Siと低濃度N型Siで形成されて大きな逆方向耐圧を有するため、検出器全体として十分に大きな逆方向耐圧を得ることができる。
【0046】
以上のように、第4の熱型検出器によれば、十分大きな逆方向耐圧を確保した上で寄生PMOSトランジスタによるリーク電流を完全に解消でき、IV特性に極めて優れた熱型検出器を得ることができる。
【0047】
実施の形態5.
図7は、本発明に係る熱型赤外線検出器のさらに別の例である第5の熱型検出器の平面図である。第5の熱型検出器はSOIダイオード方式の熱型検出器である。図8は、図7に示した第5の熱型検出器の、複数個のダイオードの直列接続の連結方向に沿った断面図である。図7および図8において、高濃度Si領域12は検出器の上方から見て低濃度N型Si領域13の周囲を取り囲むように形成される。高濃度P型Si領域12にはコンタクト34が、低濃度N型Si領域13にはコンタクト35がそれぞれ接続され、複数個のダイオード間を電気的に接続するためにTiN等からなる薄膜配線33が設けられている。
【0048】
図7および図8に示す第5の熱型検出器の動作について説明する。第5の熱型検出器では、低濃度N型Si領域13と、その低濃度N型Si領域13を取り囲むようにして形成された高濃度P型Si領域12とにより1つのダイオードが形成される。このとき、各ダイオードについては一連のP/N/P構造が形成されるが、両側のP型Si領域12は同電位のため、これがPMOSとして作用してリーク電流を生じることはない。また、ダイオード間はフィールド酸化膜14によって分離されているため、第4の熱型検出器の場合と同様にして、複数個のダイオードを直列接続しても寄生PMOSトランジスタによるリーク電流が完全に解消される。また、耐圧に関しては、各ダイオードが高濃度P型Siと低濃度N型Siで形成されて大きな逆方向耐圧を有するため、検出器全体として十分に大きな逆方向耐圧を得ることができる。さらに、この第5の熱型検出器では、各ダイオードのPN接合界面が周辺のフィールド酸化膜14に接していない。そのため、ダイオードに電流を流す場合、空乏層中をキャリアが移動する際にSi/フィールド酸化膜界面の界面準位によって捕獲、再放出されるといった問題が回避され、1/fノイズの発生が大幅に低減される。
【0049】
以上のように、この第5の熱型検出器によれば、十分大きな逆方向耐圧を確保した上で寄生PMOSトランジスタによるリーク電流を完全に解消でき、IV特性に優れた熱型検出器が得られるとともに、1/fノイズの極めて小さな熱型検出器を得ることができる。なお、本実施形態では、ダイオード形状として低濃度N型Si領域の周囲を高濃度P型Si領域が囲繞する場合について示したが、2つのSi領域の不純物濃度の大小関係を逆にしても同様の作用があり、さらに、P型Si領域の周囲をN型Si領域が取り囲むようにしても同様である。
【0050】
実施の形態6.
図9は、本発明に係る熱型赤外線検出器のさらに別の例である第6の熱型検出器の断面図である。第6の熱型検出器はSOIダイオード方式の熱型検出器である。図9は、複数個のダイオードの直列接続における連結方向に沿った断面図である。図9において、高濃度P型Si領域12は検出器の上方から見て低濃度N型Si領域13の周囲を取り囲むように形成され、高濃度Si領域12’はSOIの上層シリコン薄膜中で低濃度N型Si領域13の下方に形成されている。
【0051】
図9に示す第6の熱型検出器の動作について説明する。第6の熱型検出器において、高濃度P型Si領域12が検出器上方から見て低濃度N型Si領域13の周囲を取り囲むように形成されるとともに、低濃度N型Si領域13の下方にも高濃度P型Si領域(領域12')を形成して、上面を除く全ての面でN型Si領域をP型Si領域が取り囲むようなダイオード構造(包含型構造)としている。このとき、ダイオードのPN接合界面は、分離用のフィールド酸化膜14に接しないばかりでなくボックス酸化膜2とも接しない。そのため、ダイオードに電流を流す場合、空乏層中をキャリアが移動する際にSiとフィールド酸化膜との界面や、Siとボックス酸化膜との界面の界面準位によって捕獲、再放出されるといった問題が回避され、1/fノイズの発生がますます低減される。さらに、この熱型検出器はダイオードのPN接合面積が大きくなるため、検出器を定電流駆動したときのPN接合界面での電流密度が小さくなる。定電流駆動の場合、ダイオードの温度変化に対する順方向電圧の変化量は電流密度が小さいほど増加するため、この第6の熱型検出器では赤外線検出感度が向上する。また、複数個のダイオードを直列接続する場合の寄生PMOSトランジスタによるリーク電流を解消する作用と、大きな逆方向耐圧を得る作用については、前述の第5の熱型検出器の場合と同様である。
【0052】
以上のように、この第6の熱型検出器によれば、十分大きな逆方向耐圧を確保した上で寄生PMOSトランジスタによるリーク電流を完全に解消でき、IV特性に優れた熱型検出器が得られるとともに、1/fノイズが極めて小さく、赤外線検出感度の高い熱型検出器を得ることができる。なお、本実施形態では、ダイオード形状として低濃度N型Si領域の周囲を高濃度P型Si領域が取り囲む場合について示したが、2つのSi領域の不純物濃度の大小関係を逆にしても同様の作用があり、さらに、P型Si領域の周囲をN型Si領域が取り囲む場合についても同様である。
【0053】
実施の形態7.
図10は、本発明に係る熱型赤外線検出器のさらに別の例である第7の熱型検出器の平面図である。第7の熱型検出器はSOIダイオード方式の熱型検出器である。第7の熱型検出器では、図10に示すように、各ダイオードのPN接合界面の形状を検出器上面から見て円形としていることが特徴であり、その他については前述の第5の熱型検出器もしくは第6の熱型検出器の場合と同様である。
【0054】
図10に示す第7の熱型検出器の動作について説明する。一般に、PN接合界面が平面的でなく面内に突起などの角が含まれる場合には、その先端部で電界集中が起こり、逆方向耐圧低下やリークによるIV特性不良などの問題が発生しやすい。しかしながら、図10に示す第7の熱型検出器では、PN接合界面を上方から見て円形に形成したことにより、PN接合界面はなめらかな曲面となり、電界集中が抑制される。なお、図10の例では各ダイオード周辺のフィールド酸化膜14との界面もなめらかな形状としているが、この部分の形状は任意で従来の方形状のままでも良い。
【0055】
以上のように、第7の熱型検出器によれば、第5および第6の熱型検出器と同等の作用を有した上で、さらに逆方向耐圧を向上させ、IV特性に極めて優れた熱型検出器が得られる。なお、本実施形態では、ダイオードのPN接合界面を上方から見て円形に形成しているが、これをなめらかな曲面状に形成するのであればその形状は任意であり、その場合も同様の作用がある。
【0056】
実施の形態8.
図11は、本発明に係る熱型赤外線検出器のさらに別の例である第8の熱型検出器の平面図である。第8の熱型検出器はSOIダイオード方式の熱型検出器である。図11において、領域36は第1の導電型の高濃度不純物Si領域である。領域37は、第1の導電型の逆の導電型となる第2の導電型の領域であって、領域36よりも低い不純物濃度を持つ低濃度不純物Si領域である。各ダイオードを形成する半導体領域が包含型となる点は、前述の第5ないし第7の熱型検出器の場合と同様である。しかし、第8の熱型検出器では、外側に形成されるSi領域の不純物濃度を高く、内側に形成されるSi領域37の不純物濃度をそれよりも低くしていることを特徴とする。
【0057】
図11に示す第8の熱型検出器の動作について説明する。包含型のダイオードを電気的に接続する場合、レイアウトの点から、2つのSi領域36、37へのコンタクト34、35からPN接合界面までの長さは、互いに異なるものとなる。すなわち、高濃度のSi領域36のコンタクト34からPN接合界面までの長さは相対的に長く、低濃度のSi領域37のコンタクト35からPN接合界面までの長さは相対的に短くなる。このとき、高濃度のSi領域36はチャネル抵抗が低く、一方、低濃度のSi領域37はチャネル抵抗が高いため、この発明による第8の熱型検出器では、ダイオード全体としての直列抵抗が低減される。ダイオードに電流を流す場合、ここで発生する熱雑音はダイオードの直列抵抗に応じて増加するため、この熱型検出器では直列抵抗が低い分だけ熱雑音が低減される。
【0058】
このように第8の熱型検出器によれば、第5ないし第7の熱型検出器と同等の作用を有したうえで、さらにダイオードの熱雑音も低減されるといった優れた利点がある。
【0059】
以上述べたように、本発明に係るSOIダイオード方式の熱型検出器によれば、逆方向耐圧が大きくリーク電流が少ない理想的なIV特性を有し、赤外線検出感度が高く、通電時の1/fノイズや熱雑音などの読出ノイズが少ない優れた熱型検出器を得ることができる。そのため、この発明による熱型検出器を用いた赤外線固体撮像素子は、温度分解能が向上するとともに、画素サイズ縮小による撮像装置の小型化や多画素化による高画質化が可能になるといった優れた効果がある。
【0060】
【発明の効果】
本発明の第1の熱型赤外線検出器によれば、複数個のダイオードのうちの高濃度の一の導電型半導体(例えばP型Si)と低濃度の他の導電型の半導体(N型Si)とで形成されるダイオードが、検出器全体としての十分大きな逆方向耐圧を確保する。同時に、残りのダイオードは高濃度の一の導電型半導体と高濃度の他の導電型半導体とで形成されるため、複数個のダイオードを直列接続する際に寄生的に形成されるPMOSの閾値電圧を上昇させ、これによりリーク電流を低減できる。
【0061】
本発明の第2の熱型赤外線検出器によれば、少なくとも一つのダイオードを構成する一の半導体を不純物濃度の異なる2つの半導体領域で構成し、下層の半導体領域の不純物濃度を上層の半導体領域に比して高濃度とするため、この部分での寄生トランジスタの閾値電圧が上昇し、寄生トランジスタを流れるリーク電流を低減できる。
【0062】
本発明の第3の熱型赤外線検出器によれば、耐圧を確保するために形成された高濃度の一の導電型半導体(例えばP型Si)と低濃度の他の導電型の半導体(N型Si)とからなる1つのダイオードをダイオードの直列接続の終端に位置させ、残りのダイオードは高濃度の一の導電型半導体(P型Si)と高濃度の他の導電型(N型Si)の半導体とで構成する。このような配置にしたとき、基板裏面側に寄生的に形成されるMOSトランジスタに関しては、2つの一の導電型(P型)半導体領域で挟まれた他の導電型(N型)の半導体領域の不純物濃度は全て高濃度となる。このため、全ての寄生トランジスタは他の導電型(N型)の不純物濃度の増加によって閾値電圧が上昇し、寄生トランジスタによるリーク電流が大幅に低減される。
【0064】
本発明の第4の熱型検出器は、ダイオードのPN接合界面が最も界面準位密度の高い半導体とフィールド酸化膜の界面とは接しないような構造(包含型構造)としたため、ダイオードで発生する1/fノイズが大幅に低減される。
【0065】
本発明の第5の熱型検出器は、ダイオードのPN接合界面が半導体とフィールド酸化膜の界面と接しないばかりでなく、半導体とボックス酸化膜界面とも接しないような構造としたため、1/fノイズはさらに低減される。同時に、PN接合界面の面積も増加するため、ダイオード温度変化に対する順方向電圧の変化量が増大して検出器感度が向上する。
【0066】
本発明の第6の熱型検出器は、上記の包含型構造のダイオードを形成する場合のPN接合界面の形状をなめらかな曲面状としている。PN接合界面が平面でなく角状の突起部分を含んでいる場合には、その先端部で電界集中が起こり逆方向耐圧低下などの不良が発生しやすい。しかしながら、第6の熱型検出器ではPN接合界面をなめらかに形成したことにより電界集中が抑制され、その結果、十分大きな逆方向対圧が確保される。
【0067】
本発明の第7の熱型検出器は、包含型構造のダイオードを形成する場合のPN接合の濃度を、内側の半導体領域は低濃度に、外側の半導体領域を高濃度としている。このような包含型構造のダイオードでは、これを電気的に接続する場合、必然的に外側の半導体領域の実効的なチャネル長が長く、内側の半導体領域の実効的なチャネル長が短くなる。このとき、低濃度の半導体領域はチャネル抵抗が高く、高濃度の半導体領域はチャネル抵抗が低くなるため、第7の熱型検出器では、ダイオード全体としての直列抵抗が低減される。ダイオードに電流を流す場合、その熱雑音はダイオードの直列抵抗に応じて増加するため、この熱型検出器では直列抵抗が低い分だけ熱雑音も低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の熱型検出器の平面図である。
【図2】 本発明に係る第1の熱型検出器の断面図である。
【図3】 本発明に係る第2の熱型検出器の他の例の出器断面図である。
【図4】 本発明に係る第3の熱型検出器の平面図である。
【図5】 本発明に係る第4の熱型検出器の平面図である。
【図6】 本発明による第4の熱型検出器の断面図である。
【図7】 本発明による第5の熱型検出器の平面図である。
【図8】 本発明による第5の熱型検出器の断面図である。
【図9】 本発明による第6の熱型検出器の断面図である。
【図10】 本発明による第7の熱型検出器の平面図である。
【図11】 本発明による第8の熱型検出器の平面図である。
【図12】 従来のSOIダイオード方式の熱型検出器の断面図である。
【図13】 従来のSOIダイオード方式の熱型検出器の平面図である。
【図14】 従来のSOIダイオード方式の赤外線固体撮像素子の素子ブロック図である。
【図15】 従来の熱型検出器のダイオード連結方向に沿った断面図である。
【図16】 従来の熱型検出器のPN接合界面における断面図である。
【符号の説明】
1 バルクSi、 2 ボックス酸化膜、 3 上層シリコン薄膜、 4 保護膜、 5 空隙、 6 中空構造体、 7 エッチング孔、 8,9a 薄膜配線、 9 垂直信号線、 10 垂直選択線、 11 支持脚、 12 高濃度P型Si領域、 13 低濃度N型Si領域、 14 フィールド酸化膜、 15 コンタクト、 16 コンタクト、 17 画素境界、 18 PN接合ダイオード、 19 垂直走査回路、 20 水平走査回路、 21 定電流源、 22 積分増幅回路、 23 水平選択MOSトランジスタ、 24 水平信号線、 25 出力アンプ、 26 層間絶縁膜、 27 コンタクト、 28 コンタクト、 29 コンタクト、 30 PN接合界面、 31 界面準位トラップ 32 高濃度N型Si領域、 33 薄膜配線、 34 コンタクト、 35 コンタクト、 36 第1の導電型の高濃度Si領域、 37 第2の導電型の低濃度Si領域。
Claims (7)
- 半導体基板と、該半導体基板と熱的に分離された断熱構造体と、該断熱構造体上に形成された複数個のPN接合ダイオードとを有し、各々のダイオードが電気的に直列接続される熱型赤外線検出器であって、前記複数個のPN接合ダイオードを構成するP型半導体領域とN型半導体領域は交互に配置されて一連の半導体領域を形成し、前記複数個のPN接合ダイオードには、第1のタイプのダイオードと第2のタイプのダイオードとが含まれ、前記第1のタイプのダイオードは、P型またはN型のうちの一の導電型の第1の半導体と、P型またはN型のうちの他の導電型の半導体であって前記第1の半導体よりも高い不純物濃度を有する第2の半導体とのPN接合によって構成され、前記第2のタイプのダイオードは、前記第2の半導体と、前記一の導電型の半導体であって前記第1の半導体よりも高い不純物濃度を有する第3の半導体とのPN接合によって構成されることを特徴とする熱型赤外線検出器。
- 請求項1記載の熱型赤外線検出器において、前記第3の半導体は上層及び下層の2つの半導体領域からなり、下層の半導体領域は上層の半導体領域よりも高い不純物濃度を有することを特徴とする熱型赤外線検出器。
- 請求項1記載の熱型赤外線検出器において、前記断熱構造体上に形成された複数個のPN接合ダイオードのうち、前記第1のタイプのダイオードは1つだけ形成され、該1つのダイオードは前記ダイオードの直列接続の終端に配置されることを特徴とする熱型赤外線検出器。
- 半導体基板と、該半導体基板と熱的に分離された断熱構造体と、該断熱構造体上に形成された複数個のPN接合ダイオードを有し、各々のダイオードが電気的に直列接続される熱型赤外線検出器であって、各ダイオードは、第1の導電型の半導体領域と、該第1の導電型と異なる第2の導電型の半導体領域とから構成されており、各ダイオードにおいて、第1及び第2の導電型の半導体領域は、熱型赤外線検出器の上方から見て、第2の導電型の半導体領域が第1の導電型の半導体領域を囲繞するように形成されることを特徴とする熱型赤外線検出器。
- 半導体基板と、該半導体基板と熱的に分離された断熱構造体と、該断熱構造体上に形成された複数個のPN接合ダイオードとを有し、各々のダイオードが電気的に直列接続される熱型赤外線検出器であって、各ダイオードは、第1の導電型の半導体領域と、該第1の導電型と異なる第2の導電型の半導体領域とから構成されており、各ダイオードにおいて、第1及び第2の導電型の半導体領域は、第2の導電型の半導体領域が第1の導電型の半導体領域を熱型赤外線検出器の上面を除いて三次元的に内包するように形成されることを特徴とする熱型赤外線検出器。
- 請求項4または請求項5記載の熱型赤外線検出器において、各ダイオードにおいて第1の導電型の半導体領域と第2の導電型の半導体領域との接合面の形状はなめらかな曲面状であることを特徴とする熱型赤外線検出器。
- 請求項4ないし請求項6のいずれか1つに記載の熱型赤外線検出器において、各ダイオードにおいて第2の導電型の半導体領域は、第1の導電型の半導体領域よりも高い不純物濃度を有することを特徴とする熱型赤外線検出器。
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