JP3683626B2 - シフトレバー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の変速機をシフト操作するためのシフトレバー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の変速機をシフトするためのシフトレバー装置では、シフトレバーが支軸によって回動自在に支持されており、変速機に連結されている。また、このようなシフトレバー装置では、シフトレバーのシフト位置を検出するためのスイッチが設けられている。このスイッチは、例えばNSS(ニュートラル・スタート・スイッチ)とされており、P及びNシフトレンジに位置するシフトレバーを検出し、これら以外のポジションではエンジンの始動ができないように構成されている。
【0003】
ここで、このようなシフトレバー装置に設けられた前述の如き従来のスイッチ(NSS)は、移動接点(検出片)を備えた所謂スライドタイプとされている。シフトレバーがシフト操作された場合には、シフトレバーに設けられた作動アームが移動接点に係合して、あるいは移動接点に設けられた作動アームがシフトレバーに係合して、移動接点がスライド移動し、これによりシフトレバーのシフト位置を検出することができる構成である。
【0004】
ところで、前述の如き従来のスライドタイプのスイッチを備えたシフトレバー装置では、スイッチの移動接点を移動させるための作動アーム、換言すればスイッチのシフトレバーとの連結部位が、側方へ向いた状態で配置されていたため、上方から滴下する水が内部に侵入し易く、スイッチの防水性という点において改善の余地があった。
【0005】
またこのような従来のスイッチは、電気的接続のためのコードを備えており、このコードに設けられたコネクタを介して車両側の電気部品に接続されているが、異なる車種毎に前記コードの長さも異なるため、結果的に車種毎に前記スイッチを異なる部品として設定する必要があり、部品の共通化を図るうえの障害となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、シフトレバーのシフト位置を検出するためのスイッチの防水性が向上することができ、合わせて、車種毎にスイッチを異なる部品として設定する必要がなく部品の共通化を図ることができるシフトレバー装置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のシフトレバー装置は、支軸によって回動自在に支持されると共に車両の変速機に連結され、シフト操作されることにより複数のシフトレンジのうちの一つに選択されて前記変速機をシフトするシフトレバーと、前記シフトレバーの側近に設けられ、前記シフトレバーに係合することにより検出片が移動して前記シフトレバーのシフト位置を検出するスイッチと、を備えたシフトレバー装置において、前記スイッチの検出片が移動するための前記シフトレバーとの連結部位が下向きとなる状態で前記スイッチを配置すると共に、前記スイッチの電気的接続のためのコネクタを前記スイッチに一体的に直接設けたことを特徴としている。
また、請求項2に係る発明のシフトレバー装置は、請求項1記載のシフトレバー装置において、前記支軸周りに前記シフトレバーと連係して回動すると共に前記シフトレバーと前記スイッチの検出片とを連結する作動アームを有し、かつ、前記作動アームは前記回動することで前記スイッチの検出片を直線的に移動させる、ことを特徴としている。
【0008】
上記構成のシフトレバー装置では、シフトレバーが操作されて複数のシフトレンジのうちの一つが選択されると、シフトレバーの移動に伴ってスイッチがシフトレバーに係合し検出片が移動されて、シフトレバーのシフト位置が検出される。このスイッチは、例えばNSSとして用いられる。
【0009】
ここで、スイッチは、シフトレバーとの連結部位が下向きとなる状態で配置されているため、仮に車室内から(すなわち、スイッチの上方から)水が滴下しても、スイッチの内部に水が侵入することがなく、スイッチ自体が浸水することがない。このように、極めて簡単な構造により簡易な防水が実現できる。
【0010】
また、スイッチには、電気的接続のためのコネクタが一体的に直接設けられているため、従来の如く異なる車種毎にスイッチを異なる部品として設定する必要がなくなり、部品の共通化を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置10の主要部の正面図が示されており、図2にはこのシフトレバー装置10の一部破断した断面図が示されている。
【0012】
シフトレバー装置10では、シフトレバー12を備えている。このシフトレバー12は円筒形のリテーナ14に一体的に固着されており、さらに、シフトレバー12と一体化されたリテーナ14は、シャフト16によって回動自在に支持されている。このシフトレバー12は図示しないコントロールロッド等を介して車両の変速機に連結されており、シフトレバー12がシャフト16周りに回動することにより変速機がシフトされるようになっている。
【0013】
また、シフトレバー12にはグルーブドピン18が設けられている。グルーブドピン18は、シフトレバー12の内部に設けられたディテントロッド20を介してシフトノブ22のシフトボタン24に連結されており、さらに、ディテントロッド20はリターンスプリング26によって付勢されている。これにより、シフトボタン24を操作することにより、グルーブドピン18がリターンスプリング26の付勢力に抗してシフトレバー12の軸線に沿って上下に移動する構成である。
【0014】
グルーブドピン18は、ディテントプレート28のディテント孔30内に入り込んでいる。ディテント孔30の上周囲壁は、シフトレバー12の「P」、「R」、「N」、「D」、「2」及び「L」の各シフトレンジに関係付けられて凹凸が連続する形状に形成されており、グルーブドピン18が係合している。すなわち、所定のシフトレンジ間では、シフトボタン24を操作してグルーブドピン18を下方へ移動させない限り、グルーブドピン18がディテント孔30の凹凸を乗り越えることができず、隣接するシフトレンジへのシフトレバー12の移動が制限され、また、他の所定のシフトレンジ間では、シフトボタン24を操作しなくても隣接するシフトレンジへシフトレバー12を操作するだけでグルーブドピン18がディテント孔30の凹凸を乗り越えられるようになっている。
【0015】
また、シフトレバー12(リテーナ14)を支持するシャフト16には、作動アーム32が固定されている。作動アーム32は、ディテントプレート28の側方に立設しており、上端部はディテントプレート28から離間する方向へ略直角に屈曲されて係合部34とされている。
【0016】
一方、ディテントプレート28の側近には、スイッチとしてのNSS(ニュートラル・スタート・スイッチ)36が設けられている。ここで、図3乃至図7には、このNSS36の詳細が示されている。
【0017】
NSS36は、本体38が長細のボックス状に形成されると共に、本体38内に検出片としての移動接点40を備えた所謂スライドタイプとされており、移動接点40が直線的に移動して各位置を検出する。移動接点40にはピン42が設けられている。このピン42はU字形に形成されており、U字の開口が外側に向かう状態で本体38の開口39から外部へ突出している。
【0018】
また、NSS36では、電気的接続のためのコネクタ44が本体38の長手方向一端に一体的に直接設けられている。また、本体の一側には板状の固定部46が設けられており、シフトレバー装置10への固定用となっている。
【0019】
以上の構成のNSS36は、前記ピン42(換言すれば、開口39)が下向きとなる状態で、固定部46が固定されて、ディテントプレート28の側近に位置しており、ピン42のU字内に前述した作動アーム32の係合部34が入り込んでいる。これにより、作動アーム32がシャフト16周りに回動すると、係合部34の円運動がピン42の直線移動に変換されて、移動接点40が直線的に移動され、シフトレバー12のシフト位置を検出することができる構成である。
【0020】
また、このNSS36は、コネクタ44を介して車両側の電気部品に接続されており、P及びNシフトレンジに位置するシフトレバー12を検出してこれら以外のポジションではエンジンの始動ができないように構成されている。
【0021】
上記構成のシフトレバー装置10では、所定のシフトレンジにおいてシフトボタン24の操作によってグルーブドピン18が下方へ移動されると、あるいはシフトボタン24を操作しなくてもグルーブドピン18がディテント孔30の突起を乗り越えることができる位置では、シフトレバー12の回動が可能になる。このため、シフト操作によってシフトレバー12がシャフト16周りに回動し、複数のシフトレンジのうちの一つに選択されて変速機がシフトされる。
【0022】
また、シフトレバー12が回動されると、作動アーム32がシフトレバー12と共に回動される。このため、作動アーム32の係合部34がNSS36のピン42を押圧して移動接点40が移動され、シフトレバー12のシフト位置が検出される。
【0023】
ここで、シフトレバー装置10では、NSS36のシフトレバー12(作動アーム32)との連結部位(係合部34)すなわちピン42(開口39)が、下向きとなる状態で配置されているため、仮に車室内から(すなわち、NSS36の上方から)水が滴下しても、開口39からNSS36の内部に水が侵入することがなく、NSS36自体が浸水することがない。このように、極めて簡単な構造により簡易な防水が実現できる。
【0024】
また、NSS36には、電気的接続のためのコネクタ44が本体38に一体的に直接設けられているため、このNSS36を、従来の如く長さの異なる電気コード等を備えた異なるスイッチとして、すなわち車種毎に異なる部品として設定する必要がなくなり、部品の共通化を図ることができる。したがって、低コストになり、適用の範囲も大幅に拡大する。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係るシフトレバー装置は、上記構成としたので、シフトレバーのシフト位置を検出するためのスイッチの防水性が向上することができ、合わせて、車種毎にスイッチを異なる部品として設定する必要がなく部品の共通化を図ることができるという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置の構成を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置の構成を示す一部破断した断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置のNSSと作動アームの対応関係を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置のNSSの平面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置のNSSの底面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置のNSSの左側面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るシフトレバー装置のNSSの右側面図である。
【符号の説明】
10 シフトレバー装置
12 シフトレバー
16 シャフト
18 グルーブドピン
28 ディテントプレート
32 作動アーム
34 係合部
36 NSS(ニュートラル・スタート・スイッチ)
39 開口
40 移動接点
42 ピン
44 コネクタ
Claims (2)
- 支軸によって回動自在に支持されると共に車両の変速機に連結され、シフト操作されることにより複数のシフトレンジのうちの一つに選択されて前記変速機をシフトするシフトレバーと、前記シフトレバーの側近に設けられ、前記シフトレバーに係合することにより検出片が移動して前記シフトレバーのシフト位置を検出するスイッチと、を備えたシフトレバー装置において、
前記スイッチの検出片が移動するための前記シフトレバーとの連結部位が下向きとなる状態で前記スイッチを配置すると共に、前記スイッチの電気的接続のためのコネクタを前記スイッチに一体的に直接設けたことを特徴とするシフトレバー装置。 - 前記支軸周りに前記シフトレバーと連係して回動すると共に前記シフトレバーと前記スイッチの検出片とを連結する作動アームを有し、かつ、前記作動アームは前記回動することで前記スイッチの検出片を直線的に移動させる、
ことを特徴とする請求項1記載のシフトレバー装置。
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JP25306095A JP3683626B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | シフトレバー装置 |
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JP25306095A Expired - Fee Related JP3683626B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | シフトレバー装置 |
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