JP3683495B2 - コンタクトレンズの汚れの除去方法およびそれに用いるコンタクトレンズ用処理液 - Google Patents

コンタクトレンズの汚れの除去方法およびそれに用いるコンタクトレンズ用処理液 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンタクトレンズの汚れの除去方法およびそれに用いるコンタクトレンズ用処理液に関する。さらに詳しくは、コンタクトレンズに付着したタンパク質などの汚れを充分に除去することができるうえ、たとえば色素含有または着色されたコンタクトレンズであっても脱色することがなく、コンタクトレンズへの悪影響がない安全性にもすぐれた、コンタクトレンズの汚れの除去方法およびそれに用いるコンタクトレンズ用処理液に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、使用後のコンタクトレンズに付着した、涙液中の脂質やタンパク質などの汚れを除去するために、種々の処理溶液や処理方法が開発されている。
【0003】
たとえば特公昭60−27965号公報には、次亜臭素酸イオンを含む水溶液中に汚れの付着したコンタクトレンズを有効時間浸漬処理する、汚れの除去方法が開示されている。また特公昭63−63887号公報には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、これらのアルカリまたはアルカリ土類金属塩1/2〜1/200mol/lと、次亜臭素酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩を含む水溶液中に汚れの付着したコンタクトレンズを有効時間浸漬処理する、汚れの除去方法が開示されている。
【0004】
前記コンタクトレンズの除去方法はいずれも、含水性、非含水性を問わず、コンタクトレンズ表面に付着した涙液中のタンパク質などを有効に除去することができる方法である。しかしながら、前記除去方法によればコンタクトレンズの形状や規格には悪影響がないものの、たとえば色素含有または着色されたコンタクトレンズやマークが付与されたコンタクトレンズの場合、前記除去方法にて処理しようとすると、水溶液中の(次亜臭素酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩から生じる)次亜臭素酸イオンの濃度によっては、コンタクトレンズの色やマークも除去されてしまうといったおそれがある。
【0005】
さらに前記のほかにも、コンタクトレンズ用の処理溶液に電流を通電してコンタクトレンズの汚れを除去する方法も提案されている。
【0006】
たとえば特開平7−104221号公報には、次亜ハロゲン酸含有処理液にコンタクトレンズを浸漬させ、該処理液に電極の正極と負極とを複数回繰り返して逆転させて直流電流を通電するコンタクトレンズの洗浄殺菌方法が開示されている。また特開平7−181436号公報には、処理液のイオンの流通が可能な2つの処理槽が連結した処理容器内で、通電時に次亜ハロゲン酸がない処理液中にコンタクトレンズを浸漬したのち、該処理液に電極の正極と負極とを複数回繰り返して逆転させて直流電流を通電し、処理液を周期的に酸性またはアルカリ性に変化させるコンタクトレンズの洗浄殺菌方法が開示されている。また特開平9−154922号公報には、ハロゲン化物を含有せず、次亜ハロゲン酸を含有する処理液中にコンタクトレンズを浸漬したのち、該処理液に直流電流を通電するコンタクトレンズの消毒洗浄方法が開示されている。
【0007】
前記方法はいずれも、コンタクトレンズを浸漬させた処理液に直流電流を通電させ、コンタクトレンズを消毒殺菌する方法であり、処理後のコンタクトレンズを安全に使用することができるものである。しかしながら、これらの方法はいずれも、処理液に直流電流を通電するための処理装置が必要であり、処理操作も極めて簡易であるとは言い難く、より簡便にかつ充分にコンタクトレンズを洗浄することができ、処理後のコンタクトレンズの安全性が維持される方法の提案が待ち望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、コンタクトレンズに付着したタンパク質などの汚れを充分に除去することができるうえ、たとえば色素含有または着色されたコンタクトレンズであっても脱色することがなく、コンタクトレンズへの悪影響がない安全性にもすぐれた、コンタクトレンズの汚れの除去方法およびそれに用いるコンタクトレンズ用処理液を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
次亜ハロゲン酸イオンを含み、そのpHが10以上に調整されたコンタクトレンズ用処理液にコンタクトレンズを有効時間接触させることを特徴とするコンタクトレンズの汚れの除去方法、ならびに
次亜ハロゲン酸のアルカリ金属塩または次亜ハロゲン酸のアルカリ土類金属塩を含む溶液(A)と、ハロゲン化金属塩を含む溶液(B)とが混合されて生成した次亜ハロゲン酸イオンを含み、そのpHが10以上に調整された、前記除去方法に用いるコンタクトレンズ用処理液
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の除去方法は、次亜ハロゲン酸イオンを含むコンタクトレンズ用処理液にコンタクトレンズを有効時間接触させて処理する際に、該コンタクトレンズ用処理液としてpHが10以上に調整されたものを用い、コンタクトレンズの汚れを除去するものである。
【0011】
本発明に用いられるコンタクトレンズ用処理液には、次亜ハロゲン酸イオンが含まれる。
【0012】
前記次亜ハロゲン酸イオンとしては、たとえば次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオンなどがあげられる。これらのなかでは、後述する溶液(A)と溶液(B)との反応効率が高く、所望のすぐれた汚れの除去効果が得られるほか、他と比較して毒性が低く、コンタクトレンズや眼に悪影響を及ぼさない程度の酸化力で安全性にすぐれる点で、次亜臭素酸イオンがとくに好ましい。
【0013】
前記したように、本発明に用いられるコンタクトレンズ用処理液には、次亜ハロゲン酸イオンが含まれるが、これは、次亜ハロゲン酸塩が水に溶解したり、次亜ハロゲン酸のアルカリ金属塩または次亜ハロゲン酸のアルカリ土類金属塩を含む溶液(A)と、ハロゲン化金属塩を含む溶液(B)とが混合されるなどして生成した次亜ハロゲン酸イオンである。
【0014】
溶液(A)に含まれる次亜ハロゲン酸のアルカリ金属塩としては、たとえば次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸のアルカリ金属塩;次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸ナトリウムなどの次亜臭素酸のアルカリ金属塩;次亜ヨウ素酸カリウム、次亜ヨウ素酸ナトリウムなどの次亜ヨウ素酸のアルカリ金属塩などがあげられる。また溶液(A)に含まれる次亜ハロゲン酸のアルカリ土類金属塩としては、たとえば次亜塩素酸カルシウムなどの次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩;次亜臭素酸カルシウムなどの次亜臭素酸のアルカリ土類金属塩;次亜ヨウ素酸カルシウムなどの次亜ヨウ素酸のアルカリ土類金属塩などがあげられる。なお、前記のごとくコンタクトレンズ用処理液に含まれる次亜ハロゲン酸イオンとして次亜臭素酸イオンが好ましく、後述する溶液(B)に含まれるハロゲン化金属塩との反応を考慮すると、前記例示のなかでも次亜塩素酸のアルカリ金属塩および次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩がとくに好ましい。
【0015】
溶液(B)に含まれるハロゲン化金属塩としては、たとえば塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化銀、塩化銅、塩化鉄、塩化鉛、塩化アルミニウム、塩化亜鉛などの塩化金属塩;臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化ナトリウム、臭化銀、臭化銅、臭化鉄、臭化鉛、臭化アルミニウム、臭化亜鉛などの臭化金属塩;ヨウ化カリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化銀、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化亜鉛などのヨウ化金属塩などがあげられる。なお、前記のごとくコンタクトレンズ用処理液に含まれる次亜ハロゲン酸イオンとして次亜臭素酸イオンが好ましく、前記溶液(A)に含まれる次亜ハロゲン酸のアルカリ金属塩や次亜ハロゲン酸のアルカリ土類金属塩との反応を考慮すると、前記例示のなかでも臭化金属塩が好ましく、取扱いが容易で、安価であり、安全性が高い点から臭化カリウム、臭化カルシウムおよび臭化ナトリウムがとくに好ましい。
【0016】
なお本発明においては、前記のごとくコンタクトレンズ用処理液に含まれる次亜ハロゲン酸イオンとして次亜臭素酸イオンが好ましいが、該次亜臭素酸イオンは、たとえば次亜塩素酸のアルカリ金属塩または次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩を含む溶液(A)と、臭化金属塩を含む溶液(B)とを混合させると、次亜塩素酸のアルカリ金属塩または次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩と臭化金属塩とが反応して生成するものである。
【0017】
コンタクトレンズ用処理液中の次亜ハロゲン酸イオンの濃度は、コンタクトレンズの汚れを充分に除去するには、0.1mmol/L以上、好ましくは0.12mmol/L以上であることが望ましい。またコンタクトレンズに損傷を与えるなど悪影響が生じないようにするには、コンタクトレンズ用処理液中の次亜ハロゲン酸イオンの濃度は、1500mmol/L以下、好ましくは1400mmol/L以下であることが望ましい。
【0018】
なお前記次亜ハロゲン酸イオンの濃度は、以下のように考えることができる。すなわち、溶液(A)と溶液(B)とを混合させて次亜ハロゲン酸イオンが発生するが、これをたとえば次亜塩素酸ナトリウムを含む溶液(A)と臭化カリウムを含む溶液(B)との反応を例にとって説明すると、以下の反応式:
【0019】
【数1】
Figure 0003683495
【0020】
で表わされる反応が、反応率約100%で起こる。したがって、NaClOと次亜臭素酸イオン(BrO-)とのモル量は同等であり、次亜臭素酸イオン(次亜ハロゲン酸イオン)の濃度は、次亜塩素酸ナトリウム(次亜ハロゲン酸のアルカリ金属塩)のモル量とみることができる。
【0021】
溶液(A)中の次亜ハロゲン酸のアルカリ金属塩または次亜ハロゲン酸のアルカリ土類金属塩の濃度、および溶液(B)中のハロゲン化金属塩の濃度は、コンタクトレンズ用処理液中の次亜ハロゲン酸イオンの濃度、しいては最終的なコンタクトレンズ用処理液のpHを10以上に調整することを考慮して決定される。よって、コンタクトレンズ用処理液中の次亜ハロゲン酸イオンの濃度がたとえば前記範囲内に含まれるように、溶液(A)中の次亜ハロゲン酸のアルカリ金属塩または次亜ハロゲン酸のアルカリ土類金属塩の濃度、および溶液(B)中のハロゲン化金属塩の濃度が適宜調整される。たとえば両者の組み合わせにもよるが、溶液(A)中の次亜ハロゲン酸のアルカリ金属塩または次亜ハロゲン酸のアルカリ土類金属塩の濃度は、0.05mmol/L以上、好ましくは0.1mmol/L以上、さらに好ましくは0.2mmol/L以上であることが望ましく、7000mmol/L以下、好ましくは6000mmol/L以下、さらに好ましくは3000mmol/L以下であることが望ましい。また溶液(B)中のハロゲン化金属塩の濃度は、0.05mmol/L以上、好ましくは0.1mmol/L以上、さらに好ましくは0.2mmol/L以上であることが望ましく、10000mmol/L以下、好ましくは9000mmol/L以下、さらに好ましくは4500mmol/L以下であることが望ましい。
【0022】
本発明の除去方法において、前記次亜ハロゲン酸イオンを含むコンタクトレンズ用処理液のpHは10以上に調整される。
【0023】
前記コンタクトレンズ用処理液のpHを10以上に調整するのは、たとえば色素含有または着色されたコンタクトレンズが脱色されてしまうことなく、タンパク質などの汚れを充分に除去するためである。
【0024】
なおコンタクトレンズの脱色を防ぎ、かつタンパク質などの汚れを充分に除去する効果をより発現させるためには、コンタクトレンズ用処理液のpHは10以上、好ましくは11.5以上であり、また12.3以下、好ましくは12.2以下であることが望ましい。
【0025】
コンタクトレンズ用処理液のpHを10以上に調整するには、たとえば緩衝剤を次亜ハロゲン酸イオンとともに含有させることが好ましい。該緩衝剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。緩衝剤の添加により、コンタクトレンズに付着したタンパク質などの汚れの除去効果がより向上される。
【0026】
前記緩衝剤としては、タンパク質などの汚れの除去効果に効力を発揮する次亜ハロゲン酸イオンと反応しにくいという点で、たとえば炭酸、炭酸塩、リン酸、リン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物から選ばれた少なくとも1種が好ましく例示される。
【0027】
炭酸塩としては、たとえば炭酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムカリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウムナトリウム、炭酸リチウムなどがあげられる。
【0028】
リン酸塩としては、たとえばリン酸一カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸一ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸リチウムなどがあげられる。
【0029】
ホウ酸塩としては、たとえばホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸リチウムなどがあげられる。
【0030】
アルカリ金属水酸化物としては、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどがあげられる。
【0031】
アルカリ土類金属水酸化物としては、たとえば水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどがあげられる。
【0032】
これら緩衝剤のなかでは、コンタクトレンズ用処理液のpHを、レンズの脱色を抑制するのにより適した範囲に調整することが可能であるという点から、炭酸二ナトリウムなどの炭酸塩およびリン酸三ナトリウムなどのリン酸塩がとくに好ましい。
【0033】
コンタクトレンズ用処理液中の緩衝剤の濃度は、コンタクトレンズ用処理液のpHが10以上に調整されるような範囲であればよいが、コンタクトレンズの汚れの除去効果を充分に向上させるとともに、コンタクトレンズの脱色を充分に抑制するには、0.00001w/v%以上、好ましくは0.0001w/v%以上であることが望ましく、また10w/v%以下、好ましくは5w/v%以下であることが望ましい。
【0034】
なお緩衝剤は、コンタクトレンズ用処理液を得るために混合する前記溶液(A)および溶液(B)の双方に含有させてもよく、溶液(A)または溶液(B)のいずれか一方に含有させてもよい。溶液(A)および溶液(B)の双方に緩衝剤を含有させる場合、双方の緩衝剤は同種であってもよく、異種であってもよい。また双方の緩衝剤の合計濃度が前記範囲内に含まれるように調整すればよい。
【0035】
溶液(A)のpHと溶液(B)のpHとは同一であってもよく、異なってもよいが、両溶液を混合して反応させる際の安定性を維持するには、両溶液のpHが同程度であることが好ましく、さらには溶液(A)のpHおよび溶液(B)のpHがともに10以上であることが好ましい。
【0036】
前記次亜ハロゲン酸イオンを含み、そのpHが10以上に調整されたコンタクトレンズ用処理液に、コンタクトレンズを接触させることにより、コンタクトレンズの汚れを除去することができる。
【0037】
コンタクトレンズ用処理液にコンタクトレンズを接触させる方法にはとくに限定はないが、たとえば処理容器に入れたコンタクトレンズ用処理液中にコンタクトレンズを浸漬させる方法や、コンタクトレンズに該コンタクトレンズ用処理液を塗布したり噴霧する方法などが採用され得る。
【0038】
コンタクトレンズ用処理液にコンタクトレンズを有効時間接触させてコンタクトレンズの汚れが除去されるが、コンタクトレンズを接触させる時間は、通常1分間〜24時間、好ましくは3分間〜8時間であることが望ましい。
【0039】
またコンタクトレンズ用処理液の液温にはとくに限定がなく、除去操作を行なう室温程度でよい。
【0040】
本発明の除去方法によれば、コンタクトレンズに付着したタンパク質などの汚れを充分に除去することができるうえ、コンタクトレンズが脱色されたりすることがない。よって、本発明のコンタクトレンズ用処理液および除去方法は、たとえば色素含有または着色されたコンタクトレンズにも有効に利用することができ、コンタクトレンズへの悪影響がなく、安全性にもすぐれている。
【0041】
【実施例】
つぎに、本発明のコンタクトレンズの汚れの除去方法およびそれに用いるコンタクトレンズ用処理液を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0042】
実施例1〜5および比較例1〜2
まず、リゾチーム0.2mg/mLをISO生理食塩水にて溶解させ、人工汚染水溶液を調製した。
【0043】
得られた人工汚染水溶液中に着色されたコンタクトレンズ(紫色、登録商標:メニコンスーパーEX、(株)メニコン製)を80℃で40時間浸漬させたのち、取出して蒸留水にて濯いだ。この着色されたコンタクトレンズを室温にて乾燥させ、汚染コンタクトレンズを得た。
【0044】
つぎに、以下の各溶液を調製した。
溶液(A):次亜塩素酸ナトリウム0.5w/v%および表1に示す緩衝剤1.5w/v%を含む水溶液(pH:約11.5)
溶液(B):臭化カリウム0.5w/v%および表1に示す緩衝剤0.25w/v%を含む水溶液(pH:約11.5)
【0045】
前記溶液(A)5mLと溶液(B)5mLとを混合してコンタクトレンズ用処理液10mLを調製した(次亜臭素酸イオン濃度:約33.6mmol/L(計算値)、緩衝剤濃度:0.875w/v%)。このコンタクトレンズ用処理液のpH(室温)を表1に示す。
【0046】
前記コンタクトレンズ用処理液(液温:室温)10mL中に、汚染コンタクトレンズを浸漬させた。浸漬5時間後および20時間後にコンタクトレンズを取出し、蒸留水で濯いだ。
【0047】
試験例1(レンズ脱色抑制効果試験)
実施例1〜5および比較例1〜2におけるコンタクトレンズ用処理液にて未処理のコンタクトレンズおよび、5時間または20時間処理を施したコンタクトレンズを用い、レンズ脱色試験を行なった。
【0048】
コンタクトレンズ用処理液にて未処理のコンタクトレンズについて、波長800nmにおける吸光度(A01)を自記分光光度計(UV−2200、(株)島津製作所製)にて測定した。また同じ未処理のコンタクトレンズについて、波長684nm(青色)における吸光度(A02)を同様にして測定し、これら吸光度A01およびA02の差(A0、絶対値)を計算した。
【0049】
つぎにコンタクトレンズ用処理液にて5時間または20時間処理したコンタクトレンズについて、波長800nmにおける吸光度(A11)を前記吸光度計にて測定した。また同じ処理後のコンタクトレンズについて、波長684nm(青色)における吸光度(A12)を同様にして測定し、これら吸光度A11およびA12の差(A1、絶対値)を計算した。
【0050】
前記各吸光度の差A0とA1とを比較し、以下の評価基準に基づいてレンズ脱色抑制効果を評価した。その結果を表1に示す。
【0051】
(評価基準)
A:脱色せず、紫色を維持していた。
(A0とA1との差(絶対値)が0.005未満)
B:若干脱色していたが、紫色を維持していた。
(A0とA1との差(絶対値)が0.005以上、0.01未満)
C:概ね脱色しており、赤みがかっていた。
(A0とA1との差(絶対値)が0.01以上、0.02未満)
D:完全に脱色しており、赤色であった。
(A0とA1との差(絶対値)が0.02以上)
【0052】
試験例2(タンパク質除去効果試験)
実施例1〜5および比較例1〜2におけるコンタクトレンズ用処理液にて5時間処理を施したコンタクトレンズの表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいてタンパク質除去効果を評価した。その結果を表1に示す。
【0053】
(評価基準)
A:タンパク質が完全に除去されていた。
B:タンパク質がほぼ除去されていた。
C:タンパク質が除去されていなかった。
【0054】
【表1】
Figure 0003683495
【0055】
表1に示された結果から、実施例1〜5のように本発明のコンタクトレンズ用処理液にて汚染コンタクトレンズを処理すると、タンパク質が完全に除去されているだけでなく、5時間の処理の場合は勿論のこと、20時間といった長時間の処理の場合であっても、いずれも元のコンタクトレンズの紫色が維持されており、実際にコンタクトレンズを使用するのに充分な程度に脱色が抑制されていることがわかる。
【0056】
これに対し、比較例1〜2のようにpHが10以上に調整されていないコンタクトレンズ用処理液を用いた場合には、タンパク質を除去することはできるが、たった5時間後であってもレンズの脱色が起こってしまうことがわかる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の除去方法によれば、コンタクトレンズに付着したタンパク質などの汚れを充分に除去することができるうえ、コンタクトレンズが脱色することがない。よって、本発明のコンタクトレンズ用処理液および除去方法は、たとえば色素含有または着色されたコンタクトレンズにも有効に利用することができ、コンタクトレンズへの悪影響がなく、安全性にもすぐれている。

Claims (13)

  1. 次亜ハロゲン酸イオンを含み、そのpHが10以上に調整されたコンタクトレンズ用処理液にコンタクトレンズを有効時間接触させることを特徴とするコンタクトレンズの汚れの除去方法。
  2. コンタクトレンズ用処理液のpHが10〜12.3に調整された請求項1記載の除去方法。
  3. 次亜ハロゲン酸イオンが次亜臭素酸イオンである請求項1記載の除去方法。
  4. コンタクトレンズ用処理液が緩衝剤を含む請求項1記載の除去方法。
  5. 緩衝剤が炭酸、炭酸塩、リン酸、リン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物から選ばれた少なくとも1種である請求項4記載の除去方法。
  6. 緩衝剤が炭酸塩またはリン酸塩である請求項4記載の除去方法。
  7. コンタクトレンズが色素含有または着色されたコンタクトレンズである請求項1記載の除去方法。
  8. 次亜ハロゲン酸のアルカリ金属塩または次亜ハロゲン酸のアルカリ土類金属塩を含む溶液(A)と、
    ハロゲン化金属塩を含む溶液(B)
    とが混合されて生成した次亜ハロゲン酸イオンを含み、そのpHが10以上に調整された、請求項1記載の除去方法に用いるコンタクトレンズ用処理液。
  9. そのpHが10〜12.3に調整された請求項8記載のコンタクトレンズ用処理液。
  10. 次亜ハロゲン酸イオンが、次亜塩素酸のアルカリ金属塩または次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩を含む溶液(A)と臭化金属塩を含む溶液(B)とが混合されて生成した次亜臭素酸イオンである請求項8記載のコンタクトレンズ用処理液。
  11. 溶液(A)および/または溶液(B)が緩衝剤を含む請求項8記載のコンタクトレンズ用処理液。
  12. 緩衝剤が炭酸、炭酸塩、リン酸、リン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物から選ばれた少なくとも1種である請求項11記載のコンタクトレンズ用処理液。
  13. 緩衝剤が炭酸塩またはリン酸塩である請求項11記載のコンタクトレンズ用処理液。
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