JP3683150B2 - 制限透過膜及びその製造方法、並びに化学センサ素子及び化学センサ素子の製造方法 - Google Patents

制限透過膜及びその製造方法、並びに化学センサ素子及び化学センサ素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、液体試料中に含まれる測定対象物質の透過を制限する制限透過膜及びその製造方法、並びに前記制限透過膜を用いて液体試料中に含まれる特定物質を識別し、係る特定物質の濃度を測定する化学センサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、液体試料中の特定成分の濃度を測定する化学センサが広く利用されている。
係る化学センサは、分子識別機能を有する部位(以下、「レセプタ」という)と前記レセプタに起因した変化を電気信号に変換する信号変換部位(以下、「トランスデューサ」という)とを含み構成されている。
【0003】
化学センサの中でも、生物材料(微生物、酵素、抗体、細胞など)の分子認識機能を利用し、係る生物材料をレセプタとして用いたのがバイオセンサである。バイオセンサは、レセプタとして酵素・抗体・微生物を、トランスデューサとして酸素電極や過酸化水素電極などの電極又はトランジスタ等の半導体デバイスをそれぞれ用いて形成される。
レセプタは特定の物質と選択的に反応するため、たとえ液体試料中に種々の物質が混在している場合であっても特定の物質としか反応しない。
トランスデューサは、レセプタと特定の物質との反応により得られた変化を電気信号に変換する。
例えば、水溶液中のグルコースを測定するグルコースセンサでは、レセプタとしてグルコースオキシダーゼ(グルコース酸化酵素)を採用し、トランスデューサとしては、Ptよりなる過酸化酸素電極が採用される。
グルコースオキシダーゼは、架橋剤を用いて架橋されることにより、或いは天然又は合成高分子のゲル又は半透膜で被覆されることにより固定化され、膜中に存在する(ここで、グルコースオキシダーゼが固定化された膜を「酵素固定化膜」とする)。
この場合、水溶液中のグルコースは、酵素固定化膜中のグルコースオキシダーゼによって酸化され、グルコン酸と過酸化水素が生成する。
グルコース + O → グルコン酸 + H………………式(1)
水溶液中の過酸化水素量が過酸化水素電極によって電流値に変換されることにより、測定前後の過酸化水素量の差からグルコースの濃度が決定される。
同様の方法にてグルコースの他、化学センサを用いることにより有機化合物のみならず無機化合物やイオン等様々な物質を測定することができる。
【0004】
しかしながら、前述のグルコースの変換反応は水溶液中に溶け込んでいる酸素を消費して進行するため、グルコースの濃度がある程度以上になると、過酸化酸素電極によって変換される電流値が飽和し、正確な濃度を測定できなくなる。
すなわち、前述したグルコースセンサにおいて、グルコースの測定可能な濃度範囲は限られており、グルコースの濃度がある濃度以上になるとその濃度を正確に検知できなくなるという問題が生じる。
【0005】
係る問題を解決するために用いられるのが制限透過膜である。
係る制限透過膜を備えた化学センサ素子の従来の構造を図5(a)に示した断面図を参照して以下に説明する。
図5(a)に示すように、平滑な絶縁性の基板3上には、作用極41と対極42からなるトランスデューサ4が配設され、係るトランスデューサ4を上方から覆うように機能性膜(酵素固定化膜及び選択透過膜)が設置されていた。
制限透過膜1は、この機能性膜の上面には、制限透過膜1とが順に積層して成膜されていた。
ここで、前記機能性膜の上面とは、機能性膜2において制限透過膜1が形成される側の面を指し、機能性膜2において基板3に密着した面を下面とする。
以下の説明においては、特に断りがない限り機能性膜2を基準にして制限透過膜1が形成される方向を上方(上面)とし、基板3が位置する方向を下方(下面)とする。
すなわち、前記基板3上にトランスデューサ4と機能性膜2と制限透過膜1とが上方に向かって順に積層されており、機能性膜2は略均一の厚さで成膜されていた。
従って、機能性膜の上面には前記トランスデューサ4が設置された位置の上方の領域で段差が形成されており、係る領域以外が平坦化されていた。
制限透過膜1は酵素固定化膜の外層に形成され、測定対象物質の透過を制限する機能を有する。
ここで、前記酵素固定化膜の外層とは、酵素固定化膜の上面を指すものである。
すなわち、酵素固定化膜に到達する測定対象物質の量を制限透過膜1が制限することにより、より高濃度までの測定が可能になり、測定対象物質の測定可能な濃度範囲を拡大することができる。
従来、前記制限透過膜1は、アルブミン、セルロース等の多孔性物質を酵素固定化膜上に塗布したり、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)、セルロース等の多孔性フィルムを貼付したりして形成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の制限透過膜1を用いた従来の化学センサにおいては、次のような問題が生じていた。
制限透過膜1として前記多孔性物質を用いた場合、制限透過膜1の膜厚と膜質とを制御することが難しいため、再現性が得られなかった。
一方、制限透過膜1として前記多孔性フィルムを用いた場合、再現性が優れている反面、孔の大きさや密度の選択には限界があり、目的とする測定対象物質の濃度範囲で正確な測定結果を得るのが困難であった。
また、係る孔は円筒状であるため、特に膜が厚い場合には、測定対象物質が酵素固定化膜まで到達しにくく、酵素固定化膜に測定対象物質が到達するまでに時間がかかり、測定結果が得られるまでに多くの時間を要していた。
さらにこの場合、制限透過膜の膜厚を薄くするためには極めて薄い多孔性フィルムを貼付する必要があった。
しかしながら、極めて薄い制限透過膜は、その形成に限度があるだけではなく、機能性膜上、すなわち酵素固定化膜上に貼付する作業も困難となるため、生産性が低下するという問題が生じていた。
【0007】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、被化学物質の透過性の制御が容易な制限透過膜及びその製造方法、並びに化学センサ素子及び化学センサ素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために提供する本願第一の発明に係る制限透過膜は、液体試料中に含まれる測定対象物質と選択的に反応するレセプタを含有してなる機能性膜の外層に形成され、積層方向の厚さが異なる厚膜部と薄膜部とによりなることを特徴とする。
【0009】
係る構成とすることにより、厚膜部の形成によって制限透過膜の機械的な強度を高めると共に、薄膜部の形成によって化学センサ素子としての感度が安定化し、測定のばらつきを抑えることができるので、歩留まりを向上させることができる。
【0010】
前記課題を解決するために提供する本願第二の発明に係る制限透過膜は、液体試料中に含まれる測定対象物質に選択的に反応するレセプタを含有してなる機能性膜の外層に形成され、前記機能性膜と対向する面に凹凸部が形成され、前記機能性膜と反対側の面を平坦にしたことを特徴とする。
【0011】
係る構成の制限透過膜とすることにより、それを備えた化学センサ素子の感度特性を損なうことなく制限透過膜を厚く形成することができる。
また、前記凹凸部が形成されたことによって、機能性膜と制限透過膜との設置面積が増大し、制限透過膜の剥離等の機械的な強度の問題点を解消することができる。
さらに、制限透過膜の下面における外周部には前記凹凸部のうち、凸部のみが形成されている。
ここで、特許2640544号によれば、表面に厚膜部と薄膜部とからなる凹凸部が形成された酵素固定化膜の構造が示されている。
係る酵素固定化膜を用いた化学センサ素子の構造を示す断面図が図5(b)である。
図5(b)に示すように、この酵素固定化膜は絶縁性の基板3上に蒸着形成された、作用極41、対極42、参照極43とからなるトランスデューサ4、を覆うと共に前記凹凸部が上面となるように設置され、その周囲をエポキシ接着剤等のシーリング剤でシーリングしている。
しかしながら、この様な構造の機能性膜2上に制限透過膜1を形成した場合においても、トランスデューサ4と機能性膜2との設置領域は限られており、各膜が剥離し易いといった問題が生じる。
また、酸素固定化膜及び選択透過膜よりなる機能性膜2は極めて薄膜に形成されているために、トランスデューサ4の端部による応力で膜欠陥が生じる可能性がある。
従って、本願発明に係る制限透過膜を、絶縁性の基板11上に機能性膜2と制限透過膜1とを積層してなる化学センサ素子に採用することによって、膜の機械的な強度が増し、膜欠陥を未然に防ぐことができる。
【0012】
前記課題を解決するために提供する本願第三の発明に係る制限透過膜は、本願第一又は二の発明の制限透過膜において、非多孔性かつ水に対して不溶である材質よりなることを特徴とする。
【0013】
係る構成は、制限透過膜の材質が測定対象物質の基質を透過しないことを意味する。
従って、係る構成によれば、酸素を透過しながらも、測定対象物質の透過を制限して測定レンジを拡大させると共に、汚染物質の吸着を防ぐといった制限透過膜の機能を向上させることができる。
【0014】
前記課題を解決するために提供する本願第四の発明に係る制限透過膜は、本願第三の発明の制限透過膜において、フッ素系樹脂からなることを特徴とする。
【0015】
係る構成とすることにより、フッ素系樹脂は一般に疎水性であることから膜厚が薄くなっても水を透過しないため、制限透過膜に適している。
【0016】
前記課題を解決するために提供する本願第五の発明に係る制限透過膜は、本願第二乃至四の制限透過膜の発明の何れか一において、凹凸部のうち凹部の総容量が測定対象物質の透過率に基づいて設定されたことを特徴とする。
【0017】
係る構成とすることにより、感度特性を損なうことなく制限透過膜の機械的な強度を高めることができる。
具体的には、制限透過膜の下面に形成された凹部が制限透過膜の上面から下面に試料を有効に透過すると共に、制限透過膜の下面に形成された凸部が制限透過膜の厚さを十分に確保することによって制限透過膜の剥離等の防止ができる。
ここで、前記測定対象物質の透過率とは、制限透過膜を通過する測定対象物質の単位時間当たりの量を意味する。
【0018】
前記課題を解決するために提供する本願第六の発明に係る制限透過膜は、本願第二乃至五の制限透過膜の発明の何れか一において、凹部には測定対象物質が透過する材質よりなるスペーサが充填されたことを特徴とする。
【0019】
係る構成とすることにより、制限透過膜を化学センサ素子の一部として機能性膜上に形成する場合において、絶縁性の基板及び機能性膜の表面処理及び形成を容易に行うことができる。
すなわち、表面が平坦な前記基板上に機能性膜を形成し、その上面にこの様な制限透過膜を形成することによって、感度特性を損なうことなく制限透過膜の機械的な強度を高めた化学センサを形成することができる。
【0020】
前記課題を解決するために提供する本願第七の発明に係る制限透過膜の製造方法は、酵素固定化膜を備えてなる機能性膜の平滑面上に形成される制限透過膜の製造方法において、トランスデューサ上に形成された表面が平滑な機能性膜上に、測定対象物質が透過する物質を島状に形成し、その上層に表面が平滑となるように制限透過膜を形成することを特徴とする。
【0021】
係る方法を採用することにより、制限透過膜の感度特性を向上させることができる。
また、島状に形成された前記物質の配列を制御することによって、試料に応じた感度特性を設定することができる。
【0022】
前記課題を解決するために提供する本願第八の発明に係る制限透過膜の製造方法は、本願第七の発明の制限透過膜の製造方法において、測定対象物質が透過する物質の総容量が測定対象物質の透過率に基づいて形成されてなることを特徴とする。
【0023】
係る方法を採用することにより、試料に応じた感度特性を任意に設定することができる。
ここで、前記測定対象物質が透過する物質の総容量とは制限透過膜の上面の面積及び厚さから算出される見かけの体積(容量)に対して各測定対象物質が透過する物質が占める体積(容量)の合計を示すものである。
【0024】
前記課題を解決するために提供する本願第九の発明に係る化学センサ素子は、少なくともトランスデューサ、機能性膜及び制限透過膜の順に設けられた化学センサ素子において、前記制限透過膜の前記機能性膜と対向する面には、凹凸部が形成され、前記機能性膜と反対側の面を平坦にしたことを特徴とする。
【0025】
係る構成とすることにより、前記凹部が試料を有効に透過して感度特性を高めると共に前記凸部が制限透過膜の厚さを十分に確保することによって制限透過膜の剥離等の防止ができる。
【0026】
前記課題を解決するために提供する本願第十の発明に係る化学センサ素子は、少なくともトランスデューサ、機能性膜及び制限透過膜の順に設けられた化学センサ素子において、前記制限透過膜は、厚膜部と薄膜部とよりなることを特徴とする。
【0027】
係る構成とすることにより、前記薄膜部が制限透過膜の上面から下面へ試料の拡散を容易ならしめ、感度特性を向上させると共に、前記厚膜部が制限透過膜の厚さを十分に確保することによって制限透過膜の剥離等の防止に見られる機械的な強度を高めることができる。
ここで、前記薄膜部は制限透過膜の厚さ、すなわち制限透過膜の上面(下面)から下面(上面)に向かう方向(積層方向)の制限透過膜の面の間隔を所定の間隔以下に形成したものである。
また、前記厚膜部は制限透過膜の厚さを所定の間隔以上に形成したものであり、前記所定の間隔は制限透過膜が機能性膜から容易に剥離することなく試料を透過しうる範囲で設定される。
さらに、制限透過膜の下面における外周部には厚膜部が形成されている。
【0028】
前記課題を解決するために提供する本願第十一の発明に係る化学センサ素子は、本願第九又は十の発明の化学センサ素子において、制限透過膜が非多孔性かつ水に対して不溶である材質よりなることを特徴とする。
【0029】
すなわち、測定対象物質の基質を透過しない材質からなる制限透過膜を採用することによって、測定対象物質の透過を制限して測定レンジを拡大させる機能がさらに増大し、目的とする測定対象物質の濃度範囲で正確な測定結果が得られる。
また、汚染物質の吸着を防ぐといった制限透過膜の機能を向上させることができることから、測定誤差を最小限に抑えることができる。
【0030】
前記課題を解決するために提供する本願第十二の発明に係る化学センサ素子は、本願第十一の発明の化学センサ素子において、制限透過膜がフッ素系樹脂からなることを特徴とする。
【0031】
係る構成とすることにより、フッ素系樹脂は一般に疎水性であることから膜厚が薄くなっても水を透過しないため、制限透過膜に適している。
【0036】
前記課題を解決するために提供する本願第十三の発明に係る化学センサ素子は、本願第九乃至十二の発明の化学センサ素子の何れか一において、機能性膜の少なくとも一部が制限透過膜の表面上に露出されてなることを特徴とする。
【0037】
係る構成とすることにより、測定対象物質を堆積させることなく、トランスデューサに対して取り込みやすくさせるために測定時間を短縮することが可能である。
【0038】
前記課題を解決するために提供する本願第十四の発明に係る化学センサ素子は、本願第九乃至十三の発明の化学センサ素子の何れか一において、機能性膜が均一の厚膜で形成されたことを特徴とする。
【0039】
係る構成とすることにより、例えば基板の上面に凹凸部が形成された場合、その凹凸部によって構成される起伏と同様の凹凸部を制限透過膜の下面に形成することができる。
【0040】
前記課題を解決するために提供する本願第十五の発明に係る化学センサ素子は、本願第九乃至十四の発明の化学センサ素子の何れか一において、少なくともトランスデューサ、機能性膜及び制限透過膜の順に絶縁性の基板の上に設けられ、前記絶縁性の基板の凹凸の粗さが前記制限透過膜の厚さ以下に設定されたことを特徴とする。
【0041】
係る構成とすることにより、前記基板の上面に形成された凹凸部と同様の凹凸部が機能性膜に形成され、それによって、機能性膜上に成膜される制限透過膜に前記凹凸部による膜欠陥を防止することができる。
【0042】
前記課題を解決するために提供する本願第十六の発明に係る化学センサ素子は、本願第九乃至十五の発明の化学センサ素子の何れか一において、少なくともトランスデューサ、機能性膜及び制限透過膜の順に絶縁性の基板の上に設けられ、前記絶縁性基板の表面の粗さが50nm以上に設定されることを特徴とする。
【0043】
係る構成とすることにより、制限透過膜の膜厚を50nm以上と設定することができ、この制限透過膜の厚膜化によって膜あつの制御が容易となり、結果として制限透過膜の形成に要する労力を軽減することができる。
【0044】
前記課題を解決するために提供する本願第十七の発明に係る化学センサ素子は、本願第九乃至十六の発明の化学センサ素子の何れか一において、前記機能性膜はグルコースオキシターゼを含有することを特徴とする。
【0045】
前記課題を解決するために提供する本願第十八の発明に係る化学センサ素子は、本願第九乃至十七の発明の化学センサ素子の何れか一において、トランスデューサが過酸化水素電極であることを特徴とする。
【0046】
前記課題を解決するために提供する本願第十九の発明に係る化学センサ素子の製造方法は、絶縁性の基板上にトランスデューサを形成し、その上に少なくとも選択透過膜及び酵素固定化膜からなる機能性膜と制限透過膜とを形成する化学センサ素子の製造方法において、少なくとも前記機能性膜の表面に一以上の凸部を形成し、その表面上に制限透過膜を形成することを特徴とする。
【0047】
係る方法を採用することにより、化学センサ素子としての感度の安定性を維持しながら制限透過膜の厚膜化ができる。
すなわち、制限透過膜の厚膜化がなされることによって、制限透過膜の成膜工程に要する制御を容易にコントロールすることができ、結果として素子感度のばらつきを最小限に抑えることができる。
また、機能性膜と制限透過膜との密着性も向上し、長期にわたって化学センサとしての信頼性を向上させることができる。
【0048】
前記課題を解決するために提供する本願第二十の発明に係る化学センサ素子の製造方法は、絶縁性の基板の表面を粗面化し、その表面上にトランスデューサと機能性膜とをそれぞれ均一の厚さで形成し、その上面に制限透過膜を形成することを特徴とする。
【0049】
係る方法を採用することにより、制限透過膜の厚さ方向に厚膜領域と薄膜領域とが形成され、化学センサ素子としての感度特性を向上させると共に、制限透過膜の機械的な強度も向上させることができる。
【0050】
前記課題を解決するために提供する本願第二十一の発明に係る化学センサ素子の製法方法は、本願第十九又は二十の発明の化学センサ素子の製造方法において、前記機能性膜はグルコースオキシターゼを含有することを特徴とする。
【0051】
前記課題を解決するために提供する本願第二十二の発明に係る化学センサ素子の製造方法は、本願第十九乃至二十一の発明の化学センサ素子の製造方法の何れか一において、前記トランスデューサは過酸化水素電極であることを特徴とする。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る制限透過膜及びその製造方法、並びに化学センサ素子及び化学センサ素子の製造方法の一実施の形態における構成について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る制限透過膜及びそれを備えた化学センサ素子の構造を示す断面図である。
図2は、本発明の一実施の形態に係る制限透過膜及びそれを備えた化学センサ素子の製造方法を示す断面図である。
図3及び図4は、本発明に係る制限透過膜及びそれを備えた化学センサ素子の製造方法の他の実施の形態における構造を示す断面図である。
図5は、化学センサ素子の従来の構造を示す断面図である。
【0053】
本実施の形態に係る制限透過膜1は、図1に示されるように、化学センサ素子のセンシング部0に設けられた機能性膜2の外層に形成されてなり、前記制限透過膜1における機能性膜2に対向する面には凹凸部101が形成されている。
すなわち、図1には、本実施の形態に係る制限透過膜1と、前記制限透過膜1が設けられた化学センサ素子のセンシング部0が示されている。
係る化学センサ素子は、液体試料中に含まれる測定対象物質と選択的に反応するレセプタを含有する機能性膜2と、前記レセプタが前記測定対象物質と反応することにより生じた変化を電気信号に変換するトランスデューサとをセンシング部0に有してなる。なお、トランスデューサ4は、作用極41と対極42とからなり、参照極43(図示してない)を具備していても良い。
係るトランスデューサ4は絶縁基板3上に設けられ、前記機能性膜2は前記トランスデューサ4上にそれを覆うように成膜されてなる。
【0054】
制限透過膜1は機能性膜2の外層に形成され、前記制限透過膜の下面、すなわち制限透過膜1における機能性膜2に対向する面には凹凸部101が形成されており、機能性膜2への測定対象物質の透過を制限する機能を有する。
すなわち、凹凸部101が制限透過膜1の下面に設けられていることにより、機能性膜2に到達する測定対象物質の量が制限透過膜1によって制限され、より高濃度までの測定が可能になるため、測定可能な測定対象物質の濃度範囲を拡大することができる。
また、前記制限透過膜1の厚さが50nm未満である場合には、機械的強度が弱く、温度変化や機械的なストレスを受けると前記膜が破れ、正確な濃度測定を行うことができなくなる。
従って、制限透過膜1として有効に機能する厚さが50nm以上であることによって、制限透過膜の機械的な強度を確保することができる。
制限透過膜1が機械的な強度を確保すると共に、試料中の検出成分をトランスデューサ4に対して効率的に到達させるために、前記基板3及び機能性膜2のそれぞれの上面には、凹凸部103及び凹凸部102が形成されている。
具体的には、前記基板3は、表面に予め凹凸部が形成されたアルミナよりなる基板を採用するか若しくはガラス基板等の表面に粗い研磨、又はサンドブラスト法やフォトリソグラフィ技術を用いて凹凸部103を形成する。
このとき、基板3の粗さ、すなわち基板3の断面における前記凹凸部103の振幅に関する中心線平均粗さRaは75nmに設定されることが望ましい。
この基板3の粗さに関しては、中心線粗さRaに限らず、最大高さRmax、十点平均粗さRzを採用しても良く、その粗さは触針法等で管理される。
この様に、凹凸部103が形成された基板3の表面上には、略均一の膜厚でトランスデューサ4が形成されている。
すなわち、トランスデューサ4の表面は前記基板3の表面に形成された凹凸部103の形状に伴った形状をなしており、それによってトランスデューサ4の表面積が増大し、感度特性を向上させることができる。
【0055】
トランスデューサ4の表面上には、略均一の膜厚で選択透過膜及び酵素固定化膜よりなる機能性膜2が成膜されている。
このとき、係る機能性膜2のうち、トランスデューサ4上に成膜された領域が、トランスデューサ4の膜厚分だけ上方に突出することとなる。
この様に、前記基板3上の凹凸部103により機能性膜2の表面に凹凸部102が形成されると共にトランスデューサ4の形成により機能性膜2に突出部が形成されることによって、機能性膜2上には大小の凹凸面が複合して形成されることとなる。
【0056】
制限透過膜はこの様に形成された機能性膜2上に成膜されており、その表面が平坦に形成されている。
ここで、前記機能性膜2の突出部では制限透過膜の厚さは0〜20nm、それ以外では制限透過膜の厚さは50nm以上となることによって、制限透過膜に厚膜部104bと薄膜部104aとが形成される。
従って、制限透過膜の表面と機能性膜2及びトランスデューサ4との距離が最小限度に確保されると共に機能性膜2上に大小の凹凸面が複合して形成されたことによって、制限透過膜の膜厚に幅が生じ、制限透過膜の機械的強度を向上させる。
また、表面を平坦化させた従来の機能性膜2に比べて機能性膜2の表面積が増大することによって機能性膜2と制限透過膜との密着性が増し、制限透過膜の剥離といった問題を軽減することができる。
さらに、係る制限透過膜1はシリコーンや、パーフルオロカーボンに代表されるフッ素系樹脂等の疎水性樹脂からなる。
ここで、疎水性樹脂とは、水との接触角が90゜以上である樹脂をいう。
【0057】
また、制限透過膜1の下面における凹凸形状を適宜設定して制限透過膜1を作成することにより、測定可能な測定対象物質の濃度範囲を設定することができる。
【0058】
機能性膜2は、前述したようにレセプタを含有してなる。レセプタとして用いられる物質としては、例えば酵素、抗体、微生物等がある。例えば、レセプタが酵素である場合には、機能性膜2は一般にレセプタを固定化した膜(酵素固定化膜)として形成される。
【0059】
トランスデューサ4は、前記レセプタが前記測定対象物質と反応することにより生じた変化を電気信号に変換する部位である。
前記レセプタが前記測定対象物質と反応することにより生じた変化とは、例えばレセプタと前記測定対象物質とが反応することにより生成した物質に起因した電流値の変化や、前記反応に起因した発光による電流値の変化等をいう。
トランスデューサ4としては、例えば各種電極や半導体デバイス等を用いる。
本実施の形態においては、図1に示されるように、トランスデューサ4が電極からなる場合を示す。
すなわち、図1において、トランスデューサ4は白金を用いた過酸化水素電極で作用極41、対極42、参照極43(図示していない)からなる。
これらの電極は、各種の金属が利用可能であるが、作用極41としては主に白金(Pt)を用い、対極42・参照極43としては、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag/AgCl)等を用いる。
【0060】
また、制限透過膜1と機能性膜2との間に緩衝層を設けても良い。例えば、制限透過膜1がフッ素系樹脂からなる場合には、フッ素系樹脂は柔軟性に乏しいので、例えば制限透過膜1が急激な温度変化に曝されたような場合、制限透過膜1にクラックが発生する恐れがある。そこで、制限透過膜1と機能性膜2との間に前記緩衝層を設けることにより、制限透過膜1上に生じるストレスを緩和することができ、クラックの発生の危険性を低減させることができる。緩衝層としては、例えばシリコーン、セルロース等を用いる。
【0061】
次に、本実施の形態に係る制限透過膜の製造方法、並びに前記制限透過膜を備えた化学センサ素子の製造方法について、図2を参照して説明する。
まず、図2に示すように、絶縁性の基板3の表面を粗面化する。
この前記絶縁性の基板3の表面の粗面化は、公知の粗面化技術を採用し、例えば前記基板3がガラス基板であれば0.05〜数μm程度の粗い研磨をしたり、サンドブラスト法やフォトリソグラフィ技術を採用する。
また、前記基板3は、アルミナ基板のように素板に予め凹凸が形成された基板3を採用することによって表面の粗面加工工程を省略しても良い。
いずれの基板を採用したとしても、表面に0.05〜数μm程度の凹凸が形成された基板3を用いることが望ましい。
次に、図2(b)に示すように、基板3の上面に設置される電極として作用極41及び対極42を形成する。
前記作用極41及び対極42は、粗面化された基板3上に所定の厚さで蒸着形成される。
ここで、前記絶縁性の基板3上には参照極43(図示していない)が設けられてもよく、その形成方法は前記作用極41及び対極42と略同様である。
【0062】
次に、これらの電極上に機能性膜2を形成し(図2(c))、前記機能性膜2上に制限透過膜1を形成する(図2(d))。
機能性膜2及び制限透過膜1の形成は主に公知のスピンコート法が採用され、それによって所定の厚さに均一に成膜される。
ここで、機能性膜2の成膜に関する所定の厚さとは、目的とする感度と応答速度に基づいて設定される。
この様に、基板3及び電極上に機能性膜2が均一の厚さに成膜されることによって、機能性膜2の表面に突出部が各電極の上部近傍に形成され、機能性膜2の表面は凹凸面が複合した形状をなす。
従って、機能性膜2の表面における表面積が増えることによって機能性膜2と制限透過膜1との密着性が向上する。
また、機能性膜2の表面に突出部が形成されることにより、機能性膜2上に成膜される制限透過膜1は、薄膜部104aと厚膜部104bとから構成される。薄膜部104aは試料に含有される被測定対象物質を電極に有効に到達させやすくし、厚膜部104bが測定対象物質の透過を妨げると共に、前記薄膜部104aの機械的な強度を担保する機能を有する。
さらに、本発明に係る制限透過膜1は、従来の化学センサ素子に用いられる制限透過膜1よりも厚膜化されることとなるので、制限透過膜1の形成、すなわち膜形成に要する制御性が容易になる。
例えば、図1に示すように、基板3の上面に形成された凹凸の粗さRaを75nm程度と設定し、制限透過膜の厚みを少なくとも25nm以上と設定すると、制限透過膜1の最大膜厚は100nm程度になる。
この様に制限透過膜1が厚膜化されることによって、従来の極めて薄く形成されていた制限透過膜1に比べて、機能性膜2への塗布作業が非常に制御性よくなされることとなる。
【0063】
以上により、任意のダイナミックレンジを有する制限透過膜1、及び前記制限透過膜1を有する化学センサを再現性良く得ることができる。
また、機能性膜2上に疎水性樹脂1aを塗布することにより制限透過膜1を形成するため、制限透過膜1を厚膜化することができる。
さらに、制限透過膜1の成膜に要する労力を軽減し、歩留まりの向上を図ることができる。
【0064】
また、本発明に係る制限透過膜を用いた化学センサの実施の形態においては、表面が粗面化された基板3を用いずに、トランスデューサ4の表面及び機能性膜2の表面のうち少なくとも何れかに凹凸部が形成されてもよい。
これにより、従来の平滑な基板を採用し、化学センサ素子を製造する際のコストを軽減することが可能である。
【0065】
本発明に係る他の実施の形態として、図3(a)に示すように、制限透過膜1の下面に凹凸部101を多数形成し、その凹凸部101にスペーサ105が充填された形態としても良い。
このスペーサ105とは、少なくとも測定対象物質を透過する物質であり、望ましくは機能性膜2、特に酵素固定化膜と同じ材質よりなる樹脂である。
すなわち、このスペーサを制限透過膜1の下面に多数形成された凹凸部101に塗布し、その裏面を平滑化してなる形態としても良い。
このとき、少なくとも機能性膜2の表面も平滑化されていれば良く、基板3上に各電極と機能性膜2とを形成する工程に要する労力を軽減することができる。また、制限透過膜1の下面を平滑化し、係る制限透過膜1の内部に多孔性の物質を点在させるか若しくは平滑な機能性膜2の表面に多孔性物質を点在させ、その上に上面が平滑となるように制限透過膜1を形成しても良い。
このとき、制限透過膜1の下面に形成する凹凸部101の分布及び深さ等の制御は測定する試料の特性に基づいて設定することができる。
【0066】
また、係る実施の形態における製造方法としては、表面にトランスデューサ4が形成された基板3上に機能性膜2を形成し、その上に測定対象物質を透過する物質、すなわちスペーサ105を島状に形成する。
その後、スペーサ105の上に制限透過膜1を形成する。
このとき、図3(b)に示すように、基板3及びトランスデューサ4の表面に凹凸部が形成されていなくても良く、その場合には、前記スペーサ105の表面若しくは上面が凹凸形状をなしていればよい。
また、スペーサ105としては、機能性膜2、特に酵素固定化膜と同じ材質よりなる樹脂を採用することが望ましい。
【0067】
さらに、本発明に係る化学センサ素子の他の実施の形態として、図4に示すように、機能性膜の少なくとも一部が制限透過膜の表面上に露出されてなる構造を採用しても良い。
具体的には、機能性膜における制限透過膜側の表面上に一以上の凸部を形成し、係る凸部が制限透過膜を厚さ方向に貫通すると共にそれらの先端が制限透過膜の表面上に露出されてなる構造である。
ここで、前記凸部の形状及び数は測定対象物質及び所望のセンサ感度に応じて適宜設定することができる。
図4に示すように、係る構成によれば、従来の制限透過膜に比べてトランスデューサに対する測定対象物質の取り込みを容易にするために測定時間を短縮することが可能である。
また、測定時間を短縮するために、本出願人は特願平11−215940において、一以上の貫通孔を設けた制限透過膜及びそれを備えた化学センサ素子を提案したが、本発明によれば測定時間の更なる短縮化を実現することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る制限透過膜及びその製造方法、並びに化学センサ素子及び化学センサ素子の製造方法によれば、化学センサ素子としての感度の安定性を維持しながら制限透過膜の厚膜化ができる。
すなわち、制限透過膜の厚膜化がなされることによって、制限透過膜の成膜工程に要する制御を容易にコントロールすることができ、結果として素子感度のばらつきを最小限に抑えることができる。
従って、目的とする測定対象物質の濃度範囲で高速かつ正確な測定結果を得ることができる。
また、前述したように、機能性膜と制限透過膜との密着性も向上し、長期にわたって化学センサとしての信頼性を向上させることができる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制限透過膜及びそれを備えた化学センサ素子の一実施の形態における構造を示す断面図である。
【図2】本発明に係る制限透過膜及びそれを備えた化学センサ素子の製造方法の一実施の形態における工程を示す断面図である。
【図3】本発明に係る制限透過膜及びそれを備えた化学センサ素子の製造方法の他の実施の形態における構造を示す断面図である。
【図4】本発明に係る制限透過膜及びそれを備えた化学センサ素子の製造方法の他の実施の形態における構造を示す断面図である。
【図5】制限透過膜及びそれを備えた化学センサ素子の従来の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
0.センシング部
1.制限透過膜
2.機能性膜
3.基板
4.トランスデューサ
41.作用極
42.対極
43.参照極
101.凹凸部
102.凹凸部
103.凹凸部
104a.薄膜部
104b.厚膜部
105.スペーサ

Claims (22)

  1. 液体試料中に含まれる測定対象物質と選択的に反応するレセプタを含有してなる機能性膜の外層に形成され、積層方向の厚さが異なる厚膜部と薄膜部とよりなることを特徴とする制限透過膜。
  2. 液体試料中に含まれる測定対象物質に選択的に反応するレセプタを含有してなる機能性膜の外層に形成され、前記機能性膜と対向する面に凹凸部が形成され、前記機能性膜と反対側の面を平坦にしたことを特徴とする制限透過膜。
  3. 非多孔性かつ水に対して不溶である材質よりなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制限透過膜。
  4. フッ素系樹脂からなることを特徴とする請求項3に記載の制限透過膜。
  5. 前記凹凸部のうち凹部の総容量が測定対象物質の透過率に基づいて設定されたことを特徴とする請求項2乃至4の何れか一に記載の制限透過膜。
  6. 前記凹部には測定対象物質が透過する材質よりなるスペーサが充填されたことを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか一に記載の制限透過膜。
  7. 酵素固定化膜を備えてなる機能性膜の平滑面上に形成される制限透過膜の製造方法において、トランスデューサ上に形成された表面が平滑な機能性膜上に、測定対象物質が透過する物質を島状に形成し、その上層に表面が平滑となるように制限透過膜を形成することを特徴とする制限透過膜の製造方法。
  8. 前記測定対象物質が透過する物質の総容量が測定対象物質の透過率に基づいて形成されてなることを特徴とする請求項7に記載の制限透過膜の製造方法。
  9. 少なくともトランスデューサ、機能性膜及び制限透過膜の順に設けられた化学センサ素子において、前記制限透過膜の前記機能性膜と対向する面には、凹凸部が形成され、前記機能性膜と反対側の面を平坦にしたことを特徴とする化学センサ素子。
  10. 少なくともトランスデューサ、機能性膜及び制限透過膜の順に設けられた化学センサ素子において、前記制限透過膜は、厚膜部と薄膜部とよりなることを特徴とする化学センサ素子。
  11. 前記制限透過膜が非多孔性かつ水に対して不溶である材質よりなることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の化学センサ素子。
  12. 前記制限透過膜がフッ素系樹脂からなることを特徴とする請求項11に記載の化学センサ素子。
  13. 前記機能性膜の少なくとも一部が制限透過膜の表面上に露出されてなることを特徴とする請求項9乃至請求項12の何れか一に記載の化学センサ素子。
  14. 前記機能性膜が均一の膜厚で形成されたことを特徴とする請求項9乃至請求項13の何れか一に記載の化学センサ素子。
  15. 少なくともトランスデューサ、機能性膜及び制限透過膜の順に絶縁性の基板の上に設けられ、前記絶縁性の基板の凹凸の粗さが記前制限透過膜の厚さ以下に設定されたことを特徴とする請求項9乃至請求項14の何れか一に記載の化学センサ素子。
  16. 少なくともトランスデューサ、機能性膜及び制限透過膜の順に絶縁性の基板の上に設けられ、前記絶縁性基板の表面の粗さが50nm以上に設定されることを特徴とする請求項9乃至請求項15の何れか一に記載の化学センサ素子。
  17. 前記機能性膜はグルコースオキシターゼを含有することを特徴とする請求項9乃至請求項16の何れか一に記載の化学センサ素子。
  18. 前記トランスデューサは過酸化水素電極であることを特徴とする請求項9乃至請求項17の何れか一に記載の化学センサ素子。
  19. 絶縁性の基板上にトランスデューサを形成し、その上に少なくとも選択透過膜及び酵素固定化膜からなる機能性膜と制限透過膜とを形成する化学センサ素子の製造方法において、少なくとも前記機能性膜の表面に一以上の凸部を形成し、その表面上に制限透過膜を形成することを特徴とする化学センサ素子の製造方法。
  20. 絶縁性の基板の表面を粗面化し、その表面上にトランスデューサと機能性膜とをそれぞれ均一の厚さで形成し、その上面に制限透過膜を形成することを特徴とする化学センサ素子の製造方法。
  21. 前記機能性膜はグルコースオキシターゼを含有することを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の化学センサ素子の製造方法。
  22. 前記トランスデューサは過酸化水素電極であることを特徴とする請求項19乃至請求項21の何れか一に記載の化学センサ素子の製造方法。
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