JP3683069B2 - 立坑の土留工法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば下水道工事,電線埋設工事及びマンホール等の地下構造物の立坑の構築工事おける土留工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水道工事やマンホールの施工工事では、クラブバケットやアースオーガー等の掘削装置を用いて立坑を掘削し、この立坑の発進坑口からシールド機等によって管渠施工のための掘進施工が行われる。
【0003】
このような立坑の掘削工事では、掘削の前にたとえば円筒形のケーシングを掘削装置に備えた圧入装置にクランプし、その軸線周りの往復回転運動または同一方向への回転運動を与えながら地中に圧入する作業が行われる。そして、ハイドログラブ等によってケーシング内の土砂を掘削して地上側に排土していき、立坑の施工深さに到達するまでに必要なケーシングを順次圧入して、掘削が繰り返される。すなわち、円筒形のケーシングは、地中に立坑を掘削施工するときの掘削手段として用いられるほか、土留工としても用いられている。
【0004】
ケーシングの圧入とこれに続くケーシング内の土砂の掘削完了後に、底部にコンクリート底版を打設するとともに湧水を排出すれば、ケーシングによって土留された立坑が構築されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ケーシングは土留のための支保工としての機能を十分に維持できるとともに、掘削時の掘削トルク、圧入装置による圧入方向のスラスト及び揺動旋回時の捩じり、掘削刃先の変動外力による衝撃力に耐え得る強度を持たせる必要ある。したがって、ケーシングの剛性を高くするために肉厚を10〜25mm程度の厚さとしたり、全体の厚さが45mm程度となる太鼓張り式の二重ケーシング構造としたりする必要がある。
【0006】
このようにケーシングが肉厚であったり二重ケーシング構造であると、ケーシング全体の重量が大きくなり、製造原価も板厚の増加とともに飛躍的に増大することになる。
【0007】
また、立坑の掘削の後に地下構造物を構築した後でもケーシングはそのまま地中に残し、地下構造物に対する土留の補強に役立てることが多い。
【0008】
しかしながら、ケーシングそのものの再利用ができないことから、多量の鋼材を無駄に消費することになるほか、地下構造物を撤去して新たな構造物を施工するような場合には、ケーシングの引き抜きまたは切断してスクラップ化した後の撤収が必要となる。このため、ケーシングを地中に残したままとすることは、経済性の面で好ましくなく、また腐食による環境汚染の問題も避けられない。
【0009】
本発明において解決すべき課題は、従来の厚肉のケーシングを利用する場合のように鋼材の無駄な消費がなく、しかも完工後の土留も良好な立坑の施工ができるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、立坑を掘削施工するに際して坑内周に土留を構築する工法であって、地山中への圧入負荷及び掘削負荷に耐える肉厚強度の掘削用ケーシングを地中に圧入する工程と、圧入された掘削用ケーシング内の土砂を掘削排土した後この掘削用ケーシングの中に薄肉の支土留用ケーシングを装入する工程と、掘削用ケーシングと支土留用ケーシングとの間に硬化剤を注入する工程と、更にこの硬化剤の注入と同時または注入後に掘削用ケーシングを引き抜きつつその下端から硬化剤層を形成する工程とを含み、支土留用ケーシングと硬化剤層とによって土留を構築することを特徴とする。
【0011】
このような工法であれば、地山の掘削のために使用する掘削用ケーシングの強度を高くしておけば、地中への圧入や掘削負荷に耐えることができ、掘削排土の後には支土留用ケーシングを掘削用ケーシングの中に投入するだけなので、この支土留用ケーシングが薄肉であってもその変形は破壊を生じることがない施工が可能となる。また、支土留用ケーシングはその外周に形成される硬化剤の層によって一体化されるので、薄肉であってもこの硬化剤の層による補強を利用して十分な強度の土留を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1から図4は本発明の土留工法によって立坑を構築する工程を順に示す図である。
【0013】
まず、図1に示すように、地上には従来から用いられている立坑掘削機50を配備して立坑掘削の施工を行う。立坑掘削機50は履帯式の走行車輛51に揺動圧入機52を備えるともにブーム53の先端にハイドログラブ54を連接したものである。揺動圧入機52はそのクランプ52aに掘削用ケーシング1を保持してこれを揺動させながら地中に圧入していく機能を持ち、ハイドログラブ54は圧入された掘削用ケーシング1内の土砂を掘削して地上側に排土する。
【0014】
掘削用ケーシング1は、従来の立坑掘削用のケーシングと同様に10〜20mm程度の肉厚を持つ鋼板製の中空円筒状のものであり、最初に圧入された掘削用ケーシング1内の土砂をハイドログラブ54で掘削及び地上側に排土した後に、次段の掘削用ケーシング1が圧入される。そして、上下に配列される掘削用ケーシング1どうしの継ぎ目部分は専用の継手1aによって接合されるか、溶接によって一体に連結され、図示の例では図2〜図3に示すように2段の掘削用ケーシング1が圧入されている。
【0015】
このような掘削用ケーシング1の圧入及び掘削の繰り返しによる立坑の掘削では、一般的に地下水位までの湧水Wがあるので、ハイドロクラブ54による掘削はこの湧水W中での水中掘削となる。そして、掘削用ケーシング1は従来の立坑構築用のものと同様の肉厚を持つので、周囲地山からの土圧にも十分に耐え得るものであり、ハイドログラブ54による掘削作業に対しても何ら支障は生じない施工が可能である。
【0016】
掘削用ケーシング1内の土砂が排土された後には、図2に示すように、支土留用ケーシング2を掘削用ケーシング1内に装入する。この装入作業は、ハイドログラブ54に代えてフック55をブーム53に取り付けてこのフック55に掛けたワイヤ(図示せず)に支土留用ケーシング2を吊り上げる要領で行うことができる。
【0017】
支土留用ケーシング2は、図示の例では一様に連続する波形状の断面を持つコルゲート管を利用することができ、その他にも市販のライナープレートやセグメント方式のものであってもよい。
【0018】
図5は図2〜図3の例における支土留用ケーシング2として用いるコルゲートセグメント及びその組立ての概略を示すものである。
【0019】
コルゲートセグメント3は、厚さが1.6〜4mm程度の長方形状の鋼板3aを同図(b)のように円弧状に曲げ加工すると同時に、同図(c)に示すように波形状の断面となるようにプレス加工したものである。そして、鋼板3aの縁部にはリベットまたはボルト等を通すための接合孔3bを開け、同図(d)に示すように周方向の端部が互いにオーバーラップするように複数のコルゲートセグメント3を配列して接合孔3bに通すリベットまたはボルトによって中空の円筒状に組み立てる。これにより、図示の例では合計9枚のコルゲートセグメント3の配列によって一つのコルゲート管が組立てられ、これらの管の上下を同様にオーバーラップさせて接合孔3bにリベットまたはボルトを通して連結することにより、長尺の支土留用ケーシング2を組み立てることができる。
【0020】
このようなコルゲートセグメント3は工場で予め製作することができ、このコルゲートセグメント3を現場に搬入して組み立てることができる。この場合、大径のものであってもセグメント化されているので、トラック等による輸送が簡単になる。また、コルゲート管のユニットを複数組み合わせて図2に示す支土留用ケーシング2として予め工場で製作したものを直接現場に搬入して施工することも無論可能である。
【0021】
図6は支土留用ケーシングとして適用可能なライナープレートセグメントの例を示す概略図である。
【0022】
ライナープレートセグメント4は、同図の(b)に示すように円弧状の平面形状を持つとともに、その外周縁の全長に立坑の内部側に突き出る接合フランジ4a,4bを形成し、強度を上げるためにその周壁を波形状のコルゲート壁4cとしたものである。そして、各接合フランジ4aどうしを突き合わせてこのフランジ4aに開けた接合孔4a−1にボルトを通すことによって、複数のライナープレートセグメント4による円筒体を組み立てることができ、この円筒体をユニットとして現場に搬入すればよい。また、この円筒体を上下に重ね合わせてフランジ4bどうしを突き合わせ、その接合孔4b−1にボルトを通すことで、支土留用ケーシングとして必要な長尺体に組み立てることができる。
【0023】
以上のようなコルゲートセグメント3及びライナープレートセグメント4は、その周壁の形状をコルゲート化しているので、肉薄であっても軸方向及び半径方向の圧縮強度を高く保つことができる。一方、工費節減のために薄板平板を曲げて製作した円筒をケーシングに適用する場合であれば、作業の安全性の面から図7に示すような補強リングを準備することが好ましい。
【0024】
補強リング5は、適切な肉厚を持つ鋼板等を素材とした切り口を持つリング帯5aを備え、その切り口部分の対応する位置にブラケット5b,5cを対向して配置するとともに、これらのブラケット5b,5cの間をターンバックル5dによって連結したものである。このターンバックル5dを回す方向に従って、リング帯5aの径を小さくしたり大きくしたりできるので、径を縮小させたときに薄板平板を曲げて製作した円筒の支土留用ケーシングの中に組み込んだ後に径を大きくさせれば、リング帯5aが支土留用ケーシングの内周面を裏打ちして補強することができる。
【0025】
なお、補強リング5は、支土留用ケーシングを掘削用ケーシング1内に投入する前に組み込み、立坑の施工が完了するまで支土留用ケーシングの変形や破壊を防止するものとして利用する。そして、補強を十分なものとするため、支土留用ケーシングの高さ方向に間隔をおいて複数配列するものとし、立坑が完工したときにはこれらを取り外して別の施工に利用する。
【0026】
コルゲートセグメント3を配列して組み立てた支土留用ケーシング2を掘削用ケーシング1の中であって湧水Wの中に浸漬させた後には、図3に示すようにトレミ管56を支土留用ケーシング2の中に差し込む。そして、このトレミ管56に生コンクリート6を地上側から注入して支土留用ケーシング2の底部に底版コンクリート7を打設する。底版コンクリート7は、支土留用ケーシング2の底部の全体が閉塞されるように打設されるもので、最終工程で掘削用ケーシング1を引き抜くときに支土留用ケーシング2が同時に引き上げられることがないように十分に硬化するまで養生させる。
【0027】
底版コンクリート7の硬化後には、図4に示すように、掘削用ケーシング1と支土留用ケーシング2との間に硬化剤8を注入しながら、掘削用ケーシング1を揺動圧入機52によって揺動させながら引き抜く。
【0028】
この工程で使用する硬化剤8は、セメント系,無機塩系及び珪酸ソーダ系等であり、図示の例では地上に配置した硬化剤ミキサー57と硬化剤注入ポンプ58によって処理した硬化剤8を注入ホース59によって掘削用ケーシング1と支土留用ケーシング2との間に注入する。なお、このような注入方式に代えて、硬化剤を噴射するノズルを用いてもよく、また支土留用ケーシング2の下端側に孔を開けてこれに硬化剤注入ポンプ58との間を連絡するパイプを配管し、このパイプから硬化剤8を供給するようにしてもよい。
【0029】
なお、支土留用ケーシング2の底部には予めコンクリート底版7が形成されているので、注入された硬化剤8が支土留用ケーシング2内に流れ込むことはない。
【0030】
硬化剤8の注入と同時に掘削用ケーシング1を引き抜くときには、支土留用ケーシング2との間に硬化剤8の層が形成されるので、掘削用ケーシング1が上昇するときに支土留用ケーシング2の外周面に干渉することなく引き抜くことができ、支土留用ケーシング2が薄肉であっても損傷を負うことはない。また、硬化剤8はこれが完全に硬化する前では液層に近い性状なので、掘削用ケーシング1の内周面との摩擦係数を小さく保つことができる。したがって、掘削用ケーシング1の引き抜きは比較的円滑に行うことができ、滑剤等を適宜供給するようにすれば、更に速やかな掘削用ケーシング1の引き抜きが可能となる。
【0031】
また、この掘削用ケーシング1の引き抜き工程では、継手1aが地上に現れた時点でこの継手1aによる連結を解いたり、溶接を施していたときにはそのビード部分を溶融して除去することにより、下段の地中に残っているケーシング1と切り離す要領とする。このような掘削ケーシング1の引き上げと硬化剤8の注入とによって、硬化剤8はコンクリート底版7部分から地上側に向けて全体に充填されることになる。
【0032】
以上の工程までの間では、支土留用ケーシング2は図7で示した補強リング5を使用した場合は補強したままとする。そして、立坑掘削機50等の設備を全て撤去し、底版コンクリート7及び硬化剤8が半日から1日経過して養生固化した後に、支土留用ケーシング1内の湧水Wを水替えし、その後補強リング5を取り外すことで、図8に示す立坑の施工体が得られる。
【0033】
このような立坑では、支土留用ケーシング2はその外周に硬化剤8を一体に被覆した構造となるので、これらの支土留用ケーシング2と硬化剤8とによる強固な円筒構造を得ることができる。したがって、地山の土圧による外圧負荷や、地下水による浮力の作用力及び地山の滑りによる曲げ負荷に対しても十分な強度で対応でき、崩落や支土留用ケーシング2の変形等が防止される。そして、支土留用ケーシング2は薄肉であっても図示の例のようにコルゲート化したものであれば、軸線方向及び半径方向の圧縮に対しても十分な強度を持つので、より効果的に立坑の保全が図られる。また、支土留用ケーシング2をそのまま地中に残す施工であっても、この支土留用ケーシング2は薄肉の鋼板等を素材とするので、従来のように掘削用ケーシング1をそのまま残すのに比べると鋼材の無駄な消費も抑えられ、経済性も向上する。
【0034】
図9は構築した立坑にマンホールを地下構造物として施工した例を示す断面図である。
【0035】
マンホールを形成する複数の枡21が上下に積層された状態で支土留ケーシング2内に設置され、上端の枡21にはマンホール蓋22が取り付けられている。そして、下端側の枡21は底版コンクリート7との間に打設したモルタル23によって保持され、上端側の枡21の周りには埋め戻し土24を充填した施工となっている。
【0036】
更に、図10は地下タンクを地下構造物として施工した例であって、支土留用ケーシング2内にタンク本体31を装入して底版コンクリート7の上に載せるとともに、支土留用ケーシング2との間に埋め戻し土32を充填し、更に上端側の地表面にはモルタル33を打設した施工体となっている。
【0037】
これらのマンホールやタンク等の施工において、予め構築した立坑は支土留用ケーシング2と硬化剤8との組み合わせによる土留が行われているので、地下構造物の保全が図れ、設備の損傷や破壊を確実に防止することができる。
【0038】
また、いずれの施工においても、掘削ケーシング1は地山土砂の掘削の工程までであって硬化剤8を注入する時点で地上に回収されるので、別の立坑の施工に何回も再利用することができる。このため、掘削ケーシング1自体を良質のものとしても無駄になることはなく、たとえば特殊な合金及び形状の刃先を持つように形成して掘削効率を高めたり、特殊鋼製としてその耐久性を更に向上させることもできる。また、軽量で高強度の二重ケーシング構造としたり、運搬車輛の制限幅員を越える場合は、直径の縦継ぎ型の大径ケーシングとしたりすることもできる。
【0039】
【発明の効果】
本発明では、支土留用ケーシングを薄肉としていてもその外周に形成される硬化剤の層によって補強されるので、十分な強度を持つ土留を形成することができるとともに、掘削用ケーシングは地上に回収されるので、多量の鋼材が地中に残ったままとなることがない。このため、掘削用ケーシングは何回も再利用できるので、鋼材を無駄に消費することがなく、経済性及び環境破壊の面で大幅な改善が得られる。
【0040】
また、支土留用ケーシングをコルゲート管等としておけば硬化剤との接合面積が増えるのでその一体化の強度も向上する。そして、硬化剤は掘削用ケーシングの回収によって地山に密着する施工体となるので、地下水の浮力によって支土留用ケーシングが浮き上がるようなこともなく、安定した施工体が得られる。
【0041】
更に、支土留用ケーシングとしてセグメント式のものを現場で組み立てたりするものでは、輸送や現場への搬入作業の負担が軽減されるほか、薄肉とすることによってグラインダ等による切断も簡単に行えるので、現場での対応性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の土留工法において掘削用ケーシングを圧入する工程を示す図である。
【図2】 掘削用ケーシング内に支土留用ケーシングを装入する工程を示す図である。
【図3】 支土留用ケーシングの底部にコンクリート底版を打設する工程を示す図である。
【図4】 掘削用ケーシングと支土留用ケーシングとの間に硬化剤を注入すると同時に掘削用ケーシングを引き抜く工程を示す図である。
【図5】 支土留用ケーシングに適用可能なコルゲートセグメントの例であって、(a)はその展開図、(b)は平面図、(c)はコルゲート形状を示す概略図、(d)は複数のコルゲートセグメントの組立て要領を示す概略図である。
【図6】 支土留用ケーシングに適用可能なライナープレートセグメントの例であって、(a)はその展開図、(b)は平面図、(c)は縦断面図である。
【図7】 支土留用ケーシングの内周面に突き当てて補強するための補強リングであって、(a)はその斜視図、(b)は要部の平面図である。
【図8】 支土留用ケーシングと硬化剤とによって完成された立坑の概略縦断面図である。
【図9】 立坑内にマンホールを構築した例の断面図である。
【図10】 立坑内に地下タンクを設置した例の断面図である。
【符号の説明】
1 掘削用ケーシング
1a 継手
2 支土留用ケーシング
3 コルゲートセグメント
4 ライナープレートセグメント
5 補強リング
6 生コンクリート
7 底版コンクリート
8 硬化剤
50 立坑掘削機
52 揺動圧入機
54 ハイドログラブ
55 フック
56 トレミ管
57 硬化剤ミキサー
58 硬化剤注入ポンプ
59 注入ホース
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば下水道工事,電線埋設工事及びマンホール等の地下構造物の立坑の構築工事おける土留工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水道工事やマンホールの施工工事では、クラブバケットやアースオーガー等の掘削装置を用いて立坑を掘削し、この立坑の発進坑口からシールド機等によって管渠施工のための掘進施工が行われる。
【0003】
このような立坑の掘削工事では、掘削の前にたとえば円筒形のケーシングを掘削装置に備えた圧入装置にクランプし、その軸線周りの往復回転運動または同一方向への回転運動を与えながら地中に圧入する作業が行われる。そして、ハイドログラブ等によってケーシング内の土砂を掘削して地上側に排土していき、立坑の施工深さに到達するまでに必要なケーシングを順次圧入して、掘削が繰り返される。すなわち、円筒形のケーシングは、地中に立坑を掘削施工するときの掘削手段として用いられるほか、土留工としても用いられている。
【0004】
ケーシングの圧入とこれに続くケーシング内の土砂の掘削完了後に、底部にコンクリート底版を打設するとともに湧水を排出すれば、ケーシングによって土留された立坑が構築されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ケーシングは土留のための支保工としての機能を十分に維持できるとともに、掘削時の掘削トルク、圧入装置による圧入方向のスラスト及び揺動旋回時の捩じり、掘削刃先の変動外力による衝撃力に耐え得る強度を持たせる必要ある。したがって、ケーシングの剛性を高くするために肉厚を10〜25mm程度の厚さとしたり、全体の厚さが45mm程度となる太鼓張り式の二重ケーシング構造としたりする必要がある。
【0006】
このようにケーシングが肉厚であったり二重ケーシング構造であると、ケーシング全体の重量が大きくなり、製造原価も板厚の増加とともに飛躍的に増大することになる。
【0007】
また、立坑の掘削の後に地下構造物を構築した後でもケーシングはそのまま地中に残し、地下構造物に対する土留の補強に役立てることが多い。
【0008】
しかしながら、ケーシングそのものの再利用ができないことから、多量の鋼材を無駄に消費することになるほか、地下構造物を撤去して新たな構造物を施工するような場合には、ケーシングの引き抜きまたは切断してスクラップ化した後の撤収が必要となる。このため、ケーシングを地中に残したままとすることは、経済性の面で好ましくなく、また腐食による環境汚染の問題も避けられない。
【0009】
本発明において解決すべき課題は、従来の厚肉のケーシングを利用する場合のように鋼材の無駄な消費がなく、しかも完工後の土留も良好な立坑の施工ができるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、立坑を掘削施工するに際して坑内周に土留を構築する工法であって、地山中への圧入負荷及び掘削負荷に耐える肉厚強度の掘削用ケーシングを地中に圧入する工程と、圧入された掘削用ケーシング内の土砂を掘削排土した後この掘削用ケーシングの中に薄肉の支土留用ケーシングを装入する工程と、掘削用ケーシングと支土留用ケーシングとの間に硬化剤を注入する工程と、更にこの硬化剤の注入と同時または注入後に掘削用ケーシングを引き抜きつつその下端から硬化剤層を形成する工程とを含み、支土留用ケーシングと硬化剤層とによって土留を構築することを特徴とする。
【0011】
このような工法であれば、地山の掘削のために使用する掘削用ケーシングの強度を高くしておけば、地中への圧入や掘削負荷に耐えることができ、掘削排土の後には支土留用ケーシングを掘削用ケーシングの中に投入するだけなので、この支土留用ケーシングが薄肉であってもその変形は破壊を生じることがない施工が可能となる。また、支土留用ケーシングはその外周に形成される硬化剤の層によって一体化されるので、薄肉であってもこの硬化剤の層による補強を利用して十分な強度の土留を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1から図4は本発明の土留工法によって立坑を構築する工程を順に示す図である。
【0013】
まず、図1に示すように、地上には従来から用いられている立坑掘削機50を配備して立坑掘削の施工を行う。立坑掘削機50は履帯式の走行車輛51に揺動圧入機52を備えるともにブーム53の先端にハイドログラブ54を連接したものである。揺動圧入機52はそのクランプ52aに掘削用ケーシング1を保持してこれを揺動させながら地中に圧入していく機能を持ち、ハイドログラブ54は圧入された掘削用ケーシング1内の土砂を掘削して地上側に排土する。
【0014】
掘削用ケーシング1は、従来の立坑掘削用のケーシングと同様に10〜20mm程度の肉厚を持つ鋼板製の中空円筒状のものであり、最初に圧入された掘削用ケーシング1内の土砂をハイドログラブ54で掘削及び地上側に排土した後に、次段の掘削用ケーシング1が圧入される。そして、上下に配列される掘削用ケーシング1どうしの継ぎ目部分は専用の継手1aによって接合されるか、溶接によって一体に連結され、図示の例では図2〜図3に示すように2段の掘削用ケーシング1が圧入されている。
【0015】
このような掘削用ケーシング1の圧入及び掘削の繰り返しによる立坑の掘削では、一般的に地下水位までの湧水Wがあるので、ハイドロクラブ54による掘削はこの湧水W中での水中掘削となる。そして、掘削用ケーシング1は従来の立坑構築用のものと同様の肉厚を持つので、周囲地山からの土圧にも十分に耐え得るものであり、ハイドログラブ54による掘削作業に対しても何ら支障は生じない施工が可能である。
【0016】
掘削用ケーシング1内の土砂が排土された後には、図2に示すように、支土留用ケーシング2を掘削用ケーシング1内に装入する。この装入作業は、ハイドログラブ54に代えてフック55をブーム53に取り付けてこのフック55に掛けたワイヤ(図示せず)に支土留用ケーシング2を吊り上げる要領で行うことができる。
【0017】
支土留用ケーシング2は、図示の例では一様に連続する波形状の断面を持つコルゲート管を利用することができ、その他にも市販のライナープレートやセグメント方式のものであってもよい。
【0018】
図5は図2〜図3の例における支土留用ケーシング2として用いるコルゲートセグメント及びその組立ての概略を示すものである。
【0019】
コルゲートセグメント3は、厚さが1.6〜4mm程度の長方形状の鋼板3aを同図(b)のように円弧状に曲げ加工すると同時に、同図(c)に示すように波形状の断面となるようにプレス加工したものである。そして、鋼板3aの縁部にはリベットまたはボルト等を通すための接合孔3bを開け、同図(d)に示すように周方向の端部が互いにオーバーラップするように複数のコルゲートセグメント3を配列して接合孔3bに通すリベットまたはボルトによって中空の円筒状に組み立てる。これにより、図示の例では合計9枚のコルゲートセグメント3の配列によって一つのコルゲート管が組立てられ、これらの管の上下を同様にオーバーラップさせて接合孔3bにリベットまたはボルトを通して連結することにより、長尺の支土留用ケーシング2を組み立てることができる。
【0020】
このようなコルゲートセグメント3は工場で予め製作することができ、このコルゲートセグメント3を現場に搬入して組み立てることができる。この場合、大径のものであってもセグメント化されているので、トラック等による輸送が簡単になる。また、コルゲート管のユニットを複数組み合わせて図2に示す支土留用ケーシング2として予め工場で製作したものを直接現場に搬入して施工することも無論可能である。
【0021】
図6は支土留用ケーシングとして適用可能なライナープレートセグメントの例を示す概略図である。
【0022】
ライナープレートセグメント4は、同図の(b)に示すように円弧状の平面形状を持つとともに、その外周縁の全長に立坑の内部側に突き出る接合フランジ4a,4bを形成し、強度を上げるためにその周壁を波形状のコルゲート壁4cとしたものである。そして、各接合フランジ4aどうしを突き合わせてこのフランジ4aに開けた接合孔4a−1にボルトを通すことによって、複数のライナープレートセグメント4による円筒体を組み立てることができ、この円筒体をユニットとして現場に搬入すればよい。また、この円筒体を上下に重ね合わせてフランジ4bどうしを突き合わせ、その接合孔4b−1にボルトを通すことで、支土留用ケーシングとして必要な長尺体に組み立てることができる。
【0023】
以上のようなコルゲートセグメント3及びライナープレートセグメント4は、その周壁の形状をコルゲート化しているので、肉薄であっても軸方向及び半径方向の圧縮強度を高く保つことができる。一方、工費節減のために薄板平板を曲げて製作した円筒をケーシングに適用する場合であれば、作業の安全性の面から図7に示すような補強リングを準備することが好ましい。
【0024】
補強リング5は、適切な肉厚を持つ鋼板等を素材とした切り口を持つリング帯5aを備え、その切り口部分の対応する位置にブラケット5b,5cを対向して配置するとともに、これらのブラケット5b,5cの間をターンバックル5dによって連結したものである。このターンバックル5dを回す方向に従って、リング帯5aの径を小さくしたり大きくしたりできるので、径を縮小させたときに薄板平板を曲げて製作した円筒の支土留用ケーシングの中に組み込んだ後に径を大きくさせれば、リング帯5aが支土留用ケーシングの内周面を裏打ちして補強することができる。
【0025】
なお、補強リング5は、支土留用ケーシングを掘削用ケーシング1内に投入する前に組み込み、立坑の施工が完了するまで支土留用ケーシングの変形や破壊を防止するものとして利用する。そして、補強を十分なものとするため、支土留用ケーシングの高さ方向に間隔をおいて複数配列するものとし、立坑が完工したときにはこれらを取り外して別の施工に利用する。
【0026】
コルゲートセグメント3を配列して組み立てた支土留用ケーシング2を掘削用ケーシング1の中であって湧水Wの中に浸漬させた後には、図3に示すようにトレミ管56を支土留用ケーシング2の中に差し込む。そして、このトレミ管56に生コンクリート6を地上側から注入して支土留用ケーシング2の底部に底版コンクリート7を打設する。底版コンクリート7は、支土留用ケーシング2の底部の全体が閉塞されるように打設されるもので、最終工程で掘削用ケーシング1を引き抜くときに支土留用ケーシング2が同時に引き上げられることがないように十分に硬化するまで養生させる。
【0027】
底版コンクリート7の硬化後には、図4に示すように、掘削用ケーシング1と支土留用ケーシング2との間に硬化剤8を注入しながら、掘削用ケーシング1を揺動圧入機52によって揺動させながら引き抜く。
【0028】
この工程で使用する硬化剤8は、セメント系,無機塩系及び珪酸ソーダ系等であり、図示の例では地上に配置した硬化剤ミキサー57と硬化剤注入ポンプ58によって処理した硬化剤8を注入ホース59によって掘削用ケーシング1と支土留用ケーシング2との間に注入する。なお、このような注入方式に代えて、硬化剤を噴射するノズルを用いてもよく、また支土留用ケーシング2の下端側に孔を開けてこれに硬化剤注入ポンプ58との間を連絡するパイプを配管し、このパイプから硬化剤8を供給するようにしてもよい。
【0029】
なお、支土留用ケーシング2の底部には予めコンクリート底版7が形成されているので、注入された硬化剤8が支土留用ケーシング2内に流れ込むことはない。
【0030】
硬化剤8の注入と同時に掘削用ケーシング1を引き抜くときには、支土留用ケーシング2との間に硬化剤8の層が形成されるので、掘削用ケーシング1が上昇するときに支土留用ケーシング2の外周面に干渉することなく引き抜くことができ、支土留用ケーシング2が薄肉であっても損傷を負うことはない。また、硬化剤8はこれが完全に硬化する前では液層に近い性状なので、掘削用ケーシング1の内周面との摩擦係数を小さく保つことができる。したがって、掘削用ケーシング1の引き抜きは比較的円滑に行うことができ、滑剤等を適宜供給するようにすれば、更に速やかな掘削用ケーシング1の引き抜きが可能となる。
【0031】
また、この掘削用ケーシング1の引き抜き工程では、継手1aが地上に現れた時点でこの継手1aによる連結を解いたり、溶接を施していたときにはそのビード部分を溶融して除去することにより、下段の地中に残っているケーシング1と切り離す要領とする。このような掘削ケーシング1の引き上げと硬化剤8の注入とによって、硬化剤8はコンクリート底版7部分から地上側に向けて全体に充填されることになる。
【0032】
以上の工程までの間では、支土留用ケーシング2は図7で示した補強リング5を使用した場合は補強したままとする。そして、立坑掘削機50等の設備を全て撤去し、底版コンクリート7及び硬化剤8が半日から1日経過して養生固化した後に、支土留用ケーシング1内の湧水Wを水替えし、その後補強リング5を取り外すことで、図8に示す立坑の施工体が得られる。
【0033】
このような立坑では、支土留用ケーシング2はその外周に硬化剤8を一体に被覆した構造となるので、これらの支土留用ケーシング2と硬化剤8とによる強固な円筒構造を得ることができる。したがって、地山の土圧による外圧負荷や、地下水による浮力の作用力及び地山の滑りによる曲げ負荷に対しても十分な強度で対応でき、崩落や支土留用ケーシング2の変形等が防止される。そして、支土留用ケーシング2は薄肉であっても図示の例のようにコルゲート化したものであれば、軸線方向及び半径方向の圧縮に対しても十分な強度を持つので、より効果的に立坑の保全が図られる。また、支土留用ケーシング2をそのまま地中に残す施工であっても、この支土留用ケーシング2は薄肉の鋼板等を素材とするので、従来のように掘削用ケーシング1をそのまま残すのに比べると鋼材の無駄な消費も抑えられ、経済性も向上する。
【0034】
図9は構築した立坑にマンホールを地下構造物として施工した例を示す断面図である。
【0035】
マンホールを形成する複数の枡21が上下に積層された状態で支土留ケーシング2内に設置され、上端の枡21にはマンホール蓋22が取り付けられている。そして、下端側の枡21は底版コンクリート7との間に打設したモルタル23によって保持され、上端側の枡21の周りには埋め戻し土24を充填した施工となっている。
【0036】
更に、図10は地下タンクを地下構造物として施工した例であって、支土留用ケーシング2内にタンク本体31を装入して底版コンクリート7の上に載せるとともに、支土留用ケーシング2との間に埋め戻し土32を充填し、更に上端側の地表面にはモルタル33を打設した施工体となっている。
【0037】
これらのマンホールやタンク等の施工において、予め構築した立坑は支土留用ケーシング2と硬化剤8との組み合わせによる土留が行われているので、地下構造物の保全が図れ、設備の損傷や破壊を確実に防止することができる。
【0038】
また、いずれの施工においても、掘削ケーシング1は地山土砂の掘削の工程までであって硬化剤8を注入する時点で地上に回収されるので、別の立坑の施工に何回も再利用することができる。このため、掘削ケーシング1自体を良質のものとしても無駄になることはなく、たとえば特殊な合金及び形状の刃先を持つように形成して掘削効率を高めたり、特殊鋼製としてその耐久性を更に向上させることもできる。また、軽量で高強度の二重ケーシング構造としたり、運搬車輛の制限幅員を越える場合は、直径の縦継ぎ型の大径ケーシングとしたりすることもできる。
【0039】
【発明の効果】
本発明では、支土留用ケーシングを薄肉としていてもその外周に形成される硬化剤の層によって補強されるので、十分な強度を持つ土留を形成することができるとともに、掘削用ケーシングは地上に回収されるので、多量の鋼材が地中に残ったままとなることがない。このため、掘削用ケーシングは何回も再利用できるので、鋼材を無駄に消費することがなく、経済性及び環境破壊の面で大幅な改善が得られる。
【0040】
また、支土留用ケーシングをコルゲート管等としておけば硬化剤との接合面積が増えるのでその一体化の強度も向上する。そして、硬化剤は掘削用ケーシングの回収によって地山に密着する施工体となるので、地下水の浮力によって支土留用ケーシングが浮き上がるようなこともなく、安定した施工体が得られる。
【0041】
更に、支土留用ケーシングとしてセグメント式のものを現場で組み立てたりするものでは、輸送や現場への搬入作業の負担が軽減されるほか、薄肉とすることによってグラインダ等による切断も簡単に行えるので、現場での対応性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の土留工法において掘削用ケーシングを圧入する工程を示す図である。
【図2】 掘削用ケーシング内に支土留用ケーシングを装入する工程を示す図である。
【図3】 支土留用ケーシングの底部にコンクリート底版を打設する工程を示す図である。
【図4】 掘削用ケーシングと支土留用ケーシングとの間に硬化剤を注入すると同時に掘削用ケーシングを引き抜く工程を示す図である。
【図5】 支土留用ケーシングに適用可能なコルゲートセグメントの例であって、(a)はその展開図、(b)は平面図、(c)はコルゲート形状を示す概略図、(d)は複数のコルゲートセグメントの組立て要領を示す概略図である。
【図6】 支土留用ケーシングに適用可能なライナープレートセグメントの例であって、(a)はその展開図、(b)は平面図、(c)は縦断面図である。
【図7】 支土留用ケーシングの内周面に突き当てて補強するための補強リングであって、(a)はその斜視図、(b)は要部の平面図である。
【図8】 支土留用ケーシングと硬化剤とによって完成された立坑の概略縦断面図である。
【図9】 立坑内にマンホールを構築した例の断面図である。
【図10】 立坑内に地下タンクを設置した例の断面図である。
【符号の説明】
1 掘削用ケーシング
1a 継手
2 支土留用ケーシング
3 コルゲートセグメント
4 ライナープレートセグメント
5 補強リング
6 生コンクリート
7 底版コンクリート
8 硬化剤
50 立坑掘削機
52 揺動圧入機
54 ハイドログラブ
55 フック
56 トレミ管
57 硬化剤ミキサー
58 硬化剤注入ポンプ
59 注入ホース
Claims (1)
- 立坑を掘削施工するに際して坑内周に土留を構築する工法であって、地山中への圧入負荷及び掘削負荷に耐える肉厚強度の掘削用ケーシングを地中に圧入する工程と、圧入された掘削用ケーシング内の土砂を掘削排土した後この掘削用ケーシングの中に薄肉の支土留用ケーシングを装入する工程と、掘削用ケーシングと支土留用ケーシングとの間に硬化剤を注入する工程と、更にこの硬化剤の注入と同時または注入後に掘削用ケーシングを引き抜きつつその下端から硬化剤層を形成する工程とを含み、支土留用ケーシングと硬化剤層とによって土留を構築する立坑の土留工法。
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