JPH10110587A - 地中筒体構築時の止水工法および該工法に用いられるリング状の刃口 - Google Patents

地中筒体構築時の止水工法および該工法に用いられるリング状の刃口

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JPH10110587A
JPH10110587A JP28330896A JP28330896A JPH10110587A JP H10110587 A JPH10110587 A JP H10110587A JP 28330896 A JP28330896 A JP 28330896A JP 28330896 A JP28330896 A JP 28330896A JP H10110587 A JPH10110587 A JP H10110587A
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Atsushi Ito
篤 伊藤
Kazuyoshi Sato
和義 佐藤
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KATO KENSETSU KK
Nippon Kokan Light Steel Co Ltd
Kato Construction Co Ltd
Original Assignee
KATO KENSETSU KK
Nippon Kokan Light Steel Co Ltd
Kato Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分割されたリング状の鋼製セグメントを組み
立てた筒体を橋脚の周囲に圧入して土留壁を構築し、土
留壁と橋脚の間を掘削して作業用のスペースを作り、鋼
板やセメント等によって耐震補強の工事を行う際に、前
記筒体の下端からの出水を止める止水工法において、コ
ストと工期を削減して行えるようにする。 【解決手段】 筒体を圧入するために筒体の下端縁に沿
って据え付けられたリング状の刃口19は、リング状に
湾曲し、互いに結合される外板21および内板23とに
よって構成される。外板21と内板23とが囲む密閉さ
れた断面三角形の空間25に注入剤が地上から送入され
ることで、この送入された注入剤が、接合部分に形成さ
れたスリット状のノズル33を注入口として、外の地盤
へ注入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、セグメントある
いはそれに類似した構造の分割リングを組み立て、それ
を増設しながら地盤に圧入して、地中に筒体の構造物や
土留壁を構築する際に、この筒体の下端からの出水を留
める止水工法、および該工法に用いられるリング状の刃
口の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼製セグメントあるいはそれに類
似した構造の分割リングをリング周方向に連結して円形
のリング体を組み立て、このリング体を重ねて連結(増
設)して筒体を組み立て、この筒体を地盤に圧入するこ
とで、地中にトンネルや立坑などの構造物を構築する技
術がある。
【0003】この技術は、さらに、高速道路、鉄橋、あ
るいは陸橋等の橋脚の耐震補強を行う際の土留壁の構築
にも用いることが提案されている。すなわち、この橋脚
の耐震補強は、橋脚の周囲に所定の距離をおいて、分割
リングを連結して組み立てた筒体を油圧ジャッキ等で地
盤に圧入し土留壁として構築し、この橋脚と土留壁の間
を掘削した後、掘削によって形成されるスペースを作業
スペースとして、鋼板やコンクリートあるいは炭素繊維
シートなどによって橋脚の補強作業を行う。
【0004】その際に、周囲の地盤が出水しやすいもの
である場合には、前記作業スペースが確保できにくいの
で、地盤を改良し止水を行う必要がある。このような止
水工法には、地中に注入剤を注入する工法が存在する。
【0005】その工法の1例を図14に示す。この例は
二重管ストレーナ工法と呼ばれるもので、地盤100に
二重管ロッド101を用いて削孔103を行い、削孔完
了後に二重管ロッド101の内外管に注入剤である主
剤、反応剤を各々送液し、二重管ロッド101の先端の
中で2つを合流させ地中に注入する工法である。
【0006】この工法の手順は、始めに削孔した(図中
(A))後に、二重管ロッド101の周囲に予備的な注
入を行い(図中(B))シールをする。このシールによ
り、後の注入剤が上方へ逆流するのを防止する。シール
が行われた後に、本格的に薬液の注入を行う(図中
(C)(D))。
【0007】このような従来の止水工法を、例えば橋脚
の周囲に土留壁を構築する際に用いると、図中(E)に
示すように二重管ロッドによる削孔を地盤の平面上にお
いて、予め連続してリング状に行わなければならない。
なお、図中(E)に示す複数の円105は、各削孔から
注入剤が注入された範囲を示す。
【0008】また、ケーソンの沈設技術で、あらかじめ
井筒(本願でいうリング体)外周に配置した数段の噴射
孔から、空気または水を噴射して、刃口面の地盤反力ま
たは側壁の摩擦力を減少させ、沈下を促進させる工法な
どがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術のように注入剤の注入を行うために別に削孔を行
うことは、工程を多くしてしまうものであり、コスト高
の工法とならざるを得なかった。また工期も余計に掛か
るものであった。さらに、土留壁を構築する筒体の下端
付近に注入剤が確実に注入されるように、削孔を介して
注入される注入剤の注入量も多くなってしまい、さらに
コスト高を招くと共に、周囲の環境汚染の問題も生じ得
る。
【0010】この発明は、以上の問題点を解決するため
になされたもので、分割リングを連結して組み立てた筒
体に構造物あるいは土留壁を構築する際に、筒体の下端
からの出水を留める止水工法において、コストと工期が
削減でき、環境汚染の問題も抑止できる止水工法、およ
び該工法に用いられるリング状の刃口を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、下記の発明をするに至った。第1の発明は、分割
リングをリング周方向に連結してリング体を組み立て、
このリング体を上下に重ねて連結し筒体を組み立て、筒
体内部を掘削しながら筒体の上方から圧力を加えること
で、最下端のリング体の下端縁に沿って据え付けたリン
グ状の刃口から筒体を地盤に圧入させ、よって地中に筒
体による構造物を構築し、あるいは筒体による土留壁を
構築する際に、前記筒体の下端からの出水を止める止水
工法において、前記リング状の刃口の略先端の注入口か
ら止水用の注入剤をリング状に地盤に注入することを特
徴とする地中筒体構築時の止水工法である。
【0012】第2の発明は、上記注入口から、筒体の圧
入工程の途中では、筒体の周面摩擦を減じるための液体
を注入することを特徴とする止水工法である。第3の発
明は、前記筒体の圧入が完了した後では、止水用の注入
剤を地盤に注入することを特徴とする地中筒体構築時の
止水工法である。
【0013】第4の発明は、上記圧入工程の途中で、土
砂が注入口に詰まらないように、注入口に内圧をかける
ことを特徴とする地中筒体構築時の止水工法である。
【0014】第5の発明は、上記止水工法に用いられる
リング状の刃口であって、最下端のリング体の下端縁に
沿ってリング状に湾曲し、鋭角に突き合わされ接合され
る外板および内板と、これら接合された外板と内板が囲
む密閉された断面三角形の空間と、この空間に地上から
注入剤を送入する送入手段と、前記接合の部分でリング
周方向に断続的にスリット状にノズルが形成されてなる
注入口と、を有することを特徴とするリング状の刃口で
ある。
【0015】第6の発明は、前記空間の断面三角形の斜
辺を内板が構成し、この内板の先端外面に外板の先端内
面が位置し、この先端内面に切り欠きが形成されること
により、前記ノズルが外向きに形成されていることを特
徴とするリング状の刃口である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態を図
1乃至図13において説明する。この実施形態において
は分割リングは、図13に示すように鋼製セグメントピ
ース1と呼ばれるものである、すなわち、鋼製セグメン
トピース1は、一対の平行な湾曲した主桁3の両端部
に、一対の平行な直線的な副桁5が溶接されて枠体が構
成される。
【0017】さらに、この枠体には前記一対の主桁3に
複数の平行な縦リブ7がわたされ、これら主桁3、副桁
5、縦リブ7の外側にスキンプレート9が張りわたされ
て鋼製セグメントピース1が構成される。なお、縦リブ
7の内側には、当て板11が鋼製セグメントピース1の
中央に部分的に張りわたされ、後述する掘削用の重機が
縦リブ7に接触して反跳などにより掘削位置の設定が乱
されるのを防止する。
【0018】このような分割リングとしての鋼製セグメ
ントピース1が、リング周方向に連結されリング体13
である鋼製セグメントとして組み立てられる(図1
2)。このリング体13を軸方向に重ねて連結し筒体1
5(図5参照)として組み立てる。そのため、各桁2、
5には連結のためのボルト穴17(図13)が形成され
【0019】重ねられる複数のリング体のうち最下端の
リング体(鋼製セグメント)13には、このリング体1
3の下端縁に沿ってリング状の刃口19が据え付けられ
る(図12、図13)。この刃口19の縦断面図を図1
に示す。すなわち、最下端のリング体を構成する鋼製セ
グメントピース1の下端縁に沿って、外板21および内
板23が配置される。外板21および内板23はリング
状に湾曲し、各々の先端縁(図1(A)の下端)が鋭角
に突き合わされ溶接等によって接合される。これら溶接
された外板21と内板23は内部に断面三角形の空間2
5を形成する。
【0020】この空間25はなんらかの方法で密閉され
る。たとえば、十分な溶接か、あるいはパッキングを介
しての十分なボルト締めなどによって密閉を行う。この
空間25への注入剤の充填はパイプ29によって行われ
る。空間25が注入剤で満たされた後、例えば5〜7kg
f/cm2 程度で加圧され、注入剤がノズルを通って地盤中
に注入されていく。
【0021】これらのパイプ29は、各鋼製セグメント
ピース1の内側を通る図示しない大きな配管に接続され
る。この配管は、各鋼製セグメントピース1ごとに上下
方向で分割されており、分割部分ではジョイントを用い
て接続される。配管の最上方は地上においてポンプに接
続され、注入剤が圧送される。
【0022】空間25の断面の三角形はその斜辺を内板
23が構成し、他の長辺を外板21が構成する。この内
板23の先端内面に、外板21の先端内面が位置し溶接
が行われる。この外板21の先端内面に切り欠き31が
形成され、この切り欠き31の部分には溶接が行われな
いことで、注入口としてのノズル33が形成される。こ
のノズル33は、上記したように内板23の先端外面
に、外板21の先端内面が位置することで、外向きとな
る。
【0023】また、空間25はリング体13の下端縁に
沿ってリング状に形成されることになるが、このリング
状の途中においては三角形の補強材35が溶接され、刃
口19の強度を維持する。
【0024】また、この実施形態において分割リングで
ある鋼製セグメントピース1が連結し組み立てる筒体1
5(図5参照)は、橋脚37の周囲に土留壁を構築する
ためのものである。この土留壁は、橋脚37の周囲に耐
震補強の処置をするために必要な作業スペースを確保す
るものである。
【0025】以下、図2乃至図9および図10におい
て、耐震補強工事の施工手順を説明する。まず、図10
に工事現場の平面図をしめす。既存の橋脚37の近くに
は、分割リングである鋼製セグメントピース1が多数用
意されている。鋼製セグメントピース1が仮置きされた
反対側には、後述する圧入設備の仮置き場38が用意さ
れる。また、橋脚37の両サイドには、掘削を行う重機
として油圧クラムシェル39およびラフタークラムシェ
ル41が配置される。さらに掘削された土砂を搬送する
ための搬送トラック43が準備される。
【0026】次に、図2乃至図9を基に、図11の施工
フローのステップに従って説明する。まず図2に示すよ
うに、橋脚37に図示しないアンカボルトを打ち込む反
力工を行う(図11S1)。このアンカボルトを用い
て、橋脚37にスライド支柱45を取り付け、このスラ
イド支柱45に沿ってスライドするジャッキシステム4
7を組み付ける。スライド支柱45およびジャッキシス
テム47によって、鋼製セグメントピース1を地盤49
に圧入するための圧入設備が設置されることとなる(図
11S2)。
【0027】次に図3に示すように、リング状の刃口1
9を有する刃口金物51を、図12および図13に示す
ように、最下端の鋼製セグメントピース1の下端縁に対
応するように据え付ける(図11S3)。この据え付け
はまず刃口金物51を地盤49の上の所定の位置に水平
に配置し、この上に最下端の鋼製セグメントピース1を
図4のように乗せて連結し組み立てることで行われる。
そして、前記ジャッキシステム47により最下端の鋼製
セグメントを圧入する。
【0028】圧入が終わった鋼製セグメント(リング体
13のこと)の上に、図5に示すように次の鋼製セグメ
ントを連結し組み立てる(図11S4)。このようにし
て圧入と連結を繰り返し、地中には徐々に鋼製セグメン
トによる円筒体15が構築されていく。圧入が容易に行
われるように、円筒体15すなわち鋼製セグメントの内
部は、図6に示すように油圧クラムシェル39等の重機
によって掘削が行われる(図11S5)。
【0029】また、この時、円筒体15の周面の摩擦を
減じるため、地上から空気や水などの流体をパイプ29
によって送入し、刃口19の注入口であるノズル33か
ら周囲の地盤に注入し、地盤を柔らかくすることもでき
る。このようにして鋼製セグメントの圧入と組み立てが
繰り返され円筒体15の上下の全長が十分に長くなり、
所定の深度、この実施形態においては刃口19が橋脚3
7の基礎であるフーチング53に到達する(図7)(図
11S6)。
【0030】この到達の後に、止水用の注入剤をパイプ
29によって送入し、刃口19の注入口であるノズル3
3から地盤に注入する防護工を行う(図8、図11S
7)。この注入によって、地盤の一部が改良された改良
層55が形成され、円筒体15からなる土留壁の下端か
らの出水を防止することができる。
【0031】このとき、ノズル33は外向きに形成され
ているので、注入剤は刃口19の外側方向の地盤に向か
って注入される。そして、円筒体15の下端からの出水
は、刃口19の先端外側の地下水が刃口19の下を通っ
て内側へ侵入することで生じるものであるから、このよ
うに刃口19の外側へ注入剤が注入され地盤の改良が行
われることは、止水機能が効率よく、確実に果たされる
ことを意味する。したがって注入する注入剤の量も少な
くする。
【0032】一般に注入剤は、主剤と、この主剤に反応
する反応剤との2種類の薬液からなる。このため、配管
やパイプ29からなる流路を2種類設け、各薬液は刃口
部で合流させることもできる。また、各薬液を混合した
もの同一の流路で空間25に送入しても良い。また、こ
の実施形態において止水用の注入剤とは、地盤の強化、
地盤の充填、および地盤の変状防止のための薬液、スラ
リー、グラウトと呼ばれるものすべてを概念とする。
【0033】このような注入剤は、水ガラス系、特殊シ
リカ系、高分子系、などの薬液系のみならず非薬液系で
あるセメント、セメントミルク、セメントベントナイ
ト、粘土、モルタルその他のものを含む。このうち水ガ
ラス系には、アルカリ系および非アルカリ系のすべてを
含む。特殊シリカ系には、活性シリカ系、超微粒子シリ
カ系、カルシウムシリケートゾル系を含む。高分子系に
は、アクリルアミド、尿素、ウレタン、その他を含む。
【0034】なお、ジャッキシステム47によって鋼製
セグメントを圧入をしている動作の最中には、刃口19
の断面三角形の空間25(図1参照)すなわち注入口の
内部に内圧をかけておくことが好ましい。この内圧によ
り、圧入動作によって土砂が注入口に詰るのを防止でき
る。その後、円筒体15の内側の泥水を排出する坑内水
替を行う(図11S8)。そして人力によって最終掘削
を行い(図11S9)、橋脚と土留壁である円筒体15
との間に作業のためのスペース57を作る。
【0035】その後、この作業スペース57に作業員が
降りて、橋脚37の補強工事を行う。この実施形態にお
いては、補強は、橋脚37の周囲に鋼板ではなく炭素繊
維シート(商品名:トウシート)を貼り付ける炭素繊維
シート工法を行う(図11S10)。すなわち、橋脚3
7の表面に下地処理を施し、プライマーを塗布し、その
後にエポキシ樹脂を塗布し、炭素繊維シートを貼り付け
る。その上から樹脂を含浸させ、十分乾いた後に表面仕
上げをする。
【0036】このようにして補強が行われた後、作業用
のスペース57は不要となるので、図9に示すように、
土59などによって埋め戻される(図11S11)。そ
の後に鋼製セグメントである円筒体15は引き抜かれて
撤去される(図11S12)。撤去された後に残る隙間
には、隙間を充填するためにグラウト61が注入される
ことが好ましい。この注入は、前記刃口19の注入口で
あるノズル33から行われる。もっとも、この鋼製セグ
メントは撤去せずにそのまま残すことも可能である。最
後に橋脚37に取り付けられた圧入設備が撤去される
(図11S13)。
【0037】(他の実施形態)以上の実施形態では、鋼
製セグメントピース1によって組み立てられる円筒体1
5は既存の橋脚37の回りに構築されるものとして説明
したが、他の実施形態では他の構造物の周囲に構築され
るものとしても良い。あるいは、土留壁ではなく、円筒
体15自体が、たとえば地中タンクのように構造物を構
築しても良い。また、以上の実施形態では、鋼製セグメ
ントピース1によって組み立てられる円筒体15は完全
な円形断面を有するものであったが、他の実施形態では
必ずしも円形断面でなくても良く、小判形や概略四角形
あるいは楕円形であっても良い。
【0038】また、以上の実施形態では注入口から注入
されるものは、周面摩擦を減ずるための液体と止水用の
注入剤の2種類であったが、他の実施例では止水用の注
入剤のみであるとすることもできる。
【0039】また、以上の実施形態では圧入動作におい
ては注入口に内圧をかけて土砂が詰まらないようにする
ものとして説明したが、他の実施例では注入剤を高圧で
注入するものとすれば、土砂が注入口に詰まっていても
注入時にこの土砂が自然に取り除かれることが期待で
き、内圧をかけなくても済む場合が考えられる。注入剤
の地盤への注入は、必ずしも完全な環状(リング状)に
行うものでなくてもよい。この場合、注入剤の供給管あ
るいはノズルのところで分割された構造になる。
【0040】また、以上の実施形態では筒体15は地盤
に対し下方に向かって圧入されるものであったが、他の
実施形態では地盤に対し他の方向例えば水平方向へ圧入
されるものであっても良い。すなわち、この発明によっ
て構築される構造物は、種類を問わず、シールド工法等
のマシンの発進または到達のための立坑、換気孔の躯体
等の地上から地中へと繋ぐ構造物のみならず、地中に永
久に残す永久型枠等に実施できる。
【0041】また、以上の実施形態では土留壁である筒
体15は、工程の途中で抜き取られる仮設用のものであ
ったが、他の実施形態では抜き取られずにそのまま地中
に残すことも可能である。この場合、配管・ノズル中で
注入剤が固まっても、再使用しないので構わない。刃口
を含むリング体を引き抜き、再使用する場合、注入剤が
配管・ノズル中で固まるのを防ぐ必要がある。配管内に
洗浄用の液体(水その他)を、既改良地盤に実質的に影
響ない程度に流して洗浄する等の措置をとる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、第1、2、3、
4、5または6の発明によれば、止水用の注入剤を地盤
に注入するために、従来のように別の削孔を行う必要が
なく、また二重管ロッド等を用いる必要もなく、コスト
や工期を削減できる。さらに、注入剤は、筒体を地盤に
圧入するためのリング状の刃口から注入されるので、止
水が必要とされる地盤部位に正確な注入が行え、注入量
を減らすことができる。よって、周囲の環境汚染問題も
抑止できる。
【0043】また、第2の発明によれば、筒体の圧入工
程の途中では、筒体の周辺摩擦を減ずるための液体を注
入し、また、第3の発明によれば、圧入が完了した後で
は、止水用の注入剤を地盤に注入することにより、2つ
の機能を果たすことができ、各機能ごとに別の設備を用
いて施工を行う場合に比べ、コストや工期の削減をより
図ることができる。第4の発明によれば、リング状の刃
口の注入口に内圧をかけることで、圧入動作の途中で、
土砂が注入口に詰まってしまうのを防止できる。請求項
5の発明によれば、外板と内板とからなる簡単な構成で
リング状の刃口および注入口を得ることができ、コスト
を削減できる。第6の発明によれば、注入口であるノズ
ルが外向きに形成されることで、注入剤はリング状の刃
口の外向きに注入され、止水の機能をより確実に果たす
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るリング状の刃口を示
すもので(A)は刃口の縦断面図、(B)は(A)の刃
口を構成する外板を示す斜視図、(C)は(A)の刃口
を刃口方向からみた図である。
【図2】この発明の一実施例に掛かる止水工法が実施さ
れる橋脚耐震補強工事を示すもので、鋼製セグメントを
圧入する圧入設備を設置した状態を示す図である。
【図3】図2において、更に刃口金物を据え付けた状態
を示す図である。
【図4】図3において、刃口金物の上に鋼製セグメント
を組み立てた状態を示す図である。
【図5】鋼製セグメントの上に次々と他の鋼製セグメン
トを組み立て圧入を行っている状態を示す図である。
【図6】図5において、鋼製セグメントの内部を掘削し
ている状態を示す図である。
【図7】図5において、鋼製セグメントが所定の深度に
達した状態を示す図である。
【図8】図7において、止水用の注入剤を注入した状態
を示す図である。
【図9】図8において、セグメントの内部を埋め戻しセ
グメントを撤去しつつある状態を示す図である。
【図10】耐震補強工事現場を示す平面図である。
【図11】図2から図9の工事施工手順を説明するため
の施工フロー図である。
【図12】リング状の刃口が据え付けられた最下端のリ
ング体(鋼製セグメント)を示すもので、(A)は平面
図、(B)は側面図である。
【図13】図12のリング体を構成する鋼製セグメント
ピースを示すもので(A)は正面図、(B)は側面図、
(C)は平面図、(D)は底面図である。
【図14】従来の止水工法を説明するもので(A)〜
(D)は止水工法の施工手順を示す縦断面図、(E)は
止水のための削孔が行われる位置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 鋼製セグメントピース(分割リング) 13 リング体(鋼製セグメント) 15 筒体(円
筒体) 19 刃口 21 外板 23 内板 25 空間 29 パイプ(送入手段) 33 ノズル
(注入口)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分割リングをリング周方向に連結してリ
    ング体を組み立て、このリング体を上下に重ねて連結し
    筒体を組み立て、筒体内部を掘削しながら筒体の上方か
    ら圧力を加えることで、最下端のリング体の下端縁に沿
    って据え付けたリング状の刃口から筒体を地盤に圧入さ
    せ、よって地中に筒体による構造物を構築し、あるいは
    筒体による土留壁を構築する際に、前記筒体の下端から
    の出水を止める止水工法において、 前記リング状の刃口の略先端の注入口から止水用の注入
    剤をリング状に地盤に注入することを特徴とする地中筒
    体構築時の止水工法。
  2. 【請求項2】 前記注入口からは、筒体の圧入工程の途
    中では、筒体の周面摩擦を減じるための流体を注入する
    ことを特徴とする請求項1記載の地中筒体構築時の止水
    工法。
  3. 【請求項3】 前記筒体の圧入が完了した後に、止水用
    の注入剤を地盤に注入することを特徴とする請求項1記
    載の地中筒体構築時の止水工法。
  4. 【請求項4】 前記圧入動作の途中で、土砂が注入口に
    詰まらないように、注入口に内圧をかけることを特徴と
    する請求項1、2または3記載の地中筒体構築時の止水
    工法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4の止水工法に
    用いられるリング状の刃口であって、最下端のリング体
    の下端縁に沿ってリング状に湾曲し、鋭角に突き合わさ
    れ接合される外板および内板と、これら接合された外板
    と内板が囲む密閉された断面三角形の空間と、この空間
    に地上から注入剤を送入する送入手段と、前記接合の部
    分でリング周方向に断続的にスリット状にノズルが形成
    されてなる注入口と、を有することを特徴とするリング
    状の刃口。
  6. 【請求項6】 前記空間の断面三角形の斜辺を内板が構
    成し、この内板の先端外面に外板の先端内面が位置し、
    この先端内面に切り欠きが形成されることにより前記ノ
    ズルが外向きに形成されていることを特徴とする請求項
    5記載のリング状の刃口。
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