JP3445129B2 - 地中柱の耐震補強方法 - Google Patents

地中柱の耐震補強方法

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JP3445129B2
JP3445129B2 JP33001597A JP33001597A JP3445129B2 JP 3445129 B2 JP3445129 B2 JP 3445129B2 JP 33001597 A JP33001597 A JP 33001597A JP 33001597 A JP33001597 A JP 33001597A JP 3445129 B2 JP3445129 B2 JP 3445129B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
製の地中柱の耐震補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の地中柱の耐震補強方法と
して、例えば図6に示すような手法が知られている。こ
の耐震補強方法は、地下構造物52の頂部にフーチング
53を介して橋桁55を支持すべく立設された橋脚柱5
4を補強する方法で、次のような手順で施工される。ま
ず、橋脚柱54の周囲地盤51に、地下構造物52の頂
部に達するように土留め用の鋼矢板56を圧入し、鋼矢
板56の底部外周の地盤に止水用の薬液57を注入した
後、鋼矢板56の内側の地盤の掘削と土留め用の支保工
58の架設を橋脚柱54の下端に達するまで繰り返し
て、橋脚柱54の地中柱54aの回りに作業空間を作
る。次に、足場59を組み立てながら、地中柱54aに
僅かな隙間をあけて鋼板60を巻き立てて継ぎ溶接し、
この作業を所定高さ単位で繰り返して橋脚柱の所定高さ
まで巻き立て、その後、上記隙間にグラウト61を充填
して、橋脚柱54を補強する。最後に、足場59を撤去
し、鋼矢板56の内側空間の埋め戻しと支保工58の撤
去を繰り返した後、鋼矢板56を引き抜き、その引き抜
き跡に薬液を注入するとともに、復旧工事を行なって施
工を終了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
地中柱の耐震補強方法は、地中柱54aに僅かな隙間を
あけて鋼板60を巻き立て、上記隙間にグラウト61を
充填するものであるため、これらの作業のために地中柱
54aの周囲全体に足場59を設ける必要上、鋼矢板5
6の圧入、鋼矢板の内側全体の支保工58を伴う掘削、
足場59の設置など多くの地下作業が必須となる。その
ため、支保工58や足場59の架設と撤去に多大な手間
がかかるうえ、地下作業のため、地上作業よりも危険性
が高く,施工性が劣るうえ、地中柱54aの下部に地下構
造物52があって鋼矢板56の十分な根入長がとれない
ため、底部外周地盤への止水薬液57の注入が必須にな
るうえ、地下水位が高い場合は、止水薬液の注入だけで
は止水が不十分になるという問題がある。また、鋼矢板
56の内側を深く掘り下げた狭い空間に作業者が入るた
め、環境や粉塵,溶接ヒューム対策として排水や換気の
設備を設けたり、地下空間への地上車両の飛び込み防止
策を講じる必要があって、施工に手間と費用がかかる一
方、例えば7mの鋼矢板56の打込みに、上空に9m以
上という広いのスペースを必要とし、スペースが確保で
きない場合は、鋼矢板が継ぎ打ちとなってクレーン作業
等が煩雑になるという問題がある。
【0004】そこで、本発明の目的は、地下作業を要す
る地中柱近傍への鋼板の巻き立てを無くすることによっ
て、主工事が地表部で可能であり、また、施工スペース
を縮小でき、工程および施工費を削減でき工期を短縮で
きる地中柱の耐震補強方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の地中柱の耐震補強方法は、鉄筋コンクリ
ート製の地中柱に沿って、この地中柱を囲繞して地中に
筒体を設置する工程と、上記地中柱と筒体との間の土砂
を除去する工程と、上記地中柱と筒体との間に充填物を
充填する工程とからなる。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】請求項の補強方法は、地中柱の周囲地盤
を安定液を満たしながら所定深さまで掘削するので、安
定液の成分が穴壁の土砂の隙間を詰めて、安定液が穴の
外側地盤に浸透せず、穴が液圧の作用により崩壊しない
から、地中柱の回りを安全,確実に深く掘削できる。次
に、安定液で満たされた掘削穴に、地中柱を囲繞するよ
うに筒体を沈設した後、筒体の外側の安定液を硬化剤添
加で硬化させ、あるいは上記安定液を排除しながらコン
クリートを充填して硬化させことにより、地下水の筒体
内側への浸透が止まり、続いて地中柱と筒体との間に、
安定液を排除しながら充填物を充填すれば、この充填物
上記筒体外側の硬化物またはコンクリートによって地
中柱を周囲地盤に強固に固定することができる。また、
請求項1の補強方法は、従来のように地中柱の周りに打
込んだ鋼矢板の内側を支保工で土留めしつつ掘削して地
中柱の周りに足場を作る必要がないから、支保工や足場
の架設,撤去が不要なうえ、地下作業が無くなって、安
全性と施工性が向上し、作業員のための排水や換気の設
備も不要になって、工程数と施工費を削減でき、工期を
短縮できる。
【0011】
【0012】
【0013】請求項の地中柱の耐震補強方法は、鉄筋
コンクリート製の地中柱の周囲地盤に、安定液を満たし
ながら所定深さかつ所定幅で上記地中柱を取り囲む溝を
掘削し、掘削した溝内に上記地中柱を囲繞して筒体を設
置する工程と、上記溝内に設置された筒体の外側の安定
液を硬化剤添加により硬化させ、あるいは上記安定液を
排除しながらコンクリートを充填して硬化させる工程
と、上記地中柱と筒体との間の土砂を、安定液を満たし
ながら掘削して除去する工程と、上記地中柱と筒体との
間に、上記安定液を排除しながら充填物を充填する工程
とからなる。
【0014】請求項の補強方法は、地中柱の周囲地盤
を安定液を満たしながら所定深さかつ所定幅で掘削する
ので、安定液の成分が穴壁の土砂の隙間を詰めて、安定
液が穴の外側地盤に浸透せず、穴が液圧の作用により崩
壊しないから、地中柱の回りを安全,確実に深く掘削で
きるとともに、溝の掘削が所定幅なので、掘削量が少な
くて早期に筒体を設置できる。次に、安定液で満たされ
た掘削穴に、地中柱を囲繞するように筒体を沈設した
後、筒体の外側の安定液を硬化剤添加で硬化させ、ある
いは上記安定液を排除しながらコンクリートを充填して
硬化させることにより、地下水の筒体内側への浸透が止
まり、続いて筒体内側の土砂を安定液を満たしながら除
去した後、地中柱と筒体との間に安定液を排除しながら
充填物を充填すれば、この充填物と上記筒体外側の硬化
またはコンクリートによって地中柱を周囲地盤に強固
に固定することができる。また、請求項2の補強方法
は、従来のように地中柱の回りに打込んだ鋼矢板の内側
を支保工で土留めしつつ掘削して地中柱の回りに足場を
作る必要がないから、支保工や足場の架設,撤去が不要
なうえ、地下作業が無くなって、安全性と施工性が向上
し、作業員のための排水や換気の設備も不要になって、
工程数と施工費を削減でき、工期を短縮できる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
により詳細に説明する。図1,図2は、本発明の請求項
5に記載の地中柱の耐震補強方法の一例を示す縦断面
図,横断面図であり、図中で図6と同じ物には同一番号
を付している。この地中柱の耐震補強方法は、図1,図
2の(A)に示され、鉄筋コンクリート製橋脚柱54の地
中柱54aの周囲地盤51に、安定液2を満たしながら所
定深さかつ所定幅で地中柱54aを取り囲む溝1を掘削
し、掘削した溝1内に地中柱54aを囲繞して鋼板3を設
置する第1工程と、図2(B)に示され、溝1内に設置さ
れた鋼板3の外側の安定液2を排除しながら貧配合コン
クリート4を充填して硬化させる第2工程と、図2(C)
に示され、地中柱54aと鋼板3との間の土砂を、安定液
2を満たしながら掘削して除去する第3工程と、 図
1,図2の(D)に示され、地中柱54aと鋼板3との間に、
上記安定液2を排除しながら充填物としての高強度コン
クリート5を充填する第4工程とからなる。なお、この
第4工程に続いて、必要に応じて、図1(D)に示すよう
に鋼板3を橋脚柱54の地上部分全長に亘って延長し、
延長した鋼板3と橋脚柱54の間にも高強度コンクリー
ト5を充填している。なお、コンクリート5を打設する
前に柱54の下端から下のフーチング53と鋼板3とで
囲まれる断面三角形のリング状部分に剛性の小さな軟弱
なもの例えばスポンジを充填しておくと、柱54の剪断
強度と靭性を補強することができる(図4(B)参照)。ス
ポンジを充填しない場合には、柱54の曲げ強度を大き
くすることができる。
【0019】上記第1工程の安定液2は、ベントナイト
の水溶液であり、掘削溝1に図1(A)の如く満たされる
と、ベントナイトが溝壁の土砂の隙間を詰めるので、安
定液2が溝外側の地盤51に浸透せず、安定液2の水圧
が溝壁に作用して溝壁の崩壊を防ぐため、溝1を確実に
深く掘ることができる。上記第3工程の貧配合コンクリ
ート4は、単位セメント量が比較的少ないコンクリート
であり、鋼板外側に投入して溝1から溢れ出す安定液2
を排出することによって、この安定液2を置換するもの
である。なお、この第3工程は、安定液2中のベントナ
イトと反応してこれを硬化させるセメント等の硬化剤
を、鋼板外側の安定液2に投入,撹拌して安定液2自体
を硬化させる手法でもよい。上記第4工程の高強度コン
クリートは、例えば400kg/cm2の圧縮強度を有する。
【0020】図3は、図1,図2の(A)に示した第1工
程までの状態を示す詳細平面図および詳細断面図であ
り、図4は、図1,図2の(D)に示した第4工程までの
状態を示す同様の図である。図2,図3および図4を参
照しつつ、上記地中柱の耐震補強方法を順を追って詳細
に説明する。まず、橋脚柱54の回りの占用を確保し、
準備工事をした後、図3に示すように、地中柱54aを
取り囲む正12角形の環状溝の外周,内周にあたる地盤
51に鉄筋コンクリート製の外側ガイドウォール6,内
側ガイドウォール7を夫々築造する。なお、内側ガイド
ウォール7の鉄筋は、図3(B)に示すように地中柱54
aにアンカーを取っている。
【0021】次に、テレスコピックアームをもつ深掘バ
ックホウを用いて、図3(A)の正12角形の環状溝1の
実線で示す1つおきの先行辺1aを、地上から安定液2
を充填しつつ掘削し、続いて先行辺1a間の破線で示す
後続辺1bを同様に掘削して、フーチング53の近傍に
達する環状溝1を形成する。さらに、所定高さの2分割
した鋼板3を、地上で橋脚柱54を囲むように縦溶接し
て円筒状に一体化した後、環状溝1に沈め、その上にさ
らに縦溶接で円筒状に一体化した鋼板3を全周溶接で継
ぎ足して沈める作業を繰り返し、円筒状の鋼板3の下端
を環状溝1の底部に載置して、鋼板3の設置までの第1
工程を終える。この第1工程では、安定液2を充填しつ
つ環状溝1を掘削しているので、安定液2中のベントナ
イトが溝壁の土砂の隙間を詰めて、溝外への安定液2の
漏れ出しを防ぎ、安定液圧の作用で溝壁の崩壊が防がれ
るから、環状溝1を確実かつ深く掘ることができる。ま
た、地中柱54aの回りを円形に全面掘削せず、所定幅
で環状に掘削するので、掘削量が少なくて早期に鋼板3
を沈設できる。さらに、掘削に用いるバックホウは、9
m程度の地上空間を要するが、9m以上の地上空間を要
していた従来の鋼矢板打込み工法に比して、施工スペー
スを縮小できる。なお、環状溝1の崩壊を確実に防止す
るため、地盤51の土質調査を行ない、安定液2の性状
を土質に応じて適切に決定すべきである。
【0022】
【0023】鋼板3の沈設が終わると、図2(B)に示す
ように、第2工程として鋼板3の外側に貧配合コンクリ
ート4を投入して環状溝1から溢れ出す安定液2を排出
することによって、この安定液2を貧配合コンクリート
4と置換して硬化させる。貧配合コンクリート4が硬化
すると、地盤51から鋼板3内への地下水の侵入が無く
なるとともに、鋼板3が地盤51側へ強固に固定され
る。その後、内側ガイドウォール7(図3(B)参照)を撤
去し、図2(C)に示すように、第3工程として地中柱5
4aと鋼板3との間の土砂を、安定液2を充填しつつ深
掘バックホウで掘削して除去する。鋼板内側の土砂の掘
削は、外側地盤の崩壊が鋼板3で防がれるので、容易化
されるのは勿論である。
【0024】なお、上記実施の形態では、鋼板外側の安
定液2を貧配合コンクリート4で置換して硬化させる場
合について述べたが、鋼板外側の施工を限定していない
請求項4のような場合は、鋼板外側の安定液を、例えば
投入した土砂で置換することができる。
【0025】最後に、図1,図2の(D)に示す第4工程
に移り、まず深掘バックホウで地中柱54aの表面の残
土を除去した後、鋼板3の内側に高強度コンクリート5
を投入して鋼板内側から溢れ出す安定液2を排出するこ
とによって、この安定液2を高強度コンクリート5と置
換して硬化させる。高強度コンクリート5が硬化する
と、図4に示す状態となる。図4(B)に示すように、鋼
板3の内側と地中柱54aの間は、破線および2点鎖線
で示す既設の内側ガイドウォール7および環状溝1の内
側壁が無くなって総て高強度コンクリート5で充填さ
れ、鋼板3の外側と環状溝1の外側壁の間は、貧配合コ
ンクリート4で充填されている。なお、図4(A)の平面
図で、鋼板3の内側の環状溝1の部分は、本来2点鎖線
で描くべきであるが、便宜上図3(A)と同じく実線また
は破線で描いている。かくて、地中柱54aの補強が終
わると、図1(D)に示すように、鋼板3を上方へ橋脚柱
54の全長に亘って延長し、延長した鋼板3と橋脚柱5
4の間にも高強度コンクリート5を充填する。最後に、
橋脚柱54の回りの復旧工事を行なって、橋脚柱54の
耐震補強を終了する。
【0026】上記実施の形態の耐震補強方法は、第1か
ら第4までの総ての工程が地上から行なわれるので、図
6で述べた従来工法のような地下作業が無くなるから、
危険も少なく施工性も優れ、排水や換気の設備および支
保工や足場の架設,撤去も不要になって、工程数と施工
費を削減することができ、工期を短縮することができ
る。試算によれば、図6の従来工法に比して、施工費が
略15%削減でき、工期が略25%短縮できる。また、
既述のように、安定液2を充填しつつ掘削を行なってい
るので、環状溝1や鋼板内側の地盤を安全かつ確実に掘
削して、鋼板3を容易に設置でき、全面掘削でなく環状
溝1を掘削するので、鋼板3を早期に沈設でき、鋼板外
側の貧配合コンクリート4によって地中柱54aを周囲
地盤により強固に固定することができる。さらに、鋼板
3の断面が矩形でなく円環状であるので、少量の鋼板で
もって高強度の補強ができるうえ、地盤の掘削も矩形で
なく円筒状で済むので、掘削量の削減で施工費および工
期を少なくできる。なお、鋼板3は、上記実施の形態で
は2分割としたが、分割数はこれに限られない。
【0027】図5は、本発明の地中柱の耐震補強方法の
一例を示す横断面図であり、図5(A)は図1(A),図5
(D)は図1(D)の縦断面図に夫々対応しており、図2と
同じ物には同一番号を付している。この耐震補強方法
は、図5(A)に示され、鉄筋コンクリート製の地中柱5
4aの周囲地盤51に、安定液2を満たしながら地中柱5
4aを取り囲む環状溝1を掘削し、掘削した環状溝1内に
地中柱54aを囲繞して鋼板3を設置する第1工程と、
図5(B)に示され、環状溝1内に設置された鋼板3の外
側の安定液2を排除しながら貧配合コンクリート4を充
填して硬化させる第2工程と、同じく図5(B)に示さ
れ、地中柱54aと鋼板3との間の安定液2および土砂を
除去し、鋼板3の内面に付着した安定液2の付着物を除
去する第3工程と、図5(C)に示され、地中柱54aと鋼
板3との間に、充填物としての高強度コンクリート5を
充填する第4工程とからなる。この第4工程に続いて、
図1(D)に示すように鋼板3を橋脚柱54の地上部分全
長に亘って延長し、延長した鋼板3と橋脚柱54の間に
も高強度コンクリート5を充填する。なお、橋脚柱54
の地上部の補強方法として、地中部分の鋼板の断面形状
よりも小さくして、地上部の柱54の周囲に僅かな隙間
をあけて鋼板巻き立て、その隙間にグラウトを充填す
るようにしてもよい。こうすることによって、地上部空
間を広くすることができる。
【0028】上記第1工程は図2(A)の第1工程と、上
記第2工程は図2(C)の第3工程と、上記第4工程は図
2(D)の第4工程と夫々同じであるので、図5()の第
3工程のみを説明する。予め鋼板外側の貧配合コンクリ
ート4が硬化しているので、鋼板3内側への地下水の浸
透は防止され、鋼板内側の安定液と土砂を地上の深掘バ
ックホウで総て除去して空にすると、鋼板3の内面には
ケーキといわれる安定液中のベントナイトの残滓が2〜
5mmの厚さで付着残留する。鋼板3内面と内側の高強度
コンクリート5の間に上記ケーキがあると、これがスポ
ンジのように作用して、鋼板3で巻かれた地中柱54a
の拘束が損なわれ、地中柱54aの十分な剪断強度およ
び靭性性能が得られない。そこで、鋼板内面の上記ケー
キを除去した後に、鋼板内側に高強度コンクリート5を
充填するのである。この補強工法も、図2で述べた先の
補強工法と略同じであるので、先の補強工法と同様、工
程数と施工費の削減および工期の短縮ができ、環状溝1
の安全,確実な掘削で鋼板3を容易に設置でき、鋼板3
外側の貧配合コンクリート5により地中柱54aを周囲
地盤51により強固に固定できるとともに、鋼板内面に
付着した上記ケーキの除去により地中柱54aの剪断強
度および靭性性能を向上させることができる。
【0029】
【0030】
【0031】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項
の地中柱の耐震補強方法は、鉄筋コンクリート製の地中
柱の周囲地盤を、安定液を満たしながら所定深さまで掘
削し、掘削した掘削穴に上記地中柱を囲繞して筒体を設
置する工程と、上記掘削穴に設置された筒体の外側の安
定液を硬化剤添加で硬化させ、あるいは上記安定液を排
除しながらコンクリートを充填して硬化させる工程と、
上記地中柱と筒体との間に、上記安定液を排除しながら
充填物を充填する工程とからなるので、工程数と施工費
を削減でき、工期を短縮でき、安定液により掘削穴の安
全,確実な掘削で筒体を容易に設置できるうえ、上記充
填物と筒体外側の硬化物またはコンクリートによって地
中柱を周囲地盤に強固に固定することができる。
【0032】
【0033】請求項の地中柱の耐震補強方法は、鉄筋
コンクリート製の地中柱の周囲地盤に、安定液を満たし
ながら所定深さかつ所定幅で上記地中柱を取り囲む溝を
掘削し、掘削した溝内に上記地中柱を囲繞して筒体を設
置する工程と、上記溝内に設置された筒体の外側の安定
液を硬化剤添加で硬化させ、あるいは上記安定液を排除
しながらコンクリートを充填して硬化させる工程と、上
記地中柱と筒体との間の土砂を、安定液を満たしながら
掘削して除去する工程と、上記地中柱と筒体との間に、
上記安定液を排除しながら充填物を充填する工程とから
なるので、工程数と施工費の削減および工期の短縮がで
き、掘削穴の安全,確実な掘削で筒体を容易に設置で
き、早期に筒体を設置できかつ内側地盤の掘削が容易化
するとともに、地中柱を、上記充填物と筒体外側の硬化
またはコンクリートによって周囲地盤に強固に固定す
ることができる。
【0034】
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の請求項の耐震補強方法の一例の最
初と最後の工程を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の請求項の耐震補強方法の一例の工
程を順に示す横断面図である。
【図3】 図2(A)の第1工程までの状態を示す平面図
および(そのb−b線に沿う)縦断面図である。
【図4】 図2(D)の第4工程までの状態を示す平面図
および(そのb−b線に沿う)縦断面図である。
【図5】 本発明の耐震補強方法の一例の工程を順に示
す横断面図である。
【図6】 従来の耐震補強方法を示す縦断面図および横
断面図である。
【符号の説明】
1…環状溝、2…安定液、3…鋼板、4…貧配合コンク
リート、5…高強度コンクリート、51…地盤、52…
地下鉄構造物、53…フーチング、54…橋脚柱、54
a…地中柱。
フロントページの続き (72)発明者 田川 朋尚 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (72)発明者 渡辺 政規 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (56)参考文献 特開 平9−59925(JP,A) 特開 平9−268550(JP,A) 特開 平10−110587(JP,A) 特開 平10−60817(JP,A) 特開 平9−53208(JP,A) 特公 平3−29922(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 22/00 E01D 19/02 E02D 27/34 E02D 31/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリート製の地中柱の周囲地盤
    を、安定液を満たしながら所定深さまで掘削し、掘削し
    た掘削穴に上記地中柱を囲繞して筒体を設置する工程
    と、 上記掘削穴に設置された筒体の外側の安定液を硬化剤添
    加により硬化させ、あるいは上記安定液を排除しながら
    コンクリートを充填して硬化させる工程と、 上記地中柱と筒体との間に、上記安定液を排除しながら
    充填物を充填する工程とからなる地中柱の耐震補強方
    法。
  2. 【請求項2】 鉄筋コンクリート製の地中柱の周囲地盤
    に、安定液を満たしながら所定深さかつ所定幅で上記地
    中柱を取り囲む溝を掘削し、掘削した溝内に上記地中柱
    を囲繞して筒体を設置する工程と、 上記溝内に設置された筒体の外側の安定液を硬化剤添加
    により硬化させ、あるいは上記安定液を排除しながらコ
    ンクリートを充填して硬化させる工程と、 上記地中柱と筒体との間の土砂を、安定液を満たしなが
    ら掘削して除去する工程と、 上記地中柱と筒体との間に、上記安定液を排除しながら
    充填物を充填する工程とからなる地中柱の耐震補強方
    法。
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