JP3682992B2 - 低粘度油性ボールペン - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、低粘度の油性インキの直流と逆流防止機能を有するボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は実公平4−52067号においてボールを遊嵌した弁室によるインキの逆流防止機能を有するボールペンを開示している。此のものは、合成樹脂製の口プラでボールを遊嵌する弁室内にボールを抜出不能とする突条を所要数設けて、筆記時には突条と突条との間に形成される隙間を連通してチップにインキが流動されるように成されている。また、ボールペンは先端ボールの回転によりインキが流出するが、従来知られている油性ボールペンは、それに使用するインキが高粘度のために、筆記の際に先端から流出されるインキ量は少なく、ボテ、筆記描線のムラ、濃度の薄さ、高い筆記圧が必要であることなどの問題がある。また、この油性ボールペンの改良として、先端ボールの回転によって粘度が低下してインキがスムーズに流出する特性、いわゆる剪断減粘性を有する相対的に低粘性の水性のインキを用いたボールペンが知られている。しかしながら、このものはインキが乾燥しやすい欠点があるために筆記先端部をシールするキャップが必要である。
そこで、耐乾燥性に優れた低粘度の油性インキを用いたボールペンが考えられるが、やはりインキの流出量が多くなり、筆記寿命を延ばすためにインキ収容管の径を太くしてインキの充填量を多くする必要がある。上記水性インキボールペンは、水性インキの粘度が従来の油性ボールペンのインキに比べて小さいのでインキ収容管に対する流動抵抗は小さいので、インキの自重や衝撃によりインキ漏れ(インキ収容管の後端にインキが逆流する)が生じやすい。それ故に、通常はインキの後端に筆記時のインキの消耗に追随して移動するが、インキの自重や衝撃によってインキの逆流を抑制するグリース状のフォロアが設けられる。しかしながら、フォロアを設けても上向き筆記をした時には先端ボールの直下のインキがなくなると、インキの圧力が直接フォロアに加わるために顕著な逆流が生じて手や衣服を汚す危険がある。また、インキの粘度が低いために、チップ側を下向きにした場合に先端ボールとチップ抱持部の隙間が生じると、インキが滲みでる(直流)が生じたり、筆記時にインキの流出量が多くなる欠点がある。更に上向き筆記後やノックや落下等の衝撃後で先端ボール直下のインキが逆流傾向となるために筆記掠れが起こる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低粘度によるインキの直流や落下衝撃、上向き筆記によるインキの逆流が防止されたボールペンを提供することにある。
また、上向き筆記、衝撃が加わった時の先端ボール直下の空気巻き込みに伴うインキ切れで起きる筆記掠れが発生しない低粘度油性インキを用いたボールペンを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の低粘度油性ボールペンは、先端に先端ボールを抱持したチップは継ぎ手を介してインキ収容管に取り付けられ、かつ油性ボールペンインキが充填されてなるボールペンリフィールおよび該ボールペンリフィールが挿着される軸筒を備えた油性ボールペンにおいて、前記継ぎ手の内孔はボール弁が遊嵌された弁室を有し、該弁室後部にボール弁が密接してインキの逆流を防ぐボール受け座、および該ボール受け座からインキ収容管に通ずる導孔を有し、該弁室前部はボール弁が接する部分を有してチップの後端に連通され、前記インキ収容管に耐乾燥性にすぐれた低粘度油性ボールペンインキおよび該インキの後端面を追随するフォロアを充填して構成されたリフィールを具備する。そして、前記弁室は、一側でボールペン軸方向にインキが流通する溝部と、前記継ぎ手の内孔の軸心から偏心して設けられた導孔を有することにより、ボール弁がチップ後端に偏って接してインキ流路を形成することを特徴とする。また好ましい態様としては、前記弁室は、前部周壁に所要数設けられた突条、該突条の弾性変形により嵌入されたボール弁を有し、該突条にボール弁が当接し突条と突条との間がインキ流通溝を形成することからなる。
【0005】
本発明の第2の低粘度油性ボールペンは、先端に先端ボールを抱持したチップは継ぎ手を介してインキ収容管と取り付けられ、かつ油性ボールペンインキが充填されてなるボールペンリフィールおよび該ボールペンリフィールが挿着される軸筒を備えた油性ボールペンにおいて、非筆記時には該チップ先端のボール抱持部の内縁に前記先端ボールが密接するように、また筆記時にはスプリング弾性により前記先端ボール抱持部との密接状態が解除されるようにチップ内孔には該先端ボールを常時押圧するスプリングが設けられ、前記インキ収容管に低粘度の油性ボールペンインキおよび該インキの後端にフォロアを充填して構成されたリフィールを具備することを特徴とする。
好ましい態様としては、前記スプリングは先を直立状の棒軸部を有していることからなる。前記スプリングは、前記先端ボールを押圧する直立状に棒軸部を有する押し体と、コイル状のスプリングとからなる。
【0006】
本発明の第3の低粘度油性ボールペンは、先端に先端ボールを抱持したチップは継ぎ手を介してインキ収容管に取り付けられ、かつ油性ボールペンインキが充填されてなるボールペンリフィールおよび該ボールペンリフィールが挿着される軸筒を備えた油性ボールペンにおいて、前記継ぎ手の内孔はボール弁が遊嵌された弁室を有し、該弁室後部にボール弁が密接してインキの逆流を防ぐボール受け座、および該ボール受け座からインキ収容管に通ずる導孔を有し、該弁室前部はボール弁が接する部分を有してチップの後端に連通され、非筆記時には該チップ先端のボール抱持部の内縁に前記先端ボールが密接するように、また筆記時にはスプリング弾性により前記先端ボール抱持部との密接状態が解除されるようにチップ内孔には該先端ボールを常時押圧するスプリングが設けられ、前記インキ収容管に耐乾燥性にすぐれた低粘度油性ボールペンインキおよび該インキの後端面を追随するフォロアを充填して構成されたリフィールを具備してなることを特徴とする。
好ましい態様としては、前記弁室は、一側でボールペン軸方向にインキが流通する溝部と、前記継ぎ手の内孔の軸心から偏心して設けられた導孔を有することにより、ボール弁がチップ後端に偏って接してインキ流路を形成しすることからなる可、または、前記弁室は、前部周壁に所要数設けられた突条、該突条の弾性変形により嵌入されたボール弁を有し、該突条にボール弁が当接し突条と突条との間がインキ流通溝を形成することからなる。
また、前記スプリングは先を直立状の棒軸部を有していることからなるか、前記スプリングは、前記先端ボールを押圧する直立状に棒軸部を有する押し体と、コイル状のスプリングとからなる。
【0007】
また、本発明の低粘度油性ボールペンの態様として、前記第1の発明、第2の発明、または第3の発明に次の要件が付加できる。すなわち、継ぎ手の外周部に鍔状に設けられた段部と前記軸筒の内周面段部との間に設けられたコイルスプリングにより、前記ボールペンリフィールが常時後方に付勢され、前記軸筒に対して軸推移して該軸筒先端口から前記チップ先端部が出没可能として組み立てられる。
【0008】
【実施例】
実施例1
図1〜図3が本発明第3低粘度油性ボールペンのリフィール部分(導孔が偏心して、ボール弁、スプリングをゆうするもの)を示す。
図1は、低粘度油性インキ18とその後端にフォロアー19とを充填したインキ収容管17が継ぎ手2を介して、チップ12を取り付けたボールペンリフィールを示し、図2はボールペンリフィール1の前方部分を示している。
継ぎ手2は鍔状の段部4の前方の前軸部3と、後方に後軸部5で形成され、前軸部3の先端で内孔部11には先端ボール12aを抱持したチップ12の軸部13が固着されている。
上記内孔部11は前方よりチップ嵌着孔11a、11bで形成され、チップ12の軸部13の外周部には必要によって凸状の係止部14が形成されてチップ嵌着孔11bに食いつき状に係止される。
【0009】
チップ12はインキ流入可能なチャンネル12bを有した座に先端ボール12aが略当接した状態で、先端ボール12aが回転自在に抱持されるようカシメられている。また、チップ12の内孔部にスプリング16が内挿され、チップの軸部13の後端が適宜カシメられてスプリング16の後端が抜出不能に設けられている。
【0010】
また、スプリング16の先方には直立状の棒軸部16aが形成され、当該棒軸部16aの先端が先端ボール12aの後端に押圧状に当接する。なお、先端ボール12aはその押圧でチップ12のボール抱持部(カシメなどで形成)の内縁に密接状態と成される。
【0011】
内孔部11の後方は軸心と適宜偏心して弁室6と導孔9が設けられ、弁室6は導孔9に連通してテーパー状または球面状のボール受け座7が形成され、弁室6の内壁の一側にはインキが流入可能な溝部8が形成されている。この弁室6内にボール弁10が遊嵌されることによって、チップ12を下向きにした状態ではボール弁10がチップの軸部13の後端に偏倚した状態に当接して、上記溝部8などを通じて導孔9から流入したインキがチップ内孔部に流入するが、逆に上向きの状態ではボール弁10がボール受け座7に当接してインキの逆流を防止する機能が得られる。
【0012】
また、継ぎ手2の段部4の後方には後軸部5が延設されている。後軸部5の外周には筒状のインキ収容管17がその先端を段部4の後端に当接して圧入固着されインキ収容管17の内径部が継ぎ手2の導孔9に導通している。また、インキ収容管17内には耐乾燥性に優れた油性ボールペンのインキ18が充填され、更にインキ18の後端にインキの消耗と共にインキ面に接触して追随して移動可能なグリース状のフォロア19が充填されている。なお、上記インキ収容管17は一例として透明PP樹脂成形品等が使用される。また、その内面にはシリコン等を塗布してクリアドレン性が配慮される。また、インキ収容管をクリアドレン性に優れた材質で選定する。また、上記フォロア19は例えばシリコンゴムなどの固体のものであってもよいし、インキ収容管17は継ぎ手2に一体に形成されてもよい。
【0013】
図4〜図6は上記リフィールを用いた本発明のボールペンの一例としてノック式のボールペンを示している。基本的には実公平4−53987号公報のノック式筆記具と同じなので、以下要点と相違点についてのみ説明する。
【0014】
軸筒20にはクリップ21と対向する側面にスリット30と、該スリット30の両側に接続してスリット30に連通する溝23を備えた取付け脚部22を有したクリップ21が一体に設けられ、クリップ21の先端部には玉部24が形成され、玉部24には鉤状に係止段部25と側壁26が設けられている。クリップ21は後述するノック体31の係止突起33と係止段部25との係合を解除し得る距離だけ横方向に弾性変位可能になされている。また、軸筒20の側面には上記スリット30とは別に窓孔27が設けられている。軸筒20は以上が一体となったポリエステル樹脂を含む透明な樹脂で成形される。
【0015】
ノック体31はその側面に係止突起33と、同軸線上にストッパー片32が、係止突起33とは別の軸線上に弾性変位可能な状態の係止突起34が設けられている。
【0016】
軸筒20の内孔に前記段部4にコイルスプリング35の後端を当接させた状態でボールペンのリフィール1が挿入され、コイルスプリング35の先端が軸筒の内面段部28に当接され、軸筒20の後端からボールペンのリフィール1の後方部を収容する状態でノック体31が装着される。ノック体31の係止突起33とストッパー片32の溝23を通過して係止突起33がスリット30に貫出し、ストッパー片32は取付け脚部22内の溝23に位置する。また、その時、係止突起34が軸筒の窓孔27の後端部に貫出してノック体31が後方に附勢された状態に抜け止めされる。
【0017】
実施例2
図7は本発明の第1の低粘度油性ボールペンのリフィール部分(弁室前部に突条を有し、ボール弁、スプリングを有するもの)を示す。
以下、前記実施例1との相違点のみ説明する。 継ぎ手40は弾性変形可能な合成樹脂により成形されており、チップ嵌着孔49に連通して後方に弁室41が設けられている。また、弁室41の後部にはテーパー状または球面状のボール受け座42が設けられ、弁室41の前部周壁には所要数の突条43が設けられている。
【0018】
弁室41の後部にはボール受け座42と連通する導孔44が形成されて、弁室41内にはボール弁46が前記突条43を弾性変形させて嵌入される。なお、ボール弁46が当接する突条と突条の間にはインキ誘導溝が形成される。また、スプリング48の後端は突条43前端の段部45に当接して、棒軸部48aの先端が先端ボール47aの後端を押圧する。
【0019】
以上により、チップ側が下向きの時に前記ボール弁46が前記突条43の後端に当接状態となり、インキが導孔44、弁室41、突条と突条の間のインキ誘導溝、チップ47の内孔部を通じて先端ボール47aの後端まで流入可能となる。
【0020】
実施例3
図8は本発明の第2のボールペンのリフィール部分(スプリングを有するもので、スプリングは先を直立状の棒軸部を有しているもの)を示す。
基本的には上記実施例1と同じなので以下相違点のみ説明する。
チップ47内に嵌挿されるスプリング55の前端は座を成し、その前部に棒軸部54aを有した押し体54が配設されて、棒軸部54aの先端が先端ボール47aを押圧する。
【0021】
実施例4
図9は本発明の第2のボールペンのリフィール部分(スプリングを有するもので、スプリングがコイル状のスプリングとからなる)を示す。
基本的には前記実施例1と同じなので以下相違点のみ説明する。
スプリング48の前端には直立状の棒軸部48aが形成されている。また、チップ47前方のテーパー状の内孔に沿ったテーパー状の捲線部を有して設けられる場合もある。また、通常チップの内孔は段付き状のキリ孔で形成されるので、その段付き孔に沿って段付き状に縮径されたステップ状の捲線部を有したスプリングに形成される場合もある。さらに、捲線部の最先端を先端ボールに当接させる場合もある(図示せず)。
【0022】
【作用】
実施例1において、図1はチップ12を上向きにした状態を示しており、その時ボール弁10は弁室6のボール受け座7に位置して導孔9を密閉するので、上向き筆記されてチップの先端ボール12a直下のインキがなくなっても、インキにヘッドが掛かり逆流することがない。従って、チップ12を下向きにした時にインキがすぐに流出可能となり、筆記で掠れが防止される(因みにボール弁を有しない構造では、上向き筆記でインキが逆流方向に作用するのでチップ内に空気を巻き込み、下向き筆記で即インキが追随せず掠れが生じる。)。
【0023】
図2に示すように、チップ12を下向きにした筆記状態においては、ボール弁10がチップのカシメ部15後端の一方に偏った状態に当接し、他方にはチップ12内にインキが流入可能な溝部8が構成され、インキ収容管17から導孔9を経て弁室6に入ったインキ18は溝部8を通り、チップ12の先端ボール12aの後端まで誘導される。
【0024】
この状態では、棒軸部16aの押圧で先端ボール12aがチップ抱持部の内縁に密接されるのでインキの直流が防止される。また、筆圧により先端ボール12aが微小に後退するので隙間を生じてインキが流出可能となり、筆記により先端ボール12aの回転でインキが多量に流出され、ボテが無く、濃度の高い筆記が可能となる。
【0025】
先端ボール12aの直下にはチャンネル12b(チップ内孔に向かって貫通したインキ流入溝を複数箇所に有した先端ボールの受け座)がありチャンネル12bの中心孔には棒軸部16aが貫通する。チップ内のインキはインキ流入溝および中心孔と棒軸部16aとの間の隙間を通じて先端ボール12a直下に誘導される。
【0026】
実施例2において、図7はチップ47を上向きにした状態を示しており、その時ボール弁46が弁室41のボール受け座42に密接して導孔44を密閉するので、上向き筆記で先端ボール47a直下のインキがなくなってもインキが逆流しない。チップ47を下向きにした状態では、ボール弁46が突条43の後端に当接状態となり、導孔44が開放される。インキ収容管4から導孔44を経て弁室41に入ったインキは突条と突条との間に形成されたインキ誘導溝を通過して先端ボール47aの後端まで誘導される。その他の作用は前記実施例1と同じである。
【0027】
実施例1は実施例2のようにボール弁を抜出不能に当接する突条がないので継ぎ手2を成形する金型精度や成形条件が楽になる(因みに突条は金型の離型でアンダーカットになるので寸法精度が出しにくい)。また、弁室にボール弁を嵌挿することが容易となり(突条は弾性変形を利用してボール弁を嵌挿するので突条を損傷する問題が存在する)機械組みに有利となる。
しかしながら、実施例1はスプリング16を抜出不能とするために、チップ12の後端にカシメを行う必要があり、加工の手間で実施例2より不利といえる。
【0028】
実施例3および実施例4は実施例1と基本的に同じなので要点のみ説明する。実施例3は図8に示すようにスプリング55の前端に別体の押し体54を設けたことで棒軸部54aの揺動性が良く、先端ボール47aと当接する部位の摩擦抵抗の選択(材質、形状)できるので筆感がよい。
また、実施例4は図9に示すようにスプリング48の捲線部と一体に棒軸部48aを設けたのでコスト的に有利となる。また、チップ47の内孔部に沿ったテーパー状またはステップ状に縮径する捲線部を設けることで棒軸部の軸心上の安定が良く、インキ誘導の偏りや先端ボールとの接触抵抗が安定化する。
【0029】
また、先端ボール47aは常時チップ抱持部の内縁に密接しているので先端部位の乾燥で筆記掠れが防止される。また、上向き筆記の繰り返しで空気の巻き込みが累積される可能性があり実施例1および実施例2より劣るが、先端ボール47aとインキおよびフォロアの適宜組成による共同作用で上向き筆記や衝撃が加わっても空気の巻き込みが適宜防止され、実用上のインキの逆流や筆記掠れが防止可能となる。
【0030】
図4はボールペンのリフィール1を軸筒20に収容した状態を示しており、ノック体31の後端をノックして前進させると、係止突起33がクリップの係止段部25に係合して図5に示すようにチップ12の先端が軸先端口29から突出状態となる。この状態から、クリップ21の先端部を側壁26の有る側で横方向に弾性変位させると、係止突起33が係止段部25から外れて再び図3の状態に復帰する。また、図5の状態でクリップ21を胸ポケットなどに差すと、係止段部25が上に押し上げられるので係止突起33との係合が外れチップ12は軸先端口29から軸筒内に没入する。従って、チップを突出させたまま誤ってポケットなどに差しても服を汚すなどの心配がない。また、ボールペンのリフィール1を新しいものと交換する場合には、ノック体31の係止突起34を内方に押し込めば係止突起34と軸筒の窓孔27との係合が外れ、ノック体31と共にボールペンのリフィール1を取り出すことが可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明の低粘度油性インキボールペンのの構成および作用は以上のようであり、耐乾燥性に優れた低粘度油性インキを使用することでボテのない、描線の濃い、ムラのないい、かつキャップを不要とする筆記先端部を出没自在とした、例えばノック式のボールペンの提供が可能となる。
また、低粘度インキであるが故に生じるインキの直流現象や、上向き筆記、ノックおよび衝撃に対するインキの逆流が防止されるので軸筒内や手や衣服などを汚す事故が防止される。また、筆記時の掠れも防止される。また、筆記時以外は先端ボールがチップ抱持部の内縁に密接するので、経時下の乾燥による筆記掠れの防止効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のボールペンのリフィールの全体を示す縦断面図であり、チップを上向きにした状態を示している。
【図2】実施例1のボールペンのリフィールの要部拡大の断面図であり、チップを下向きにした状態を示している。
【図3】実施例1の弁室部位の拡大した横断面図である。
【図4】実施例であるボールペンのリフィールを搭載するノック式ボールペンの一例を示した一部非断面の縦断面図で、筆記先端部を没入した状態を示している。
【図5】図4に対応する一部非断面の縦断面図で、筆記先端部を突出した状態を示している。
【図6】図4に対応する上面図である。
【図7】実施例2のボールペンのリフィールの要部拡大の断面図であり、チップを上向きにした状態を示している。
【図8】実施例3のボールペンのリフィールの要部拡大の断面図であり、チップを上向きにした状態を示している。
【図9】実施例4のボールペンのリフィールの要部拡大の断面図であり、チップを上向きにした状態を示している。
【符号の説明】
1 ボールペンのリフィール
2 継ぎ手
3 前軸部
4 段部
5 後軸部
6 弁室
7 ボール受け座
8 溝部
9 導孔
10 ボール弁
11 内孔部
11a チップ嵌着孔
11b チップ嵌着孔
12 チップ
12a 先端ボール
12b チャンネル
13 軸部
14 係止部
15 カシメ部
16 スプリング
16a 棒軸部
17 インキ収容管
18 インキ
19 フォロア
20 軸筒
21 クリップ
22 取付け脚部
23 溝
24 玉部
25 係止段部
26 側壁
27 窓孔
28 内面段部
29 軸先端口
30 スリット
31 ノック体
32 ストッパー片
33 係止突起
34 係止突起
35 コイルスプリング
40 継ぎ手
41 弁室
42 ボール受け座
43 突条
44 導孔
45 段部
46 ボール弁
47 チップ
47a 先端ボール
48 スプリング
48a 棒軸部
49 チップ嵌着孔
50 継ぎ手
51 チップ嵌着孔
52 段部
53 導孔
54 押し体
54a 棒軸部
55 スプリング

Claims (8)

  1. 先端に先端ボールを抱持したチップは継ぎ手を介してインキ収容管に取り付けられ、油性ボールペンインキが充填されてなるボールペンリフィールおよび該ボールペンリフィールが挿着される軸筒を備えた油性ボールペンにおいて、前記継ぎ手の内孔はボール弁が遊嵌された弁室を有し、該弁室後部にボール弁が密接してインキの逆流を防ぐボール受け座、および該ボール受け座からインキ収容管に通ずる導孔を有し、該弁室前部はボール弁が接する部分を有してチップの後端に連通され、前記インキ収容管に耐乾燥性にすぐれた低粘度油性ボールペンインキおよび該インキの後端面にフォロアを充填して構成されたリフィールを具備し、前記弁室は一側でボールペン軸方向にインキが流通する溝部と、前記継ぎ手の内孔の軸心から偏心して設けられた導孔を有することにより、筆記時にボール弁がチップ後端に偏って接してインキ流路を形成することからなる低粘度油性ボールペン。
  2. 先端に先端ボールを抱持したチップは継ぎ手を介してインキ収容管と取り付けられ、油性ボールペンインキが充填されてなるボールペンリフィールおよび該ボールペンリフィールが挿着される軸筒を備えた油性ボールペンにおいて、非筆記時には該チップ先端のボール抱持部の内縁に前記先端ボールが密接するように、また筆記時にはスプリング弾性により前記先端ボール抱持部との密接状態が解除されるようにチップ内孔には該先端ボールを常時押圧するスプリングが設けられ、前記インキ収容管に低粘度の油性ボールペンインキおよび該インキの後端にフォロアを充填して構成されたリフィールを具備してなる低粘度油性ボールペン。
  3. 前記スプリングは、前記先端ボールを押圧する直立状に棒軸部を有する押し体と、コイル状のスプリングとからなる請求項記載の低粘度油性ボールペン。
  4. 先端に先端ボールを抱持したチップは継ぎ手を介してインキ収容管に取り付けられ、かつ油性ボールペンインキが充填されてなるボールペンリフィールおよび該ボールペンリフィールが挿着される軸筒を備えた油性ボールペンにおいて、前記継ぎ手の内孔はボール弁が遊嵌された弁室を有し、該弁室後部にボール弁が密接してインキの逆流を防ぐボール受け座、および該ボール受け座からインキ収容管に通ずる導孔を有し、該弁室前部はボール弁が接する部分を有してチップの後端に連通され、非筆記時には該チップ先端のボール抱持部の内縁に前記先端ボールが密接するように、また筆記時にはスプリング弾性により前記先端ボール抱持部との密接状態が解除されるようにチップ内孔には該先端ボールを常時押圧するスプリングが設けられ、前記インキ収容管に耐乾燥性にすぐれた低粘度油性ボールペンインキおよび該インキの後端面を追随するフォロアを充填して構成されたリフィールを具備してなる低粘度油性ボールペン。
  5. 前記弁室は、一側でボールペン軸方向にインキが流通する溝部と、前記継ぎ手の内孔の軸心から偏心して設けられた導孔を有することにより、ボール弁がチップ後端に偏って接してインキ流路を形成することからなる請求項記載の低粘度油性ボールペン。
  6. 前記弁室は、前部周壁に所要数設けられた突条、該突条の弾性変形により嵌入されたボール弁を有し、該突条にボール弁が当接し突条と突条との間がインキ流通溝を形成することからなる請求項記載の低粘度油性ボールペン。
  7. 前記スプリングは、前記先端ボールを押圧する直立状に棒軸部を有する押し体と、コイル状のスプリングとからなる請求項4、5、または6記載の低粘度油性ボールペン。
  8. 継ぎ手の外周部に鍔状に設けられた段部と前記軸筒の内周面段部との間に設けられたコイルスプリングにより、前記ボールペンリフィールが常時後方に付勢され、前記軸筒に対して軸推移して該軸筒先端口から前記チップ先端部が出没可能とした請求項1ないしのいずれかに記載の低粘度油性ボールペン。
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