JP3682874B2 - 無機着色粒子粉末及びその製造法並びに該無機着色粒子粉末を用いた水系塗料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、溶剤系塗料はもちろん、殊に、水系塗料用無機着色粒子として好適である易分散性、均一分散性及び分散安定性に優れた無機着色粒子粉末及びその製造法並びに該無機着色粒子粉末を用いた水系塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無機着色粒子は、酸化物であることによって空気中で安定であると共に、結晶構造の相違や結晶水の有無等により各種色彩を有するため、従来から塗料用粒子粉末としてビヒクル中に分散させて使用されている。
【0003】
近年、塗料を基材に塗布、乾燥して得られる塗膜の高性能化、高品質化への要求は止まるところがなく、この要求を満たすためには、塗膜における色調の鮮明度、着色力、隠蔽力、光沢性の向上等の諸持性に最も大きな影響を及ぼすといわれる無機着色粒子の諸機能を十分に発揮させるべくその特性向上が強く要求されている。即ち、無機着色粒子のビヒクル中への分散性、殊に、易分散性、均一分散性及び分散安定性が優れていることが必要である。
【0004】
この事実は、株式会社技術情報協会発行「最新顔料分散技術」(1993年)の第15頁の「‥‥顔料はそれ自信単独で使用されることは皆無で、常にバインダーと呼ばれる樹脂や溶剤その他に分散して使用されるが、鮮明な色調や高い着色力その他の性能を得るために、これらの微細な顔料粒子はバインダーに対し易分散性であることと同時に均一に分散していることが必要である。しかし微細粒子になればなるほど不安定になるので、いかに安定な分散性を維持できるかが重要である。‥‥」なる記載及び「‥‥顔料に要求される性質として、いろいろな観点から次のような性質が要求され、分類することができる。‥‥分散性は物理的性質を左右するものとして分類してあるが、光学的、化学的、特殊機能の諸性質にも大いに関係があり、影響を及ぼす。すなわち、顔料の分散性を改良し均一に分散することは、色調の鮮明度、着色力、隠蔽力、塗膜などの光沢性の向上は言うに及ばず、化学的性質である諸堅牢性、さらに作業性も向上させる。‥‥」なる記載の通りである。
【0005】
塗料は、溶剤の種類により有機溶剤を主溶剤とする溶剤系塗料、水を主溶剤とする水系塗料があるが、近年、大気を汚染することが少なく、省資源、省エネルギーであり、しかも、火災の危険性が少ない等、安全面、衛生面から水系塗料が有望視されている。
【0006】
しかし、水系塗料中における無機着色粒子の分散機構は、従来の溶剤系塗料とは異なっているため、溶剤系塗料と同様の分散技術によっては無機着色粒子をビビクル中に十分分散させることができない。即ち、水系塗料の場合、水系樹脂(展色剤)が用いられるが、この水系樹脂は溶剤系樹脂(展色剤)が溶解状態で拡がりをもって存在しているのに対し、主として乳化重合粒子又はコロイダル型粒子等の粒子状態で存在するため、先ず、無機着色粒子をビヒクル中にいかなる手段で分散させるのか、そしてどの位の時間を必要とするのか、即ち、無機着色粒子の易分散性と分散均一性が問題となり、次に、分散された無機着色粒子と水系樹脂粒子との相互作用等により再凝集しやすいものであるため、分散安定性が問題となる。
【0007】
そこで、溶剤系塗料はもちろん、殊に、水系塗料においても無機着色粒子が本来の無機着色粒子としての機能を十分発揮すべく易分散性、分散均一性及び分散安定性に優れたものであることが強く要求される。
【0008】
従来、ビヒクル中における無機着色粒子の分散性を改良する為に無機着色粒子の粒子表面を各種無機化合物や有機化合物で被着することが行われており、例えば無機着色粒子の粒子表面にオルガノポリシロキサンを被着する方法(特公昭41−9890号公報、特公昭56−43264号公報、特公昭58−13099号公報、特公平1−54379号公報、特公平3−17764号公報、特公平5−4129号公報、特公平5−86820号公報、特開昭47−33127号公報、特開昭59−15455号公報、特開昭60−31576号公報、特開昭61−127767号公報、特開昭62−87237号公報、特開昭63−27419号公報、特開昭63−113082号公報、特開昭63−139015号公報、特開昭63−165461号公報、特開昭63−168346号公報、特開昭63−202671号公報、特開平1−182368号公報、特開平2−212561号公報、特開平3−163172号公報、特開平4−68041号公報、特開平5−111631号公報、特開平5−214264号公報、特開平5−339518号公報等)や無機着色粒子の粒子表面にシランカップリング剤を被着する方法(特開平55−94968号公報)等が試みられている。
【0009】
また、特開昭62−187772号公報には、ポリエステル変成ポリシロキサンが、粘着性を低下させ、潤滑性を向上させる作用を有することから塗料中に添加して使用することが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
溶剤系塗料はもちろん、水系塗料においても易分散性、分散均一性及び分散安定性に優れた無機着色粒子は現在最も要求されているところであるが、このような無機着色粒子は、未だ得られていない。
【0011】
即ち、粒子表面に前出公知のオルガノポリシロキサンやシランカップリング剤が被着されている無機着色粒子は、後出比較例に示す通り、ビヒクル中への易分散性、分散均一性及び分散安定性のいずれも未だ十分なものとは言い難いものである。
【0012】
また、前出特開昭62−187772号公報に開示のポリエステル変成ポリシロキサンを塗料中に添加する場合も同様に後出比較例に示す通り、無機着色粒子のビヒクル中への分散性は、易分散性、分散均一性及び分散安定性のいずれも十分ではない。
【0013】
そこで、本発明は、溶剤系塗料はもちろん、水系塗料においても、易分散性、分散均一性及び分散安定性に優れた無機着色粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題は、次のとおりの本発明によって達成できる。
【0015】
即ち、本発明は、粒子表面に、化4に示されるポリエーテル変成ポリシロキサン、化5に示されるポリエステル変成ポリシロキサン及び化6に示されるアラルキル変成ポリシロキサンから選ばれる1種又は2種以上の特定変成ポリシロキサンがC換算で無機着色粒子に対し0.01〜10重量%被着されている無機着色粒子からなる無機着色粒子粉末、無機着色粒子と前記特定変成ポリシロキサンとを80℃以上の温度で混合することからなる無機着色粒子粉末の製造法及び上記無機着色粒子粉末を水系塗料構成基材中に配合されてなる水系塗料である。
【化4】
【化5】
【化6】
【0016】
本発明の構成を詳しく説明すれば、次の通りである。
【0017】
先ず、本発明に係る無機着色粒子粉末について述べる。
【0018】
本発明における無機着色粒子とは、着色力が大きく、展色剤と練り合わせると塗膜もしくは成形物に色彩を与える粒子である。
【0019】
具体的には、亜鉛華(ZnO)、鉛白(2PbCO3・Pb(OH)2)、塩基性硫酸鉛(3PbSO4・PbO〜2PbSO4・PbO)、硫酸鉛(PbSO4)、リトポン(ZnS+BaSO4)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化チタン(TiO2)、酸化アンチモン(Sb2O3)等の白色着色粒子、カーボンブラック(C)、黒鉛(C)、鉄黒(FeOx・Fe2O3(0<x≦1))等の黒色着色粒子、黄鉛(PbCrO4)、亜鉛黄(ZnCrO4)、クロム酸バリウム(BaCrO4)、カドミウムイエロー(CdS)、黄色含水酸化鉄(FeOOH・nH2O)、黄土(Fe2O3・SiO2・Al2O3)、チタン黄(TiO2・NiO・Sb2O3)、鉛シアナミド(Pb(CN)2)、鉛酸カルシウム(Ca2PbO4)等の黄色着色粒子、赤口黄鉛(PbCrO4・PbO)、クロムバーミリオン(PbCrO4・PbMoO4・PbSO4)等の橙色着色粒子、褐色酸化鉄(γ−Fe2O3)、アンバー(Fe2O3+MnO2+Mn3O4)等の褐色着色粒子、べんがら(α−Fe2O3)、鉛丹(Pb3O4)、銀朱(HgS)、カドミウムレッド(CdS+CdSe)、カドミウムマーキュリレッド(CdS+HgS)、アンチモン朱(2Sb2S3・Sb2O3又はSb2S3・Sb2O3)等の赤色着色粒子、コバルト紫(Co3(PO4)2、Co3(PO4)2・8H2O)、コバルト紫(Co3(AsO4)2、Co3(AsO4)2・8H2O)、マンガン紫(Mn2(PO4)3、(NH4)2Mn(P2O7)2)等の紫色着色粒子、群青(3NaAl・SiO4・Na2S2、2(Na2O・Al2O3・2SiO2)・Na2S2)、紺青(Fe4〔Fe(CN)6〕3・nH2O)、コバルトブルー(CoO・nAl2O3)、セルリアンブルー(CoO・nSnO2・mMgO(n=1.5〜3.5、m=2〜6))等の青色着色粒子、クロムグリーン(紺青+黄鉛)、ジンクグリーン(亜鉛黄+紺青)、酸化クロム(Cr2O3)、ビリジアン(Cr2O(OH)4)、エメラルドグリーン(Cu(CH3CO2)2・3CuO(AsO2)2)、コバルトグリーン(CoO・ZnO・MgO)等の緑色着色粒子等である。
【0020】
上記無機着色粒子のうち、亜鉛華、鉛白、酸化チタン、酸化アンチモン、鉄黒、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色含水酸化鉄、チタン黄、クロムバーミリオン、褐色酸化鉄、べんがら、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリーレッド、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム等を無機着色粒子として用いることで効果的に本発明の目的を達成することができ、殊に、鉄黒、べんがら、褐色酸化鉄等の酸化鉄や黄色含水酸化鉄、酸化チタン、黄鉛、酸化クロム等を無機着色粒子として用いた場合、より効果的に本発明の目的を達成することができる。
【0021】
従って、本発明においては、着色力が小さく展色剤と練り合わせると透明もしくは半透明となる体質顔料粒子は含まない。体質顔料とは、具体的には、Ba、Ca、Al、Si、Mgの硫酸塩、珪酸塩、酸化物、水酸化物、炭酸塩等である。
【0022】
べんがら(α−Fe2O3)粒子、鉄黒(FeOx・Fe2O3(0<x≦1))粒子、褐色酸化鉄(γ−Fe2O3)粒子等の酸化鉄系粒子やゲータイト(α−FeOOH)粒子、アカゲナイト(β−FeOOH)粒子、レピドクロサイト(γ−FeOOH)粒子等の黄色含水酸化鉄系粒子の粒子形状は、立方状、八面体状、球状等の粒状粒子、針状粒子、紡錘状粒子、板状粒子等のいずれであってもよい。
【0023】
酸化鉄系粒子や黄色含水酸化鉄系粒子の粒子サイズは、粒状粒子の場合、平均粒子径0.01〜10μmであり、着色力、隠蔽力を考慮すれば0.1〜0.5μmが好ましい。また、針状粒子や紡錘状粒子の場合、長軸径0.1〜20μm、軸比(長軸径:短軸径)2:1〜20:1であり、着色力、隠蔽力を考慮すれば、長軸径0.1〜1.0μm、軸比(長軸径:短軸径)3:1〜10:1の粒子が好ましい。また、板状粒子の場合、平均粒子径(板面径)が0.01〜20.0μm、厚み0.005〜2.0μmであり、着色力、光輝性を考慮すれば,平均粒子径(板面径)0.1〜10.0μm、厚み0.01〜1.0μmの粒子が好ましい。
【0024】
酸化鉄系粒子や黄色含水酸化鉄系粒子以外の前記無機着色粒子は、通常、着色粒子として市販されているものを使用することができ、その粒子サイズは、着色性を考慮すれば、通常、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜1.0μm、より好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが使用できる。
【0025】
本発明に係る無機着色粒子の粒子表面に被着される変成ポリシロキサンは、化7に示されるポリエーテル変成ポリシロキサン、化8に示されるポリエステル変成ポリシロキサン及び化9に示されるアラルキル変成ポリシロキサンから選ばれる1種又は2種以上(特定変成ポリシロキサンという。)である。
【0026】
ポリエーテル変成ポリシロキサンの分子量は、350〜500000の範囲であり、好ましくは1000〜100000の範囲であり、より好ましくは2000〜50000の範囲である。
【0027】
ポリエステル変成ポリシロキサンの分子量は、400〜500000の範囲であり、好ましくは1000〜100000の範囲であり、より好ましくは2000〜50000の範囲である。
【0028】
アラルキル変成ポリシロキサンの分子量は、350〜500000の範囲であり、好ましくは1000〜100000の範囲であり、より好ましくは2000〜50000の範囲である。
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
本発明に係る無機着色粒子粉末の粒子表面に被着されている特定変成ポリシロキサン被着量は、C換算で無機着色粒子に対し0.01〜10重量%が好ましい。0.01重量%未満の場合には、本発明の目的とする分散性に優れた無機着色粒子粉末を得ることが困難となる。10重量%を越える場合にも、本発明の目的とする分散性に優れた無機着色粒子粉末が得られるが、その効果は飽和状態にあり必要以上に添加する意味がない。
【0033】
本発明に係る無機着色粒子粉末の形状、粒子サイズは、前述した無機着色粒子のそれら諸特性とほぼ同じである。
【0034】
本発明に係る粒子表面に特定変成ポリシロキサンが被着している無機着色粒子粉末を溶剤型塗料に用いた場合の分散性は、べんがら粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグロスが85%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが90%以上、グロスの低下率が6%以下であり、黄色含水酸化鉄粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグロスが80%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが85%以上、グロスの低下率が8%以下であり、鉄黒粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグロスが80%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが85%以上、グロスの低下率が10%以下であり、褐色酸化鉄粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグロスが80%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが85%以上、グロスの低下率が10%以下である。
【0035】
本発明に係る粒子表面に特定変成ポリシロキサンが被着している酸化鉄系粒子や黄色含水酸化鉄系粒子以外の無機着色粒子粉末を溶剤型塗料に用いた場合の分散性は、分散時間45分における塗膜のグロスが77%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが81%以上、グロスの低下率が10%以下である。
【0036】
本発明に係る粒子表面に特定変成ポリシロキサンが被着している無機着色粒子粉末を水系塗料に用いた場合の分散性は、べんがら粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグロスが80%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが85%以上、グロスの低下率が10%以下であり、黄色含水酸化鉄粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグロスが80%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが85%以上、グロスの低下率が10%以下であり、鉄黒粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグロスが70%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが75%以上、グロスの低下率が15%以下であり、褐色酸化鉄粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグロスが70%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが75%以上、グロスの低下率が15%以下である。
【0037】
本発明に係る粒子表面に特定変成ポリシロキサンが被着している酸化鉄系粒子や黄色含水酸化鉄系粒子以外の無機着色粒子粉末を水系塗料に用いた場合の分散性は、分散時間45分における塗膜のグロスが75%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが80%以上、グロスの低下率が10%以下である。
【0038】
本発明における無機着色粒子粉末の塗料への配合割合は、塗料構成基材100重量部に対し10〜90重量部の範囲で使用することができる。塗料のハンドリングを考慮すれば、その上限値は60重量部であり、更に好ましくは50重量部である。
【0039】
本発明における塗料構成基材としては、樹脂、溶剤、及び必要に応じて体質顔料粒子、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤等が配合される。
【0040】
本発明に係る塗料中の樹脂と溶剤の配合割合は、樹脂100重量部に対し溶剤が50〜5000重量部が好ましく、より好ましくは100〜2000重量部である。50重量部未満の場合は、ビヒクルの粘度が高くなりすぎ、均一な混合分散が困難になる。5000重量部を越える場合は、塗料中の溶剤組成分が多くなりすぎる為、混合分散時において粒子への分散シェアーが掛からなくなる為好ましくない。
【0041】
樹脂としては、溶剤系塗料用として通常使用されるアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂等を用いることができる。水系塗料用としては、通常使用される水溶性アルキッド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性メラミン樹脂、アクリルエマルジョン樹脂、アクリル・スチレンエマルジョン樹脂、ウレタンエマルジョン樹脂、エポキシエマルジョン樹脂、酢酸ビニルエマルジョン樹脂等を用いることができる。
【0042】
溶剤としては、溶剤系塗料用として通常使用されるトルエン、キシレン、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルイソブチルケトン、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルアルコール、脂肪族炭化水素等を用いることができる。
【0043】
水系塗料用としては、通常使用されるブチルセロソルブ、ブチルアルコール等を使用することができる。
【0044】
消泡剤としては、ノプコ8034(商品名)、SNデフォーマー477(商品名)、SNデフォーマー5013(商品名)、SNデフォーマー247(商品名)、SNデフォーマー382(商品名)(以上、いずれもサンノプコ(株)製)、アンチホーム08(商品名)、エマルゲン903(商品名)(以上、いずれも花王(株)製)等の市販品を使用することができる。
【0045】
次に、前記の通りの本発明に係る無機着色粒子粉末の製造法について述べる。
【0046】
本発明における特定変成ポリシロキサンは、ポリエーテル、ポリエステル及びアラルキルから選ばれる1種又は2種以上によって変成されていることが肝要であり、前出公知のポリジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、ジメチルポリシロキシクロリド、アルコキシポリシロキサン、アミノ基末端修飾ポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンやシランカップリング剤によっては、後出比較例に示す通り、本発明の目的とする分散性に優れた無機着色粒子粉末を得ることができない。
【0047】
本発明における特定変成ポリシロキサンは、市販のものを使用することができる。ポリエーテル変成ポリシロキサンとしては、BYK−320、BYK−325、BYK−080(商品名)(ビックケミー(株)製)があり、ポリエステル変成ポリシロキサンとしては、BYK−310(商品名)(ビックケミー(株)製)があり、アラルキル変成ポリシロキサンとしては、BYK−322(商品名)(ビックケミー(株)製)があり、これらはいずれも溶液状態をしており、そのまま無機着色粒子に添加して使用すればよい。
【0048】
特定変成ポリシロキサンの添加量は、無機着色粒子に対して0.05〜20.0重量%が好ましい。0.05重量%未満の場合には、本発明の目的とする分散性に優れた無機着色粒子粉末を得ることが困難となる。20.0重量%を越える場合にも、本発明の目的とする分散性に優れた無機着色粒子粉末が得られるが、その効果は飽和状態にあり必要以上に添加する意味がない。
【0049】
本発明における無機着色粒子と特定変成ポリシロキサンとの混合は、80℃以上の温度で行なう。80℃未満の場合には、変成ポリシロキサンの粘性が非常に高く、無機着色粒子の粒子表面への均一な被着が困難となり、本発明の目的とする無機着色粒子粉末を得ることができない。
【0050】
無機着色粒子は、変成ポリシロキサンとの混合にあたって、あらかじめ80℃以上で加熱して水分量を低下し、殊に、0.2重量%以下に調整しておくことが好ましい。無機着色粒子の水分量が多いと、粒子間に液架橋している水分が粒子同士の凝集を強固なものとするため、1個1個の粒子に均一に被着することが困難となる。
【0051】
混合するための機器としては、無機着色粒子と表面処理剤とを混合するにあたって、通常使用される高速アジテート型ミキサー、具体的にはヘンシェルミキサー、スピードミキサー、ボールカッター、パワーミキサー、ハイブリッドミキサー等を使用すればよく、特定変成ポリシロキサンの均一被着を考慮するとヘンシェルミキサーを使用するのが好ましい。
【0052】
攪拌時間は、高速アジテートミキサー内で無機着色粒子と特定変成ポリシロキサンとを充分に混合することが肝要であり、少なくとも5分以上、好ましくは10分以上である。
【0053】
【作用】
本発明において最も重要な点は、粒子表面に特定変成ポリシロキサンが被着されている無機着色粒子粉末は、溶剤系塗料はもちろん、水系塗料においてさえも優れた易分散性、分散均一性及び分散安定性を示すという点である。
【0054】
特定変成ポリシロキサンが被着されている無機着色粒子粉末が、殊に、水系塗料において優れた易分散性、分散均一性及び分散安定性を示す理由について、本発明者は、以下のように考えている。
【0055】
溶剤系塗料においては、樹脂が無機着色粒子表面に拡がりをもって吸着しているが、この吸着した樹脂によって無機着色粒子が接近すると大きな交換反発力が働く、所謂、立体障害が生じ無機着色粒子相互の接近を妨げ、無機着色粒子が塗料中で安定して存在している。
【0056】
しかし、水系塗料においては、前述した通り、樹脂が拡がりをもたず粒子状態で存在しているため、溶剤系塗料における無機着色粒子に見られる立体障害効果が発揮しにくいため、無機着色粒子の分散が困難となる。
【0057】
一般に、塗料中の懸濁粒子のゼータ電位は、その絶対値が大きくなる程、静電気的反発によって懸濁粒子の分散適正が優れることが知られているが、本発明に係る粒子表面に特定変成ポリシロキサンが被着されている無機着色粒子粉末は、水系塗料中でそのゼータ電位を測定すると後出実施例に示す通り、−25〜−55mV程度、殊に、−30〜−55mVとその絶対値が高いことから、水系塗料中において、その粒子表面が負に帯電しやすくなっており、粒子相互間における電気的反発が大きいものである。しかも、ポリエーテル、ポリエステル及びアラルキル等の分子鎖が拡がりをもって粒子表面に吸着しているので、その大きな電気的反発と立体障害効果との相乗効果によって、凝集が解きほぐされ易く、かつ、一次粒子に近い状態にまで分散させることが可能になり、その結果、易分散性、分散均一性に優れたものとなる。
【0058】
そして、一旦、一次粒子に近い状態にまで分散された後は、その電気的反発によって分散状態を長時間保つことができ、その結果、分散安定性に優れたものとなる。
【0059】
【実施例】
次に、実施例並びに比較例により本発明を説明する。
【0060】
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡写真から測定された数値の平均値で示したものである。
【0061】
粒子の形状は、透過型電子顕微鏡及び走査型電子顕微鏡により観察したものである。
【0062】
比表面積値は、BET法により測定した値で示した。
【0063】
変成ポリシロキサンの被着量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200」((株)堀場製作所製)を用いて、炭素量を測定した値で示した。
【0064】
分散性は、塗膜の光沢度(グロス)をデジタル光沢計UGV−5D(スガ試験機(株)製)を用い、入射角20°で測定した値で示した。光沢度(グロス)の値が高い程分散性が優れていることを示す。
【0065】
易分散性は、後出の所定の組成分を所定割合で配合し、ミルベースを45分間分散させて得られた塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G 3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して製造した塗膜の光沢度を測定した値で示した。
【0066】
分散均一性は、後出の所定の組成分を所定割合で配合し、ミルベースを90分間分散(この時点で分散が飽和した状態にある。)させて得られた塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G 3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して製造した塗膜の光沢度を測定した値で示した。
【0067】
分散安定性は、後出の所定の組成分を所定割合で配合し、ミルベースを90分間分散させた後、更に、溶剤系塗料の場合は、シンナーをその溶剤系塗料に対して40%、水系塗料の場合は、水をその水系塗料に対して40%を加えて塗料を希釈して得られた希釈塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G 3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して製造した塗膜の光沢度を測定し、希釈前後塗膜の光沢度と希釈前の光沢度との差でもって示した。本発明の場合、差の絶対値が小さい程分散安定性が良好であることを示す。
【0068】
水系塗料における貯蔵安定性は、後出の所定の組成分を所定割合で配合し、ミルベースを90分間分散させて得られた塗料を1日放置した後、冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G 3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して製造した塗膜の光沢度を測定した値で示した。
【0069】
水系塗料における無機着色粒子粉末のゼータ電位の値は、後出の所定の組成を所定割合で配合し、ミルベースを90分間分散させて得られた塗料を純水100gに対して0.5g加え、超音波分散器C−10(超音波工業社(株)製)で1分間分散させて得られた懸濁液を用いて、ゼータ電位計MODEL−501(PEN−KEM社製)で測定した値で示した。
【0070】
<酸化鉄系粒子粉末の製造>
実施例1〜6、比較例1〜13;
【0071】
実施例1
平均粒径0.25μmの粒状べんがら(α−Fe2O3)粒子2.5kgをあらかじめ85℃に加熱したヘンシェルミキサー(10l)に投入し、回転数1200rpmで10分間作動・混合させて水分を除去してべんがら粒子の水分値を0.11重量%とした。
【0072】
上記ヘンシェルミキサーを温度85℃に維持しながらポリエーテル変成ポリシロキサンBYK−080(商品名)(ビックケミー(株)製)25g(有効成分100%)(べんがら粒子に対し1.0重量%に該当する。)を2.5g/分の添加速度で10分間かけて添加し、引き続き20分間混合して、前記べんがら粒子の粒子表面にポリエーテル変成ポリシロキサンを被着させた。
【0073】
次いで、ヘンシェルミキサーを混合させながら室温まで冷却して粒子表面にポリエーテル変成ポリシロキサンが被着されているべんがら粒子粉末を得た。
【0074】
得られたべんがら粒子粉末は、ポリエーテル変成ポリシロキサンの被着量がC換算で0.54重量%であった。
【0075】
実施例2〜6、比較例6〜13
酸化鉄系粒子又は含水酸化鉄系粒子の種類及び量、加熱処理温度並びに変成ポリシロキサンの種類、量及び混合時温度を種々変化させた以外は、実施例1と同様にして処理済酸化鉄系粒子粉末又は含水酸化鉄系粒子粉末を得た。
【0076】
この時の諸条件を表1及び表2に示す。
【0077】
比較例1〜5
比較の為、未処理の酸化鉄系粒子又は含水酸化鉄系粒子を用意した。これら酸化鉄系粒子又は含水酸化鉄系粒子の諸特性を表2に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
<酸化鉄系粒子粉末を含む溶剤系塗料の製造>
実施例7〜12、比較例14〜26;
【0081】
実施例7
140mlのマヨネーズ容器に実施例1で得られた無機着色粒子粉末10gを用い、塗料組成を下記割合で配合して3mmφガラスビーズ90gとともにペイントシェーカーで45分間または90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0082】
実施例1で得られた酸化鉄系粒子粉末 12.2重量部
アミノアルキッド樹脂 19.5重量部
(アミラックNo1026:関西ペイント(株)製)
シンナー 7.3重量部
【0083】
上記ミルベースを用いて、塗料組成を下記割合で配合してペイントシェーカーでさらに15分間混合分散し溶剤系塗料を得た。
【0084】
ミルベース 39.0重量部
アミノアルキッド樹脂 61.0重量部
(アミラックNo1026:関西ペイント(株)製)
【0085】
尚、比較のため、ポリエーテル変成ポリシロキサンBYK−080をべんがら粒子の粒子表面に被着することなく溶剤系塗料の製造に際して塗料中に添加した以外は、実施例7と同様にして塗料を製造した(前出特開昭62−187772号公報記載の方法に該当する。)この塗料を用いて製造した塗膜の分散時間が45分の時の光沢度は77%、分散時間が90分の時の光沢度は83%、光沢度の低下率は−10%であった。
【0086】
実施例8〜12、比較例14〜26
酸化鉄系粒子又は含水酸化鉄系粒子の種類を種々変化させた以外は、実施例7と同様にして溶剤系塗料を製造した。
【0087】
得られた溶剤系塗料の諸特性を表3に示す。
【0088】
【表3】
【0089】
<酸化鉄系粒子粉末を含む水系塗料の製造>
実施例13〜18、比較例27〜39;
【0090】
実施例13
140mlのガラス容器に実施例1で得られた無機着色粒子粉末7.62gを用い、塗料組成を下記割合で配合して3mmφガラスビーズ90gとともにペイントシェーカーで45分間または90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0091】
実施例1で得られた酸化鉄系粒子粉末 12.4重量部
水溶性アルキド樹脂 9.0重量部
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製)
消泡剤 0.1重量部
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製)
水 4.8重量部
ブチルセロソルブ 4.1重量部
【0092】
上記ミルベースを用いて、塗料組成を下記割合で配合してペインシェーカでさらに15分間混合分散し水溶性塗料を得た。
【0093】
ミルベース 30.4重量部
水溶性アルキッド樹脂 46.2重量部
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製)
水溶性メラミン樹脂 12.6重量部
(商品名:S−695:大日本インキ化学工業(株)製)
消泡剤 0.1重量部
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製)
水 9.1重量部
ブチルセロソルブ 1.6重量部
【0094】
尚、比較のため、ポリエーテル変成ポリシロキサンBYK−080をべんがら粒子の粒子表面に被着することなく水系塗料の製造に際して塗料中に添加した以外は、実施例13と同様にして塗料を製造した(前出特開昭62−187772号公報記載の方法に該当する。)この塗料を用いて製造した塗膜の分散時間が45分の時の光沢度は68%、分散時間が90分の時の光沢度は74%、光沢度の低下率は−13%であった。
【0095】
実施例14〜18、比較例27〜39
酸化鉄系粒子又は含水酸化鉄系粒子の種類を種々変化させた以外は、実施例13と同様にして水系塗料を製造した。
【0096】
得られた水系塗料の諸特性を表4に示す。
【0097】
【表4】
【0098】
<酸化鉄系以外の無機着色粒子粉末の製造>
実施例19〜24、比較例40〜52;
【0099】
実施例19
平均粒径0.27μmの粒状酸化チタン粒子2.5kgをあらかじめ85℃に加熱したヘンシェルミキサー(10l)に投入し、回転数1200rpmで10分間作動・混合させて水分を除去して酸化チタン粒子の水分値を0.13重量%とした。
【0100】
上記ヘンシェルミキサーを温度95℃に維持しながらポリエーテル変成ポリシロキサンBYK−080(商品名)(ビックケミー(株)製)25g(有効成分100%)(酸化チタン粒子に対し1.0重量%に該当する。)を2.5g/分の添加速度で10分間かけて添加し、引き続き20分間混合して、前記酸化チタン粒子の粒子表面にポリエーテル変成ポリシロキサンを被着させた。
【0101】
次いで、ヘンシェルミキサーを混合させながら室温まで冷却して粒子表面にポリエーテル変成ポリシロキサンが被着されている酸化チタン粒子を得た。
【0102】
得られた酸化チタン粒子粉末は、ポリエーテル変成ポリシロキサンの被着量が0.55重量%であった。
【0103】
実施例20〜24、比較例45〜52
無機着色粒子の種類及び量、加熱処理温度並びに変成ポリシロキサンの種類、量及び混合時温度を種々変化させた以外は、実施例19と同様にして処理済無機着色粒子粉末を得た。
【0104】
この時の諸条件を表5及び表6に示す。
【0105】
比較例40〜44
比較の為、未処理の無機着色粒子を用意した。これら無機着色粒子の諸特性を表6に示す。
【0106】
【表5】
【0107】
【表6】
【0108】
<酸化鉄系以外の着色粒子粉末を含む溶剤系塗料の製造>
実施例25〜30、比較例53〜65;
【0109】
実施例25
140mlのマヨネーズ容器に実施例19で得られた酸化チタン粒子粉末10gを用い、塗料組成を下記割合で配合して3mmφガラスビーズ90gとともにペイントシェーカーで45分間または90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0110】
実施例19で得られた酸化チタン粒子粉末 12.2重量部
アミノアルキッド樹脂 19.5重量部
(アミラックNo1026:関西ペイント(株)製)
シンナー 7.3重量部
【0111】
上記ミルベースを用いて、塗料組成を下記割合で配合してペイントシェーカーでさらに15分間混合分散し溶剤系塗料を得た。
【0112】
ミルベース 39.0重量部
アミノアルキッド樹脂 61.0重量部
(アミラックNo1026:関西ペイント(株)製)
【0113】
尚、比較のため、ポリエーテル変成ポリシロキサンBYK−080をヘマタイト粒子の粒子表面に被着することなく溶剤系塗料の製造に際して塗料中に添加した以外は、実施例25と同様にして塗料を製造した(前出特開昭62−187772号公報記載の方法に該当する。)この塗料を用いて製造した塗膜の分散時間が45分の時の光沢度は76%、分散時間が90分の時の光沢度は78%、光沢度の低下率は−12%であった。
【0114】
実施例26〜30、比較例53〜65
無機着色粒子粉末の種類を種々変化させた以外は、実施例25と同様にして溶剤系塗料を製造した。
【0115】
得られた溶剤系塗料の諸特性を表7に示す。
【0116】
【表7】
【0117】
<酸化鉄系以外の着色粒子粉末を含む水系塗料の製造>
実施例31〜36、比較例66〜78;
【0118】
実施例31
140mlのガラス容器に実施例19で得られた酸化チタン粒子粉末7.62gを用い、塗料組成を下記割合で配合して3mmφガラスビーズ90gとともにペイントシェーカーで45分間または90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0119】
実施例19で得られた酸化チタン粒子粉末 12.4重量部
水溶性アルキド樹脂 9.0重量部
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製)
消泡剤 0.1重量部
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製)
水 4.8重量部
ブチルセロソルブ 4.1重量部
【0120】
上記ミルベースを用いて、塗料組成を下記割合で配合してペインシェーカでさらに15分間混合分散し水溶性塗料を得た。
【0121】
ミルベース 30.4重量部
水溶性アルキッド樹脂 46.2重量部
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製)
水溶性メラミン樹脂 12.6重量部
(商品名:S−695:大日本インキ化学工業(株)製)
消泡剤 0.1重量部
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製)
水 9.1重量部
ブチルセロソルブ 1.6重量部
【0122】
尚、比較のため、ポリエーテル変成ポリシロキサンBYK−080を酸化チタン粒子の粒子表面に被着することなく水系塗料の製造に際して塗料中に添加した以外は、実施例31と同様にして塗料を製造した(前出特開昭62−187772号公報記載の方法に該当する。)この塗料を用いて製造した塗膜の分散時間が45分の時の光沢度は64%、分散時間が90分の時の光沢度は73%、光沢度の低下率は−14%であった。
【0123】
実施例32〜36、比較例66〜78
無機着色粒子粉末の種類を種々変化させた以外は、実施例31と同様にして得られた水系塗料を製造した。
【0124】
得られた水系塗料の諸特性を表8に示す。
【0125】
【表8】
【0126】
【発明の効果】
本発明に係る無機着色粒子粉末は、前出実施例に示した通り、塗料中、殊に、水系塗料中における易分散性、分散均一性及び分散安定性に優れた無機着色粒子粉末であるので塗料用無機着色粒子粉末として好適である。
【0127】
また、本発明に係る水系塗料は、塗料構成基材、殊に、水系塗料構成基材中に配合した無機着色粒子粉末が易分散性、分散均一性及び分散安定性に優れていることに起因して貯蔵安定性に優れたものである。
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