JP3682830B2 - 部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法 - Google Patents

部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路を搭載するためなどに利用され、部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子回路などを搭載するプリント配線板には、図17に示すような硬質多層配線基板1にフレキシブル配線基板2が付加され、フレキシブル配線基板2上に形成される接続用端子3で外部回路などとの間での電気的接続を行うことができる部分的に可撓性を有するプリント配線基板が使用されている。このようなプリント配線基板は、アドバンストフレックスから「ADF」と呼ばれ、硬質多層配線基板1上に電子回路としての主要部分を実装し、フレキシブル配線基板2は外部との電気的な接続に用いることが多い。図17に示すようなプリント配線板は、「リジッドフレックス」や「複合多層配線板」などと呼ばれることもあるADFの中でも、「フライングテール型」と呼ばれるものである。フライングテール型のADFで、フレキシブル配線基板2の先端の接続用端子3は、可撓性を有するフレキシブル配線基板2の先端に設けられているので、機械的に不安定な状態である。
【0003】
図18はADFのうちで「フォールディング型」と呼ばれるものの外観を示す。フォールディング形のADFでは、フレキシブル配線基板に少なくとも2辺が硬質多層配線基板1とつながっている。フレキシブル配線基板2は、複数の硬質配線基板1間を電気的に接続するとともに、接続用端子3で外部との電気的接続も行う。
【0004】
図17に示すようなフライングテール型のADFや、図18に示すようなフォールディング型のADFは、基本的に同一の製造工程を経て形成される。図19〜図25は、図17に示すようなフライングテール型のADFの製造工程の概要を示す。ADFは、「積層法」と呼ばれる多層形成法で製造される。他に、「ビルドアップ法」などの現在知られているあらゆる層構成方法を適用することができる。また、層の数については、内層となるフレキシブル配線基板2を両面基板としたり、外層となる硬質基板に多層基板を用いて、多くの層を有するように構成することもできる。また、例示するように、フレキシブル配線基板2を内層として、硬質基板で両側から挟み込む形式とするばかりではなく、硬質基板はフレキシブル配線基板2の片面のみに貼り付ける方法もある。
【0005】
図19は、図17の硬質多層配線基板の外層となる硬質基板4の構成を示す。硬質基板4の表面には銅箔などの表面導体層5が形成される。硬質基板4中には、図17の完成状態で硬質多層配線基板1とフレキシブル配線基板2との境界となる部分に、細いスリット6を設けるように加工してある。このような硬質基板4は、通常の片面プリント配線基板として市販もされている材料と同等である。硬質基板4のベース材料は、ガラス−エポキシ材や、ポリイミド材などで形成される。
【0006】
図20は、図17に示すような完成状態で、硬質多層配線基板1の内層およびフレキシブル配線基板2となるフレキシブル配線板7を示す。フレキシブル配線板7は、通常の方法で製造され、両面ポリイミドフレキシブル配線板として、内層回路パターン8、可撓部回路パターン9および接続用端子3を形成済みである。ただし、通常のフレキシブル配線板とは異なり、接続用端子3の周囲にスリット10が形成され、完成時にフレキシブル配線基板2の先端の可撓部のみとなる部分が、先に外形加工されている点である。また、完成時にフレキシブル配線基板2となる部分で接続用端子3が設けられていない部分には、カバーレイ材料11で絶縁皮膜が形成されている。回路設計から要求に応じて、この段階でスルホールを作成しておく場合もある。
【0007】
図21は、シート状の接着剤12を示す。接着剤12には、フレキシブル配線基板2に相当する部分に型抜きで抜き孔13が形成されている。このような抜き孔13を形成した接着剤12を用いて、図19に示す硬質基板4と図20に示すフレキシブル配線板7とを接着する。
【0008】
図22は、図1に示すADFを形成するために、図19に示す硬質基板4、図20に示すフレキシブル配線板7および図21に示す接着剤12を積層した断面状態を示す。フレキシブル配線板7が内層材となり、その絶縁基板が内層ベース材となる。フレキシブル配線板7の両側に貼り付ける硬質基板4の絶縁基板の部分が外層ベース材14となる。
【0009】
図23は、図22に示すように積層を行った材料に対して、スルホール加工を行い、さらに外層パターン加工を行った状態を示す。スルホール加工や外層パターン形成方法も、従来の多層配線板における加工方法と同様に行う。硬質基板4の表面導体層5は、パターン加工されて外層回路パターン15となり、一方の表面と他方の表面との間を貫通する貫通スルホール16や、外層回路パターン15と内層回路パターン8との間を導通させるビアホールなども形成される。フレキシブル配線基板2となる部分の表面には、表面導体層5を除去した硬質基板4が、カバー材17として残っている。
【0010】
図24は図23のように形成された多層配線基板から外形加工を行って図17に示すADFとして完成させる直前の段階を示す。A−A′で示す外形切断ライン18に沿って金型加工を行い硬質基板4およびフレキシブル配線板7の外形加工を同時に行う。外形切断ライン18は、スリット6および図20に示すスリット10の中心を通るように設定される。このように外形切断ライン18に沿う切断で、外形切断ライン18とスリット6との間のカバー材17の部分が除去可能となり、図17に示すようなADFが得られる。なお、カバー材17は、「プラグ」などとも呼ばれる場合がある。
【0011】
図25は、カバー材17を剥がした状態のADFに対して、電気的な導通や絶縁の検査のために、電気検査機プローブ19を当てている状態を示す。電気的な導通は、たとえば外層回路パターン15とフレキシブル配線基板2の接続用端子3との間で検査する。このような電気的検査に異常がないと判断されれば、図17に示すようなADFが完成する。電気的検査で異常が発見されれば、修正や廃棄の処置が成される。
【0012】
なお、以上の説明では、説明の簡略化のため、メッキなどの付属的加工作業を省いている。実際にはこれらの作業も適切な段階で実行される。なお、プリント配線板の加工精度の確認を電気的に行うことについての先行技術は、たとえば特開平6−66538などに開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図25に示すように、たとえば図19から図24までの工程で完成したADFは、出荷前に回路形成が適切に行われたか否かを図25に示すように、電気的な検査機によって検査する。ここで以下の点が問題となる。
【0014】
▲1▼硬質多層配線基板1の部分とフレキシブル配線基板2の部分との間で、厚みが異なり、単に電気検査機プローブ19を当てるだけでは正しく電気的接触を得ることができない。このため特別な専用治具を用意する必要がある。
【0015】
▲2▼内層材と外層材とを積層したときの位置ずれや、内外層材料の加工時の収縮率の差によって、電気検査機プローブ19を接触させた外層回路パターン15や接続用端子3の位置がずれやすく、電気検査機プローブ19の位置を微妙に調整する必要がある。また、検査治具へADFをセットする精度も必要であり、検査を正確に効率よく実施することが困難である。
【0016】
▲3▼ADFの表面処理仕様を自由に設定することができない。たとえば、フレキシブル配線基板2の接続用端子3は、コネクタに接続するために、金メッキなどを施し、硬質多層配線基板1の表面の外層回路パターン15はフラックス処理のみとするような必要は問題を生じる。フラックスは電気絶縁性であるため、電気的な検査終了後に塗布する必要がある。しかしながら、電気的検査時点ではカバー材17を剥がしてあるので、接続用端子3の金メッキ上にもフラックスが塗布されてしまう。フラックス塗布時に、接続用端子3上にフラックスがつかないようにするためには、マスキングテープなどを貼り付けておく必要がある。しかしながら、マスキングテープの貼り付けや剥がしが必要となり、追加工事が必要となるばかりではなく、可撓部であるフレキシブル配線基板2の寸法精度の悪化、しわ、折れ、金メッキ部の汚染などの原因となるなど、不都合が起こる可能性がある。
【0017】
本発明の目的は、電気的検査を容易かつ正確に行うことができ、表面処理仕様も自由に設定することができる部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、硬質基板と可撓性基板とから成り、可撓性基板上に外部との接続用端子部が形成される部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法において、
可撓性基板上の接続用端子から硬質基板へ、検査回路パターンを延長して形成しておき、
硬質基板まで延長された検査回路パターンを用いて、可撓性基板上の接続用端子部として必要な電気的検査を行うことを特徴とする部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法である。
【0019】
本発明に従えば、可撓性基板上の接続用端子から硬質基板へ検査回路パターンを延長して形成しておいて、延長された検査回路パターンを用いて、可撓性基板上の接続用端子部として必要な電気的検査を行うので、硬質基板上で電気的検査を行うことができ、プローブの接触や位置合わせを容易かつ精度よく行うことができる。また接続用端子部に直接電気的接触を行う必要がないので、接続用端子部をカバー体などで覆う状態で電気的検査を行うことができ、電気的検査後に硬質基板上で回路パターンにフラックス処理などを行っても、接続用端子部にフラックスが付着することを防いで表面処理仕様に対する制約を免れることができる。
【0020】
また本発明で前記硬質基板には、多層に配線パターンを形成し、
前記電気的検査に用いる検査用の端子は、スルホールやビアホールを用いて硬質基板の表層部に取り出すことを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、スルホールやビアホールを用いて硬質基板の表層部に取り出された端子を用いて電気的検査を行うことができるので、プローブなどの位置決めや接触を一層容易に行い、簡単かつ正確な検査を行うことができる。
【0022】
また本発明は、前記検査回路パターンを延長して形成する硬質基板を、前記電気的検査終了後に機械加工で除去することを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、検査回路パターンを延長して形成する硬質基板を、電気的検査終了後に機械加工で除去するので、完成後の部分的に可撓性を有するプリント配線板から検査回路パターンを取り除くことができる。
【0024】
また本発明は、前記検査回路パターンを、複数のプリント配線板の可撓性基板上の接続用端子部に共通に接続し、
前記電気的検査は、複数のプリント配線板に対して検査回路パターンを共用して行うことを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、複数のプリント配線板の可撓性基板上の接続用端子部に検査回路パターンを共通に接続して電気的検査を行うので、1回の検査治具にプリント配線板をセットするだけで、複数のプリント配線板に対する電気的検査を同時に行って検査の効率を向上させることができる。
【0026】
また本発明は可撓性基板を硬質基板の内層として形成して、電気的検査後に硬質基板を機械加工して可撓性基板の接続用端子を露出させるので、電気的検査までは可撓性基板を硬質基板で機械的に保護することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態として製造される途中でのプリント配線板20の概略的な構成を示す。プリント配線板20は、前述のADFであり、硬質多層配線基板21と、フレキシブル配線基板22とを1つのプリント配線板20として組合わされている。プリント配線板20は、前述のフライングテール型として形成され、フレキシブル配線基板22上に外部との接続用端子23が設けられる。図1に示すプリント配線板20は、最終的な製品としての製造工程の途中で、電気的検査を行う段階を示し、フレキシブル配線基板22および接続用端子23は、硬質多層配線基板21を形成する硬質基板24で挟まれ、内層となって表面には露出していない。硬質基板24の表面の表面導体層25に配線パターンが形成される。硬質多層基板21とフレキシブル配線基板22との境界付近には、スリット26が形成される。接続用端子23は、検査回路パターン27で延長され、スルホール28で硬質基板24の表面の検査用端子29に接続される。
【0028】
図2は図1に示すようなプリント配線板20を製造する全体としての製造工程を概略的に示す。ステップa1から製造を開始し、ステップa2では内層となるフレキシブル配線基板22の製造を行う。ステップa3では、外層となる硬質基板についての準備を行う。ステップa4では、シート状の接着剤の打ち抜きを行う。なお、ステップa2からステップa4の各ステップの順序は、必ずしもこの順序でなくてもよく、また複数のステップを同時に行うこともできる。
【0029】
次にステップa5でフレキシブル配線基板22と、硬質基板および接着剤とを積層し、ステップa6で接着を行う。接着では、加熱や加圧によって接着剤を硬化させる。ステップa7ではスルホールやビアホールを形成するスルホール加工を行う。次にステップa8で外層パターン加工を行う。
【0030】
ステップa9では、硬質基板側に形成されている検査用端子を用いて、電気的検査を行う。ステップa10では、電気的検査の結果を判断する。良品と判断されれば、ステップa11で後述するような切離しを行い、ステップa12でフラックス塗布を行い、ステップa13でカバー材の剥離を行って、ステップa14で製品として完成させる。ステップa10で検査結果が良品と判定されないときには、ステップa15で不良品として処分する。
【0031】
図3は図2のステップa3で用いる硬質基板24の概要を示す。硬質基板24の表面には銅箔などの表面導体層25が形成され、さらに硬質多層配線基板21とフレキシブル配線基板22との境界となる部分にスリット26が形成されている。
【0032】
図4は、図2のステップa2で用いるフレキシブル配線板22の概要を示す。フレキシブル配線板22上には接続用端子23の部分が予め形成され、金メッキなどの必要な表面処理も施されている。接続用端子23の部分からは、さらに検査回路パターン27が延長して形成される。
【0033】
図1の硬質多層配線基板21は、フレキシブル配線基板22を内層として、その両側に硬質基板24が貼り付けられて形成される。硬質基板24には、硬質多層配線基板21とフレキシブル配線基板22との境界となる部分にスリット26が形成されている。フレキシブル配線基板22上の接続用端子23からは、検査回路パターン27が硬質基板24側に延長され、スルホール28を介して硬質基板24の表面上に形成される検査用端子29に接続されている。本実施形態では、スリット30が、フレキシブル配線基板31で接続用端子23が形成される部分の全周ではなく検査回路パターン27が形成される部分を残して設けられる。
【0034】
図5は、図2のステップa4で用いるシート状の接着剤32の概要を示す。シート状の接着剤32は、図1に示すフレキシブル配線基板22の位置に相当する部分に型抜きによる抜き孔33が形成される。
【0035】
図6は図2のステップa5で、図3に示す硬質基板24、図4に示すフレキシブル配線板31および図5に示す接着剤32を積層し、図2のステップa6に示すように接着した状態を示す。次に、ステップa7に示すスルホール加工およびステップa8に示す外層パターン加工を行うと、図7に示すような断面構成が得られる。この状態が図1に示すプリント配線板20の状態に対応する。図6および図7を参照して、外層となる硬質基板24に電気絶縁性基板が外層ベース材34となり、その表層の表面導体層25がパターン加工されて外層回路パターン35となる。スルホール加工によって貫通するホール36が得られ、検査回路パータン27の延長上のスルホール28も形成される。外層ベース材34のうち、フレキシブル配線基板22の表層を覆う部分はカバー材37となる。また、フレキシブル配線基板22となる表層を、カバーレイ材料38で覆っておくことができる。
【0036】
図8は、図7に示すようにして製造したプリント配線板20に対して、電気的検査を行う状態を示す。電気的接触を行うための電気検査機プローブ39は硬質基板24の表面に形成される検査用端子29と外層回路パターン35との間で電気的検査を行う。電気検査機プローブ39は、カバー材37で表面が覆われているフレキシブル配線基板22の接続用端子23には接触しないので柔らかくて疵やしわになりやすいフレキシブル配線基板20を損傷させることはなく、また同一硬質基板24の表面に形成される検査用端子29と外層回路パターン35との間で電気的検査を行うので、電気検査機プローブ39の位置決めも容易かつ正確となる。
【0037】
図9は、図8に示す電気的検査で良品と判断されるプリント配線板20に対して、図2のステップa9に示すように切断加工を行う状態を示す。外形加工ライン40は、スリット26の中心を通るばかりではなく、図4に示すスリット30の中心も通るような形状に設定される。スリット26,30には幅があるので、接着の際の位置ずれや収縮率の違いや硬質基板24とフレキシブル配線板31との間でずれが生じても、確実に硬質多層配線基板21とフレキシブル配線基板22とを切断によって分離することができる。図4に示す検査回路パターン27の部分は、この切断の際に切り離される。次に必要なら図2のステップa10のように、硬質基板24の表層の外層回路パターン35にフラックスを塗布し、ステップa11のようにカバー材37を剥離して、所望のプリント配線板を得ることができる。図2のステップa8で不良と判断されるプリント配線板については、カバー材37を剥離させないでおけば、手間のかかる剥離作業を行わないですみ、また良品と不良品との識別が容易となり、不良品の管理も容易となる。
【0038】
図10は、本発明の実施の他の形態として、フォールディング型のADFの概要を示す。本実施形態では、2つの硬質多層配線基板41をフレキシブル配線基板42で連結し、フレキシブル配線基板42上には接続用端子43も形成する。このようなフォールディング型のADFも、基本的には図1に示すような途中の段階で本発明を適用して電気的検査を行うことができる。
【0039】
図11は外層材となる硬質基板44を示し、基本的には図3の硬質基板24と同様に、絶縁性基板の表面に銅箔などの表面導体層45を有している。ただしスリット46は、硬質多層配線基板41とフレキシブル配線基板42との境界部分に形成するので、2カ所に形成しておく。
【0040】
図12は、内層とフレキシブル配線板47の概要を示す。フレキシブル配線板47上には、硬質多層配線基板41として内層回路パターン48と接続用端子43から延長される検査用端子49が形成される。検査用端子49を形成する必要があるので、スリット50は検査用端子49の部分を避けて分割して形成される。
【0041】
図13に示すシート状の接着剤52は、フレキシブル配線基板42に相当する部分に型抜きで抜き孔53を形成し、基本的には図5に示す接着剤32と同等である。
【0042】
図10に示すフォールディング型のADFも図9に示すフライングテール型のADFと同様に、積層接着し、電気的検査を行った後、図14に示すようにスリット46を通るA−A′間の外形加工ライン54に沿って切断する。外形加工ライン54は、図12に示すスリット50の中心も通るように設定される。また、検査用端子49に延長する回路パターンは、外形加工ライン54に沿って切り離す際に切断される。図15は、切断前の断面構成を示す。
【0043】
図15は、本発明の実施のさらに他の形態として1種類の配線板を1枚の加工単位配線板の上に複数個取りした、「キット」や「加工ワーク」と呼ばれる場合に適用する例を示す。本実施形態のプリント配線板60では、同一の配線板61,62がフレキシブル配線基板63の両側に形成されている。フレキシブル配線基板63の接続用端子64も2組形成される。対応する接続用端子64間は検査回路パターン65,66で連結され、スルホール67から表面の検査用端子68に接続される。本実施形態では、検査用端子68を用いて、2つの配線板61,62について電気的検査を行うことができる。
【0044】
図16は、図15の実施形態のプリント配線板60についての電気検査後の外形加工の概要を示す。配線板61,62が2台組のキット品となるので、外形に沿って、スリット70およびミシン目孔71が金型で形成され、切離しを容易に行うことができる。検査回路パターン65,66は、スリット70の部分で切断される。なお、プリント配線板60には、2つの配線板61,62が配置されているけれども、何台配線板を配置するかは、個々の配線板の形状や、生産量、工程および設備などによって決定される。
【0045】
本実施形態のプリント配線板60は、前述の実施形態とほとんど同様な工程で製造される。本実施形態の特徴は、向い合った2つの配線板61,62から取出された検査回路パターン65,66が両配線板61,62の中央で接続され、検査用端子68が共用されていることである。これによって、検査回路パターンを外層に取出すためのスルホール数を個別に検査するときに比較して半減することができ、さらに検査機プローブの必要数を半減することもできる。同時に、検査用端子を設けるためのスペースも半減することができ、製品としての単位面積当りの取り数も向上する。このことは、製品単価や検査費用の削減にも大いに寄与する。
【0046】
本発明の各実施形態では、電気的検査を、硬質多層配線基板で行うようにしたので、次に示すように、従来の問題であった点が解決される。
【0047】
1)電気検査用の端子は、すべて、硬質多層部にあるため、検査において、可撓部と硬質多層部との厚みの差は考慮する必要はなく、既存の従来型回路検査機を用いて、電気的検査を行うことができる。
【0048】
2)内層材と外層材との積層ずれや材料伸縮を一切考慮する必要はなく、硬質配線基板の表面上の検査に必要な精度を備えておけば、配線板表面だけの精度で電気的検査を行うことができる。
【0049】
3)電気検査用の端子は、全て外層に形成されるので、電気的検査のために「カバー材」を外す必要はなく、可撓部と多層部とで両立しないような異なる表面処理方法を選択することもできる。
【0050】
4)可撓部の電気的検査に際して、可撓部の端子に直接プローブを接触させないので、端子に疵や打痕をつけずに済み、製品の品質や信頼性の向上に寄与することができる。
【0051】
5)本発明を実施するに当って追加が必要となる工程は一切なく、層構成によってスルホールあるいはビアホール数が増えるだけであり、コストの上昇を最小限に抑えることができる。
【0052】
6)フライングテール型とフォールデイング型で回路の電気的検査を同一の方法で行うことができ、検査工程の簡素化に寄与する。
【0053】
7)従来法と異なり、電気的検査をカバー材の剥離前に行うことができるので、柔らかく、傷やしわになりやすい可撓部を最後まで保護することができる。
【0054】
8)従来法と異なり、電気的検査をカバー材の剥離前に行うことができるので、検査で不合格となった製品については、カバー材を剥がす必要がなく、手間のかかる剥離工程を省略することができ、生産の効率化に結び付くと同時に、カバー材を剥がしていないものが不良品であると容易に目視で認識することができるので、良品と不良品との管理を極めて容易に行うことができる。
【0055】
9)検査用の端子を外部に引出すので、独立した複数の配線板、あるいは単一の配線坂内の独立した回路からの検査を、1つの共用検査端子でまかなうことができる。これによって、回路検査のために設けるスルホール数を削減し、検査機プローブ数を削減することなども可能となり、製造コストや検査費用の削減に寄与する。
【0056】
なお、たとえば図1の実施形態で、フレキシブル配線基板に充分なスペースがあれば、検査回路パターン27を硬質多層配線基板21側に延長して、検査用端子29を硬質多層配線基板21に設けることもできる。電気的検査後に切断する工程を簡易化することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、部分的に可撓性を有するプリント配線板で電気的検査を行う際に用いる端子を、すべて硬質基板側に設けて検査を行うことができる。厚さや硬さが異なる可撓性基板上の接続用端子部に電気的接続を行う必要がないので、検査機のプローブの位置決めなどを簡単かつ正確に行うことができ、従来の検査機を用いても容易に電気的検査を行うことができる。また硬質基板と可撓性基板との積層ずれや材料伸縮を考慮する必要がなく、硬質基板内だけの精度で検査を行うこともできる。
【0058】
また本発明によれば、電気的検査に用いる検査用の端子は、硬質基板の表層部にスルホールやビアホールを用いて取り出すので、検査用端子に電気的に接触させる必要があるプローブなどを硬質基板の表面で位置決めすればよく、精度よく検査を行うことができる。また、可撓性基板上の接続用端子部を外部に露出する必要がないので、製造工程の途中で電気絶縁体で表面を覆った状態に止めておくことができ、接続用端子部に付着することが好ましくない電気絶縁性のフラックスなどを硬質基板の表面を回路パターン部などに塗布するような表面処理方法を自由に選択することができる。また、可撓性基板上の接続用端子部には直接電気的検査用のプローブなどを接触させないので、接続用端子に疵や打痕を付けずにすみ、製品としての品質や信頼性の向上を図ることができる。
【0059】
また本発明によれば、延長した検査回路パターンが形成される硬質基板の部分は、電気的検査終了後に機械加工で除去されるので、製品としてのプリント配線板の面積などが増大することはなく、また製造するために追加する工程は一切なく、層構成によってスルホールあるいはビアホール数を増やすだけでよいので、コスト上昇を最小限度に抑えることができる。
【0060】
また本発明によれば、複数のプリント配線板に対して同一工程で電気的検査を行うことができるので、検査回路パターンの共用化によって電気的検査の効率化を図ることができる。また、フライングテール型とフォールディング型とで、電気的検査を同一方法で行うことができ、検査工程の簡素化に寄与することができる。
【0061】
また本発明によれば、可撓性基板を内層として、外層となる硬質基板を可撓性基板に対するカバー材として用い、電気的検査後に接続用端子を露出させるので、電気的検査では柔らかく疵やしわになりやすい可撓性基板部分を最後まで保護しておくことができる。また電気的検査で不合格となった場合には、硬質基板を剥がす必要はないので、不良品に余分な手間をかける必要はなく、生産の効率化に結び付けることができる。また硬質基板を剥がしていないものが不良品として、容易に目視で認識可能となるので、良品と不良品との管理を極めて容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態として製造される途中でのプリント配線板20の概略的な構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態として、図1のプリント配線板20を製造する全体的な製造工程を概略的に示すフローチャートである。
【図3】図1のプリント配線板20の外層となる硬質基板24の形状を示す斜視図である。
【図4】図1のプリント配線板20の内層となるフレキシブル配線31の形状を示す斜視図である。
【図5】図1のプリント配線板20を製造するために準備する接着剤32の形状を示す斜視図である。
【図6】図2の製造工程で、外層と内層とを積層した状態を概略的に示す断面図である。
【図7】図2の製造工程で、プリント配線板20を形成した状態を概略的に示す断面図である。
【図8】図2の製造工程で、プリント配線板20について電気的検査を行っている状態を概略的に示す斜視図である。
【図9】図2の製造工程で、プリント配線板20を切離す加工状態を概略的に示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の他の形態で製造されるプリント配線板の概略的な構成を示す斜視図である。
【図11】図10のプリント配線板の外層となる硬質基板44の形状を示す斜視図である。
【図12】図10のプリント配線板の内層となるフレキシブル配線47の形状を示す斜視図である。
【図13】図10のプリント配線板を製造するために準備する接着剤52の形状を示す斜視図である。
【図14】図2のリント配線板を切離す加工状態を概略的に示す斜視図である。
【図15】本発明の実施のさらに他の形態で製造されるプリント配線板60の概略的な構成を示す断面図である。
【図16】図15のプリント配線板60の概略的な構成を示す斜視図である。
【図17】部分的に可撓性を有するプリント配線基板のうちのフライングテール型の概略的な形状を示す斜視図である。
【図18】部分的に可撓性を有するプリント配線基板のうちのフォールデイング型の概略的な形状を示す斜視図である。
【図19】図17のプリント配線板の外層となる硬質基板4の形状を示す斜視図である。
【図20】図17のプリント配線板の内層となるフレキシブル配線板7の形状を示す斜視図である。
【図21】図17のプリント配線板を製造するために準備する接着剤12の形状を示す斜視図である。
【図22】図17のプリント配線板の製造工程で、外層と内層とを積層した状態を概略的に示す断面図である。
【図23】図17のプリント配線板の製造工程の途中の状態を概略的に示す断面図である。
【図24】図17のプリント配線板を切離す加工状態を概略的に示す斜視図である。
【図25】図17のプリント配線板について電気的検査を行っている状態を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
20,60 プリント配線板
21,41 硬質多層配線基板
22,42,63 フレキシブル配線基板
23,43,64 接続用端子
24,44 硬質基板
26,30,46,50,70 スリット
27,27,65,66 検査回路パターン
28,36,67 スルホール
29,49,68 検査用端子
31,47 フレキシブル配線板
32,52 接着剤
35 外層回路パターン
36 貫通スルホール
37 カバー材
40,54 外形切断ライン
61,62 配線板
71 ミシン目孔

Claims (5)

  1. 硬質基板と可撓性基板とから成り、可撓性基板上に外部との接続用端子部が形成される部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法において、
    可撓性基板上の接続用端子から硬質基板へ、検査回路パターンを延長して形成しておき、
    硬質基板まで延長された検査回路パターンを用いて、可撓性基板上の接続用端子部として必要な電気的検査を行うことを特徴とする部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法。
  2. 前記硬質基板には、多層に配線パターンを形成し、
    前記電気的検査に用いる検査用の端子は、スルホールやビアホールを用いて硬質基板の表層部に取り出すことを特徴とする請求項1記載の部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法。
  3. 前記検査回路パターンを延長して形成する硬質基板を、前記電気的検査終了後に機械加工で除去することを特徴とする請求項1または2記載の部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法。
  4. 前記検査回路パターンを、複数のプリント配線板の可撓性基板上の接続用端子部に共通に接続し、
    前記電気的検査は、複数のプリント配線板に対して検査回路パターンを共用して行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法。
  5. 前記可撓性基板を、前記硬質基板を多層で形成する際に内層として形成し、
    前記電気的検査後に、硬質基板を機械加工して、可撓性基板の前記接続用端子を露出させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の部分的に可撓性を有するプリント配線板の製造方法。
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