JP3682564B2 - 静電吸引式スリット型インクジェット装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッドと対向電極との間を通過する記録媒体に対しインクジェットヘッドよりインクを飛翔させて印字する静電吸引式インクジェット装置におけるインクジェットヘッドの構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットヘッドと対向電極との間を通過する記録媒体(記録紙)に対しインクジェットヘッドよりインクを飛翔させて印字する静電吸引式インクジェット装置は公知である。この中で、インクジェットヘッドは、インク室を有し、該インク室より連通する多数のノズルを対向電極に向けて開口するよう形成しており、各ノズル毎に印字タイミングに合わせたプリント電圧を印加し、そのノズルと対向電極との間の電圧差により、該ノズルよりインクを飛翔させるという構造となっている。更に、ノズル先端は、電界集中のために、適度な形状に加工して突出させたものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のインクジェットヘッドの構造では、電界集中を最適なものとするようにノズルを加工することが重要である。また、ノズル開口部よりいかに非印加時にてインクメニスカスを形成するかも、インク飛翔性を向上させる重要なポイントであり、この点もノズルの加工上の要素となる。このようなことから、従来の静電吸引式インクジェット装置のインクジェットヘッドは、ノズルの加工において複雑な工程を要し、高コストに繋がっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。まず第一に、インクジェットヘッドと対向電極との間を通過する記録媒体に対し、インクジェットヘッドよりインクを飛翔させて印字する静電吸引式インクジェット装置であって、該インクジェットヘッドには、インク室より連通して対向電極対峙側面に凹部を形成し、該凹部の底面にて開口するスリットを設け、該スリットは、該スリット内にその長手方向に沿って記録電極基板を配設した静電吸引式スリット型インクジェット装置を構成する。
【0005】
第二に、前記の静電吸引式スリット型インクジェット装置において、前記記録電極基板は、硬質板に、フレキシブルプリント回路を付設してなるものとし、該フレキシブルプリント回路の先端を硬質板よりスリット開口端側に突出させ、更に、その先端を前記凹部内にてスリット開口部より対向電極に向けて外側に突出させるものとする。
【0006】
第三に、前記第一または第二の静電吸引式スリット型インクジェット装置において、前記凹部の底面における前記スリットの開口部周辺面を溌液処理するものとする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付の図面を基に説明する。図1は本発明の静電吸引式スリット型インクジェット装置の基本構造を示す側面断面略図、図2はスリット型インクジェットヘッドの斜視図、図3はインクジェットヘッドのスリット周囲を溌液処理した構造の静電吸引式スリット型インクジェット装置の構造を示す側面断面略図、図4は図3中円A内部分の拡大側面断面略図である。
【0008】
図1及び図2より、本発明の静電吸引式スリット型インクジェット装置の基本構造を説明する。まず、静電吸引式インクジェット装置は、基本的に、図1の如く、インクジェットヘッド1と、対向電極4との間にて、記録媒体(記録紙)5を搬送し(図1中の記録媒体5の矢印は、搬送方向を示す。)、インクジェットヘッド1より印字タイミングにて対向電極4に向けてインクを飛翔し、記録媒体5に付着させるという構造である。
【0009】
本発明の静電吸引式スリット型インクジェット装置は、インクジェットヘッド1として、スリット型インクジェットヘッドを用いる。このインクジェットヘッド1の構造について、図1及び図2より説明する。インクジェットヘッド1内にはインク室1aが設けられており、該インク室1aには、外部よりインク管3・3が接続されていて、インク室1aにインクが供給され、また、排出される。(図1及び図2におけるインク管3に施した矢印は、インクの給排方向を示す。)このインク室より連通して、スリット1bを設けており、対向電極4への対向面にて開口させる。スリット1bは、記録媒体5の搬送方向に対して左右方向が長手方向となるようにしている。
【0010】
該インクジェットヘッド1のインク室1a内には、記録電極基板2を挿入している。該記録電極基板2は、硬質板2cにフレキシブルプリント回路(FPC)2aを貼設して構成されて、該スリット1bの長手方向に沿うように配設しており、該FPC2aの先端部は、硬質板2cより突出させて、該スリット1b内に配置させている。該FPC2aのインクジェットヘッド1より外側部分には、高電圧ドライバIC2dを一個または複数個付設しており、該FPC2aは、ポリイミド等の板材にて、該高電圧ドライバIC2dより、銅箔等の電極パターンである複数本の記録電極2b・2b・・・を延伸配線しており、各記録電極2bの先端は、スリット1b内におけるFPC2a先端に、印字ドット間隔にて配置している。なお、1cはインク室1aよりインクが漏れないようにするためのシールである。
【0011】
該高電圧ドライバIC2dの制御にて、FPC2aの先端部における各記録電極2bの先端には、常時、ある程度の電圧(シャドウ電圧)が印加され、該スリット1b内における各記録電極2b先端部の周辺にて、インクメニスカスMが形成される。このシャドウ電圧は、パルス状にして、インクメニスカスMが振動するようにしてもよい。更に、各記録電極2b先端に、印字タイミングに合わせて高電圧(プリント電圧)が印加されると、対向電極4との間に大きな電圧差が生じ、このため、その記録電極2b先端周辺のインクが、対向電極4に向けて飛翔し、記録媒体5への印字がなされるのである。(図1中の記録電極基板2先端から記録媒体5への矢印は、インクの飛翔軌跡を示す。)
【0012】
なお、図1では、インクジェットヘッド1のスリット1bの開口部を上側に向け、その上方に配設する対向電極4に向けて、インクを上方に飛翔させる構造を開示しているが、上下関係は、逆でもよい。即ち、スリット1bの開口部をインクジェットヘッド1の下端に設け、その下方に配設する対向電極4に向けて、インクを下方に飛翔する構造としてもよい。また、該スリット1bの開口部を側面にし、これに対向配設する対向電極4に対して、インクを側方(水平)方向に飛翔させてもよい。
【0013】
次に、記録電極2b先端部周辺のインクメニスカスを安定化するための構造を図3及び図4より説明する。インクメニスカスは、スリット1b内に配置する記録電極2bの先端へのインクの集中により生じる。従って、図4のように、記録電極2bの先端が配されるFPC2aの先端をスリット1bの開口部より外側、即ち、対向電極4に向けて突出させておけば、スリット1bの開口部より外側に膨出するインクメニスカスMが確実に形成される。勿論、先端部をこのように突出させなくても、電界集中のみでインクメニスカスMをスリット1b開口部より突出した状態にすることも可能である。なお、図3及び図4のインクジェットヘッド1は、インクメニスカスMの先端が極度に対向電極4に近接しないように、インクジェットヘッド1の対向電極4への対向面に凹部1dを形成し、該凹部1dの底面にてスリット1bを開口させている。こうすることで、スリット1bの開口部からのFPC2aの突出部が極度に対向電極4に近接しないようにしている。
【0014】
また、スリット1bの開口部周辺のインクジェットヘッド1の外側面にインクが付着すると、スリット1b内のインクとこの付着したインクとが繋がって、正常なインクメニスカスが形成されなくなる。そこで、スリット1bの開口部周辺のインクジェットヘッドの外側面に溌液処理を施し、スリット1b内のみでインクメニスカスが形成されるようにする。
【0015】
図3及び図4では、前記凹部1dを設けた構造のインクジェットヘッド1において、該凹部1dの底面で、スリット1bの開口部の周辺部に、フッ素コーティング等にて溌液処理を施している。こうして、インクは、スリット1b周辺の凹部1d底面には付着せず、インクメニスカスMは、図4の如く、スリット1b内のみで形成され、インク飛翔性が向上するのである。このスリット1b開口部周辺の溌液処理は、勿論、図1図示のように、凹部1dを有しないインクジェットヘッド1にて適用してもよい。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏する。まず、請求項1記載の如く、静電吸引式スリット型インクジェット装置を構成することで、インクジェットヘッドにおいて、ノズルを加工する必要がなくなり、複雑な加工工程が削除され、組立容易で低コストのインクジェットヘッドを提供でき、従って、安価なインクジェット装置を提供できる。また、ノズルを用いなくても、スリット内に記録電極基板を配置するという簡単な構造で、安定した電界集中を可能とし、インク飛翔性を確保している。更に、該スリットは、対向電極対峙面に形成した凹部の底面に開口しているので、該スリット内に配した記録電極基板が極度に対向電極に近接しない。
【0017】
また、請求項2記載の如く、従来よりプリント電極を印加するのに使用される安価で配線加工の容易なフレキシブルプリント回路を記録電極基板として使用するので、構造が簡単で低コストであり、プリント電圧制御も容易である。更に硬質板にて記録電極基板が補強され、耐用性を確保している。そして、フレキシブルプリント回路の先端を硬質板より突出させることで、フレキシブルプリント回路における各記録電極に対する電界集中を容易に形成できる。また、記録電極基板(フレキシブルプリント回路)の先端部をスリット開口端より突出させることで、該先端部周辺にて、スリット開口端よりも外側に突出する良好なインクメニスカスが形成され、インクの飛翔性が向上する。更に、該スリット開口端より突出する記録電極基板の先端を前記凹部内に配置することで、該スリット開口部からの記録電極基板の突出部が極度に対向電極に近接しない。
【0018】
また、請求項3記載の如く、前記凹部の底面におけるスリット開口部周辺に溌液処理を施すことで、インクがスリット開口部周辺の凹部底面に付着せず、インクメニスカスは、不当に広がってしまうことなく、スリット内の範囲のみにて形成され、良好な形状に確保され、インクの飛翔性を向上する。
【0019】
更に、請求項2と請求項3の両構成を組み合わせることにより、より一層のインクメニスカスの安定化を図ることができ、インク飛翔性を更に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電吸引式スリット型インクジェット装置の基本構造を示す側面断面略図である。
【図2】スリット型インクジェットヘッドの斜視図である。
【図3】インクジェットヘッドのスリット周囲を溌液処理した構造の静電吸引式スリット型インクジェット装置の構造を示す側面断面略図である。
【図4】図3中円A内部分の拡大側面断面略図である。
【符号の説明】
1 (スリット型)インクジェットヘッド
1a インク室
1b スリット
1c シール
1d 凹部
2 記録電極基板
2a フレキシブルプリント回路(FPC)
2b 記録電極
2c 硬質板
2d 高電圧ドライバIC
3 インク管
4 対向電極
5 記録媒体
M インクメニスカス
Claims (3)
- インクジェットヘッドと対向電極との間を通過する記録媒体に対し、インクジェットヘッドよりインクを飛翔させて印字する静電吸引式インクジェット装置であって、該インクジェットヘッドには、インク室より連通して対向電極対峙側面に凹部を形成し、該凹部の底面にて開口するスリットを設け、該スリットは、該スリット内にその長手方向に沿って記録電極基板を配設したことを特徴とする静電吸引式スリット型インクジェット装置。
- 前記記録電極基板は、硬質板に、フレキシブルプリント回路を付設してなるものとし、該フレキシブルプリント回路の先端を硬質板よりスリット開口端側に突出させ、更に、その先端を前記凹部内にてスリット開口部より対向電極に向けて外側に突出させたことを特徴とする請求項1記載の静電吸引式スリット型インクジェット装置。
- 前記凹部の底面における前記スリットの開口部周辺面を溌液処理したことを特徴とする請求項1または2記載の静電吸引式スリット型インクジェット装置。
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JP12391697A JP3682564B2 (ja) | 1997-05-14 | 1997-05-14 | 静電吸引式スリット型インクジェット装置 |
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JP12391697A JP3682564B2 (ja) | 1997-05-14 | 1997-05-14 | 静電吸引式スリット型インクジェット装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10315477A JPH10315477A (ja) | 1998-12-02 |
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Family Applications (1)
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1997
- 1997-05-14 JP JP12391697A patent/JP3682564B2/ja not_active Expired - Fee Related
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