JP3682442B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像処理用集積回路を有するコントローラにスキャナ、および1ドラムの白黒プロッタまたは1ドラムのカラープロッタ若しくは4ドラムのカラープロッタを有するエンジン部およびCPUを接続し、CPUの制御の下に画像形成処理をおこなう画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタやコピー機などの画像形成装置では、画像処理用のASIC(Application Specific IC)やCPUを含むコントローラをエンジン部に接続し、このコントローラを用いて画像形成処理をおこなうことが多い。
【0003】
たとえば、コピー機の場合には、複数の画像処理用のハードウェア要素を有するASICをコントローラに搭載するとともに、このASICとエンジン部をPCIインターフェースで接続し、さらに同じコントローラに配設したCPUとASICとを接続して、CPUの制御の下にコピー処理をおこなうことになる。
【0004】
そして、パフォーマンスに優れた新たな画像形成装置を作る場合には、かかる描画と制御を司るコントローラをユニットごとに高速なものに差し替えることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以前のCPUはそのインターフェースが公開されていたが、最近のRISC型の汎用CPUは、CPU自体のインターフェースが公開されていないため、チップセットを介してASICとCPUを接続せざるを得ないので、パフォーマンス上の制約を受ける。
【0006】
具体的には、チップセットを介して外部機器と接続する際には、通常はPCI(Peripheral Component Interconnection)と呼ばれるバスを介することとなるが、チップセット経由のPCIはパフォーマンスが低く、プリンタや複写機などの画像形成装置を構成するには不向きである。
【0007】
このため、インターフェースが公開されていないCPUを画像形成装置のコントローラに利用する場合に、CPUのチップセットとエンジン部との間のデータ授受をいかに適切におこない、いかにして高速に画像形成処理をおこなうかが極めて重要な課題となっている。
【0008】
特に最近の複合機の中には、従来のようにコピー処理、プリンタ処理、FAX処理を別個のボードに搭載した別個のCPUに担当させるのではなく、これらの処理をすべて同じCPUに担当させるものが登場してきたため、上記パフォーマンスの低下をいかに解決するかが極めて重要な課題となっている。
【0009】
さらに、このような複合機では、コピー、プリント、スキャナなどの画像形成処理を行う際に、ユーザの指定によって、スキャンした画像データまたはプリントする画像データを、90°または180°などの角度で回転してから出力するような機能を有している。このような回転機能を実行する際にも高速に画像形成処理をおこなうかが極めて重要な課題となっている。
【0010】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、インターフェースが公開されていないCPUを画像形成装置のコントローラに利用する場合に、CPUのチップセットとエンジン部との間のデータ授受を適切におこないつつ、画像データの回転処理を高速におこなうことができる画像形成装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像処理用集積回路を有するコントローラにスキャナ、および白黒プロッタまたは1ドラムのカラープロッタを有するエンジン部およびCPUを接続し、前記CPUの制御の下に画像形成処理をおこなう画像形成装置であって、前記コントローラは、前記エンジン部を接続するエンジンインターフェース部と、前記CPUのチップセット部を接続するチップセットインターフェース部と、前記エンジンインターフェース部から入力された前記スキャナで読み込まれたスキャナ画像データを前記プロッタへのプロッタデータとして前記エンジンインターフェース部に出力するか、前記スキャナ画像データを前記チップセットインターフェース部に出力するか、前記チップセットインターフェース部から入力された画像データを前記プロッタへのプロッタデータとして前記エンジンインターフェース部に出力するかを切り替え制御する切替制御部と、前記スキャナ画像データを所望の角度に回転させる回転制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
この請求項1にかかる発明によれば、エンジンインターフェース部から入力されたスキャナで読み込まれたスキャナ画像データをプロッタへのプロッタデータとしてエンジンインターフェース部に出力するか、このスキャナ画像データをチップセットインターフェース部に出力するか、チップセットインターフェース部から入力された画像データをプロッタへのプロッタデータとしてエンジンインターフェース部に出力するかを切り替え制御し、コントローラ内部でスキャナ画像データを所望の角度に回転させることで、インターフェースが公開されていないCPUを画像形成装置のコントローラに利用する場合に、円滑な切り替え制御によりCPUとエンジン部とのデータ授受を適切におこなえ、かつエンジン部で回転処理を行う場合に比べ、スキャナ画像データの回転処理を高速に行える。このため、白黒またはカラー1ドラムの画像形成装置において画像データの回転処理を伴う画像形成処理の性能を向上させることができる。
【0013】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記回転制御部は、前記切替制御部の内部に設けられていることを特徴とする。
【0014】
この請求項2にかかる発明によれば、回転制御部は切替制御部の内部に設けられているので、切替制御の際にスキャナ画像データの回転処理を同じ切替制御部内で行うことができ、スキャナ画像データの回転処理をより高速に行うことができる。
【0015】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記切替制御部は、画像データの入出力の処理能力に応じて接続するハードディスクドライブの数を増加可能なハードディスク制御部をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
この請求項3にかかる発明によれば、切替制御部のハードディスク制御部によって、画像データの入出力の処理能力に応じて接続するハードディスクドライブの数を増加可能にしていることで、ハードディスクドライブ単体の性能に縛られることなく、必要に応じてハードディスクの数を増加して、高速な白黒またはカラー1ドラムの画像形成装置に必要なハードディスクドライブの転送速度を得ることができる。
【0017】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に前記スキャナ画像データを出力する際に、前記スキャナ画像データの伸長処理を行う伸長部をさらに備え、前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に出力する際に、前記伸長部によって伸長されたスキャナ画像データを、メモリへの出力を行わずに、直接前記エンジンインターフェース部に出力することを特徴とする。
【0018】
この請求項4にかかる発明によれば、エンジンインターフェース部に出力する際に、伸長部によって伸長されたスキャナ画像データを、メモリへの出力を行わずに直接エンジンインターフェース部に出力することで、回転処理が施されたスキャナ画像データをメモリの容量やメモリのバンド幅を有効に使って高速に出力することができ、白黒またはカラー1ドラムの画像形成装置の性能を向上させることができる。
【0019】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に前記スキャナ画像データを出力する際に、前記スキャナ画像データの伸長処理を行う伸長部をさらに備え、前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に出力する際に、前記スキャナ画像データを、メモリに一旦出力した後に、副走査方向と逆方向から前記エンジンインターフェース部に出力することを特徴とする。
【0020】
この請求項5にかかる発明によれば、切替制御部によって、エンジンインターフェース部に出力する際に、スキャナ画像データをメモリに一旦出力した後に副走査方向と逆方向からエンジンインターフェース部に出力することで、例えば、両面印刷の機能を搭載した場合においても、回転処理が施されたスキャナ画像データをメモリの容量やメモリのバンド幅を有効に使って高速に出力することができ、白黒またはカラー1ドラムの画像形成装置の性能を向上させることができる。
【0021】
また、請求項6にかかる発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記チップセットインターフェース部は、アクセラレイテッドグラフィックポートであり、前記CPUのチップセットの一部をなすノースブリッジを前記アクセラレイテッドグラフィックポートに接続することを特徴とする。
【0022】
この請求項6にかかる発明によれば、チップセットインターフェース部が、アクセラレイテッドグラフィックポート(AGP)であり、CPUのチップセットの一部をなすノースブリッジをこのアクセラレイテッドグラフィックポートに接続することとしたので、AGPを介した高速なデータ授受をおこなうことができる。
【0023】
また、請求項7にかかる発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記エンジンインターフェース部は、PCIバスを収容するPCIインターフェースであり、前記エンジン部を前記PCIインターフェースに接続することを特徴とする。
【0024】
この請求項7にかかる発明によれば、エンジンインターフェース部が、PCIバスを収容するPCIインターフェースであり、エンジン部をこのPCIインターフェースに接続することとしたので、エンジン部についての接続形態を変更する必要をなくすことができる。
【0025】
また、請求項8にかかる発明は、画像処理用集積回路を有するコントローラにスキャナおよび4ドラムのカラープロッタを有するエンジン部およびCPUを接続し、前記CPUの制御の下に画像形成処理をおこなう画像形成装置であって、前記コントローラは、前記エンジン部を接続するエンジンインターフェース部と、前記CPUのチップセット部を接続するチップセットインターフェース部と、前記エンジンインターフェース部から入力された前記スキャナで読み込まれたスキャナ画像データを前記プロッタへのプロッタデータとして前記エンジンインターフェース部に出力するか、前記スキャナ画像データを前記チップセットインターフェース部に出力するか、前記チップセットインターフェース部から入力された画像データを前記プロッタへのプロッタデータとして前記エンジンインターフェース部に出力するかを切り替え制御する切替制御部と、前記スキャナ画像データを所望の角度に回転させる回転制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
この請求項8にかかる発明によれば、エンジンインターフェース部から入力されたスキャナで読み込まれたスキャナ画像データをプロッタへのプロッタデータとしてエンジンインターフェース部に出力するか、このスキャナ画像データをチップセットインターフェース部に出力するか、チップセットインターフェース部から入力された画像データをプロッタへのプロッタデータとしてエンジンインターフェース部に出力するかを切り替え制御し、コントローラ内部でスキャナ画像データを所望の角度に回転させることで、インターフェースが公開されていないCPUを画像形成装置のコントローラに利用する場合に、円滑な切り替え制御によりCPUとエンジン部とのデータ授受を適切におこなえ、かつエンジン部で回転処理を行う場合に比べ、スキャナ画像データの回転処理を高速に行える。このため、カラー4ドラムの画像形成装置において画像データの回転処理を伴う画像形成処理の性能を向上させることができる。
【0027】
また、請求項9にかかる発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、前記回転制御部は切替制御部の内部に設けられていることを特徴とする。
【0028】
この請求項9にかかる発明によれば、回転制御部は、切替制御部の内部に設けられているので、切替制御の際にスキャナ画像データの回転処理を同じ切替制御部内で行うことができ、スキャナ画像データの回転処理をより高速に行うことができる。
【0029】
また、請求項10にかかる発明は、請求項8または9に記載の画像形成装置において、前記切替制御部は、画像データの入出力の処理能力に応じて接続するハードディスクの数を増加可能なハードディスク制御部をさらに備えたことを特徴とする。
【0030】
この請求項10にかかる発明によれば、切替制御部のハードディスク制御部によって、画像データの入出力の処理能力に応じて接続するハードディスクドライブの数を増加可能にしていることで、ハードディスクドライブ単体の性能に縛られることなく、必要に応じてハードディスクの数を増加して、カラー4ドラムの画像形成装置に必要なハードディスクドライブの転送速度を得ることができる。
【0031】
また、請求項11にかかる発明は、請求項8〜10のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に前記スキャナ画像データを出力する際に、前記スキャナ画像データの伸長処理を行う伸長部をさらに備え、前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に出力する際に、前記伸長部によって伸長されたスキャナ画像データを、メモリへの出力を行わずに、直接前記エンジンインターフェース部に出力することを特徴とする。
【0032】
この請求項11にかかる発明によれば、エンジンインターフェース部に出力する際に、伸長部によって伸長されたスキャナ画像データを、メモリへの出力を行わずに直接エンジンインターフェース部に出力することで、回転処理が施されたスキャナ画像データをメモリの容量やメモリのバンド幅を有効に使って高速に出力することができ、カラー4ドラムの画像形成装置の性能を向上させることができる。
【0033】
また、請求項12にかかる発明は、請求項8〜11のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に前記スキャナ画像データを出力する際に、前記スキャナ画像データの伸長処理を行う伸長部をさらに備え、前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に出力する際に、前記スキャナ画像データを、メモリに一旦出力した後に、副走査方向と逆方向から前記エンジンインターフェース部に出力することを特徴とする。
【0034】
この請求項12にかかる発明によれば、切替制御部によって、エンジンインターフェース部に出力する際に、スキャナ画像データをメモリに一旦出力した後に副走査方向と逆方向からエンジンインターフェース部に出力することで、例えば、両面印刷の機能を搭載した場合においても、回転処理が施されたスキャナ画像データをメモリの容量やメモリのバンド幅を有効に使って高速に出力することができ、カラー4ドラムの画像形成装置の性能を向上させることができる。
【0035】
また、請求項13にかかる発明は、請求項8〜12のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記チップセットインターフェース部は、アクセラレイテッドグラフィックポートであり、前記CPUのチップセットの一部をなすノースブリッジを前記アクセラレイテッドグラフィックポートに接続することを特徴とする。
【0036】
この請求項13にかかる発明によれば、チップセットインターフェース部が、アクセラレイテッドグラフィックポート(AGP)であり、CPUのチップセットの一部をなすノースブリッジをこのアクセラレイテッドグラフィックポートに接続することとしたので、AGPを介した高速なデータ授受をおこなうことができる。
【0037】
また、請求項14にかかる発明は、請求項8〜13のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記エンジンインターフェース部は、PCIバスを収容するPCIインターフェースであり、前記エンジン部を前記PCIインターフェースに接続することを特徴とする。
【0038】
この請求項14にかかる発明によれば、エンジンインターフェース部が、PCIバスを収容するPCIインターフェースであり、エンジン部をこのPCIインターフェースに接続することとしたので、エンジン部についての接続形態を変更する必要をなくすことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0040】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置(以下、「複合機」)の全体構成を示す図である。図1に示すように、この複合機は、コントローラ101とエンジン部110とをPCI109で接続した構成となる。コントローラ101は、複合機全体の制御と描画、通信、操作部111からの入力を制御するコントローラである。エンジン部110は、スキャナ124とプロッタ126とを有している。プロッタ126は、白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタであり、スキャナ124は、スキャナまたはファックスユニットなどである。このエンジン部110には、プロッタ126およびスキャナ124などのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理を行う画像処理部122とPCI部123を含むASIC121と、CPU120を有している。
【0041】
コントローラ101は、CPU102と、ノースブリッジ(NB)103と、システムメモリ(MEM−P)104と、サウスブリッジ(SB)105と、ローカルメモリ(MEM−C)107と、ASIC108と、操作部111と、複数のハードディスクドライブ(HDD)112と、ASIC127と、OPTION115,116と、ROM117とを有し、ノースブリッジ(NB)103とASIC108との間をAGP(Accelerated GraphicsPort)106で接続した構成となる。また、NB103とSB105の間はPCI118で接続されている。
【0042】
CPU102は、複合機の全体制御をおこなうものであり、NB103、MEM−P104、ASIC127、OPTION115,116、ROM117およびSB105からなるチップセットを有する。ここで、このCPU102のインターフェースは公開されておらず、チップセットを介して他の機器を接続するものとする。
【0043】
NB103は、CPU102とMEM−P104、SB105、AGP106とを接続するためのブリッジであり、MEM−P104は、複合機の描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、SB105は、NB103とROM117、PCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。なお、OPTION115,116は、オプションとしてのPCIデバイス、周辺デバイスを接続するための空きスロットである。
【0044】
MEM−C107は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、ASIC108は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICであり、AGP106、PCI109、HDD112およびMEM−C107をそれぞれ接続するブリッジの役割も有する。
【0045】
操作部111は、ユーザからの入力操作の受け付け並びにユーザに向けた表示をおこなう操作部であり、HDD112は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0046】
AGP106は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、システムメモリに高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0047】
このAGP106は、本来は3D(三次元)画像をスムーズにディスプレイに表示する際に用いられるものであるが、実施の形態1の複合機では、このAGP106を介してNB103とASIC108を接続している。
【0048】
すなわち、かかるCPU102のインターフェースが公開されていないので、ここではチップセットの一部であるNB103を介してASIC108を接続している。この際、PCIバスを用いて両者を接続したのではパフォーマンスが低下するため、ここではAGP106を拡張利用している。
【0049】
回転器113は、本発明における回転制御部を構成するものであり、画像データを所望の角度で回転するものである。圧縮伸長器114は、本発明における伸長部を構成し、画像データを圧縮し、また圧縮されている画像データを伸長するものである。なお、回転器113、圧縮伸長器114の詳細な構成については後述する。
【0050】
次に、図1に示したASIC108の構成について説明する。図2は、図1に示したASIC108の構成を示すブロック図である。図2に示すように、このASIC108は、AGPユニット229と、コンフィグ(PCI−CONFIG)レジスタ207と、マスタ(AGP−MASTER)ユニット206と、ターゲット(PCI−TARGET)ユニット208と、内部レジスタ210と、メモリコントローラ209と、コンフィグ(PCI−CONFIG)レジスタ223と、マスタ(PCI−MASTER)ユニット224と、ターゲット(PCI−TARGET)ユニット226と、PCIユニット228と、アービタ212と、PCIアービタ225と、2個の回転器(ROT1,ROT2)204,205と、合成器(EDIT)203と、HDDコントローラ213と、3個の圧縮伸長器(CD1,CD2,CD3)215〜217と、操作部(OPE)202と、ビデオ入力部218と、ビデオ出力部222とを有している。
【0051】
AGPユニット229は、NB103と接続するAGPバス106のバスプロトコルを実行するユニット(チップセットインターフェース部)であり、PCI−CONFIG207は、AGPバス106のためのPCIのコンフィグレジスタである。AGP−MASTER206は、AGPバス106のバスマスタ機能を実行するユニットであり、PCI−TARGET208は、AGPバス106に包含されるPCIのターゲット機能を実行するユニットである。
【0052】
内部レジスタ210は、ASIC108の各部が機能を発揮する際に必要となるレジスタである。メモリコントローラ209、ローカルメモリMEM−C107を制御するものであり、PCI−CONFIG223は、PCIバス109のためのPCIのコンフィグレジスタであり、PCI−MASTER224は、PCI109のバスマスタ機能を実行するユニットであり、PCI−TARGET226は、PCI109に包含されるPCIのターゲット機能を実行するユニットであり、PCIアービタ225は、PCIへのアクセスを調停するものである。PCIユニット228は、PCI109のバスプロトコルを実行するユニット(エンジンインターフェース部)である。アービタ212は、MEM−C107へのアクセスを調停するものである。
【0053】
2個の回転器204,205は、画像データの回転処理を行うものであり、それぞれ2個のDMACを有している。ここで、DMACは、ローカルメモリMEM−C107に対してDMA転送するためのDMAコントローラである。実施の形態1では、画像データの90°あるいは180°の回転が可能となっている。この回転器204,205は、エンジン部110に設けることも考えられる。ASIC108はNB103とAGP106で接続されており、高速なデータ転送を可能としているが、回転器204,205をエンジン部110に設けると、かかる高速データ転送の利点をうまく生かすことができない。このため、回転器204,205を、NB103にAGP106で接続されたASIC108内部に設けることにより、画像データの回転処理時におけるデータ転送の高速化を向上させている。
【0054】
3個の圧縮伸長器215〜217は、画像データの圧縮または伸長が可能なユニットであり、アービタ212と接続されている。圧縮伸長器215〜217は内部で、セレクタ(SEL220、VSEL221)を介してビデオ出力部222と接続され、ローカルメモリMEM−C107に格納されている圧縮された画像データを読み出して伸長した後に、ローカルメモリMEM−C107に書き戻すことなく、直接ビデオ出力部222にデータを渡すことができようになっている。これによって、ローカルメモリMEM−C107に余分な作業領域や余分なバンド幅を消費することなく、エンジン部110にビデオ出力をすることができるようになっている。ここで、SEL220は、圧縮した画像データまたは伸長した画像データを直接HDD122との間で転送するためのバスのセレクタである。VSEL221は、伸長した画像データを直接、ビデオ出力部222に渡すためのセレクタである。
【0055】
合成器(EDIT)203は、画像データの合成編集を行うユニットであり、3個の画像用DMACを有している。合成器(EDIT)203は、ローカルメモリMEM−C107から、複数の画像データを読み出して合成し、構成された画像データをローカルメモリMEM−C107に書き戻すようになっている。ただし、合成された画像データをローカルメモリMEM−C107に書き戻した後でさらに読み出して、ビデオ出力を行うとローカルメモリMEM−C107のバンド幅を余分に使用してしまい、また、余分な作業領域が必要になる。このため、実施の形態1の複合機では、ローカルメモリMEM−C107からの合成画像データの読み出しを1回として、合成後ビデオ出力FIFOへ直接画像データを渡すことができるようになっている。これにより、ローカルメモリMEM−C107に余分な作業領域を確保することを回避することができる。また、ローカルメモリMEM−C107のバンド幅を広くすることができ、この結果、HDDへの書き込み速度などの低下や、全体の処理の低下を防止することができるようになっている。
【0056】
ビデオ入力部218は、エンジン部110からPCI109を介して画像データを入力するものであり、画像データ入力用のFIFOと画像データ入力用のDMACとから構成される。
【0057】
ビデオ出力部222は、画像用のDMACと合成するための画像用DMACと画像を合成する機能ユニット(OR)と画像をシフトさせるためのシフトユニット(SFT)、および、PCIのバースト転送に対応するためのFIFOから構成される。ここで、画像データの両面印刷がユーザから指定された場合、画像データを回転器204,205によって、180°回転させてエンジン部110に出力をする必要がある。このような場合は、画像を短冊形のバンドに分解して、かつ圧縮しておき、180°回転したときの先頭のバンドから順番に伸長する処理を行っている。ただし、圧縮伸長器215〜217は0°方向の伸長しかできないため、一旦、0°方向で伸長してから、ビデオ出力部222によって、画像データを副走査方向と逆方向である180°方向から読み出している。これによって、バンド分のメモリで180°のビデオ出力が可能になる。
【0058】
HDDコントローラ213は、コマンドを発行するためのコマンドDMACとデータを転送するためのデータDMAC、HDDとの信号をやり取りするためのHDCとから構成され、HDDを2台まで接続できる構成になっている。そして、さらに転送速度が必要な場合には、4台、8台と2のべき剰で並列動作させることができるようになっている。なお、HDDの接続を2台までとしたのは、白黒のエンジンの速度が100CPM前後であり、HDDの処理能力として2台並列に動作させることで、HDD単位の転送速度の2倍の転送速度を出すことができるので、白黒の複合機としては十分な転送速度であるためである。
【0059】
次に、図2に示したPCI−CONFIG207の内部構造について説明する。図3は、図2に示したPCI−CONFIG207の内部構造を説明するための説明図である。同図に示すように、ASIC108がもっているAGPバス106側のコンフィグレジスタであるPCI−CONFIG207は、BAR207aとBAR207bという2つのベースアドレスレジスタを有する。
【0060】
BAR207aは、ローカルメモリMEM−C107をマッピングするためのベースアドレスレジスタであり、BAR207bは、内部レジスタ210、PCIのメモリ空間、PCIのI/O空間をマッピングするためのベースアドレスレジスタである。
【0061】
次に、図2に示す内部レジスタ210上に設けられるDMAC用の空間ベースレジスタについて説明する。図4は、図2に示す内部レジスタ210上に設けられるDMAC用の空間ベースレジスタを説明するための説明図である。
【0062】
同図に示すように、この内部レジスタ210の中には、AGPMEMBASEレジスタ210aと、LOCALMEMBASEレジスタ210bとが存在する。このAGPMEMBASEレジスタ210aは、NB103のAGP空間がマッピングされているベースアドレスを設定するレジスタであり、DMACにアクセス先を知らせるために設けられている。LOCALMEMBASEレジスタ210bは、ASIC108のメモリ空間がマッピングされているベースアドレスを設定するレジスタであり、DMAC206にアクセス先を知らせるために設けられている。
【0063】
次に、PCI109、ASIC108およびCPU102のメモリマップの相互関係について説明する。図5は、PCI109、ASIC108およびCPU102のメモリマップの相互関係を説明するための説明図である。
【0064】
同図に示すPCII/O空間501は、CPU102に見えるASIC108のPCII/O空間であり、PCIMEM空間502は、CPU102に見えるASIC108のPCIMEM空間であり、内部レジスタ空間503は、CPU102に見えるASIC108の内部レジスタ空間である。また、AGP504は、NB103内で管理されているAGPバスプロトコルでアクセス可能なメモリ空間であり、MEM−P505は、NB103に管理されているメモリ空間である。
【0065】
また、PCII/O空間506は、ASIC108のPCII/O空間であり、PCIMEM空間507は、ASIC108のPCIMEM空間であり、内部レジスタ空間508は、ASIC108の内部レジスタ空間である。また、AGP509は、ASIC108からAGPバスプロトコルでアクセス可能なメモリ空間であり、MEM−C510は、ASIC108が管理しているメモリ空間である。なお、ベース511は、MEM−C510の先頭アドレスであり、ベース512は、AGP空間の先頭アドレスである。
【0066】
さらに、MEM−C513は、エンジン部110からアクセス可能なMEM−C107のメモリ空間であり、AGP514は、エンジン部110からアクセス可能なAGP空間であり、PCIMEM空間515は、CPU102がASIC108を経由して、実際にアクセスするPCIMEM空間であり、PCII/O空間516は、CPU102がASIC108を経由して、実際にアクセスするPCII/O空間である。
【0067】
同図に示すように、PCII/O空間516、PCII/O空間506およびPCII/O空間501が相互に対応づけられ、PCIMEM空間515、PCIMEM空間507、PCIMEM空間502が相互に対応づけられる。また、内部レジスタ空間508および内部レジスタ空間503が相互に対応づけられる。
【0068】
さらに、AGP514、AGP509、AGP504が相互に対応づけられ、MEM−C513、MEM−C510、MEM−P505が相互に対応付けられる。なお、マッピングの詳細な説明については後述する。
【0069】
次に、図1に示したプリンタによる動作について説明する。このプリンタの電源が投入されると、CPU102は、図示しないSB105の先のBIOSから起動を開始して、NB103の初期化およびSB105の初期化をおこなう。そして、この初期化の最中にAGP106を介してASIC108のPCI−CONFIG207をアクセスし、図3に示したBAR207aおよびBAR207bを設定し、ASIC108のAGPデバイスとしての初期化を完了する。
【0070】
このようにして、ASIC108のAGPデバイスとしての初期化が完了すると、ASIC108の内部レジスタ210をアクセスすることができる。具体的には、この内部レジスタ210のAGPMEMBASEレジスタ210aには、AGP空間がASIC108内のどのアドレスにマッピングされるかが設定され、LOCALMEMBASEレジスタ210bには、ASIC108が直接管理しているローカルメモリMEM−C107をどこにマッピングするかが設定される。
【0071】
すなわち、図4に示すAGPMEMBASEレジスタ210aには図5に示すベース512のアドレスが設定され、LOCALMEMBASEレジスタ210bにはベース511のアドレスが設定される。そしてマッピングをおこなうと、図5に示すメモリマップが得られる。
【0072】
これにより、CPU102から見た場合、システムメモリはMEM−P505の位置に存在し、その上にAGP空間504がマッピングされる。AGP空間504の設定はNB103のレジスタに設定する。したがって、上位のアドレスにはPCI空間にマッピングされたレジスタが見える。
【0073】
内部レジスタ空間503、PCIMEM空間502およびPCII/O空間501は、PCIのPCI−CONFIG207のBAR207aで設定される。ASIC108の管理下にあるメモリMEM−C107のBAR207bで設定され、CPU102からPCI経由でアクセスすることができる。
【0074】
BAR207aに設定されるベースアドレスは内部レジスタ508の先頭を意味しており、PCIMEM空間507とPCII/O空間506は、ベースアドレスに対するオフセットで固定的に定義される。
【0075】
PCIMEM空間507をCPU102がアクセスするとそのライトアクセスはポストされ、CPU102は解放されて、次の仕事にかかることができる。そのライトアクセスはPCI109の同じアドレスのPCIMEM空間515にライトされる。PCII/O空間506に対するライトアクセスも同様にPCI109のPCII/O空間16に対してライトされる。
【0076】
また、CPU102がPCIMEM空間502をリードアクセスすると、そのアクセスはNB103でAGPアクセスに変換され、ASIC108のPCIMEM空間507をリードアクセスする。
【0077】
ASIC108は、PCI109のPCIMEM空間515をアクセスするがデータをリードするまでには時間がかかるので、いったん、CPU102からのAGPアクセスに対して、リトライを返す。NB103は、リトライ信号を受け取ると、リードアクセスを繰り返す。ASIC108がPCI109からデータをリードして、データが用意できると、データをNB103に返す。NB103はCPU102でデータを渡して、そのトランザクションは完了する。
【0078】
PCI109に接続されるエンジン部110にはCONFIGレジスタが存在し、そのベースアドレスをPCIMEM空間515内のどこかにマッピングすることで、図6に示すエンジン部110のエンジンPCIレジスタ602をアクセスできるようになる。なお、同図に示すPCIMEM空間601は、CPU102がASIC108を経由してアクセスできるPCIMEM空間であり、エンジンPCI602は、CPU102がASIC108を経由してアクセスできるPCIMEM空間にマッピングされたエンジンPCIレジスタである。
【0079】
エンジン部110からアクセスするために、ASIC108のPCI109側にもCONFIGレジスタ223が存在する。具体的には、NB103のAGP空間504をアクセスするためのベースレジスタ、ASIC108の管理下のメモリMEM−C107をアクセスするためのベースレジスタ、ASIC108のビデオ入力部218の画像入力用DMACの入力アドレスを設定するためのベースレジスタ、ASIC108のビデオ出力部222の画像出力用DMACの出力アドレスを設定するためのベースレジスタなどがある。かかる作業は、すべて初期化のプロセスでおこなわれる。
【0080】
マッピングが終了すると図5に示すようなメモリマップとなるので、CPU102はこのメモリマップに従ってアクセスすることができるようなる。また、エンジン部110は、図6に示すようなメモリマップに従って、メモリをアクセスすることができるようになる。このエンジン部110も、電源投入後に自己診断などをおこない、CPU102によるマッピングを待っている。このため、初期化終了とともにエンジン部110もCPU102と通信することが可能になる。
【0081】
コントローラ101は、ソフトウエアの初期化を完了すると、操作部111に対してプリント可能である旨のメッセージを通知し、ホストからのデータ受信に備えて待機状態となる。
【0082】
ASIC108は、ネットワーク、IEEE1394、USBなどのホストと接続するためのインターフェースを保有し、データの受信が始まると送信データを順次解釈し、MEM−P104上に描画を開始する。そして、描画が完了するとエンジン部110にコマンドを送信して、描画した絵を取りにくるように指示を出す。
【0083】
CPU102は、MEM−P104のデータをAGP504の空間に見せるためにNB103の内部レジスタを操作し、メモリ上のテーブルを書き換えて、エンジン部110からAGP空間514に見えるように設定する。エンジン部110は描画された絵があるバッファの先頭アドレスをもらい、エンジン部110内部のDMACに起動をかけて、AGP514を通してMEM−P505の絵を読み出す。このとき、ASIC108は、PCI109に対してはターゲット動作をし、AGP106に対してはマスターの動作をする。エンジン部110は、内部で生成されるタイミングによって絵を読み出す。
【0084】
次に、図1に示したエンジン部110について説明する。図7は、図1に示したエンジン部110の動作タイミングを説明するための説明図である。同図に示す用紙サイズ701は、主走査および副走査で決まる用紙サイズであり、FGATE702は、用紙の副走査の有効範囲を示す信号であり、LGATE703は、用紙の主走査の有効範囲を示す信号であり、LSYNC704は、主走査の先頭でアサートされる同期信号である。
【0085】
このように、エンジン部110は、出力する用紙サイズ701に応じて、副走査方向の有効領域FGATE702と、主走査方向の有効領域LGATE703と、各主走査ラインの先頭でラインの開始をあらわすLSYNC704とを用意する。
【0086】
そして、エンジン部110が印字指令を受けると、紙を搬送すると同時にFGATE702を作り出して、このFGATE702がアサートされる数LSYNC704時間前に絵を内部に持っているバッファに読み込むために転送を開始する。
【0087】
図8は、PCI転送の基本タイミング信号を説明するための説明図である。同図において、LSYNC801はラインシンクであり、DREQ802はデータリクエストであり、DATA803は1ライン分のデータ転送であり、XREQ804はPCIバスのバスリクエスト信号であり、XGNT805はPCIバスのバスグラント信号であり、TRANZ806はPCIバスのバストランザクションである。
【0088】
また、PCICLK807はPCIの基本クロックであり、XFRAME808はPCIのFRAME信号であり、XDEVSEL809はPCIのDEVSEL信号であり、XIRDY810はPCIのIRDY信号であり、XTRDY811はPCIのTRDY信号であり、AD[31:0]812はPCIのアドレス/データバス信号であり、CBE[3:0]813はPCIのコマンド/バイトイネーブル信号である。
【0089】
同図に示すように、LSYNC801の立ち上がりのタイミングでデータ転送要求DREQ802をアサートし、1ライン分のDATA803の転送を完了する。各LSYNC801に同期して1ライン分のデータ転送がおこなわれる。
【0090】
PCI109上ではXREQ804がアサートされ、バスの使用が許可されるとXGNT805がアサートされ、PCIの1トランザクション806がおこなわれる。PCIのトランザクション806を繰り返して1ライン分のデータ転送が完了する。PCIのトランザクション806はバースト転送である。
【0091】
PCIの信号はPCICLK807の立ち上がりに同期している。バスの使用許可がもらえるとバスマスターであるエンジン部110はXFRAME808をアサートし、同時にアドレスAD[31:0]812とコマンドCBE[3:0]813を発行する。ASIC108は、自分のCONFIGのベースアドレスレジスタにエンジン部110が出したアドレスAD[31:0]812がヒットするとXDEVSEL809をアサートする。
【0092】
もし、エンジン部110がデータを受け取ることが可能であれば、XDEVSEL809のアサートを確認してから、XIRDY810をアサートし、データの受け取りが可能なことをターゲットであるASIC108に教える。ASIC108は、コマンドCBE[3:0]813に対してデータが用意できていれば、XTRDY811をアサートしてデータをバスに乗せる。
【0093】
その後、PCICLK807に同期して、データがあれば1クロックあたり1データを連続で転送する。最後のデータの1クロック前にバスマスターであるエンジン部110はXFRAME808をネゲートし、次のデータがこのトランザクションの最後のデータであることを示す。データ転送完了後、ASIC108はXDEVSEL809とXTRDY811をネゲートする。エンジン部110はXTRDY811をネゲートして、トランザクションを完了する。
【0094】
次に、図1に示したエンジン部110の具体例について説明する。図9は、図1に示したエンジン部110としてのスキャナ(図9の上段)とカラーの1ドラムプロッタ(図9の下段)の構成図である。
【0095】
図9に示すCCD901は、画像の読み取り素子であり、画像処理部902は、CCD901から読み込まれたアナログ信号をデジタル信号に変換し、シェーディング補正、MTF補正、γ補正などをおこなう画像処理ユニットである。
【0096】
SFT903は、画像のシフトや切り出しをおこなう画像シフトユニットであり、変倍ユニット904は、拡大/縮小をおこなうユニットであり、ENC905は、多値画像を符号に変換するユニットである。
【0097】
PCIユニット906は、PCIのバスプロトコルを実行する部分とDMACからなり、画像をコントローラに転送する。また、コントローラからのコマンドをエンジン部に伝えるユニットである。
【0098】
DEC910は、符号を復号して元の画像データに戻すユニットであり、SFT909は、出力時に画像のシフトや切り出しを行うユニットであり、画像処理部908は、出力する画像のシェーディング補正、MTF補正、γ補正などをおこなう画像処理ユニットであり、LDB907は、レーザーでドラムに描画するユニットである。図9に示すカラーの1ドラムプロッタは、フルカラー画像をYMCKに色分解して、1つのドラムに4回用紙を通して1枚のフルカラー出力を完了することになる。エンジン部110の内部では色に応じたトナーが選択され、転写される。
【0099】
次に、上記のようなハードウェア構成をした実施の形態1にかかる複合機上で動作するソフトウェアの構成について説明する。図10は、実施の形態1にかかる複合機1000の機能的構成を示すブロック図である。図10に示すように、複合機1000は、白黒ラインプリンタ(B&W LP)1001と、カラーラインプリンタ(Color LP)1002と、スキャナ、ファクシミリ、ハードディスク、メモリ、ネットワークインターフェースなどのハードウェアリソース1003を有するとともに、プラットホーム1020とアプリケーション1030とから構成されるソフトウェア群1010とを備えている。
【0100】
プラットホーム1020は、アプリケーションからの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要求を発生させるコントロールサービスと、一または複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービスからの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(SRM)1023と、汎用OS1021とを有する。
【0101】
コントロールサービスは、複数のサービスモジュールから形成され、SCS(システムコントロールサービス)1022と、ECS(エンジンコントロールサービス)1024と、MCS(メモリコントロールサービス)1025と、OCS(オペレーションパネルコントロールサービス)1026と、FCS(ファックスコントロールサービス)1027と、NCS(ネットワークコントロールサービス)1028とから構成される。なお、このプラットホーム1020は、あらかじめ定義された関数により前記アプリケーション1030から処理要求を受信可能とするアプリケーションプログラムインターフェース(API)を有する。
【0102】
汎用OS1021は、UNIX(登録商標)などの汎用オペレーティングシステムであり、プラットホーム1020並びにアプリケーション1030の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。
【0103】
SRM1023のプロセスは、SCS1022とともにシステムの制御およびリソースの管理を行うものである。SRM1023のプロセスは、スキャナ部やプリンタ部などのエンジン、メモリ、HDDファイル、ホストI/O(セントロI/F、ネットワークI/F、IEEE1394 I/F、RS232C I/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求にしたがって調停を行い、実行制御する。
【0104】
具体的には、このSRM1023は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、SRM1023は、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンにより紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施している。
【0105】
SCS1022のプロセスは、アプリ管理、操作部制御、システム画面表示、LED表示、リソース管理、割り込みアプリ制御などを行う。
【0106】
ECS1024のプロセスは、白黒ラインプリンタ(B&W LP)1001、カラーラインプリンタ(Color LP)1002、スキャナ、ファクシミリなどからなるハードウェアリソース1003のエンジンの制御を行い、画像読み込みと印刷動作、状態通知、ジャムリカバリなどをおこなう。
【0107】
具体的には、アプリケーション1030から受け取ったジョブモードの指定にしたがい、印刷要求をSRM1023に順次発行していくことで、一連のコピー/スキャン/印刷動作を実現する。このECS1024が取り扱う対象のジョブは、画像入力デバイスにスキャナ(SCANNER)が指定されているか、または、画像出力デバイスにプロッタ(PLOTTER)が指定されているものとする。
【0108】
たとえば、コピー動作の場合には「SCANNER → PLOTTER」と指定され、ファイル蓄積の場合には「SCANNER → MEMORY」と指定され、ファクシミリ送信の場合には「SCANNER → FAX_IN」と指定される。また、蓄積ファイル印刷またはプリンタアプリ1011からの印刷の場合には「MEMORY → PLOTTER」と指定され、ファクシミリ受信の場合には「FAX_OUT → PLOTTER」と指定される。
【0109】
なお、ジョブの定義はアプリケーションによって異なるが、ここでは利用者が取り扱う1セットの画像群に対する処理動作を1ジョブと定義する。たとえば、コピーのADF(Automatic Document Feeder)モードの場合は、原稿台に置かれた1セットの原稿を読み取る動作が1ジョブとなり、圧板モードは最終原稿が確定するまでの読み取り動作が1ジョブとなる。また、コピーアプリ1012の場合には、一束の原稿をコピーする動作が1ジョブとなり、ファックスアプリ1013の場合には、1文書の送信動作または1文書の受信動作が1ジョブとなり、プリンタアプリの場合には、1文書の印刷動作が1ジョブとなる。
【0110】
MCS1025のプロセスは、画像メモリの取得および解放、ハードディスク装置(HDD)の利用、画像データの圧縮および伸長などを行う。
【0111】
FCS1027のプロセスは、システムコントローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を利用したファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読み取り、ファクシミリ受信印刷、融合送受信を行うためのAPIを提供する。
【0112】
NCS1028のプロセスは、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのプロセスであり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーションからデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。具体的には、ftpd、httpd、lpd、snmpd、telnetd、smtpdなどのサーバデーモンや、同プロトコルのクライアント機能などを有している。
【0113】
OCS1026のプロセスは、オペレータ(ユーザ)と本体制御間の情報伝達手段となるオペレーションパネル(操作パネル)の制御を行う。OCS1026は、オペレーションパネルからキー押下をキーイベントとして取得し、取得したキーに対応したキーイベント関数をSCS1022に送信するOCSプロセスの部分と、アプリケーション1030またはコントロールサービスからの要求によりオペレーションパネルに各種画面を描画出力する描画関数やその他オペレーションパネルに対する制御を行う関数などがあらかじめ登録されたOCSライブラリの部分とから構成される。
【0114】
アプリケーション1030は、ページ記述言語(PDL)、PCLおよびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ1011と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ1012と、ファクシミリ用アプリケーションであるファックスアプリ1013と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ1014と、ネットワークファイル用アプリケーションであるネットファイルアプリ1015と、工程検査用アプリケーションである工程検査アプリ1016とを有している。
【0115】
次に、以上のように構成された実施の形態1にかかる複合機のASIC108におけるコピー動作時の回転処理について説明する。図11は、コピー動作時におけるコントローラ101内の画像データの流れを示す説明図である。
【0116】
まず、ユーザが原稿をエンジン部110のスキャナ124にセットし、操作部111から、コピー条件である右90°回転を指示をして、スタートキーを押下した場合を考える。
【0117】
ユーザからのキー入力による指示は、OCS1026経由で、現在、画面の制御を有するコピーアプリ1012に伝達される。コピーアプリ1012はユーザからの要求を読み取って、ECS1024にコピー開始要求を出し、これを受けたECS1024は、汎用OS1021のデバイスドライバを制御してコントローラ101にコピー開始要求を行う。コピー開始の要求を受けたコントローラ101はPCI109を経由してエンジン部110にスキャンを開始するように指示する。
【0118】
スキャナ124により原稿から読み取ったスキャナ画像データは、画像処理部122によりA/D変換、主走査方向のシフト処理が施され、ユーザによる変倍指定があれば指定された倍率で変倍処理が施された上で、PCI部123からコントローラ101のASIC108を経由して、ローカルメモリMEM−C107に一時的に保存される。
【0119】
コピー条件として、右90°回転の指定がなされているため、ローカルメモリMEM−C107に保存されたスキャナ画像データは、回転器113によって指定された回転処理が施されて再度、ローカルメモリMEM−C107に保存される。
【0120】
次に、回転処理が施されたスキャナ画像データは、圧縮伸長器114によって圧縮処理がなされ、符号化データとしてローカルメモリMEM−C107に保存される。そして、符号化データは、HDD112に保存される。
【0121】
また、ローカルメモリMEM−C107への画像データの読み込みが終了するとコントローラ101はエンジン部110に画像データ出力の指示を発行し、エンジン部110は指示に従って、PCI部123がPCIバス109を経由して、コントローラ101から画像データを読み込む。すなわち、エンジン部110はPCIのリードトランザクションを発生し、ASIC108に対してリード要求を出す。ASIC108は要求に応じてローカルメモリMEM−C107から画像データを読み出して、エンジン部110へ受け渡す。
【0122】
エンジン部110のPCI部123がコントローラ101から画像データを受取ると画像処理部122で画像出力のためのシフト処理などを行い、プロッタ126へ出力する。具体的には、感光体に描画するためのレーザードライバボードLDB907へ最終段の画像データを渡し、転写、現像、定着され、用紙に印字されて排出トレイに出力される。スキャンとプロットの基本的タイミングは、上述した図7に示す通りであり、PCI109のデータ転送タイミングは上述した図8に示す通りである。
【0123】
図12は、スキャナ124の起動タイミングとローカルメモリMEM−C107上での処理の関係を示す説明図である。スキャン開始タイミング1201は、エンジン部110へコマンドを発行して、エンジン部110が処理を開始したタイミングで画像データをローカルメモリMEM−C107へ転送する。図12中の三角部分1202は転送の動作を示している。ローカルメモリMEM−C107上にはスキャンと同時にDMACからの書き込みが始まり、その動作の様子が三角部分1206で示されている。ローカルメモリMEM−C107に画像が書き込まれると圧縮伸長器114により圧縮を開始するが、圧縮を開始するタイミングは画像の読み取り完了時刻を圧縮完了時刻が追い越さないように開始タイミングを決定し、図12中では三角部分1209が圧縮伸長器114の動作を示し、スキャナ124の読み取りと同時に圧縮が完了している。また、圧縮が完了した時点1203から、HDD112への符号データの格納を開始している。
【0124】
図13は、プロッタ126の起動タイミングとローカルメモリMEM−C107上での関係を示す説明図である。スキャナ124からの入力1302が始まり、それと同時にローカルメモリMEM−C107への格納1304が開始される。ローカルメモリMEM−C107への格納が少し進んだ時点で、かつプロット動作がスキャン動作を追い越さないようなタイミング1308でプロッタ126を起動する。プロット動作はスキャン動作から遅れて始まった分の時間が経過してから完了(1309)し、その遅れ時間分、ローカルメモリMEM−C107上には画像を保持しておく必要がある。
【0125】
ただし、図11で説明したコピー動作のように画像データ読み込み後、回転処理が行われる場合には、図14に示すように、ページ全体がそろわないと回転ができないのでプロットを開始する時刻が遅くなり、その分だけスキャナ画像データをMEM−C107で保持している時間は長くなる。
【0126】
次に、実施の形態1にかかる複合機1000のASIC108におけるプリンタ動作時の回転処理について説明する。図15は、プリンタ動作時におけるコントローラ101内の画像データの流れを示す説明図である。
【0127】
実施の形態1にかかる複合機1000は、ASIC127のネットワークインターフェースによってネットワーク上のホストPC(図示せず)に接続されている。このホストPCから原稿ファイルを右90°回転を指定して印刷要求がなされた場合を考える。なお、かかるホストPCからの印刷要求は、PDL(Page Description Language:ページ記述言語)によって記述された印刷命令群である。
【0128】
CPU102は、ASIC127から、ネットワーク受信割り込みを受けて、印刷データを受信する。この印刷データは、NCS1028によって処理される。すなわち、NCS1028によって、受信したデータがプリンタ印刷のためのデータであると判断され、プリンタアプリ1011に受け渡される。プリンタアプリ1011は、受け渡されたデータを解釈して、PDL処理部へデータを渡す。PDL処理部ではデータを順番に処理して、MEM−P104のプリンタ用フレームメモリに描画を行う。描画は、例えば、短冊形にカットされたバンド単位で行ったり、ページ単位で行う。描画が完了したフレームはASIC108の回転器113によって右90°の回転処理が施されて、ローカルメモリMEM−C107に保存される。
【0129】
次に、圧縮伸長器114によって、画像データが圧縮され符号データとしてローカルメモリMEM−C107に転送される。そして、かかる符号データは、ジャムバックアップのために符号データの形式のままHDD112に格納される。
【0130】
次に、圧縮伸長器114によってローカルメモリMEM−C107に格納されている符号データを伸長しながら、ビデオ出力部222のFIFOに格納し、エンジン部110がFIFOに格納された画像データを読み出しまで待機する。すなわち、圧縮伸長器114によって伸長された画像データは、ローカルメモリMEM−C107に書き戻されることなく、エンジン部110のプロッタ126に出力されることになる。
【0131】
CPU102は、画像データの出力準備が完了すると、エンジン部110にこれから出力する画像データを指定して、プロット命令を発行する。エンジン部110は、設定されたモードの状態で、画像データを読み出すために、ASIC108のビデオ出力部222のFIFOアドレスに対してアクセスを行う。これによって、印刷データがプロッタ126から出力される。
【0132】
次に、実施の形態1にかかる複合機1000のASIC108におけるスキャン動作時の回転処理について説明する。図16は、スキャン動作時におけるコントローラ101内の画像データの流れを示す説明図である。
【0133】
スキャナアプリ1014によって提供されるスキャナ機能としては、スキャンした画像を、HDD112に蓄積する機能と、HDD112への蓄積と同時に画像データ受信機能のあるホストPCへ画像を送信する機能がある。
【0134】
スキャナ機能を利用する場合には、ユーザが操作部111の機能切り替えキーの中のスキャナキーを押下することによってメニューが切り替わり、読み取り条件、送信先などの設定が可能になっている。
【0135】
ユーザが原稿をADF(Auto Document Feeder)にセットして、操作部111で蓄積と送信の両方を選択し、かつスキャン画像を右90°回転させる旨の指定をしてスタートキーを押下した場合を考える。
【0136】
スタートキーの入力は、OCS1026経由でスキャナアプリ1014に通知される。スキャナアプリ1014は、ASIC108のビデオ入力部218の設定をユーザの指定したモードに設定し、DMACに起動をかける。その後、スキャン条件をECS1024に通知し、ECS1024は、スキャン条件を受信して、SCS1022、SRM1023、汎用OS1021を経由して、エンジン部110のスキャナ124に対し受信したスキャン条件を設定して、スキャン動作を開始させる。
【0137】
エンジン部110のスキャナ124は原稿を搬送しながら原稿の画像を読み取る。読み取られた画像データは、PCI109を経由して、ASIC108のビデオ入力部218のFIFOに格納される。ASIC108のビデオ入力部218は、FIFOに画像データが入ったことを検知すると画像データをFIFOから読み出して、ローカルメモリMEM−C107の指定されたアドレスに書き込む。この動作を繰り返して、1ページ分の画像が読み終わったら、回転器113によって右90°方向の回転処理を行い、回転処理が施された画像データをローカルメモリMEM−C107に格納する。また、ローカルメモリMEM−C107に格納された回転処理が施された画像データを、HDD112に格納する。
【0138】
ADFにセットされた原稿がなくなるまで、このような読み取り動作と、ローカルメモリMEM−C107およびHDD112への格納を繰り返す。すべての原稿の読み取りが完了し、読み取った画像データのローカルメモリMEM−C107およびHDD112への格納が完了したら、CPU102は、ローカルメモリMEM−C107から画像データの先頭ページのデータを読み出して、読み出した画像データをTIF形式の画像データ(符号データ)に変換し、MEM−P104に書き込む。かかるTIF形式の画像データは、NCS1028によってASIC127のネットワークI/Fを利用して、ネットワークに接続されたホストPC(図示せず)に送信される。
【0139】
次に、実施の形態1にかかる複合機1000のASIC108におけるネットファイルアプリ1015を利用した動作時の回転処理について説明する。図17は、ネットファイルアプリ1015の利用時におけるコントローラ内の画像データの流れを示す説明図である。
【0140】
ネットワークに接続されたホストPCから、HDD112に蓄積された画像データを左90°回転の処理を施した上で取得する場合について考える。ホストPCからHDD112に蓄積された画像データの取得要求があった場合、かかる取得要求をNCS1028によって受信して、NCS1028は取得要求があった旨をネットファイルアプリ1015へ通知する。ネットファイルアプリ1015は、取得要求された画像データをHDD112から取り出し、一旦ローカルメモリMEM−C107に格納する。そして、格納された画像データを回転器113によって左90°の回転処理を施して、再度ローカルメモリMEM−C107に格納する。そして、CPU102によって、ローカルメモリMEM−C107に格納された画像データを、要求されたファイル形式の画像データ(符号データ)に変換して一旦MEM−P104に格納し、変換された画像データをASIC127のネットワークI/Fによって、ネットワークに接続されたホストPCに送信する。
【0141】
このように実施の形態1にかかる複合機1000では、回転器113を、エンジン部110内ではなく、NB103とAGPバス106で接続されたASIC108内に設けたので、画像データの回転処理を高速に行える。このため、白黒またはカラー1ドラムの複合機1000において画像データの回転処理を伴う画像形成処理の性能を向上させることができる。
【0142】
(実施の形態2)
実施の形態1にかかる複合機1000は、エンジン部110が白黒またはカラー1ドラムのプロッタ126であったが、実施の形態2にかかる複合機はエンジン部110にカラー4ドラムのプロッタを利用したものである。
【0143】
実施の形態2にかかる複合機の全体構成は、図1に示した実施の形態1の複合機1000の構成と同様である。図18は、ASIC108の構成を示すブロック図である。図18に示すように、このASIC108は、AGPユニット1829と、コンフィグ(PCI−CONFIG)レジスタ1807と、マスタ(AGP−MASTER)ユニット1806と、ターゲット(PCI−TARGET)ユニット1808と、内部レジスタ1810と、メモリコントローラ1809と、コンフィグ(PCI−CONFIG)レジスタ1823と、マスタ(PCI−MASTER)ユニット1824と、ターゲット(PCI−TARGET)ユニット1826と、PCIユニット1828と、アービタ1812と、PCIアービタ1825と、2個の回転器(ROT1,ROT2)1804,1805と、合成器(EDIT)1803と、HDDコントローラ1813と、2個の圧縮伸長器(CD1,CD2)1815,1816と、4個の伸長器1817a〜d、4個のビデオ出力部1822a〜dとを有している。
【0144】
本実施の形態においても、ASIC108内に回転器(ROT1,ROT2)1804,1805が設けられており、その構成は実施の形態1の回転器204,205と同様である。
【0145】
ビデオ出力部1822a〜dは、カラー4ドラムのプロッタに対応して4個設けられている。ビデオ出力部1822a〜dは、1プレーンを担当するビデオ出力DMAC、SFT、FIFOから構成され、画像の合成、画像のシフトを行えるようになっている。
【0146】
伸長器(D1〜D4)1817a〜dは、圧縮された画像データを伸長するユニットである。各伸長器(D1〜D4)1817a〜dは、ビデオ出力部1822a〜dに接続されているため、圧縮された画像データを伸長しながらエンジン部110に出力できるようになっている。なお、この他の構成は、実施の形態1のASIC108の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0147】
次に、エンジン部110として用いるカラーの4ドラムプロッタについて説明する。図19は、エンジン部110として用いるカラーの4ドラムプロッタの構成を示すブロック図である。各ドラムユニットはそれぞれの色に応じたトナーを有し、物理的な位置に対応して各ユニットが絵を出力する数ライン周期時間前に、必要な画像データをターゲットであるASIC108のメモリ空間のコマンドで指定されたアドレスに読み出しにいく。なお、ここではレーザー駆動部LDB1901、画像処理部1902、画像シフト処理部(SFT)1903、ドラム関係およびDMACをまとめてドラムユニットと呼んでいる。
【0148】
画像処理部1902は、得られたアナログ信号をデジタル信号に変換し、シェーディング補正、MTF補正、γ補正などをおこなう画像処理ユニットであり、SFT1903は、画像のシフトや切り出しをおこなう画像シフトユニットである。
【0149】
各ドラムユニットは、それぞれが各色を担当し、YMCKの画像プレーンを出力する。仮に、紙搬送のトレイに近い側のドラムからYMCKの順番で転写される場合には、Y色のDMACが主走査1ライン分のデータを、ASIC108の指定されたアドレスに読みにいくことになる。
【0150】
このDMACは図中のPCIブロック1904の中に存在し、それは各色分あり、必要なときにアービトレーションされ、順番に色ごとの画像データが転送される。各色の転送単位はバースト単位で、図8に示したタイミングで転送される。しかし、YMCAそれぞれは同期しておらず、必要なタイミングで転送要求を発生する。図8は単色の転送タイミングであり、実際のPCIバス上の転送は、一番込み合っているときでYMCAのバースト転送が交互におこなわれる。
【0151】
次に、エンジン部110として用いるカラースキャナについて説明する。図20は、図1に示したエンジン部110として用いるカラースキャナの構成を示すブロック図である。同図に示すCCD2001は、3色同時に読み込むことのできるカラー用の読み取り素子であり、画像処理部2002は、CCD2001から読み込まれたアナログ信号をデジタル信号に変換し、シェーディング補正、MTF補正、γ補正などをおこなう画像処理ユニットである。
【0152】
SFT2003は、画像のシフトや切り出しをおこなう画像シフトユニットであり、変倍ユニット2004は、拡大/縮小をおこなうユニットであり、色分離ユニット2005は、RGB3色をYMCKの4色に分離するユニットであり、ENC2006〜2009は、多値画像を符号に変換するユニットである。
【0153】
PCIユニット2010は、PCIのバスプロトコルを実行する部分とDMACからなり、画像をコントローラに転送する。また、コントローラからのコマンドをエンジン部110に伝えるユニットである。
【0154】
ホストからの指示あるいはユーザからの操作部111による指示を受けた際に、スキャナ124は、画像を読み取ってコントローラ101のメモリに転送する。メモリは、MEM−C107あるいはMEM−P104を選ぶことができる。コントローラ101はネットワークI/Fなどを通して読み込んだイメージをユーザに届ける。
【0155】
次に、画像の流れを説明する。CCD2001で読みとられるRGBの画像データは、画像処理部2002でアナログ信号からデジタル信号に変換された後に、MTF補正、シェーディング補正およびγ補正をおこない、読み取りエリアの指定領域に対応して画像シフトユニット2003で画像をシフトして切り出し、その後、指定された倍率あるいは解像度に応じて変倍ユニット2004で変換される。
【0156】
色分離ユニット2005で、読み取り要求がRGBの場合はRGBのまま、読み取り要求がYMCKであれば、YMCAに分解されて、コマンドにより符号を要求している場合は符号器で符号に変換され、PCIユニット2010に渡される。PCIユニット2010内には各色に対応したDMACが存在し、読み取りのタイミングに合わせて、PCIバス109を介して画像データをコントローラ101に転送する。なお、コントローラ101は、色毎にデータを受け取ることが可能になっている。
【0157】
以上のように構成されたASIC108を有するコントローラ101を搭載した実施の形態2の複合機によって、コピー、プリント、スキャナの各動作およびネットファイルアプリ1015を利用した動作および回転処理を含む画像データの流れは、実施の形態1の図11〜17で説明した処理および画像データの流れと同様である。
【0158】
このように実施の形態2にかかる複合機では、回転器113を、エンジン部110内ではなく、NB103とAGPバス106で接続されたASIC108内に設けたので、画像データの回転処理を高速に行える。このため、カラー4ドラムの複合機1000において画像データの回転処理を伴う画像形成処理の性能を向上させることができる。
【0159】
なお、実施の形態1および2では、本発明にかかるコントローラを複合機に搭載した例を示したが、これに限られるものではなく、プリンタ装置、コピー装置など画像形成処理を行う他の画像形成装置にも適用することは可能である。
【0160】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1にかかる発明によれば、インターフェースが公開されていないCPUを画像形成装置のコントローラに利用する場合に、円滑な切り替え制御によりCPUとエンジン部とのデータ授受を適切におこなえ、かつスキャナ画像データの回転処理を高速に行えるため、白黒またはカラー1ドラムの画像形成装置において画像データの回転処理を伴う画像形成処理の性能を向上させることができるという効果を奏する。
【0161】
また、請求項2にかかる発明によれば、切替制御の際にスキャナ画像データの回転処理を同じ切替制御部内で行うことができ、スキャナ画像データの回転処理をより高速に行うことができるという効果を奏する。
【0162】
また、請求項3にかかる発明によれば、ハードディスクドライブ単体の性能に縛られることなく、必要に応じてハードディスクの数を増加して、高速な白黒またはカラー1ドラムの画像形成装置に必要なハードディスクドライブの転送速度を得ることができるという効果を奏する。
【0163】
また、請求項4にかかる発明によれば、回転処理が施されたスキャナ画像データをメモリの容量やメモリのバンド幅を有効に使って高速に出力することができ、白黒またはカラー1ドラムの画像形成装置の性能を向上させることができるという効果を奏する。
【0164】
また、請求項5にかかる発明によれば、両面印刷の機能を搭載した場合においても、回転処理が施されたスキャナ画像データをメモリの容量やメモリのバンド幅を有効に使って高速に出力することができ、白黒またはカラー1ドラムの画像形成装置の性能を向上させることができるという効果を奏する。
【0165】
また、請求項6にかかる発明によれば、AGPを介した高速なデータ授受をおこなうことができるという効果を奏する。
【0166】
また、請求項7にかかる発明によれば、エンジン部についての接続形態を変更する必要をなくすことができるという効果を奏する。
【0167】
また、請求項8にかかる発明によれば、インターフェースが公開されていないCPUを画像形成装置のコントローラに利用する場合に、円滑な切り替え制御によりCPUとエンジン部とのデータ授受を適切におこなえ、かつスキャナ画像データの回転処理を高速に行えるため、カラー4ドラムの画像形成装置において画像データの回転処理を伴う画像形成処理の性能を向上させることができるという効果を奏する。
【0168】
また、請求項9にかかる発明によれば、切替制御の際にスキャナ画像データの回転処理を同じ切替制御部内で行うことができ、スキャナ画像データの回転処理をより高速に行うことができるという効果を奏する。
【0169】
また、請求項10にかかる発明によれば、ハードディスクドライブ単体の性能に縛られることなく、必要に応じてハードディスクの数を増加して、カラー4ドラムの画像形成装置に必要なハードディスクドライブの転送速度を得ることができるという効果を奏する。
【0170】
また、請求項11にかかる発明によれば、回転処理が施されたスキャナ画像データをメモリの容量やメモリのバンド幅を有効に使って高速に出力することができ、カラー4ドラムの画像形成装置の性能を向上させることができるという効果を奏する。
【0171】
また、請求項12にかかる発明によれば、両面印刷の機能を搭載した場合においても、回転処理が施されたスキャナ画像データをメモリの容量やメモリのバンド幅を有効に使って高速に出力することができ、カラー4ドラムの画像形成装置の性能を向上させることができるという効果を奏する。
【0172】
また、請求項13にかかる発明によれば、AGPを介した高速なデータ授受をおこなうことができるという効果を奏する。
【0173】
また、請求項14にかかる発明によれば、エンジン部についての接続形態を変更する必要をなくすことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる複合機の全体構成を示す図である。
【図2】実施の形態1にかかる複合機のASICの構成を示すブロック図である。
【図3】PCI−CONFIGの内部構造を説明するための説明図である。
【図4】内部レジスタ上に設けられるDMAC用の空間ベースレジスタを説明するための説明図である。
【図5】PCI、ASICおよびCPUのメモリマップの相互関係を説明するための説明図である。
【図6】エンジン部のPCIMEM空間を説明するための説明図である。
【図7】エンジン部の動作タイミングを説明するための説明図である。
【図8】PCI転送の基本タイミング信号を説明するための説明図である。
【図9】エンジン部のスキャナおよびカラー1ドラムプロッタの構成図である。
【図10】実施の形態1にかかる複合機の機能的構成を示すブロック図である。
【図11】コピー動作時におけるコントローラ内の画像データの流れを示す説明図である。
【図12】スキャナの起動タイミングとローカルメモリMEM−C上での処理の関係を示す説明図である。
【図13】プロッタの起動タイミングとローカルメモリMEM−C上での関係を示す説明図である。
【図14】プロッタの起動タイミングとローカルメモリMEM−C上での別の関係を示す説明図である。
【図15】プリンタ動作時におけるコントローラ内の画像データの流れを示す説明図である。
【図16】スキャン動作時におけるコントローラ内の画像データの流れを示す説明図である。
【図17】ネットファイルアプリの利用時におけるコントローラ内の画像データの流れを示す説明図である。
【図18】実施の形態2にかかる複合機のASICの構成を示すブロック図である。
【図19】実施の形態2にかかる複合機のエンジン部として用いるカラーの4ドラムプロッタの構成を示すブロック図である。
【図20】実施の形態2にかかる複合機のエンジン部として用いるカラースキャナの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 コントローラ
102,120 CPU
103 NB(ノースブリッジ)
104 MEM−P(システムメモリ)
105 SB(サウスブリッジ)
106 AGP
107 MEM−C(ローカルメモリ)
108,121,127 ASIC
109,118 PCI
110 エンジン部
111 操作部
112 HDD
113,204,205,1804,1805 回転器
114,215〜217 圧縮伸長器
115,116 OPTION
117 ROM
118 PCI
119 外部I/F端子
122 画像処理部
123 PCI部
124 スキャナ
126 プロッタ
202 操作部
203,1803 合成器
206,1806 AGP−MASTER
207,223,1807,1823 PCI−CONFIG
208,226,1808,1826 PCI−TARGET
209,1809 メモリコントローラ
210,1810 内部レジスタ
212,1812 アービタ
213,1813 HDDコントローラ
214,1814 HDD外部接続端子
218 ビデオ入力部
219,1819 Direct Access Path
220,1820 セレクタ
222,1822a〜d ビデオ出力部
224,1824 PCI−MASTER
225,1825 PCIアービタ
228,1828 PCIユニット
229,1829 AGPユニット
1817a〜d 伸長器
1000 複合機
1001 白黒ラインプリンタ
1002 カラーラインプリンタ
1003 ハードウェアリソース
1010 ソフトウェア群
1011 プリンタアプリ
1012 コピーアプリ
1013 ファックスアプリ
1014 スキャナアプリ
1015 ネットファイルアプリ
1016 工程検査アプリ
1020 プラットホーム
1021 汎用OS
1022 SCS
1023 SRM
1024 ECS
1025 MCS
1026 OCS
1027 FCS
1028 NCS
1030 アプリケーション

Claims (14)

  1. 画像処理用集積回路を有するコントローラにスキャナ、および白黒プロッタまたは1ドラムのカラープロッタを有するエンジン部およびCPUを接続し、前記CPUの制御の下に画像形成処理をおこなう画像形成装置であって、
    前記コントローラは、
    前記エンジン部を接続するエンジンインターフェース部と、
    前記CPUのチップセット部を接続するチップセットインターフェース部と、
    前記エンジンインターフェース部から入力された前記スキャナで読み込まれたスキャナ画像データを前記プロッタへのプロッタデータとして前記エンジンインターフェース部に出力するか、前記スキャナ画像データを前記チップセットインターフェース部に出力するか、前記チップセットインターフェース部から入力された画像データを前記プロッタへのプロッタデータとして前記エンジンインターフェース部に出力するかを切り替え制御する切替制御部と、
    前記スキャナ画像データを所望の角度に回転させる回転制御部と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記回転制御部は、前記切替制御部の内部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記切替制御部は、画像データの入出力の処理能力に応じて接続するハードディスクドライブの数を増加可能なハードディスク制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に前記スキャナ画像データを出力する際に、前記スキャナ画像データの伸長処理を行う伸長部をさらに備え、
    前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に出力する際に、前記伸長部によって伸長されたスキャナ画像データを、メモリへの出力を行わずに、直接前記エンジンインターフェース部に出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像形成装置。
  5. 前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に前記スキャナ画像データを出力する際に、前記スキャナ画像データの伸長処理を行う伸長部をさらに備え、
    前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に出力する際に、前記スキャナ画像データを、メモリに一旦出力した後に、副走査方向と逆方向から前記エンジンインターフェース部に出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像形成装置。
  6. 前記チップセットインターフェース部は、アクセラレイテッドグラフィックポートであり、前記CPUのチップセットの一部をなすノースブリッジを前記アクセラレイテッドグラフィックポートに接続することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像形成装置。
  7. 前記エンジンインターフェース部は、PCIバスを収容するPCIインターフェースであり、前記エンジン部を前記PCIインターフェースに接続することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の画像形成装置。
  8. 画像処理用集積回路を有するコントローラにスキャナおよび4ドラムのカラープロッタを有するエンジン部およびCPUを接続し、前記CPUの制御の下に画像形成処理をおこなう画像形成装置であって、
    前記コントローラは、
    前記エンジン部を接続するエンジンインターフェース部と、
    前記CPUのチップセット部を接続するチップセットインターフェース部と、
    前記エンジンインターフェース部から入力された前記スキャナで読み込まれたスキャナ画像データを前記プロッタへのプロッタデータとして前記エンジンインターフェース部に出力するか、前記スキャナ画像データを前記チップセットインターフェース部に出力するか、前記チップセットインターフェース部から入力された画像データを前記プロッタへのプロッタデータとして前記エンジンインターフェース部に出力するかを切り替え制御する切替制御部と、
    前記スキャナ画像データを所望の角度に回転させる回転制御部と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記回転制御部は、前記切替制御部の内部に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記切替制御部は、画像データの入出力の処理能力に応じて接続するハードディスクの数を増加可能なハードディスク制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成装置。
  11. 前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に前記スキャナ画像データを出力する際に、前記スキャナ画像データの伸長処理を行う伸長部をさらに備え、
    前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に出力する際に、前記伸長部によって伸長されたスキャナ画像データを、メモリへの出力を行わずに、直接前記エンジンインターフェース部に出力することを特徴とする請求項8〜10のいずれか一つに記載の画像形成装置。
  12. 前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に前記スキャナ画像データを出力する際に、前記スキャナ画像データの伸長処理を行う伸長部をさらに備え、
    前記切替制御部は、前記エンジンインターフェース部に出力する際に、前記スキャナ画像データを、メモリに一旦出力した後に、副走査方向と逆方向から前記エンジンインターフェース部に出力することを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに記載の画像形成装置。
  13. 前記チップセットインターフェース部は、アクセラレイテッドグラフィックポートであり、前記CPUのチップセットの一部をなすノースブリッジを前記アクセラレイテッドグラフィックポートに接続することを特徴とする請求項8〜12のいずれか一つに記載の画像形成装置。
  14. 前記エンジンインターフェース部は、PCIバスを収容するPCIインターフェースであり、前記エンジン部を前記PCIインターフェースに接続することを特徴とする請求項8〜13のいずれか一つに記載の画像形成装置。
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