JP3681518B2 - 電気器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ランプソケットや配線部品等の電気器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来例を図10ないし図12に示す。すなわち、このランプソケットは、外殻100に一対の係止爪101を突出し、これらの係止爪101を取付板103の取付孔102に嵌着して、取付板103にスナップイン取付けするようにしていた(たとえば特公昭63-29392号) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来例は、ソケット取付時、ランプ交換時や照明器具輸送時にランプソケットの外殻100に、図11の矢印のように様々な方向に衝撃力が加わったとき、係止爪101に係止爪101のひねり方向すなわちランプソケットを取付ける際に係止爪101が弾性変形を許容された図12の矢印Aの方向とは異なった矢印Bの方向に加わると、係止爪101が過度に変形して破損する可能性があった。
【0004】
またこの従来例では、係止爪101だけで取付け、位置決め、および移動防止を行なっているため係止爪101が破損するとソケット使用不可能またはランプ落下を起こすおそれがある。
さらにこの係止爪101の構成は係止爪101を形成するための金型が複雑で、金型が部分的に破損しやすい弱い構造になる。
【0005】
したがって、この発明の目的は、係止爪の過変形や破損を防止することができる電気器具を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電気器具は、絶縁性プラスチック製の外殻と、この外殻内に収納されて電線に接続される導電体と、前記外殻に一方向に弾性変形可能に設けられ取付面に形成された取付孔に抜止め係止する係止部を先端に有して前記外殻を前記取付面に取付ける係止爪と、前記取付面に前記外殻を取付ける際の前記係止爪の弾性変形の方向とは異なった方向に、前記係止爪が過変形するのを防止する過変形防止手段とを備え、
前記過変形防止手段は、前記係止爪の先端の係止部以外の部分で、前記係止爪の弾性変形の方向と略直角方向の前記係止爪の両側部を、前記係止爪の弾性変形の方向に弾性変形可能に前記外殻に連結する連結部であり、
前記外殻は周側壁を有し背面側に開口を有するボディと、前記周側壁の内周面に嵌合する周壁を有するカバーからなり、前記連結部は前記周側壁の一部に前記周壁との間に間隙を形成するように外方に膨らませて形成し、前記係止爪を前記連結部より前記カバーの後方に向けて突出したものである。
【0007】
請求項1記載の電気器具によれば、ソケット取付時、ランプ交換時や照明器具輸送時にランプソケットに衝撃力が加わっても、過変形防止手段により係止爪の過変形や破損を防止することができる。
【0008】
また、係止爪の係止部以外の大部分が連結部により外殻に連続しているため、係止爪の弾性変形方向以外の方向の衝撃力が係止爪に加わっても係止爪の過変形や破損を防止することができる。また連結部は係止爪の弾性変形の方向に弾性変形可能であるため、係止爪の弾性変形が阻害されない。また金型が単純な形状にできるため、金型が部分的に破壊し易い構造になることを防止できる。さらに連結部により係止爪が外殻に連続しているため外観がよくなる。
【0009】
請求項2記載の電気器具は、絶縁性プラスチック製の外殻と、この外殻内に収納されて電線に接続される導電体と、前記外殻に一方向に弾性変形可能に設けられ取付面に形成された取付孔に抜止め係止する係止部を先端に有して前記外殻を前記取付面に取付ける係止爪と、前記取付面に前記外殻を取付ける際の前記係止爪の弾性変形の方向とは異なった方向に、前記係止爪が過変形するのを防止する過変形防止手段とを備え、前記係止爪は略基端部のみが前記外殻の前記取付面と反対側に連結されて前記取付面側へ外殻に略沿って突出する状態に設けられ、前記過変形防止手段が、前記外殻に延設されて前記係止爪の先端側の両側に位置して前記係止爪の変形により前記係止爪の先端側が当たる破損防止用の突出部であるものである。
【0010】
請求項2記載の電気器具によれば、係止爪の弾性変形以外の方向に衝撃力が加わっても係止爪の先端側が突出部に衝突すると、それ以上変形できないので、係止爪の過変形や破損を防止することができる。
【0012】
請求項3記載の電気器具は、請求項1または請求項2において、前記外殻が配線部品用である。
請求項3記載の電気器具によれば、請求項1または請求項2と同様な効果がある。
【0013】
請求項4記載の電気器具は、請求項1または請求項2において、前記外殻がランプソケット用である。
請求項4記載の電気器具によれば、請求項1または請求項2と同様な効果のほか、ランプソケットの使用が不可能になることやランプの落下を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施の形態を図1ないし図3により説明する。すなわち、このランプソケットに適用した電気器具は、外殻1と、導電体2と、係止爪3と過変形防止手段7とを有する。
外殻1は絶縁性プラスチック製であり、実施の形態ではランプソケットの外殻を構成するボディ4と、カバー5と、回転子6からなっている。ボディ4は、背面に開口を有する箱形で開口の奥壁となる前面板9に回転子用の丸孔10を形成し、前面板9の一端に側縁部と丸孔10とに連通するランプピン挿通溝11を形成し、前面板10の他端側の周側壁4aに電線挿入穴12、電線解除孔13および係止孔14を形成している。カバー5は、ボディ4の開口に嵌合できる大きさの箱形であり、ボディ4の開口縁に係止するつば15を周壁19の背板25側に形成し、ランプピン挿通溝11の形成部分を逃げる切欠16を周壁19に形成し、丸孔10に整合する位置の背板25に回転子嵌合筒部17を立設している。回転子嵌合筒部17は、割り付きで先端の外周に周溝18を形成しており、その付け根の周囲の背板25に複数の回転子位置決め突部39を突設している。また周壁19の内面に導電体位置決め部20,21を一対ずつ設け、周壁19の電線挿入穴12に整合する電線挿通穴22を形成し、電線解除孔13に整合する電線解錠用挿通孔23を形成し、係止孔14に係止する係合突起24を形成している。回転子6は丸孔10に遊嵌し回転子嵌合筒部17に外嵌する筒部26と丸孔10を塞ぐ円板部27からなっており、円板部27および筒部26にまたがってランプピン挿通溝11に整合する切欠溝28を形成し、筒部26の内周に周溝18に係合する内つば29を形成し、筒部26の先端面に回転子位置決め突部39に位置決め係合する複数の凹部40を凹設している。30は端子接続確認用覗き孔である。
【0015】
導電体2は、外殻1内に収納されて電線に接続されるものである。導電体2は位置決め部20,21に両端が係止する略帯板状をなし、一端に速結端子部32を設け、略中央部にランプピン位置決め凹部36を形成し、ランプピン位置決め凹部36の両側が筒部26の外周に接近している。
係止爪3は、外殻1に一方向に弾性変形可能に設けられ、取付面33に形成された取付孔34に抜止め係止する係止部3aを先端に有して、外殻1を取付面33に取付けるものである。取付面33はたとえば器具本体の一部である。
【0016】
過変形防止手段7は、取付面33に外殻1を取付ける際の係止爪3の弾性変形の方向とは異なった方向に、係止爪3が過変形するのを防止する。実施の形態の過変形防止手段7は、係止爪3の先端の係止部3a以外の部分で、係止爪3の弾性変形の方向Aと略直角方向Bの係止爪3の両側部を、係止爪3の弾性変形の方向に弾性変形可能に外殻1に連結する連結部としている。さらにこの点を詳述すると、従来は係止爪3の根元だけが外殻1に一体に連結されていたが、この実施の形態では図3からも明らかなように、外殻1のボディ4の周側壁4aの一部を外方に山形に膨らませた連結部を形成し、係止部3a以外の係止爪3の側部を、その頂部で一体に連結している。このようにすることにより、連結部を係止爪3の弾性変形の方向Aに弾性変形可能にするとともにカバー5の周壁19との間に間隙38を形成して、係止爪3が係脱する方向の弾性変形を阻害しないようにしている。
【0017】
この電気器具の組立について説明する。カバー5の位置決め部20,21内に導電体2を位置決めする。ボディ4をカバー5に被せ、係合突起24に係止孔14を係止する。回転子6を丸孔10より挿入し、筒部26を筒部17に嵌合し内つば29を周溝18に係止する。つぎに係止爪3を取付孔34に挿入し係止部3aを孔縁に抜止め係止する。これによりカバー5の背板25が取付面33に押付けられ、係合突起24と併せてボディ4とカバー5の結合が維持される。電線挿入孔12より電線を挿入すると電線挿通孔22を通して速結端子部32に速結され接続される。ランプピンをランプピン挿入溝11を通して切欠溝28に通しランプを回転することによりランプピンにより回転子6を回転し、これによりランプピンを導電体2のランプピン位置決め凹部36に位置決めして電気的機械的な接続状態となる。
【0018】
第1の実施の形態によれば、ソケット取付時、ランプ交換時や照明器具輸送時にランプソケットに衝撃力が加わっても、過変形防止手段7により係止爪3の過変形や破損を防止することができる。
また係止爪3の係止部3a以外の大部分が過変形防止手段7である連結部により外殻1に連続しているため、係止爪3の弾性変形方向以外の方向の衝撃力が係止爪3に加わっても係止爪3の過変形や破損を防止することができる。また連結部は係止爪3の弾性変形の方向に弾性変形可能であるため、係止爪3の弾性変形が阻害されない。また金型が単純な形状にできるため、金型が部分的に破壊し易い構造になることを防止できる。さらに連結部により係止爪3が外殻1に連続しているため外観がよくなる。
【0019】
この発明の第2の実施の形態を図4に示す。すなわち、この電気器具は、第1の実施の形態が係止部3aの向きを外殻1と離れる方向に突出しているのに対して、第2の実施の形態では係止部3aを外殻1に接近する側に突出したものである。その他は第1の実施の形態と同様である。
この発明の第3の実施の形態を図5および図6に示す。すなわち、この電気器具は、係止爪3は略基端部のみが外殻1の取付面33と反対側に連結されて取付面33側へ外殻1に略沿って突出する状態に設けられている。この点は従来例とほぼ同様である。また過変形防止手段7は、外殻1に延設されて係止爪3の先端側の両側に位置して係止爪3の変形により係止爪3の先端側が当たる破損防止用の突出部としている。実施の形態では突出部をカバー5のつば15より突出している。
【0020】
第3の実施の形態によれば、係止爪3の弾性変形以外の方向に衝撃力が加わっても係止爪3の先端側が過変形防止手段7である突出部に衝突すると、それ以上変形できないので、係止爪3の過変形や破損を防止することができる。その他は第1の実施の形態と同様である。
この発明の第4の実施の形態を図7ないし図9に示す。すなわち、この電気器具は、係止爪3は略基端部のみが外殻1の取付面33と反対側に連結されて取付面33側へ外殻1に略沿って突出する状態に設けられている。この点は従来例と同様である。
【0021】
また過変形防止手段7は、係止爪3と別に設けられた外殻1の位置決め手段としている。実施の形態では、取付面33に板状の位置決め用突部45および位置決め用の孔46を形成し、カバー5の背板25に位置決め用突部45に嵌合する凹部47を形成するとともに孔46に嵌合する筒状の位置決め突起48を突設している。またボディ4には凹部47に整合する凹部47′を筒状部49内に形成している。この場合、取付孔34は係止爪3よりも大きく形成されて取付孔34の一孔縁部に係止させるもので、係止爪3を取付孔34に係止した状態で、係止爪3の過変形を防止する方向の両側において、係止爪3と取付孔34の間に間隙44が設けられるように、位置決め手段により外殻1を位置決めしている。
【0022】
第4の実施の形態によれば、係止爪3の弾性変形以外の方向に外殻に衝撃力が加わっても外殻1は位置決め手段により位置決めされているため、外殻1は移動しない。このため、係止爪3の過変形や破損を防止することができる。
また取付孔34は係止爪3の両側に間隙44を形成しているため、ランプソケットが係止爪3が過変形する方向に移動することがあっても、間隙44により吸収できるので、係止爪3の過変形や破損がより一層確実に防止できる。
【0023】
その他は第1の実施の形態と同様である。
なお、この発明の電気器具は、ランプソケットのほか、配線部品にも適用することができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1記載の電気器具によれば、ソケット取付時、ランプ交換時や照明器具輸送時にランプソケットに衝撃力が加わっても、過変形防止手段により係止爪の過変形や破損を防止することができる。
また、係止爪の係止部以外の大部分が連結部により外殻に連続しているため、係止爪の弾性変形方向以外の方向の衝撃力が係止爪に加わっても係止爪の過変形や破損を防止することができる。また連結部は係止爪の弾性変形の方向に弾性変形可能であるため、係止爪の弾性変形が阻害されない。また金型が単純な形状にできるため、金型が部分的に破壊し易い構造になることを防止できる。さらに連結部により係止爪が外殻に連続しているため外観がよくなる。
【0025】
請求項2記載の電気器具によれば、係止爪の弾性変形以外の方向に衝撃力が加わっても係止爪の先端側が突出部に衝突すると、それ以上変形できないので、係止爪の過変形や破損を防止することができる。
【0026】
請求項3記載の電気器具によれば、請求項1または請求項2と同様な効果がある。
請求項4記載の電気器具によれば、請求項1または請求項2と同様な効果のほか、ランプソケットの使用が不可能になることやランプの落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態のランプソケットの分解斜視図である。
【図2】組立状態のランプソケットの斜視図である。
【図3】図1と反対向きにみた分解斜視図である。
【図4】第2の実施の形態の部分斜視図である。
【図5】第3の実施の形態の斜視図である。
【図6】その分解斜視図である。
【図7】第4の実施の形態の斜視図である。
【図8】その分解斜視図である。
【図9】そのランプソケットを取付面に取付けた状態の背面図である。
【図10】従来例のランプソケットの外殻の一部の斜視図である。
【図11】取付板に取付けた状態の背面図である。
【図12】その部分拡大図である。
【符号の説明】
1 外殻
2 導電体
3 係止爪
3a 係止部
7 過変形防止手段
33 取付面
34 取付孔
44 間隙
45 位置決め用突部
46 位置決め用の孔
47 位置決め用の凹部
48 位置決め突起
Claims (4)
- 絶縁性プラスチック製の外殻と、この外殻内に収納されて電線に接続される導電体と、前記外殻に一方向に弾性変形可能に設けられ取付面に形成された取付孔に抜止め係止する係止部を先端に有して前記外殻を前記取付面に取付ける係止爪と、前記取付面に前記外殻を取付ける際の前記係止爪の弾性変形の方向とは異なった方向に、前記係止爪が過変形するのを防止する過変形防止手段とを備え、
前記過変形防止手段は、前記係止爪の先端の係止部以外の部分で、前記係止爪の弾性変形の方向と略直角方向の前記係止爪の両側部を、前記係止爪の弾性変形の方向に弾性変形可能に前記外殻に連結する連結部であり、
前記外殻は周側壁を有し背面側に開口を有するボディと、前記周側壁の内周面に嵌合する周壁を有するカバーからなり、前記連結部は前記周側壁の一部に前記周壁との間に間隙を形成するように外方に膨らませて形成し、前記係止爪を前記連結部より前記カバーの後方に向けて突出した電気器具。 - 絶縁性プラスチック製の外殻と、この外殻内に収納されて電線に接続される導電体と、前記外殻に一方向に弾性変形可能に設けられ取付面に形成された取付孔に抜止め係止する係止部を先端に有して前記外殻を前記取付面に取付ける係止爪と、前記取付面に前記外殻を取付ける際の前記係止爪の弾性変形の方向とは異なった方向に、前記係止爪が過変形するのを防止する過変形防止手段とを備え、前記係止爪は略基端部のみが前記外殻の前記取付面と反対側に連結されて前記取付面側へ外殻に略沿って突出する状態に設けられ、前記過変形防止手段が、前記外殻に延設されて前記係止爪の先端側の両側に位置して前記係止爪の変形により前記係止爪の先端側が当たる破損防止用の突出部である電気器具。
- 前記外殻は配線部品用である請求項1または請求項2記載の電気器具。
- 前記外殻はランプソケット用である請求項1または請求項2記載の電気器具。
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JP2011258344A (ja) * | 2010-06-07 | 2011-12-22 | Mitsubishi Electric Corp | 防水型ランプソケット及びこの防水型ランプソケットを用いた照明器具 |
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1997
- 1997-09-17 JP JP25171997A patent/JP3681518B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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