JP2899530B2 - 天井直付け照明器具の取付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、天井直付け照明器具の
取付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、天井面に取着された引掛シーリン
グコンセントの下面に弧状の栓刃挿入口が形成され、引
掛プラグの平面略四角形のボディの上面に栓刃が突設さ
れ、引掛プラグはロック部と押釦とバネ部とを一体成形
したストッパを備え、栓刃が栓刃挿入口に導入された位
置でロック部が栓刃挿入口に挿入されて引掛シーリング
コンセントからボディを外す回転が阻止され、引掛シー
リングコンセントからボディを外す回転の向きと押釦に
応力を作用させる向きとを一致させ、引掛プラグの脱落
を防止すると共に、取り外し操作を１動作で容易に行え
るようにした引掛プラグのロック構造が特公平５−５０
１１２号として提案されている。

【０００３】このものを用いて、吊り下げ型の照明器具
を取付けるときは、引掛プラグから延びるコードの先端
に器具本体を取付けるので、引掛プラグの形状に関係な
く比較的簡単に器具の取り付けを行うことができる。し
かし、直付け型の照明器具の場合は、天井面に非常に接
近しているので、天井面から突出する引掛プラグを器具
本体の上面に形成された孔に嵌合し、引掛プラグの外側
面に設けられた係合部と器具本体の孔の内周に設けられ
た係合部とを雌雄係合するか、又は、ボルト等の固定具
を用いて器具本体を固定している。

【０００４】従って、器具本体を引掛プラグに対して正
確な取り付け位置に配置しないと、上記従来のもののよ
うに平面四角形の引掛プラグを四角形の孔に挿入するこ
とができず、また、係合部同志を係合することも、或い
はボルトを螺合することも不可能であるが、上を向いて
器具本体を手で支えながら位置合わせをし、取り付け作
業を行うことは非常に困難である。

【０００５】さらに、引っ掛けシーリングに引っ掛けら
れ、外周面に周溝状の第１の係止段部及び第２の係止段
部を有する円板状の取付具と、第１の係止段部及び第２
の係止段部の一方に係脱自在に係止する１対の係止部を
有し、器具本体に取り付けられた係止具と、第１の係止
段部に係脱自在に係合するクリップとを備えた照明器具
取付装置が実開平７−２７０１７号公報に開示されてい
る。 これによれば、取付具が円形なので器具本体をどの
向きに配置しても取付具と係止具とを係止させることが
でき、天井面からの取付具の突出高さに応じて、第１の
係止段部及び第２の係止段部のいずれにも係止部を係止
することができる。 しかし、このものは、取付具の外周
全長に亘って２段の係止段部を形成しなければならない
ので加工が面倒であり、係止部を上方の第２の係止段部
に係止した時に、不要な第１の係止段部が露出して体裁
が悪いため、これを塞ぐのに別体のクリップが必要とな
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、器具本体を
平面方向においてどの向きに配置しても簡単に上アダプ
ターに装着することができ、着脱が容易であり、シーリ
ングコンセントが埋込型の場合にも露出型の場合にも対
応でき、しかも加工しやすく、特に隠蔽しなくても段部
が露出せず体裁が良い天井直付け照明器具の取付装置を
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の天井直付け照明
器具の取付装置は、上記課題を達成するために、天井面
に固定されるシーリングコンセントに平面円形の上アダ
プターを着脱可能に取り付けると共に、上面が前記シー
リングコンセントに対接する器具本体の天板に下アダプ
ターを取り付け、該下アダプターに前記上アダプターを
嵌合する円形孔を形成し、前記上アダプターの外周にそ
の全長に亘って段部を形成し、前記下アダプターの円形
孔の内周の複数箇所に係止爪を出没可能に設けると共
に、該係止爪の先端に前記段部に着脱可能に且つ択一的
に係合する上下２段の段部係止部を形成する。

【０００８】また、係止爪が、径方向に摺動自在に取り
付けられると共に、バネによって中心方向に付勢され、
且つ、係止爪を摺動操作するレバーを有し、前記段部係
止部の先端面が上方奥向きに傾斜することは望ましい。

【０００９】上アダプター及びこれを嵌合する孔を平面
円形としたことによって、器具本体の水平方向の向きに
関係なく上アダプターが下アダプターの円形孔に嵌合さ
れ、上アダプターの外周に段部を周方向に沿って形成す
ると共に、下アダプターの円形孔の内周に複数の係止爪
を設けたことにより、係止爪が周方向の任意の位置で段
部に係止される。さらに、係止爪に上下２段の段部係止
部を形成したことにより、シーリングコンセントが埋込
型か露出型かによって天井面からの距離が異なる２タイ
プの上アダプターに下アダプターを係合でき、しかも、
２段の段部係止部を下アダプターとは別部材の小さい係
止爪に形成するだけで済む。

【００１０】また、係止爪が、径方向に摺動自在に取り
付けられて円形孔の中心方向に付勢され、且つ、係止爪
の段部係止部の先端側面が上方奥向きに傾斜されたこと
により、上アダプターと下アダプターの円形孔とを一致
させて器具本体を下から押し上げるだけで、段部に押圧
されて係止爪が一旦後退した後付勢力によって再度突出
し、この結果自動的に段部と係止爪とが係合される。さ
らに、係止爪のレバーを持って係止爪を摺動させ後退さ
せるだけで段部と係止爪とが外れ、器具本体が上アダプ
ターから取り外される。

【００１１】

【実施例】図１は第１の実施例を示し、照明器具Ａは天
井面１に固定されたシーリングコンセント２に取付けら
れており、シーリングコンセント２に着脱可能に取り付
けられる上アダプター４と、上面が天井面１すなわちシ
ーリングコンセント２に対接し、且つ上アダプター４に
支持される器具本体８と、器具本体８の上面に設けられ
て上アダプター４に係合される下アダプター９とを備え
る。シーリングコンセント２の下面には弧状の挿入口１
２が一対設けられ、挿入口１２の一端部に幅広部１３が
形成され、挿入口１２の幅狭部１４の奥に図示しない接
続端子が配設されている。

【００１２】上アダプター４は平面円形に構成され、図
２及び３に示すように、その上面にシーリングコンセン
ト２の挿入口１２に差し込まれる先端が鍵形の端子板３
が一対突設されている。そして、この端子板３をシーリ
ングコンセント２の挿入口１２の幅広部１３に挿入した
後上アダプター４を回転させると、端子板３が挿入口１
２の幅狭部１４に沿って移動し、シーリングコンセント
２の接続端子と端子板３が電気的及び機械的に接続され
て、上アダプター４がシーリングコンセント２に取付け
られるようになっている。

【００１３】また、図４に示すように、上アダプター４
の下面から端子板３に接続されるコード１５が延出され
ると共に、図１に示すようにコード１５の先端に一方の
コネクタ６が取付けられている。さらに、図３に示すよ
うに、上アダプター４の外周面下部寄りにフランジ１６
が形成されると共に、該フランジ１６の上面に平坦な段
部１７が周方向全長に亘って形成されており、外周面の
一部にシーリングコンセント２の接続端子と端子板３と
のロックを解除操作する押しボタン５が設けられ、押し
ボタン５を押し下げて上アダプター４を回動すると、端
子板３が挿入口１２の幅広部１３に達して上アダプター
４をシーリングコンセント２から外せるようになってい
る。

【００１４】器具本体８には図示しない光源が設けら
れ、器具本体８の上面には、図１に示すように、光源に
接続されるコード１５´が設けられると共に、コード１
５´の先端に上アダプター４の一方のコネクタ６と着脱
自在に係合する他方のコネクタ７が装着されている。ま
た、器具本体８の天板の中央部に上アダプター４を挿入
するための孔が穿設され、該孔と一致するように下アダ
プター９が取付けられている。

【００１５】下アダプター９は、図６に示すように、器
具本体８の天板に重合される取り付け平板１８とその下
面に装着される突出部１９とを有し、図５に示すよう
に、取り付け平板１８及び突出部１９の中央に器具本体
８の天板中央に穿設された孔と対応する円形孔２０が穿
設されている。また、突出部１９には、図７に示すよう
に、下アダプター９の直径に沿って一対のガイド空間２
１が円形孔２０を挟んで対向するように形成され、突出
部１９の径方向両端部に中空凸部２４がそれぞれ突設さ
れている。

【００１６】中空凸部２４は断面略Ｌ形の別体の部材で
あって、下アダプター９のガイド空間２１を延長するよ
うに取り付けられ、このガイド空間２１内にバネ２２が
配設されると共に、バネ２２の一端が中空凸部２４の外
側壁に当接されている。 また、ガイド空間２１内におい
てバネ２２の内側にそれぞれ係止爪１０が径方向に摺動
自在に嵌合され、この係止爪１０はバネ２２に押圧され
て中心方向に付勢されている。

【００１７】係止爪１０は、その内周側上部に設けられ
て上アダプター４の段部１７に係合する上下２段の段部
係止部２３，２３´と、下面に突設されたレバー１１と
を有する。段部係止部２３，２３´の先端側面は、下ア
ダプター９を上アダプター４に係止させる時に段部１７
が接近する側すなわち上側が奥向き（外周方向）に傾斜
されており、常態において係止爪１０がバネ２２で押圧
されている場合は、段部係止部２３が円形孔２０の内周
面より内側に突出されている。また、突出部１９の底面
にその外部とガイド空間２１とを連通するガイド孔２５
が穿設され、係止爪１０のレバー１１がガイド孔２５を
通って下アダプター９の下方に突出されている。そし
て、レバー１１を摘んで外周方向に動かすことにより係
止爪１０がバネ２２の付勢力に抗して奥側に摺動し、こ
の結果、段部係止部２３が下アダプター９の内部に退去
するようになっている。

【００１８】照明器具Ａは次のように取り付けられる。
上アダプター４の一方のコネクタ６と器具本体８の他方
のコネクタ７とを接続し、上アダプター４の端子板３を
天井面１に取付けられたシーリングコンセント２の挿入
口１２の幅広部１４に挿入した後、上アダプター４を回
転させて上アダプター４をシーリングコンセント２に取
付ける。

【００１９】次いで、下アダプター９の円形孔２０と上
アダプター４とを一致させて器具本体８を押し上げる
と、下アダプター９の係止爪１０の段部係止部２３に上
アダプター４の段部１７が上方から接近し、段部係止部
２３の先端側面が段部１７に押されて係止爪１０が下ア
ダプター９の突出部１９内に後退する。そして、段部１
７が段部係止部２３より下方に通過すると、係止爪１０
がバネ２２に押されて再度内周方向に移動し、この結
果、係止爪１０の段部係止部２３が段部１７に係合され
て器具本体８が上アダプター４に取付けられる。

【００２０】シーリングコンセント２が埋め込み型の場
合は、図８に示すように、上アダプター４の段部１７が
係止爪１０の上の段部係止部２３に係合した位置で停止
させる。また、シーリングコンセント２が露出型の場合
は、図９に示すように、上アダプター４の段部１７が係
止爪１０の上の段部係止部２３に係合した後さらに器具
本体８を上昇させ、係止爪１０の下の段部係止部２３´
を段部１７に係合させる。

【００２１】光源を交換する場合などに器具本体８を外
すには、係止爪１０のレバー１１を指で摘んでガイド孔
２５に沿って外周方向にスライドさせると、係止爪１０
がバネ２２を圧縮して段部係止部２３が下アダプター９
の内部に後退し、段部係止部２３と段部１７との係合が
外れて器具本体８が上アダプター４から外れる。上アダ
プター４を外す場合は、押しボタン５を押し下げて上ア
ダプター４を取り付けの際と逆に回動し、端子板３が挿
入口１２の幅広部１３に達したら上アダプター４をシー
リングコンセント２から引き抜けば良い。

【００２２】

【発明の効果】本発明の天井直付け照明器具の取付装置
によれば、天井面に取り付けられたシーリングコンセン
トに小型で扱いやすい上アダプターを取付けた後、上ア
ダプターを下アダプターの円形孔に一致させて器具本体
を押し上げると、下アダプターの係止爪が上アダプター
の段部に任意の位置で係止されるので、上アダプターと
器具本体とを厳密に位置合わせする必要が無く、このた
め、器具本体をその水平方向における向きに関係なく簡
単に天井面に直付けすることができる。

【００２３】また、上アダプターを埋込型及び露出型の
いずれのシーリングコンセントに取り付けた場合にも、
下アダプターを係合することが可能である。 さらに、下
アダプタとは別部材の小さい係止爪に２段の段部係止部
を形成すれば良いため、上アダプターの外周囲全長に亘
って２段の段部を形成したものに比べて加工が簡単であ
り、しかも、不要な段部が外部に露出しないので、これ
を特に隠蔽する必要が無く、体裁も良い。

【００２４】また、係止爪を径方向に摺動自在に取り付
けると共に、バネによって段部係止方向に付勢し、係止
爪に先端側面が段部接近側奥向きに傾斜された段部係止
部と、係止爪を摺動操作するレバーとを設ければ、器具
本体を押し上げるだけで自動的に係止爪の段部係止部が
段部に係合されるので、器具本体の取り付けがいっそう
簡単となり、レバーを摘んで係止爪を動かすだけで容易
に器具本体を上アダプターから取り外すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す天井直付け照明器具の取
付装置の分解斜視図

【図２】本発明の実施例に係る上アダプターの上面図

【図３】同上の側面図

【図４】同上の下面図

【図５】本発明の実施例に係る下アダプターの上面図

【図６】同上の下面図

【図７】同上の一部破断側面図

【図８】埋込型シーリングコンセントに取付けた天井直
付け照明器具の取付装置の一部破断側面図

【図９】露出型シーリングコンセントに取付けた天井直
付け照明器具の取付装置の一部破断側面図

【符号の説明】

Ａ 照明器具 １ 天井面 ２ シーリングコンセント ３ 端子板 ４ 上アダプター ５ 押しボタン ６ 一方のコネクタ ７ 他方のコネクタ ８ 器具本体 ９ 下アダプター １０ 係止爪 １１ レバー １２ 挿入口 １３ 幅広部 １４ 幅狭部 １５，１５´ コード １６ フランジ １７ 段部 １８ 取り付け板 １９ 突出部 ２０ 円形孔 ２１ ガイド空間 ２２ バネ ２３，２３´ 段部係止部 ２４ 中空凸部 ２５ ガイド孔

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井面に固定されるシーリングコンセン
   トに平面円形の上アダプターを着脱可能に取り付けると
   共に、上面が前記シーリングコンセントに対接する器具
   本体の天板に下アダプターを取り付け、該下アダプター
   に前記上アダプターを嵌合する円形孔を形成し、前記上
   アダプターの外周にその全長に亘って段部を形成し、前
   記下アダプターの円形孔の内周の複数箇所に係止爪を出
   没可能に設けると共に、該係止爪の先端に前記段部に着
   脱可能に且つ択一的に係合する上下２段の段部係止部を
   形成したことを特徴とする天井直付け照明器具の取付装
   置。
2. 【請求項２】 前記係止爪が、径方向に摺動自在に取り
   付けられると共に、バネによって中心方向に付勢され、
   且つ、係止爪を摺動操作するレバーを有し、前記段部係
   止部の先端面が上方奥向きに傾斜した請求項１に記載さ
   れた天井直付け照明器具の取付装置。