JP3680936B2 - 燃料改質器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料改質器に関し、特に燃料電池用改質器に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタンやメタノール等の燃料と水(水蒸気)から水素および二酸化炭素を生成する燃料改質装置は、燃料電池に燃料ガスを供給するための装置として知られている。燃料電池は、水素を含有する燃料ガスを陰極側に供給され、酸素を含有する酸化ガスを陽極側に供給されて、両極で生じる電気化学反応により起電力が得られる。
【0003】
これらの燃料電池用の燃料改質器は従来、改質反応用充填層型反応器、反応加熱用燃焼装置、一酸化炭素転換器の構成を取るのが通常であり、燃料電池本体に比して大きく、大重量である。このような燃料電池の開発は近年、急進展しているが、移動体用のみならず改質器にはもっと小型、軽量で、量産化が容易な簡易な構造が必要とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は従来よりも小型軽量化が可能で、量産化が容易な簡易な構造の改質器を得るために種々の検討を行ない本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、燃料と水蒸気から水素を製造する燃料改質器であって、燃料を水蒸気改質して水素を製造する平板形燃料改質触媒層、該水蒸気改質により生成する水素を主成分とするガスから水素を選択的に透過する平板形水素透過膜、該透過膜を透過した水素中に一酸化炭素が含まれる場合にはその一酸化炭素をメタンに転換する平板形一酸化炭素転換触媒層、ならびに次の段の水蒸気改質により生成する水素を主成分とするガスから水素を選択的に透過する平板形水素透過膜を繰返し単位として多段に積層された構造を有してなり;燃料改質触媒層および/または一酸化炭素転換触媒層の平板形は、平板形の非多孔質金属基材に触媒が担持されており;そして該非多孔質金属基材の触媒担持部分の周囲部分は積層時の接着部位となり、かつガス流を確保するスぺーサとなる一体型構造を構成する、ことを特徴とする燃料改質器にある。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、改質される燃料は、メタン、天然ガス等のメタン含有ガス、ガソリン、ナフサ、軽油およびLPガス等の炭化水素類ならびにメタノールが一般的であるが、以下の説明ではメタノール水蒸気改質器を例に説明する。メタノール水蒸気改質は以下の吸熱反応で進む。
【0007】
CH3OH+H2O→3H2+CO2 ΔH=+49.9kJ/mol (1)
実際には下記の逐次反応を経由して進行する。そして、COが中間体として発生する。
【0008】
CH3OH→2H2+CO (2)
CO+H2O→H2+CO2 (3)
以下、図面とともに本発明を詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明改質器構成の概略図を示す。本改質器は,平板形燃料改質触媒層1、平板形水素透過膜2、平板形一酸化炭素転換触媒層3、ならびに平板形水素透過膜2を繰返し単位として多段に積層された構造を有してなり、プレート形熱交換器と同様な流路構造を持つ。2つの触媒層は表面積を増加させるためにいずれも起伏化処理されているのが好適である。起伏化加工としては、たとえば網目、すのこ、櫛もしくは多孔状が挙げられる。燃料改質触媒層および/または一酸化炭素転換触媒層の平板形は、平板形の基材に触媒が担持されているのが好適である。平板(プレート)は円筒形(全周でなくてもよい)に積層されていてもよい。改質触媒としては特に制限されず、通常、常法により基材を表面処理し、ついでパラジウム、ニッケル等の金属触媒が担持される。一酸化炭素転換触媒層としては前記の改質触媒と同一のものであってもよい。基材としてはアルミニウム、ステンレス鋼もしくは銅等の金属基材であるのが好適である。これにより、熱伝導度を高くしうるので、触媒面の温度が均一に保持され、ホットスポットが発生しにくく、均一で安定した反応性能が得られる。たとえば、アルミニウムを用いる場合には、触媒担持部分が陽極酸化され、かつその周囲部分は積層時の接着部位となり、かつガス流を確保するスぺーサとなる一体型構造を構成するのが特に好ましい。一方、水素透過膜は金属もしくはセラミックから構成されるのが好適である。金属としては、パラジウム合金等を基材としたものが振動耐久性、触媒の金属基材との接合性、および加工性の点から好適であるが、外周部を別の金属、たとえばアルミニウムとし、透過膜部との間を溶接等により接合することもできる。一方、セラミックとしてはたとえばアルミナおよびチタニア等の酸化物、ならびに多孔質シリカガラスたとえばコーニング社製「バイコール」(商標)ガラス等が挙げられる。
【0010】
上記の繰返し単位の積層に際しては、所要水素製造量に応じて適宜、層の多段化、広面積化することができる。
【0011】
本改質器をプレート式熱交換器と比較すると、透過膜が熱交換板に対応し、原料気体流路が熱交換板片面の流路、回収水素流路が他方の流路となる。原料気体流路側にスペーサ一体型起伏化プレート触媒(すなわち、平板形燃料改質触媒層)を設置する。ここでスペーサとはプレート式熱交換器において熱交換板の両面の流路を確保するためのフランジ状のガスケットを指す。原料ガスは触媒面で反応を行なう。回収水素側にもスペーサ一体型起伏化プレート触媒(すなわち、平板形一酸化炭素転換触媒層)を設置する。原料側に対し、回収側は負圧になるので、回収側触媒層は分離膜の保持と流路確保の役も同時に果たす。図1中、装置左側面より原料を供給すると、原料側触媒面で改質反応が進行し、透過膜を通して生成した水素は回収側に分離、移動する。その際の反応熱は下記の部分酸化発熱反応により自力的に供給されうる(すなわち、外部加熱機構を省略しうる)。
【0012】
CH3OH+1/2O2→2H2+CO2 ΔH=−193kJ/mol(4)
すなわち、原料メタノールの幾分かを酸化反応させその反応熱を吸熱反応(1)に供給する。酸素供給量により酸化反応度を操作することで反応層の起動、温度維持がされる。
【0013】
部分酸化反応を含む改質反応は、
CH3OH+1/2xO2+(1−x)H2O→(3−x)H2+CO2 (5)
で示される。ここで係数xは部分酸化反応に用いられるメタノールの割合を示す。
【0014】
水素回収側では回収された水素に少量の一酸化炭素が含有される可能性がある。このCOは下流での燃料電池触媒に毒となる。そこで回収側触媒では以下のメタン化反応で、COをメタンにし無毒化する。
【0015】
CO+3H2→CH4+H2O (6)
層各段で同様の機構が進み、最終的に左側面から精製水素とCO2を主成分とするオフガスが別個に流出する。
【0016】
図2に改質器内の詳細と流路構成の例を示す((a)〜(e))。この図は図1中の区間Aの構造に相当する。起伏化プレート改質触媒(a)上部から原料であるメタノール、水、酸素が供給され、このプレート触媒を通過し、その際改質反応が進行する。また、部分酸化反応を併行して進行させ、その反応熱を改質反応に活用できる。発生した水素は逐次水素透過膜(b)を経て回収側流路に移動する。回収水素中の一酸化炭素は回収側の起伏化プレート一酸化炭素転換触媒(c)の触媒面9にてメタン化し、無害化する。水素に同伴される一酸化炭素が十分に低濃度の場合にこの転換触媒機能は結果的に不要であるが、この場合、この触媒層は改質側に対して負圧である回収側の流路確保のための補強材の役割を果たすことになる。精製された水素は上下流路から出口へ移動する。水素透過膜(d)においては、次段のプレート改質触媒(e)の触媒面9で生成する、水素を主成分とするガスが図示の方向で通過する。また原料流路下流ではCO2のみが残り、オフガスとして出口から排出される。
【0017】
図3((a)〜(c))は各層の構成を示し、4は外周部、5は空間、6は原料ガス流路、7は回収水素流路、8はオフガス流路、9は触媒面および10は水素透過面である。原料気体側膜には例えばアルミニウムを基材に用いれば、気体接触面をアルミニウム陽極酸化した後に触媒を担持し、積層時接着に必要な外周部分4(スぺーサ、ガスケット部)は初期アルミニウム状態に保つことで、スペーサと触媒が一体となった構成とされている。基材は任意に加工できるので、流量、触媒活性に応じた形状、例えば上記の網目状、すのこ状、櫛状、もしくは多孔状等の起伏化加工した形としうる。たとえばアルミニウム等の金属基材に触媒を担持することにより以下の利点を得る。すなわち、(1)基材の高い熱伝導性により触媒面の温度が均一になり、充填層触媒で見られるホットスポット現象が回避でき、反応が均質的に安定に進行する。(2)触媒面9を起伏形状に加工することで、触媒面近傍での反応ガスの流れが乱流となり、ガス−触媒面の物質・熱伝達が促進されるため見かけ反応活性が向上する。(3)水素透過膜により水素を逐次分離することで、触媒面での反応非平衡状態が下流まで維持されるため、改質反応がより進行し水素収率が向上する。そして(4)反応が向上するために、反応温度、反応圧力をより環境条件に近い穏やかな条件で進めることができ(したがって、従来高温を必要としている大きい分子量の有機化合物、たとえば灯油、ガソリン等、の改質反応の促進および低温化が期待できる。)、(5)装置の熱、機械的負担が軽減され、装置が簡単になり、低コストが期待できる。
【0018】
上記のように、回収側も原料側と同様な構成を持つスペーサ一体型触媒を配置し、この触媒面にてCOをメタン化し無毒化する。図3は各気体の流れを示す。各ガスの各触媒層、透過膜との接触時間が重要な設計要件となる。ここで必要な接触時間を確保するため、各膜の位置関係をa,b,c,d[m]で示した。この距離は反応条件、触媒、膜性能に依存する。距離aは初期原料が水素化するのに必要な距離、距離bは改質反応で生成した水素が膜分離されるのに必要な距離、cおよびdは回収水素ガス中の微量COをメタン化し無毒化するのに必要な距離である。これらの距離関係はあくまでも例示であり、流路を蛇行させるなどで、接触時間を変化させることで、この距離関係は変化する。
【0019】
図4〜7に往復流路式プレート型非平衡改質器を示す。これは図1〜3での改質器(基本型)の応用型である。目的は同じ原料を用いた同じ改質反応である。上記の基本型においては反応ガスが一方向に一度反応面を通過するのに対し、この応用型では反応ガスが触媒反応面の表裏両面を往復し通過することが要点である。この結果、部分酸化反応熱をプレート表裏両面に伝達でき、プレート触媒面全域でその熱を用いて改質反応を効率よく進行できる。図4にその概略を示す。積層は上記の基本型と同じくプレート積層型であり、(1)原料気体流路側スペーサ一体型触媒プレート、(2)水素透過膜、(3)回収水素流路側スペーサ一体型触媒プレートが、(1)−(2)−(3)−(2)の繰返し単位で、順に積層されている。マニフォールド(流路)は原料、回収水素、オフガス(排気ガス)の3系からなる。改質器に用いるプレートは両面を触媒化したスペーサ一体型のものを用いる。プレート構造を図5の(a)に示す。両面を触媒化してあり、プロセスガスは上部の3つのマニフォールドのうち一流路を開放することで、そのガスのみが触媒面を流通する。ガスは上部から流入し、触媒面に接触しながら流下する。下部に「戻り流路」を設けてあり、流下したガスはここで触媒面の裏面に移り、反転して上昇する。この間、裏面の触媒面と接触し反応が進行する。塔頂に至ったガスは開放されているいずれかのマニフォールドを経て外部に放出される。
【0020】
図5の(b)および図6はこれらの流路構成の詳細を示す。
原料側プレート:原料側プレートA1で説明すると、反応原料用マニフォールドのみがこのプレート表面に開放されている。反応原料はマニフォールドからこの開放部を通り、触媒面正面を上から下へ進む。まず、部分酸化反応が主に進み、触媒プレートおよび気体自身が加熱される。さらに下流(下方向)で改質反応が進行する。部分酸化で生成した反応熱はプレート触媒基材部を熱伝達し、または反応気体の顕熱として輸送され、プレート全域で部分酸化反応に用いられる。この間生成した水素ガスは水素透過膜M1を通過して分離される。下端に達したガスは戻り流路口を通過し裏面を上昇する。上昇時に、主に改質反応がさらに進行する。正面で発生した部分酸化熱がプレート基材部を伝熱し裏面に伝達され、裏面側での改質反応に利用される。生成水素は水素透過膜M2を透過する。原料プレート触媒の裏面にはオフガス用マニフォールドのみが開放されている。水素分離後の二酸化炭素を主成分とするオフガスはオフガスマニフォールドへ進む。
回収側プレート:回収側プレートB1について説明する。正面ではマニフォールド開放部は無い。裏面では回収水素マニフォールドが開放されている。回収水素は差圧で系外に移動する(差圧での移動が困難であれば、第4マニフォールドを設置し循環水素流入用流路とする。回収側プレート正面は循環水素マニフォールドのみを開放する。循環水素の流通によって、水素が出口に運搬される。循環水素は燃料電池で消費しきれなかった残余分とすることができ、コンプレッサー等で輸送されうる。)。正面では原料側プレートA1裏面で生成した水素が水素透過膜M2を通過して流入する。正面では分離ガスは上部より下部へと移動する。膜を通して一酸化炭素(CO)が同伴される可能性があるので正面の触媒にてCO転換反応を進める。下端に達したガス流は戻り流通口を通過し裏面を上昇する。水素透過膜M3を透過して原料側プレートA2の正面で生成した水素ガスが流入する。同伴されたCOは回収側プレート裏面の触媒面でメタンへの転換反応が行なわれ、水素精製が進行する。精製された水素は回収水素マニフォールドを経由して系外に回収水素として流出する。
触媒位置:図5の(b)に各プレートにおける触媒化位置が四角点線で示される(9)。原料側プレートにおいては原料入口である正面上部には触媒部を持たせない。反応側裏面は全面を触媒化する。この原料プレートの触媒部の拡大図を図7に示す。部分酸化反応は改質反応より早く進行すると予想され、原料入口部の触媒面で主に進行する。このため、触媒面に温度分布が発生し触媒外周部を経て熱損失となりやすい。そこで、原料入口側ではプレート面中央付近から下流方向に触媒部を置く。そして、この中央部にて部分酸化反応を先行して進行させる。発生した熱はプレート基材部を伝熱しプレート全体に伝熱することを意図している。その結果、熱は触媒部両面全域で改質反応に利用される(白地矢印)。また、ガス入口部へ伝熱した分は原料ガス加熱に用いられる(斜線付矢印)。これにより酸化熱を有効に利用できる。
【0021】
一方相対する回収プレートは両面全体を触媒化する。CO転換反応を極力進めるためである。
【0022】
この態様は、触媒両面を反応ガスが往復することが特徴である。この結果、図7の伝熱、反応状態が形成される。したがって以下の効果が期待できる。
(a)反応原料入口付近で先行して進行する部分酸化反応を、触媒分布を変更することによりプレート中心部で進行できる。
(b)部分酸化反応で発生した反応熱はプレート中心から触媒面全体へ均一に熱伝達される。この部分酸化熱により表面・裏面全域において改質反応が進行する。
(c)部分酸化熱の一部はガスの加熱に利用できる。
(d)部分酸化熱が改質反応に無駄なく利用でき、改質効率の向上を実現する。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
(1)図3に示される使用される各層の構成は次のとおりである。原料気体側層はパンチ加工して表面を起伏化したアルミニウムを基材として、気体接触面をアルミニウム陽極酸化して、ついで触媒化し、外周部は初期アルミニウム状態に保つことで、スペーサと触媒が一体となった構成とした。陽極酸化は、4wt%シュウ酸液を用いて15〜25℃で、電流密度15〜50A/m2、16時間の条件で行なった。触媒の担持は、外周部分をマスキングした後、2×106モル/cm3の酢酸パラジウム/アセトン溶液に24時間浸漬した後に、400℃で3時間焼成することにより行なった。水素透過膜は外周部分と同一材料のPd合金からなる一体型とした。さらに、回収側も原料側の上記触媒と同様な構成を持つスペーサ一体型触媒とした。
(2)水素分離非平衡反応の効果
表1に水素分離非平衡反応の効果を化学平衡論的に試算した結果を示す。ここで用いたフローでは本改質器を平衡反応器と分離器を結合して模擬している(流路1→第1平衡反応器→流路2→分離器。ここで下部流路3および上部流路4に分かれ、流路4→第2平衡反応器→流路5)。第1平衡反応器、が原料側改質触媒の平衡反応量を計算する。分離器が水素分離膜を模擬する。第2平衡反応器は水素分離されて非平衡状態の反応の次の平衡量を示す。初期条件として、部分酸化を考慮し、式(5)においてx=0.5として、
CH3OH+1/402+1/2H2O→5/2H2+CO2 (7)
を想定し、原料メタノール、酸素、水量をそれぞれ100,25,50kmol/sと設定した。また、反応温度を280℃、圧力を10.0barとした、これは実用改質器の値を参考にした。
【0024】
計算収支結果を表1に示す。流路2の値が水素分離の無い場合の改質反応の平衡量である。水素が230.3kmol/s生成している。競合成分であるCOは18.3kmol/s生成し、一方酸素は酸化で全量が消費されている。結果として発熱反応である(Q<0)ため、外部加熱は不要である。ついで水素分離膜は水素の80%を分離すると仮定した。水素分離後、流路4では再び非平衡濃度になり、第2反応器で再び流路5の平衡反応量に到達する。再度水素が製造され、COは9.6kmol/sまでほぼ半分に減少している。
【0025】
このように膜分離により非平衡を保つことで、COの生成量を減少させ、水素生成量を増大できる。実際には連続的に非平衡状態で改質反応が進むのでよりCOの減少が促進されうる。
【0026】
【表1】
Figure 0003680936
【0027】
(3)COのメタン化反応の効果
水素分離膜を仮に水素と共にCOが混入した場合の反応進行方向を反応平衡計算から検討した(流路1→第3平衡反応器→流路2)。結果を表2に示す。初期条件として水素100kmol/sに対し、COが10kmol/s混入するとし、反応温度280℃、圧力5.0barとした。第3平衡反応器にて平衡量を求めた。なお、圧力は膜間の差圧を考慮し決めた。平衡計算の収支結果よりほぼCO全量が水素と反応しメタン化することが示された。
【0028】
【表2】
Figure 0003680936

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の改質器の概略を示す。
【図2】図1の区間Aに対応する部分の改質器内の層構成と流路を示す((a)〜(e))。
【図3】本発明改質器の各層の構成の一例を示す((a)〜(c))。
【図4】本発明の往復流路式プレート型非平衡改質器の概略を示す。
【図5】(a)は本発明の往復流路式プレート型非平衡改質器のプレート構造の一例、(b)はプレート構成と物質の流れを示す。
【図6】本発明の往復流路式プレート型非平衡改質器の流路構成の一例を示す。
【図7】本発明の往復流路式プレート型非平衡改質器における部分酸化熱の熱伝導状態を示す。

Claims (15)

  1. 燃料と水蒸気から水素を製造する燃料改質器であって、燃料を水蒸気改質して水素を製造する平板形燃料改質触媒層、該水蒸気改質により生成する水素を主成分とするガスから水素を選択的に透過する平板形水素透過膜、該透過膜を透過した水素中に一酸化炭素が含まれる場合にはその一酸化炭素をメタンに転換する平板形一酸化炭素転換触媒層、ならびに次の段の水蒸気改質により生成する水素を主成分とするガスから水素を選択的に透過する平板形水素透過膜を繰返し単位として多段に積層された構造を有してなり;該燃料改質触媒層および/または該一酸化炭素転換触媒層の平板形は、平板形の非多孔質金属基材に触媒が担持されており;そして該非多孔質金属基材の触媒担持部分の周囲部分は積層時の接着部位となり、かつガス流を確保するスぺーサとなる一体型構造を構成する、ことを特徴とする燃料改質器。
  2. 基材表面が起伏化加工されている請求項1記載の燃料改質器。
  3. 起伏化加工が網目、すのこ、櫛もしくは多孔状である請求項2記載の燃料改質器。
  4. 非多孔質金属基材がアルミニウム、ステンレス鋼もしくは銅である請求項記載の燃料改質器。
  5. アルミニウムが陽極酸化されている請求項記載の燃料改質器。
  6. 触媒担持部分が陽極酸化されている請求項記載の燃料改質器。
  7. 水素透過膜が金属もしくはセラミックから構成される請求項1記載の燃料改質器。
  8. 燃料と水蒸気から水素を製造する燃料改質方法において、請求項1記載の燃料改質器を用いることを特徴とする燃料改質方法。
  9. 基材表面が起伏化加工されている請求項記載の燃料改質方法。
  10. 起伏化加工が網目、すのこ、櫛もしくは多孔状である請求項記載の燃料改質方法。
  11. 非多孔質金属基材がアルミニウム、ステンレス鋼もしくは銅である請求記載の燃料改質方法。
  12. アルミニウムが陽極酸化されている請求項11記載の燃料改質方法。
  13. 触媒担持部分が陽極酸化されている請求項12記載の燃料改質方法。
  14. 水素透過膜が金属もしくはセラミックから構成される請求項記載の燃料改質方法。
  15. 請求項記載の燃料と水蒸気から水素を製造する燃料改質方法において、燃料にさらに酸素もしくは酸素含有ガスを含有させて、改質反応とともに部分酸化反応を併行して生じさせ、その反応熱を該改質反応に供することを特徴とする燃料改質方法。
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