JP3680719B2 - 電気接続箱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車に搭載される電気接続箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えば自動車用の、リレー、ヒューズ及びコネクタ等の電装品は、電気接続箱内に収容された状態で車両内に搭載される。中でも、内部にバスバーが収容された電気接続箱においては、各種電装品がバスバーによって構成された接続回路に電気的に接続された状態になっている。
【0003】
従来、図6に示すように、電気接続箱51を構成する箱体52は、第1ケース53と第2ケース54とを嵌合することによって形成されている。箱体52にはバスバー積層体55が収容されている。バスバー積層体55は、バスバー56と絶縁基材57とを交互に積層することによって構成されている。第1ケース53の部品装着面には部品装着部58が設けられている。部品装着部58は、ヒューズ装着部59、リレー装着部60及び図示しない第1コネクタ装着部からなっている。ヒューズ装着部59には、図示しないヒューズが装着されるようになっている。リレー装着部60には、図示しないリレーが装着されるようになっている。第1コネクタ装着部には、図示しないコネクタが装着されるようになっている。
【0004】
また、箱体52の側面には第2コネクタ装着部61が突設されている。第2コネクタ装着部61の内部には、バスバー積層体55から突出した部分を折曲形成したバスバー56が配置されている。第2コネクタ装着部61にはコネクタ63が装着されるようになっている。このとき、コネクタ63とバスバー積層体55との間は、バスバー56によって電気的に接続されている。このコネクタ63にはワイヤハーネス64が接続されている。第2コネクタ装着部61の開口端は、部品装着部58の開口端と同一の方向を向くようにして配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年、自動車の性能が向上するにつれて、車両内に多くの部品が塔載されるようになってきた。そのため、車両内に電気接続箱51を塔載するためのスペースを確保することが非常に困難になっていた。例えば、電気接続箱51を車両内に塔載しようとした場合、第2コネクタ装着部61が第1ケース53側に配置されているために、ワイヤハーネス64がボディ71に干渉してしまうことがあった。そのため、電気接続箱51を搭載するためには、ワイヤハーネス64を無理矢理に曲げなければならなかった。しかし、ワイヤハーネス64を曲げても電気接続箱51を車両内に塔載できない場合があった。この場合、電気接続箱51がバスバー積層体55の積層方向に大きくなってしまい、電気接続箱51を車両内に塔載することが困難になってしまうという問題があった。
【0006】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バスバー積層体の積層方向における大きさを抑えることができる電気接続箱を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、有蓋無底の箱状物からなる第1ケースの開口縁を、無蓋有底の箱状物からなる第2ケースの開口縁に重ね合わせた状態で嵌合することによって構成された箱体内に、バスバーと絶縁基材とを交互に積層することによって構成されるバスバー積層体を、最上層面が第1ケースの蓋部方向、最下層面が第2ケースの底部方向を向くように収容し、前記第1ケースの蓋部の外面からなる部品装着面に対する垂直方向からヒューズ、リレー及びコネクタを装着可能な開口部をそれぞれ有するヒューズ装着部、リレー装着部及び第1コネクタ装着部からなる部品装着部を該部品装着面に設けるとともに、前記第2ケースに対する前記第1ケースの嵌合方向を向く開口部を有し、ワイヤハーネスが基端面に接続されるコネクタが該基端面と対向する先端面から該開口部に挿入されることで装着される第2コネクタ装着部を、前記第2ケースにおける第1ケースとの嵌合部位から該第1ケースの嵌合方向と直交する方向へ突設した電気接続箱において、複数の接続端子部を有し、それら接続端子部が箱体内において該バスバー積層体に電気的に接続されるとともに前記第2コネクタ装着部に配置されて該第2コネクタ装着部に装着されるコネクタと電気的に接続されることにより、該コネクタと該バスバー積層体との間を電気的に接続するフレキシブルプリント基板を、前記バスバー積層体の最下層面よりも前記第2ケース側に収容し、前記第2コネクタ装着部の開口部の先端を、前記バスバー積層体における前記最上層面の延長面に相当する第1仮想面と同じ高さ位置またはそれよりも前記第2ケース側に位置するように設定するとともに、前記第2コネクタ装着部に前記コネクタを装着した際に、前記コネクタにおいて前記ワイヤハーネスが接続される基端面が、前記第2コネクタ装着部の開口部の先端よりも前記第1ケース側に位置し、且つ前記ヒューズ装着部、前記リレー装着部及び前記第1コネクタ装着部のうち最も低い部品装着部における開口部の先端の高さ位置よりも前記第2ケース側に位置することを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の電気接続箱において、前記第2コネクタ装着部の開口部の先端を、前記第1仮想面と、前記バスバー積層体の最下層面の延長面に相当する第2仮想面との間に位置するように設定したことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明では、有蓋無底の箱状物からなる第1ケースの開口縁を、無蓋有底の箱状物からなる第2ケースの開口縁に重ね合わせた状態で嵌合することによって構成された箱体内に、バスバーと絶縁基材とを交互に積層することによって構成されるバスバー積層体を、最上層面が第1ケースの蓋部方向、最下層面が第2ケースの底部方向を向くように収容し、前記第1ケースの蓋部の外面からなる部品装着面に対する垂直方向からヒューズ、リレー及びコネクタを装着可能な開口部をそれぞれ有するヒューズ装着部、リレー装着部及び第1コネクタ装着部からなる部品装着部を該部品装着面に設けるとともに、前記第2ケースに対する前記第1ケースの嵌合方向を向く開口部を有し、ワイヤハーネスが基端面に接続されるコネクタが該基端面と対向する先端面から該開口部に挿入されることで装着される第2コネクタ装着部を、前記第2ケースにおける第1ケースとの嵌合部位から該第1ケースの嵌合方向と直交する方向へ突設した電気接続箱において、複数の接続端子部を有し、それら接続端子部が箱体内において該バスバー積層体に電気的に接続されるとともに前記第2コネクタ装着部に配置されて該第2コネクタ装着部に装着されるコネクタと電気的に接続されることにより、該コネクタと該バスバー積層体との間を電気的に接続するフレキシブルプリント基板を、前記バスバー積層体の最下層面よりも前記第2ケース側に収容し、前記第2コネクタ装着部の開口部の先端を、前記バスバー積層体における前記最上層面の延長面に相当する第1仮想面と、前記バスバー積層体の最下層面の延長面に相当する第2仮想面との間に位置するように設定したことを要旨とする。
【0010】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、バスバーの代わりにフレキシブルプリント基板が使用されるとともに、第2コネクタ装着部が第1仮想面と同じ高さ位置またはそれよりも第2ケース側に配置される。その結果、ワイヤハーネスが配置可能なスペースが大きくなる。よって、ワイヤハーネスを無理なく曲げることができる。従って、バスバー積層体の積層方向における電気接続箱の大きさを抑えることができる。また、バスバーよりもフレキシブルプリント基板の方が曲げやすくなっている。そのため、第2コネクタ装着部の位置を変更しても容易に対応することができる。
【0011】
請求項2及び請求項3に記載の発明によると、第2コネクタ装着部は第1仮想面と第2仮想面との間に配置されている。そのため、電気接続箱が第1ケース側だけでなく第2ケース側に大きくなってしまうのも防止される。従って、バスバー積層体の積層方向における電気接続箱の大きさをより確実に抑えることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両用電気接続箱に具体化した一実施形態を図1〜図5に基づき詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、電気接続箱1を構成する箱体7は、第2ケースとしてのロアケース3と、第1ケースとしてのアッパーケース2とを備えている。ロアケース3はアッパーケース2に対して嵌合可能に形成されている。アッパーケース2の部品装着面2aには、部品装着部7aが設けられている。部品装着部7aは、ヒューズ装着部5、リレー装着部6及び第1コネクタ装着部4aからなっている。ヒューズ装着部5には、図示しないヒューズが装着されるようになっている。リレー装着部6には、図示しないリレーが装着されるようになっている。第1コネクタ装着部4aには、図示しない第1コネクタが装着されるようになっている。
【0015】
こうした電気接続箱1内には、プリント基板14及びバスバー積層体15が収容されている。バスバー積層体15は、それぞれ所定の形状に形成された導電性金属板材からなる複数のバスバーと、合成樹脂製の絶縁基材とを交互に積層させることにより構成されている。バスバー積層体15は、フレキシブルプリント基板18、ヒューズ回路モジュール12、リレー回路モジュール13及びコネクタ回路モジュール11によって構成されている。フレキシブルプリント基板18は、所定の形状で形成された銅箔パターン18aを樹脂シートで被覆することにより構成されている。このフレキシブルプリント基板18は、第1基板18bと第2基板18cとからなる2層構造をなしている。そして、各基板18b,18cの所定の銅箔パターン18a同士は、超音波溶接等によって電気的に接続されている。なお、本実施形態において、フレキシブルプリント基板18の銅箔パターン18aは、最大で6アンペアの電流を通電可能とするべく、厚さが約0.1mmに設定されている。
【0016】
また、フレキシブルプリント基板18において後記する第2コネクタ装着部4bと対応する箇所には、接続端子部18dが形成されている。図3に示すように、接続端子部18dは、前記プリント基板14上に配線された導体パターン(図示略)と接触するように折り曲げられている。そして、該接続端子部18dとプリント基板14とが接続クリップ20によって挟着保持されている。このため、接続端子部18dとプリント基板14の導体パターンとが電気的に接続されている。
【0017】
前記ヒューズ回路モジュール12は、前記ヒューズ装着部5に配線されてヒューズ接続回路を構成するようになっている。ヒューズ回路モジュール12は2層構造となっている。ヒューズ回路モジュール12は、導電性金属板材によって形成されるバスバー11aと合成樹脂製の絶縁基材11bとを交互に積層することによって構成されている。図4にも併せ示すように、ヒューズ回路モジュール12の対向する側面には、それぞれ下方(ロアケース3側)に突出する複数の突片16bが形成されている。これら突片16bはバスバー11aの一部を折曲することによって形成されている。また、ヒューズ回路モジュール12の上面(アッパーケース2側の面)には、上方(アッパーケース2側)に突出する複数のバスバー端子16aが形成されている。これらバスバー端子16aはバスバー11aの一部を折曲することによって形成され、それぞれヒューズ装着部5と対応する箇所に形成されている。即ち、バスバー端子16aは、ヒューズ装着部5に配線されて前記ヒューズに接続されるようになっている。
【0018】
前記リレー回路モジュール13は、前記リレー装着部6に配線されてリレー接続回路を構成するようになっている。リレー回路モジュール13は2層構造となっている。リレー回路モジュール13は、導電性金属板材によって形成されるバスバー11aと合成樹脂製の絶縁基材11bとを交互に積層することによって構成されている。リレー回路モジュール13の上面(アッパーケース2側の面)には、上方(アッパーケース2側)に突出する複数のバスバー端子17aが形成されている。これらバスバー端子17aはバスバー11aの一部を折曲することによって形成され、それぞれリレー装着部6と対応する箇所に形成されている。即ち、バスバー端子17aは、リレー装着部6に配線されて前記リレーに接続されるようになっている。また、図3にも併せ示すように、リレー回路モジュール13の対向する側面には、下方に突出する複数の突片17bが形成されている。これら突片17bは、コネクタ回路モジュール11の下面に形成された各突片15bと対応して形成されている。
【0019】
コネクタ回路モジュール11は、フレキシブルプリント基板18及び第1コネクタ装着部4aに配線されてコネクタ接続回路を構成するようになっている。つまり、コネクタ接続回路において、6アンペア以下の電流が流れる電流経路がフレキシブルプリント基板18によって構成されている。また、コネクタ接続回路において、6アンペアを超える電流が流れる電流経路がコネクタ回路モジュール11によって構成されている。換言すれば、コネクタ接続回路における小電流領域がフレキシブルプリント基板18によって構成されている。
【0020】
前記コネクタ回路モジュール11は、アッパーケース2よりも一回り小さく形成され、一部分が2層構造、その他の部分が4層構造となっている。コネクタ回路モジュール11は、導電性金属板材によって形成されるバスバー11aと合成樹脂製の絶縁基材11bとを交互に積層することによって構成されている。図1,図3において、コネクタ回路モジュール11の上面(アッパーケース2側の面)には、上方(アッパーケース2側)に突出する複数のバスバー端子15aが形成されている。これらバスバー端子15aはバスバー11aの一部を折曲することによって形成され、それぞれアッパーケース2に形成された所定の第1コネクタ装着部4aと対応する箇所に形成されている。即ち、バスバー端子15aは、第1コネクタ装着部4aに配線されて前記第1コネクタに接続されるようになっている。また、図3にも併せ示すように、コネクタ回路モジュール11の一側面及び下面(ロアケース3側の面)には、下方(ロアケース3側)に突出する複数の突片15bが形成されている。コネクタ回路モジュール11の一側面に形成された突片15bは、前記ヒューズ回路モジュール12の一側面に形成された各突片16bと対応して形成されている。さらに、コネクタ回路モジュール11の一つの側面には、上方(アッパーケース2側)に突出する基板接続部15cが形成されている。この基板接続部15cは、バスバー11aの一部が上方(アッパーケース2側)に折曲されて構成されている。そして、コネクタ回路モジュール11の上面(アッパケース2側の面)には、前記バスバー端子16a,17aを挿通可能な貫通孔15dが透設されている。
【0021】
図1及び図2に示すように、ロアケース3の側面には、第2コネクタ装着部4bが4箇所に設けられている。各第2コネクタ装着部4bは、ヒューズ装着部5の外周部分に集約した状態で配置されている。具体的に言うと、2つの第2コネクタ装着部4bは、ヒューズ装着部5の一側部に並設されている。また、図4に示すように、残り2つの第2コネクタ装着部4bは、ヒューズ装着部5を介して対向するように配置されている。第2コネクタ装着部4bの開口端は、ヒューズ装着部5、リレー装着部6及び第1コネクタ装着部4aの開口端と同一の方向に向けて配置されている。図3に示すように、第2コネクタ装着部4bの開口端は、バスバー積層体15のアッパーケース2側の面が属する第1仮想面A1と同じ高さ位置に配置されている。それとともに、第2コネクタ装着部4bの開口端は、バスバー積層体15のロアケース3側の面が属する第2仮想面A2よりもアッパーケース2側に配置されている。また、第2コネクタ装着部4bの底部は、複数のリブ3aが設けられた部分におけるロアケース3の底部と同じ高さ位置に配置されている。
【0022】
図5に示すように、第2コネクタ装着部4bには、前記フレキシブルプリント基板18の前記接続端子部18dが配置されている。接続端子部18dは、突片15bと突片16bとが接続された部分を回避するために断面U字状に曲げられるとともに、第2コネクタ装着部4b付近ではロアケース3の形状に沿って曲げられている。各第2コネクタ装着部4bには、第2コネクタ8が装着されている。図5(b)に示すように、第2コネクタ8が装着された状態において、第2コネクタ8の端子部8bが接続端子部18dに電気的に接続されるようになっている。第2コネクタ8の基端面8aは、最も低い部品装着部7aであるヒューズ装着部5の開口端の高さ位置よりもロアケース3側となるように配置されている。第2コネクタ8にはワイヤハーネス9が接続されている。このワイヤハーネス9は、同ワイヤハーネス9を曲げることにより、箱体7と自動車のボディ31との間のスペースに配置されるようになっている。
【0023】
コネクタ回路モジュール11は、バスバー積層体15における最上層(アッパーケース2側の層)となるように配置されている。ヒューズ回路モジュール12及びリレー回路モジュール13は、バスバー積層体15における中間層(コネクタ回路モジュール11よりもロアケース3側の層)となるように配置されている。フレキシブルプリント基板18は、バスバー積層体15における最下層(ヒューズ回路モジュール12及びリレー回路モジュール13よりもロアケース3側の層)となるように配置されている。詳しくは、図3に示すように、コネクタ回路モジュール11の下面側(ロアケース3側の面)において2層構造となっている箇所に、ヒューズ回路モジュール12及びリレー回路モジュール13がそれぞれ並んで配置されている。そして、各回路モジュール11〜13の下面側(ロアケース3側の面)にフレキシブルプリント基板18が配置されている。つまり、フレキシブルプリント基板18は、各回路モジュール11〜13においてバスバー端子15a〜17aが形成されていない面に隣接した状態で配置されている。また、フレキシブルプリント基板18のさらに下層側(ロアケース3側の層)には、プリント基板14が配置されている。
【0024】
そして、各回路モジュール11〜13が電気接続箱1内に収容された際には、ヒューズ回路モジュール12及びリレー回路モジュール13のバスバー端子16a,17aがコネクタ回路モジュール11の貫通孔15dに挿通される。このとき、図3に示すように、各回路モジュール11〜13の対応する各突片15b〜17b同士が接触する。そして、各突片15b〜17b同士は、超音波溶接等によって溶接される。これにより、各回路モジュール11〜13同士が電気的に接続される。
【0025】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)バスバー11aの代わりにフレキシブルプリント基板18が使用されるとともに、第2コネクタ装着部4bが第1仮想面A1と同じ高さ位置に配置される。その結果、ワイヤハーネス9が配置可能なスペースが大きくなる。よって、ワイヤハーネス9を無理なく曲げることができる。従って、バスバー積層体15の積層方向における電気接続箱1の大きさを抑えることができる。ゆえに、車両内に電気接続箱1を余裕を持って収容することができる。また、構造的に言って、バスバー11aよりもフレキシブルプリント基板18の方が曲げやすいことから、本実施形態によると、第2コネクタ装着部4bの位置変更に容易に対応することができる。そのため、従来のバスバー56のように、第2コネクタ装着部4bに接続されるバスバー56を複雑に折曲形成する必要がなくなる。よって、これによるコストの上昇を防止することができる。従って、電気接続箱1を作製するためのコストを低減させることができる。
【0026】
(2)第2コネクタ装着部4bは、第2仮想面A2よりもアッパーケース2側に配置されている。そのため、電気接続箱1がアッパーケース2側だけでなくロアケース3側に大きくなってしまうのも防止される。従って、バスバー積層体15の積層方向における電気接続箱1の大きさをより確実に抑えることができる。
【0027】
(3)第2コネクタ8の基端面8aがヒューズ装着部5の開口端の高さ位置よりもロアケース3側となるように配置されているため、ワイヤハーネス9を無理なく曲げることができる。ゆえに、バスバー積層体15の積層方向における電気接続箱1の大きさをより確実に抑えることができる。
【0028】
(4)フレキシブルプリント基板18は、バスバー積層体15のロアケース3側の面に積層されている。よって、フレキシブルプリント基板18をバスバー積層体15のアッパーケース2側の面に積層する場合に比べ、電気接続箱1を簡単に作製することができる。
【0029】
(5)第2コネクタ装着部4bには、第2コネクタ8がバスバー積層体15の積層方向に装着されている。そのため、第2コネクタ8をバスバー積層体15の面方向に装着した場合に比べ、ワイヤハーネス9を無理なく曲げることができる。
【0030】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、第2コネクタ装着部4bの開口端は、バスバー積層体15のアッパーケース2側の面が属する第1仮想面A1と同じ高さ位置に配置されていた。しかし、第2コネクタ装着部4bの開口端を、第1仮想面A1とバスバー積層体15のロアケース3側面が属する第2仮想面A2との間に配置してもよい。このように構成すれば、ワイヤハーネス9をより簡単に曲げることができる。したがって、バスバー積層体15の積層方向における電気接続箱1の大きさをより確実に抑えることができる。
【0031】
・前記実施形態では、第2コネクタ装着部4bの開口端が、第1仮想面A1と同じ高さ位置に配置されていた。しかし、ワイヤハーネス9を無理なく曲げることができるのであれば、第2コネクタ装着部4bの開口端を、第1仮想面A1と第2仮想面A2との間に配置しなくてもよい。
【0032】
・ワイヤハーネス9を無理なく曲げることができるのであれば、第2コネクタ8の基端面8aを、リレー装着部6及び第1コネクタ装着部4aのうちどちらか一方の開口端の高さよりも低くなるように配置してもよい。
【0033】
・前記実施形態では、フレキシブルプリント基板18が、バスバー積層体15のロアケース3側の面に積層されていた。しかし、フレキシブルプリント基板18を、バスバー積層体15のアッパーケース2側の面に積層してもよい。
【0034】
・前記実施形態では、アッパーケース2側が上方向、ロアケース3側が下方向として説明しているものの、電気接続箱1を車両に組み付ける際には、例えばアッパーケース2が下方に位置し、ロアケース3が上方に位置していてもよい。また、アッパーケース2の側壁及びロアケース3の側壁が上方を向くように、即ち電気接続箱1を90°回転させた状態で車両に組み付けてもよい。つまり、電気接続箱1は、各ケース2,3がどの方向を向くように組み付けられていてもよい。
【0035】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1〜3において、前記フレキシブルプリント基板を、前記バスバー積層体の前記第2ケース側の面に積層したことを特徴とする電気接続箱。よって、技術的思想(1)によれば、電気接続箱を簡単に作製することができる。
【0036】
(2)請求項1〜3、技術的思想(1)において、前記第2コネクタ装着部に、前記コネクタを前記バスバー積層体の積層方向に装着したことを特徴とする電気接続箱。よって、技術的思想(2)によれば、ワイヤハーネスを無理なく曲げることができる。
【0037】
(3)バスバーと絶縁基材とを交互に積層することによって構成されるバスバー積層体を、第1ケースと第2ケースとを嵌合することによって構成された箱体に収容し、前記第1ケースの部品装着面に、ヒューズが装着されるヒューズ装着部、リレーが装着されるリレー装着部及びコネクタが装着される第1コネクタ装着部からなる部品装着部を設けるとともに、前記箱体の側面にワイヤハーネスに接続されるコネクタが装着される第2コネクタ装着部を突設し、前記第2コネクタ装着部の開口端を前記部品装着部の開口端と同一の方向に向けて配置した電気接続箱の接続構造において、前記第2コネクタ装着部に装着される前記コネクタと前記バスバー積層体との間をフレキシブルプリント基板によって電気的に接続するとともに、前記第2コネクタ装着部の開口端を、前記バスバー積層体の前記第1ケース側面が属する第1仮想面と同じ高さ位置またはそれよりも前記第2ケース側に配置したことを特徴とする電気接続箱の接続構造。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、バスバー積層体の積層方向における電気接続箱の大きさを抑えることができる。また、第2コネクタ装着部の位置の変更に容易に対応することができる。
【0039】
請求項2及び請求項3に記載の発明によれば、バスバー積層体の積層方向における電気接続箱の大きさをより確実に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の電気接続箱を示す分解斜視図。
【図2】同実施形態の電気接続箱の平面図。
【図3】図2のC−C線断面図。
【図4】図2のD−D線断面図。
【図5】(a)は、コネクタ装着部の上面図、(b)は、図5(a)のA−A線における断面図、(c)は、図5(a)のB−B線における断面図。
【図6】従来技術における電気接続箱を示す断面図。
【符号の説明】
1…電気接続箱、2…第1ケースとしてのアッパーケース、2a…部品装着面、3…第2ケースとしてのロアケース、4a…第1コネクタ装着部、4b…第2コネクタ装着部、5…ヒューズ装着部、6…リレー装着部、7…箱体、7a…部品装着部、8…コネクタとしての第2コネクタ、8a…基端面、9…ワイヤハーネス、11a…バスバー、11b…絶縁基材、15…バスバー積層体、18…フレキシブルプリント基板、A1…第1仮想面、A2…第2仮想面。
Claims (3)
- 有蓋無底の箱状物からなる第1ケースの開口縁を、無蓋有底の箱状物からなる第2ケースの開口縁に重ね合わせた状態で嵌合することによって構成された箱体内に、バスバーと絶縁基材とを交互に積層することによって構成されるバスバー積層体を、最上層面が第1ケースの蓋部方向、最下層面が第2ケースの底部方向を向くように収容し、
前記第1ケースの蓋部の外面からなる部品装着面に対する垂直方向からヒューズ、リレー及びコネクタを装着可能な開口部をそれぞれ有するヒューズ装着部、リレー装着部及び第1コネクタ装着部からなる部品装着部を該部品装着面に設けるとともに、
前記第2ケースに対する前記第1ケースの嵌合方向を向く開口部を有し、ワイヤハーネスが基端面に接続されるコネクタが該基端面と対向する先端面から該開口部に挿入されることで装着される第2コネクタ装着部を、前記第2ケースにおける第1ケースとの嵌合部位から該第1ケースの嵌合方向と直交する方向へ突設した電気接続箱において、
複数の接続端子部を有し、それら接続端子部が箱体内において該バスバー積層体に電気的に接続されるとともに前記第2コネクタ装着部に配置されて該第2コネクタ装着部に装着されるコネクタと電気的に接続されることにより、該コネクタと該バスバー積層体との間を電気的に接続するフレキシブルプリント基板を、前記バスバー積層体の最下層面よりも前記第2ケース側に収容し、
前記第2コネクタ装着部の開口部の先端を、前記バスバー積層体における前記最上層面の延長面に相当する第1仮想面と同じ高さ位置またはそれよりも前記第2ケース側に位置するように設定するとともに、
前記第2コネクタ装着部に前記コネクタを装着した際に、前記コネクタにおいて前記ワイヤハーネスが接続される基端面が、前記第2コネクタ装着部の開口部の先端よりも前記第1ケース側に位置し、且つ前記ヒューズ装着部、前記リレー装着部及び前記第1コネクタ装着部のうち最も低い部品装着部における開口部の先端の高さ位置よりも前記第2ケース側に位置することを特徴とする電気接続箱。 - 前記第2コネクタ装着部の開口部の先端を、前記第1仮想面と、前記バスバー積層体の最下層面の延長面に相当する第2仮想面との間に位置するように設定したことを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱。
- 有蓋無底の箱状物からなる第1ケースの開口縁を、無蓋有底の箱状物からなる第2ケースの開口縁に重ね合わせた状態で嵌合することによって構成された箱体内に、バスバーと絶縁基材とを交互に積層することによって構成されるバスバー積層体を、最上層面が第1ケースの蓋部方向、最下層面が第2ケースの底部方向を向くように収容し、
前記第1ケースの蓋部の外面からなる部品装着面に対する垂直方向からヒューズ、リレー及びコネクタを装着可能な開口部をそれぞれ有するヒューズ装着部、リレー装着部及び第1コネクタ装着部からなる部品装着部を該部品装着面に設けるとともに、
前記第2ケースに対する前記第1ケースの嵌合方向を向く開口部を有し、ワイヤハーネスが基端面に接続されるコネクタが該基端面と対向する先端面から該開口部に挿入されることで装着される第2コネクタ装着部を、前記第2ケースにおける第1ケースとの嵌合部位から該第1ケースの嵌合方向と直交する方向へ突設した電気接続箱において、
複数の接続端子部を有し、それら接続端子部が箱体内において該バスバー積層体に電気的に接続されるとともに前記第2コネクタ装着部に配置されて該第2コネクタ装着部に装着されるコネクタと電気的に接続されることにより、該コネクタと該バスバー積層体との間を電気的に接続するフレキシブルプリント基板を、前記バスバー積層体の最下層面よりも前記第2ケース側に収容し、
前記第2コネクタ装着部の開口部の先端を、前記バスバー積層体における前記最上層面の延長面に相当する第1仮想面と、前記バスバー積層体の最下層面の延長面に相当する第2仮想面との間に位置するように設定したことを特徴とする電気接続箱。
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