JP3680638B2 - ポリエステル共重合体並びにそれより成るプリフォーム及び二軸延伸ボトル - Google Patents

ポリエステル共重合体並びにそれより成るプリフォーム及び二軸延伸ボトル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は透明性が高く、かつ耐ストレスクラック性等の強度、ガスバリア性及び保香性に優れたポリエステル共重合体並びにそれより成るプリフォーム及び二軸延伸ボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という場合がある)等に代表されるポリエステルは機械的強度、化学的安定性、衛生性、リサイクル性、透明性、保香性、ガスバリア性及び成形性に優れているため、ボトル、フィルム、シート、熱成形容器等に幅広く用いられている。
【0003】
しかしながら、PETのガスバリア性は、ポリオレフィンやポリカーボネート等の他の樹脂に較べれば優れているものの、更に高い性能が要求されている分野、例えば、炭酸飲料、ビール、ワイン等の包装用の用途においては、内容物の品質保持の点から特に厳しい酸素ガスバリア性、炭酸ガスバリア性が要求されており、通常の二軸延伸PETボトルでは、必ずしも十分なガスバリア性を有しているとは言えないものであった。そして、近年の小型ボトルの盛況にともない、充分なガスバリア性能の要求はより強まってきているのが現状である。また、生鮮食品、医療機器等の包装用として、酸素ガス等の気体や水分の透過率が少なくしかも冷凍加工、煮沸処理、レトルト処理などによってもそれらの性能が低下しないフィルムの要求もでてきている。
【0004】
このようなガスバリア性を向上させた共重合ポリエステルとしてPETをフェニレンジオキシジ酢酸単位で変性した共重合ポリエステル(特表昭60−501060号公報、特開平5−186570号公報)等が提案されている。
しかしながら、これらのガスバリア性に優れた共重合ポリエステルは、その特徴を発揮できる炭酸飲料容器等の成形体として用いた場合、機械的強度、特に応力下でのクラック性、すなわち耐ストレスクラック性が充分ではなく、そのため容器保存時の経時変化によってもクラックが発生したり、また、容器の破壊まで起こる可能性があり、成形体としては充分なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、炭酸飲料等の用途に使用できる、ガスバリア性に優れ、また容器としたときの耐ストレスクラック性等の機械的強度にも優れ、さらには耐熱性、耐水性、透明性にも優れたポリエステル共重合体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(I) を90〜99.0モル%、フェニレンジオキシジ酢酸またはそのエステル形成性誘導体(II)を0.5〜4.5モル%及びナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(III) を0.5〜モル%の割合で含むジカルボン酸成分とジオール成分とを共重合させてなるポリエステル共重合体を要旨とする
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル共重合体を構成するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(I)、フェニレンジオキシジ酢酸またはそのエステル形成性誘導体(II)、及びナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(III)からなる。
【0008】
テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(I)としては、具体的には、テレフタル酸、2−クロルテレフタル酸や2−メトキシテレフタル酸などの核置換体、また、テレフタル酸ジメチルやテレフタル酸ジエチルなどの炭素数1〜4程度のアルキルエステル体、更にはテレフタル酸ジクロライドなどのテレフタル酸ハロゲン化物等が挙げられる。
【0009】
次に、フェニレンジオキシジ酢酸またはそのエステル形成性誘導体(II)としては、具体的には、1,2−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、2−メチル−1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、5−メチル−1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、6−メチル−1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、5−エチル−1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、6−エチル−1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、5−メトキシ−1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、6−メトキシ−1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、4−クロロー1,2−フェニレンジオキシジ酢酸、4−クロロ−1,3−フェニレンジオキシジ酢酸などのほか、これらの酸無水物、酸ハライド、エステルなどが挙げられる。
【0010】
また、これらの化合物は単独で使用するばかりでなく、例えば、1,2体と1,3体のごとく置換位置の異なる化合物の混合物として用いることもできる。以上のうち、好ましくは1,3−フェニレンジオキシジ酢酸またはその誘導体であり、更に好ましくは、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸である。
更に、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、具体的には、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルや2,6−ナフタレンジカルボン酸ジエチルなどの炭素数1〜4程度のアルキルエステル体、更には2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライドなどのようなジオール成分と反応する化合物が挙げられる。
【0011】
これらのうち、好ましくは2,6−ナフタレンジカルボン酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルである。
本発明のポリエステル共重合体を構成するジカルボン酸成分のうち、テレフタル酸単位は80〜99.0モル%、好ましくは90〜99.0モル%であり、かつフェニレンジオキシジ酢酸単位は0.5〜10モル%、好ましくは1.0〜4.5モル%、より好ましくは1.0〜4.0モル%であり、さらにナフタレンジカルボン酸単位は0.5〜10モル%、好ましくは2〜8モル%、より好ましくは3〜6モル%の範囲である。フェニレンジオキシジ酢酸単位の量が0.5モル%に満たない場合は、ガスバリア性改良効果が充分でなく、10モル%を越える場合は、着色が強くなり好ましくない。またナフタレンジカルボン酸単位の量が0.5モル%に満たない場合は、耐ストレスクラック性改良効果が充分でなく、10モル%を越える場合は、蛍光が強くなり外観を損ねるため好ましくない。
【0012】
ナフタレンジカルボン酸単位のモル量についてはフェニレンジオキシジ酢酸単位のモル量の1/2以上であると耐ストレスクラック性が良好で、ガスバリア性とのバランスがより優れたものとなり好ましい。
本発明のポリエステル共重合体には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記以外のジカルボン酸、オキシ酸、多官能酸成分、および単官能酸成分等を、さらにはこれらの誘導体を使用することもできる。
【0013】
前記以外のジカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸及びこれらの構造異性体、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族カルボン酸が挙げられる。オキシ酸またはその誘導体の具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル及びグリコール酸などが挙げられる。
【0014】
また多官能酸成分の具体例としては、トリメリット酸、トリメシン酸及びピロメリット酸等の芳香族カルボン酸類を、単官能酸成分としては安息香酸、トルイル酸に代表される芳香族カルボン酸類、ラウリン酸、ステアリン酸、パルチミン酸、オレイン酸、ビヘニン酸に代表される脂肪族カルボン酸類が挙げられる。
本発明のポリエステル共重合体を構成するジオール成分としては、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリアルキレングリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールのような指環式グリコールや、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物誘導体などを挙げることができる。
【0015】
ジオール成分としてはこれらの内、少なくとも1種以上を用いることができるが、主成分としてはエチレングリコールが最も好ましい。ジオール成分は前述のジカルボン酸成分と実質的に当量となる量が用いられる。
このほかに、本発明の効果を損なわない範囲でビスフエノールAジグリシジルエーテルに代表される芳香族ジヒドロキシ化合物のグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等に代表される多価ヒドロキシ化合物、フェノール、クレゾール、ナフトール等に代表される芳香族ヒドロキシ化合物、ラウリルアルコール、ステアリルアルコールに代表される脂肪族ヒドロキシ化合物を使用することができる。
【0016】
本発明のポリエステル共重合体には、必要に応じて、従来から公知の添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、離型剤、帯電防止剤、分散剤及び染顔料などの着色剤をポリエステル共重合体の製造時のいずれかの階段で添加しても良く、成形加工前にいわゆるマスターバッチ処方で添加することもできる。
また、本発明のポリエステル共重合体は、その極限粘度〔フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を用いて30℃で測定した値〕が、通常0.4〜2.0dl/g、好ましくは0.5〜1.5dl/gの範囲であることが望ましい。
【0017】
極限粘度が0.4未満では、得られるポリエステル共重合体の強度が低く、重合反応終了後、反応缶から抜き出しチップに切断する際や、シート、フィルム、瓶、たる、缶などの容器として成形する際に実用上必要な物性が得られない傾向がある。一方、2.0を超える場合には、溶融粘度が高くなり過ぎて射出、押出、ブローなどの成形が困難となる傾向がある。
【0018】
本発明のポリエステル共重合体は、ポリエチレンテレフタレート(PET)と同様な従来から公知の重合方法で製造することができる。例えば、原料としてテレフタル酸、フェニレンジオキシジ酢酸、ナフタレンジカルボン酸およびエチレングリコールを用いて加圧下で直接エステル化反応を行った後、更に昇温するとともに次第に減圧とし重縮合反応させる方法や、テレフタル酸のエステル誘導体、例えば、テレフタル酸ジメチルエステルと、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸ジメチルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル及びエチレングリコールを用いてエステル交換反応を行い、その後得られた反応物を更に重縮合する方法が挙げられる。
【0019】
反応温度、圧力等は、従来公知のポリエステルの重合方法に準じて行えば良い。具体的には、スラリー化は常圧下で常温付近で行い、エステル化反応は必要に応じて加圧下で、エステル交換反応は常圧下で、200〜270℃程度の温度で行い、重縮合反応は0.1〜10mmHg程度の減圧下で240〜290℃程度の温度で行う。
【0020】
これらの重縮合反応において、フェニレンジオキシジ酢酸およびナフタレンジカルボン酸は、エステル交換反応または重縮合反応初期の任意の段階に加えることができる。例えば、あらかじめ、テレフタル酸のエステル誘導体とエチレングリコールとをエステル交換反応させ、そのエステル交換反応物にフェニレンジオキシジ酢酸及びナフタレンジカルボン酸を加えて重縮合してもよい。
【0021】
更に、必要に応じて、重合後、再度、加熱処理を実施することで、高重合度化、低アセトアルデヒド化や、低オリゴマー化することができる。加熱処理は、通常、80〜180℃の温度でチップ表面を結晶化した後、窒素等の不活性ガスの雰囲気下、及び/又は、0.1〜10mmHg程度の減圧下で、180〜240℃程度の温度で数十時間以下の範囲内において行う。
【0022】
これらのエステル化反応、エステル交換反応、重縮合反応においては、触媒及び/または安定剤などを使用することが好ましい。エステル交換触媒としては、公知の化合物、例えば、カルシウム、マンガン、亜鉛、マグネシウム、コバルト、ナトリウム及びリチウム化合物などの1種以上を用いることができるが透明性の観点からマグネシウム及びマンガン化合物が好ましい。
【0023】
重縮合触媒としては、公知のアンチモン、ゲルマニウム、チタン及びコバルト化合物などの1種以上を用いることができるが、アンチモン、ゲルマニウム及びチタン化合物が好ましい。安定剤としては5価及び/または3価のリン化合物、例えば正リン酸及びそのエステル類、亜リン酸及びそのエステル類が用いられるが、価格、安定性の点から正リン酸及びそのエステル化物が好ましい。触媒量は、エステル交換触媒、重縮合触媒および安定剤とも、金属またはリン元素量として、全重合原料中、通常5〜2000重量ppm、好ましくは10〜500重量ppmの範囲で用いられる。
【0024】
本発明のポリエステル共重合体は、例えば、射出成形又は押出成形してプリフォームとして使用することができる。また、該プリフォームを二軸延伸ブロー成形して、二軸延伸ボトル又は熱固定二軸延伸ボトルとして、更には、押出ブロー成形してブローボトルとして使用することもできる。他方、押出成形によりシートして使用したり、シート成形後、熱成形してトレイや容器等として使用することもできる。また、該シートを二軸延伸してフィルム等として使用することができる。これらの成形体は、特に食品包装分野において有用に使用可能である。これらの成形体は、未延伸の状態でもガスバリア性の高い材料として使用可能であるが、少なくとも一軸方向に延伸することにより、更にガスバリア性や機械的強度を向上させて使用することもできる。
【0025】
ボトルを製造するには、例えば、射出成形及び押出成形で、いったんプリフォームを成形する。成形条件については、通常採用されている範囲であって、押出成形ならばシリンダー温度240〜300℃、冷却金型温度5〜40℃の範囲、また、射出成形条件ならば、シリンダー温度260〜300℃、金型温度5〜40℃、スクリュー回転数40〜300rpm、射出圧力40〜140kg/cm2の範囲である。
【0026】
このプリフォームは、そのままで、または口栓部や底部を加工後それを再加熱し、ホットパリソン法やコールドパリソン法等の二軸延伸ブロー成形法でブロー成形される。延伸温度は、70〜120℃、好ましくは、80〜110℃で、延伸倍率は縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜5倍の範囲で行うことができる。ブロー成形されたボトルは、そのままで使用することもできるが、特に果汁飲料などのように熱充填を必要とする内容液の場合には、一般に更に成形に用いた同じブロー成形金型内、または別途設けた金型内で熱固定し、耐熱性を向上させて使用する。この熱固定の方法は、一般的には圧縮空気、機械的伸長などによる緊張下、通常、金型温度100〜200℃、好ましくは120〜180℃で、1秒〜5分間、好ましくは3秒〜1分間で行われる。また、押出ブロー成形によってもボトルを成形することができる。
【0027】
次に、延伸フィルムを製造するには、まず未延伸原反をつくる。未延伸原反の厚さは、50〜2000μm、好ましくは100〜1000μmである。厚さ50μm未満では延伸時破断し易くなり、また、2000μmを越えると、急冷が難しくなるのと同時に、延伸張力も大となるので、均一延伸が難しくなる傾向がある。
次に、該未延伸原反を延伸する。延伸温度は本発明のポリエステル共重合体のガラス転移点とそれより70℃高い温度の間に設定すればよく、通常40〜170℃、好ましくは60〜140℃である。
【0028】
延伸は一軸でも二軸でもよいが、フィルム実用物性の点から二軸延伸が好ましい。延伸倍率は、一軸延伸の場合であれば通常1.1〜10倍、好ましくはl.5〜8倍の範囲で行い、二軸延伸の場合であれば、縦方向及び横方向ともそれぞれ通常1.1〜8倍、好ましくは1.5〜5倍の範囲で行えばよい。縦方向倍率/横方向倍率は通常0.5〜2、好ましくは0.7〜1.3である。
また、延伸フィルムは、そのままの状態でも使用できるが場合によっては、更に延伸したフィルムを緊張下、100℃以上融点以下、好ましくは150〜230℃で、0.1〜30分間、好ましくは0.5秒〜5分間熱固定し、更にガスバリア性能や機械的強度を向上させて使用してもよい。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中「部」は「重量部」を意味するものとし、実施例において使用した測定・評価方法は以下の通りである。
【0030】
〈極限粘度〉
試料となるレジン約0.25g(0.24〜0.27g)をフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比=1/1)の混合溶媒約25mlに1.0重量/体積%となるように110℃(固相重合後のレジンは120℃)で30分間溶解させた後、30℃まで冷却し、中央理化製2CH型全自動溶液粘度計(DJ504)にて比粘度を測定し、比粘度と濃度との比から還元粘度を求めた。同じく濃度を0.25、0.50及び0.75としたときについてもそれぞれ、比粘度を測定し、還元粘度を求め、これらの値より濃度を0に外挿したときの値を極限粘度として求めた。
【0031】
〈耐ストレスクラック性〉
試作ボトル(A)の製造:実施例及び比較例で得られた固相重合処理チップを、シリンダー各部およびノズル280℃、スクリュー回転数100rpm、射出時間10秒、金型冷却水温10℃に設定した東芝(株)製射出成形機IS−60Bでプリフォームに成形した。このプリフォームを予熱炉90℃、ブロー圧力20kg/cm2、金型温度20℃、成形サイクル10秒に設定した二軸延伸ブロー成形機により胴部平均肉厚300μ、内容積約1リットルの試作ボトル(A)を得た。
【0032】
試作ボトル(B)の製造:試作ボトル(A)の製造において、ブロー金型温度を150℃で、ブロー成形後に金型中で保持した後、内部にエアを吹き込み冷却し取り出した他は、同様な方法で胴部平均肉厚300μ、内容積約1リットルの試作ボトル(B)を得た。
評価:クエン酸一水和物12.5gに、0℃に調温した蒸留水を加え溶かし、次にこの水溶液全量を試作ボトルに充填し、更に重炭酸ナトリウム15.0g投入後、直ちに密栓し、数十秒間振とうして重炭酸ナトリウムを溶解させた。このとき、ボトル内は、0℃、1気圧の状態で約4.0倍容量の炭酸ガスを充填した状態に相当する。
【0033】
23℃で一昼夜保持後、0.1重量%の水酸化ナトリウム水溶液を満たした容器に試作ボトルの下部1/3が浸るようにし、23℃で3時間保持した。25本の試作ボトルについてテストを行い、水酸化ナトリウム溶液に浸してから破裂するまでの時間を、口部から漏れのあったサンプルを除いた平均値で示した。
【0034】
〈ガス透過率〉
耐ストレスクラック性の評価で成形した試作ボトルの胴体部分を23℃、100%RHの条件下、「OX−TRAN10/50A」酸素透過率測定装置(米国Modern Controls社製)で酸素ガス透過率を、また「PERMATRAN C−IV」炭酸ガス透過率測定装置(米国Modern Controls社製)で炭酸ガス透過率を測定し、cc・mm/m2・day・atmで示した。
【0035】
【実施例1】
テレフタル酸ジメチル8739部、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル733部、エチレングリコール6207部及び酢酸マンガン・4水塩1.9部を反応缶に加え、160℃から230℃まで、4時間かけて漸次昇温し、エステル交換反応を行った。
この反応物に、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸452部(全酸成分に対し4モル%)、正リン酸1.4部、二酸化ゲルマニウム1.2部を加え、230℃から徐々に昇温するとともに、重合槽内を常圧から漸次減圧にし、280℃0.5torrの真空下、全重合時間3時間で重合を行った後、窒素にて反応缶内を常圧に戻し、底部より抜き出したストランドをペレタイザーにてカッティングし、極限粘度0.63dl/gの透明チップを得た。
【0036】
該ポリエステル共重合体チップ表面を撹拌結晶化機(米国Bepex社製)中、150℃で結晶化させた後、静置式固相重合塔に移し、流量20l/kg・hrの窒素気体流通下、120〜160℃で3時間乾燥し、200℃で8時間固相重合した。得られたポリエステル共重合体の極限粘度は0.86dl/gであった。ここで20l/kg・hrの窒素気体流量は、単位時間(hr)当たりおよび単位樹脂重量(kg)当たりの流通した気体重を1気圧、25℃に換算した体積重(l)で示したものである。得られたポリエステル共重合体の極限粘度及び試作ボトル(A)および(B)の評価結果を表1に示した。
【0037】
【実施例2】
テレフタル酸ジメチル、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルの量をそれぞれ9030部、452部、366部とした以外は実施例1と同様な方法でポリエステル共重合体を得た。得られたポリエステル共重合体の極限粘度及び試作ボトル(A)の評価結果を表1に示した。
【0038】
【実施例3】
テレフタル酸ジメチル、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルの量をそれぞれ9220部、452部、122部とした以外は実施例1と同様な方法でポリエステル共重合体を得た。得られたポリエステル共重合体の極限粘度及び試作ボトル(A)の評価結果を表1に示した。
【0039】
【実施例4】
テレフタル酸ジメチル、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルの量をそれぞれ8930部、339部、611部とした以外は実施例1と同様な方法でポリエステル共重合体を得た。得られたポリエステル共重合体の極限粘度及び試作ボトル(A)の評価結果を表1に示した。
【0040】
【実施例5】
触媒として二酸化ゲルマニウムの代わりに三酸化アンチモン2.9部を用いた以外は実施例1と同様な方法でポリエステル共重合体を得た。得られたポリエステル共重合体の極限粘度及び試作ボトル(A)の評価結果を表1に示した。
【0041】
【実施例6】
ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート11400部に対し1,3−フェニレンジオキシ酢酸452部、2,6−ナフタレンジカルボン酸733部の存在するエステル化反応槽に、テレフタル酸8740部、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸452部、エチレングリコール3720部からなるスラリーを連続的に添加しながら、260℃1.05気圧で5時間エステル化を行い、PETオリゴマーを得た。続いて得られたPETオリゴマー9160部を別の反応缶に移し正リン酸1.4部、二酸化ゲルマニウム1.2部を加え、実施例1と同様に真空重縮合及び固相重合を行いポリエステル共重合体を得た。得られたポリエステル共重合体の極限粘度及び試作ボトル(A)の評価結果を表1に示した。
【0042】
【比較例1】
ボトル用ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)製、RT−553C)を用い、試作ボトル(A)の評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0043】
【比較例2】
テレフtル酸ジメチル、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸の量をそれぞれ9320部、452部とし2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを加えなかった以外は、実施例1と同様な方法でポリエステル共重合体を得た。得られたポリエステル共重合体の極限粘度及び試作ボトル(A)の評価結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
Figure 0003680638
【0045】
【発明の効果】
本発明のポリエステル共重合体は、透明性が高く、かつガスバリア性、機械的強度、耐水性、耐熱性、保香性などに優れ、様々な成形体として好適に使用することができる。特に耐ストレスクラック性、ガスバリア性、保香性に優れるため、内圧のかかる密閉容器に用いた際にも、内容物の性質を長期に渡って維持できるだけでなく、破裂等をおこさないので長期の保存が可能である。

Claims (9)

  1. テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(I) を90〜99.0モル%、フェニレンジオキシジ酢酸またはそのエステル形成性誘導体(II)を0.5〜4.5モル%及びナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(III) を0.5〜モル%の割合で含むジカルボン酸成分と、ジオール成分とを共重合させて成るポリエステル共重合体。
  2. ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(III)のモル量がフェニレンジオキシジ酢酸またはそのエステル形成性誘導体(II)のモル量の1/2以上である請求項1記載のポリエステル共重合体。
  3. フェニレンジオキシジ酢酸またはそのエステル形成性誘導体(II)の量が全酸成分に対し1.0〜4.5モル%である請求項1または2記載のポリエステル共重合体。
  4. フェニレンジオキシジ酢酸が1,3−フェニレンジオキシジ酢酸である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリエステル共重合体。
  5. ジオール成分がエチレングリコールである請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリエステル共重合体。
  6. フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒中、30℃で測定した極限粘度が0.4〜2.0である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のポリエステル共重合体。
  7. 請求項1記載のポリエステル共重合体を射出成形又は押出成形して成るプリフォーム。
  8. 請求項1記載のポリエステル共重合体を射出成形又は押出成形によってプリフォームを成形した後、二軸延伸ブロー成形して成る二軸延伸ボトル。
  9. 請求項1記載のポリエステル共重合体を射出成形又は押出成形によってプリフォームを成形した後、二軸延伸ブロー成形し、更に熱固定して成る二軸延伸ボトル。
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