JP3680006B2 - 塗装木質材の製造方法及び着色装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質材を塗装した塗装木質材の製造方法に関し、特に、木質材表面の導管や溝等の凹部が着色された塗装木質材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、木質材の塗装にあたっては、木質材の全面にクリア塗料等の塗料を塗布する前に、その木目等を美しく見せるため、着色処理を行っている。つまり、木質材表面の導管や溝等の凹部に着色剤を充填塗布し、木目等を際だたせている。
木質材としては、例えば、図4に示すものが用いられている。この木質材151は、略長方形板状である。木質材151は、複数の板を重ねて張り付けた合板であり、その表面には、化粧単板153が張り付けられている。また、木質材151には、長手方向(図4中左右方向)に沿った溝157(以下、このような溝を縦溝とも言う。)が複数形成され、また、長手方向と略直交する短手方向(図4中上下方向)にも溝155(以下、このような溝を横溝とも言う。)が複数形成されている。
【0003】
このような木質材151に着色処理を行うには、図5に示す着色装置101を使用する。この着色装置101は、ロールにスポンジ113が巻かれたスポンジロール111を備える。そして、このスポンジロール111のすぐ横(図中左側)には、ドクターロール115がスポンジロール111に付随して設置されている。また、スポンジロール111の下方には、第1送りロール121が、スポンジロール111と若干の隙間を空けて設置されている。また、スポンジロール111等よりも下流側(木質材151の搬送方向の下流側(図中右側))には、表面にメッキが施されているスチール製の掻取ロール131が設置されている。そして、この掻取ロール131には、掻取ブレード133が取り付けられている。また、掻取ロール131の下方には、第2送りロール141が、掻取ロール131と若干の隙間を空けて設置されている。
【0004】
このうちスポンジロール111は、スポンジロール111とドクターロール115との間に供給された着色剤103を、一旦、表面のスポンジ113に保持し、スポンジロール111が木質材151と接触したときに、保持した着色剤103を木質材151に塗布するものである。着色剤103の塗布量は、スポンジロール111とドクターロール115との間隔を変更して、スポンジ113に掛かる押し付け圧力を変えることにより、調節することが可能である。
第1送りロール121は、スポンジロール111との間隙に上流側(図中左側)から挿入された木質材151を挟み、下流側(図中右側)へ搬送するものである。着色剤103の塗布量は、この第1送りロール121とスポンジロール111との間隙を変更することによっても、若干調節することが可能である。
【0005】
掻取ロール131は、木質材151の表面に接触したときに、スポンジロール111から木質材151に塗布された着色剤103のうち、木質材151の表面の凹部に充填塗布された着色剤103を残しつつ、木質材151の表面上の余分な着色剤103を取り除くものである。木質材151から取り除かれ掻取ロール131に付着した着色剤103は、掻取ブレード133により掻き取られ、再び、スポンジロール111とドクターロール115の間に供給されて再利用される。
第2送りロール141は、掻取ロール131との間隙に上流側(図中左側)から挿入された木質材151を挟み、下流側(図中右側)へ搬送するものである。
【0006】
このような着色装置101により、木質材151は次のようにして着色される。即ち、着色装置101に長手方向を搬送方向として搬送された木質材151は、まず、スポンジロール111と第1送りロール121の間隙に挿入される。そして、木質材151は、これらのロールに挟まれながら下流側(図中右側)へ送られる。その際、スポンジロール111のスポンジ113が木質材151の表面に接触し、木質材151の表面に着色剤103を塗布する。この状態の木質材151は、表面の導管や溝155,157等の凹部に着色剤103が充填塗布されている他、その表面略全面にも余分に着色剤103が塗布されている。
【0007】
その後続いて、木質材151は、掻取ロール131と第2送りロール141との間隙に挿入される。そして、これらのロールに挟まれて下流側(図中右側)へ送られる。その際、掻取ロール131が木質材151の表面に接触し、木質材151の表面の余分な着色剤103を取り除く。これにより、図6に示すように、木質材151は、表面の導管や溝155,157等の凹部にのみ着色剤103が充填塗布され、表面上には着色剤103がほとんどない状態となる。その後は、乾燥機等を用いて、木質材151に充填塗布された着色剤103を乾燥させれば、着色処理が完了する。
着色処理後は、木質材151に下塗り塗料や上塗り塗料等の塗料を略全面に塗布して塗装木質材を完成させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の着色処理には、従来より、着色剤103として溶剤系のものが広く用いられてきた。しかしながら、近年、環境汚染などの問題から、水性着色剤103も利用され始めている。水性着色剤103は、木質材151の性質上、溶剤系着色剤と比べると、溶媒、つまり水分が木質材151中に浸み込みにくい。このため、溶剤系着色剤と同量の水性着色剤103をスポンジロール111で塗布すると、表面上に残っている水性着色剤103の量が多くなるため、木質材151に余分に塗布された水性着色剤103を、掻取ロール131で十分に取り除くことができない。その結果、図6に示すように、木質材151のうち搬送方向の後方部分159(図中左側)、即ち、着色装置101から最後に搬出される部分に、水性着色剤103が累積して溜まり外観不良となる。また、上記のように、木質材151に搬送方向と略直交する溝、具体的には横溝155を有する場合には、横溝155のすぐ後方にも水性着色剤103が多量に溜まって、外観が損なわれることがある。
【0009】
従って、水性着色剤103を使用する場合には、スポンジロール111による塗布量を減らす必要がある。塗布量は、スポンジロール111とドクターロール115の押し付け圧力を高くするなど、着色装置101を調節することにより減らすことができる。また、使用する水性着色剤103の粘度等を変更することによっても減らすことができる。しかし、それでもなお、従来の着色装置101では水性着色剤103の塗布量が多すぎて、上述の外観不良を生じる場合がある。
【0010】
また、上述の外観不良を防止するために、スポンジロール111とドクターロール115の押し付け圧力を上限付近まで上げた場合、塗布量の調節幅が少なくなり、塗布量の調節が困難となる。
また、スポンジロール111とドクターロール115の押し付け圧力を上げることで、スポンジ113に高い圧力が掛かるため、短時間のうちにスポンジ113が破損するという不具合も生じる。
【0011】
なお、上述した従来の着色装置101では、図5において掻取ロール131に矢印で示すように、木質材151を搬送させる方向に掻取ロール131を回転(順回転)させて、木質材151に塗布された余分な水性着色剤103を取り除いている。
これに対し、掻取ロール131を木質材151の搬送させる方向とは逆方向に回転(逆回転)させて、余分な水性着色剤103を取り除くことも可能である。この場合、順回転のときよりは、外観不良が目立たなくなる。しかし、掻取ロール131を逆回転させると、木質材151の前方部分、即ち、最初に掻取ロール131に接触する部分に塗布された水性着色剤103が、掻取ロール131でほとんど取り除かれてしまうため、木質材151の前方部分がほとんど着色されない。従って、この着色されない前方部分を、後に加工したりあるいは除去する場合か、または、その前方部分の上からゴムロールで着色剤をさらに塗布する工程を設ける場合にしか、掻取ロール131を逆回転させることができず、塗装木質材の製造工程に制限が生じる。
【0012】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、木質材表面の導管や溝等の凹部に水性着色剤を塗布したときに、木質材に外観不良が生じるのを抑制することができる塗装木質材の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、木質材を塗装した塗装木質材の製造方法であって、表面が約0.1mm以上0.4mm以下の気孔を有するスポンジからなるスポンジロールにより、上記木質材の表面に水性着色剤を塗布する着色剤塗布工程と、掻取ロールにより、上記木質材の表面の凹部内に上記水性着色剤を残しつつ、上記表面上の余分な水性着色剤を取り除く着色剤掻取工程と、を備える塗装木質材の製造方法である。
また、木質材を塗装した塗装木質材の製造するにあたり、上記木質材を水性木質材で着色するための着色装置であって、上記木質材の表面に上記水性着色剤を塗布するスポンジロールであって、表面が約0.1mm以上0.4mm以下の気孔を有するスポンジからなるスポンジロールと、上記木質材の表面の凹部内に上記水性着色剤を残しつつ、上記表面上の余分な水性着色剤を取り除く掻取ロールと、を備える着色装置である。
【0014】
従来より着色剤の塗布に使用されてきたスポンジロールのスポンジは、気孔の大きさが0.5〜1.0mm程度である。このようなスポンジは、気孔が大きいため、スポンジに多量の着色剤が保持され、木質材への塗布量も多くなる。このため、水性着色剤を用いる場合には、着色剤掻取工程で余分な水性着色剤を十分に取り除くことができず、前述したように、木質材に外観不良が生じる。
【0015】
これに対し、本発明では、木質材に水性着色剤を塗布する場合に、気孔の大きさの小さい、具体的には約0.4mm以下のスポンジを用いる。このようなスポンジは、保持できる水性着色剤の量が少ないので、木質材への塗布量を十分に少なくすることができる。従って、着色剤掻取工程において、木質材の表面上に塗布された余分な水性着色剤を確実に取り除くことができる。よって、着色剤として水性のものを用いても、木質材に外観不良が生じるのを抑制することができる。
一方、スポンジの気孔の大きさが極端に小さいと、水性着色剤を十分に保持できなくなり、木質材に必要な量の水性着色剤を塗布することが困難となる。これに対し本発明では、スポンジの気孔の大きさが、0.1mm以上のものを用いているので、木質材に必要量の水性着色剤を確実に塗布することが可能である。
【0016】
ここで、スポンジは、気孔の大きさが上記範囲内であれば良く、その材質等は、硬度、強度、耐摩耗性等や、使用する水性着色剤による影響等を考慮して適宜選択すれば良い。例えば、その材質として、エチレン・プロピレンゴムや、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、スチレンゴム、ウレタンゴム、ハイバロンゴムなどが挙げられる。
【0017】
なお、着色する木質材の表面に、搬送方向と略直交する方向に沿った溝が形成されている場合には、特に、上記発明を適用するのが好ましい。
このような木質材は、前述したように、その溝のすぐ後方に多量の水性着色剤が溜まり、外観不良を生じやすい。従って、この木質材の着色処理に上記発明を適用し、水性着色剤の塗布量を減らせば、外観不良の抑制効果が顕著に現れる。
【0018】
さらに、上記の塗装木質材の製造方法であって、前記スポンジロールにおける前記スポンジの厚さが約5mm以上15mm以下である塗装木質材の製造方法とすると良い。
また、上記の着色装置であって、前記スポンジロールは、前記スポンジの厚さが約5mm以上15mm以下である着色装置とすると良い。
【0019】
従来より着色剤の塗布に使用されてきたスポンジロールのスポンジは、厚さの比較的厚いものである。スポンジの厚さが厚いと、ドクターロールとスポンジロールとの間隔を狭くしてこれらを圧着させても、その押し付け圧力がスポンジで分散しやすいので、スポンジに水性着色剤が多く保持されやすい。このため、木質材への塗布量も多くなり、ひいては、木質材の外観不良をもたらすことがある。一方、スポンジの厚さが薄すぎると、ドクターロールとスポンジロールとの間で適当な押し付け圧力が得られなくなる。スポンジがその下地であるロール本体の影響を強く受け、スポンジの持つ本来の硬度を発揮することができなくなるからである。
【0020】
これに対し、本発明では、気孔を小さなものとした上で、さらに、厚さの薄い、具体的には約15mm以下のスポンジを用いる。このようにスポンジが薄いと、ドクターロールとスポンジロールとを適度に圧着させることで、スポンジに保持される水性着色剤の量をさらに減らし、木質材への塗布量をさらに減らすことができる。従って、着色剤掻取工程で、木質材の表面上の余分な水性着色剤をさらに確実に取り除くことができ、木質材に外観不良が生じるのをさらに抑制することができる。
一方、スポンジの厚さは、約5mm以上であるので、ドクターロールとスポンジロールとの間隔を調節することで、これらに適度な押し付け圧力を加えることが可能である。
【0021】
さらに、上記の塗装木質材の製造方法であって、前記スポンジロールにおける前記スポンジの厚さが約5mm以上10mm以下である木質材の製造方法とするのが好ましい。
厚さが10mm以下とさらに薄いスポンジを用いることで、水性着色剤の塗布量をさらに減らすことができ、しかも適度な圧力により木質材の溝部の奥まで塗装でき、木質材に生じる外観不良をさらに抑制することができる。
【0022】
さらに、上記のいずれかに記載の塗装木質材の製造方法であって、前記スポンジロールにおける前記スポンジの硬度が約15度以上60度以下である塗装木質材の製造方法とすると良い。
また、上記の着色装置であって、前記スポンジロールは、前記スポンジの硬度が約15度以上60度以下である着色装置とすると良い。
【0023】
従来より着色剤の塗布に使用されてきたスポンジロールのスポンジは、硬度が比較的高いものである。スポンジの硬度が高く硬いと、上述したようしてスポンジに保持される水性着色剤の量を少なくした場合に、木質材表面の導管や溝等の凹部に確実に水性着色剤を充填塗布することが困難となる。一方、スポンジの硬度が低く軟らかすぎると、ドクターロールとスポンジロールとの間で適当な押し付け圧力が得られなくなったり、あるいは、押し付け圧力や木質材の角部がスポンジに当たるときの衝撃等により、スポンジ自体が破損しやすくなる。
【0024】
これに対し、本発明では、気孔を小さなものとした上で、さらに、スポンジの硬度が低く軟らかい、具体的には約60度以下のスポンジを用いる。従って、スポンジに保持される水性着色剤を少なくしても、木質材表面の凹部に確実に水性着色剤を充填塗布することができる。
一方、スポンジの硬度は、約15度以上であるので、ドクターロールとスポンジロールとの間で適当な押し付け圧力が得ることができる。また、スポンジ自体が破損しにくくなる。
なお、本明細書において、スポンジの硬度とは、JIS K 6253及びSRIS0
101(日本ゴム協会標準規格)によって測定した値をいう。
【0025】
さらに、上記の塗装木質材の製造方法であって、前記スポンジロールにおける前記スポンジの硬度が約15度以上40度以下である塗装木質材の製造方法とするのが好ましい。
硬度を約40度以下とさらに低く軟らかくすることにより、木質材表面の凹部にさらに確実に水性着色剤を充填塗布することができる。
またさらに、上記の塗装木質材の製造方法であって、前記スポンジロールにおける前記スポンジの硬度が約25度以上40度以下である塗装木質材の製造方法とするのが好ましい。
硬度の下限を25度以上とさらに高くすることにより、ドクターロールとスポンジロールとの間で適当な押し付け圧力が得ることができ、また、スポンジがさらに破損しにくくなる。
【0026】
さらに、上記のいずれかに記載の塗装木質材の製造方法であって、前記着色剤掻取工程において、前記掻取ロールを順回転させる塗装木質材の製造方法とすると良い。
また、上記のいずれかに記載の着色装置であって、前記掻取ロールは、順回転して余分な前記水性着色剤を取り除く着色装置とすると良い。
【0027】
前述したように、掻取ロールを、木質材を搬送させる方向に順回転させた場合に、特に、木質材に外観不良が生じやすい。従って、掻取ロールを順回転させたときに、上述のいずれかの発明を適用し、スポンジロールによる水性着色剤の塗布量を少なくすれば、木質材に生じる外観不良の抑制効果が顕著に現れる。
なお、本明細書中でロールの順回転とは、ロールと木質材との接点において、木質材の搬送方向とロールの回転方向とが同方向となる回転方向をいう。また、逆回転とは、順回転と反対の回転方向をいう。
【0028】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。
本実施形態で用いる木質材51を、図1に示す。この木質材51は、約30cm×約180cm×約1.2cmの略長方形の略板状である。木質材51は、木材の木目を縦横交互にして奇数層積層してなる合板の表面に、化粧単板53(ナラ単板)を張り付けた化粧合板である。また、木質材51には、長手方向(図1中左右方向)に沿って溝(縦溝)57が複数形成され、また、この長手方向と略直交する短手方向(図1中上下方向)にも溝(横溝)55が複数形成されている。
【0029】
次いで、この木質材51の表面の導管や溝55,57等の凹部に水性着色剤3を充填塗布するための着色装置1について、図2に基づいて説明する。この着色装置1は、直径約20cm、長さ約45cmのスチール製のロール12に、スポンジ13が巻かれたスポンジロール11を備える。そして、このスポンジロール11のすぐ横(図中左側)には、直径約10cm、長さ約45cmのスチールにメッキが施されているドクターロール15がスポンジロール11に付随して設置されている。また、スポンジロール11の下方には、直径約20cm、長さ約35cmの第1送りロール21が、スポンジロール11と若干の隙間を空けて設置されている。
【0030】
また、着色装置1は、スポンジロール11等よりも下流側(木質材51の搬送方向の下流側(図中右側))に、直径約22cm、長さ約45cmのスチールにメッキが施されている掻取ロール31を備える。この掻取ロール31には、スチール製の掻取ブレード33が取り付けられている。また、掻取ロール31の下方には、直径約20cm、長さ約35cmの第2送りロール41が、掻取ロール31と若干の隙間を空けて設置されている。
【0031】
このうちスポンジロール11は、スポンジロール11とドクターロール15との間に供給された水性着色剤3を、一旦、表面のスポンジ13に保持し、スポンジロール11が木質材51と接触したときに、保持した水性着色剤3を木質材51に塗布するものである。水性着色剤3の塗布量は、スポンジロール11とドクターロール15との間隔を変更し、これらのロールの押し付け圧力を変えることにより、調節することが可能である。つまり、押し付け圧力を高くすることにより塗布量を減らし、逆に、押し付け圧力を低くすることにより塗布量を増やすことができる。
なお、スポンジ13(加貫ローラ社製)は、エチレン・プロピレンゴムからなり、厚さ約7mmの略円筒形状をなす。そして、その気孔はほとんどが独立気孔で、各気孔の大きさは約0.2〜0.35mmである。また、スポンジ13の硬度は約30〜35度(硬度測定には、アスカーC型:高分子計器製を使用。)である。
【0032】
着色装置1のうち第1送りロール21は、スポンジロール11との間隙に上流側(図中左側)から挿入された木質材51を挟み、下流側(図中右側)へ搬送するものである。水性着色剤3の塗布量は、この第1送りロール21とスポンジロール11との間隙を変更することによっても、若干調節することが可能である。
【0033】
掻取ロール31は、木質材51の表面に接触したときに、スポンジロール11から木質材51に塗布された水性着色剤3のうち、木質材51の表面の凹部に充填塗布された水性着色剤3を残しつつ、木質材51の表面上の余分な水性着色剤3を取り除くものである。木質材51から取り除かれ掻取ロール31に付着した水性着色剤3は、掻取ブレード33により掻き取られ、再び、スポンジロール11とドクターロール15の間に供給されて再利用される。
第2送りロール41は、掻取ロール31との間隙に上流側(図中左側)から挿入された木質材51を挟み、下流側(図中右側)へ搬送するものである。
【0034】
次いで、塗装木質材の製造方法について説明する。
木質材51の略全面に塗料を塗布する前に、まず、上記着色装置1を用いて、木質材51に着色処理を行い、木質材51の表面の導管や溝55,57等の凹部を着色する。
即ち、上記木質材51の表面を予め#240のサンドペーパーで研磨しておき、これを着色装置1まで搬送する。本実施形態では、木質材51をその長手方向に沿う方向に搬送する。搬送された木質材51は、まず、スポンジロール11と第1送りロール21との間隙に挿入される。そして、木質材51は、これらのロールに挟まれながら下流側(図中右側)へ送られる。その際、スポンジロール11のスポンジ13が木質材51の表面に接触し、木質材51の表面に水性着色剤3(ナトコ社製フローラ)を塗布する(着色剤塗布工程)。この状態の木質材51は、表面の導管や溝55,57等の凹部に水性着色剤3が充填塗布されている他、その表面略全面にも余分に水性着色剤3が塗布されている。
【0035】
その後続いて、木質材51は、掻取ロール31と第2送りロール41との間隙に挿入される。そして、これらのロールに挟まれて下流側(図中左側)へ送られる。その際、掻取ロール31が木質材51の表面に接触し、木質材51の表面上の余分な水性着色剤3を取り除く(着色剤掻取工程)。これにより、図3に示すように、木質材51は、導管や溝55,57等の凹部にのみ水性着色剤3が充填塗布され、表面上には水性着色剤3がほとんどない状態となる。
【0036】
着色剤塗布工程では、スポンジロール11の表面のスポンジ13として、気孔の大きさが、約0.2〜0.35mmと約0.4mm以下の小さいものを用いているので、これに保持できる水性着色剤3の量が少ない。このため、木質材51への塗布量も少なくすることができ、着色剤掻取工程において、掻取ロール31で余分な水性着色剤3を確実に取り除くことができる。従って、着色剤をして水性着色剤3を用いても、木質材51に外観不良が生じにくい。
なお、スポンジ13の気孔の大きさは、約0.1mm以上でもあるので、木質材51の着色に必要な水性着色剤3を、十分に保持することが可能である。
【0037】
また、着色剤塗布工程では、厚さが約15mm以下、さらには、約10mm以下である厚さ約7mmの薄いスポンジ13を用いているので、ドクターロール15とスポンジロール11との間隔を変更することで、押し付け圧力を適度な大きさにすることができ、スポンジ13に保持される水性着色剤3の量を少なくすることができる。従って、木質材51への塗布量も少なくすることができ、着色剤掻取工程で掻取ロール31により余分な水性着色剤3を確実に取り除くことができる。従って、木質材51に外観不良が生じにくい。
なお、スポンジ13の厚さは、約5mm以上でもあるので、その下地のロール12の影響を受けにくく、ドクターロール15とスポンジロール11に適度な圧力を加えることが可能である。
【0038】
また、着色剤塗布工程では、硬度が約60度以下、さらには、約40度以下である硬度約30〜35度の軟らかいスポンジ13を用いているので、スポンジ13に保持される水性着色剤3を少なくした場合であっても、木質材51の表面の導管や溝55,57等の凹部に水性着色剤3を確実に充填塗布することができる。また、スポンジ13の硬度は、約15度以上で、さらには25度以上であり、ある程度の硬さを有しているので、ドクターロール15とスポンジロール11との間で適度な押し付け圧力を得ることができる。また、スポンジ13自体も破損しにくい。
【0039】
また、本実施形態では、木質材51の表面に、搬送方向と略直交する方向に横溝55が複数形成されているので、特に、この横溝55の部分で木質材51に外観不良が生じやすい(図6参照)。しかし、上述したように、着色剤塗布工程において水性着色剤3の塗布量を十分少なくしているので、従来のような外観不良は抑制される。
また、掻取ロール33を順回転させているので、特に、木質材51の後方部分や横溝55の部分で木質材51に外観不良が生じやすい(図6参照)。しかし、これについても、上述したように、着色剤塗布工程において水性着色剤3の塗布量を十分少なくしているので、従来のような外観不良は抑制される。
【0040】
なお、本実施形態のように、スポンジ13の気孔の大きさや厚さ、硬度を適当なものとすれば、スポンジロール11による塗布量を十分に少なくすることが可能であるので、スポンジロール11とドクターロール15の押し付け圧力を上限付近にまで上げなくてもよい。つまり、押し付け圧力の調節幅が大きくなる。このため、着色する木質材51の材質や厚さ、使用する水性着色剤3の材質や粘度等に合わせて、押し付け圧力を調節することにより、容易に塗布量を調節することができる。
【0041】
着色剤掻取工程後は、ジェット乾燥機を用いて、木質材51の凹部に充填塗布された水性着色剤3を乾燥させる。
着色処理後は、公知の手法により、木質材51に塗料を塗布する。例えば、着色された木質材51の表面略全面に、下塗りとして、アクリル系UV塗料(ナトコ社製IST NO.300)を、2.0g/(30cm)2 の割合で塗布する。その後、UVドライヤーにより、この下塗り塗料を硬化させる。
次に、下塗りされた木質材51の表面略全面に、中塗りとして、アクリル系UV塗料(ナトコ社製IST NO.400)を、1.5g/(30cm)2 の割合で塗布する。その後、UVドライヤーにより、この中塗り塗料を硬化させる。
次に、中塗りされた木質材51の表面を、#320のサンドペーパーで研磨してから、上塗りとして、アクリル系UV塗料(ナトコ社製IST NO.600)を、6.0g/(30cm)2 の割合で塗布する。そして、UVドライヤーにより、この上塗り塗料を硬化させる。
このようにして、塗装木質材が完成する。
【0042】
(実施形態2)
次いで、第2の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。また、上記実施形態1との相違については図7を参照されたい。
本実施形態2で用いる木質材51は、上記実施形態1と同様である。
一方、着色装置1は、スポンジロール11に巻かれたスポンジ13以外は、上記実施形態1と同様である。スポンジ13(加貫ローラ社製)は、エチレン・プロピレンゴムからなり、その厚さは約10mmである。また、気孔の大きさは約0.1〜0.25mmである。また、スポンジ13の硬度は約70度(硬度測定には、アスカーC型:高分子計器製を使用。)である。
【0043】
次いで、塗装木質材の製造方法について説明する。
上記実施形態1と同様にして、着色剤塗布工程及び着色剤掻取工程を行う。
着色剤塗布工程では、硬度が約60度以上の、硬度約70度のスポンジ13を用いているので、硬すぎて、スポンジロール11と第1送りロール21との隙間を狭めても、溝への着色が十分にできない恐れがある。このため、従来に比べると外観は良好であるが、上記実施形態1と比べると外観は若干劣ることがある。従って、スポンジ13の硬度は60度以下にするのが好ましい。
【0044】
着色剤掻取工程後は、上記実施形態1と同様に、ジェット乾燥機を用いて、木質材51の凹部に充填塗布された水性着色剤3を乾燥させる。そしてその後は、木質材51に塗料を塗布し、硬化させて塗装木質材を完成する。
【0045】
(実施形態3)
次いで、第3の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1または2と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。また、上記各実施形態1,2との相違については図7を参照されたい。
本実施形態3で用いる木質材51は、上記各実施形態1,2と同様である。
一方、着色装置1は、スポンジロール11に巻かれたスポンジ13以外は、上記各実施形態1,2と同様である。スポンジ13(加貫ローラ社製)は、エチレン・プロピレンゴムからなり、気孔の大きさは約0.1〜0.25mmである。また、厚さは20mmである。また、硬度は約25〜30度(硬度測定には、アスカーC型:高分子計器製を使用。)である。
【0046】
次いで、塗装木質材の製造方法について説明する。
上記各実施形態1,2と同様にして、着色剤塗布工程及び着色剤掻取工程を行う。
着色剤塗布工程では、厚さが約15mm以上の、厚さ約20mmの厚いスポンジ13を用いているので、ほとんど独立気孔とはいえ水性着色剤3を含みやすくなる。そのため、ドクターロール15とスポンジロール11の間隔を変更して押し付け圧力を大きくしても、スポンジ13に保持される水性着色剤3の量を少なくしにくい。このため、木質材51への塗布量も多くなりがちで、着色剤掻取工程において、余分な水性着色剤3が僅かに残る恐れがある。また、スポンジ13が厚いことにより、凹部への力が分散し、溝の深部に水性着色剤3が届かず、未着色の状態が発生する恐れもある。従って、従来と比べると外観は良好であるが、実施形態1,2に比べると外観は若干劣ることがある。そのため、スポンジ13の厚みは15mm以下にするのが好ましい。
【0047】
着色剤掻取工程後は、上記各実施形態1,2と同様に、ジェット乾燥機を用いて、木質材51の凹部に充填塗布された水性着色剤3を乾燥させる。そしてその後は、木質材51に塗料を塗布し、硬化させて塗装木質材を完成する。
【0048】
(実施形態4)
次いで、第4の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1〜3のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。また、上記各実施形態1〜3との相違については図7を参照されたい。
本実施形態4の木質材51は、その大きさが約10cm×約180cm×約1.5cmである。それ以外は上記各実施形態1〜3と同様である。
【0049】
一方、着色装置1は、直径約25cm、長さ約60cmのスチール製のロール12に、スポンジ13が巻かれたスポンジロール11を備える。また、直径約15cm、長さ約60cmのスチールにメッキが施されているドクターロール15がスポンジロール11に付随して設置されている。また、直径約25cm、長さ約60cmの第1送りロール21が、スポンジロール11と若干の隙間を空けて設置されている。
また、着色装置1は、直径約25cm、長さ約60cmのスチールにメッキが施されている掻取ロール31を備える。この掻取ロール31には、上記各実施形態1〜3とは異なる樹脂製の掻取ブレード33が取り付けられている。また、直径約25cm、長さ約60cmの第2送りロール41が、掻取ロール31と若干の隙間を空けて設置されている。
なお、スポンジ13(加貫ローラ社製)は、エチレン・プロピレンゴムからなり、厚さは約5mmである。また、気孔の大きさは約0.3〜0.4mmである。また、硬度は約35〜40度(硬度測定には、アスカーC型:高分子計器製を使用。)である。
【0050】
次いで、塗装木質材の製造方法について説明する。
上記各実施形態1〜3と同様にして、着色剤塗布工程及び着色剤掻取工程を行う。
着色剤塗布工程では、スポンジロール11の表面のスポンジ13として、気孔の大きさが、約0.3〜0.4mmと約0.4mm以下の小さいものを用いているので、これに保持できる水性着色剤3の量が少ない。このため、木質材51への塗布量も少なくすることができ、着色剤掻取工程において、掻取ロール31で余分な水性着色剤3を確実に取り除くことができる。従って、着色剤として水性着色剤3を用いても、木質材51に外観不良が生じにくい。
なお、スポンジ13の気孔の大きさは、約0.1mm以上でもあるので、木質材51の着色に必要な水性着色剤3を、十分に保持することが可能である。
【0051】
また、着色剤塗布工程では、厚さが約15mm以下、さらには、約10mm以下である厚さ約5mmの薄いスポンジ13を用いているので、ドクターロール15とスポンジロール11との間隔を変更することで、押し付け圧力を適度な大きさにすることができ、スポンジ13に保持される水性着色剤3の量を少なくすることができる。従って、木質材51への塗布量も少なくすることができ、着色剤掻取工程で掻取ロール31により余分な水性着色剤3を確実に取り除くことができる。従って、木質材51に外観不良が生じにくい。
なお、スポンジ13の厚さは、約5mm以上でもあるので、その下地のロール12の影響を受けにくく、ドクターロール15とスポンジロール11に適度な圧力を加えることが可能である。
【0052】
また、着色剤塗布工程では、硬度が約60度以下、さらには、約40度以下である硬度約35〜40度の軟らかいスポンジ13を用いているので、スポンジ13に保持される水性着色剤3を少なくした場合であっても、木質材51の表面の導管や溝55,57等の凹部に水性着色剤3を確実に充填塗布することができる。また、スポンジ13の硬度は、約15度以上で、さらには25度以上であり、ある程度の硬さを有しているので、ドクターロール15とスポンジロール11との間で適度な押し付け圧力を得ることができる。また、スポンジ13自体も破損しにくい。
【0053】
着色剤掻取工程後は、上記各実施形態1〜3と同様に、ジェット乾燥機を用いて、木質材51の凹部に充填塗布された水性着色剤3を乾燥させる。そしてその後、木質材51に塗料を塗布し、硬化させて塗装木質材を完成する。
【0054】
(実施形態5)
次いで、第5の実施形態について説明する。なお、上記各実施形態1〜4のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。また、上記各実施形態1〜4との相違については図7を参照されたい。
本実施形態5の木質材51は、その大きさが約90cm×約180cm×約0.9cmである。また、化粧単板53としてカバ単板を張り付けてある。それ以外は上記各実施形態1〜4と同様である。
【0055】
一方、着色装置1は、直径約25cm、長さ約120cmのスチール製のロール12に、スポンジ13が巻かれたスポンジロール11を備える。また、直径約15cm、長さ約120cmのスチールにメッキが施されているドクターロール15がスポンジロール11に付随して設置されている。また、直径約25cm、長さ約120cmの第1送りロール21が、スポンジロール11と若干の隙間を空けて設置されている。
また、着色装置1は、直径約25cm、長さ約120cmのスチールにメッキが施されている掻取ロール31を備える。この掻取ロール31には、上記各実施形態1〜4とは異なるゴム製の掻取ブレード33が取り付けられている。また、直径約25cm、長さ約120cmの第2送りロール41が、掻取ロール31と若干の隙間を空けて設置されている。
なお、スポンジ13(加貫ローラ社製)は、厚さは約10mmである。また、気孔の大きさは約0.1〜0.25mmである。また、硬度は約25〜30度(硬度測定には、アスカーC型:高分子計器製を使用。)である。
【0056】
次いで、塗装木質材の製造方法について説明する。
上記各実施形態1〜4と同様にして、着色剤塗布工程及び着色剤掻取工程を行う。
着色剤塗布工程では、スポンジロール11の表面のスポンジ13として、気孔の大きさが、約0.1〜0.25mmと約0.4mm以下の小さいものを用いているので、これに保持できる水性着色剤3の量が少ない。このため、木質材51への塗布量も少なくすることができ、着色剤掻取工程において、掻取ロール31で余分な水性着色剤3を確実に取り除くことができる。従って、着色剤をして水性着色剤3を用いても、木質材51に外観不良が生じにくい。
なお、スポンジ13の気孔の大きさは、約0.1mm以上でもあるので、木質材51の着色に必要な水性着色剤3を、十分に保持することが可能である。
【0057】
また、着色剤塗布工程では、厚さが約15mm以下、さらには、約10mm以下である厚さ約10mmの薄いスポンジ13を用いているので、ドクターロール15とスポンジロール11との間隔を変更することで、押し付け圧力を適度な大きさにすることができ、スポンジ13に保持される水性着色剤3の量を少なくすることができる。従って、木質材51への塗布量も少なくすることができ、着色剤掻取工程で掻取ロール31により余分な水性着色剤3を確実に取り除くことができる。従って、木質材1に外観不良が生じにくい。
なお、スポンジ13の厚さは、約5mm以上でもあるので、その下地のロール12の影響を受けにくく、ドクターロール15とスポンジロール11に適度な圧力を加えることが可能である。
【0058】
また、着色剤塗布工程では、硬度が約60度以下、さらには、約40度以下である硬度約25〜30度の軟らかいスポンジ13を用いているので、スポンジ13に保持される水性着色剤3を少なくした場合であっても、木質材51の表面の導管や溝55,57等の凹部に水性着色剤3を確実に充填塗布することができる。また、スポンジ13の硬度は、約15度以上で、さらには25度以上であり、ある程度の硬さを有しているので、ドクターロール15とスポンジロール11との間で適度な押し付け圧力を得ることができる。また、スポンジ13自体も破損しにくい。
【0059】
着色剤掻取工程後は、上記各実施形態1〜4と同様にして、ジェット乾燥機を用いて、木質材51の凹部に充填塗布された水性着色剤3を乾燥させる。そしてその後は、木質材51に塗料を塗布し、硬化させて塗装木質材を完成する。
【0060】
(比較形態)
次いで、比較形態について説明する。なお、上記各実施形態1〜5のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。また、上記各実施形態1〜5との相違については図7を参照されたい。
本比較形態で用いる木質材51は、上記実施形態1等と同様である。
一方、着色装置1は、スポンジロール11に巻かれたスポンジ13以外は、上記実施形態1等と同様である。スポンジ13(加貫ローラ社製)は、エチレン・プロピレンゴムからなり、その厚さは約10mmである。また、気孔の大きさは約0.4〜0.6mmである。また、硬度は約25〜30度である。
【0061】
次いで、塗装木質材の製造方法について説明する。
上記各実施形態1〜5と同様にして、着色剤塗布工程及び着色剤掻取工程を行う。
着色剤塗布工程では、スポンジロール11の表面のスポンジ13として、気孔の大きさが約0.4〜0.6mmと約0.4mm以上の大きいものを用いているので、これに保持できる水性着色剤3の量が多くなる。このため、押しつけ圧力を高くするなどの操作を行っても、木質材51への塗布量も少なくすることができず、着色剤掻取工程において、掻取ロール31で余分な水性着色剤3を確実に取り除くことができない。従って、木質材1に外観不良が生じる。特に、横溝のオーバーフローが発生する。このため、スポンジ13の気孔の大きさを0.4mm以上にするのは好ましくない。
【0062】
着色剤掻取工程後は、上記各実施形態1〜5と同様にして、ジェット乾燥機を用いて、木質材51の凹部に充填塗布された水性着色剤3を乾燥させる。そしてその後は、木質材51に塗料を塗布し、硬化させて塗装木質材を完成する。
【0063】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記各実施形態1〜5に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態1〜5では、着色前の木質材51として、特に加工がされていない板形状のものを示したが、例えば、木質材51の端部に予めサネ加工などの加工がされたものを用いることもできる。
【0064】
また、上記各実施形態1〜5では、掻取ロール31を順回転させて余分な水性着色料3を取り除いているが、掻取ロール31を逆回転させることもできる。この場合、従来技術で述べたように、最初に掻取ロール31に接触する部分は、一旦塗布された水性着色剤3がほとんど取り除かれ、着色されなくなる。従って、掻取ロール31を逆回転させるのは、着色工程後あるいは塗装後に、木質材51の前方部分を切断除去したり、あるいは、サネ加工等の加工を施す場合であるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る塗装木質材の製造方法に関し、着色処理前の木質材を示す説明図である。
【図2】 実施形態に係る着色装置を示す説明図である。
【図3】 実施形態に係る塗装木質材の製造方法に関し、着色処理後の木質材を示す説明図である。
【図4】 従来形態に係る塗装木質材の製造方法に関し、着色処理前の木質材を示す説明図である。
【図5】 従来形態に係る着色装置を示す説明図である。
【図6】 従来形態に係る塗装木質材の製造方法に関し、着色処理後の木質材を示す説明図である。
【図7】 実施形態と比較形態との相違を示す説明図である。
【符号の説明】
1 着色装置
3 水性着色剤
11 スポンジロール
13 スポンジ
15 ドクターロール
31 掻取ロール
33 掻取ブレード
51 木質材
53 化粧単板
55 溝(横溝)(凹部)
57 溝(縦溝)(凹部)
Claims (8)
- 木質材を塗装した塗装木質材の製造方法であって、
表面が約0.1mm以上0.4mm以下の気孔を有するスポンジからなるスポンジロールにより、上記木質材の表面に水性着色剤を塗布する着色剤塗布工程と、
掻取ロールにより、上記木質材の表面の凹部内に上記水性着色剤を残しつつ、上記表面上の余分な水性着色剤を取り除く着色剤掻取工程と、
を備える塗装木質材の製造方法。 - 請求項1に記載の塗装木質材の製造方法であって、
前記スポンジロールにおける前記スポンジの厚さが約5mm以上15mm以下である
塗装木質材の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の塗装木質材の製造方法であって、
前記スポンジロールにおける前記スポンジの硬度が約15度以上60度以下である
塗装木質材の製造方法。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の塗装木質材の製造方法であって、
前記着色剤掻取工程において、前記掻取ロールを順回転させる
塗装木質材の製造方法。 - 木質材を塗装した塗装木質材の製造するにあたり、上記木質材を水性木質材で着色するための着色装置であって、
上記木質材の表面に上記水性着色剤を塗布するスポンジロールであって、表面が約0.1mm以上0.4mm以下の気孔を有するスポンジからなるスポンジロールと、
上記木質材の表面の凹部内に上記水性着色剤を残しつつ、上記表面上の余分な水性着色剤を取り除く掻取ロールと、
を備える着色装置。 - 請求項5に記載の着色装置であって、
前記スポンジロールは、前記スポンジの厚さが約5mm以上15mm以下である
着色装置。 - 請求項5または請求項6に記載の着色装置であって、
前記スポンジロールは、前記スポンジの硬度が約15度以上60度以下である
着色装置。 - 請求項5〜請求項7のいずれかに記載の着色装置であって、
前記掻取ロールは、順回転して余分な前記水性着色剤を取り除く
着色装置。
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