JP3679511B2 - 高清浄鋼の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鋼の製造方法に関するものであり、とくに溶鋼中の有害なアルミナ系介在物を減少させる高清浄鋼の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼の製造において、脱酸処理や溶鋼の二次酸化によって発生した非金属介在物は品質に著しい悪影響を与えることが知らされている。そこで、従来より鋼中に存在する介在物を減少させる方法が数多く提案されており、これらは「高清浄鋼」(第126・127回西山記念技術講座、日本鉄鋼協会編、昭和63年11月)に記載されている。
【0003】
これらの方法は、介在物個数を極力少なくする方法と介在物を無害化する方法に大別される。前者の例は二次精錬での撹拌や連鋳での再酸化防止技術であり、同書11頁には撹拌により脱酸生成物の浮上・分離が促進されると記載されており、また同書13頁には再酸化防止技術としてタンディッシュ内の不活性ガスシールが記載されている。また、後者の例としては介在物の組成制御があげられ、同書15頁には目標とする介在物組成の例があげられている。
【0004】
また、坂尾ら(鉄と鋼、第57年(1971)第13号、p.1863)は各種脱酸材の脱酸挙動を評価しているが、その中で複合脱酸での溶鋼清浄化の速度論的な特徴として、低融点の複合酸化物生成による凝集合体促進を掲げ、複合脱酸は単独脱酸に対して溶鋼清浄化効果が高いとしている。
【0005】
しかしながら、例えば極低炭素鋼製造においては、Alキルドが前提であり、従来の脱酸方法では脱酸生成物はAl23であり、前述した複合脱酸による溶鋼清浄化の効果は期待できない。
【0006】
近年需要家の品質要求は厳格となっており、それに合わせて介在物の総量を極限まで低減させる必要があることは前述したとおりであるが、例えば薄板の代表的な表面欠陥であるスリバー疵は鋳片の表層近傍に捕捉された500μm以上の粗大なアルミナクラスターが主原因であることが知られている。従って、これら500μm以上の粗大なアルミナクラスターを低減する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、溶鋼中に存在する粗大なアルミナクラスターの個数を低減できれば、製品の内部品質のみならず、表面品質を向上することができる。本発明は高清浄鋼の製造方法として、粗大な介在物、特にアルミナクラスター個数を低減する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決したものであり、その要旨は、
重量%でAl:0.01〜0.1%、Ti:0.01〜0.1%の組成を有する炭素鋼を製造するに際し、溶鋼の脱酸処理工程において、Tiを添加する前の一次Al濃度を以下の式の範囲に制御することを特徴とする高清浄鋼の製造方法である。
【0009】
0.1×C(O)<C(Al)<162.5+0.375×C(O)
ここに、C(Al):Al濃度(ppm)
C(O) :Al添加前の溶鋼中フリ−酸素濃度(ppm)
以下本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明者らは脱酸処理でのAl投入方法を種々に変えた実験を行い、複合脱酸時にAlとTiによる複合脱酸生成物が溶鋼の処理途中工程において、生成する条件を検討した。その結果、脱酸前の溶鋼中フリー酸素濃度に応じて、Tiを添加する前のAlの添加量を本発明の範囲になるように制御した場合球状介在物となって系外に浮上する。
【0011】
本発明者らは鋼中のAl23系介在物を減少させるために脱酸過程でAlとTi種々の添加量による脱酸実験を行った。その結果、脱酸前の溶鋼中溶存酸素濃度に応じて、添加するAl量を制御することで、Ti添加後に溶鋼中に低融点の球状介在物が生成する下記条件を見いだした。
【0012】
0.1×C(O)<C(Al)<162.5+0.375×C(O)
ここに、C(Al):Al濃度(ppm)
C(O) :Al添加前の溶鋼中フリ−酸素濃度(ppm)
さらに、低融点介在物が生成する条件で脱酸すると最終的な製品の介在物量が、低融点介在物が生成しない条件に比べて、少なくなることを見いだした。これは、低融点介在物が生成すると、高融点のAl23が形成するクラスターに比べて凝集合体が起こりやすく、また浮上速度が大きくなるため介在物がより多く系外に分離するからである。
【0013】
一般的にAl23はアルミナクラスターを形成しやすく、一度アルミナクラスターを形成するとクラスター内部の溶鋼流動が著しく低下するため、見かけの密度が大きくなり溶鋼との密度差が介在物単体に比べて小さくなり、その結果浮上分離速度が小さくなることが知られている。
【0014】
したがって、溶鋼清浄度を効率的に上げるためには、密度の大きいアルミナクラスターが生成する場合は、溶鋼の撹拌強度を大きくし、凝集速度をさらに上げるか、Arガス等を吹き込み強制的にアルミナクラスターと合体させ浮上分離させる必要がある。
【0015】
しかしながら、溶鋼撹拌強度を過剰に上げると溶鋼表面の乱れから、大気との反応やスラグ巻き込み等により逆に溶鋼を汚染してしまうため、余り上げられない。また、気泡を吹き込むと先述した溶鋼汚染が起こる可能性があり、吹き込むAr量にも上限がある。
【0016】
本発明の原理は次のように考えられる。始めにAlで脱酸すると、溶鋼中にはAl23系酸化物が生成する。次にTiを添加すると、残存している溶鋼中溶存酸素と反応しTi系酸化物を形成する。そして、溶鋼中に存在していたAl23系介在物と合体し、低融点のTiO2−Al23複合脱酸生成物を形成する。これらは凝集合体しやすく、固体のアルミナクラスターよりも短時間で系外に分離する。その結果、鋼中の介在物が減少する。
【0017】
しかしながら、添加するAl濃度が高い場合は、溶存酸素が低いために、十分な量のTiO2が生成せず、溶鋼中の介在物は主にAl23となってしまい、アルミナクラスターを形成し、浮上速度は小さくなる。本発明の範囲にAl添加量を制御することで、低融点介在物を生成することができる。
【0018】
次に本発明の式中に示した数式の決定理由について述べる。
本発明に示した添加量算出式は、上述の実験結果に基づき求めた条件式であって、上限はAlによって多量のAl23が生成し、Tiを添加しても低融点介在物が生成しない条件である。
【0019】
また、下限はTi添加によって複合酸化物を生成することができる最低のAl23量を形成するAl添加量である。完全にAl無添加の場合はTi添加後に固体のTiO2が生成し、浮上分離効果が小さくなる。従って、Ti添加前には少量のAl23が存在する必要がある。この量は溶鋼中酸素の1/10と結合する量のAlである。
【0020】
また、Al添加前の溶鋼中フリー酸素濃度の測定であるが、汎用的に使用されている酸素センサー等で測定可能である。
【0021】
【実施例】
高周波誘導溶解実験において、Ar雰囲気、MgO坩堝中で溶鋼を1kg溶解し、1570℃に保持した後Al,Tiを所定量添加し、Ti添加直後直ちに溶鋼試料を採取した。Ti添加後約5分間保定した後電源を切り、坩堝中で空冷凝固させた。Al添加前後の溶鋼中フリー酸素は酸素センサーで測定した。得られたインゴットを切断加工し、光学顕微鏡で10μm以上の介在物分布を調査し、介在物個数をもとめた。
【0022】
表1に各試料の成分と脱酸元素添加量およびインゴットで観察された介在物個数を示す。この結果から本発明の条件範囲を外れた場合は本発明に比べて介在物個数が多くなっている。
【0023】
確認のため、図1にはTi添加後に採取した試料中に球状介在物が観察された範囲を示す。本発明の条件範囲で球状介在物が生成しており、本発明の考え方どおり、球状介在物が生成することで溶鋼の清浄度が向上することがわかる。
【0024】
【表1】
Figure 0003679511
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法を用いれば、従来の方法では低減できなかった粗大なアルミナクラスター量を低減する事ができ、製品欠陥を減少させることが可能となる。従って、製品における表面欠陥の発生が低減することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ti添加後に採取した試料中に球状介在物が観察された範囲を示す図。

Claims (1)

  1. 重量%でAl:0.01〜0.1%、Ti:0.01〜0.1%の組成を有する炭素鋼を製造するに際し、溶鋼の脱酸処理工程において、Tiを添加する前の一次Al濃度を以下の式の範囲に制御することを特徴とする高清浄鋼の製造方法。
    0.1×C(O)<C(Al)<162.5+0.375×C(O)
    ここに、C(Al):Al濃度(ppm)
    C(O) :Al添加前の溶鋼中フリ−酸素濃度(ppm)
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