JP3679385B2 - ウェッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PC(プレストレストコンクリート)用緊張材を定着具に定着させるためのウェッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来のウェッジの内側面に形成されている歯型の形状を示す拡大断面図である。従来のウェッジは、PC構造物内に装着された緊張材(不図示)を中空部に通し、歯型1が形成されている内側面で前記緊張材を保持する。そして、ウェッジ全体を定着具に装着するかたちで前記緊張材をその装着具に装着する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
緊張材を保持するウェッジは、緊張材の強大な張力の影響を直接受けることになる。この結果、ウェッジの内側面に形成された歯型1が緊張材を保持するため、必要以上にその緊張材に食い込むことが起こりうる。このような場合、歯型1が必要以上に食い込んだ部分の緊張材断面の口径は小さくなる。そして、緊張材は断面の口径が前記張力に耐えることができないような大きさになった場合、その部分に破断が生じ緊張材が切断されてしまうという問題が起きる。
【0004】
本発明は、上記のような従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、歯型が緊張材に対し必要以上に食い込むことを防止し、緊張材の破断を回避しうるウェッジを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のウェッジは、上記目的を達成するため、プレストレストコンクリート用緊張材を定着具に定着させるための、中空部が形成されたテーパ形状のウェッジであって、前記中空部側の面に、頂部と谷部とからなる歯型が複数個形成されると共に夫々の前記頂部には大小二つの歯先が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のウェッジは、請求項1に記載のウェッジにおいて、前記小さい歯先の断面のなす角を鈍角にしたことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のウェッジは、請求項1または2に記載のウェッジにおいて、前記大きい歯先の断面のなす角を鋭角にしたことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載のウェッジは、請求項1ないし3の何れかに記載のウェッジにおいて、隣合う前記頂部の間隔が大きくなるように前記谷部の領域を広げて形成したことを特徴とする。
本発明の請求項5に記載のウェッジは、請求項1ないし4の何れかに記載のウェッジにおいて、前記谷部を通る横断面と一方の斜辺とのなす角(a1)が、他方の斜辺とのなす角(a2)よりも大きいことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図示した一実施の形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
【0007】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態にかかるウェッジの外形を示す平面図である。図2は、本実施の形態にかかるウェッジの外形を示す側面図である。図3は、本実施の形態にかかるウェッジの外形を示す底面図である。本実施の形態のウェッジは、外形がテーパ形状をなし、上面11から底面12を貫く中空部13が形成されている。そして、図4に示すように、ウェッジの内側(中空部13側)面には、歯型14が形成されている。
【0008】
図5は、歯型14の形状を示す断面図である。本実施の形態のウェッジでは、歯型14を頂部15と谷部16で形成する。図6は、本実施の形態のウェッジの使用状態を示す拡大断面図である。本実施の形態のウェッジは、歯形14で図7に示すようなPC鋼線17aにエポキシ樹脂17bを被覆した緊張材17を保持する。本実施の形態のウェッジでは、谷部16の領域を比較的広く確保し、隣合う頂部15の間隔に余裕をもたせている。さらに、頂部15に大小2つの歯先15a,15bを形成している。特に、大きい歯先15aの断面の角度が鋭角に、小さい歯先15bの断面の角度が鈍角になるようにしている。
【0009】
このように、本実施の形態では、大小2つの歯先15a,15bを形成したため、従来のウェッジのように歯先が1つの場合と比べ、歯先が緊張材17のPC鋼線17aに及ぼす力を分散させることができる。特に、本実施の形態では、小さい歯先15bの断面が鈍角になるように形成しているため、小さい歯先15bのPC鋼線17aに対する食い込みをできるだけ小さくすることができる。これにより大きい歯先15aのPC鋼線17aに対する食い込みが必要以上に大きくならないように調整することが可能になる。一方で、緊張材17の保持力の低下を招くこともない。なお、かかる効果を期待するためには、大きい歯先15aと小さい歯先15bとの高さの差は、0.2mm程度であることが好ましい。
【0010】
図8は、本実施の形態のウェッジの使用状態を示す側面図である。ここに示すように、緊張材17を本実施の形態のウェッジに保持した場合、緊張材17は図の矢印方向へ強い力で引っ張られる。この強い張力がウェッジの歯先のPC鋼線17aに対する食い込みを助長させることになる。
しかしながら、本実施の形態のウェッジでは、前述のように大小2つの歯先15a,15bを形成したため(図6参照)、従来のものとは異なり、緊張材17を保持する場合、小さい歯先15bの作用により大きい歯先15aがPC鋼線17aに対し必要以上に食い込むことを防止する。したがって、PC鋼線17aに対する大きい歯先15aの食い込みすぎを原因とするPC鋼線17aの破断を回避できる。
【0011】
また、大小2つの歯先15a,15bがPC鋼線17aに食い込む際、歯先15a,15bが食い込んだ部分のエポキシ樹脂17bが盛り上がり谷部16に収まる(図6参照)。本実施の形態のウェッジでは、この谷部16(幅0.4mm程度が好ましい)を比較的広く形成したため、いったん谷部16に収まったエポキシ樹脂17bが谷部16から溢れ出ることはない。したがって、谷部16から溢れ出たエポキシ樹脂17bにより歯先15a,15bがPC鋼線17aから浮き上がるといった不具合も回避することができる。
【0012】
(実施の形態2)
図9は、本実施の形態にかかるウェッジに形成された歯型の詳細形状を示す拡大断面図である。本実施の形態は、実施の形態1の変形例である。本実施の形態のウェッジは、歯型14の谷部16にエポキシ樹脂を溜めておくための領域を設けていない点以外は実施の形態1に示したものと同様の構成である。本実施の形態のウェッジは、エポキシ樹脂で被膜されていないPC鋼線のみからなる緊張材に対して用いることを想定したものである。
【0013】
以上、本発明の一実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら本発明はこの実施の形態に示した事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基づいてその変更、改良等が可能であることは云うまでもない。例えば、用いる緊張材の特性に応じて歯型14の形状を変えることが可能である。また、この実施の形態では、PC鋼線17aに防錆材としてエポキシ樹脂17bが被覆された緊張材17を用いて説明したが、本発明のウェッジはその他好適な防錆材で被覆された緊張材にも適用できる。
【0014】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、歯型が緊張材に対し必要以上に食い込むことを防止し、緊張材の破断を回避しうるウェッジを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1にかかるウェッジの外形を示す平面図である。
【図2】 実施の形態1にかかるウェッジの外形を示す側面図である。
【図3】 実施の形態1にかかるウェッジの外形を示す底面図である。
【図4】 実施の形態1にかかるウェッジの内側面図である。
【図5】 実施の形態1のウェッジの内側面に形成された歯型14の形状を示す断面図である。
【図6】 実施の形態1のウェッジの使用状態を示す拡大断面図である。
【図7】 緊張材17の構造を示す断面図である。
【図8】 実施の形態1のウェッジの使用状態を示す側面図である。
【図9】 実施の形態2にかかるウェッジに形成された歯型の詳細形状を示す拡大断面図である。
【図10】 従来のウェッジの内側面に形成されている歯型の形状を示す拡大断面図である。
【図11】 図9において、形成された歯型の一方の斜辺の角度と他方の斜辺の角度を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1、14 歯型
11 上面
12 底面
13 中空部
15 頂部
15a、15b 歯先
16 谷部
17 緊張材
17a PC鋼線
17b エポキシ樹脂
a1 谷部を通る横断面と一方の斜辺とのなす角
a2 他方の斜辺とのなす角
Claims (5)
- プレストレストコンクリート用緊張材を定着具に定着させるための、中空部が形成されたテーパ形状のウェッジであって、
前記中空部側の面に、頂部と谷部とからなる歯型が複数個形成されると共に夫々の前記頂部には大小二つの歯先が設けられていることを特徴とするウェッジ。 - 前記小さい歯先の断面のなす角を鈍角にしたことを特徴とする請求項1に記載のウェッジ。
- 前記大きい歯先の断面のなす角を鋭角にしたことを特徴とする請求項1または2に記載のウェッジ。
- 隣合う前記頂部の間隔が大きくなるように前記谷部の領域を広げて形成したことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のウェッジ。
- 前記谷部を通る横断面と一方の斜辺とのなす角(a1)が、他方の斜辺とのなす角(a2)よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のウエッジ。
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