JP3678931B2 - 写真処理液の貯留装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真用処理剤の濃縮液もしくは粉体を稀釈、溶解して貯留するための処理液貯留装置に関するものである。詳しくは、処理剤を供給した後の容器を洗浄することができる処理液補充装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀写真感光材料は、露光により像を形成した後、画像を得るためには現像、定着処理が行われる。これらの処理液は、濃縮液又は、粉体の形で供給され、使用時に一定の割合で希釈又は一定の水を加えて溶解し、使用する。これらの処理液は、通常自動現像機の処理槽に、希釈もしくは溶解後、投入される。一般に自動現像機の処理槽に貯留された処理液は、その液量を一定に保つため、及びpHや組成濃度を一定に保つために、感光材料の処理量に応じて補充が行われる。この処理槽に補充される液は補充液と呼ばれ、作業者によって希釈溶解されて補充タンクに貯蔵される。自動現像機は必要に応じて、補充タンクから補充液を処理槽に供給する。
【0003】
本発明の処理液貯留装置とは、前述した溶解希釈装置及び補充装置を対象とする。これらの装置は、いずれも処理液を一旦貯留するための貯留槽を有する。
【0004】
自動現像機に補充液を補充するための装置として、例えば特開昭63-91661、同平4-213454、同平4-352153、同平5-127343、同平7-271000、同平7-295182、平8-44030、同平8-220722、同平10-115903、実開昭63-8746号公報等 に記載されている。また、上記装置の中には処理剤を供給した後の容器を洗浄する手段を備えた装置も開示されている。
【0005】
容器の洗浄手段を備えることは、容器洗浄の手間が省け、また容器内に残った処理液が作業者の手や衣服等に付着させないために、非常に有意義である。しかし、容器の大きさや形状及び口部の形状等によっては、容器内を十分に洗浄できない場合があった。
【0006】
洗浄手段として、通常ノズルが用いられるが、作業者の安全性、洗浄手段のメンテナンス及び装置の製造コスト等のためには、ノズルは処理剤の注入口から突出しない程度に、固定して設けるのが好ましい。しかし、このようなノズルの配置は、容器の洗浄が十分に行われない場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、処理剤容器の洗浄機能を持つ写真処理液貯留装置において、安全で簡単な機構であって、しかも容器内の洗浄を十分行うことができる装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、予め口栓がはずされた処理剤の濃縮液が封入された容器を保持する保持手段、処理液貯留槽、該処理剤の濃縮液を該貯留槽に落とし込むための漏斗および漏斗を洗浄する手段、該容器内を洗浄するための洗浄液噴射手段とを有する写真処理液の貯留装置であって、前記保持手段が保持手段を回転させ固定することによって前記容器を保持および処理液を排出する保持手段であり、前記漏斗と前記容器を洗浄する洗浄液が該処理剤の濃縮液の希釈水であり、洗浄液噴射手段は容器の口部と同程度の高さ、もしくは下方になるように固定して設置し且つ前記容器内を前記洗浄液噴射手段から噴射時間よりも停止時間を長く設定して洗浄液を噴射させるようにしたことを特徴とする写真処理液の貯留装置によって達成された。
【0009】
容器の大きさや形状、容器の口の形状、ノズルの位置、及び洗浄水の噴射速度や噴射量等の条件によっては、ノズルより容器内に噴射される洗浄水の量が容器の口から排出できる量より大きくなることがある。この場合、容器の口部付近に洗浄水が溜まり、それがノズルからの洗浄水噴射の勢いを弱める結果、容器内全体が十分に洗浄されないということが分かった。特に、前述したように、ノズルを処理剤の注入口から突出しない程度に固定して設けた場合に、上記問題は起こりやすかった。
【0010】
従って、これらの問題(容器の口部付近に洗浄水を溜まるのを防止する)を解決するために鋭意検討した結果、上記したような本発明を成すに至った。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、洗浄水噴射手段(以降、ノズルと称す)からの洗浄水の噴射を所定の時間間隔で行うように設定する。噴射時間と噴射停止時間は、容器の形状や大きさ、容器の口の形状、及び洗浄水の時間当たりの噴射量等の条件によって、適宜設定されるが、噴射停止時間は、長めに設定する方が安全であることは云うまでもない。しかし、作業効率の観点から経験的に適切な時間を選択する。本発明が対象とする写真処理液の場合、容器の大きさは、通常、1〜4リットル程度であり、噴射時間と噴射停止時間は、それぞれ1〜10秒程度に設定される。容器内を十分に洗浄するためには、ある程度の噴射速度と噴射量を確保する必要があり、洗浄水を容器口部に溜めないためには、噴射時間より停止時間を長く設定する。そして、噴射と停止を数回(2〜10回程度)繰り返すようにプログラムしておく。
【0012】
例えば、容器として2リットル入りの直方体の容器を用い、ノズルからの洗浄水噴射量を1秒間当たり60mlに設定した場合、噴射時間を1〜4秒間、噴射停止時間を2〜8秒間に設定する。このサイクルを数回繰り返して洗浄する。ここで用いられる洗浄水は、通常、貯留槽に回収されて、処理剤の希釈水として使用される。従って、希釈水量との関係で前記噴射サイクル回数は適宜決められるが、2〜10サイクル程度が適当であり、好ましくは3〜8サイクル程度である。
【0013】
以下、本発明の装置を用いた処理液補充装置の一実施態様を図面を用いて説明する。図1は、補充装置の概略図である。該補充装置は、容器(6)の保持手段(1)と、処理液の貯留槽(4)と、容器(6)から注入された処理液を前記貯留槽に落とし込む為の漏斗(2)と、洗浄液噴射手段としてのノズル(3)と、前記貯留槽の処理液を自動現像機(図示せず)に供給するための供給口(5)とからなる。
【0014】
図2は、前記補充装置の処理液注入部の概略断面図である。保持手段(1)には容器(6)の口部(6a)が挿入できるように孔が設けられている。保持手段(1)は、図示しない保持軸により矢印の方向に回転できるように保持されている。処理液の入った容器は、予め口栓がはずされて、保持手段(1)にセットされる。容器(6)を保持手段(1)にセットするときは、保持手段(1)を矢印Xの方向に回転させて倒した状態で行い、容器(6)をセットした後、保持手段(1)を矢印Yの方向に回転させ立てかけて、ストッパー(9)で保持手段(1)を固定する。この時点で、容器(6)は倒立し、容器内の処理液が漏斗(2)に流れ込む。
【0015】
保持手段(1)をストッパー(9)で固定したのをセンサー(図示せず)が感知して、所定時間(数秒間)固定が解除されなければ(センサーの誤動作によるトラブルを防止するため)、その時点で希釈水供給部(7)から希釈水が漏斗(2)に流れ込むようにプログラムされている。従って、処理液と希釈水はほぼ同時に貯留槽に供給される。希釈水の量は、予めプログラムに入力しておき、流量計で制御されるようになっている。
【0016】
漏斗(2)等に付着した処理液を洗い流すという意味から、希釈水の注入終了時間は、処理液の注入終了時間より、数秒〜数十秒遅くなるように設定されている。所定量の希釈水の注入が完了した時点で、もしくは数秒後に、ノズル(3)から洗浄水が所定の間隔で噴射される。洗浄水は、希釈水の一部として用いられる。従って、前記希釈水供給部(7)から供給される希釈水量は、予め洗浄水量を差し引いた量に設定されている。
【0017】
希釈水供給部(7)から供給された希釈水は、邪魔板(8)にぶつかり、漏斗(2)全体に均一に希釈水が行き渡るようになっている。
【0018】
上記補充装置において、ノズル(3)には、上下に移動できるような機能を持たせてもよいが、装置が複雑になり、コスト面及びメンテナンス面で不利である。また、ノズル(3)の先端が容器内に十分に入るように、補充装置本体から突出するように設置してもよいが、作業者の安全性、衝撃によるノズルの破損等の不都合が生じる可能性がある。
【0019】
従って、ノズル(3)は、補充装置の注入部よりあまり突出しないように、即ち、容器(6)を保持手段(1)にセットして倒立させたときに、口部(6a)と同程度の高さ、もしくは下方になるように固定して設置するのが好ましく、このような装置の場合に本発明が最大に生かされる。
【0020】
本発明の写真処理液貯留装置は、粉体あるいは濃縮液の溶解希釈装置、または補充装置に適用されるが、特に、濃縮液を希釈して補充液として貯留し、自動現像機に補充するための補充装置に好適である。本発明に用いられる処理液としては、現像液、定着液、リンス液等がある。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、安全で簡単な機構であって、しかも容器内の洗浄を十分行うことができる写真処理液貯留装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様である写真処理液補充装置の概略図。
【図2】注入部の概略断面図。
【符号の説明】
1 容器保持手段
3 洗浄液噴射手段(ノズル)
6 容器
Claims (1)
- 予め口栓がはずされた処理剤の濃縮液が封入された容器を保持する保持手段、処理液貯留槽、該処理剤の濃縮液を該貯留槽に落とし込むための漏斗および漏斗を洗浄する手段、該容器内を洗浄するための洗浄液噴射手段とを有する写真処理液の貯留装置であって、前記保持手段が保持手段を回転させ固定することによって前記容器を保持および処理液を排出する保持手段であり、前記漏斗と前記容器を洗浄する洗浄液が該処理剤の濃縮液の希釈水であり、洗浄液噴射手段は容器の口部と同程度の高さ、もしくは下方になるように固定して設置し且つ前記容器内を前記洗浄液噴射手段から噴射時間よりも停止時間を長く設定して洗浄液を噴射させるようにしたことを特徴とする写真処理液の貯留装置。
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JP06935699A JP3678931B2 (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | 写真処理液の貯留装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06935699A JP3678931B2 (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | 写真処理液の貯留装置 |
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JP2000267248A JP2000267248A (ja) | 2000-09-29 |
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1999
- 1999-03-16 JP JP06935699A patent/JP3678931B2/ja not_active Expired - Fee Related
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