JP3678572B2 - 遠隔画像形成装置管理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の複写装置等の画像形成装置とサービスセンタ内の複数の監視端末装置とを公衆回線網を介して接続した遠隔画像形成装置管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような遠隔画像形成装置管理システムとしては、不特定多数のユーザ(顧客)のオフィス等に設置された複数の画像形成装置(遠隔診断を前提としている複写機等)をデータ通信装置及び公衆回線網を利用して、販売,サービス等の拠点(以下「サービスセンタ」という)と接続可能にしたものが一般に知られている。
【0003】
このような遠隔画像形成装置管理システムは、遠隔地に設置されている複数の画像形成装置を1ヶ所に設けたサービスセンタによって集中的に管理することにより、各画像形成装置の使用状況を集計したり、その管理情報を画像形成装置のメンテナンス等に利用したりしている。使用状況の内容としてはコピー枚数等があり、メンテナンスの内容としては画像形成装置の自己診断によるサービスセンタへの自動発呼や、サービスセンタ側からのアクセスによる画像形成装置の各部調整等がある。
【0004】
また、このような遠隔画像形成装置管理システムとしては、サービスセンタ内の複数の端末装置(監視端末装置)がそれぞれ、複数の画像形成装置からそれぞれ受信した遠隔通報データを表示画面に表示し、その端末装置のオペレータが表示内容を見て顧客先に納入された画像形成装置へ遠隔地から適切な処置を行なえるようにしたものが一般的であり、例えば特開平3−161763号公報,特開平3−161766号公報,特開平3−162055号公報などに見られるように、異常の発生を直ちに告知できると共に、異常の告知を端末装置の数に限定されることなく安価に行なえるようにしたものも開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような遠隔画像形成装置管理システムにおいて、画像形成装置の設置台数の増加に伴い、サービスセンタ内の端末装置が多量の遠隔通報データをある期間に集中的に受信し、その端末装置の表示画面の全てに遠隔通報データが表示されている時に、緊急性の高い遠隔通報データ(異常事象を示すデータ)を受信しても、その遠隔通報データを表示することができない。
【0006】
そうなると、画像形成装置の異常事象発生に対して緊急に対応できない可能性があり、より緊急性の高い新たな異常事象が発生しても、この新たな異常事象に対する対応を迅速にできなくなり、顧客に対するサービスの低下につながる。
そこで、今までは端末装置の設置台数を増設し、オペレータを増員してきたが、サービスセンタの設備投資へのコスト増および運用コストの増加につながっていた。
【0007】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、遠隔画像形成装置管理システムにおいて、サービスセンタが遠隔地の画像形成装置からの遠隔通報データに対して円滑なスケジュール(画像形成装置の異常事象発生に対する緊急な対応)を可能として、新たに増設する設備(監視端末装置,通信回線)の投資コストと運用コストの増加を抑えると共に、サービスセンタの設備を有効に効率的に使用できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、複数の画像形成装置とサービスセンタ内の複数の監視端末装置とを公衆回線網を介して接続した遠隔画像形成装置管理システムにおいて、上記の目的を達成するため、次のようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項1の発明は、複数の画像形成装置がそれぞれ、遠隔通報データをサービスセンタに送信する遠隔通報データ送信手段を備え、複数の監視端末装置がそれぞれ、複数の画像形成装置からそれぞれ送信される遠隔通報データを受信する受信手段と、該手段によって受信された遠隔通報データを蓄積する蓄積手段と、該手段に蓄積された遠隔通報データを読み込む読込手段と、該手段によって読み込まれた遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第一次表示領域に表示可能か否かを判断する第一次表示可否判断手段と、該手段によって表示可能と判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを記憶する第一次記憶手段と、該手段に記憶された遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第一次表示領域に表示する第一次表示手段と、第一次表示可否判断手段によって表示不能と判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データは緊急性の高いデータか否かを判別するデータ判別手段と、該手段によって緊急性の高いデータと判別された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示可能か否かを判断する第二次表示可否判断手段と、該手段によって表示可能と判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを記憶する第二次記憶手段と、該手段に記憶された遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示する第二次表示手段とを備えたものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、複数の監視端末装置がそれぞれ、第二次表示可否判断手段によって表示不能と判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを表示可能な他の監視端末装置の有無を判断する他装置有無判断手段と、該手段によって表示可能な他の監視端末装置があると判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データに優先度を付加し、該他の監視端末装置の第一次記憶手段もしくは第二次記憶手段に転送する転送手段とを備えたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、複数の監視端末装置がそれぞれ、他装置有無判断手段によって表示可能な他の監視端末装置がないと判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを外部に出力する外部出力手段を備えたものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、各画像形成装置の異常に対する処置を行なうサービスマンを派遣するサービスステーションを設け、外部出力手段を、予め規定された通信プロトコルにより、他装置有無判断手段によって表示可能な他の監視端末装置がないと判断された遠隔通報データを公衆回線網を介してサービスステーション内の端末装置に送信する手段としたものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、上記端末装置を表示装置を有するパーソナルコンピュータとしたものである。
請求項6の発明は、請求項4の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、上記端末装置をファクシミリ装置としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面を参照して具体的に説明する。
まず、この発明による遠隔画像形成装置管理システムを構成する画像形成装置の一例として、この実施形態で使用する複写機の概略構成を図2によって説明する。
【0015】
この複写機1は電子写真方式の普通紙複写機(PPC)であり、複写機本体2の上部に自動原稿給送装置(以下「ADF」と略称する)3を載置し、一側面に手差しトレイ4及び大量給紙装置5を、他側面に排紙トレイ6をそれぞれ装着している。7はADF3用の原稿トレイであり、原稿セットセンサ8を備えている。
複写機本体2内には、スキャナ部10,画像形成部11,給紙部12,定着・排紙部13,反転部14,両面ユニット15等を備えている。
【0016】
そして、スキャナ部10には、コンタクトガラス21,露光ランプ22及び第1ミラー23から構成される第1スキャナ24,第2ミラー25及び第3ミラー26から構成される第2スキャナ27,第4ミラー28及び第5ミラー29から構成される第3スキャナ30,第6ミラー31,及びレンズ32が設けられている。
【0017】
画像形成部11には、感光体ドラム35の周囲に、クエンチングランプ36,帯電チャージャ37,イレーサ38,電位センサ39,トナーカートリッジ41を装着する現像ユニット40,転写前チャージャ42,転写チャージャ43,分離チャージャ44,Pセンサ45,クリーニングユニット46が配置されている。また、転写紙搬送経路の転写位置の手前にレジストローラ対47が、転写位置の後方には搬送ベルト48が設けられている。
【0018】
給紙部12には、転写紙をストック及び供給するためのトレイとして、第1トレイ51,第2トレイ52,第3トレイ53,第4トレイ54が着脱可能に設けられている。そして、それらにストックされている転写紙を給紙するための給紙ユニットとして、第1給紙ユニット55,第2給紙ユニット56,第3給紙ユニット57,第4給紙ユニット58が設けられ、手差しトレイ4あるいは大量給紙装置5内の大量給紙トレイ(LCT)60から転写紙を給紙するための手差し/大量給紙ユニット59も設けられている。
【0019】
さらに、上記各給紙ユニット55〜59及び両面ユニット15によって給紙された転写紙をレジストローラ対47へ向けて搬送するために、右搬送部61,左搬送部62,及び水平搬送部63が設けられている。
また、定着・排紙部13には定着ユニット65及び排紙用搬送ローラ群66が、反転部14には反転ローラ群67がそれぞれ設けられている。
【0020】
次に、このような構成を有する複写機1の動作について略述する。
感光体ドラム35はドラム軸(図示せず)に回転可能に支持されており、複写命令等により矢示A方向に回転する。
そして、ADF3によってコンタクトガラス21上に給紙された原稿は、第1スキャナ24によって走査及び露光される。その反射光像は第1ミラー23,第2ミラー25,第3ミラー26,レンズ32,第4ミラー28,第5ミラー29,第6ミラー31を経て、感光体ドラム35上に結像される。
【0021】
その感光体ドラム35は帯電チャージャ37によって表面が帯電され、上記反射光像によりその帯電された表面が露光されると静電潜像を形成する。その後、イレーサ38により不要な部分に光を当てて転写紙または投影画像に適した潜像に補正する。この時、等倍の画像を得るためには、感光体ドラム35と第1スキャナ24は同一速度で駆動される。そして、感光体ドラム35上の潜像は現像ユニット40によりトナー像として顕像化される。その際、現像ユニット40に電位(現像バイアス電圧)を印加することにより、濃い又は淡い画像を得ることができる。
【0022】
他方において、第1トレイ51,第2トレイ52,第3トレイ53,第4トレイ54,手差しトレイ4,大量給紙トレイ60,両面ユニット15のいずれかにストックされた転写紙が、給紙ユニット55〜59のいずれかにより選択されて、所定の給紙タイミングで給紙され、その転写紙は右搬送部61,左搬送部62,水平搬送部63等を通じて、予め停止しているレジストローラ対47へ搬送される。そして、感光体ドラム35上のトナー像の先端と転写紙の先端が合うタイミングでレジストローラ対47を駆動する。
【0023】
それにより、感光体ドラム35上のトナー像は、転写前チャージャ及び転写チャージャ43の作用により転写紙に転写される。この時、感光体ドラム35の表面は非常に滑らかであり、その表面と転写紙の密着力が大きいので、分離チャージャ44の作用によって転写紙の電位を下げてその密着力を低下させる。
【0024】
その後、図示しない分離爪によって転写紙を感光体ドラム35から分離し、その分離した転写紙を搬送ベルト48によって定着ユニット65へ送る。定着ユニット65に送られた転写紙は、ここでトナーに熱と圧力が加えられ、それにより転写紙上のトナー像が転写紙に定着された後、排紙用搬送ローラ群66によって機外の排紙トレイ上に排出される。
両面コピー等を行う際には、一旦反転部14へ送り込んで搬送方向を反転させて両面ユニット15へ送り込み、次の原稿面の画像を複写する際に画像形成部11へ再給紙させる。
【0025】
転写後の感光体ドラム35の表面には、転写しきれなかったトナーが付着しているため、クリーニングユニット46のブラシ及びクリーニングブレードによって表面を清掃した後、クエンチングランプ36によって不均一な表面電位を一定にする。
【0026】
これらの制御タイミングは、主として感光体ドラム35の回転と同期して発生するパルスまたは感光体ドラム35を駆動するための基準パルスに基づいて、後述する制御回路によってコントロールされる。
【0027】
図3はこの複写機の操作部の一例を示したものである。
この操作部70の中央部には、液晶表示パネルを使用したガイダンス表示部71とパターン表示部72が設けられ、その左右及び手前側に多数のキーが設けられている。
【0028】
右側には、スタートキー73,割込キー74,予熱キー75,モードクリア/予熱キー76,テンキー77,クリア/ストップキー78,タイマキー79,プログラムキー80,エンタキー81,ガイダンスキー82が設けられている。
左側には、遠隔通報キー83,ソータキー84,両面キー85,ページ連写キー86,消去キー87,用紙指定変倍キー88,ズームキー89,とじ代調整キー90,センタリングキー91,寸法変倍キー92が設けられている。
【0029】
そして、中央部の手前側には、縮小キー93,拡大キー94,等倍キー95,用紙選択キー96,自動用紙選択キー97,濃度調整キー98,自動濃度キー99が設けられている。
なお、遠隔通報キー83のオンにより遠隔通報中は遠隔通報表示83aのLEDが点灯する。
【0030】
図4はパターン表示部72に表示される通常画面の拡大図であり、ここにはセット枚数表示D1,コピー枚数表示D2,ランニング表示D3,濃度調整表示D4,ミスフィード位置表示D5,用紙補給表示D6,ミスフィード表示D7,遠隔通信異常表示D8,トナー補給表示D9,用紙残量表示D10,用紙選択/サイズ/方向表示D11,倍率表示D12等がそれぞれパターン表示される。
【0031】
図3に示したガイダンス表示部71は操作及び警告のためのメッセージを表示する。また、この操作部70は、ユーザがサービス拠点(サービスセンタ)へのサービス要求時に通報するための遠隔通報キー83と、その通報に異常が生じた場合に表示される遠隔通信異常表示D8を設けた点に特徴がある。しかし、この例のように専用の遠隔通報キーを設けずに、他のキーの押下順序や押下時間あるいは押下キーの組み合わせなどにより、遠隔通報キーに相当する機能を実現するようにしてもよい。
【0032】
図1は、この発明を適用する遠隔画像形成装置管理システムの構成例を示す。この遠隔画像形成装置管理システムでは、サービスセンタ200に設置されているクライアント(統括的な管理を行なう監視端末装置)201a,201b,……,201nと、複数のユーザ地域(顧客先)220にそれぞれ設置されている複写機(画像形成装置)1と、複数のサービスステーション210にそれぞれ設置されている端末装置211等の機器とを通信回線である公衆回線網17を介して接続している。
【0033】
サービスセンタ200には、この発明に係る処理をそれぞれ実行する複数のクライアント201a,201b,……,201n、その各クライアント201a,201b,……,201nによってそれぞれ受信される情報,後述する各種管理テーブル,マスタ情報を格納する外部記録装置203の制御を行なうファイルサーバ204、各種情報の印刷出力を行なう印刷装置205、各クライアント201a,201b,……,201nからそれぞれサービスステーション210に送信される情報の制御を行なうFAXサーバ206が設置されており、それらは各種情報(データ及び制御信号)の送受信を行なうLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)207によって接続されている。
【0034】
複数のユーザ地域220にはそれぞれ、複数の複写機1、及びその各複写機1でそれぞれ発生する障害の警告情報等の各種情報を公衆回線網17を介してサービスセンタ200へ送信したり、サービスセンタ200から公衆回線網17を介して送られてくる各種情報を受信する制御(通信制御)を行なう通信コントロール装置18等が設置されている。
【0035】
複数のサービスステーション210にはそれぞれ、サービスセンタ200から公衆回線網17を介して送られてくる各種情報の受信及びサービスセンタ200への各種情報の送信を制御する端末装置(パーソナルコンピュータ)211、サービスセンタ200との間の情報の送受信を行なうFAX装置(ファクシミリ装置)212、及び電話機213等が設置されている。
この各サービスステーション210では、顧客先の複写機1等の画像形成装置の異常に対する処置を行なうサービスマンを派遣する。
【0036】
ここで、各複写機1がそれぞれ、遠隔通報データをサービスセンタ200に送信する遠隔通報データ送信手段としての機能を果たす。
また、サービスセンタ200内の各クライアント201a,201b,……,201nがそれぞれ、以下の(1)〜(13)に示す各手段としての機能を有する。
【0037】
(1)各複写機1からそれぞれ送信される遠隔通報データを受信する受信手段
(2)該手段によって受信された遠隔通報データを蓄積する蓄積手段
(3)該手段に蓄積された遠隔通報データを読み込む読込手段
(4)該手段によって読み込まれた遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第一次表示領域に表示可能か否かを判断する第一次表示可否判断手段
【0038】
(5)該手段によって表示可能と判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを記憶する第一次記憶手段
(6)該手段に記憶された遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第一次表示領域に表示する第一次表示手段
(7)第一次表示可否判断手段によって表示不能と判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データは緊急性の高いデータか否かを判別するデータ判別手段
【0039】
(8)該手段によって緊急性の高いデータと判別された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示可能か否かを判断する第二次表示可否判断手段
(9)該手段によって表示可能と判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを記憶する第二次記憶手段
【0040】
(10)該手段に記憶された遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示する第二次表示手段
(11)第二次表示可否判断手段によって表示不能と判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを表示可能な他の監視端末装置の有無を判断する他装置有無判断手段
【0041】
(12)該手段によって表示可能な他の監視端末装置があると判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データに優先度を付加し、該他の監視端末装置の第一次記憶手段もしくは第二次記憶手段に転送する転送手段
【0044】
(13)他装置有無判断手段によって表示可能な他の監視端末装置がないと判断された場合には、読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを外部に出力する外部出力手段
なお、外部出力手段を、予め規定された通信プロトコルにより、他装置有無判断手段によって表示可能な他の監視端末装置がないと判断された遠隔通報データを公衆回線網を介してサービスステーション内の端末装置に送信する手段とする。
また、上記端末装置を表示装置を有するパーソナルコンピュータあるいはファクシミリ装置とする。
【0045】
図5は、図1に示した遠隔画像形成装置管理システムにおけるユーザ地域内の具体的構成例を示すブロック図である。
【0046】
ユーザ地域220には、サービスセンタ200に設置されている各クライアント201a,201b,……,201nとの通信を制御するためのインタフェース装置としての通信コントロール装置18が設置されており、各複写機1はこの通信コントロール装置18に接続されている。この通信コントロール装置18には、電話機19やFAX装置20等の外部通信機器が接続可能になっており、ユーザの既存の回線に挿入する形で設置が可能になっている。
【0047】
そして、この通信コントロール装置18には複数の複写機1が接続可能になっているが、もちろん単数の場合もある。これらの複写機1は同型のものである必要はなく異なる機種でもかまわず、複写機以外のプリンタ等の画像形成装置でもかまわない。ここでは説明の便宜上、1台の通信コントロール装置18に最大5台の複写機1が接続可能であるものとする。そして、通信コントロール装置18と複数の複写機1はRS−485規格によりマルチドロップ接続されている。
【0048】
通信コントロール装置18と各複写機1との間の通信制御は基本型データ伝送制御手順により行なわれる。通信コントロール装置18を制御局としたセントラライズド制御のポーリング/セレクティング方式でデータリンクの確立を行なうことにより、任意の複写機との通信が可能になっている。各複写機1はアドレス設定スイッチによって固有の値を設定できるようになっており、これによって各複写機のポーリングアドレス及びセレクティングアドレスが決定される。
【0049】
図6は、図5の通信コントロール装置18の構成例を示すブロック図である。公衆回線網17からの信号は、まず切替部180に入力される。ここでは、公衆回線側からの通信が通信コントロール装置18に接続されている電話機19(または図5のファクシミリ装置20)宛のものであれば、公衆回線側を電話機19(または図5のファクシミリ装置20)に接続し、サービスセンタ200からの通信であれば、公衆回線側のモデム181に接続する。
【0050】
また、RS−485用のトランシーバを用いた通信インタフェース183によって複写機1側との通信を行なう。これらの制御・処理は、ROM185内の制御プログラムに従ってCPU184を中心に行なわれる。RAM186には処理の中間結果などを格納するほか、通信テキストを一時的に格納しておくためにも用いる。また、サービスセンタ200側から通信コントロール装置18の動作に必要な各種パラメータもRAM186に書き込まれている。
【0051】
通常、この通信コントロール装置18は、24時間連続通電を行なって常にサービスセンタ200と通信可能な状態にしておくが、不慮の電源断,安全のための電源断等でこれらのパラメータの内容及び通信テキストが失われることがないように、バッテリ187によりRAM186をバックアップしている。さらに、時計188とトータルカウンタ値自動発呼許可スイッチ189も備えている。
【0052】
図7は、図2に示した複写機1の制御系の構成を示すブロック図である。
複写機本体2の制御は、CPU100を中心としてROM101に記憶されている制御プログラムやデータに基づいて行なわれる。また、処理の中間結果や各種設定値,装置の状態などを蓄えるためにRAM102を使用する。
【0053】
A/Dコンバータ103は露光ランプ22への供給電圧,Pセンサ45の発光電圧と受光電圧,電位センサ39の出力,ADSセンサの出力、露光ランプ22の光量を検出するランプ光量センサの出力,感光体ドラム35に流れる電流を検出するドラム電流センサの出力、定着ユニット65内のサーミスタ電圧等を入力するために使用する。
【0054】
光学系制御ユニット104は、図2に示したスキャナ部10を制御する。
高圧電源ユニット105は、帯電チャージャ37,分離チャージャ44,転写チャージャ43,転写前チャージャ(PTC)42にそれぞれ印加する高電圧、及び現像ユニット40内の現像ローラに印加する現像バイアス電圧を供給する。
【0055】
モータ制御ユニット106は、感光体ドラム35及び各給紙ユニットや搬送部のローラ等を駆動するメインモータのコントロールを行なう。
ヒータ制御ユニット107は、定着ユニット65の定着ローラを加熱する定着ヒータへの通電を制御して、定着ローラの表面温度を所定範囲に保持する。
センサ感度制御ユニット108は、ランプ光量センサの受光ゲイン,ADSセンサの受光ゲイン,Pセンサ45の受光ゲイン,Pセンサ45のLEDの発光電圧等を可変するために使用する。
【0056】
通信インターフェースユニット109は、通信コントロール装置18との通信を行なうユニットである。アドレス設定スイッチ110により複写機固有のアドレスを1〜5の範囲で設定できる。また、通信許可スイッチ111により通信コントロール装置18との通信の許可/禁止を設定することができる。
【0057】
この通信許可スイッチ111はディップスイッチであり、それを備えた複写機を画像形成装置管理システム(遠隔診断システム)につなげた時にサービスマンがON状態にするが、一般のユーザは原則として触れることはできない。したがって、この通信許可スイッチ111はそれを備えた複写機が画像形成装置管理システムにつながっている時にはON状態を維持する。
【0058】
以下、主として図8以降を参照してこの実施形態の作用を詳細に説明する。
まず、図8,図1,及び図5を参考して遠隔通報の機能について説明する。
【0059】
遠隔通報キーによる遠隔通報の場合は、複写機1の操作部70に設けられた遠隔通報キー83が押下されると、図8の(a)に示すように、その複写機1から通信コントロール装置18へ遠隔通報キーによる遠隔通報データを送信する。
これを受信した通信コントロール装置18は、予め内部に設定されているサービスセンタ200の電話番号へ発呼して、その遠隔通報キーによる遠隔通報データを送信する。
【0060】
このとき、通信コントロール装置18からサービスセンタ200へ送信されるデータは、通信コントロール装置18が複写機1より受信した複数種類のデータの中から、予め通信コントロール装置18に設定されている種類のデータのみとする。この設定はサービスセンタ200から公衆回線網17を通して行なうことが可能になっている。
【0061】
通信コントロール装置18が所定のデータをサービスセンタ200へ送信し終わると、通信コントロール装置18は送信元の複写機1に対して、通信コントロール装置18とサービスセンタ200との間の通信の結果を表わす通報結果報告を送信する。これにより、送信元の複写機1は、通信が正常に終了したか又は何らかの異常により通信ができなかったかを知ることができる。
【0062】
また、通常複写機1には自己診断機能が備わっており、定着温度の異常を検知した場合や、各調整箇所の電子ボリュームによる調整が不能の場合など、複写機1が危険状態または使用不能な状態になった場合に、「エラー」もしくは「サービスマンコール」のような形でユーザやサービスマンに知らせることが一般的に行なわれている。
【0063】
このような複写機1の自己診断機能により異常が検知された場合にも、図8の(b)に示すように、その複写機1から通信コントロール装置18へ自己診断異常による遠隔通報のデータ(自己診断情報)を送信する。その遠隔通報データを受信した通信コントロール装置18は、自己診断異常による遠隔通報データをサービスセンタ200へ送信し、通信終了時に送信元の複写機1に通報結果報告を送信する。
【0064】
さらに、自己診断機能によって、異常状態には至っていないが異常状態にごく近いと診断した場合など、メインテナンスを行なった方が好ましいと複写機1が判断した場合にも、図8の(c)に示すように、通信コントロール装置18へ事前警告の遠隔通報データ(事前警告情報)を送信する。
自己診断異常による遠隔通報の場合は必然的に複写機1は使用不可状態になっているが、事前警告による遠隔通報の場合は複写機1は使用可能状態のままとし、通信中であっても原稿がセットされ、スタートキーが押下されれば複写動作を行なう。
【0065】
このとき、複写処理によって複写機1のコントローラの負荷が重い場合や、送信データ中に含まれる内容が複写動作によって変更されて整合がとれなくなる可能性がある場合などには通信を中断してもよい。事前警告の遠隔通報データは緊急性が低いため、これを受信した通信コントロール装置18はすぐにはサービスセンタ200へ送信せず、通信コントロール装置18に接続されている電話機19やファクシミリ装置20の利用頻度が小さい時間帯や、公衆回線網17のトラフィック量が少ない時間帯など、通信に都合のよい時刻に送信を行なうようにするとよい。
【0066】
この時刻は、サービスセンタ200から通信コントロール装置18に対して設定可能になっており、図6に示した時計188による現在時刻との一致によって送信時刻を判断できる。この事前警告の遠隔通報の場合は他の遠隔通報の場合と異なり、通報結果報告を複写機1には送信しない。
【0067】
また、事前警告の遠隔通報データは、所定の時刻にサービスセンタ200に送信するが、所定の時刻までに通信コントロール装置18が受信した事前警告の遠隔通報データは内部で記憶しておき、所定の時刻にまとめてサービスセンタ200に送信する。但し、事前警告の遠隔通報データを所定の時刻に達する前に記憶できる限界以上受信した場合には、所定の時刻に達する前にいままで記憶した事前警告の遠隔通報データをまとめてサービスセンタ200に送信する。
サービスセンタ200に正しく送信できると、通信コントロール装置18内の事前警告の遠隔通報データに関する管理情報等を削除する。
【0068】
次に図9を参照して、サービスセンタ200側から複写機1へアクセスする場合の処理について説明する。
サービスセンタ200から複写機1へのアクセスには、目的別に大別してリード(Read)要求,ライト(Write)要求,及びエクセキュート(Execute)要求の3種類がある。
【0069】
リード要求とは、複写機1内のロギングデータ,各種設定値,各種センサの出力値などを読み出す処理のことをいう。ライト要求とは、各種設定値などをサービスセンタ200からデータを送って書き換える処理のことをいう。エクセキュート要求とは、複写機1に対してテスト動作などを行なわせる処理のことをいう。
【0070】
この各要求時におけるサービスセンタ200と通信コントロール装置18と複写機1の間の通信処理の手順を図9の(a),(b),(c)に示すが、いずれの場合もサービスセンタ200から目的の複写機1が接続されている通信コントロール装置18へダイヤルして、各要求データを送信する。通信コントロール装置18は、サービスセンタ200からこれらの要求データを受信する。要求データを受信した通信コントロール装置18は、目的の複写機1に要求データを送信する。
【0071】
これを受信した複写機1は、要求内容を処理した後に、要求に対する応答を通信コントロール装置18へ送信する。通信コントロール装置18はこれをサービスセンタ200へ送信し、ひとつの処理単位を終了する。
【0072】
図10を参照して、サービスセンタ200側から通信コントロール装置18へアクセスする場合の処理について説明する。
サービスセンタ200から通信コントロール装置18へのアクセスには、やはり目的別に大別して、リード(Read)要求,ライト(write)要求,およびエクセキュート(Execute)要求の3種類がある。この時の各処理の手順を図10の(a),(b),(c)に示している。
【0073】
リード要求とは、通信コントロール装置18内の設定パラメータやステータスを読み出す処理や、予め通信コントロール装置18が複写機1の内部の情報を読み出して通信コントロール装置18の内部に記憶させている場合に、これを読み出す処理などのことをいう。ライト要求とは、通信コントロール装置18のパラメータをサービスセンタ200からデータを送って設定する処理などのことをいう。エクセキュート要求とは、通信コントロール装置18に対して機能チェックなどのテスト動作を行なわせる処理などのことをいう。
【0074】
図11を参照して、サービスセンタ200を用いずに通信コントロール装置18から複写機1へアクセスする場合の処理について説明する。
通信コントロール装置18から複写機1へのアクセスは、通信コントロール装置18が複写機1の内部の情報を読み出して通信コントロール装置18の内部にデータを保留しておき、後で必要に応じてサービスセンタ200からの読み出しを可能にするための読み出し処理である。
【0075】
一般に、複写機の保守契約やメインテナンスのためにトータルコピー枚数等のカウンタ値が用いられている。このシステムを用いて複写機1から通信コントロール装置18へ定期的にトータルコピー枚数のカウンタ値を送信しておき、複写機1の電源が断たれている場合など、複写機1が通信不能状態の場合でも、サービスセンタ200側がそのカウンタ値を知ることが可能になっている。
【0076】
これには前述した通り、通信コントロール装置18が複写機1の内部の情報を読み出して通信コントロール装置18の内部にデータを保留する機能を利用する。通信コントロール装置18内の時計188(図6)を基準にして、通信コントロール装置18内に設定されたパラメータ中のトータルカウンタ値収集時刻に達した時点で、通信コントロール装置18は、接続されている全ての複写機1に対して順次トータルコピー枚数情報の要求を毎日行なう。
【0077】
そして、応答があった複写機の新しいトータルコピー枚数情報は、トータルコピー枚数を取得した年月日時刻を含めて前日に読み出した値を更新して通信コントロール装置18内のバックアップされたRAM186(図6)に記憶しておく。また、トータルコピー枚数情報を要求された複写機1の電源が断たれていた場合など、通信不能状態であったときはその複写機1からのデータの応答受信を後回しにして、次の複写機1に対して処理を行なう。
【0078】
全複写機1に対する要求を行なった時点で、受信不能であった複写機1のみに再度要求を行なう。通常は、複写機1の電源が断たれていると考えられる夜間にトータルカウンタ値収集時刻を設定しておき、時間の経過と共に複写機1の電源が投入されていき、複写機1が電源投入直後のアイドリングや各部の調整を行なっている間に、この通信が行なわれるようにする。
【0079】
通信コントロール装置18内のRAM186に記憶・保留されたトータルコピー枚数の情報のサービスセンタ200への転送方法には、毎月の締め日などに定期的にサービスセンタ200からのアクセスにより読み出す方法と、通信コントロール装置18内に設定されているトータルカウンタ値自動発呼日時に達した場合に通信コントロール装置18がサービスセンタ200へ自動的に送信する方法の2通りがある。
【0080】
この方法の選択は、通信コントロール装置18に設けられているトータルカウンタ値自動発呼許可スイッチ189(図6)により設定される。このスイッチ189がONの場合は、通信コントロール装置18内に設定されているパラメータで示された日時に達すると、通信コントロール装置18内に設定されているパラメータで示された通報先電話番号へ発呼し、トータルコピー枚数のカウンタ値をサービスセンタ200へ送信する。このスイッチ189がOFFの場合は、自動発呼はせずにサービスセンタ200からのアクセスを待つことになる。
【0081】
なお、この例では、定期的に通信を行なうデータをトータルコピー枚数のカウンタ値としたが、これ以外のデータにしたり、別のデータを加えて通信を行なってもかまわない。
通信コントロール装置18は、複数台の複写機1等を制御できるようになっており、順番にデータを取得するようになっているが、全収容可能台数分接続されることは少ないので、このシステムでは未接続の複写機へのデータ要求はさせないようにもできるようにし、アクセス時間の短縮を計っている。
【0082】
図12は、通信コントロール装置18内にセットされるパラメータの一覧である。各アドレスの複写機1ごとに、その複写機1の機種番号とシリアル番号(機番)とが登録されており、複写機1からの通報時にこれを付加してサービスセンタ200へ送信したり、サービスセンタ200からのアクセス時に選択すべき複写機1のアドレスを決定するために用いる。
【0083】
また、各遠隔通報理由ごとに通報先電話番号、リダイヤルの回数や間隔、サービスセンタ200へ送信するデータの種類(ジャム発生回数,コピー枚数等)が設定されている。パラメータの各ブロックにはチェックサムが付加されており、通信コントロール装置18の誤動作や、バックアップ用のバッテリ187の消耗や、通信上のエラーなどによってパラメータの値が書き変わったり失われた場合にこれを検知することができる。
【0084】
これらのパラメータはサービスセンタ200側から公衆回線網17を通して書き込まれるが、パラメータ設定用の携帯装置を通信コントロール装置18に直接接続して書き込んだり、通信コントロール装置18上に操作手段を設けて設定する構成にしてもよいし、複写機1から設定する構成にしてもよい。
【0085】
この場合、パラメータの設定は重要であるため、通信データにID(パスワード)を付加することによって機密性を高めている。
このIDは各通信コントロール装置18固有に決めておらず、第1回目のパラメータを指定する時(図12のパラメータが未設定の時)に決め、それ以降は通信等での変更はできず、通信コントロール装置18を手動で初期化することによって可能となる。
【0086】
IDは通信する毎に確認するため、誤ったデータや異なるシステムから入り込むことができないようになっている。異なるIDを所定回数受けると、このエラーを内部に記憶すると共に、サービスセンタ200へ自動通報してシステムの管理者に知らせるようにしている。このIDを通信する毎に確認してハッカー等を防止している。
なお、上記IDは上述したように通信等では変更できないようにしているが、例えば別のID(ID変更用)を用いて変更できるようにしてもよい。
【0087】
図13は、遠隔通報時の通信データのフォーマットの一例を示すものである。
(a)は、複写機1から通信コントロール装置18へ送られるデータフォーマットを示す。先頭のフィールドは通報理由コードであり、遠隔通報キー83による遠隔通報か、自己診断異常による遠隔通報か、事前警告の遠隔通報かの種別を表わしている。この後に情報レコードが続いている。この情報レコードは発生した通報理由コードの詳細情報を示すもので、機能情報,履歴情報,及び状態情報(トナー,オイル,コピー用紙等の消耗品の状況や、各種センサの出力値,各種調整箇所の設定値,各種ユニットの接続状態)などの情報が含まれる。
【0088】
(b)は、通信コントロール装置18からサービスセンタ200へ送られるデータフォーマットを示す。複写機1からのデータに加え、先頭に情報発生源となった複写機1を特定するために、機種番号とシリアル番号のフィールドが加えられる。また、後部に通信コントロール装置18内の時計188により、通報要因が発生した時刻が付加される。データ領域は、通信コントロール装置18に設定されているパラメータによってサービスセンタ200へ送信するデータの種類(機能情報,履歴情報,及び状態情報)が変化する。
【0089】
(c)は、通信コントロール装置18からサービスセンタ200への通報を終了した時点で複写機1に送信される通報結果報告のデータフォーマットを示す。これは、通報結果報告コードと通報結果報告の内容とからなる。
【0090】
図14はサービスセンタ200から複写機1へのアクセス時のうち、リード(Read)処理時のデータフォーマットの一例を示すものである。サービスセンタ200から通信コントロール装置18へは、対象とする複写機1の機種番号とシリアル番号に続いて、リード処理を表わすリード要求コードとリードを行なう項目のコードとが送信される。
【0091】
通信コントロール装置18から複写機1へは、機種番号とシリアル番号のフィールドが取り除かれ、リード要求コードと項目コードのみが送られる。これを受信した複写機1は、リード応答コードと受信した項目コードに続いて、要求されたデータを通信コントロール装置18に対して送信する。通信コントロール装置18では、再び機種番号とシリアル番号とを付加してサービスセンタ200へデータを送信する。
【0092】
図15は、同じくライト(Write)処理時のデータフォーマットの一例を示すものである。この場合は、サービスセンタ200から通信コントロール装置18を介して複写機1へ向かう間の通信では、リード処理の場合と比べて項目コードに続いて書き込むデータが付加される。複写機1からサービスセンタ200へ向かう間の通信では、項目コードのフィールドに続いて実際に複写機1に書き込んだデータが送られる。通常は、複写機1が受信した書き込むデータと複写機1が送信する書き込んだデータは一致するが、受信したデータが有効範囲を外れていた場合などに境界値へ丸めてデータを書き込むこともあり、このような場合は一致しない。
【0093】
図16は、同じくエクセキュート(Execute)処理時のデータフォーマットである。この場合は、サービスセンタ200から複写機1へ向かう通信では、項目コードだけで動作対象が特定できない場合に、動作内容を補足するためのコードが項目コードに続く。要求された動作を実行した複写機1は、動作結果情報をサービスセンタ200側へ送信する。
【0094】
図17は、サービスセンタ200から通信コントロール装置18へのアクセス時のデータフォーマットの一例を示すものであり、(a)はリード処理時,(b)はライト処理時,(c)はエクセキュート処理時のフォーマットを示す。
これらは複写機1へのアクセス時とほぼ同一のデータフォーマットであるが、機種番号とシリアル番号に代わって、通信コントロール装置18を示すコードになっている。
【0095】
図18は、通信コントロール装置18から複写機1へのアクセス時のデータフォーマットの一例を示すものである。図14〜図16に示したサービスセンタ200から複写機1へアクセスする場合における、リード処理時の通信コントロール装置18と複写機1との間のデータフォーマットと同一になっている。この場合、複写機1は、サービスセンタ200からのアクセスと、通信コントロール装置18からのアクセスの区別を行なう必要がなく、同様に扱うことができるようになっている。
【0096】
ここで、複写機1から通信コントロール装置18への通報データには、図13の(a)に示したように通報理由コードが付加される。通信コントロール装置18は、通報データを通報理由コードを識別することによって以下の(1)〜(4)に示すように分類する。
【0097】
(1)遠隔通報キー83によるデータ
(2)自己診断異常によるデータ
(3)事前警告によるデータ
(4)トータルカウンタ値によるデータ
【0098】
通信コントロール装置18は、通報データを上記のように分類した後内部メモリに記憶し、これらのデータに対する図12に示したパラメータ内の通報先電話番号を選択してその番号へ送信する。
したがって、各分類での通報先電話番号を同一にすることによって集中管理ができ、各分類での通報先電話番号を個別にすることによって個々の場所で管理ができる。
【0099】
なお、図1の構成では、サービスセンタ200は一箇所であるが、実業務においては、他の場所に設置したサービスセンタ200を用いてコピー枚数等の管理を行なったりすることができる。
【0100】
図19は、複写機1の図7に示したCPU100による通報制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
複写機1の操作部70の外に設けられた通信許可スイッチ111がONの場合に、操作部70の遠隔通報キー83が押下されているか、自己診断機能により異常の発生が検知されているか、または事前警告が必要な状態であるかの判断をそれぞれ行ない、いずれかの状態(遠隔通報が必要)になった場合、それぞれの遠隔通報処理を行なう。
【0101】
図20は、図19における遠隔通報キーによる遠隔通報のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。
まず、通信コントロール装置18に対して遠隔通報キー83による遠隔通報データの送信を行なう。通信コントロール装置18の無応答など、通報が正常に行なえなかった場合は、操作部70上の遠隔通信異常表示D8(図4)を点灯あるいは点滅して、その旨をユーザに知らせる。
【0102】
通信コントロール装置18へ正常にデータが送信された場合は、タイムアウト判定用のタイマをリセットして、通信コントロール装置18からの通報結果報告を待つ。この例ではタイムアウト時間を3分間としており、3分以内に通報結果報告を受信しなかった場合をタイムアウトとして、通報失敗の旨をやはり操作部70上の遠隔通信異常表示D8の点灯あるいは点滅によって表示してユーザに知らせる。
【0103】
タイムアウト時間以内に通報結果報告を受信した場合は、その結果報告から正常に通報されたか否かを判断して、正常に通報された場合には自動通報が完了した旨を表示し(図示は省略)、失敗であった場合にはやはり遠隔通信異常表示D8の点灯あるいは点滅によってその旨を表示して、図19のメインルーチンへリターンする。
【0104】
図21は、同じく図19における自己診断異常による遠隔通報のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。
このサブルーチンの処理も、通信コントロール装置18へ送信するデータが自己診断異常によるデータであることと、タイムアウト時間が20分であること以外は、図20によって説明した遠隔通報キー83による遠隔通報と同様であるので、その説明を省略する。
【0105】
図22は、同じく図19における事前警告による遠隔通報のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。
このルーチンでは、通信コントローラ装置18に対して事前警告による遠隔通報データの送信を行なう。
【0106】
図23は、通信コントロール装置18からアクセスされた場合の複写機1のCPU100による処理のメインルーチンのフローチャートである。
図7に示した通信許可スイッチ111がONの場合に、通信インタフェースユニット109に受信データがあった場合、これを受信して先頭フィールドによって要求された処理を判断して、リード要求,ライト要求,エクセキュート要求のいずれかを判断して、その判断結果に応じた処理を行なう。上記いずれの要求でもない場合は、エラーコードを返送して、処理を終了する。
【0107】
図24は、図23のリード処理のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。このルーチンでは、複写機1が受信した項目コードがリード可能な正しいものであれば要求されたデータを返送し、正しくなければエラーコードを返送する。
【0108】
図25は、図23のライト処理のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。このルーチンでは、受信した項目コードがライト可能な正しいものでなければエラーコードを返送し、正しければ書き込む値をチェックし、それが有効範囲内であればそのまま受信データの値を書き込む。有効範囲外の場合は、その項目が有効範囲の境界値にデータを丸めて書き込んでよいものであれば、その境界値を書き込む。そうでなければエラーコードを返送してリターンする。
【0109】
境界値に丸めて書き込んで良いか否かは項目コード毎に決められている。定着温度の設定のように有効範囲内であっても書き換えの影響が大きいものや、数値の大きさに意味のないサービスセンタ200の電話番号などは境界値への丸めを禁止し、オートリセット時間のように画質に影響がないような項目は便宜を図るために境界値への丸めを許可する。例えば、オートリセット時間を可能な限り長時間にしたいような場合には、書き込む値を桁数いっぱいの最大値にすれば自動的に最大値が複写機1側で選択される。
【0110】
図26は、図23のエクセキュート処理のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。このルーチンでは、受信した項目コードがエクセキュート可能な正しいものでなければエラーコードを返送する。正しければその項目に動作内容補足が必要な項目であるかどうかを判断し、必要でなければ指定された動作を実行し、動作結果情報を返送する。動作内容補足が必要な項目の場合は、補足された情報に従った動作を実行するが、動作内容補足が有効範囲外のデータであればエラーコードを送信してリターンする。
【0111】
次に、通信コントロール装置18と複写機1との通信の手順について説明する。図27は、通信コントロール装置18に5台の複写機1が接続されている場合の、アイドル状態の通信シーケンスを示す。
【0112】
通信コントロール装置18は、各複写機1のポーリングアドレスを用いて順次ポーリングシーケンスを送信するポーリングサイクルを実行する。自機のポーリングアドレスでポーリングされた複写機1は、送信テキストがなければ否定応答を通信コントロール装置18に送信する。通信コントロール装置18は、他に通信処理のない通常の状態ではこのポーリングサイクルを繰り返している。
【0113】
図28は、アドレス2の複写機1に遠隔通報の送信テキストがある場合の通信シーケンスの例を示す。自機のアドレスでポーリングされた後にRS−485ライン上へ送信テキストを送出する。
【0114】
図29は、通信コントロール装置18からアドレス5の複写機1へ通報結果報告のテキストを送信する場合の通信シーケンスの例を示す。現在行なっているポーリングを終結後、目的の複写機1のセレクティングアドレスを用いてセレクティングシーケンスを送信して、複写機1へテキストを送信する。テキスト送信後は元のポーリングサイクルに復帰する。
【0115】
図30は、サービスセンタ200または通信コントロール装置18からアドレス3の複写機をアクセスした場合の、通信コントロール装置18と複写機1との間の通信シーケンスを示す。
【0116】
この場合は、通信コントロール装置18が目的の複写機1をセレクティングし、リード要求,ライト要求,エクセキュート要求のいずれかのテキストを送信する。その直後に同一の複写機1に対してポーリングを行ない、要求に対する応答の受信を行なう。実際には、図27で示されるポーリングサイクル中にこのシーケンスが挿入されることになる。
【0117】
図31は、定時データ処理、つまり定期的に行なわれるトータルカウンタ値転送の際の通信シーケンスの一例である。トータルコピー枚数のカウンタ値(トータルカウンタ値)の収集日時に達すると、通信コントロール装置18はポーリングサイクルの合間にアドレス1〜5の複写機1に対して順次セレクティングを行うセレクティングサイクルを挿入する。セレクティングサイクル中に応答があった場合は、その直後に同一の複写機1に対してポーリングを行なってデータ(トータルカウンタ値)を受信し、受信した時の日時情報を付加して図6のRAM186に記憶し、次のセレクティングサイクルからはその複写機1に対してはセレクティングを行なわないようにする。
【0118】
この例では、最初のセレクティングサイクルでアドレス1,3,4の複写機1から応答があり、次のセレクティングサイクルで前回データを受信できなかったアドレス2,5の複写機に対してのみセレクティングを行なっている。そして、その次のセレクティングサイクルで全ての複写機1のデータの受信が完了し、図27で示される通常のポーリングサイクルのみを行なう状態に復帰している。
【0119】
ここでは、アドレス1〜5の5台の複写機1が接続されている場合の例を示したが、接続に空きがある場合には、空きのアドレスに対してはセレクティングを行なわないようにしてある。また、通信コントロール装置18では、トータルカウンタ値の収集を開始する条件を、収集時刻への到達時あるいは通信コントロール装置18への電源投入時のいずれかにしている。
【0120】
図32は、定期的に行なわれるトータルカウンタ値転送の際の通信シーケンスの他の例である。トータルカウンタ値の収集日時に達すると、通信コントロール装置18は各複写機1にポーリングを行なうタイミングでポーリングの代わりにセレクティグを行なう。セレクティングに対して応答のあった複写機1に対してはその直後にポーリングを行ない、データの受信を行なう。
【0121】
トータルカウンタ値の収集日時になった直後のアドレス1〜5の複写機1に対する1回目のサイクルは図31と同様になっているが、その次にポーリングサイクルは挿入されていない。2回目のサイクルでは、既にデータの受信が終了した複写機1に対してはポーリングを行ない、データの受信ができなかった複写機1に対してはカウンタ値要求のためのセレクティングを再度行なう。全ての複写機1のデータを受信できた時点で、ポーリングのみを行なう通常の状態に復帰する。
【0122】
この例でも、図31と同様に、最初にアドレス1,3,4の複写機1から応答があり、次のサイクルで前回データを受信できなかった複写機1のうちアドレス2の複写機1のデータの受信が完了し、その次のサイクルで全ての複写機1のデータを受信することができる。
【0123】
また、上述した2つの例に示すような定時データ処理に対して、更に次のような処理を行なう。
通信コントロール装置18は、自機に設定されているパラメータで示された日時に達すると、同じくそのパラメータで示された通報先電話番号へ発呼し、トータルカウンタ値をサービスセンタ200へ送信する。
【0124】
しかし、内部で設定されている日時にたまたま図1に示したクライアント201a,201b,……,201n側又は通信コントロール装置18側が停電であったとか、その日時が2月29日のように閏年でしか無い日に設定されてしまうと、トータルカウンタ値の処理を行なえる年と行なえない年ができて運用上不都合が生じる。
【0125】
そこで、この実施形態の遠隔画像形成装置管理システムでは、パラメータで示された日時で処理が終わらなかった場合には、それに引き続いて監視を行ない、処理を終了するまでこの動作を行なうようにしている。2月29日がない時は、月が変化した3月1日に処理を行なうようにしている。
また、この実施形態では、複数の複写機1のデータを制御することができるが、現在の複写機はカラー化,デジタル化等で高機能化されており、トータルカウンタも複写機に1個だけ搭載したものから複数個搭載したものまである。
【0126】
この実施形態における複写機1は、トータルカウンタを最大3個まで搭載することができる。この場合、通信コントロール装置18が複写機1のデータ(トータルカウンタ値)をサービスセンタ200のクライアント201a,201b,……,201nのいずれかに送る時、個々のデータを個別の複写機1に分けてそのクライアントに送ると余分な送信コストがかかるため、送信するデータがある場合はまとめて送信するようにしている。
【0127】
さらに、通信コントロール装置18は、自機に設定されているパラメータで示された日時に達すると、内部に記憶されている上記定時データを取得日時を含めて特定の記憶エリアに記憶する。このデータは、サービスセンタ200から読み出すことができるようになっている。
【0128】
次に、この実施形態におけるサービスセンタ200側の主要部について、説明する。
図33は、サービスセンタ200の具体的構成例を示す図である。
【0129】
サービスセンタ200内に設置されている各クライアント201a,201b,201c,201d,201e,……,201nには、それぞれ各モデム202a,202b,202c,202d,202e,……,202nが接続され、その各モデムが顧客先の通信コントロール装置18と公衆回線網17を介して接続されている。
【0130】
その各モデム202a,202b,202c,202d,202e,……,202nは、それぞれ各クライアント201a,201b,201c,201d,201e,……,201nと接続されている。ここでは、1台のクライアントに1台又は複数台のモデムが接続されている。
【0131】
クライアント1台にモデムを1台だけ接続する場合は、そのクライアントのシリアルポート(COM1)にモデムが直接接続され、クライアント1台にモデムを複数台接続する場合は、そのクライアントのMCAスロットに挿入されたRICボードを介してモデムが接続されている。
【0132】
RICボードは、それ自体小さなOS(オペレーティングシステム)を搭載しており、自メモリ上に後述するプロトコルドライバ301(図34参照)をダウンロードする。そのプロトコルドライバ301は、それぞれマルチタスクで非同期に動作可能である。通常、複数ポート使用時のクライアントのCPUの負荷を低減するため、RICボード内に通信プロトコルを実現するプログラムをダウンロードする。
【0133】
図34は、クライアント201a〜201nにおける通信コントロール装置18との間のデータ(情報)の送受信部の具体的構成例を示す図である。
この送受信部は、3層アーキテクチャで構成している。そのうちのプロトコル層300は、通信コントロール装置18との間の通信プロトコルを実現するものであり、シリアルドライバの上位に位置し、通信ハードウエア毎に実装され、セッション層310から見たとき、通信ハードウエアの違いを吸収する。
【0134】
このプロトコル層300はプロトコルドライバ301とプロトコルスタック302とによって構成され、そのうちのプロトコルドライバ301はポート(モデム)の数だけロードされる。RICボードの場合、プロトコルドライバ301はRICボードの内部メモリにダウンロードされ、このプロトコルドライバ301は発呼要求を受け取ると、次のような制御を行なう。
【0135】
すなわち、モデム(202a〜202n)に対して通信コントロール装置18との一連のプロトコルシーケンスを開始する。また、常時モデムを監視し、通信コントロール装置18からのデータの送信があった場合、速やかにプロトコルシーケンスに従って通信コントロール装置18からのデータを受信する。その受信が完了すると、プロトコルスタック302を介して受信完了をセッション層310に通知する。
【0136】
プロトコルスタック302は、プロトコルドライバ301と発呼被呼制御部311との間に位置し、送信データ,受信データ,及び制御データの受け渡しを行なう。
【0137】
次のセッション層310は、プロトコル層300にて実現されている複数のPP(物理ポート)303を管理し、プレゼンテーション層320からの通信要求(発呼処理,被呼処理)に対してPP303の検索を行ない、通信を開始する。また、通信コントロール装置18からの受信完了を監視し、受信完了時にプレゼンテーション層320にその旨を通知してデータを渡す。
【0138】
プレゼンテーション層320は、PP303を直接参照することはなく、あくまでもセッション層310にてリンクされたVP(仮想ポート)312をアクセスする。
最後のプレゼンテーション層320は、セッション層310の上位にあって、次の機能によって構成される。
【0139】
すなわち、VP312をハンドリングするVPハンドラ321と、クライアント本体からの送信要求の処理を行なう送信要求部322と、VP312をポーリングし、受信データを上位機能に渡す受信監視部323とによって構成され、通信コントロール装置18との間のデータの授受を実現する。
【0140】
送信要求部322は、VP312に対して送信通信を行なう。上位機能からは実際に実装されているプロトコルドライバ301を意識する必要がなく、使用可能なPP303の管理をセッション層310に任せることにより、物理的なポートの意識が不要になる。受信処理は、VP312をポーリングすることにより、物理的な受信ポートを意識する必要が全くなくなる。
【0141】
図35は各クライアント201a〜201nにおける上述した送受信部及び蓄積部による顧客先の複写機1(画像形成装置)毎の受信データの流れを示すブロック図、図36は送受信部及び蓄積部によるデータ受信処理の一例を示すフロー図、図37は同じくデータ蓄積処理の一例を示すフロー図である。
【0142】
各クライアント201a〜201nにおける送受信部のプレゼンテーション層320に位置する受信監視部323は、まずVP312のポート数の確保等のイニシャル処理を実行し、次に通信コントロール装置18からのデータ(遠隔通報データ)を読み込むための読込領域を確保し、被呼VP312のオープンを行ない、受信監視を開始する(ステップS1〜S4)。
【0143】
そして、通信コントロール装置18からのデータの受信が正常に終了したか、異常事象が発生したかの受信状況の監視を続け、被呼VP312が受信完了状態となり、その被呼VP312のバッファに受信データが存在する場合、その受信データを被呼VP312のバッファからステップS2で確保した読込領域に読み込む(ステップS5,S6)。
【0144】
次いで、その読込領域に読み込んだ受信データを受信データファイル324に書き込み、その書き込み処理が正常に終了した時に、次の受信データを処理するために受信状況の監視を続ける(ステップS7,S8,S4,S5)。
書き込み処理が正常に終了できなかった(エラーが発生した)場合には、被呼VP312をクローズし、エラー表示を行ない、リトライ指定がある場合には再び被呼VP312のオープンを行ない、受信状況の監視を続ける(ステップS9〜S11,S3〜S5)。
【0145】
一方、蓄積部330は上述した受信監視部323と非同期に動作を行ない、まず共有メモリの確保等の内部データのイニシャル処理(顧客先受信データイニシャル処理)を実行し、このイニシャル処理が正常に終了できなかった(エラーが発生した)場合には、エラー表示を行なって処理を終了する(ステップS21,S22,S31)。
【0146】
イニシャル処理が正常に終了した場合には、受信監視部323で作成された受信データファイル324が存在する(受信データが格納されている)か否かのチェックを行ない、存在すればその受信データファイル324の受信データを読み込み、その読み込み中にエラーが発生した(読み込みが異常終了の場合)場合には、エラー表示を行なって処理を終了する(ステップS23〜S25,S29〜S31)。
【0147】
受信データの読み込みが正常に終了した場合には、読み込んだ受信データ(遠隔通報データ)を蓄積通報データファイル331に書き込み(蓄積し)、蓄積通報データファイル331の更新を行ない、その更新処理中にエラーが発生した場合(更新処理が異常終了の場合)には、エラー表示を行なって処理を終了する(ステップS25〜S27,S29〜S31)。
【0148】
更新処理が正常終了の場合には、読み込んだ受信データファイル324の削除を行なった後、再び受信監視部323で作成された受信データファイル324が存在するか否かのチェックを行ない、その受信データファイル324が存在しなければ蓄積部330の終了指示指定か否かのチェックを行ない、終了指示指定の場合には終了が正常終了か異常終了かのチェックを行なう(ステップS27,S28,S23,S29,S30)。
【0149】
そして、正常終了の場合には蓄積部330による処理を終了するが、異常終了の場合にはエラー表示を行なって処理を終了する(ステップS30,S31)。終了指示指定でない場合は、再び受信監視部323で作成された受信データファイル324が存在するか否かのチェックに戻り、上述と同様の処理を続ける(ステップS29,S23)。
【0150】
以下、各クライアント201a〜201nにおけるこの発明に直接係る処理、つまり蓄積部330によって蓄積された遠隔通報データ(受信データ)の表示処理について、図38〜図44をも参照して具体的に説明する。
まず、受信データの表示をコントロールするための管理テーブル(表示特性テーブル)について、図38を参照して説明する。
【0151】
この表示特性テーブル400は、サービスセンタ200に設置されているファイルサーバ204の外部記録装置203上に常駐し、各クライアント201a〜201nが起動する毎に1エントリが作成される。各エントリは、それぞれ第一次表示使用済みライン数,第一次表示可能ライン数,第二次表示使用済みライン数,及び第二次表示可能ライン数によって構成される。
【0152】
第一次表示使用済みライン数400a1〜400anは、各クライアント201a〜201nの表示画面に確保された第一次表示領域上で使用されている表示ラインの値であり、第一次表示領域上に受信データ(遠隔通報データ)が表示される毎に「1」加算され、第一次表示領域上から受信データが削除、つまりオペレータによって受信データの処理が終了される毎に「1」減算される。
【0153】
第一次表示可能ライン数400b1〜400bnは、各クライアント201a〜201n上の第一次表示領域上の表示可能なラインの値である。
第二次表示使用済みライン数400c1〜400cnは、各クライアント201a〜201nの表示画面に確保された第二次表示領域上で使用されている表示ラインの値であり、第二次表示領域上に受信データが表示される毎に「1」加算され、第二次表示領域上から受信データが削除、つまりオペレータによって受信データの処理が終了される毎に「1」減算される。
【0154】
第二次表示可能ライン数400d1〜400dnは、各クライアント201a〜201nの第二次表示領域上の表示可能なラインの値である。
第一次表示使用済みライン数400a1〜400an及び第二次表示使用済みライン数400c1〜400cnの値は、各クライアント201a〜201nの起動時に「0」に設定され、第一次表示可能ライン数400b1〜400bn及び第二次表示可能ライン数400d1〜400dnの値はオペレータがキーボード等の操作によって設定する。
【0155】
次に、受信データの遠隔地の端末装置への送信をコントロールするための管理テーブル(顧客別テーブル)について、図39を参照して説明する。
この顧客別テーブル410は、サービスセンタ200に設置されているファイルサーバ204の外部記録装置203上に常駐し、各エントリはそれぞれ機種番号410a1〜410an,シリアル番号410b1〜410bn,端末タイプ410c1〜410cn,及び端末装置宛先電話番号410d1〜410dnによって構成される。
【0156】
機種番号410a1〜410anは顧客先に設置されている複写機1(画像形成装置)の機種番号、シリアル番号410b1〜410bnはその複写機1のシリアル番号である。
端末タイプ410c1〜410cnはサービスステーション210の端末装置211のタイプ、端末装置宛先電話番号410d1〜410dnはその端末装置211の宛先電話番号である。
前述した各項目は、複写機1が顧客先に設置される時にサービスセンタ200のオペレータによって登録される。
【0157】
図40及び図41は各クライアント201a〜201nにおける受信データの表示振り分け処理の一例を示すフローチャート、図42は図41における表示可能クライアント検索処理のサブルーチンの一例を示すフローチャート、図43は各クライアント201a〜201nにおける受信データの遠隔送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0158】
各クライアント201a〜201n0はそれぞれ、まず蓄積部330により蓄積された蓄積通報データファイル331上の受信データ(遠隔通報データ)を読み込み(ステップS41)、次に表示特性テーブル400(図38参照)の自機に対応するエントリ上の第一次表示可能ライン数(400b1〜400bnのいずれか)と第一次表示済みライン数(400a1〜400anのいずれか)との差を求めて、ステップ41で読み込んだ受信データの第一次表示領域への表示が可能か否かの検証を行ない(ステップS42)、表示が可能であれば読み込んだ受信データを第一次表示データファイルに書き込む(ステップS43)。
【0159】
そして、その受信データの書き込みが正常に終了した場合に、その受信データを蓄積通報データファイル331から削除し(ステップS44)、上記第一次表示使用済みライン数に「1」を加算し(ステップS45)た後、蓄積通報データファイル331上に次の受信データが存在するか否かの検証を行ない(ステップS46)、存在しなければ処理の終了指定がなされたか否かの検証を行ない(ステップS47)、終了指定がなされた時に処理を終了する。
【0160】
また、次の受信データが存在する場合には、その受信データを読み込み(ステップS41)、再び表示特性テーブル400の自機に対応するエントリ上の第一次表示可能ライン数と第一次表示済みライン数との差を求めて、ステップS41で読み込んだ受信データの第一次表示領域への表示が可能か否かの検証を行なう(ステップS42)。
【0161】
そして、ステップ41で読み込んだ受信データの第一次表示領域への表示が不可能になった場合には、その受信データの通報理由コード(図13参照)の検証を行なって(ステップS48)、その受信データは緊急性の高いデータか否かを判別し(ステップS49,50)、通報理由コードが遠隔通報キーによる遠隔通報又は自己診断異常による遠隔通報を示すものでない場合、つまり読み込んだ受信データが緊急性の高いデータでない場合には、ステップS46に移って上述と同様の処理を行なう。
【0162】
また、通報理由コードが遠隔通報キーによる遠隔通報又は自己診断異常による遠隔通報を示すものである場合、つまり読み込んだ受信データが緊急性の高いデータである場合には、図41のルーチンに移り、表示特性テーブル400の自機に対応するエントリ上の第二次表示可能ライン数(400d1〜400dnのいずれか)と第二次表示済みライン数(400c1〜400cnのいずれか)との差を求めて、ステップS41で読み込んだ受信データの第二次表示領域への表示が可能か否かの検証を行ない(ステップS51)、表示が可能であれば読み込んだ受信データを第二次表示データファイルに書き込む(ステップS52)。
【0163】
そして、その受信データの書き込みが正常に終了した場合に、その受信データを蓄積通報データファイル331から削除し(ステップS53)、上記第二次表示使用済みライン数に「1」を加算した後(ステップS54)、ステップS46に移って上述と同様の処理を行なう。
一方、ステップS41で読み込んだ受信データの第二次表示領域への表示も不可能な場合には、その読み込んだ受信データが表示可能な他のクライアントの検索処理(表示可能クライアント検索処理)を行なう(ステップS55)。
【0164】
すなわち、図42に示すように、表示特性テーブル400の各エントリを順次検索し(ステップS61)、その各エントリ毎に第一次表示可能ライン数と第一次表示済みライン数との差を求め、図40のステップS41で読み込んだ受信データの第一次表示領域への表示が可能な他のクライアントが存在するか否かの検証を行ない(ステップS62,S63)、存在すればその受信データに優先度を付加し、そのクライアント(複数存在する場合は対応する各エントリのうちの検索順位が最も上位のエントリに対応するクライアント)の第一次表示データファイルに転送して書き込む(ステップS67)。
【0165】
そして、その受信データの書き込みが正常に終了した場合に、その受信データを蓄積通報データファイル331から削除し(ステップS68)、上記第一次表示領域に表示可能な他のクライアントの第一次表示使用済みライン数に「1」を加算した後(ステップS69)、図41のルーチンにリターンする。
【0166】
ステップ41で読み込んだ受信データの第一次表示領域への表示が可能な他のクライアントが存在しない場合には、表示特性テーブル400の各エントリ毎に第二次表示可能ライン数と第二次表示済みライン数との差を求めて、ステップ41で読み込んだ受信データの第二次表示領域への表示が可能な他のクライアントが存在するか否かの検証を行ない(ステップS62,S63)、存在すればその受信データに優先度を付加し、そのクライアント(複数存在する場合は対応する各エントリのうちの検索順位が最も上位のエントリに対応するクライアント)の第二次表示データファイルに転送して書き込む(ステップS64)。
【0167】
そして、その受信データの書き込みが正常に終了した場合に、その受信データを蓄積通報データファイル331から削除し(ステップS65)、上記第二次表示領域に表示可能な他のクライアントの第二次表示使用済みライン数に「1」を加算した後(ステップS66)、図41のルーチンにリターンする。
ステップ41で読み込んだ受信データの第二次表示領域への表示が可能な他のクライアントも存在しない場合には、そのまま図41のルーチンにリターンする。
【0168】
図42のルーチンから図41のルーチンにリターンすると、まず読み込んだ受信データの表示が可能な他のクライアントが存在したか否かを判断し(ステップS56)、存在した場合にはステップS46に移行して上述と同様の処理を行なうが、存在しなかった場合には図43のルーチンに移り、その読み込んだ受信データ(遠隔通報データ)上の機種番号及びシリアル番号に基づいて、顧客別テーブル410(図39参照)上の機種番号(410a1〜410anのいずれか)及びシリアル番号(410b1〜410bnのいずれか)の検索を行なう。つまり、対応するサービスステーションを検索する(ステップS71)。
【0171】
そして、検索がヒットした(対応するサービスステーションを検索した)場合には、顧客別テーブル410上の端末タイプ(410c1〜410cnのいずれか)、つまり検索したサービスステーションに設置されている端末装置のタイプを検証し(ステップS72,S73)、その端末タイプが表示装置を有するパーソナルコンピュータ(PC)の場合には、以下の処理を行なう。
【0172】
すなわち、顧客別テーブル410上の端末装置宛先電話番号、つまり検索したサービスステーションに設置されているパーソナルコンピュータ(端末装置)の宛先電話番号に基づいて、そのパーソナルコンピュータが起動されているか否かの検証を行ない(ステップS77)、起動されている場合にはそのパーソナルコンピュータに、予め規定された通信プロトコルにより、図40のステップS41で読み込んだ受信データを公衆回線網17を介して送信する(ステップS79)。
【0173】
そして、その読み込んだ受信データの送信が正常に終了したか否かを判断して(ステップS80)、正常に終了できなかった場合には上記読み込んだ受信データを上記パーソナルコンピュータに再送信し(ステップS79)、正常に終了した場合にその送信した受信データを蓄積通報データファイル331から削除した後(ステップS81)、図40のステップS46に移行して前述と同様の処理を行なう。
【0174】
検索したサービスステーションに設置されているパーソナルコンピュータが起動されていない場合には、図40のステップS41で読み込んだ受信データに優先度を付加して、蓄積通報データファイル331上の読み込んだ受信データの更新を行なった後(ステップS78)、図40のステップS46に移行して前述と同様の処理を行なう。
【0175】
上記端末タイプがFAX装置の場合には、図40のステップS41で読み込んだ受信データをFAX送信用データに編集し(ステップS74)、検索したサービスステーションに設置されているFAX装置(端末装置)の宛先電話番号に基づいてそのFAX装置に、予め規定された通信プロトコルにより、上記編集したFAX送信用データを公衆回線網17を介して送信する(ステップS75)。
【0176】
そして、その編集したFAX送信用データの送信が正常に終了したか否かを判断して(ステップS76)、正常に終了できなかった場合には上記FAX送信用データを上記FAX装置に再送信し(ステップS75)、正常に終了した場合にその送信したFAX送信用データ(受信データ)を蓄積通報データファイル331から削除した後(ステップS81)、図40のステップS46に移行して前述と同様の処理を行なう。
【0177】
上記端末タイプがパーソナルコンピュータ及びFAX装置のいずれでもない場合には、図40のステップS41で読み込んだ受信データに優先度を付加して、蓄積通報データファイル331上の読み込んだ受信データの更新を行なった後(ステップS78)、図40のステップS46に移行して前述と同様の処理を行なう。
【0178】
図44は、各クライアント201a〜201nにおける受信データの表示処理の一例を示すフローチャートである。
各クライアント201a〜201nはそれぞれ、まず第二次表示データファイルに記憶された受信データ(遠隔通報データ)を読み込み、それを表示フォーマットに編集して自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示する(ステップS91)。
【0179】
次に、第二次表示データファイルにおける受信データの有無をチェックし(ステップS92)、第二次表示データファイルに受信データがあればステップS91に戻って上述と同様の処理を行ない、受信データがなくなった時点で第一次表示データファイルに記憶された受信データを読み込み、それを表示フォーマットに編集して自機の表示画面に確保した第一次表示領域に表示する(ステップS93)。
【0180】
次に、第一次表示データファイルにおける受信データの有無をチェックし(ステップS94)、第一次表示データファイルに受信データがあればステップS93に戻って上述と同様の処理を行ない、受信データがなくなった時点で終了指示の有無をチェックし、終了の指示がなければステップ91に戻って上述と同様の処理を行なう。
【0181】
なお、第二次表示データファイルに優先度が付加された受信データが記憶された場合には、ステップ91でその受信データを優先的に読み込み、それを表示フォーマットに編集して自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示する。また、第一次表示データファイルに優先度が付加された受信データが記憶された場合には、ステップ93でその受信データを優先的に読み込み、それを表示フォーマットに編集して自機の表示画面に確保した第一次表示領域に表示する。
【0182】
この実施形態の遠隔画像形成装置管理システムにおけるこの発明に係る処理をまとめると、複数の複写機1はそれぞれ、遠隔通報キーが押された場合、自己診断機能により異常の発生が検知された場合、あるいは事前警告が必要な状態である場合に、対応する遠隔通報データ(遠隔通報キーによる遠隔通報データ,自己診断異常による遠隔通報データ,事前警告による遠隔通報データ)を公衆回線網17を介してサービスセンタ200に送信する。
【0183】
サービスセンタ200の各クライアント201a〜201nはそれぞれ、複数の複写機1からそれぞれ送信される遠隔通報データを受信すると、その遠隔通報データを蓄積通報データファイル331に蓄積する。
その後、蓄積通報データファイル331上の遠隔通報データを読み込み、その遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第一次表示領域に表示可能か否かを判断して、表示可能であれば読み込んだ遠隔通報データを第一次表示データファイルに記憶する。
【0184】
読み込んだ遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第一次表示領域に表示できない場合には、読み込んだ遠隔通報データは緊急性の高いデータか否かを判別し、緊急性の高いデータであればその遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示可能か否かを判断して、表示可能であればその遠隔通報データを第二次表示データファイルに記憶する。
【0185】
読み込んだ遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示できない場合には、その読み込んだ遠隔通報データを表示可能な他のクライアントの有無を判断し、他のクライアントがあれば読み込んだ遠隔通報データに優先度を付加し、そのクライアントの第一次表示データファイルもしくは第二次表示データファイルに転送する。
【0186】
読み込んだ遠隔通報データを表示可能な他のクライアントがない場合には、その遠隔通報データを外部に出力する。
すなわち、予め規定された通信プロトコルにより、読み込んだ遠隔通報データを公衆回線網17を介して対応するサービスステーション内の端末装置(表示装置を有するパーソナルコンピュータ又はFAX装置)に送信する。
【0188】
一方、第一次表示データファイルに記憶した遠隔通報データは自機の表示画面に確保した第一次表示領域に、第二次表示データファイルに記憶した遠隔通報データは自機の表示画面に確保した第二次表示領域にそれぞれ表示する。なお、第一次表示データファイルに優先度が付加された遠隔通報データが記憶された場合には、その遠隔通報データを優先的に第一次表示領域に表示する。また、第二次表示データファイルに優先度が付加された遠隔通報データが記憶された場合には、その遠隔通報データを優先的に第二次表示領域に表示する。
【0189】
このように、この実施形態においては、複写機1の設置台数の増加に伴い、サービスセンタ200内の各クライアント201a〜201nが、多量の遠隔通報データをある期間に集中的に受信し、自機の表示画面の第一次表示領域の全てに遠隔通報データを表示している時に、緊急性の高い遠隔通報データ(異常事象を示すデータ)を新たに受信した場合でも、その遠隔通報データを自機の表示画面の第二次表示領域に表示したり、他のクライアントに転送してその表示画面の第一次表示領域もしくは第二次表示領域に表示させたり、あるいはサービスステーションの端末装置に送信してその表示画面に表示させたり、用紙に印刷させることができる。
【0190】
したがって、複写機の異常事象発生に対して緊急に対応でき、顧客に対するサービスの向上につながる。
また、複写機の設置台数の増加に伴うクライアントの設置台数の増設及びオペレータの増員等を行なう必要がないため、サービスセンタ200の設備投資へのコスト増と運用コストの増加を抑えることができると共に、サービスセンタ200の設備を有効に効率的に使用することができる。
【0191】
なお、この実施形態においては、各クライアント201a〜201nがそれぞれ、蓄積通報データファイル331から読み込んだ遠隔通報データを、他のクライアントに転送してその表示画面の一次表示領域もしくは第二次表示領域に表示させたり、サービスステーションの端末装置に送信してその表示画面に表示させたり、用紙に印刷させるようにすることも可能にしたが、そのような機能を必ずしも持つ必要はない。
また、サービスステーションの端末装置をパーソナルコンピュータ又はFAX装置としたが、それら以外の装置としてもよい。
【0192】
以上、この発明を複数の複写機とセンタシステムとを公衆回線網を介して接続した遠隔画像形成装置管理システムに適用した実施形態について説明したが、この発明はこれに限らず、複数のプリンタ等の他の画像形成装置とセンタシステムとを公衆回線網を介して接続した遠隔画像形成装置管理システムにも適用し得るものである。
【0193】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明の遠隔画像形成装置管理システムによれば、画像形成装置の設置台数の増加に伴い、サービスセンタ内の監視端末装置が、多量の遠隔通報データをある期間に集中的に受信し、自機の表示画面に確保した第一次表示領域の全てに遠隔通報データ(緊急性の低いもの)を表示している時に、緊急性の高い遠隔通報データを新たに受信した場合でも、その遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示することができるため、次のような効果を得ることができる。
【0194】
すなわち、画像形成装置の異常事象発生に対して緊急に対応でき、顧客に対するサービスの向上につながる。また、画像形成装置の設置台数の増加に伴う監視端末装置の設置台数の増設及びオペレータの増員等を行なう必要がなくなり、サービスセンタの設備投資へのコスト増と運用コストの増加を抑えることができると共に、サービスセンタの設備を有効に効率的に使用することができる。
【0195】
請求項2の発明の遠隔画像形成装置管理システムによれば、画像形成装置の設置台数の増加に伴い、サービスセンタ内の監視端末装置が、多量の遠隔通報データをある期間に集中的に受信し、自機の表示画面に確保した第一次表示領域の全てに遠隔通報データを表示している時に、緊急性の高い遠隔通報データを新たに受信した場合でも、その遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示するだけでなく、他のクライアントに転送してその表示画面の第一次表示領域もしくは第二次表示領域にも表示させることができるため、請求項1の発明の効果を確実に得ることができる。
【0196】
請求項3〜6の発明の遠隔画像形成装置管理システムによれば、画像形成装置の設置台数の増加に伴い、サービスセンタ内の監視端末装置が、多量の遠隔通報データをある期間に集中的に受信し、自機の表示画面に確保した第一次表示領域の全てに遠隔通報データを表示している時に、緊急性の高い遠隔通報データを新たに受信した場合でも、その遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示したり、他のクライアントに転送してその表示画面の第一次表示領域もしくは第二次表示領域に表示させるだけでなく、サービスステーションの端末装置(パーソナルコンピュータ,ファクシミリ装置等)などの外部にも送信してその表示画面に表示させたり、用紙に印刷させたりすることもできるため、請求項1の発明の効果をより確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用する遠隔画像形成装置管理システムの構成例を示す図である。
【図2】この発明の実施形態に使用する画像形成装置の一例としての複写機の概略構成図である。
【図3】図2に示した複写機1の操作部の一例を示すレイアウト図である。
【図4】図3に示した操作部70のパターン表示部72の表示内容を示す拡大図である。
【図5】図1に示した遠隔画像形成装置管理システムにおけるユーザ地域内の具体的構成例を示すブロック図である。
【図6】図1及び図5に示した通信コントロール装置18の構成例を示すブロック図である。
【図7】図1及び図5に示した複写機1の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図8】この実施形態の遠隔画像形成装置管理システムにおける遠隔通報時の通信シーケンス図である。
【図9】同じくそのセンタシステム側から複写機へアクセスする場合の通信シーケンス図である。
【図10】同じくそのセンタシステム側から通信コントロール装置へアクセスする場合の通信シーケンス図である。
【図11】同じくセンタシステムを用いずに通信コントロール装置から複写機へアクセスする場合の通信シーケンス図である。
【図12】図6に示した通信コントロール装置18内にセットされるパラメータの一覧図である。
【図13】遠隔通報時の通信データのフォーマットの一例を示す説明図である。
【図14】図1に示したセンタシステムから複写機へのアクセス時のうち、リード処理時のデータフォーマットの一例を示す図である。
【図15】同じくライト処理時のデータフォーマットの一例を示す図である。
【図16】同じくエクセキュート処理時のデータフォーマットの一例を示す図である。
【図17】センタシステムから通信コントロール装置へのアクセス時のデータフォーマットの一例を示す図である。
【図18】通信コントロール装置から複写機へのアクセス時のデータフォーマットの一例を示す図である。
【図19】複写機のCPUによる電源投入時の通報制御のフローチャートである。
【図20】図19における遠隔通報キーによる遠隔通報のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。
【図21】図19における自己診断異常による遠隔通報のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。
【図22】図19における事前警告による遠隔通報のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。
【図23】通信コントロール装置からアクセスされた場合の複写機のCPUによる処理のメインルーチンのフローチャートである。
【図24】図23におけるリード処理のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。
【図25】図23におけるライト処理のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。
【図26】図23におけるエクセキュート処理のサブルーチンの処理内容を示すフローチャートである。
【図27】通信コントロール装置に5台の複写機が接続されている場合のアイドル状態の通信シーケンス図である。
【図28】アドレス2の複写機に遠隔通報の送信テキストがある場合の通信シーケンス図である。
【図29】通信コントロール装置からアドレス5の複写機へ通報結果報告のテキストを送信する場合の通信シーケンス図である。
【図30】センタシステム又は通信コントロール装置からアドレス3の複写機をアクセスした場合の通信コントロール装置と複写機の間の通信シーケンス図である。
【図31】定期的に行われるトータルカウンタ値転送の際の通信コントロール装置と複写機との間の通信シーケンス図である。
【図32】定期的に行われるトータルカウンタ値転送の際の通信コントロール装置と複写機との間の他の通信シーケンス図である。
【図33】図1のサービスセンタ200の具体的構成例を示す図である。
【図34】図33のサービスセンタ200の各クライアント201a〜201nにおける図6の通信コントロール装置18との間のデータの送受信部の具体的構成例を示す図である。
【図35】図34の各クライアント201a〜201nにおける送受信部及び蓄積部による顧客先の複写機1毎の受信データの流れを示すブロック図である。
【図36】図34の各クライアント201a〜201nにおける送受信部及び蓄積部によるデータ受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図37】図34の各クライアント201a〜201nにおける送受信部及び蓄積部によるデータ蓄積処理の一例を示すフローチャートである。
【図38】図34の各クライアント201a〜201nにおける受信データの表示をコントロールするための管理テーブル(表示特性テーブル)を説明するための説明図である。
【図39】図34の各クライアント201a〜201nにおける受信データの遠隔地の端末装置への送信をコントロールするための管理テーブル(顧客別テーブル)を説明するための説明図である。
【図40】図34の各クライアント201a〜201nにおける受信データの表示振り分け処理の一例を示すフローチャートである。
【図41】その続きの処理を示すフローチャートである。
【図42】図41における表示可能クライアント検索処理のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図43】図34の各クライアント201a〜201nにおける受信データの遠隔送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図44】図34の各クライアント201a〜201nにおける受信データの表示処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:複写機 17:公衆回線網
18:通信コントロール装置 200:サービスセンタ
201a〜201n:クライアント
202a〜202n:モデム 203:外部記録装置
204:ファイルサーバ 205:印刷装置
206:FAXサーバ 207:LAN
210:サービスステーション 211:端末装置
212FAX装置
220:ユーザ地域

Claims (6)

  1. 複数の画像形成装置とサービスセンタ内の複数の監視端末装置とを公衆回線網を介して接続した遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
    前記複数の画像形成装置がそれぞれ、遠隔通報データを前記サービスセンタに送信する遠隔通報データ送信手段を有し、
    前記複数の監視端末装置がそれぞれ、前記複数の画像形成装置からそれぞれ送信される遠隔通報データを受信する受信手段と、該手段によって受信された遠隔通報データを蓄積する蓄積手段と、該手段に蓄積された遠隔通報データを読み込む読込手段と、該手段によって読み込まれた遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第一次表示領域に表示可能か否かを判断する第一次表示可否判断手段と、該手段によって表示可能と判断された場合には、前記読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを記憶する第一次記憶手段と、該手段に記憶された遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第一次表示領域に表示する第一次表示手段と、前記第一次表示可否判断手段によって表示不能と判断された場合には、前記読込手段によって読み込まれた遠隔通報データは緊急性の高いデータか否かを判別するデータ判別手段と、該手段によって緊急性の高いデータと判別された場合には、前記読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示可能か否かを判断する第二次表示可否判断手段と、該手段によって表示可能と判断された場合には、前記読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを記憶する第二次記憶手段と、該手段に記憶された遠隔通報データを自機の表示画面に確保した第二次表示領域に表示する第二次表示手段とを設けたことを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。
  2. 請求項1記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
    前記複数の監視端末装置がそれぞれ、前記第二次表示可否判断手段によって表示不能と判断された場合には、前記読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを表示可能な他の監視端末装置の有無を判断する他装置有無判断手段と、該手段によって表示可能な他の監視端末装置があると判断された場合には、前記読込手段によって読み込まれた遠隔通報データに優先度を付加し、該他の監視端末装置の第一次記憶手段もしくは第二次記憶手段に転送する転送手段とを有することを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。
  3. 請求項2記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
    前記複数の監視端末装置がそれぞれ、前記他装置有無判断手段によって表示可能な他の監視端末装置がないと判断された場合には、前記読込手段によって読み込まれた遠隔通報データを外部に出力する外部出力手段を有することを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。
  4. 請求項3記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
    前記各画像形成装置の異常に対する処置を行なうサービスマンを派遣するサービスステーションを設け、
    前記外部出力手段が、予め規定された通信プロトコルにより、前記他装置有無判断手段によって表示可能な他の監視端末装置がないと判断された遠隔通報データを前記公衆回線網を介して前記サービスステーション内の端末装置に送信する手段であることを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。
  5. 請求項4記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
    前記端末装置が、表示装置を有するパーソナルコンピュータであることを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。
  6. 請求項4記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
    前記端末装置が、ファクシミリ装置であることを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。
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