JP3678374B2 - 電気車制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気車制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気車を駆動する誘導電動機を制御する方式として従来のすべり周波数制御の他、ベクトル制御についても検討がなされている。誘導電動機をベクトル制御で駆動する場合、起動時には、磁束は磁束電流の立ち上がりに対して誘導電動機の二次時定数できまる一次遅れで立ち上がるため、磁束が完全に立ち上がってからトルク指令値を与えないと実トルクが磁束の立ち上がりと同様に一次遅れで立ち上がりトルクが正確に制御できない。その結果起動時にトルクが誘導電動機の二次時定数で変動するため、特に電気車においては乗り心地が悪くなるという課題がある。
【0003】
この解決策として、磁束電流を初め大きく与えて磁束の立ち上がり時定数に応じて磁束電流を徐々に減少させて定常的な値にする磁束のフォーシング制御方法や、磁束が完全に立ち上がるのを待ってトルク指令値を立ち上げる方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、磁束のフォーシング制御において、実際に流せる電流は限られているので完全に磁束の立ち上がり時定数を0にすることは不可能で場合によっては制御が不安定になるという問題もある。
【0005】
一方、磁束が立ち上がるのを待ってトルク指令値を立ち上げる方法は、一般に磁束が完全に立ち上がるまでの時間は1秒程度あるため、この間誘導電動機を起動することができないという問題が生じていた。
【0006】
そこで本発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、誘導電動機を起動する時の起動時間を短縮するとともに、乗り心地の良い起動制御を行なう電気車制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置の交流出力側に接続された誘導電動機と、この誘導電動機の磁束が立ち上がっていない状態から誘導電動機にトルクをかけるための磁束指令値を発生する磁束指令値発生部と、磁束指令値と前記誘導電動機の二次時定数を用いて一意的に磁束電流指令値を演算する磁束電流指令値演算部と、磁束指令値から誘導電動機の実磁束を推定する実磁束推定部と、実磁束とトルク指令値とからトルク電流指令値を演算するトルク電流指令値演算部と、実磁束とトルク指令値とからすべり周波数を演算するすべり周波数演算部と、磁束電流指令値とトルク電流指令値とすべり周波数とに基づいて電力変換装置の出力電圧指令値を出力する電圧指令値演算部とを有してなる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、実磁束推定部は、磁束指令値に対し誘導電動機の回路定数で定まる一次遅れをもつものとして実磁束を推定することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、実磁束が立上ってから所定時間経過後に定比率で上昇するトルク指令値を出力するトルク指令値発生部を有してなる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、トルク指令値を出力するトルク指令値発生部を有し、トルク指令値を時間と共に上昇させ、上昇率を時間と共に増加させることを特徴とする。
【0011】
上述した構成により本発明では、トルク電流指令値とすべり周波数をこの推定した実磁束を用いて演算することにより、正確なトルク制御が行なえると共に、トルク指令値を上昇させることにより乗り心地の良い起動制御を行なうことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態を示す電気車制御装置の構成図である。
パンタグラフPANより給電された直流電力は電力変換装置(以下、インバータという。)INVにて交流電力に変換され、誘導電動機(以下、モータという。)IMに供給される。インバータINVを制御する制御装置は以下の通り構成される。
【0013】
磁束指令値発生部1は力行時の磁束、回生時の磁束、弱め磁束等の磁束指令値Φ* を発生する。実磁束推定部2は、磁束指令値発生部1より出力された磁束指令値Φ* から実磁束推定値Φを磁束指令値Φ* の一次遅れとして出力する。トルク指令値発生部3は、乗り心地を考慮したトルク指令値T* を出力する。磁束電流指令値演算部4は、磁束指令値Φ* から磁束電流指令値Id * を演算する。トルク電流指令値発生部5は、トルク指令値T* と実磁束推定値Φとからトルク電流指令値Iq * を演算する。すべり周波数演算部6は、トルク指令値T* と実磁束推定値Φとからすべり周波数ωs を演算する。電圧指令値演算部7は、インバータINVから出力され、センサSiで検出される実電流Iu ,Iv ,Iw が磁束電流指令値Id * とトルク電流指令値Iq * に従うように、又すべり周波数ωs とセンサSで検出された回転周波数ωr とで定まるインバータ周波数を発生するような電圧指令値Vu * ,Vv * ,Vw * を演算する。このような制御装置により、インバータINVは電圧指令値Vu * ,Vv * ,Vw * に従った相電圧を発生しモータIMに出力する。
【0014】
磁束指令値発生部1は起動時、再力行時、再回生時の様にインバータINVが停止状態でモータIMに磁束が立ち上がっていない状態からモータIMにトルクをかける時、必要な磁束指令値Φ* を発生する。すると磁束電流指令値演算部4は磁束指令値Φ*と誘導電動機の二次時定数を用いて一意的に定まる磁束電流指令値Id * を演算して出力する。又実磁束推定部2は、磁束指令値Φ* から実磁束推定値Φを演算する。ここで、磁束は磁束電流の立上りに対してモータIMの回路定数(二次時定数)で決まる一次遅れで立上るため、磁束電流指令値演算部4から出力された磁束指令値Id *に基づいて制御しても、磁束指令値Φ* に対して実磁束は一次遅れで立上ることになる。そこで本実施の形態では、実磁束推定部2において、あらかじめ磁束指令値Φ* に対して一次遅れを作用させて推定した実磁束推定値Φを演算する。
【0015】
一方、トルク指令値発生部3は、乗り心地を考慮してあらかじめ定めた立ち上げ関数に従ってトルク指令値T* を発生する。
そしてトルク電流指令値演算部5は、実磁束推定部2から出力された実磁束推定値Φとトルク指令値発生部3から出力されたトルク指令値T* とからトルク電流指令値Iq * を演算する。このようにトルク電流指令値演算部5では磁束指令値Φ* ではなく実磁束推定値Φに基づいてトルク電流指令値Iq * を演算するため、立上りトルクを正確に制御することができる。
【0016】
又すべり周波数演算部6は実磁束推定値Φとトルク指令値T* とからすべり周波数ωs を演算する。
電圧指令値演算部7は、インバータINVから出力され、センサSiで検出される実電流Iu ,Iv ,Iw が磁束電流指令値Id * とトルク電流指令値Iq * に従うように、又すべり周波数ωs とセンサSで検出された回転周波数ωr とで定まるインバータ周波数を発生するような電圧指令値Vu * ,Vv * ,Vw * を演算する。このような制御装置により、インバータINVは電圧指令値Vu * ,Vv * ,Vw * に従った相電圧を発生しモータIMに出力する。
【0017】
従ってこのような構成とすることにより、磁束が立ち上がっていない状態からモータIMにトルクを発生させる時にも、実磁束推定部2で推定された実磁束推定値Φに基づいてトルク電流指令値Iq * 、すべり周波数ωs を演算するので、トルク指令値通りのトルクを発生させることが可能となる。又乗り心地を考慮したトルク指令値をトルク指令値発生部3から発生させることにより乗り心地の良い起動制御を行なうことができる。
【0018】
次に本発明の他の実施の形態について図2、図3を用いて説明する。
図1に示したトルク指令値発生部3では、乗り心地を考慮したトルク指令値T* として例えば図2(b)に示すパターンをあらかじめ設定しておきトルク指令値T* を発生する。ここで図2(a)は磁束指令値発生部1が出力する磁束指令値Φ* と実磁束推定部2が出力する実磁束推定値Φであり、図2(b)はトルク指令値発生部3が出力するトルク指令値T* の各パターンである。
【0019】
つまり、トルク指令値T* は、磁束指令値Φ* が立上がってから、時間t1 秒(例えば 100ms程度)後に一定の上昇率で上昇させる。
トルク電流指令値Iq * はトルク電流指令値演算部5で演算されるが、具体的にはトルク指令値T* を実磁束推定値Φで割算して求められる。従ってモータIMが急に一定のトルクを出そうとすると、実磁束推定値Φが小さいときは大きなトルク電流Iq * が必要となる。しかし本実施の形態のようにトルク指令値T* を0から上昇させることにより、実磁束推定値Φが立ち上がっていないときはトルク指令値が0であるので大きなトルク電流Iq * を必要とせず、さらにトルク指令値T* の立ち上がりをゆっくりとすることにより乗り心地のよい起動を行なうことができる。
【0020】
又図3に示すトルク指令値T* のパターンのように、乗り心地を考慮してトルク指令値T* を初めゆっくり後に早く上昇させるようにしてもよい。
従って実磁束推定値Φが充分立ち上がっていないときはトルク指令値T* を小さくさせ、その後実磁束推定値Φが立ち上がってきてからトルク指令値T* を大きくさせるのでトルク電流指令値Iq * は大きくならずにすみ、かつトルクが急激に変化しないので乗り心地のよい起動を行なうことができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば誘導電動機の起動時間を短縮するとともに、乗り心地の良い起動制御を行なう電気車制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す電気車制御装置の構成図である。
【図2】図1のトルク指令値発生部から出力されるトルク指令値パターンを示す図である。
【図3】図1のトルク指令値発生部から出力されるトルク指令値の他のパターンを示す図である。
【符号の説明】
1…磁束指令値発生部
2…実磁束推定部
3…トルク指令値発生部
4…磁束電流指令値演算部
5…トルク電流指令値演算部
6…すべり周波数演算部
7…電圧指令値演算部
INV…インバータ
IM…モータ
Claims (4)
- 直流電力を交流電力に変換する電力変換装置の交流出力側に接続された誘導電動機と、この誘導電動機の磁束が立ち上がっていない状態から前記誘導電動機にトルクをかけるための磁束指令値を発生する磁束指令値発生部と、前記磁束指令値と前記誘導電動機の二次時定数を用いて一意的に磁束電流指令値を演算する磁束電流指令値演算部と、前記磁束指令値から前記誘導電動機の実磁束を推定する実磁束推定部と、前記実磁束とトルク指令値とからトルク電流指令値を演算するトルク電流指令値演算部と、前記実磁束と前記トルク指令値とからすべり周波数を演算するすべり周波数演算部と、前記磁束電流指令値と前記トルク電流指令値と前記すべり周波数とに基づいて前記電力変換装置の出力電圧指令値を出力する電圧指令値演算部とを有する電気車制御装置。
- 請求項1に記載の電気車制御装置において、前記実磁束推定部は、前記磁束指令値に対し前記誘導電動機の回路定数で定まる一次遅れをもつものとして前記実磁束を推定することを特徴とする電気車制御装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の電気車制御装置において、前記実磁束が立上ってから所定時間経過後に定比率で上昇する前記トルク指令値を出力するトルク指令値発生部を有する電気車制御装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の電気車制御装置において、前記トルク指令値を出力するトルク指令値発生部を有し、前記トルク指令値を時間と共に上昇させ、上昇率を時間と共に増加させることを特徴とする電気車制御装置。
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JP06222696A JP3678374B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | 電気車制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06222696A JP3678374B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | 電気車制御装置 |
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JPH09261999A JPH09261999A (ja) | 1997-10-03 |
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ID=13194041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP06222696A Expired - Lifetime JP3678374B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | 電気車制御装置 |
Country Status (1)
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-
1996
- 1996-03-19 JP JP06222696A patent/JP3678374B2/ja not_active Expired - Lifetime
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