JP3678292B2 - 放射パルス介在型センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば光電センサ、超音波センサ、マイクロ波センサ、インパルスレーダ等のような放射パルス介在型センサに係り、特に、ノイズパルスが周期的に現れしかもその発生タイミングがサンプリングタイミングと重なるような状況下にあっても、有効に機能する誤動作防止対策を組み込まれた放射パルス介在型センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、物体の有無、距離、形状等を非接触で検知するためのセンサとしては、光電センサ、超音波センサ、マイクロ波センサ、インパルスレーダ等のような放射パルス介在型センサが知られている。なお、ここで、放射パルスとは、光パルス、超音波パルス、マイクロ波パルス、インパルス状電磁波等を総称するものである。
【0003】
放射パルス介在型センサには、放射パルスを検出対象領域へと送り出す送出側装置(一般には、投光器や送波器と称される)と、検出対象領域を経由した放射パルスを受け取る受取側装置(一般には、受光器や受波器等と称される)とが含まれている。
【0004】
このような放射パルス介在型センサは、透過型のものと、反射型のものとに大別される。透過型センサの場合、送出側装置から送り出された放射パルスは、検出対象物体で遮られることにより、受取側装置には到達しない。反射型センサの場合、送出側装置から送り出された放射パルスは、検出対象物体で反射されることにより、受取側装置に到達する。
【0005】
放射パルス介在型センサは、さらに、送出側装置と受取側装置とを共通のハウジングに収容してなる送受一体型のものと、送出側装置と受取側装置とを別々のハウジングに収容してなる送受別体型のものとに大別される。送受一体型センサは、送出側と受取側との連繋(同期等)が取りやすい利点がある。反射型センサの多く、並びに、ヘッド分離方式の透過型センサ(例えば、ファイバタイプの光電センサ等)の多くは、送受一体型のセンサとして構成される。ヘッド非分離方式の透過型センサの多くは送受別体型のセンサとして構成される。
【0006】
ところで、放射パルス介在型センサの設置環境には、正常な放射パルスのみならず、光、音、電磁波等の様々なノイズの存在が想定される。これらのノイズの影響により、受取側装置の検出端変換器(例えば、光/電気・変換素子、超音波/電気・変換素子、磁気/電気・変換素子等)の結合コンデンサを経由する(すなわち、交流カップリングされた)出力ラインには、変換器経由で混入したり、或いは電源ライン経由で混入したノイズパルスが現れる。ノイズパルスには周期的に現れるものと、ランダムに現れるものとが存在する。
【0007】
ノイズパルスによる受取側装置の誤動作を防止するために、従来より様々な対策がとられている。一つの誤動作防止対策としては、同期検波技術の採用が挙げられる。同期検波技術の採用された放射パルス介在型センサにおいては、送出側装置の放射パルス送出タイミングと受取側装置のサンプリングタイミングとは同期が取られる。他の一つの誤動作防止対策としては、受信パルス列の連続性に着目したパルス列弁別技術の採用が挙げられる。パルス列弁別技術の採用された放射パルス介在型センサにおいては、受信パルスが規定個数以上連続的に現れない限り、センサ出力はオンされない。ひとたび、センサ出力がオンされたのちにあっては、受信パルスが規定個数以上連続的に欠落しない限り、センサ出力はオフされない。つまり、オンオフ時のオン点、オフ点のそれぞれにヒステリシス特性が付与されている。さらに、他の一つの誤動作防止対策としては、同期検波技術とパルス列弁別技術の併用とが挙げられる。この場合には、前段において同期検波技術の採用により、サンプリングタイミングを外れたノイズパルスが除去され、後段においてパルス列弁別技術の採用により、サンプリングタイミングとたまたま一致したようなノイズパルスが除去される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の誤動作防止対策は、ノイズパルスがランダムに現れる状況下にあっては比較的に有効に機能する。しかし、ノイズパルスが周期的に現れしかもその発生タイミングがサンプリングタイミングと重なるような状況下にあっては、殆ど有効に機能し得ない。
【0009】
このような状況としては、照明器として蛍光灯(常用周波数タイプ、インバータタイプの双方を含む)が採用された工場や倉庫等に据え付けられる光電センサ、周期的な電磁ノイズを発生する溶接機、超音波洗浄機等が設置された工場等に据え付けられる各種の放射パルス介在型センサ等が挙げられる。
【0010】
この種の放射パルス介在型センサにおける放射パルスの送出周期(サンプリングタイミング)は、センサに要求される応答性等との兼ね合いで、規定範囲に制限されるから、放射パルスの送出周期を変更することによるノイズパルス回避には限界がある。
【0011】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ノイズパルスが周期的に現れしかもその発生タイミングがサンプリングタイミングと重なるような状況下にあっても、有効に機能する誤動作防止対策を組み込まれた放射パルス介在型センサ並びにそのための要素技術を提供することにある。
【0012】
この発明のさらに他の目的とするところは、以下の明細書の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の放射パルス介在型センサは、放射パルスを繰り返し送り出す送出側装置と、放射パルスを受け取る受取側装置とを有し、受取側装置には、受け取った放射パルスを電気パルスに変換する変換手段が含まれており、さらに、受取側装置内には、変換手段の出力ライン上に現れる電気パルスが、送出側装置から送り出された放射パルスを受け取ったことに起因する真の電気パルスか、ノイズに起因する偽の電気パルスかを、真の電気パルスに関する既知の波形的特徴に基づいて判別するパルス真偽判別手段が設けられており、それにより、受取側装置はパルス真偽判別手段の判別結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする。
【0014】
本発明の放射パルス介在型センサによれば、ノイズに起因する電気パルスがサンプリングタイミングと重なって出力ライン上に出現しても、当該ノイズパルス(偽の電気パルス)と真の電気パルスとを判別することができる。したがって、ノイズパルスがランダムに表れる状況下はもとより、ノイズパルスが周期的に到来し、かつ、その発生タイミングがサンプリングタイミングと重なるような状況下にあっても、誤動作のない正確な検出が可能となる。
【0015】
次に、本発明の別形態による放射パルス介在型センサは、放射パルスを繰り返し送り出す送出側装置と、放射パルスを受け取る受取側装置とを有し、受取側装置には、受け取った放射パルスを電気パルスに変換する変換手段が含まれており、さらに、送出側装置には、所定ビットパターンにしたがって放射パルスを送り出すパルス送出手段が設けられ、かつ、受取側装置には、変換手段の出力ライン上に現れる電気パルスが、送出側装置から送り出された放射パルスを受け取ったことに起因する真の電気パルスか、ノイズに起因する偽の電気パルスかを、真の電気パルスに関する既知の波形的特徴に基づいて判別するパルス真偽判別手段と、真の電気パルスと判定される電気パルスの出現ビットパターンを基準ビットパターンと照合し、その照合結果に基づいて、正常に放射パルスを受け取ったか否かを判定するビットパターン判定手段と、が設けられており、それにより、受取側装置はビットパターン判定手段の判定結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする。
【0016】
尚、『基準ビットパターン』とあるが、これは、少なくとも、送出側装置における「(所定)ビットパターン」に対応したものであればよく、必ずしも同一である必要はない。
【0017】
本発明の別形態によれば、パルス真偽判別手段によるノイズパルスと真の電気パルスとの判別に加え、ビットパターンの照合によっても、放射パルスの正常受取有無判別が可能となる。したがって、ノイズパルスがランダムに表れる状況下はもとより、ノイズパルスが周期的に到来し、かつ、その発生タイミングがサンプリングタイミングと重なるような状況下にあっても、より一層誤動作のない正確な検出が可能となる。
【0018】
本発明の別形態において好ましくは、『ビットパターン判定手段』は、変換手段の出力ライン上に現れた電気パルスの出現ビットパターンを予め用意された位相の異なる2以上の基準ビットパターンと同時に照合し、その照合結果に基づいて、正常に放射パルスを受け取ったか否かを判定するようにする。
【0019】
ここで、『位相の異なる』とあるが、具体的には放射有無ビットの配列が異なるような場合を意味している。この態様には、例えば、パルス送出手段を介して2通りのビットパターン(それぞれAパターン,Bパターンとする)の交互の入れ替えにより規定される一定のビットパターン‘A→B→A→B…’に従ってパルス放射するような場合に、A+Bパターンと、その組み替えパターンであるB+Aパターンとの双方を基準ビットパターンとして、出現ビットパターンと同時に照合するような場合が含まれる。この場合には、そのとき受取装置側に出現したビットパターンがAパターンを先頭とするもの(A→B)であっても、或いはBパターンを先頭とするもの(B→A)であっても、それがAパターンとBパターンの連続したものであれば、正常に放射パルスを受け取ったことが直ちに判別されるから、これにより検出速度(センサの応答速度)の向上が図られる。
【0020】
本発明の別形態において好ましくは、ビットパターン判定手段の照合処理におけるビットの『照合』に関しては冗長性が付与されるようにする。
【0021】
このような態様によれば、出現ビットパターンの中のいくつかのビットが、なんらかのノイズ等が原因で本来出現すべきビットと異なることがあっても(エラーが生じても)、予め定められた範囲内に限り当該エラーを許容することで(冗長性付与)、そのような場合にも、本来得られるべき判定結果を得ることが可能となる。尚、一般に、ノイズ等が混入することにより、本来、‘放射パルス有り’を示す筈のビットが‘放射パルス無し’を示すビットに変化する場合は少ない。しかしながら、‘放射パルス無し’を示す筈のビットが‘放射パルス有り’を示すビットとなることは多々想定される。この態様は、このような場合に特に有効である。
【0022】
次に、本発明の放射パルス介在型センサの受取側装置は、受け取った放射パルスを電気パルスに変換する変換手段と、変換手段の出力ライン上に現れる電気パルスが、送出側装置から送り出された放射パルスを受け取ったことに起因する真の電気パルスか、ノイズに起因する偽の電気パルスかを、真の電気パルスに関する既知の波形的特徴に基づいて判別するパルス真偽判別手段と、が設けられ、それにより、パルス真偽判別手段の判別結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする。
【0023】
本発明の放射パルス介在型センサの受取側装置によれば、ノイズに起因する電気パルスがサンプリングタイミングと重なって出力ライン上に出現しても、当該ノイズパルス(偽の電気パルス)と真の電気パルスとを判別することができる。したがって、ノイズパルスがランダムに表れる状況下はもとより、ノイズパルスが周期的に到来し、かつ、その発生タイミングがサンプリングタイミングと重なるような状況下にあっても、誤動作のない正確な検出が可能となる。
【0024】
また、本発明の別形態による放射パルス介在型センサの受取側装置は、受け取った放射パルスを電気パルスに変換する変換手段と、変換手段の出力ライン上に現れる電気パルスが、送出側装置から送り出された放射パルスを受け取ったことに起因する真の電気パルスか、ノイズに起因する偽の電気パルスかを、真の電気パルスに関する既知の波形的特徴に基づいて判別するパルス真偽判別手段と、真の電気パルスと判定される電気パルスの出現ビットパターンを基準ビットパターンと照合し、その照合結果に基づいて、正常に放射パルスを受け取ったか否かを判定するビットパターン判定手段と、が設けられており、それにより、受取側装置はビットパターン判定手段の判定結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする。
【0025】
本発明の別形態の放射パルス介在型センサの受取側装置によれば、パルス真偽判別手段によるノイズパルスと真の電気パルスとの判別に加え、ビットパターンの照合によっても、放射パルスの正常受取有無判別が可能となる。したがって、ノイズパルスがランダムに表れる状況下はもとより、ノイズパルスが周期的に到来し、かつ、その発生タイミングがサンプリングタイミングと重なるような状況下にあっても、より一層誤動作のない正確な検出が可能となる。
【0026】
本発明の別形態の放射パルス介在型センサの受取側装置において好ましくは、『ビットパターン判定手段』は、変換手段の出力ライン上に現れた電気パルスの出現ビットパターンを予め用意された位相の異なる2以上の基準ビットパターンと同時に照合し、その照合結果に基づいて、正常に放射パルスを受け取ったか否かを判定するようにする。
【0027】
また、本発明の別形態の放射パルス介在型センサの受取側装置において好ましくは、ビットパターン判定手段の照合処理におけるビットの『照合』に関しては冗長性が付与されるようにする。
【0028】
尚、上記記載において、『真の電気パルスに関する既知の波形的特徴』とあるが、これは、例えば、真の電気パルス波形上の2以上の基準時点のそれぞれにおける基準値で捉えるようにすることができる。または、『真の電気パルスに関する既知の波形的特徴』を、真の電気パルスを微分して得られた波形上の2以上の基準時点のそれぞれにおける基準値で捉えるようにすることもできる。
【0029】
ここで、「基準時点」とあるが、これは、例えば、波形上のピーク時点に相当するようにすれば、真の電気パルスと偽の電気パルスとをより正確に判別することができる。尚、この場合、「ピーク時点」には、波形上の正極性ピーク時点と負極性ピーク時点との双方が含まれているとより一層正確な真偽判別が可能となる。
【0030】
尚、上記記載において、『真偽判別手段』とあるが、これは、一例を示せば、例えば、変換器の出力ライン上の信号レベルをそれぞれ真の電気パルス相当の基準値により弁別する2以上のコンパレータと、それらのコンパレータの出力を基準時点同士が整合するように時間軸整合させる遅延手段と、時間軸整合されたのちのコンパレータ出力同士の論理演算を行う論理演算手段とを含んだものを挙げることができる。
【0031】
尚、本発明の放射パルス介在型センサを光電センサに適用すれば、例えばインバータ蛍光灯の直下等、比較的高周波な光ノイズ成分が混入してしまう状況下でも好適に使用可能な光電センサを実現することが可能である。すなわち、本発明の光電センサは、光パルスを繰り返し送り出す投光側装置と、光パルスを受け取る受光側装置とを有し、受光側装置には、受け取った光パルスを電気パルスに変換する変換手段が含まれており、さらに、受光側装置内には、変換手段の出力ライン上に現れる電気パルスが、投光側装置から送り出された光パルスを受け取ったことに起因する真の電気パルスか、ノイズに起因する偽の電気パルスかを、真の電気パルスに関する既知の波形的特徴に基づいて判別するパルス真偽判別手段が設けられ、それにより、受取側装置はパルス真偽判別手段の判別結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする。
【0032】
同様に、本発明の放射パルス介在型センサの受取側装置は、光電センサの受光側装置として実現することができる。すなわち、本発明の光電センサの受光側装置は、受け取った光パルスを電気パルスに変換する変換手段と、変換手段の出力ライン上に現れる電気パルスが、投光側装置から送り出された光パルスを受け取ったことに起因する真の電気パルスか、ノイズに起因する偽の電気パルスかを、真の電気パルスに関する既知の波形的特徴に基づいて判別するパルス真偽判別手段が設けられ、それにより、パルス真偽判別手段の判別結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする。
【0033】
尚、本発明の光電センサ、並びに光電センサ受光側装置にあっても、上述した放射パルス介在型センサ、並びに放射パルス介在型センサの受取側装置で示したのと同様の観点に基づき真の電気パルスの既知の波形的特徴を捉え、それに基づく真偽判別を行うことができる。また、真偽判別手段の構成についても同様である。したがって、得られる特有の効果についてもほぼ同様に考えることができる。
【0034】
次に、上記課題を解決するための本発明の別形態の光電センサは、光パルスを繰り返し送り出す投光側装置と、光パルスを受け取る受光側装置とを有し、受光側装置には、受け取った光パルスを電気パルスに変換する変換手段が含まれており、投光側装置には、投光有りビットと投光無しビットとの所定配列に基づく投光ビットパターンにしたがって光パルスを送り出すパルス送出手段が設けられ、かつ、受光側装置には、変換手段の出力ライン上における電気パルスの出現有無に基づき、受光有無ビットを生成する受光有無ビット生成手段と、受光有無ビットに基づく出現ビットパターンと投光ビットパターンに基づく基準ビットパターンとを照合し、その照合結果に基づいて、正常に自身の投光に基づく光パルスを受け取ったか否かを判定するビットパターン判定手段と、が設けられており、それにより、受光側装置はビットパターン判定手段の判定結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする。
【0035】
ここで、『基準ビットパターン』とあるが、これは、少なくとも、投光側装置における「投光ビットパターン」に対応したものであればよく、必ずしも同一である必要はない。
【0036】
この形態の光電センサによれば、ノイズに起因する電気パルスがサンプリングタイミングと重なって出力ライン上に出現しても、ビットパターン照合を介して、当該ノイズパルス(偽の電気パルス)と真の電気パルスとを判別することができる。したがって、ノイズパルスがランダムに表れる状況下はもとより、ノイズパルスが周期的に到来し、かつ、その発生タイミングがサンプリングタイミングと重なるような状況下にあっても、誤動作のない正確な検出が可能となる。
【0037】
この形態の光電センサにおいて、好ましくは、投光有無ビットの配列が異なる複数の投光ビットパターンを予め用意しておくようにする。このような態様によれば、状況に応じて、例えば、より複雑な投光ビットパターンを選択することにより、ノイズに起因する偽のパルス配列がたまたま基準ビットパターンと一致してしまうといった不具合も未然に防がれるから、自身の投光委基づく受光を高精度で判別(弁別)することが可能となる。
【0038】
尚、投光有無ビットの配列に基づく投光ビットパターンは、ランダム生成するようにすることもできる。もっとも、この場合には、投光側装置と受光側装置とで、投光ビットパターンに関するデータ通信等が必要となることを言うまでもないであろう。
【0039】
尚、投光有無ビットの配列には、M系列を採用するようにしてもよい。
【0040】
この形態の光電センサにおいて、好ましくは、ビットパターン判定手段は、受光有無ビットに基づく出現ビットパターンを予め用意された投光有無ビット配列が異なる2以上の基準ビットパターンと同時に照合し、その照合結果に基づいて、正常に光パルスを受け取ったか否かを判定するようにされる。この態様には、例えば、パルス送出手段を介して2通りのビットパターン(それぞれAパターン,Bパターンとする)の交互の入れ替えにより規定される一定のビットパターン‘A→B→A→B…’に従ってパルス投光するような場合に、A+Bパターンと、その組み替えパターンであるB+Aパターンとの双方を基準ビットパターンとして、出現ビットパターンと同時に照合するような場合が含まれる。この場合には、受光装置側に出現したビットパターンがAパターンを先頭とするもの(A→B)であっても、或いはBパターンを先頭とするもの(A→B)であっても、それがAパターンとBパターンの連続したものであれば、正常に投光パルスを受け取ったことが直ちに判別されるから、これにより検出速度(センサの応答速度)の向上が図られる。
【0041】
この形態の光電センサにおいて、好ましくは、ビットパターン判定手段の照合処理におけるビットの照合に関しては冗長性が付与される。
【0042】
このような態様によれば、出現ビットパターンの中のいくつかのビットが、なんらかのノイズ等が原因で本来出現すべきビットと異なることがあっても(エラーが生じても)、予め定められた範囲内に限り当該エラーを許容することで(冗長性付与)、そのような場合にも、本来得られるべき判定結果を得ることが可能となる。尚、一般に、ノイズ等が混入することにより、本来、‘投光パルス有り’を示す筈のビットが‘投光パルス無し’を示すビットに変化する場合は少ない。しかしながら、‘投光パルス無し’を示す筈のビットが‘投光パルス有り’を示すビットとなることは多々想定される。この態様は、このような場合に特に有効である。
【0043】
この形態の光電センサにおいて、好ましくは、投光ビットパターンにおける投光有りビットは、2以上連続して配列されるようにする。この場合には、出現ビットパターンにおける隣り合うビットが共に‘投光有りビット’のときのみ投光パルス有りと判定するようにする。この態様によれば、2ビット分に満たないショットノイズ等は確実に除去することができる。
【0044】
尚、上記投光ビットパターンは、構成ビット数、或いは、構成ビット長(各ビットに割り当てられる時間長)を可変とすることもできる。このような態様によれば、より様々なビットパターンを生成乃至保持させることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る放射パルス介在型センサの好適な実施の一形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0046】
本発明が適用された投受別体型光電センサ(第1実施形態)の回路構成が図1に示されている。
【0047】
同時に示されるように、この光電センサの回路は、投光側装置1と受光側装置2とを含んでいる。投光側装置1には、投光タイミングを規定するための駆動パルスを所定周期で出力するパルス発生器11と、このパルス発生器11から出力されるパルスで作動するドライブ回路12(図では、エミッタ抵抗12aを有するエミッタ接地型トランジスタで示される)と、このドライブ回路で駆動される発光素子13(図では、赤外線や可視光などを発光する発光ダイオードで示される)とを含んでいる。そして、発光素子13からはパルス発生器11からの駆動パルスに同期して、一定周期のパルス光が検出対象領域へ向けて出力される。
【0048】
一方、受光側装置2は、検出対象領域を経由し到来する光パルスを電気パルスに変換する光電変換器21と、この光電変換器21の出力ライン上に現れる電気パルスが、真の電気パルスか偽の電気パルスであるかを判別するためのパルス真偽判別回路22と、パルス真偽判別回路22から出力されるパルスに対してさらにフィルタ処理を行うデジタルローパスフィルタ23とを含んでいる。
【0049】
この例では、光電変換器21は、電源とアースとの間に直列接続された抵抗211と、フォトダイオード212と、それらの接続点に現れる電圧の変化分を取り出す結合コンデンサ213と、結合コンデンサ213で取り出された交流信号を増幅する増幅回路(AMP)214とから構成されている。
【0050】
一方、パルス真偽判別回路22は光電変換器21の出力側に並列に設けられた2台のコンパレータ221(CMP1),222(CMP2)と、これらコンパレータの内の一方(CMP1)の出力を遅延する遅延回路223と、コンパレータ221の出力遅延後の両コンパレータ出力の論理積を取るアンドゲート224とを含んでいる。
【0051】
図8中(a)は、光電変換器21(AMP214)の出力ライン上に現れる真の電気パルス(投光側装置から送り出される光パルスに基づく電気パルス)に関する波形的特徴(この例では、投光パルスの前方エッジと後方エッジ(オーバーシュート)にそれぞれ対応するピーク値P1,P2を有する出力波形Ws)を示すグラフである。同グラフにおいて、出力電圧値AC0を挟む2つの基準値Vth1,Vth2は、それぞれ、第1コンパレータ221の閾値Vth1(正極性)と、第2コンパレータ222の閾値Vth2(負極性)を示している。ここで、閾値Vth1は、波形Wsの第1ピーク値P1よりやや低い値に設定されており、また、Vth2は、波形Wsの第2ピーク値P2よりやや高い値に設定されている。尚、それぞれの閾値Vth1,Vth2を相対するピーク値P1,P2の何割程度に設定するかは、センサの設置状況等を考慮して任意に変更可能である。
【0052】
第1コンパレータ221の出力は、増幅器214の出力レベルが閾値Vth1を上回るときに‘H’となり、下回るとき‘L’となる。また、第2コンパレータ222の出力は、増幅器214の出力レベルが閾値Vth2を上回るとき‘L’となり、下回るとき‘H’となる。
【0053】
また、同グラフにおいて、‘τ’は、遅延回路223の設定遅延時間‘τ’を示しており、この設定遅延時間‘τ’は、真の波形Wsが有する2つのピーク値P1,P2が出現するそれぞれの基準時点T1,T2との時間差で求められる。即ち、遅延回路223の出力側には、第1コンパレータ221の比較結果が時間‘τ’分だけ遅延して出力されることとなる。従って、アンドゲート224の入力側では、波形Wsにおけるそれぞれの基準時点T1,T2におけるレベル比較結果同士が時間軸整合された形で照合される。尚、アンドゲート224の出力は、2つの入力が‘H’のときに限り‘H’となり、それ以外のときには‘L’となる。
【0054】
図1に戻り、デジタルローパスフィルタ23は、データ入力端子INとクロック入力端子CLKを有するnステージのシフトレジスタ231と、シフトレジスタ231へのデータ取り込みタイミングを規定するための駆動パルスを所定周期で出力するパルス発生器232と、アンドゲート224の出力でセットされ前記パルス発生器232から出力されるパルスでリセットされるRSフリップフロップ233と、シフトレジスタ231の各ステージ出力の論理積を取るアンドゲート234と、同様に各ステージ出力の反転論理和を取るNORゲート235と、アンドゲート234の出力でセットされNORゲート235の出力でリセットされるRSフリップフロップ236とを備えている。
【0055】
ここで、パルス発生器232のパルス発生タイミングは、この例では投光側装置の投光タイミングならびにシフトレジスタのステージ数に相関して予め設定されるものである(これについては後述する)。すなわち、デジタルローパスフィルタ23においては、パルス発生器232からのクロックパルスに基づいて、アンド回路224から出力される複数の真偽判別結果(‘H’,‘L’)が、フリップフロップ233を介してシフトレジスタ231の各ステージへと順次シフト入力される。尚、パルス発生器232からフリップフロップ233へのパルス入力タイミング(フリップフロップ233のリセットタイミング)は、同パルス発生器232からシフトレジスタ231のクロック入力端子CLKへのパルス入力タイミング(シフトレジスタへのデータ取り込みタイミング)から所定時間遅延させる必要があるため、実際には、パルス発生器とフリップフロップ233との間には遅延回路等が設けられるが、ここでの図示は省略されている。
【0056】
そして、シフトレジスタ231の各ステージ(ステージ1〜n)がすべて‘H’を示す‘1’のとき、アンド回路234の出力は‘H’となり、フリップフロップ236はセット状態となる。このときフリップフロップ236の出力は、受光側装置において投光側装置から送り出された光パルスを正常に受け取ったことを示す‘H’となる。一方、シフトレジスタ231の各ステージ(ステージ1〜n)がすべて‘L’を示す‘0’のときには、NOR回路235の出力が‘H’、アンド回路234の出力は‘L’となり、フリップフロップ236がリセット状態となる。これにより、フリップフロップ236の出力は、再びアンド回路234からのセット入力があるまで出力状態は‘L’となる。
【0057】
このように、本発明第1実施形態の光電センサにおいては、受光側装置2において、投光側装置1から送り出された光パルスが所定回数繰り返し受け取られたときのみ、‘H’を出力するようにされている。また、一度‘H’の出力がなされると、シフトレジスタ231の各ステージがすべて‘0’となるまで‘H’の出力が継続されるから、それによりヒステリシス特性が維持されている。
【0058】
上述の第1実施形態による光電センサの検出原理が図2のタイミングチャートにより示されている。
【0059】
ここで、同図中(a)〜(h)の各段で示される内容は、それぞれ図1中における符号(a)〜(h)が示す箇所における出力状態等に対応している。即ち、図2において、(a)は投光側装置1の投光タイミング(パルス発生器11のパルス発生タイミング)、(b)は光電変換器21(増幅器214)の出力ライン上に現れる真の電気パルスの出力(波形Ws)、(c)は閾値Vth1を有する第1コンパレータ221の出力、(d)は遅延回路223からの出力(第1コンパレータ221の出力遅延後の出力)、(e)は閾値Vth2を有する第2コンパレータ222の出力、(f)はアンド回路224の出力、(g)はパルス発生回路232のパルス発生タイミング、(h)はフリップフロップ233の出力(シフトレジスタ231への入力)をそれぞれ示している。
【0060】
尚、同図には、投光側装置1から投光された光パルスが、受光側装置2においてすべて受光されている状態が示されているものとする。
【0061】
同図中(a)に示されるように、投光側装置1から所定周期で光パルスが送り出されると、受光側装置2においては、投光パルスを受け取る毎に、同図中(b)に示される電気パルス(ピーク値P1,P2を有する波形Ws)が光電変換器21の出力ライン上に出現する。
【0062】
同図中(c)に示されるように、第1コンパレータ221は、電気パルスの出力値が閾値Vth1を越えている間、出力が‘H’となる。
【0063】
また、同図中(d)に示されるように、遅延回路223は、第1コンパレータ221の出力‘H’を設定遅延時間‘τ’分だけ遅延させてアンド回路224へと出力する。
【0064】
同図中(e)に示されるように、第2コンパレータ222は、電気パルスの出力値の絶対値が閾値Vth2の絶対値を越えている間、出力が‘H’となる。
【0065】
ここで、設定遅延時間‘τ’は、先に述べたように、波形Wsが有する2つのピーク値P1,P2が出現するそれぞれの基準時点T1,T2との時間差により求められるものであるから、投光側装置1からの投光パルスを受け取ったときには、第1コンパレータ221の遅延後の出力状態‘H’と、第2コンパレータ222の出力状態‘H’とは同タイミングで出現することとなる。そのため、同図中(f)に示されるように、両コンパレータの出力の論理積をとるアンド回路224は、第2コンパレータの出力値が‘H’となるのに同期してその出力が‘H’となる。
【0066】
同図中(h)に示されるように、フリップフロップ233は、アンド回路224の出力が‘H’に変化するタイミングに同期してセット状態となる。また、同図中(g)に示されるタイミングで発生されるパルス発生器232からのパルス発生(入力)タイミングに同期してリセット状態となる。ここで、パルス発生器232からのパルスは、シフトレジスタ231のクロック入力端子CLKへも供給されているから、入力端子CLKにクロックパルスが入力される毎に、シフトレジスタ231の各ステージには、フリップフロップ233の直前の出力状態(同図では5連続の‘H’状態が示されている)が順次取り込まれ、同時にフリップフロップ233はリセット状態になる。
【0067】
尚、この例では、受光側装置2のパルス発生器232のパルス発生周期は、投光側装置1のパルス発生器11のパルス発生周期よりも、やや長めの周期とされている。すなわち、この例では、アンド回路224(パルス真偽判別回路22)の出力変化が、シフトレジスタ231の各ステージにすべて取り込まれるのではなく、パルス発生器232で生成される前回のパルス発生タイミングから今回のパルス発生タイミングまでの間のフリップフロップ233の出力状態が順次シフトレジスタの各ステージに取り込まれる。このようにすることで、投受光非同期を前提とする光電センサにあっても、安定した検出動作を確保可能としている。
【0068】
次に、受光側装置においてノイズパルス(例えば蛍光灯による外乱光)が混入した場合における第1実施形態による光電センサの検出動作を図3のタイミングチャートに基づき説明する。
【0069】
ここで、同図中(a)〜(h)の各段で示される内容は、それぞれ図1中における符号(a)〜(h)が示す箇所における出力状態等に対応している。即ち、図3において、(a)は投光側装置1の投光タイミング(パルス発生器11のパルス発生タイミング)、(b)はノイズパルスの混入により、光電変換器21(増幅器214)の出力ライン上に現れる電気パルスの出力(2つのピーク値Pn1,Pn2を有する波形Wn)、(c)は閾値Vth1を有する第1コンパレータ221の出力、(d)は遅延回路223からの出力(第1コンパレータ221の出力遅延後の出力)、(e)は閾値Vth2を有する第2コンパレータ222の出力、(f)はアンド回路224の出力、(g)はパルス発生回路232のパルス発生タイミング、(h)はフリップフロップ233の出力(シフトレジスタ231への入力)をそれぞれ示している。
【0070】
尚、この例では、投光側装置1からの投光パルスは受光側装置2には届いていないものとして説明する。すなわち、この種の光電センサにおいては、受光側装置に本来受光すべき光パルス(投光側装置から投光された光パルス)の受光があるときにノイズパルスが混入しても、それが真の電気パルスの出力を相殺あるいはその出力絶対値を大幅に減少させてしまうようなノイズパルスでない限り、誤動作を引き起こすことはない。(無論、そのようなノイズパルスの混入も想定されるため、これについての対策は後述する。)これに対し、投光側装置から投光された光パルスが受光側装置に届いていないにもかかわらず、ノイズパルスの混入により‘受光’と判定されると誤動作を引き起こすこととなる。
【0071】
図3中(a)並びに(b)に示されるように、この例では、投光側装置1からの投光周期に、ノイズパルスの発生周期が一致してしまった最悪のケースが示されている。
【0072】
このとき、同図中(c)に示されるように、第1コンパレータ221は、ノイズパルスの出力値が閾値Vth1を越えている間、出力が‘H’となる。
【0073】
また、同図中(d)に示されるように、遅延回路223は、第1コンパレータ221の出力‘H’を設定遅延時間‘τ’分だけ遅延させてアンド回路224へと出力する。
【0074】
同図中(e)に示されるように、第2コンパレータ222は、電気パルスの出力値の絶対値が閾値Vth2の絶対値を越えている間、出力が‘H’となる。
【0075】
設定遅延時間‘τ’は、先に述べたように、真の電気パルス波形Wsが有する2つのピーク値P1,P2が出現するそれぞれの基準時点T1,T2との時間差により求められるものである。ここで、この例では、ノイズ波形Wnの有する2つのピーク値Pn1,Pn2の出現間隔(λ)は、真の電気パルス波形Wsの2つピーク値P1,P2の出現間隔(τ)に比して長い。従って、第1コンパレータ221の遅延後の出力と、第2コンパレータ222との出力タイミングが一致することはない。すなわち、同図中(f)に示されるように、アンド回路224は、本来受光すべき光パルスが到来しない限り、ノイズ波形Wnが混入しても、その出力は‘L’に維持される。そのため、同図中(h)に示されるように、フリップフロップ233(シフトレジスタ231への入力)は、アンド回路224の出力‘L’により、同図中(g)に示されるパルス発生器232からのパルス入力タイミングに関係なく、常時‘L’状態となる。
【0076】
このように、第1実施形態においては、パルス真偽判別回路22は、光電変換器21の出力ライン上の信号レベルを、第1,第2のコンパレータにより、それぞれ真の電気パルス相当の基準値により弁別する。次いで、それらのコンパレータの出力を、遅延回路223を介して基準時点同士が整合するように時間軸整合させ、時間軸整合されたのちのコンパレータ出力同士の論理演算を行うことにより、光電変換器21の出力ライン上に現れる電気パルスの真偽判別を可能としている。
【0077】
これにより、投光側装置から投光された光パルスが受光側装置に届いていないにもかかわらず、ノイズパルスの存在により‘受光’と判定されるといった誤動作を防止可能としている。
【0078】
次に、本発明の放射パルス介在型センサは、送受一体型センサにも適用することができる。
【0079】
本発明が適用された投受一体型光電センサ(第2実施形態)の回路構成が図4に示されている。
【0080】
同図に示されるように、第2実施形態の光電センサには、第1実施形態で示した光電センサのものとほぼ同様の回路が使用されている。従って、第1実施形態と同一構成回路には同一番号を付してその説明を省略する。尚、1(投光側装置)、2(受光側装置)、22(パルス真偽判別回路)、23(デジタルローパスフィルタ)については必ずしも同一とは言えないが、理解を容易とするため、ここでは第1実施形態と同一番号を付することとする。
【0081】
第2実施形態においては投受光同期が可能な光電センサ(投受一体型)が使用されているため、第1実施形態(投受別体型)で用いられた受光側装置2のパルス発生回路232は使用されない。代わって、投光側装置1のパルス発生器11からのパルスがフリップフロップ233のリセット入力端子ならびにシフトレジスタ231のクロック入力端子へと入力される。すなわち、先に図2中(g)で示したパルス発生タイミングは、第2実施形態においては、投光側装置1の投光タイミングと同期して出現することとなる。このようにすることで、アンド回路224(パルス真偽判別回路22)の出力変化を、シフトレジスタ231の各ステージにすべて取り込むことができるから、デジタルローパスフィルタ23を介したより正確なフィルタ処理を行うことが可能となる。
【0082】
また、第2実施形態においては、第1コンパレータ221と遅延回路223の間に、新たなアンド回路225が設けられる。このアンド回路225は、第1コンパレータ221の出力と、パルス発生回路11からのパルス出力との論理積を取るためのものであり、発生回路11からのパルス入力時に第1コンパレータの出力が‘H’のときその出力が‘H’となる。すなわち、このアンド回路225により、第1コンパレータにおいては、真の電気パルスのピーク値P1の受光タイミングを正確に捉えて、基準値Vth1と比較することが可能となるから、より正確な電気パルスの真偽判別を行うことが可能となる。
【0083】
次に、本発明が適用される光電センサにあっては、真の電気パルスを微分して得られる波形上の既知の複数(以下に示す例では3つ)の基準時点のそれぞれにおける基準値により、変換器の出力ライン上に現れる電気パルスの真偽を判別するようにすることができる。
【0084】
本発明の第3実施形態の光電センサの回路構成が図5に示されている。
【0085】
同図に示されるように、第3実施形態における光電センサは、この例では投受別体型の光電センサとされ、第1実施形態で示した光電センサと一部同様の回路が使用されている。従って、第1実施形態と同一構成回路には同一番号を付してその説明を省略する。尚、2(受光側装置)、22(パルス真偽判別回路)については必ずしも同一とは言えないが、理解を容易とするため、ここでは第1実施形態と同一番号を付することとする。
【0086】
第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、パルス真偽判別回路22の構成にある。即ち、第3実施形態においては、パルス真偽判別回路22は、微分回路を構成し増幅器214の出力を取り込むハイパスフィルタ215(HPF)と、ハイパスフィルタ215の出力側に並列に設けられた2台のコンパレータ2211(第1コンパレータCMP1),2221(第2コンパレータCMP2)と、これらコンパレータのそれぞれの出力を遅延する2台の遅延回路2231,2232と、第1コンパレータ2211の出力遅延後の出力と第2コンパレータ2221の出力遅延後の出力と第1コンパレータの出力(遅延前)との3つの入力に対する論理積を取るアンドゲート2241とを含んでいる。
【0087】
図8中(b)は、光電変換器の出力ライン上に現れる真の電気パルス(投光側装置から送り出される光パルスに基づく電気パルス)を、更にハイパスフィルタ215に通すことにより得られる電気パルスに関する波形的特徴(この例では、第1実施例で示した波形Wsに対応した3つのピーク値P3(正極),P4(負極),P5(正極)を有する出力波形Ws2を示すグラフである。
【0088】
同グラフにおいて、出力電圧値AC0を挟む2つの基準値Vth1,Vth2は、それぞれ、第1コンパレータ2211の閾値Vth1(正極性)と、第2コンパレータ2221の閾値Vth2(負極性)を示している。ここで、閾値Vth1は、波形Ws2の第1ピーク値P3,第3ピーク値P5の双方よりもやや低い値に設定されており、また、Vth2は、波形Ws2の第2ピーク値P4よりやや高い値に設定されている。尚、それぞれの閾値Vth1,Vth2を相対するピーク値P3,P4,P5の何割程度に設定するかは、センサの設置状況等を考慮して任意に変更可能である。
【0089】
第1コンパレータ2211の出力は、ハイパスフィルタ215の出力レベルが閾値Vth1を上回るときに‘H’となり、下回るとき‘L’となる。また、第2コンパレータ2221の出力は、ハイパスフィルタ215の出力レベルが閾値Vth2を上回るとき‘L’となり、下回るとき‘H’となる。
【0090】
また、同グラフにおいて、‘τ2’は、遅延回路2231の設定遅延時間‘τ2’を示しており、この設定遅延時間‘τ2’は、真の波形Ws2が有するピーク値P3とピーク値P5が出現するそれぞれの基準時点T3,T5との時間差で求められる。即ち、アンドゲート2241には、基準時点T5における第1コンパレータ2211の比較結果と、基準時点T3における第1コンパレータ2211の比較結果とが同時に入力されることとなる。
【0091】
また、同グラフにおいて、‘τ3’は、遅延回路2232の設定遅延時間‘τ3’を示しており、この設定遅延時間‘τ3’は、真の波形Ws2が有するピーク値P4とピーク値P5が出現するそれぞれの基準時点T4,T5との時間差で求められる。即ち、アンドゲート2241には、上述した基準時点T5における第1コンパレータ2211の比較結果と、基準時点T3における第1コンパレータ2211の比較結果とに加え、基準時点T4における第2コンパレータ2221の比較結果が同時に入力されることとなる。
【0092】
従って、アンドゲート2241においては、波形Ws2におけるそれぞれの基準時点T3,T4,T5におけるレベル比較結果同士が時間軸整合された形で照合される。尚、アンドゲート2241の出力は、3つの入力が‘H’のときに限り‘H’となり、それ以外のときには‘L’となる。尚、アンドゲート2241の出力は、第1実施形態と同様のデジタルローパスフィルタ23に入力される。
【0093】
このように、第3実施形態においては、真の電気パルスを微分して得られた既知の波形(Ws2)上の3つの基準時点(T3,T4,T5)のそれぞれにおける基準値(Vth1,Vth2,Vth1)で構成される波形的特徴に基づいて、変換手段の出力ライン上に現れる電気パルスの真偽を判別するものであるから、より正確に真の電気パルスを捉えることが可能となる。
【0094】
尚、第3実施形態においては、基準時点T3とT5における基準値を、同一のコンパレータ(第1コンパレータ2211)が有する閾値Vth1としたが、それぞれの基準時点における基準値を別個に設けるようにすれば、より確度の高い真偽判別が可能となることは言うまでもないであろう。
【0095】
また、第3実施形態においては、光電センサを投受別体型のものとしたが、投受一体型のセンサに適用することもできる。
【0096】
次に、先にも説明したように、この種の光電センサ(放射パルス介在型センサ)においては、受光側装置に本来受光すべき光パルス(投光側装置から投光された光パルス)の受光があるときに、例えば比較的低周波のノイズパルスが混入することにより、真の電気パルスの出力が相殺あるいはその出力絶対値が減少してしまうといった場合が想定される。
【0097】
図6は、そのようなノイズパルスが混入した場合に、第1,第2の実施形態における光電変換器21の出力ライン上に出現する電気パルスを示すタイミングチャートである。
【0098】
同図中において、(a)は投光側装置1から送り出される光パルスの投光タイミング、(b)はノイズパルスがないときに光電変換器21の出力ライン上に現れる真の電気パルスの出力(波形Ws)、(c)は放射パルスが受光側装置2に届いていないときに光電変換器21に現れるノイズパルス(比較的低周波のノイズ波形Wn)の出力、(d)は同図中(b)、(c)で示される真の電気パルスとノイズパルスとが混在することにより光電変換器21の出力ライン上に現れる混合パルスの出力(混合波形Ws+n)をそれぞれ示している。
【0099】
図6から明らかであるように、この例に示す光電センサにおいては、投光側装置1に本来受光すべき光パルス(投光側装置から投光された光パルス)の受光があるときに、同図中(c)に示すようなノイズパルス(波形Wn)が混入すると、光電変換器21の出力ライン上には、混合パルスWs+nが出現することとなる。混合パルス波形Ws+nは、同図中(d)に示されるように、真の光パルス波形Wsの第1、第2のピーク値に対応するエッジ出力を有するものの、その値は流動的であり、真偽判別のための閾値Vth1,2を有する第1,第2のコンパレータは実質上ほとんど機能しないこととなる。
【0100】
以下に示す本発明の第4実施形態においては、上述のような比較的低周波のノイズパルスが混入した場合にも、光電変換器21の出力ライン上に現れる電気パルスの真偽判別を可能としたものである。
【0101】
本発明の第4実施形態の光電センサの回路構成が図7に示されている。尚、本発明の第4実施形態と、上述した第1と第2の実施の形態との相違点は、パルス真偽判別回路22の構成のみであり、理解を容易とするため、同図には投光側装置21とパルス真偽判別回路22のみが示されている。すなわち、第1,第2の実施形態における真偽別回路22を同図に示されるパルス真偽判別回路22に置き換えることで本発明の第4実施形態が実現される。無論、第4実施形態を第3実施形態に適用することも可能であるが、そのような場合のパルス真偽判別回路22の構成は、以下の記述を参照することにより当業者であれば容易に想到されるであろうからここでの説明は省略する。
【0102】
図7に示されるように、第4実施形態におけるパルス真偽判別回路22は、第1、第2の実施形態と同様、2台のコンパレータ221(CMP1),222(CMP2)と、それらコンパレータの内の一方(CMP1)の出力を遅延(後述する設定遅延時間‘τ5−τ4’)する遅延回路223と、コンパレータ221の出力遅延後の両コンパレータ出力の論理積を取るアンドゲート224とを含んでいる。
【0103】
そして、第1コンパレータ221と増幅器214との間には、非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)への2つの入力値の差分を出力する第1減算回路226が設けられ、また、この第1減算回路の反転入力端子(−)と増幅器214との間には、増幅器214からの入力を設定遅延時間‘τ4’だけ遅延させて出力する遅延回路228が設けられている。
【0104】
また、第2コンパレータ222と増幅器214との間には、非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)への2つの入力値の差分を出力する第2減算回路227が設けられ、また、この第2減算回路の反転入力端子(−)と増幅器214との間には、増幅器214からの入力を設定遅延時間‘τ5’だけ遅延させて出力する遅延回路229が設けられている。
【0105】
尚、第1,第2の減算回路226,227のそれぞれの非反転入力端子(+)には、増幅器214からの出力が遅延されることなく入力される。
【0106】
図8中(c)は、設定遅延時間‘τ4’、‘τ5’を説明するためのグラフである。同グラフにおいて、Wsは、先に説明した真の電気パルスに関する既知の出力波形Wsを示している。設定遅延時間‘τ4’は、波形Wsの第1ピーク値P1が出現する基準時点T1と、出力波形Wsの立ち上がり基準時点T6との時間差で求められる。また、設定遅延時間‘τ5’は、波形Wsの第2ピーク値P2が出現する基準時点T2と、出力波形Wsの立ち上がり基準時点T6との時間差で求められる。
【0107】
従って、本発明の第4実施形態においては、第1減算回路226により、光電変換器21の出力ライン上に現れる電気パルスから、時間‘τ4’の間における出力変化が取り出され、これが真の波形Wsのピーク値P1に相当するか否かの判別が第1コンパレータ221により行われる。
【0108】
また、第2減算回路227により、光電変換器21の出力ライン上に現れる電気パルスから、時間‘τ5’の間における出力変化が取り出され、これが真の波形Wsのピーク値P2に相当するか否かの判別が第2コンパレータ222により行われる。
【0109】
次いで、遅延回路223により、第1コンパレータ221の出力を設定遅延時間‘τ5−τ4’遅延させることにより、アンド回路224により第1と第2コンパレータの出力をそれぞれ時間軸を整合させて照合が行われる。
【0110】
すなわち、第4実施形態においては、先の図6(d)に示されるように、光電変換器21からの出力が真の電気パルスの出力を大幅に変えてしまうような混合パルスWs+nであっても、この混合パルスWs+nから、真のパルス波形Wsを弁別することができる。
【0111】
従って、本発明の第4実施形態によれば、投光側装置に本来受光すべき光パルス(投光側装置から投光された光パルス)の受光があるときに比較的低周波のノイズパルスが混入することにより、真の電気パルスの出力が相殺あるいはその絶対値が大幅に減少してしまうといった場合にも、光電変換器21の出力ライン上に現れる電気パルスに基づく受光有無を的確に判別することができる。
【0112】
次に、上述した第1、第2の実施形態には、更に、投光側装置1から所定ビットパターンに従って光パルスを送り出すと共に、受光側装置2において真の電気パルスと判定される電気パルスの出現ビットパターンを基準ビットパターンと照合することにより正常に光パルスを受け取ったか否かを判定するビットパターン判定機能を付加することができる。
【0113】
以下に、上述した第1、第2実施形態にビットパターン判定機能を付加した例を示す。尚、以下に示すビットパターン判定機能は、上述した第3、第4の実施形態にも適用可能であるが、そのような場合における光電センサの構成は以下の記述を参照することにより当業者であれば容易に想到されるであろうからその説明は省略する。
【0114】
第1実施形態にビットパターン判定機能を付加した光電センサ(第5実施形態)の回路構成が図9に示されている。尚、第1実施形態と同一箇所には同一番号を付してその説明を省略する。
【0115】
同図に示されるように、第5実施形態では、投光側装置1においては、パルス発生器11とドライブ回路12との間にパルスパターン生成器14が設けられる。このパルスパターン生成器14は、同図中右上に示されるように、パルス発生器11の駆動パルスに同期して、投光ビット‘1’または‘0’をシリアルに生成する。この例では、パルスパターン生成器14の生成ビットが‘1’のときドライブ回路12からは光パルスが送り出され、パルスパターン生成器14の生成ビットが‘0’のときは、ドライブ回路12からは投光が行われない。
【0116】
また、この例では、ビットパターンは、同図に示されるパルスパターン生成器14の番号“1”〜“6”の6つのボックスで示されるように、6ビットで一巡するようにされており、パルスパターン生成器14においては、予め設定された順番で、シリアルに‘1’→‘0’→‘0’→‘1’→‘1’→‘0’のビットを生成するものとする。すなわち、同図に示されるパルスパターン生成14の6つのボックス中、網掛け部は生成ビット‘1’を、白地部は生成ビット‘0’をそれぞれ示している。尚、ビットパターンが一巡するのに要するビット数、あるいはビットパターンが一巡するまでの‘1’または‘0’のビット出現頻度は適宜に変更可能である。これについては後に一具体例を挙げ詳細に説明する。
【0117】
受光側装置2には、ビットパターンが一巡するまでのビット数(6ビット)に対応して、6ステージを有するシフトレジスタ2310が適用されている。各ステージ1〜6には、パルス発生器232のクロックタイミングに従って、パルス真偽判別後の‘H’,‘L’出力がフリップフロップ233から順に取り込まれる。尚、この例では、投光側装置のパルス発生器11と受光側装置2のパルス発生器232のパルス発生周期は同一となるように予め設定されている。
【0118】
デジタルローパスフィルタ23では、シフトレジスタ2310の各ステージ1〜6に取り込まれた‘H’(‘1’)、‘L’(‘0’)による出現ビットパターンが、受光装置側に設けられたパルスパターン生成器237に予め記憶されたビットパターン(基準ビットパターン)と照合される。このパルスパターン生成器237は、投光側装置1のパルスパターン生成器14に記憶されたビットパターンと同様のビットパターンをパラレル(同時)に出力するものである。尚、説明の便宜上、同図には、パルスパターン生成器237のビットパターンは、パルス生成器14のビットパターンと左右(並び順)が反転して描かれている。
【0119】
この例では、3つのアンド回路と3つのNOR回路とを有する論理回路群238により、シフトレジスタ2310の各ステージ1〜6の出力と、対応するパルスパターン生成器237のビット出力1〜6との論理演算が行われる。すなわち、この例では、シフトレジスタ2310のステージ1,4,5については取り込まれたビットが‘1’のとき、ステージ2,3,6については取り込まれたビットが‘0’のとき、論理回路群238のすべての出力が‘H’となる。これにより、アンド回路234の出力も‘H’となり、フリップフロップ236はセット状態となる。このときフリップフロップ236の出力は、受光側装置において投光側装置から送り出された光パルスを正常に受け取ったことを示す‘H’となる。
【0120】
また、シフトレジスタ2310の各ステージ1〜6がすべて‘L’を示す‘0’のときは、NOR回路235の出力が‘H’、アンド回路234の出力は‘L’となり、フリップフロップ236がリセット状態となる。これにより、フリップフロップ236の出力は、再びアンド回路234からのセット入力があるまで出力状態は‘L’となる。
【0121】
このように、第5実施形態においては、光電変換器21の出力ライン上に現れる電気パルスの真偽判別を行うと共に、真の電気パルスと判定される電気パルスの出現ビットパターンを基準ビットパターンと照合することにより正常に光パルスを受け取ったか否かを判定するビットパターン判定機能を有している。そのため、ノイズパルスが周期的に現れしかもその発生タイミングがサンプリングタイミングと重なるような状況下にあっても、より正確に真の光パルスの到来を検知することが可能となる。
【0122】
尚、上述の説明では、第5実施形態において、論理回路群238により、各ステージ1〜6の出力と対応するパルスパターン生成器のビット出力1〜6との論理演算値を求め、それら論理回路群238のすべての出力が‘H’のとき、アンド回路234の出力が‘H’となるものとしたが、照合処理における投光パルス有りビットの照合に関しては以下に示すように冗長性を付与することもできる。
【0123】
第5実施形態における好ましい他の実施形態が図10の回路ブロック図に示されている。尚、同図において、図9に示される光電センサと同一の箇所には同一番号を付してその説明を省略する。
【0124】
図10に示されるように、この例では、アンド回路234と論理回路群238の3つのNOR回路との間には、冗長性演算器239が設けられている。この冗長性演算器239は、NOR回路からの出力を予め設定された冗長性判断基準に基づき論理演算し、‘H’,‘L’による演算結果をアンド回路234へと出力するものである。すなわち、この例ではパルスパターン生成器237により生成されるビット‘0’に対応したシフトレジスタ2310のステージ2,3,6に関しては、例えば、それら3つのステージの1つのみが‘1’であっても(3つのNOR回路の出力のうち何れかが‘L’であっても)、冗長性演算器239からの出力が‘H’となるように冗長性判断基準を設定することで、アンド回路234からの出力に冗長性を付与することが可能となる。
【0125】
また、この例では、フリップフロップ236とシフトレジスタ2310との間にも冗長性演算器240が設けられている。すなわち、先に図9で示したNOR回路235にあっては、シフトレジスタ2310の各ステージがすべて‘0’とならない限り、その出力は‘L’とならないが、この例では、冗長性演算器240により冗長性を付与することにより、例えば、すべてのステージが‘0’とならなくても、フリップフロップ236のリセット入力端子への出力を‘H’とすることができる。
【0126】
従って、図10に示される第5実施形態の光電センサにあっては、例えばノイズパルスの混入によりパルスパターン生成器14におけるビットが‘0’のときにシフトレジスタの対応するステージに‘1’が取り込まれても、それらを設定範囲内で許容することができる。
【0127】
第5実施形態の更に好ましい他の例においては、受光側装置2のパルスパターン生成器が複数台設けられる。
【0128】
受光側装置2に照合用のパルスパターン生成器を2台設けた例が図11に示されている。尚、図10に示される光電センサと同一箇所には同一番号を付してその説明を省略する。
【0129】
図11に示されるように、この例では、受光側装置2には、投光側装置1のパルス生成器14に記憶されたビットパターンと同一のビットパターン(図11に示されるビット番号1→2→3→4→5→6)をパラレルに出力するパルスパターン生成器2371と、投光側装置1のパルス生成器14に記憶されたビットパターンを組み替えたビットパターン(ビット番号4→5→6→1→2→3)をパラレルに出力するパルスパターン生成器2372とが設けられている。
【0130】
尚、『組み替えたビットパターン』とあるが、これは、同図中右上(枠囲み欄)に示されるように、この例ではパルスパターン生成器14に記憶された6ビットの出現パターンを、それぞれ位相の異なる3ビットづつの組‘A’,‘B’で捉え、その並びを、(A+B)から(B+A)に置き換えたものである。
【0131】
すなわち、この例では、ビットパターン照合のための基準ビットパターンが、A+B,B+Aの2通り用意され、この2通りの基準ビットパターンは同時にシフトレジスタ2310の6ステージに出現するビットパターンに照合される。
【0132】
これにより、ビットパターン(A+B)が投光側装置1から繰り返し送り出されるような場合(投光ビットパターンA→B→A…)に、例えば、ノイズ等により先頭のビットパターンAが欠落するようなことがあっても、再び受光側装置2のシフトレジスタ2310にビットパターン(A+B)が取り込まれるのを待つことなく、B+Aのビットパターンが出現した時点で直ちに照合を完了することができる。
【0133】
それにより、出現ビットパターンと基準ビットパターンとの照合をより高速に行うことができるから、光電センサの応答性を向上させることが可能となる。
【0134】
次に、本発明の第2実施形態にビットパターン判定機能を付加した光電センサ(第6実施形態)の回路構成を図12の回路ブロック図に示す。尚、先述した第2実施形態または第5実施形態と同一箇所には同一番号を付してその説明を省略するものとする。
【0135】
同図に示されるように、第6実施形態における光電センサは投受一体型のものであるため、同一のパルスパターン生成器15が使用されている。また、この例では、第5実施形態と同様に2台の冗長性演算器239,240が使用され、ビットパターン照合に際しての冗長性が付与されている。
【0136】
この例では、パルス発生器11はパルスパターン生成器15に駆動パルスを送出する。パルスパターン生成器15は、この駆動パルスに同期して、予め設定されたビットパターンをドライブ回路12にシリアルに出力するとともに、受光側装置2におけるビットパターンの照合に際して使用されるビットパターンを論理回路群238にパラレルに出力する。それにより、シフトレジスタ2310のステージ1〜6に取り込まれたビットパターンとの照合が行われる。
【0137】
このように、ビットパターン判定機能は本発明の第2実施形態にも適用可能することができる。
【0138】
尚、上述の例ではビットパターンの組み替えを2通り(A+B,B+A)のみ示したが、組み替えはこれ以外にも可能である。例えば、ビットパターンを3通りの組に分け、3通りの基準ビットパターンを設けることができる。
【0139】
また、投光ビットパターンは1通り(A→B→A…)のみを示したが、例えば、投光ビットパターンを予め複数種類(例えば、A→B→C,D→E→F…)用意しておき、投光側装置1の側で任意選択するようにすることもできる。無論それらを更に任意に組み替えて投光するようにすることもできるし、完全にランダムな投光ビットパターンを生成することも可能である。もっともそのような場合には、例えば、受光側装置2の側に対応した基準ビットパターンを予め設けておくか、或いはその都度、投光側装置1と受光側装置2との間でビットパターンに関するデータ交換を行うなどして、受光側装置2の側において、投光ビットパターンに応じた基準ビットパターンにより出現ビットパターンとの照合が行われるようにする必要があることは言うまでもない。
【0140】
次に、上述したビットパターン判定機能を光電センサに適用する場合に、影響を与えると思われる光電センサの特性項に基づく要件として以下のものが挙げられる。
1.センサの応答時間が短い(1msの場合を後述する)
2.送信パルス列の基本周波数に制限がある(S/Nの問題)
3.送信パルス列の基本デューティ比に制限がある
4.個体間に別々のクロックがある
これらを満たすようにビットパターン判定機能の構成を工夫することが望ましい。そこで、以下、具体的構成について説明する。
【0141】
尚、以下に示す内容は、第5、第6の実施形態において説明した内容と一部重複しているが、ここでは、その内容をより詳細に説明するものと理解されたい。また、以下の説明には、図13(a)で示される言語(ビット、コード長、ビット長)を使用する。
【0142】
ノイズパルス除去のためにビット数を多くすることによりノイズパルスとの類似度を小さくすることが可能となる。ビット長(パルス投光間隔)が短くなれば短いコード長にてビット数を多く確保することができるが、一般的な光電センサに於いてはビット長・コード長にそれぞれ制約条件が有りビット数を必要十分に確保することは難しい。
【0143】
一方、実験により、蛍光灯などの数十kHzの周期的なノイズパルスやランダムに発生するノイズパルスを完璧に除去するためには、大凡30ビットのビット数が必要であることが分かった。ここでは光電センサ特有の制約条件をみたしつつ、いかに30ビットのビット数を確保するかについて述べる。
尚、図13(b)には、コード長が30ビットの場合のビット配列の一例が示されている。同図中において、網掛け部は投光ビット(生成ビット“1”)を、白地部は不投光ビット(生成ビット“0”)をそれぞれ示している。また、この例では、後述するように、コード長全体を2ブロック(ここでは15ビットづつの2組、A/B)に分けた場合における‘A’を先頭とするコード(NOMAL)と、Bを先頭とするコード(NOMAL2)との双方が示されている。これについては後述する。
【0144】
制約▲1▼ 光電センサとして必要な感度(S/N)
S/Nは投光パルスのパルス幅と受光アンプの周波数特性によって大まかに決まる。投光パルスのパルス幅を小さくすると受光アンプの周波数帯域を広げなくてはならず、S/Nの悪化に繋がる。またビット長を小さくするためにアンプの収束時間を早くするためには、アンプの周波数帯域にて低域をカットする必要が有り、これもS/Nの悪化を招く。これらの制限からビット長(パルス投光間隔)は20μs程度、投光パルス幅は2.5μs程度が適当かと思われる。ただし、汎用の光電センサほど感度を必要としないアプリケーションに於いてはこの限りではない。
【0145】
制約▲2▼ 応答時間
例えば、応答時間1msのアンプ内蔵光電センサにあっては、この応答時間1msによる制約がビット数を制限する最大の問題となる。このような場合、センサはばらつきを含めて最大1ms以内に投光されたコードのビットパターンを全て読み取らなくてはいけない。
【0146】
単純に1msを上記制約▲1▼によって定められたビット長で割ると最大ビット数は50ビットとなる。しかしながらセンサの応答時間は検出対象物体が検出されてから信号が出るまでの最大時間に相当するので、ビット長が即座に応答時間になるわけではない。そこで、以下にセンサの応答時間を左右する要因を述べ、その対策の一例を示す。
【0147】
要因▲1▼ センサクロックのばらつき
センサのクロックはIC内部にて生成されるケースが多い。そのような場合、IC内部のCRばらつきによりクロックの絶対値が±20%程度バラつくことが多い。そこで、このような場合には、クロックが+20%ばらついても応答時間を守れるようにセンサ自身の応答時間をあらかじめ0.8倍にしておくのが好ましい。(応答時間1msのときにはセンサの応答時間を800μsにする。)これを考慮すると最大ビット数は40ビットとなる。最大ビット数の制限がこの後に述べる理由から40ビットでは問題がある場合には、外部に発振子などをつけてより精度よくクロックを生成するとよいであろう。
【0148】
要因▲2▼ 検出タイミングのばらつき
投光パルスをコード化(ビットパターン化)すると、全コードを受信するまで検出判定を行えない問題が生じる。この問題はコードのどのタイミングを投光しているか受光側が把握していない投受別体型の光電センサにおいて深刻な制約条件となる。
【0149】
コード途中にて光電センサの検出対象領域内に検出対象物体が入った場合の問題点を図14に示す。同図中(a)から明らかであるように、検出対象物体が入ってから検出と判定するタイミングまでの時間は、コード長よりも長く最大2コード長になる。このことから、コード長は応答時間の半分以下にする必要があるが、前述した最大コード長から考えるとビット数を25ビットにしかできない。これではノイズパルス除去の効果が不十分である。
【0150】
そこで図14中(b)に示されるように、コード長を2ブロック(ここではA/Bとする)に分け、A→Bと受信した場合でもB→Aと受信した場合でも復号できるようにすることで、有効ビット数を大きくとることができる。先に示したように、図13(b)には、このようなコード分割方式を採用した具体的一例として、コード長が30ビットの場合にA→Bと受信した場合(NORMAL)と、B→Aと受信した場合(NORMAL2)とのそれぞれが上下に並べて示されている。
【0151】
この方式では検出対象物体が入ってから検出と判定するまでの時間は、最大1.5コード長になるので最大コード長を33(ビット長分)にすることができる。同様に3ブロックに分けたら最大コード長は37にできる。
【0152】
次に、その他の対策について記述する。
その他対策▲1▼ビットスリップの問題
透過型センサ等の投受別体型光電センサにおいては、投光側装置のクロックと受光側装置のクロックが大幅に異なった場合、ビットの読み間違い(ビットスリップ)を起こす可能性がある。この問題はエラー訂正符号をコードの中にまぜておくことにより解決することができる。
【0153】
尚、コード長が制限されるためにエラー訂正符号に必要なビット数が確保できない場合には、コード長内でビットストリップが起こらない最小のクロック誤差に抑えれば誤動作を防ぐことができる。たとえばコード長が800μsでビット長が20μsの場合、クロック誤差は±1.25%(20/800/2)以内となる。これらは、例えばICの外付けにてセラミック振動子などを使用することにより可能になる。
【0154】
その他対策▲2▼ビットパターンについて
光電センサのパルス幅は2.5μs程度が好ましいと前述したが、パルスデューティについても若干の制約がある。光電センサの投光電流ピーク値をできるだけ大きくするためには、パルスデューティは出来るだけ小さくすることが好ましい(トータルの平均消費電流を抑えるため)。そこで、例えば、パルスデューティを2.5%程度にしようとすると、これにより、パルス幅2.5μsでビット長20μsの場合、5ビットに一回しか投光できないこととなる。つまりビット数30であれば投光ビットは6以下に制限されるため、ビットパターンは、その中で最適なパターンにする必要がある。そこで、最もスペクトラムが拡散するようなビットパターン列にする(投光パルス間隔ができるだけ離散するような組み合わせを選ぶ)。
【0155】
その他対策▲3▼ノイズパルスの除去について
図15(a)は、従来の光電センサにおけるノイズによる誤判定の内容を示す図である。同図(a)上段に示されるように、自身の投光パルス(真の光パルス)を受光しているときにノイズパルスが混入し、それにより本来の受光パルスがうち消され、受光信号が入光→遮光と変化する事はめったにない。したがって、自分が投光している間の受光パルスだけを使用する光電センサであれば、そのような入光判定エラーが出ることはめったにない。仮に、単発でそのようなことが起こっても、ローパスフィルタ(シフトレジスタ)の使用により、そのようなエラーはほぼ無視することができる。
【0156】
しかしながら、同図(a)下段に示されるように、自身のパルスを受光していないときにノイズパルスが混入し、受光信号が遮光→入光と変化する事は頻繁に起こり得る(この現象は特にランダムに発生する各種ノイズによるものを考えたほうがわかりやすい)。
【0157】
ここで、本発明の光電センサに適用されるビットパターン生成方式では入光判定に自分が投光していない時間の遮光も確認される。従って、そのままでは、投光パルスが到来していないにも関わらずノイズパルスにより入光と判断してしまうといったことが頻繁に起こり得る。そのような場合には、蛍光灯等によるノイズパルスによって入光誤動作を起こさないと言ったメリットもあるが、ノイズパルスがあるときに入光判定が行われないのであれば誤動作と状況は同じになってしまう。
【0158】
そのための有効な対策として、投光‘なし’ビットが‘有り’ビットとなっていてもある程度の数までは許容する方式(冗長性の付与)の適用が挙げられる。より具体的には、入遮光判定のときに、投光なしビットに対する入光の数を測定しておき、許容数n以下であれば遮光状態であったと判定する冗長性演算回路を付加する。
【0159】
図16に入光判定におけるその効果を、図17に遮光判定におけるその効果を示す。尚、同図において、「ADD」は、30ビット中、不投光24ビットの遮光判定において許容したビットの数を示している。同図に示されるように、この例では、n=3程度許容することにより、入光判定をミスする確率が減り良好な結果が得られることが確認された。
【0160】
また、他の対策として、投光‘なし’ビットの情報を圧縮して使用する方法が挙げられる。好ましい一例として、2ビット圧縮方式を図15中(b)に示す。この場合には、隣り合うビットが共に入光の時のみ入光と判断される。尚、この方法を採用すると、投光ビットは常に2ビットづつ連続していないといけない等、ビットパターン生成に工夫を要することも想定されるが、このような方法を採用すれば、2ビット分に満たないショットノイズに関しては確実に除去することが可能となる。
【0161】
尚、上述の説明では、放射パルス介在型センサとして光電センサを示したが、本発明は、光電センサに限らず、超音波センサ、マイクロ波センサ、インパルスレーダ等のような種々の放射パルス介在型のセンサに適用することができる。
【0162】
そして、本発明によれば、蛍光灯等の光によるノイズパルスはもとより、その他の光、音、電磁波等の様々なノイズに柔軟に対応して、正確な検出動作が可能な放射パルス介在型センサが実現できる。
【0163】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、ノイズパルスが周期的に現れしかもその発生タイミングがサンプリングタイミングと重なるような状況下にあっても、有効に機能する誤動作防止対策を組み込まれた放射パルス介在型センサ並びにそのための要素技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された投受別体型光電センサ(第1実施形態)の回路構成を示すブロック図である。
【図2】同第1実施形態による光電センサの検出原理を示すタイミングチャート(その1)である。
【図3】同第1実施形態による光電センサの検出原理を示すタイミングチャート(その2)である。
【図4】本発明が適用された投受一体型光電センサ(第2実施形態)の回路構成を示すブロック図である。
【図5】本発明が適用された光電センサ(第3実施形態)の回路構成を示すブロック図である。
【図6】光電変換器の出力ライン上に出現する電気パルスを説明するためのタイミングチャートである。
【図7】本発明が適用された光電センサ(第4実施形態)の回路構成を示すブロック図である。
【図8】真の電気パルスに関する既知の波形的特徴を示す図である。
【図9】本発明が適用された投受別体型光電センサ(第5実施形態)の回路構成を示す図である。
【図10】同第5実施形態における好ましい他の一例を示す図である。
【図11】同第5実施形態における好ましい更に他の一例を示す図である。
【図12】本発明が適用された投受一体型光電センサ(第6実施形態)の回路構成を示す図である。
【図13】ビットパターン生成の内容を説明するための図(その1)である。
【図14】ビットパターン生成の内容を説明するための図(その2)である。
【図15】ビットパターン投受光時におけるノイズについて説明するための図である。
【図16】遮光判定時におけるノイズ発生率と正解率との関係をグラフで示した図である。
【図17】入光判定時におけるノイズ発生率と正解率との関係をグラフで示した図である。
【符号の説明】
1 投光側装置
2 受光側装置
11 パルス発生器
12 ドライブ回路
12a エミッタ抵抗
13 発光素子
14 パルスパターン生成器
21 光電変換器
22 パルス真偽判別回路
23 デジタルローパスフィルタ
211 抵抗
212 フォトダイオード
213 結合コンデンサ
214 増幅回路(AMP)
221 第1コンパレータ(CMP1)
222 第2コンパレータ(CMP2)
224 アンドゲート
231 シフトレジスタ
232 パルス発生器
233 RSフリップフロップ
235 NORゲート
236 RSフリップフロップ
237 パルスパターン生成器
239,240 冗長性演算器
P1〜P5 ピーク値
Ws 真の電気パルスに関する出力波形
Wn ノイズ波形
Ws+n 混合波形
τ1〜τ5 設定遅延時間
T1〜T6 基準時点

Claims (11)

  1. 放射パルスを繰り返し送り出す送出側装置と、放射パルスを受け取る受取側装置とを有し、受取側装置には、受け取った放射パルスを電気パルスに変換する変換手段が含まれており、さらに
    受取側装置内には、変換手段の出力ライン上に現れる電気パルスが、送出側装置から送り出された放射パルスを受け取ったことに起因する真の電気パルスか、ノイズに起因する偽の電気パルスかを、真の電気パルス波形上の2以上の基準時点のそれぞれにおける基準値に基づいて判別するパルス真偽判別手段が設けられており、
    それにより、受取側装置はパルス真偽判別手段の判別結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする放射パルス介在型センサ。
  2. 放射パルスを繰り返し送り出す送出側装置と、放射パルスを受け取る受取側装置とを有し、受取側装置には、受け取った放射パルスを電気パルスに変換する変換手段が含まれており、さらに
    送出側装置には、
    所定ビットパターンにしたがって放射パルスを送り出すパルス送出手段が設けられ、かつ
    受取側装置には、
    変換手段の出力ライン上に現れる電気パルスが、送出側装置から送り出された放射パルスを受け取ったことに起因する真の電気パルスか、ノイズに起因する偽の電気パルスかを、真の電気パルス波形上の2以上の基準時点のそれぞれにおける基準値に基づいて判別するパルス真偽判別手段と、
    真の電気パルスと判定される電気パルスの出現ビットパターンを基準ビットパターンと照合し、その照合結果に基づいて、正常に放射パルスを受け取ったか否かを判定するビットパターン判定手段と、が設けられており、
    それにより、受取側装置はビットパターン判定手段の判定結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする放射パルス介在型センサ。
  3. 放射パルスを繰り返し送り出す送出側装置と、放射パルスを受け取る受取側装置とを有し、受取側装置には、受け取った放射パルスを電気パルスに変換する変換手段が含まれており、さらに
    受取側装置内には、変換手段の出力ライン上に現れる電気パルスが、送出側装置から送り出された放射パルスを受け取ったことに起因する真の電気パルスか、ノイズに起因する偽の電気パルスかを、真の電気パルスを微分して得られた波形上の2以上の基準時点のそれぞれにおける基準値に基づいて判別するパルス真偽判別手段が設けられており、
    それにより、受取側装置はパルス真偽判別手段の判別結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする放射パルス介在型センサ。
  4. 放射パルスを繰り返し送り出す送出側装置と、放射パルスを受け取る受取側装置とを有し、受取側装置には、受け取った放射パルスを電気パルスに変換する変換手段が含まれており、さらに
    送出側装置には、
    所定ビットパターンにしたがって放射パルスを送り出すパルス送出手段が設けられ、かつ
    受取側装置には、
    変換手段の出力ライン上に現れる電気パルスが、送出側装置から送り出された放射パルスを受け取ったことに起因する真の電気パルスか、ノイズに起因する偽の電気パルスかを、真の電気パルスを微分して得られた波形上の2以上の基準時点のそれぞれにおける基準値に基づいて判別するパルス真偽判別手段と、
    真の電気パルスと判定される電気パルスの出現ビットパターンを基準ビットパターンと照合し、その照合結果に基づいて、正常に放射パルスを受け取ったか否かを判定するビットパターン判定手段と、が設けられており、
    それにより、受取側装置はビットパターン判定手段の判定結果に基づいて目的とする出 力信号を生成する、ことを特徴とする放射パルス介在型センサ。
  5. 基準時点が波形上のピーク時点に相当する、請求項1乃至4の何れかに記載の放射パルス介在型センサ。
  6. ピーク時点には波形上の正極性ピーク時点と負極性ピーク時点との双方が含まれている、請求項5に記載の放射パルス介在型センサ。
  7. 真偽判別手段が、変換手段の出力ライン上の信号レベルをそれぞれ真の電気パルス相当の基準値により弁別する2以上のコンパレータと、それらのコンパレータの出力を基準時点同士が整合するように時間軸整合させる遅延手段と、時間軸整合されたのちのコンパレータ出力同士の論理演算を行う論理演算手段とを含む、請求項1乃至4の何れかに記載の放射パルス介在型センサ。
  8. ビットパターン判定手段は、変換手段の出力ライン上に現れた電気パルスの出現ビットパターンを予め用意された位相の異なる2以上の基準ビットパターンと同時に照合し、その照合結果に基づいて、正常に放射パルスを受け取ったか否かを判定する、請求項1又は2に記載の放射パルス介在型センサ。
  9. 放射パルスは光パルスである、請求項1乃至8の何れかに記載の放射パルス介在型センサ。
  10. 光パルスを繰り返し送り出す投光側装置と、光パルスを受け取る受光側装置とを有し、受光側装置には、受け取った光パルスを電気パルスに変換する変換手段が含まれており、さらに
    投光側装置には、
    投光有りビットと投光無しビットとの所定配列に基づく投光ビットパターンにしたがって光パルスを送り出すパルス送出手段が設けられ、かつ
    受光側装置には、
    変換手段の出力ライン上における電気パルスの出現有無に基づき、受光有無ビットを生成する受光有無ビット生成手段と、
    受光有無ビットに基づく出現ビットパターンと、投光ビットパターンに基づく基準ビットパターンとを照合し、その照合結果に基づいて、正常に自身の投光に基づく光パルスを受け取ったか否かを判定するビットパターン判定手段と、が設けられており、
    ビットパターン判定手段は、受光有無ビットに基づく出現ビットパターンを予め用意された投光有無ビット配列が異なる2以上の基準ビットパターンと同時に照合し、その照合結果に基づいて、正常に光パルスを受け取ったか否かを判定し、
    それにより、受光側装置はビットパターン判定手段の判定結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする光電センサ。
  11. 光パルスを繰り返し送り出す投光側装置と、光パルスを受け取る受光側装置とを有し、受光側装置には、受け取った光パルスを電気パルスに変換する変換手段が含まれており、さらに
    投光側装置には、
    投光有りビットと投光無しビットとの所定配列に基づく投光ビットパターンにしたがって光パルスを送り出すパルス送出手段が設けられ、
    投光ビットパターンにおける投光有りビットは、2以上連続して配列され、かつ
    受光側装置には、
    変換手段の出力ライン上における電気パルスの出現有無に基づき、受光有無ビットを生成する受光有無ビット生成手段と、
    受光有無ビットに基づく出現ビットパターンと、投光ビットパターンに基づく基準ビットパターンとを照合し、その照合結果に基づいて、正常に自身の投光に基づく光パルスを受け取ったか否かを判定するビットパターン判定手段と、が設けられており、
    それにより、受光側装置はビットパターン判定手段の判定結果に基づいて目的とする出力信号を生成する、ことを特徴とする光電センサ。
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