JP3678011B2 - 産業車両の前後方向の荷重モーメント測定装置 - Google Patents

産業車両の前後方向の荷重モーメント測定装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は荷役用アタッチメントの支持及び昇降案内を行うマストが傾動可能に装備され、ティルトシリンダの作動によりマストが傾動される産業車両の前後方向の荷重モーメント測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の産業車両であるフォークリフトにおいては、車両の前部に設けられたアウタマスト及びインナマストを備えたマストにリフトブラケットとともにフォークが昇降可能に支持されている。そして、マストはリフトレバーの操作に基づくリフトシリンダの作動により伸縮され、それに伴ってフォークが昇降される。また、荷役作業を容易にするため及びフォークリフトの走行中の安定性を良くするため、マストはティルトレバーの操作に基づくティルトシリンダの作動により、垂直の基準位置に対して前傾あるいは後傾される。
【0003】
フォークリフトはフォークに荷を積載した状態では重心が前側に移動し、フォークの揚高を高くするとマストに作用するモーメントが大きくなる。そして、荷を積載した状態でマストを前傾させると重心がより前に移動してフォークリフトの前後方向の安定性が悪くなる。また、荷の荷重が大きな状態であまり後傾角度を大きくすると重心が後側に寄り過ぎて前輪が浮き気味になりスリップが発生する虞がある。そこで、従来はマストの前傾角度及び後傾角度は所定の値に設定されている。
【0004】
荷役作業で荷を高所に載置する場合、フォークを高揚高としてマストを前傾させる必要がある。このとき、誤操作等で速い前傾速度でマストを前傾し過ぎると、荷崩れやフォークリフトの後輪の浮き上がり(即ち車両の前後方向の不安定状態)が発生する。従って、作業者はマストが前傾し過ぎないようインチング操作で、注意深く低速で前傾作業を行う必要があり、精神的な負担が大きい。
【0005】
前記の問題を解消するため、ティルトシリンダを介して車両に作用する前後方向のモーメント(荷重モーメント)を検出して、車両に作用する前記モーメントが車両の不安定状態を招く大きさに近づいたことを検知して、前傾動作を停止させたり警報手段を作動させるものがある。そして、従来、前記前後方向のモーメントを測定する方法として、図6に示すように、フォークリフト51のマスト52を傾動させるティルトシリンダ53のロッド側の室の圧力(ティルト圧力)を検出する圧力センサ54を設け、圧力センサ54の圧力に基づいて、次式によって前記荷重モーメントMLを算出していた。但し、左右両側に装備されたティルトシリンダ53に同じ圧力が作用すると仮定している。圧力センサ54はティルトレバー55の操作に基づいてティルトシリンダ53への作動油の供給を制御する切換弁56と、ティルトシリンダ53のロッド側の室(ロッド室)とを接続する流路57の途中に設けられている。
【0006】
ML=2PT ・KT ・LT
なお、PT はティルト圧力、KT はティルトシリンダ53のピストンのピストンロッド側の受圧面積、LT は前輪58の回動中心とティルトシリンダ53の軸線との距離を示す。
【0007】
また、実開昭50−137768号公報には、図7に示すように、リアアクスルビーム60の上面の一方の端部寄りに荷重検出装置61を設け、片側の後輪62に掛かる荷重を検出し、荷重検出装置61からの信号が一定値以下になったときに警報を出す警報装置を備えたものが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来装置において圧力センサ54が検出する圧力は、フォークリフト51のフォーク59に積載された荷Wの荷重を正確に反映しているとは限らず、荷Wの荷重に対応した正確な圧力を連続的に検出するのが困難であった。例えば、切換弁56が前傾位置に保持されてマスト52が前傾動作中に、切換弁56が中立位置に配置されると、流路57内には移動中のマスト52の加速度の分に対応する余分な圧力が封じ込められた状態となる。その結果、荷Wの荷重に対応する圧力より大きな圧力が圧力センサ54によって検出される。
【0009】
一方、実開昭50−137768号公報に開示された装置は、後輪62に掛かる荷重が一定値以下になったときに、後輪62が浮いた状態にあると判断して警報装置を作動させるものであり、荷重モーメントを連続的に検出してその値を制御に利用する事に関しては開示も示唆もない。また、荷重検出装置61がリアアクスルビーム60の上面の一方の端部寄りに設けられているため、歪量が小さく検出精度が悪い。
【0010】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は車両に作用する前後方向の荷重モーメントをティルトシリンダへの作動油の供給を制御する切換弁の操作による悪影響を受けずに、連続的に正確に測定することができる産業車両の前後方向の荷重モーメント測定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため請求項1に記載の発明では、荷役用アタッチメントの支持及び昇降案内を行うマストが傾動可能に装備され、ティルトシリンダの作動によりマストが傾動される産業車両において、前記産業車両のリアアクスルビームは揺動軸を介して車体フレームに対して揺動可能に支持され、前記リアアクスルビームの支持部は前記揺動軸を支持するために車体フレームに設けられ揺動軸の軸心を含む平面で上下に分割可能に形成され、前記支持部に荷重検出手段を取り付け、該荷重検出手段は前記支持部を構成する門型の支持ブラケットの凹部内に、前記揺動軸との間に該揺動軸の上半分の周面と当接する形状に形成された当接部材が介装された状態で配設されて前記支持部の一部を構成するように設けられており、前記荷重検出手段の検出信号に基づいてモーメントを測定する。
【0014】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記荷重検出手段は円柱タイプのロードセルであり、前記揺動軸と対応する側が凸の曲面に形成されている。
【0015】
請求項に記載の発明では、請求項又は請求項に記載の発明において、前記荷重検出手段及び前記当接部材と、前記支持ブラケットとの間には前記荷重検出手段及び前記当接部材が前記揺動軸の軸方向への移動を規制する規制部が設けられている。
【0016】
請求項1に記載の発明では、荷役用アタッチメントの支持及び昇降案内を行うマストがティルトシリンダの作動により傾動される。リアアクスルビームの支持部に取り付けられた荷重検出手段によりリアアクスルビームに作用する荷重が検出される。そして、荷重検出手段の検出信号に基づいて車両の前後方向の荷重モーメントが求められる。
【0017】
また、リアアクスルビームは車体フレームに設けられた支持部に対して揺動軸を介して揺動可能に支持される。支持部は揺動軸の軸心を含む平面で上下に分割可能となっており、支持部には後輪に掛かる荷重が全て作用する。従って、前記荷重検出手段に作用する荷重も大きくなり、検出精度が良くなる。
【0018】
また、荷重検出手段は前記支持部を構成する門型の支持ブラケットの凹部内に、前記揺動軸との間に当接部材が介装された状態で配設されている。従って、当接部材の形状を揺動軸の上半分の周面と当接する形状に形成することにより、荷重検出手段が単純な形状でも揺動軸から作用する力を均一に受ける。
【0019】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、荷重検出手段は円柱タイプのロードセルであるため、市販品を入手し易くなる。また、揺動軸と対応する側が凸の曲面に形成されているため、組付け状態において軸線が鉛直方向に対して多少傾斜してもロードセルに荷重が正確に作用する。
【0020】
請求項に記載の発明では、請求項又は請求項に記載の発明において、荷重検出手段及び当接部材は規制部の作用により、揺動軸の軸方向への移動が規制される。そして、荷重検出手段は揺動軸から作用する荷重を正確に検出する。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を産業車両としてのフォークリフトに具体化した第1の実施の形態を図1〜図4に従って説明する。図3に示すように、フォークリフト1の車体フレーム(機台フレーム)2にはその前部にマスト3が設けられている。マスト3は車体フレーム2に対して傾動可能に支持された左右一対のアウタマスト3aと、その内側に昇降可能に装備されたインナマスト3bとからなる。両アウタマスト3aの後側にはリフトシリンダ4がアウタマスト3aと平行に固定され、そのピストンロッド4aの先端がインナマスト3bの上部に連結されている。インナマスト3bの内側にはリフトブラケット5がインナマスト3bに沿って昇降可能に装備され、リフトブラケット5に荷役用アタッチメントとしてのフォーク6が取り付けられている。
【0022】
車体フレーム2の左右両側にはティルトシリンダ7の基端が回動可能に支持され、そのピストンロッド7aの先端がアウタマスト3aの外側面に回動可能に連結されている。そして、ティルトシリンダ7の伸縮作動によりマスト3が傾動される。
【0023】
運転室8の前部にはステアリング9、リフトレバー10、ティルトレバー11等がそれぞれ設けられている。図3においては両レバー10,11が重なった状態で示されている。リフトレバー10の操作によりリフトシリンダ4が作動(伸縮)され、ティルトレバー11の操作によりティルトシリンダ7が作動(伸縮)されるようになっている。車体フレーム2の後部には、後輪12を支持するためのリアアクスルビーム13が揺動可能に支持されている。
【0024】
リアアクスルビーム13は箱型に形成され、図1に示すように、その内部にステアリングシリンダ14が収容されている。左右の後輪12はステアリングシリンダ14の両ピストンロッド14a,14bに対してリンク機構(図示せず)を介して連結されている。後輪12はステアリング9の操作に基づいてステアリングシリンダ14が駆動されることにより操舵される。
【0025】
図3に示すように、リアアクスルビーム13には、その前後両側に揺動軸としてのセンタピン15a,15bが突設されている。車体フレーム2の後部において後方に向かって水平に延びる支持材2aには、その下面に前後一対の支持部16,17が垂直に延びるように配設されている。両支持部16,17はリアアクスルビーム13を支持するためのもので、それぞれの対向位置にはセンタピン15a,15bが挿通される円孔18(図1に図示)が形成されている。そして、リアアクスルビーム13は各円孔18にそれぞれセンタピン15a,15bが挿通された状態で、両支持部16,17に揺動可能に支持されている。
【0026】
図3に示すように、支持部16,17はセンタピン15a,15bの軸心を含む平面で円孔18を上下に二分割可能に形成され、下半分の部材16a,17aが取外し可能になっている。部材16a,17aはリアアクスルビーム13の組付け時にボルト19によって支持部16,17の上半分の部分に締め付け固定される。リアアクスルビーム13は一対の支持部16,17によって前後両側で両持ち状態で支持される。後側に配設された支持部17には荷重検出手段としての圧縮型のロードセル20が取り付けられている。
【0027】
図1に示すように、後側の支持部17の上半分は、門型の支持ブラケット21と、その凹部21a内に収容された圧縮型のロードセル20と、ロードセル20とセンタピン15bとの間に介装された当接部材22とにより構成されている。即ち、ロードセル20は支持部17の一部を構成する。なお、前側の支持部16の上半分は、下面にセンタピン15aの外周面と同じ曲率の半円弧状の凹面が形成された形状に形成されている。
【0028】
当接部材22はほぼ四角柱状の部材の下面にセンタピン15bの外周面と同じ曲率の半円弧状の凹面22aが形成された形状に形成されている。ロードセル20も外形がほぼ四角柱状に形成されている。支持ブラケット21の対向する内面には垂直方向に延びる凸条21bが形成されている。ロードセル20及び当接部材22の両側面には、凸条21bと嵌合する溝20aがそれぞれ形成されている。但し、当接部材22の溝は図示しない。凸条21b及び溝20aは、ロードセル20及び当接部材22がセンタピン15bの軸方向への移動を規制する規制部を構成する。
【0029】
ロードセル20は金属製で図2(b)に示すように、水平に延びる溝23が、互いに反対側が開放端となるように2本形成されている。溝23の奥には凹面部23aが形成され、各凹面部23aに歪ゲージ(ストレインゲージ)24が貼付されている。歪ゲージ24はリード線(図示せず)を介して制御装置25に接続されている。
【0030】
制御装置25には図4に示すように、歪ゲージ24を抵抗として含むホイートストンブリッジ回路26と、増幅器27とを備えた検出回路28が設けられている。また、制御装置25は制御手段及び演算手段としてのCPU(中央処理装置)29と、制御プログラム及び荷重の演算に必要なデータ等を記憶した記憶装置30とを備えている。記憶装置30には前記データとして例えば検出回路28の出力電圧と荷重との関係を示す関係式又はマップが記憶されている。制御装置25はロードセル20とともにフォークリフト1の前後方向の荷重モーメントのうち、前輪31の軸を回動中心として後輪12を下方へ押圧するように作用する後側荷重モーメントMR を測定する荷重モーメント測定装置を構成する。
【0031】
CPU29は図示しない駆動回路を介して警報装置としての警報ランプ32に接続されている。警報ランプ32はオペレータの目に付きやすい位置、例えばインストルメントパネルに配設されている。CPU29はA/D変換回路33を介して検出回路28に接続され、A/D変換回路34を介してリフトシリンダ4のボトム圧力を検出する圧力センサ35に接続されている。
【0032】
CPU29は検出回路28の出力信号に基づいて後輪12に掛かる荷重WR を演算するとともに、前後両側の支持部16,17に同じ荷重WR が作用すると仮定して、次式によって前後方向の荷重モーメントのうち、後側荷重モーメントMR を算出する。
【0033】
MR =2WR ・LH
但し、LH はホイールベースを表す。
また、CPU29は前後方向の荷重モーメントのうち、前輪31の軸を回動中心としてフォークリフト1を前側に回動させる方向に作用する前側荷重モーメントMLと、前記後側荷重モーメントMR とに基づいて、次式が成立すれば安定性が良いと判断する。
【0034】
ML≦2WR ・LH /SF
但し、SF は安全率を表す。
CPU29は前側モーメントMLを実際に演算する代わりに、圧力センサ35の出力信号から荷Wの荷重WG を演算し、荷重WG に所定の係数αをかけた値、即ちα・WG を前側モーメントMLの代替値として使用する。係数αはフォーク6の揚高及びマスト3の前傾角を反映させたものであって、最大揚高及び最大前傾角の状態に基づいて設定されている。
【0035】
そして、CPU29は2WR ・LH /SF <α・WG が成立したとき、警報ランプ32に駆動回路を介して駆動信号を出力する。また、CPU29は2WR ・LH /SF <β・WG が成立したとき、リフトシリンダ4及びティルトシリンダ7の図示しない油圧回路の油圧ポンプの作動停止指令を出力するようになっている。但し、βはαより小さな係数である。
【0036】
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
リフトレバー10の上昇操作に基づいてリフトシリンダ4が作動されてピストンロッド4aが突出作動されると、インナマスト3bが上昇されるとともに、それに伴ってフォーク6が上昇される。
【0037】
ティルトレバー11の前傾操作に基づいてティルトシリンダ7が作動されてピストンロッド7aが突出作動されると、マスト3が前側に傾動(回動)される。ティルトレバー11の後傾操作に基づいてティルトシリンダ7が作動されてピストンロッド7aが没入作動されると、マスト3が後側に傾動(回動)される。
【0038】
後輪12に作用する荷重(後輪荷重)の反力はセンタピン15a,15bを介して支持部16,17に作用する。支持部17においては当接部材22を介してロードセル20に後輪荷重WR が作用する。当接部材22はセンタピン15bの外周面と同じ曲率の凹面22aにおいてセンタピン15bに接触しているため、センタピン15bから作用する力が当接部材22全体に均一に作用し、ロードセル20に対して荷重が均一に作用する。荷Wが積載されたフォーク6が上昇された状態でマスト3が基準位置より前傾されると、車体には前輪31の車軸を回動中心とした荷Wの荷重に基づく前側荷重モーメントMLが作用する。そして、前側荷重モーメントMLの増大に伴って後輪荷重WR は小さくなる。
【0039】
ロードセル20には後輪荷重WR に対応した大きさの歪が発生し、歪の大きさに対応して歪ゲージ24の抵抗が変化して検出回路28から後輪荷重WR に対応した信号が出力される。CPU29はその出力信号に基づいて後輪荷重WR を演算するとともに、後側荷重モーメントMR を算出する。
【0040】
CPU29は圧力センサ35の出力信号に基づいて荷Wの荷重WG を演算する。そして、2WR ・LH /SF <α・WG が成立すると、警報ランプ32が点灯される。また、2WR ・LH /SF <β・WG が成立すると、CPU29から油圧ポンプの作動停止指令が出力されて、油圧ポンプが停止される。
【0041】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) リアアクスルビーム13の支持部17に取り付けられた荷重検出手段(ロードセル20)により、リアアクスルビーム13に作用する荷重が検出されるとともに、荷重検出手段の検出信号に基づいて車両の前後方向の後側荷重モーメントMR が求められる。従って、後側荷重モーメントMR を連続的に正確に測定できる。
【0042】
(2) 荷重検出手段(ロードセル20)が後輪12に掛かる荷重を全て担うとともに、上下に分割可能に形成された支持部16,17の一部を構成するため、荷重検出手段に作用する荷重が大きくなって検出精度が良くなる。また、組み付けも簡単になる。
【0043】
(3) 荷重検出手段(ロードセル20)が支持部17を構成する門型の支持ブラケット21の凹部21a内に、センタピン15bとの間に当接部材22が介装された状態で配設されている。従って、当接部材22の形状をセンタピン15bの上半分の周面全体と当接する形状に形成することにより、荷重検出手段は単純な形状でセンタピン15bから作用する力を均一に受けることができる。
【0044】
(4) ロードセル20及び当接部材22は規制部の作用により、センタピン15bの軸方向への移動が規制されるため、ロードセル20は当接部材22との当接面が一定に保持され、センタピン15bから作用する荷重を正確に検出できる。
【0045】
(5) ロードセル20がほぼ四角柱状に形成されているため、支持部17への組み付けが容易となる。
(6) 後輪荷重WR に基づく後側荷重モーメントMR に基づいて安定性を判断する際、後側荷重モーメントMR の値が同じであっても荷Wの荷重WG によって警報装置(警警報ランプ32)を駆動する時期が異なり、不要に早い時期から警報ランプ32を作動させることが回避される。
【0046】
(7) 後側荷重モーメントMR の値が所定の設定値に達すると、警報装置(警報ランプ32)が作動されるため、オペレータに注意を促し、車両の安定性がより低下するティルト作業の実施を抑制できる。
【0047】
(8) 後側荷重モーメントMR の値が前記所定の設定値より小さな値に達するとティルトシリンダ7に作動油を供給する油圧ポンプの作動が停止されるため、オペレータが警報装置を無視して荷役作業を継続しても、車両の安定性がさらに低下する状況での作業を中止させることができる。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を図5に従って説明する。この実施の形態ではロードセルの構造及びその組み付け状態が前記実施の形態と異なっている。その他の構成は前記実施の形態と同じであり、同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0049】
荷重検出手段には円柱タイプの市販のロードセル36が使用される。ロードセル36はその起歪体の先端、即ちセンタピン15bと対応する側が凸の曲面に形成されている。ロードセル36は支持ブラケット21と嵌合する取付部材37に取り付けられた状態で、支持ブラケット21と当接部材22との間に支持される。ロードセル36は表面に4枚の歪ゲージが接着された起歪体を備え、起歪体に作用する荷重に対応する電圧が出力されるようになっている。ロードセル36は制御装置25のA/D変換回路33に接続される。
【0050】
そして、後輪12に作用する荷重(後輪荷重)の反力はセンタピン15b及び当接部材22を介してロードセル36に作用し、ロードセル36から後輪荷重WR に対応した電圧が出力される。CPU29はロードセル36の出力信号に基づいて後側荷重モーメントMR を算出する。
【0051】
従って、この実施の形態では第1の実施の形態の(1)〜(4)及び(6)〜(8)と同じ効果が得られる。また、ロードセル36として市販品を使用できるため、製造及び配線が容易になる。
【0052】
なお、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ リアアクスルビーム13が車体フレーム2に対して揺動可能に支持されたものに限らず、揺動不能に支持された構成の車両に適用してもよい。例えば、キングピンに支持されるステアリングナックルに荷重検出手段としての歪ゲージを貼付してもよい。
【0053】
○ 当接部材22を省略してロードセル20,36を直接センタピン15bに当接する状態で支持ブラケット21に組み付ける構成とする。その場合、ロードセル20の下面の形状をセンタピン15bの外周面と同じ曲率の凹面とするのが好ましい。
【0054】
○ 後側の支持部17に代えて前側の支持部16に荷重検出手段(ロードセル20,36)を設けたり、両支持部16,17に荷重検出手段を設ける。
○ ロードセル20、当接部材22及び取付部材37と支持ブラケット21との間に設ける規制部として、ロードセル20、当接部材22及び取付部材37に凸部を形成するとともに支持ブラケット21に凹部を形成してもよい。また、規制部を省略してもよい。
【0055】
○ フォークリフト1の安定性を判断する基準となる係数α,βをフォーク6の揚高を検出する揚高センサの検出値によって変更するようにする。この場合、低揚高の場合は高揚高の場合に比較して係数α,βの値を小さく設定することにより、不要な警報ランプ32の点灯や油圧ポンプの停止を少なくできる。
【0056】
○ 後側荷重モーメントMR と前側荷重モーメントMLに対応する値とに基づいてフォークリフト1の安定性を判断する代わりに、荷重モーメントMR の単位時間ΔT(例えば、数十ミリ秒)当たりの変化率ΔMR /ΔTを演算し、その値に基づいてフォークリフト1の安定性を判断するようにしてもよい。後側荷重モーメントMR が減少すれば安定性が低くなる方向にフォーク6が作動されていることを表し、後側荷重モーメントMR が増大すれば安定性が高くなる方向にフォーク6が作動されていることを表す。そして、後側荷重モーメントMR が減少し、かつ変化率ΔMR /ΔTが大きければ荷Wが速い速度で前側に移動、即ちマスト3が速い速度で前傾作動あるいはマスト3の前傾状態でフォーク6が速い速度で上昇されていることを示す。従って、後側荷重モーメントMR が減少し、かつ変化率ΔMR /ΔTが所定値を超えると警報装置を作動させるようにする。この場合、荷Wの荷重WG を測定せず、後側荷重モーメントMR の測定データに基づいて安定性の判断ができる。
【0057】
○ さらに、後側荷重モーメントMR 及びその変化率ΔMR /ΔTに、荷Wの荷重WG 及び揚高を組み合わせて安定性の判断を行うようにしてもよい。
○ ティルトシリンダ7への作動油の供給を制御する制御弁を手動操作の制御弁ではなく電磁式の比例弁とし、前傾作動時の速度を後側荷重モーメントMR と、変化率ΔMR /ΔTに基づいて制御する構成としてもよい。
【0058】
○ 後側荷重モーメントMR を算出し、その値に基づいて警報装置の作動や油圧ポンプの停止を判断する代わりに、後輪荷重WR の値に基づいて判断してもよい。この場合、後側荷重モーメントMR を演算する手間が不要になる。
【0059】
○ 荷役用アタッチメントとしてフォーク6以外のアタッチメント、例えばロール紙の運搬に使用するロールクランプ、ブロックの運搬や高積み作業に使用するブロッククランプ、コイル状に巻かれたワイヤ及びケーブル等コイル状あるいは円筒状の荷の運搬に使用するラム等を装備したフォークリフト(産業車両)に適用してもよい。
【0060】
前記実施の形態から把握できる請求項記載以外の発明(技術思想)について、以下にその効果とともに記載する。
(1) 前記荷重モーメント測定装置を備え、その測定値が車両の安定性が低下する所定の値に達したか否かを判断するとともに所定の値に達したときに警報装置を作動させる制御装置を備えた産業車両。この場合、オペレータに注意を促し、車両の安定性がより低下する荷役作業の実施を抑制できる。
【0061】
(2) 前記制御装置は警報装置を作動させる所定の値より大きな第2の所定の値に前記測定値が達したときに、ティルトシリンダに作動油を供給する油圧ポンプの作動を停止させる。この場合、オペレータが警報装置を無視して荷役作業を継続しても、車両の安定性がさらに低下する状況での作業を中止させることができる。
【0062】
(3) 前記荷重モーメント測定装置を備え、その測定値及び荷重モーメントの変化率に基づいて車両の安定性が低下したか否かを判断する制御装置を備えた産業車両。この場合、荷の荷重を直接検出しなくても安定性の判断を正確にできる。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項に記載の発明によれば、リアアクスルビームの支持部に取り付けられた荷重検出手段により、リアアクスルビームに作用する荷重が検出されるとともに、荷重検出手段の検出信号に基づいて車両の前後方向の荷重モーメントを連続的に正確に測定できる。
【0064】
また、荷重検出手段に作用する荷重が大きくなって検出精度が良くなるとともに、組み付けも簡単になる。
また、当接部材の形状を揺動軸の上半分の周面全体と当接する形状に形成することにより、荷重検出手段は単純な形状で揺動軸から作用する力を均一に受けることができる。
【0065】
請求項に記載の発明では、市販品が入手し易く、また、揺動軸と対応する側が凸の曲面に形成されているため、組付け状態において軸線が鉛直方向に対して多少傾斜してもロードセルに荷重が正確に作用する。
【0066】
請求項に記載の発明では、荷重検出部材及び当接部材は規制部の作用により、揺動軸の軸方向への移動が規制されるため、荷重検出部材は当接部材との当接面が一定に保持され、揺動軸から作用する荷重を正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ロードセルの支持状態を示すフォークリフトの概略背面図。
【図2】 (a)はロードセルの支持状態を示す平断面図、(b)はロードセルの模式縦断面図、(c)は図3の部分拡大図。
【図3】 フォークリフトの一部破断概略側面図。
【図4】 荷重モーメント測定装置の電気的構成を示す回路図。
【図5】 (a)は第2の実施の形態のロードセルの支持状態を示す背面図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図6】 従来のフォークリフトの概略側面図。
【図7】 別の従来技術を示す概略部分斜視図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、2…車体フレーム、3…マスト、6…荷役用アタッチメントとしてのフォーク、7…ティルトシリンダ、13…リアアクスルビーム、15a,15b…揺動軸としてのセンタピン、16,17…支持部、16a,17a…部材、20,36…荷重検出手段としてのロードセル、20a…規制部を構成する溝、21…支持ブラケット、21a…凹部、21b…規制部を構成する凸条、22…当接部材、25…荷重モーメント測定装置を構成する制御装置、MR …後側荷重モーメント。

Claims (3)

  1. 荷役用アタッチメントの支持及び昇降案内を行うマストが傾動可能に装備され、ティルトシリンダの作動によりマストが傾動される産業車両において、
    前記産業車両のリアアクスルビームは揺動軸を介して車体フレームに対して揺動可能に支持され、前記リアアクスルビームの支持部は前記揺動軸を支持するために車体フレームに設けられ揺動軸の軸心を含む平面で上下に分割可能に形成され、前記支持部に荷重検出手段を取り付け、該荷重検出手段は前記支持部を構成する門型の支持ブラケットの凹部内に、前記揺動軸との間に該揺動軸の上半分の周面と当接する形状に形成された当接部材が介装された状態で配設されて前記支持部の一部を構成するように設けられており、前記荷重検出手段の検出信号に基づいてモーメントを測定する産業車両の前後方向の荷重モーメント測定装置。
  2. 前記荷重検出手段は円柱タイプのロードセルであり、前記揺動軸と対応する側が凸の曲面に形成されている請求項1に記載の産業車両の前後方向の荷重モーメント測定装置。
  3. 前記荷重検出手段及び前記当接部材と、前記支持ブラケットとの間には前記荷重検出手段及び前記当接部材が前記揺動軸の軸方向への移動を規制する規制部が設けられている請求項1又は請求項2に記載の産業車両の前後方向の荷重モーメント測定装置。
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