JP3677769B2 - 自動車のルーフ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のルーフ構造に関し、特にサンルーフやキャンバストップを有する車両のルーフに荷物積載用のキャリア等を取り付けるためのルーフラックを設けた自動車のルーフ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両のルーフに荷物積載用のキャリア等を取り付けるためのルーフラックを設けた自動車が種々提案されている。
このような従来の自動車のルーフ構造として、実開平5−1534号には、左右のルーフラックをその後部において結合して連結体とし、この連結体をリヤスポイラとして機能する形状に形成したルーフのスライド開閉装置が開示されている。
【0003】
また、実開平6−53242号には、リテーナの長さ方向端部にモールの長さ方向端部とラップする重合部を設けて、この重合部をモールと共にルーフ側に共締めするようにした車両用デフレクタの取付構造が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、幌状のキャンバストップ等を有し、かつ荷物積載用のキャリア等を取り付けるためのルーフラックを設けた自動車では、車両の走行中時の気流の巻き込みによる幌のバタ付きや、幌開放時に笛吹き音が発生するのを防止するためルーフの前側にデフレクタという気流の巻き込みを抑止する部材を必要とする。しかしながら、このようなデフレクタを備える実開平6−53242号に開示の例では、モールにデフレクタを取り付ける際にリテーナを必要とするので取り付け部分の構造が複雑になると共に、組付け作業性が悪いという欠点がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、デフレクタとルーフラックとの取り付けを容易にでき、しかもデフレクタの取り付け強度を向上させる自動車のルーフ構造を提供することである。
また、他の目的は、取り付け強度を向上させつつ、ルーフにおけるデフレクタとルーフラックの意匠的な外観デザイン性を向上できる自動車のルーフ構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決し、目的を達成するために、この発明に係わる自動車のルーフ構造は、以下のように構成される。即ち、
少なくともルーフ上の前方に車幅方向に沿って設けられるデフレクタと該ルーフ上の左右両側に前後方向に沿って設けられるルーフラックを有する自動車のルーフ構造であって、
前記デフレクタとルーフラックとは、その接続面が連続的な滑らかな面をなすように接続されてルーフ上に固定され、
前記デフレクタの前記ルーフへの支持部は、前記ルーフラックの該ルーフへの支持部を含むように一体的に設けられ、
前記デフレクタとルーフラックとは、該デフレクタの支持部に該ルーフラックを嵌合することにより接続される。
【0007】
また、他の発明に係わる自動車のルーフ構造は、以下のように構成される。即ち、
少なくともルーフ上の前方に車幅方向に沿って設けられるデフレクタと該ルーフ上の左右両側に前後方向に沿って設けられるルーフラックを有する自動車のルーフ構造であって、
前記デフレクタの前記ルーフへの支持部が、前記ルーフラックの該ルーフへの支持部を含むように一体的に設けられて、該ルーフラックの該ルーフへの支持部と共用化され、
前記デフレクタとルーフラックとは、共用化された前記ディフレクタの前記ルーフへの支持部に該ルーフラックを嵌合することにより接続される。
【0008】
以上のように、この発明に係わる自動車のルーフ構造では、少なくともルーフ上の前方に車幅方向に沿って設けられるデフレクタと該ルーフ上の左右両側に前後方向に沿って設けられるルーフラックとは、その接続面が連続的な滑らかな面をなすように接続されることになる。
また、少なくともルーフ上の前方に車幅方向に沿って設けられるデフレクタと該ルーフ上の左右両側に前後方向に沿って設けられるルーフラックとは、デフレクタのルーフへの支持部と、ルーフラックのルーフへの支持部とが共用化されて接続されるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態につき、添付の図面を参照して詳細に説明する。
[ルーフ構造の概略説明]
図1は、本発明に係る実施の形態の自動車のルーフ構造を示す自動車全体の外観図である。また、図2は、図1に示す自動車のルーフ構造を示す拡大図である。
【0010】
図1、図2に示すように、自動車1の上部のルーフ12には、周囲を残して略全面に渡って形成された開口14が設けられている。この開口14の前方に残るルーフ12の周囲部分には、フロントウインドウ16からスムーズに斜め上方に向かう表面を有するデフレクタ18が取り付けられる。一方、開口14の左右両側に残るルーフ12の周囲部分には、ルーフの前後方向にレール状に延設されるルーフラック20が設けられている。このルーフラック20は、荷物積載用のキャリア等をルーフ上に取り付けるときに用いられる。デフレクタ18は、このルーフラック20に対して、その接続面が滑らかになるように連結される。尚、このデフレクタ18とルーフラック20との接続構造については後述する。デフレクタ18とルーフラック20とは、共にルーフの左右両側に形成されたルーフモール19に取り付けられる。また、前述の開口14には、これを開閉可能に覆う幌22を備えたキャンバストップ24が設けられている。
【0011】
図3は、図1、図2に示すデフレクタとルーフラックの取り付け構造の詳細を示す図である。また、図4は、デフレクタ全体の取り付け構造を示す図である。図3において、デフレクタ18は、熱膨張や成形時の変形の少ない熱硬化性樹脂(SMC等)で形成され、その両側の足部18cには後方に所定の長さだけ延設された嵌合凸部18aが形成される。また、ルーフラック20は、強化プラスチック等で構成される。この足部18cは、ルーフラック20の先端がこの嵌合凸部18aに嵌め込まれることにより、ルーフラック20を支持する。この嵌合凸部18aとルーフラック20の先端とは、互いの取り付け誤差から生じる隙間や、錆の発生を防止するためプラスチック又はゴムからなる円筒状のブッシュ21を介して嵌合される。ブッシュ21は、ブッシュ21側に形成された爪部21aと、この爪部21aに対応するルーフラック20に形成された嵌合孔20aとが嵌まり合うことにより固定される。
【0012】
ルーフラック20が接続されたデフレクタ18は、金属製のブラケット30を介してルーフモール19に固定される。デフレクタ18とブラケット30とは、前述の足部18cの裏側に形成されたボス部18bにブラケット30と共に取り付けビス31を螺着させ、ブラケット30の一端30aが前述の嵌合凸部18aに重なり合うように組み付けられる。一方、ブラケット30とルーフモール19とは、ボルト32及びナット33をルーフモール19を挟んで締め付けることによりルーフ12上に固定される。
【0013】
また、図4に示すように、デフレクタ18の中央部分は、ルーフの幅方向に広がるメインブラケット35によりルーフ12上に固定される。デフレクタ18とメインブラケット35とは、その縁部において取り付けビス36で数箇所で螺着され、中央の平面部においてボス18d及びファスナ39を介して数箇所で位置決め固定される。また、メインブラケット35とルーフ12とは、取り付けビス37及びグロメット38により数箇所で固定される。
【0014】
以上のように、デフレクタ18は、デフレクタ18の足部18aとルーフラック20の先端とを接続してからルーフ12上に固定されるので、取り付けが容易になると共に、デフレクタ18の足部18cをルーフラック20と共用化できるのでその構造を簡略化できる。
また、デフレクタ18の足部18cとルーフラック20の先端との接続部分が、連続性を有するように滑らかに形成されるので、取り付け強度を保持しつつ、意匠的な外観デザイン性を向上することができる。
【0015】
<ルーフ上にルーフラックのみを設けた場合>
次に、図5を参照して、ルーフ上にルーフラックのみを設けた場合のルーフ構造を説明する。図5は、ルーフ上においてルーフラックのみ設けた場合の取り付け構造の詳細を示す図である。
図5において、ルーフ上にルーフラックのみを設けた場合には、上述のデフレクタ18の代わりに、ルーフラック20の先端部にデフレクタ18と同じ材質の専用足部25を取り付けることにより、前述のブラケット30やブッシュ21等をそのまま流用でき、部品の共通化により部品点数の削減を図ることができる。
【0016】
また、応用例として、図8に示すように、ルーフモール19の溝内に配設されるプラスチック又はゴムからなるカバー部材19a、19b、19cの中で、比較的短いカバー部材19c(例えば、100mm程度の長さを有する)をリヤ側においてルーフラック20の後端を支持する専用足部26と一体に形成して、更に部品点数の削減を図ることもできる。
【0018】
[取り付け構造の別形態]
図6は、図3に示すルーフラックの取り付け構造の別形態を示す図である。また、図7は、ルーフラックをルーフモールに取り付けた状態の側面図である。図6、図7において、ルーフラック120は、前述と同様に強化プラスチック等で構成される。専用足部125の内側面には、複数の取り付けボス125aが形成され、ラック側ブラケット130の一端にビス31で螺着される。また、ラック側ブラケット130の他端には、スペーサ121と、ボルト134及びナット133を介してルーフラック120の先端が接続される。ラック側ブラケット130は、ルーフモール19にボルト32及びナット33により接続されるルーフ側ブラケット135にボルト134及びナット133により共締めされる。
【0019】
この別形態では、ルーフラック120を支持するのは、ラック側ブラケット130及びルーフ側ブラケット135であり、専用足部125は、ルーフラック120の先端の一部を単に覆っているだけである。
尚、上記別形態では、専用足部125をデフレクタに変更できることは言うまでもない。
【0022】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明のように、本発明の自動車のルーフ構造によれば、デフレクタとルーフラックとは、その接続面が連続的な滑らかな面をなすように接続されるので、意匠的な外観デザイン性を向上させつつ、取り付け強度を保持することができる。
【0024】
また、デフレクタとルーフラックとは、デフレクタのルーフへの支持部と、ルーフラックのルーフへの支持部とが共用化されるので、取り付けが容易になると共に、デフレクタとルーフラックとの接続構造を簡略化できる。
また、取り付け強度を保持しつつ、意匠的な外観デザイン性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態の自動車のルーフ構造を示す自動車全体の外観図である。
【図2】 図1に示す自動車のルーフ構造を示す拡大図である。
【図3】 図1、図2に示すデフレクタとルーフラックの取り付け構造の詳細を示す図である。
【図4】 デフレクタ全体の取り付け構造を示す図である。
【図5】 ルーフ上においてルーフラックのみ設けた場合の取り付け構造の詳細を示す図である。
【図6】 図3に示すルーフラックの取り付け構造の別形態を示す図である。
【図7】 ルーフラックをルーフモールに取り付けた状態の側面の断面図である。
【図8】 ルーフラックの構造の応用例を示す図である。
【符号の説明】
10…自動車
12…ルーフ
14…開口
16…フロントガラス
18、180…デフレクタ
19…ルーフモール
20、220…ルーフラック
22…幌部材
24…キャンバストップ
25、125…専用足部
30、35、130、135…ブラケット
Claims (5)
- 少なくともルーフ上の前方に車幅方向に沿って設けられるデフレクタと該ルーフ上の左右両側に前後方向に沿って設けられるルーフラックを有する自動車のルーフ構造であって、
前記デフレクタとルーフラックとは、その接続面が連続的な滑らかな面をなすように接続されてルーフ上に固定され、
前記デフレクタの前記ルーフへの支持部は、前記ルーフラックの該ルーフへの支持部を含むように一体的に設けられ、
前記デフレクタとルーフラックとは、該デフレクタの支持部に該ルーフラックを嵌合することにより接続されることを特徴とする自動車のルーフ構造。 - 少なくともルーフ上の前方に車幅方向に沿って設けられるデフレクタと該ルーフ上の左右両側に前後方向に沿って設けられるルーフラックを有する自動車のルーフ構造であって、
前記デフレクタの前記ルーフへの支持部が、前記ルーフラックの該ルーフへの支持部を含むように一体的に設けられて、該ルーフラックの該ルーフへの支持部と共用化され、
前記デフレクタとルーフラックとは、共用化された前記ディフレクタの前記ルーフへの支持部に該ルーフラックを嵌合することにより接続されることを特徴とする自動車のルーフ構造。 - 前記デフレクタとルーフラックとは、該デフレクタ側に形成された凸部と該ルーフラック側に形成された略管状の凹部とを嵌合することにより接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車のルーフ構造。
- 前記支持部はブラケットを介してルーフ上に取り付けられ、該ブラケットは、その一部が前記凸部の一部をなすように設けられることを特徴とする請求項3に記載の自動車のルーフ構造。
- 前記凸部と凹部とは、該凸部を覆うと共に、該凹部に嵌合される筒状のブッシュを介して嵌合されることを特徴とする請求項4に記載の自動車のルーフ構造。
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1995
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