JP3677004B2 - 側面開放車の荷台構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貨物自動車に属する側面開放車の荷台構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の鉢花などの重ね積みできない貨物を運送する側面開放車の荷台構造は、荷台上の枠体に車幅方向両側端で所要数の支柱を対設し、両側端の各支柱を介して棚板を、その長手方向を車幅方向に沿わせて複数段に荷台の長手方向全長に渡って配設したものであるから、荷台の長手方向中間部分の鉢花などの貨物を抜き取るにはその部分に立入るスペースがなく、側方から抜き取るにしても支柱や棚板の受け金具が邪魔になってそれもできず、結局、荷下しの順序を考慮して先に荷下しするものから荷台後部に荷積みするなど、荷積み、荷下しの面で手間取る問題があった。また、空車時に支柱が積載空間を不要に制限することや、部分的に荷下しした後の荷崩れや、側部あおりを通路や踏み台として使用したいときに、側部あおりを吊り下げているワイヤーが作業の邪魔になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、荷下しの優先順位を考慮することなく荷積みができ、空車時の積載空間を最大限に確保してその利用自由度を広範に確保でき、加えて、部分的に棚板から貨物を下ろしたときに他の貨物が荷崩れすることなく、さらに、側部あおりを水平開放して支持して側部あおりを通路や踏み台に利用できる側面開放車の提供をその目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための第1実施例の側面開放車の荷台構造は、荷台の全面をおおう枠体に、荷台の車幅方向中央と両側端に荷台の長手方向に沿って所要の間隔で支柱を着脱自在に接合して立設し、その各支柱の荷台の長手方向の対向面において上下に渡って同一位相で所要の開口部と係着部を配設し、該開口部を介して各支柱に車幅方向に沿って同一位相で棚板載架手段を、その載架部を対向して複数段に渡って着脱自在に係着し、各載架部に所要数の棚板をその長手方向両端において載架して成る。
第2実施例の側面開放車の荷台構造は、荷台上の枠体の前方大半に、車幅方向中央と両側端に荷台の長手方向に沿って所要の間隔で支柱を着脱自在に接合して立設し、各支柱の荷台の長手方向の対向面において、上下に渡って同一位相で所要の開口部と係着部を配設し、該開口部を介して各支柱に車幅方向に沿って同一位相で棚板載架手段を、その載架部を対向して複数段に渡って着脱自在に係着し、各載架部に所要数の棚板をその長手方向両端において載架し、枠体の後方残部には、荷台の車幅方向両側端に荷台の長手方向に沿って所要の間隔で支柱を枠体に着脱自在に接合して立設し、各支柱の車幅方向の対向面において、上下に渡って同一位相で所要の開口部と係着部を配設し該開口部を介して各支柱には荷台の長手方向に沿って前記位相と同一位相で棚板載架手段を、その載架部を対向して複数段に渡って着脱自在に係着し、各載架部に所要数の棚板をその長手方向両端において載架して成る。
第3実施例の側面開放車の荷台構造は、第2実施例の側面開放車の荷台構造において、枠体の前方大半に立設接合する支柱の中で、最後方の両側端の支柱の後面に、直角状の横部材と縦部材から成っていて横部材に係着片を接合したアタッチメントを該係着片において係着して成る。
第4実施例の側面開放車の荷台構造は、前記第1、第2、第3実施例の側面開放車の荷台構造において、荷台の運転席側最前端に配設される支柱を、枠体の前部枠柱に嵌入して成る。
第5実施例の側面開放車の荷台構造は、前記第1、第2、第3、第4実施例の側面開放車の荷台構造において、各段の棚板載架手段の上方で、対向支柱間に荷崩れ防止手段を配設して成る。
第6実施例の側面開放車の荷台構造は、前記第1、第2、第3、第4、第5実施例の側面開放車の荷台構造において、各支柱の下端が荷台の台枠に着脱自在に接合されるとともに、枠体の長手方向に沿う上部の縦梁又は/及び車幅方向に沿い該縦梁に直角接合部で接合する上部の横梁にそれぞれ支柱の上部が案内手段を介して移動固定自在に吊下げされて成る。
第7実施例の側面開放車の荷台構造は、第6実施例の側面開放車の荷台構造において、前記案内手段が前記直角接合部で連通して成る。
第8実施例の側面開放車の荷台構造は、前記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7実施例の側面開放車の荷台構造において、台枠の車幅方向両側方で荷台の長手方向所要個所に、側部あおりの水平開放姿勢を支持する支持手段を配設して成る。
【0005】
【発明の実施の形態】
支柱には棚板載架手段の係着との関係で、その幅方向中央に高さ方向に沿って開口部と係着部とを交互に所要数配設するが、その配設面は片面のみのものから両面同一位相のものがある。運転席側最前端の支柱は枠体の前部枠柱に添設するものから枠柱に嵌入するものがある。荷台の後方で棚板載架手段を荷台の長手方向に沿って配設する際は、棚板載架手段の前後に支柱を立設して両支柱を介して棚板載架手段を支持するものから、前部の支柱に代えて車幅方向に沿う棚板載架手段を係着する支柱に一方を係着する直角状のアタッチメントを介して、棚板載架手段を支持するものがある。枠体の上部の縦梁や横梁に該断続案内レールを90°回転して横梁に接合した案内レールに連接するものがある。この場合、すなわち、縦梁での移動から連続して横梁を移動する支柱では、下端のピンと台枠との関係においては、該台枠に対してピンを着脱自在に接合するものから、支柱の上部構造で、案内レールの内面と吊下座の上面間、またはI形レールの上部内面とアタッチメントの上面間の各間に、前記ピンを台枠から引き抜くだけの空間を配設するものがある。荷崩れ防止手段は、棚板(中間部分の棚板)上のトレイの長手方向端部相互間に支柱の上部を吊下する案内手段としては、上部の縦梁や横梁の下面に接合する案内レールに案内溝をそれぞれの長手方向に沿って切り欠き、支柱の上部に吊下座を立設し、該吊下座の狭幅部において該案内溝に案内し移動固定自在とするものから、上部の縦梁や横梁の下面にI形の案内レールを接合し、該レールに案内されるアタッチメントを支柱の上部に係着し、移動固定自在に支柱を吊下するなどである。このほか前記案内レールに切り欠いた各案内溝をT形に連接し、縦梁に吊下された支柱を90°回転して横梁に案内できるものや、アタッチメントを支柱の上部に係着してI形の案内レールにアタッチメントを案内する構造では、縦梁と横梁の連接部で縦梁に対してI形の案内レールを部分的な断続案内レールで断続するとともに、該断続案内レールを回転自在に接合し、常時移動固定自在に垂下されるものから、棚板上のトレイの満杯状態では鉢花などに干渉しない上方へはね上げて移動固定自在に待機するものがある。側部あおりの支持手段においては、荷台の長手方向所要個所において、台枠の外側近傍の鉛直軸に回転自在に軸支した支持体で側部あおりを水平状に支持するものから、台枠の外側から出入自在に突出する支持板で支持するものがある。
【0006】
【実施例】
本発明を実施例により説明すると、本発明の側面開放車は図13に示すように、荷台1上に建てられた枠体2を骨格としているものをいう。枠体2は枠柱28と枠柱28上部間をつなぐ縦梁7と縦梁7をつなぐ横梁53とから成っている。枠体2には屋根が架設される。この枠体2を骨格とした荷台構造aは図1に示すように、車幅の中央線上と両側端線上で荷台1の長手方向に車幅と同じ長さの間隔をとって荷台1に支柱3を次記により建てている。支柱3は枠体2の柱と違って後記のように移動挿脱できるようにしたもので、図3に示すように、下端では垂下した2本のピン4を台枠5に穿設したピン孔6に係合して位置決めし、上端では両側端と中央とでは次のように分けて保持される。すなわち、両側端の上端では、枠体2の上部の縦梁7の両側に垂設した支持板8間に遊嵌し、両支持板8と支柱3の上端に横設した各係合孔に持ち手部9を直角に折曲した固定ピン10を係合し、持ち手部9を下方へ垂下した状態で内方側の支持板8に形成した溝11に持ち手部9を嵌め込み、固定ピン10の抜け止めを図って両側端の列の支柱3の各上端を位置決めする。車幅方向中央の上端では、固定具12の筒穴に支柱3の上端を嵌入し、固定具12の上端両側方に一体の筒金13と縦梁7の両側に一体の筒金13とに持ち手部14を直角に折曲した係止ピン15を係合することによって、中央の列の支柱3の上端を位置決めしている。固定具12を支柱3の上端に嵌着するには、その両側に突設した取手16を持って嵌着する。
【0007】
各支柱3には棚板載架手段17として図3、図6に示すように、開口部18と矩形板状の係着部19とを車幅方向に交互多数に設け、各支柱3の対向面には、図4(a)に示す棚板載架手段17の要部であるアングル材の棚板載架部材20を、その垂直部21の背面両端に逆L形に吊り出した係着片22により図4(b)に示すように支柱3の係着部19に掛け着ける。その結果、棚板載架部材20の水平部である載架部23が対向するので対向載架部23間に棚板24を載架する。
【0008】
支柱3は図5の分図(a)(b)の支柱3と分図(A)(B)の支柱3Mがあげられる。
分図(a)に示したものは軽山形鋼25の縦辺を最小幅(最大幅に対向してもよい)に対向配置し、その後端(後面)間に継ぎ板26を縦設し、横辺側の前端(前面)間に係着部19を高さ方向に所要間隔で接合している。分図(A)に示したものは、前記軽山形鋼25の配置と同様の配置で前端間と後端間とに高さ方向に所要間隔で係着部19を接合して成り、分図(b)に示したものは、みぞを外方に向けた軽みぞ形鋼27を対向配置し、後面間に継ぎ板26を縦設し、前面間に高さ方向に所要間隔で矩形板状の係着部19を接合して成り、分図(B)に示したものは、軽みぞ形鋼27と同様の配置で軽みぞ形鋼27間に高さ方向に所要間隔で係着部19を接合して成る。このほか、輪郭は取付け時や収納時に空間を不要に占めることなく、強度上負荷を支持できるものであればよい。
【0009】
支柱3と支柱3Mはそれぞれ次のように配置使用される。
支柱3は荷台1の前端及び後端に立設される。その際、前端においては左右側端及び中央の枠体2の各枠柱28に、後端においては左右側端の各枠柱28に添設するほか、各係着部19を露出して各枠柱28に嵌入接合することもある。支柱3Mは荷台1中央部に立設される。
上記のように荷台1の長手方向で配設された支柱3、3Mはその対向面には図4(b)及び図6に示すように、同一位相の係着部19に複数段に棚板載架部材20を係着し、各段の棚板載架部材20には、前記したように両載架部23において図1(b)に示す状態で棚板24が載架され、各棚板24には長手方向にその短手を配するように鉢花を収納したトレイ29を載置する。
【0010】
このようにして成る本荷台構造aでは、鉢花を収納したトレイ29を、水平開放した側部あおり63を通路又は踏み台として棚板24から車幅方向へ取り出しできるから、荷台1の後方から取り出す労力に比して省力的であり、荷下し順を考慮して荷積みする必要がない。
【0011】
図2(a)(b)に示す本荷台構造bについて説明すると、このものは一般貨物運送の荷台を鉢花などの重ね積みができるよう改造したものである。すなわち、荷台両側に建てる支柱3、3間隔(荷台の長さ方向の間隔)を棚板24の縦長の長さを基準として支柱を建てた場合に、後方に該間隔に満たないスペースができる事がある。該スペースに対しては後方の観音開き扉から荷下しできるから、このスペースでの棚板24の配置を前方での棚板24の配置に対して90°の位相で車幅方向にその長手方向を沿わせて変向させたものである。
【0012】
本荷台構造bを図2により説明すると、荷台枠体2の寸法Lの前方大半に、荷台1の車幅方向中央と両側端に荷台の長手方向に沿って支柱3、3Mを建てている。図3に示すように、各支柱3は下端では下端に垂下した2本のピン4を台枠5に穿設したピン孔6に係合して位置決めし、両側端の上端では、上部の縦梁7の両側に垂下した両支持板8、8間に遊嵌し、両支持板8と支柱3の上端に横設した各係合孔に、持ち手部9を直角に折曲した固定ピン10を係合し、持ち手部9を下方へ垂下した状態で、内方側の支持板8に形成した溝11に持ち手部9を嵌め込み、固定ピン10の抜け止めを図って両側端の支柱3の各上端を位置決めし、車幅方向中央の上端では、固定具12の筒穴に支柱3の上端を嵌入し、固定具12の上端両側方に一体の筒金13と縦梁7の両側に一体の筒金13とに、持ち手部14を直角に折曲した係止ピン15を係合することによって支柱3の上端を位置決めしている。固定具12を支柱3の上端に嵌着するにはその両側に突設した取手16を持って嵌着する。
各支柱3、3Mには棚板載架手段17として図3に示すように、幅方向中央で高さ方向に開口部18と矩形板状の係着部19とを交互に所要数配設し、さらに、各支柱3、3Mの対向面には、図4(a)に示す棚板載架手段17の要部であるアングル材から成る棚板載架部材20を、その垂直部21の背面両端の逆L形の係着片22によって図4(b)に示すように係着部19に係着する。その結果、棚板載架部材20の水平部である載架部23が対向する状態となり、両載架部23に棚板24をその長手方向両端において載架する。
【0013】
支柱3、3Mの配列は、図2分図(a)及び(b)に示すように、前面にのみ高さ方向に開口部18と係着部19とを交互に配設した支柱3が、荷台1のL寸法スペースの前端で荷台1のM寸法スペースの車幅方向両側と中間に枠柱28に添って立設され、L寸法スペースの中間及び後端には、図5の分図(A)または(B)に示すように、前面と後面に同一位相で開口部18と係着部19とを交互に配設した支柱3Mが立設接合される。その際、荷台1の前端においては左右側端及び中央の各枠柱28に支柱3を添設するだけでなく、各係着部19を露出して各枠柱28に嵌入接合することもある。
そして、荷台1の長手方向で対向する支柱3、3Mの対向面には、同一位相の係着部19において図4(b)に示すように、複数段に渡り棚板載架部材20を係着し、各段の棚板載架部材20には両載架部23において図1(b)に示す状態で棚板24が載架され、各棚板24には長手方向にその短手を配するように鉢花を収納したトレイ29を載置する。
後方残部のM寸法スペースには、荷台1の車幅方向両側端に荷台1の長手方向に沿って3列に車幅方向で対向して支柱3を立設接合し、両側端の支柱3には荷台1の長手方向に沿って前記位相と同一位相で棚板載架部材20(前記L寸法スペースで使用したものと同一)を、その載架部23を対向して複数段に渡って係着し、各載架部23には図2(b)に示すように、所要数の棚板24をその長手方向両端において載架し、各棚板24には長手方向にその短手を配するように鉢花を収納したトレイ29を載置する。
【0014】
このようにして成る本荷台構造bでは、M寸法スペースの荷台1の後方残部において、前方の車幅方向側端の支柱3に代えて、図6に示すアタッチメント30を介して後方の支柱3と協働し、棚板載架部材20を係着することもできる。
すなわち、アタッチメント30は直角状の横部材31と縦部材32と、横部材31の背面に一体の逆L形の係着片33とから成り、アタッチメント30の係着片33が、L寸法スペースで示される荷台1の前方大半に立設接合する支柱3、3Mの中で、最後方の両側端の支柱3Mの後面に配設される係着部19に係着され、アタッチメント30の縦部材32とM寸法スペースで示される荷台1の後方残部の中間部両側に立設接合する支柱3の係着部19とに、棚板載架部材20の背面両端(前後端)に一体の係着片22を係着し、高さ方向各段においてアタッチメント30を介して棚板載架部材20が係着され、対向する両載架部23に棚板24が載架され、各棚板24には鉢花をのせたトレイ29が載置される。
したがって、アタッチメント30を使用すれば、支柱3が2本が節減されるとともにその収納スペースも削減される。
【0015】
本発明では本荷台構造a、bにおいて移動固定自在な支柱3(3M)を提案するものである。すなわち、図7に示すように、各支柱3(3M)の下端に垂下したピン4を荷台1の台枠5に穿設したピン孔6に嵌入することによって台枠5に着脱自在に位置決めして成る支柱3(3M)において、その上端に平面視横長矩形状の筒体34をその周面内方側でボルトで接合し、筒体34の上部に逆T形に開口した案内溝35に枠体2の上部の縦梁7に一体に垂下するI形の案内レール36の下方逆T部を案内し、筒体34の上部周面内方側から螺合する押しネジ37(蝶ボルトでもよい)で前記逆T部の水平辺の側方を押圧開放することによって、支柱3(3M)を縦梁7に対して移動固定自在に吊り下げている。横梁(図外)に対しても同様の構造で移動固定できる。
上記構造の支柱3(3M)は目的地に鉢花などの貨物を下ろした空車時に、荷台1の運転席側へ全支柱3(3M)を一括収納できるから、荷台1の空間スペースを有効に確保できる。
【0016】
このほか図8に示すように、縦梁7に対して直角接合部52で横梁53を接合し、縦梁7と横梁53の下面に接合した横長矩形筒体の案内レール54の下面にそれぞれ所要幅の案内溝55を開口し、両案内溝55を図8(b)に示すように直角接合部52で連接し、各縦梁7の案内レール54には、下面の適所に丸穴56を開口し、丸穴56より僅かに小径の円盤部57と案内溝55に案内される円盤部57より狭幅の軸部58とから成る断面視T形の吊下座59を支柱3(3M)の上端に立設し、吊下座59の円盤部57を丸穴56から挿入して案内レール54に案内し、円盤部57の上面を案内レール54の上部内面に接触する状態まで支柱3(3M)を持ち上げれば、下端のピン4は荷台1の上面を移動できる状態となるから、その状態で所定の立設接合位置まで支柱3(3M)を移動し、該位置でピン4をピン孔6に係合し、支柱3(3M)の上部を案内レール54の外側に垂下した係止板60へボルト61で共締め固定する。
前記ボルト61を外して支柱3(3M)を持ち上げピン4をピン孔6から脱却し、そのまま縦梁7に沿って移動すれば荷台1の長手方向一端に各支柱3(3M)を収納でき、90°回転して押し込めば、吊下座59は横梁53の案内レール54に案内され、各支柱3(3M)は車幅方向一側へ、或いはその状態から90°回転すれば該一側での縦梁7の案内レール54で荷台1の長手方向一端に各支柱3(3M)を収めることができる。
したがって、空車時の積み荷の種類や荷積みの状況に応じて支柱3(3M)を移動できるから、積載空間を最大限に確保できる上、その利用自由度を広範に確保できる。
また、支柱3(3M)の下端中心に1本のピン4を垂下固定し、縦梁7と横梁53との直角接合部52の横梁53の案内レール54に対応する荷台1の上面で、該ピン4の案内溝62を開口すれば、支柱3(3M)の横移動時にはピン4をピン孔6から脱却することなく、支柱3(3M)を90°回転するだけで車幅方向の一方から他方へ移動できる。
【0017】
さらに、各本荷台構造a、bにおいて、本発明では荷崩れ防止手段38も提案する。
すなわち、荷崩れ防止手段38は図9、図10に示すように、対向配設される両側端の各支柱3(3M)において、棚板載架部材20の直下の係着部19にアイボルトによる軸受39をそれぞれを配設し、両軸受39の丸孔に外側から嵌入した横向きT形の各受金40にそれぞれ案内棒41の各端を螺合して案内棒41を位置決め固定し、対向して取着された各案内棒41にはそれぞれスライダー42が摺動自在に案内され、両スライダー42の上部には案内棒41の軸心と直交する軸心の丸孔421を開口した軸受部422を一体に形成し、軸受部422の頂部からスライダー42の案内孔43に渡ってネジ孔44を螺設し、ネジ孔44に蝶ボルト45を螺合し、前記丸孔421では逆L字形の回転子46を水平回転軸47において回動自在に軸受けし、水平回転軸47には図11(a)に示すように、接合子48が鉛直下方に垂下した姿勢で、軸心方向に蝶ボルト45のネジ軸49を挿通し得る長孔50を貫設し、接合子48には止め板(或いは波形に折曲成形した止め金)51の一端を接合して成り、荷崩れ防止に使用しないときは、止め板51が図11(b)に示すようにはね上げられて、蝶ボルト45の軸端でその姿勢が保持され、鉢花などの上部で待機する。
【0018】
本実施例では、2組の止め板51がスライダー42を介してそれぞれ案内棒41に案内されるから、中間部の棚板24からのトレイ29が全て下ろされたときでも、両端部のトレイ29が全て下ろされたときでも、その押さえ位置まではね上げ状態で案内された止め板51は、回転子46を介して軸受部422で回転され、止め板51の鉛直姿勢でトレイ29に接触したら蝶ボルト45をネジ込めば、蝶ボルト45のネジ軸49は水平回転軸47の長孔50に係合し、さらにはスライダー42にネジ込まれてその軸端が案内棒41に緊着し、スライダー42が固定されるとともに長孔50とネジ軸49の係合によって水平回転軸47は回転不能となり、止め板51は位置決めされてトレイ29の移動を阻止し、荷崩れが防止される。
なお、本発明における荷崩れ防止手段38は、その待機位置が車幅方向両側端を好位置とし、止め板51の上げ下げやスライダー42の移動などの作業上好都合である。
【0019】
本発明はさらに、本荷台構造a、bにおいて側部あおり63を水平開放するための支持手段64を提案する。すなわち、図12に示すように、荷台1の台枠5の左右各側方の鉛直軸65を垂下し、筒体66の周面に三角形状の支持板67を一体に縦設した支持体68を鉛直軸65に回動自在に軸支し、支持体68の下方をダブルナット69で抜け止めして成る。
このようにして成る支持手段64は図12分図(b)に示すように、側部あおり63の台枠5への支持蝶番70、70の間で所要個所(3個所乃至5個所)に配設され、走行時には仮想線で示すように台枠5の側方に平行に収納され、使用時には台枠5の側方に直角に突出されて各姿勢が位置決めボルト71で固定され、側部あおり63及びその上に負荷される外力を支持する。
したがって、側部あおり63の水平開放時の上面(通路)には何らの遮るものがなく、貨物の荷積み荷下しができる。
また、支持手段64は前記の構造のほか、平板状の支持板(図外)を台枠5の内部に出入自在に収納し、荷台1の長手方向の両端には上下方向で回動自在な三角板状のステー(図外)を接合し、支持板を突出したときにステーを垂下して側部あおり63を支持するものなども提供される。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、鉢花などの重ね積みできない貨物を、荷台の側方に沿って支柱間に載架した棚板に荷積みするから側方からの荷積み、荷下しとなって荷積み順序には全く左右されず、また、荷台の後方車幅面からの荷積み、荷下しでは部分的な荷積み計画でなされるから集中的な荷下しに利用できる。さらに、二方向の荷積み変換構造でのアタッチメントは支柱2本を省略でき、各支柱を枠体の上部縦梁や横梁に或いは縦梁から横梁へ連続して移動固定自在に吊り下げた構造では、空車時の積載空間を最大限に確保できる。荷崩れ防止手段を講じたものは部分的に貨物を下ろしたときに他の貨物の荷崩れが防止される。側部あおりを水平開放状態でその下面から支持する支持手段を講じたものはその上面が自由な通路となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる側面開放車の荷台構造aの説明図で、(a)は平面図、(b)は(a)のP矢視図。
【図2】本発明に係わる側面開放車の荷台構造bの説明図で、(a)は平面図、(b)は(a)のQ−Q矢視図。
【図3】荷台1上の枠体と支柱の取付けを示す正面図。
【図4】棚板載架手段の説明図で、(a)は棚板載架部材の斜視図、(b)は支柱3への取付け状態図。
【図5】支柱の構成例を示す平面図。
【図6】アタッチメント30を使用した棚板載架部材の支柱への取付け状態図。
【図7】支柱の枠体縦梁への取付け状態を示す説明図。
【図8】支柱3(3M)の他の支持構造における説明図で、(a)は支柱3(3M)の取付け縦断面図、(b)は(a)のS−S矢視図、(c)は支柱3(3M)の下端の取付け縦断面図。
【図9】荷崩れ防止手段の正面図。
【図10】図9のP矢視図。
【図11】止め板の作動説明図で、(a)は止め板51を下げた状態の説明図、(b)は止め板51をはね上げて待機の状態を示す説明図。
【図12】側部あおりの支持手段の説明図で、(a)は側部あおりの水平開放支持の状態を示し、(b)は左方要部の平面図。
【図13】本発明側面開放車の荷台上の枠体の斜視図。
【符号の説明】
1 荷台
2 枠体
3 支柱
3M 支柱
4 ピン
5 台枠
6 ピン孔
7 縦梁
8 支持板
9 持ち手部
10 固定ピン
11 溝
12 固定具
13 筒金
14 持ち手部
15 係止ピン
16 取手
17 棚板載架手段
18 開口部
19 係着部
20 棚板載架部材
21 垂直部
22 係着片
23 載架部
24 棚板
25 軽山形鋼
26 継ぎ板
27 軽みぞ形鋼
28 枠柱
29 トレイ
30 アタッチメント
31 横部材
32 縦部材
33 係着片
34 筒体
35 案内溝
36 案内レール
37 押しネジ
38 荷崩れ防止手段
39 軸受
40 受金
41 案内棒
42 スライダー
43 案内孔
44 ネジ孔
45 蝶ボルト
46 回転子
47 水平回転軸
48 接合子
49 ネジ軸
50 長孔
51 止め板
52 直角接合部
53 横梁
54 案内レール
55 案内溝
56 丸穴
57 円盤部
58 軸部
59 吊下座
60 係止板
61 ボルト
62 案内溝
63 側部あおり
64 支持手段
65 鉛直軸
66 筒体
67 支持板
68 支持体
69 ダブルナット
70 支持蝶番
71 位置決めボルト
a 側面開放車の荷台構造
b 側面開放車の荷台構造

Claims (8)

  1. 側面開放車の荷台上の枠体(2)に、荷台(1)の車幅方向中央と両側端に、荷台(1)の長手方向に沿って所要の間隔で支柱(3、3M)着脱自在に立設接合し、各支柱(3、3M)の荷台(1)の長手方向の対向面において、上下に渡って同一位相で所要の開口部(18)と係着部(19)を配設し、該開口部(18)を介して各支柱(3、3M)に車幅方向に沿って同一位相で棚板載架手段(17)を、その載架部(23)を対向して複数段に渡って着脱自在に係着し、各載架部(23)所要数の棚板(24)をその長手方向両端において載架して成る側面開放車の荷台構造。
  2. 側面開放車の荷台上の枠体(2)の前方大半に、荷台(1)の車幅方向中央と両側端に、荷台(1)の長手方向に沿って所要の間隔で支柱(3、3M)着脱自在に立設接合し、各支柱(3、3M)の荷台(1)の長手方向の対向面において上下に渡って同一位相で所要の開口部(18)と係着部(19)を配設し該開口部(18)を介して各支柱(3、3M)に車幅方向に沿って同一位相で棚板載架手段(17)を、その載架部(23)を対向して複数段に渡って着脱自在に係着し、各載架部(23)所要数の棚板(24)をその長手方向両端において載架し、枠体(2)の後方残部には、荷台(1)の車幅方向両側端に荷台(1)の長手方向に沿って所要の間隔で支柱(3)を着脱自在に立設接合し、各支柱(3)の車幅方向の対向面において上下に渡って同一位相で所要の開口部(18)と係着部(19)を配設し該開口部(18)を介して各支柱(3)には荷台(1)の長手方向に沿って前記位相と同一位相で棚板載架手段(17)を、その載架部(23)を対向して複数段に渡って着脱自在に係着し、各載架部(23)所要数の棚板(24)をその長手方向両端において載架して成る側面開放車の荷台構造。
  3. 枠体(2)の前方大半に立設接合する支柱(3、3M)の中で最後方の両側端の支柱(3M)の後面に、直角状の横部材(31)と縦部材(32)からなり該横部材(31)に係着片(33)を接合したアタッチメント(30)を、該係着片(33)において係着して成る請求項2記載の側面開放車の荷台構造。
  4. 荷台(1)の運転席側最前端に配設される支柱(3)を、枠体(2)の前部枠柱(28)に嵌入して成る請求項1、2、3記載の側面開放車の荷台構造。
  5. 各段の棚板載架手段(17)の上方で、対向支柱(3、3M)間に荷崩れ防止手段(38)を配設して成る請求項1、2、3、4記載の側面開放車の荷台構造。
  6. 各支柱(3、3M)の下端が荷台(1)の台枠(2)に着脱自在に接合されるとともに、枠体(2)の長手方向に沿う上部の縦梁(7)又は/及び車幅方向に沿い該縦梁(7)に直角接合部(52)で接合する上部の横梁(53)にそれぞれ支柱(3、3M)の上部が案内手段を介して移動固定自在に吊下されて成る請求項1、2、3、4、5記載の側面開放車の荷台構造。
  7. 前記案内手段が前記直角接合部(52)で連通して成り、縦梁(7)で吊下移動する支柱(3、3M)が、直角接合部(52)から姿勢を90°変更して横梁(53)へ連続して吊下移動できることを特徴とする請求項6記載の側面開放車の荷台構造。
  8. 台枠(5)の車幅方向両側方で、荷台(1)の長手方向所要個所に、側部あおり(63)の水平開放姿勢を支持する支持手段(64)を配設して成る請求項1、2、3、4、5、6、7記載の側面開放車の荷台構造。
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