JP3676459B2 - コンベクションオーブン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱庫内の雰囲気を循環加熱しながら調理物の加熱調理を行うコンベクションオーブンに関する。特には、加熱庫内に均一に熱風を流通させることができるように改善されたコンベクションオーブンに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来の一般的なコンベクションオーブンの内部構造を示す平面断面図である。図3のコンベクションオーブン101内は調理物を加熱調理する加熱庫103となっている。加熱庫103内は、フィルター板111を境に、右側のホテルパン収納部103aと左側の加熱送風部103bに分けられる。フィルター板111の中央部は金網フィルターとなっている。ホテルパン収納部103aには調理物109を載せたホテルパン107が上下に何段も置かれる。加熱送風部103bには、ファン113と熱交換チューブ117が設置されている。
【0003】
ファン113はいわゆるシロッコファンのような遠心ファンであり、モーター115によって回転駆動され、その中央部右側面から風を吸って、その外周面から風を出す。したがって、ホテルパン収納部103a内の雰囲気は、フィルター板111の中央部からファン113に吸い込まれ、ファン113の外周(図の上下)に吹き出され、内部にガスバーナの排気が通っている熱交換チューブ117群によって加熱された後、フィルター板111の外側(図の上下)の熱風通路121からホテルパン収納部103aに吹き込まれる。この熱風によって庫内を熱し、その対流熱、放射熱で調理物の加熱調理を行う。庫内に吹き込まれた熱風は、再びフィルター板111中央部からファン113に吸い込まれて加熱庫103内を循環する。熱風の温度は、熱風通路横の温度センサ119により検知される。そして、庫内温度を設定温度にするためガスバーナ(図示されず)の燃焼が制御される。なお、ファン113の風の強さ(回転数)は、強弱(早・遅)の2段階に選択可能である。さらに、近年、庫内に蒸気を吹き込むボイラーを備えたスチームコンベクションオーブンも、調理能率が良いことと料理のバリエーションを広げられることから、飲食産業において普及しつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図3の従来のコンベクションオーブンは、庫内に設置したファン113で庫内雰囲気を強力に撹拌することにより庫内の熱風循環及び温度を均一化しようというものである。しかし、機構が単純なため、庫内には風の強い所と弱い所ができ、また温度の高い所と低いところができる。例えば風の強さは2〜10m/secであり、風の強い所では調理物であるケーキのトッピングが飛んでしまうようなことがある。温度については、例えば設定温度200℃に対して、高い所で205℃、低い所で185℃という差がある。温度が高いのは熱風通路(図2の121)付近であり、低いのは扉に面する部分やフィルター板の中央部である。
【0005】
このように加熱庫内の温度や風速が不均一なのは、遠心ファンでとにかく庫内の雰囲気を撹拌するという単純な機構に根本的な問題があるものと考えられる。また調理物の焼きムラを解消するために、コンベクションオーブンの加熱庫内にターンテーブルを置いて調理物を回しながら加熱調理することも考えられるが、ターンテーブル機構の分だけ設備費が高くなる。また、角形のホテルパンを用いる場合よりもその内接円に相当する丸形ホテルパンを用いるほうが加熱庫内に投入できる調理物の量が少なくなる。したがってこの方法にも難点がある。
【0006】
本発明は、コンベクションオーブンの熱風循環系統を抜本的に見直して、熱風の強弱や庫内各部の温度差の低減されたコンベクションオーブンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のコンベクションオーブンは、 調理物を加熱調理する加熱庫と、 この加熱庫外に設置された熱交換器と、 同じく加熱庫外に設置されたファンと、 加熱庫、熱交換器、ファン間に熱風を循環させるダクトと、 加熱庫内に分散して設けられた、ダクトから加熱庫に熱風を吹き出す複数の吹き出し口と、 加熱庫内に分散して設けられた、加熱庫からダクトへ熱風を吸い込む複数の吸い込み口と、 上記吹き出し口の開度を自動調節可能なモータダンパと、 各モータダンパを順次開閉して、加熱庫内に周回性を有する熱風流を形成するモータダンパ制御手段と、を具備し、上記吹き出し口及び/又は吸い込み口が、上記加熱庫の左側の側壁、奥側の側壁、及び、右側の側壁にそれぞれ配置されており、上記モータダンパ制御手段が、上記加熱庫の左側の側壁、奥側の側壁、及び、右側の側壁にそれぞれ配置された吹き出し口及び/又は吸い込み口の一部のみを順次開とする動作を繰り返すように各口のモータダンパを制御することを特徴とする。各吹き出し口から順番に熱風を吹き出すことにより、調理物から見れば熱風の来る方向が回っているようにすることができ、相対的にはあたかも庫内が回転しているかのような効果を得られる。
【0008】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、図面を参照しつつより具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係るコンベクションオーブンの熱風循環系統を示す模式的平面断面図である。
図1のコンベクションオーブン1においては、加熱庫3の側壁に複数の吸い込み口7と吹き出し口17が分散されて配置されている。すなわち、吸い込み口7については、左側の側壁4aの中央部に吸い込み口7aが、奥側の側壁4bの中央部に吸い込み口7bが、右側の側壁4cの中央部に吸い込み口7cが、それぞれ配置されている。
【0009】
一方、吹き出し口17については、左側の側壁4aの手前側に吹き出し口17aが、同側壁の奥側に吹き出し口17bが、奥側の側壁4bの両サイドに吹き出し口17c及び17dが、右側の側壁4cの奥と手前に吹き出し口17eと17fが、それぞれ配置されている。吹き出し口17a及び17fは、扉5のすぐ内側に配置されており、両吹き出し口17a、17fから吹き出される温風は、扉5のすぐ内側部分を流れて、扉5から放射熱損失により温度低下しやすい同部分に熱量を供給する。
【0010】
各吸い込み口7は、吸い込みダクト9で結ばれている。吸い込みダクト9の末端は、吸い込み口7aの左奥でファン11につながっている。ファン11は、吸い込みダクト9内の空気を吸引して、左側に隣り合う熱交換器13に向けて吹き出す。熱交換器13は、多管式あるいはフィン付管式等の熱交換器であり、ガスバーナの燃焼ガスとファンの送風(庫内雰囲気)との間で熱交換して庫内雰囲気を加熱する。熱交換器13を出た熱風は、吹き出しダクト15に送られて、吹き出しダクトにつながっている各吹き出し口17から庫内に吹き出す。
【0011】
図1のコンベクションオーブン1の各熱風吹き出し口17には、モータダンパ19が設置されている。モータダンパ19は、吹き出し口17で回動して、吹き出し口17の開度を調節することにより、各吹き出し口17から庫内に吹き出される熱風の風量を調節する役割を果す。モータダンパの回動量は、手動あるいは自動で設定可能である。手動の場合、例えば庫内に投入するホテルパンの枚数や調理物の分布、調理者の経験等により調節を行う。自動の場合は、庫内各部に温度センサあるいは風速センサを配置し、その値によって、庫内の温度分布、風量分布を最適に調節する。
【0012】
図2は、図1のコンベクションオーブンにおける周回性を有する熱風吹き出し運転の状態を示す一連の模式的平面図である。
図2(a)では、左側の側壁4aの吹き出し口17a及び17bのダンパー19a及び19bが全開となっており、その他の吹き出し口17c、17d、17e、17fのダンパー19c、19d、19e、19fは全閉となっている。そのため、加熱庫3内には、図の左から熱風が吹き出す。
図2(b)では、奥側の側壁4bの吹き出し口17c及び17dのみが全開となってその他は全閉となっているので、加熱庫3内には、図の上から熱風が吹き出す。
図2(c)では、右側の側壁4cの吹き出し口17e及び17fのみが全開となってその他は全閉となっているので、加熱庫3内には、図の右から熱風が吹き出す。
【0013】
図2の(a)、(b)、(c)をさらに繰り返すと、加熱庫3内に吹き出す風の方向があたかも時計回りに周回しているようなこととなる。したがって、加熱庫3内の調理物を回転させているような効果、すなわち各部の調理物の焼き上りが均一となるという効果を、調理物を回転させることなく得ることができる。なお、風向の一回転の周期としては、20〜60秒が妥当と考えられる。図2では吹き出し口17のみを開閉コントロールしたが、吸い込み口にもダンパーを設けて開閉コントロールしてもよい。
【0014】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のコンベクションオーブンは、各吹き出し口から順番に風が吹くことにより、あたかも庫内が回転しているかのような効果がある。その結果、加熱庫内の温度分布や風の強さのムラが少なくなり、調理物の焼きムラが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るコンベクションオーブンの熱風循環系統を示す模式的平面断面図である。
【図2】図1のコンベクションオーブンにおける周回性を有する熱風吹き出し運転の状態を示す一連の模式的平面図である。
【図3】従来の一般的なコンベクションオーブンの内部構造を示す平面断面図である。
【符号の説明】
1 コンベクションオーブン 3 加熱庫
4 側壁 5 扉
7 吸い込み口 9 吸い込みダクト
11 ファン 13 熱交換器
15 吹き出しダクト 17 吹き出し口
19 ダンパー
101 コンベクションオーブン 103 加熱庫
103a ホテルパン収納部 103b 加熱送風部
105 扉 107 ホテルパン
109 調理物 111 フィルター板
113 遠心ファン 115 モーター
117 熱交換チューブ(排気管) 119 温度センサ
121 熱風通路
Claims (1)
- 調理物を加熱調理する加熱庫と、
この加熱庫外に設置された熱交換器と、
同じく加熱庫外に設置されたファンと、
加熱庫、熱交換器、ファン間に熱風を循環させるダクトと、
加熱庫内に分散して設けられた、ダクトから加熱庫に熱風を吹き出す複数の吹き出し口と、
加熱庫内に分散して設けられた、加熱庫からダクトへ熱風を吸い込む複数の吸い込み口と、
上記吹き出し口の開度を自動調節可能なモータダンパと、
各モータダンパを順次開閉して、加熱庫内に周回性を有する熱風流を形成するモータダンパ制御手段と、
を具備し、
上記吹き出し口及び/又は吸い込み口が、上記加熱庫の左側の側壁、奥側の側壁、及び、右側の側壁にそれぞれ配置されており、
上記モータダンパ制御手段が、上記加熱庫の左側の側壁、奥側の側壁、及び、右側の側壁にそれぞれ配置された吹き出し口及び/又は吸い込み口の一部のみを順次開とする動作を繰り返すように各口のモータダンパを制御することを特徴とするコンベクションオーブン。
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JP30640195A JP3676459B2 (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | コンベクションオーブン |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30640195A JP3676459B2 (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | コンベクションオーブン |
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