JP3676398B2 - 搬送装置及びそのワーク受け渡し方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、所定の持上力を発生してワークを無重量状態にフローティング支持するフローティング支持装置に該ワークを把持する把持装置を設けてなる搬送装置及びそのワーク受け渡し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
重量の大きいワークを比較的に近接した2位置間で搬送する装置として、実公平4−14311号公報に記載されたものが公知である。この搬送装置は、昇降機構に設けた把持部でワークを把持して吊り上げ、昇降機構を所定位置まで走行させてワークの把持を解放するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の搬送装置を用いて上下方向に配置された複数段の棚を有する台車との間でワークの受け渡しを行う場合、最上段の棚に対してワークを受け渡しする場合と最下段の棚に対してワークを受け渡しする場合とで作業員の姿勢が大きく異なるため、作業員が無理な姿勢を強いられて作業効率が低下する問題がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、高低差のある位置との間でワークを受け渡しする場合に作業員の姿勢変化を少なくして作業効率を向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、所定の持上力を発生してワークを無重量状態にフローティング支持するフローティング支持装置に該ワークを把持する把持装置を設けてなり、この把持装置を用いて、上下方向に配置された複数段の棚を有する台車との間でワークの受け渡しを行えるようにした搬送装置であって、前記把持装置は、フローティング支持装置の搬送アームの先端に設けられて人手による操作で位置が任意に移動可能な位置操作部と、この位置操作部に昇降自在に支持された把持部と、この把持部を位置操作部に対して少なくとも上下2位置間で強制的に昇降駆動し得る昇降用シリンダ又は電気モータとを備え、台車の高い位置にある棚との間でワークを受け渡しする際には、昇降用シリンダ又は電気モータにより把持部を位置操作部に対し上昇させ、また台車の低い位置にある棚との間でワークを受け渡しする際には、昇降用シリンダ又は電気モータにより把持部を位置操作部に対し下降させることを特徴とする。
【0005】
また請求項2の発明は、所定の持上力を発生してワークを無重量状態にフローティング支持するフローティング支持装置に該ワークを把持する把持装置が設けられ、この把持装置が、フローティング支持装置の搬送アームの先端に設けられて人手による操作で位置が任意に移動可能な位置操作部と、この位置操作部に昇降自在に支持された把持部と、この把持部を位置操作部に対して少なくとも上下2位置間で強制的に昇降駆動し得る昇降用シリンダ又は電気モータとを備えてなる搬送装置において、前記把持装置を用いて、上下方向に配置された複数段の棚を有する台車との間でワークの受け渡しを行うためのワーク受け渡し方法であって、台車の高い位置にある棚との間でワークを受け渡しする際には、昇降用シリンダ又は電気モータにより把持部を位置操作部に対して上昇させた状態でワークの受け渡しを行い、また台車の低い位置にある棚との間でワークを受け渡しする際には、昇降用シリンダ又は電気モータにより把持部を位置操作部に対して下降させた状態でワークの受け渡しを行うことを特徴とする。
【0006】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
【0007】
図1〜図5は本発明の一実施例を示すもので、図1は搬送装置の全体側面図、図2は把持装置の斜視図、図3は図1の3方向拡大矢視図、図4は図3の4方向矢視図、図5は図2に対応する作用説明図である。
【0008】
図1に示すように、ワークWとしての自動車のサスペンションアッシィを搬送する台車Dは、その左右両側面に各4段の棚S1 〜S8 を備えており、各棚S1 〜S8 にそれぞれワークWが支持される。尚、左側の棚S2 ,S4 ,S6 ,S8 にワークWを出し入れする際には台車Dを図示位置に停止させ、右側の棚S1 ,S3 ,S5 ,S7 にワークWを出し入れする際には台車Dを180°方向変換した位置に停止させる。
【0009】
搬送装置Tは台車Dから図示せぬコンベアに、或いはコンベアから台車にワークWを移載するためのもので、公知のフローティング支持装置Fと、その先端に設けられた把持装置Gとから構成される。フローティング支持装置Fは、床面に立設した基台1に回転自在に支持された支柱2と、支柱2の上端に揺動自在に枢支された第1アーム3と、第1アーム3の先端に揺動自在に枢支された第2アーム4とからなり、前記把持装置Gに把持したワークWの重量を検出することにより、その重量をキャンセルし得る所定の大きさの持上力を発生してワークWを実質的に無重量状態でフローティング支持するようになっている。
【0010】
次に、図2〜図4を併せて参照しながら把持装置Gの構造を説明する。
【0011】
把持装置Gは、第2アーム4の先端に取り付けられた位置操作部5と、この位置操作部5に昇降自在に支持された把持部6とから構成される。
【0012】
位置操作部5は、上面に前記第2アーム4が接続され、且つ後面に作業者が右手で握る主グリップ7を突設した本体部8を備える。本体部8の下面を支持する水平基板9の前端に結合されて左右一対の補強板10,10で補強された垂直基板11は、その前面に上下方向に延びる左右一対のガイドレール12,12を備える。
【0013】
水平基板9の下面には右方向に延びる取付ブラケット13が設けられており、この取付ブラケット13に2段式の昇降用シリンダ14が上下方向に設けられる。昇降用シリンダ14は取付ブラケット13に支持された第1シリンダ15と、この第1シリンダ15の出力ロッドを兼ねる第2シリンダ16と、この第2シリンダ16の出力ロッド17とから構成される。このように、昇降用シリンダ14を2段式にすることにより、その全長を短縮しながら充分なストロークを確保することができる。
【0014】
把持部6は、前記一対のガイドレール12,12にスライドガイド18,18を介して上下摺動自在に支持されたスライドベース19を備える。スライドベース19の前面に左右方向に延びるビーム20が固定されており、このビーム20の中央部にワークWの中央部下面に当接する一対の第1把持腕21,21が設けられるとともに、左右両端部にワークWの左右両端部上面に当接する一対の第2把持腕22,22が設けられる。従って、水平に置かれたワークWの側方から把持部6を水平方向に挿入するだけで、前記第1把持腕21,21及び第2把持腕22,22でワークWを把持することができる。
【0015】
前記昇降用シリンダ14の出力ロッド17の上端が、前記スライドベース19の後面に設けた連結ブラケット23に結合される。従って、図示せぬスイッチを操作して昇降用シリンダ14を伸長駆動すると、把持部6は位置操作部5に対して相対的に上昇して停止する。また、昇降用シリンダ14を収縮駆動すると、把持部6は位置操作部5に対して相対的に下降して停止する。尚、符号24は把持部6の上限位置を規制する上部ストッパ、符号25は把持部6の下限位置を規制する下部ストッパである。
【0016】
把持部6を上昇位置にロックすべく、位置操作部5と把持部6との間にロック機構26が設けられる。ロック機構26は、垂直基板11の左端に設けた軸受ブラケット27にピン28を介して枢支された係止部材29と、この係止部材29と一体に設けられたレバー30と、スライドベース19に設けられて前記係止部材29の上面に係合可能な被係止部材31とから構成される。従って、把持部6が上昇位置にあるとき、レバー30を図3の実線位置に操作することにより、係止部材29を被係止部材31の下面に挿入して把持部6を上昇位置にロックすることができる。把持部6を下降させるには、レバー30を鎖線位置に回動させてロックを解除した後、昇降用シリンダ14を収縮させれば良い。
ビーム20の左側には作業員が左手で握る補助グリップ32が設けられる。
【0017】
而して、例えば台車Dの高い位置にある棚S5 〜S8 のワークWを取り出す際には、図1実線及び図2に示すように、昇降用シリンダ14を伸長駆動して把持部6を位置操作部5に対して上昇させ、この状態で作業員が右手及び左手で主グリップ7及び補助グリップ32を握って把持装置Gの位置を移動させることにより、把持部6でワークWを把持して持ち上げる。このとき、フローティング支持装置FがワークWの重量に見合った持上力を発揮するため、作業員は僅かな力でワークWを搬送することができる。また、位置操作部5に対して把持部6の高さを上昇させているので、台車Dの高い位置にある棚S5 〜S8 のワークWを取り出す場合にも、作業員は伸び上がるような姿勢を取ることなく、楽な姿勢でワークWを取り出すことができる。
【0018】
また、例えば台車Dの低い位置にある棚S1 〜S4 のワークWを取り出す際には、図1鎖線及び図5に示すように、昇降用シリンダ14を収縮駆動して把持部6を位置操作部5に対して下降させた状態で把持装置Gの位置を移動させることにより、把持部6でワークWを把持して持ち上げる。このように、台車Dの低い位置にある棚S1 〜S4 のワークWを取り出す場合に、作業員は身体を屈めることなく楽な姿勢でワークWを取り出すことができる。
【0019】
尚、中間の高さの棚32 〜37 からワークWを取り出す際に、作業員の身長や好みに応じて把持部6を上昇位置又は下降位置の何れか一方に固定することができる。また、コンベアから台車Dの棚S1 〜S8 にワークWを移載する場合も、前述と逆の手順で行うことができる。
【0020】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものでなく、種々の設計変更を行うことが可能である。
【0021】
例えば、ワークWは自動車のサスペンションアッシィに限定されず、他の任意のワークでも良い。また、把持部6の上下位置の調整は上下2段階に限定されず、3段階以上でも無段階でも良い。また、把持部6の昇降を昇降用シリンダ14で行う代わりに、電気モータで行うことができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、搬送装置において、ワークを無重量状態にフローティング支持するフローティング支持装置に設けた把持装置を用いて、上下方向に配置された複数段の棚を有する台車との間でワークの受け渡しを行うに当たり、フローティング支持装置の搬送アームの先端に設けられて人手による操作で位置が任意に移動可能な位置操作部と、この位置操作部に昇降自在に支持された把持部と、この把持部を位置操作部に対して少なくとも上下2位置間で強制的に昇降駆動し得る昇降用シリンダ又は電気モータとを備えた把持装置を用い、台車の高い位置にある棚との間でワークを受け渡しする際には、昇降用シリンダ又は電気モータにより把持部を位置操作部に対して上昇させた状態でワークの受け渡しを行い、また台車の低い位置にある棚との間でワークを受け渡しする際には、昇降用シリンダ又は電気モータにより把持部を位置操作部に対して下降させた状態でワークの受け渡しを行えるようにしたので、例えば最上段の棚に対してワークを受け渡しする場合と最下段の棚に対してワークを受け渡しする場合とでの作業員の姿勢変化を少なくでき、作業員は無理な姿勢を取ることなく楽な姿勢で作業を行うことができるから、作業能率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 搬送装置の全体側面図
【図2】 把持装置の斜視図
【図3】 図1の3方向拡大矢視図
【図4】 図3の4方向矢視図
【図5】 図2に対応する作用説明図
【符号の説明】
F フローティング支持装置
G 把持装置
S 1 〜S 8 棚
W ワーク
3 第1アーム(搬送アーム)
4 第2アーム(搬送アーム)
5 位置操作部
6 把持部
14 昇降用シリンダ
Claims (2)
- 所定の持上力を発生してワーク(W)を無重量状態にフローティング支持するフローティング支持装置(F)に該ワーク(W)を把持する把持装置(G)を設けてなり、この把持装置(G)を用いて、上下方向に配置された複数段の棚(S 1 〜S 8 )を有する台車(D)との間でワーク(W)の受け渡しを行えるようにした搬送装置であって、
前記把持装置(G)は、フローティング支持装置(F)の搬送アーム(3,4)の先端に設けられて人手による操作で位置が任意に移動可能な位置操作部(5)と、この位置操作部(5)に昇降自在に支持された把持部(6)と、この把持部(6)を位置操作部(5)に対して少なくとも上下2位置間で強制的に昇降駆動し得る昇降用シリンダ(14)又は電気モータとを備え、
台車(D)の高い位置にある棚(S 5 〜S 8 )との間でワーク(W)を受け渡しする際には、昇降用シリンダ(14)又は電気モータにより把持部(6)を位置操作部(5)に対し上昇させ、また台車(D)の低い位置にある棚(S 1 〜S 4 )との間でワーク(W)を受け渡しする際には、昇降用シリンダ(14)又は電気モータにより把持部(6)を位置操作部(5)に対し下降させることを特徴とする搬送装置。 - 所定の持上力を発生してワーク(W)を無重量状態にフローティング支持するフローティング支持装置(F)に該ワーク(W)を把持する把持装置(G)が設けられ、この把持装置(G)が、フローティング支持装置(F)の搬送アーム(3,4)の先端に設けられて人手による操作で位置が任意に移動可能な位置操作部(5)と、この位置操作部(5)に昇降自在に支持された把持部(6)と、この把持部(6)を位置操作部(5)に対して少なくとも上下2位置間で強制的に昇降駆動し得る昇降用シリンダ(14)又は電気モータとを備えてなる搬送装置において、前記把持装置(G)を用いて、上下方向に配置された複数段の棚(S 1 〜S 8 )を有する台車(D)との間でワーク(W)の受け渡しを行うためのワーク受け渡し方法であって、
台車(D)の高い位置にある棚(S 5 〜S 8 )との間でワーク(W)を受け渡しする際には、昇降用シリンダ(14)又は電気モータにより把持部(6)を位置操作部(5)に対して上昇させた状態でワーク(W)の受け渡しを行い、
また台車(D)の低い位置にある棚(S 1 〜S 4 )との間でワーク(W)を受け渡しする際には、昇降用シリンダ(14)又は電気モータにより把持部(6)を位置操作部(5)に対して下降させた状態でワーク(W)の受け渡しを行うことを特徴とする、搬送装置におけるワーク受け渡し方法。
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- 1994-08-04 JP JP18313894A patent/JP3676398B2/ja not_active Expired - Fee Related
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