JP3676277B2 - 杭打設方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、杭を支持する杭リーダーと、この杭リーダーに支持された杭を打ち込むハンマーとを有する杭打船による杭打設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、海上での杭打船による杭打作業の際には、陸上又は海上櫓上の二箇所にセオドライト等の測量機を設置し、それぞれの測量機を測量員が直接操作し、この測量員が杭打船に支持された杭の水平位置及び高さ位置を測定していた。一方、杭打船上では操作員が上記二箇所の測量員と連絡を取り合いながら杭リーダーとハンマーとからなる杭打機を操作し、これにより杭が打設されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような人手による測量及び合図伝達による作業では手間や時間がかかり非効率的であるほか、天候等の影響により測量員の作業環境が良好でない場合もあって人件費も嵩んでいた。
【0004】
一方、例えば特許第2946475号公報には、遠隔操作が可能な測量機とコンピュータとを用いて測量員を不要とする杭打設方法が記載されているが、この方法では電子測量機を杭打船からある程度近い位置に配置しなければならない。したがって、その電子測量機を地上に配置すれば高精度な測量に基づく杭打設作業を沿岸から離れた沖合いで行うことができなくなり、沖合いでの高精度な測量を可能とすべくそれを海上に配置するには海上構造物の設置等にそれなりの時間やコストを要する。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、人手がかからず沿岸から離れた沖合いでも高精度な測量に基づく杭の打設が可能であるとともに、工期の短縮及びコストの低廉化を図ることができる杭打設方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、杭を支持する杭リーダーと、該杭リーダーに支持された杭を打ち込むハンマーとを有する杭打船による杭打設方法であって、陸上又は海上の固定点にRTK−GPS固定局を設けるとともに、前記杭打船にRTK−GPS移動局及び該RTK−GPS移動局に対する位置が固定されたトータルステーションを設け、前記杭リーダーに第一の反射部材を設け、前記杭打船に前記RTK−GPS移動局に対する位置が固定された第二の反射部材を設け、前記RTK−GPS固定局及び前記RTK−GPS移動局によりRTK−GPS観測を行い該RTK−GPS移動局の位置を決定し、該RTK−GPS移動局の位置に基づいて前記第二の反射部材の位置を決定し、前記トータルステーションにより前記第二の反射部材の位置を求めることによって前記トータルステーションの位置を決定し、該トータルステーションにより前記第一の反射部材の位置を決定し、該第一の反射部材の位置に基づいて前記杭リーダーに支持された杭の位置を把握しながらその杭を打設することを特徴とする。
【0007】
請求項1に係る発明によれば、RTK−GPS移動局の位置決定等の各処理をコンピュータ等からなる制御装置により自動的に実行することによって、測量員を不要として人手を削減することができるほか、杭位置を決定するに際してまず杭打船の位置(RTK−GPS移動局の位置)をRTK−GPS観測により求めるので、沿岸から離れた沖合いでの高精度な測量が可能である。
【0008】
また、RTK−GPS観測の後に行う杭位置の観測にトータルステーションを用いることにより、GPS観測装置と傾斜計等のセンサーとを用いる方法、光波測距儀と傾斜計等のセンサーとを用いる方法に比しても測量精度を高めることができる。
【0009】
さらに、そのトータルステーションを杭打船上に設けているので、杭打船の船外に海上構造物を設置する必要等がなく杭打船のみで施工現場に赴き即座に作業を行うことができ、工期の短縮及びコストの低廉化を図ることができる。
そして、第二の反射部材を介してトータルステーションの位置を決定するので、RTK−GPS移動局とトータルステーションとを近くに配置することができない場合でもトータルステーションの位置決定の演算を容易化することが可能となる。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の杭打設方法において、前記杭リーダーを斜杭の打設用に傾斜させるとともに該杭リーダーに第三の反射部材を設け、前記トータルステーションにより前記第一の反射部材及び前記第三の反射部材の各位置を決定し、前記第一の反射部材及び前記第三の反射部材の各位置に基づいて前記杭リーダーに支持された杭の位置を把握することを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、傾斜した杭リーダーに第一の反射部材及び第三の反射部材を設け、それらの各位置に基づいて斜杭の位置を把握するので、一般に沖合いでの高精度な測量が難しいとされていた斜杭の位置を精度よく検出することができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の杭打設方法において、前記ハンマーに第四の反射部材を設け、前記トータルステーションにより前記第四の反射部材の位置を決定し、該第四の反射部材の位置に基づいて前記杭リーダーに支持された杭の杭頭位置を把握しながらその杭を打設することを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、ハンマーに第四の反射部材を設け、その位置に基づいて杭頭の位置を把握し杭を打設するので、杭の打設状況(打込残量)を正確に検出することができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の杭打設方法において、前記トータルステーションを前記杭打船の姿勢にかかわらず水平に保つように自動整準装置上に設けることを特徴とする。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、トータルステーションを自動整準装置上に設けてその水平姿勢を保つので、トータルステーションによる観測の精度を杭打船の姿勢にかかわらず確保して杭位置の検出精度を高めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1及び図2は、本発明に係る杭打設方法に用いられる杭打ちシステムを示す。この杭打ちシステム1は、海上において鋼管杭Pを斜杭として打設するためのもので、陸上に固定されたRTK−GPS固定局2と、杭Pを支持する杭リーダー3及び杭Pを打ち込むハンマー4を有し、かつ、RTK−GPS移動局5,6及びコンピュータ7(図2においては不図示)が設けられた杭打船8とから構成されている。
【0020】
RTK−GPS固定局2はGPSアンテナ9及び受信機10を備え、RTK−GPS移動局5はGPSアンテナ11及び受信機12を備え、RTK−GPS移動局6はGPSアンテナ13及び受信機14を備えている。RTK−GPS固定局2及びRTK−GPS移動局5,6は図示を略すGPS衛星からの電波を受信し、この受信信号が無線又は有線によりコンピュータ7に送信されることにより、RTK−GPS測量が行われてRTK−GPS移動局5,6の各位置が求められるようになっている。
【0021】
また、杭打船8には、RTK−GPS移動局5,6に対する相対的な位置が固定された第二の反射部材としての反射ミラー15と、自動追尾トータルステーション16と、自動整準装置17と、上下動計測装置18と、CCDカメラ19とが設けられている。
【0022】
RTK−GPS移動局5,6は杭打船8の船体20の幅方向にのびる直線L上に位置するように設けられ、反射ミラー15はその直線L上にほぼ位置するようにRTK−GPS移動局5,6の近傍に設けられている。自動追尾トータルステーション16はその水平姿勢が維持されるように自動整準装置17上に設けられ、鉛直方向にのびる軸線Oを中心に回転することにより反射ミラー15、杭リーダー3及びハンマー4を望み得るようになっている。上下動計測装置18はその相対高さを検出すべく加速度計を内蔵し、自動追尾トータルステーション16の近傍に設置されている。CCDカメラ19は杭打船8の甲板上で杭リーダー3を望む箇所に位置し、杭Pについての画像解析を行う際に用いられる。
【0023】
杭リーダー3は杭打船8の船体20の前部に設けられ、杭Pの打設角度に合わせて傾斜している。杭リーダー3には第一の反射部材としての反射ミラー21及び第三の反射部材としての反射ミラー22が上下に並んで固着され、これらは自動追尾トータルステーション16により視準されるようになっている。杭リーダー3の上部にはハンマー4が設けられ、ハンマー4には第四の反射部材としての反射ミラー23が自動追尾トータルステーション16により視準されるように固着されている。
【0024】
この杭打ちシステム1による杭Pの打設作業時には、コンピュータ7がRTK−GPS固定局2及びRTK−GPS移動局5,6からの信号を受信してRTK−GPS移動局5,6の各地上座標をリアルタイムに(例えば0.5秒間隔で)把握するとともに、上下動計測装置18の検出結果をリアルタイムに把握する。
【0025】
ここで、「地上座標」とは平面直角座標系の水平座標及び高さ座標をいい、ここでは杭打船8に二つのRTK−GPS移動局5,6が設けられており時刻tにおける二つの地上座標(XG1(t),YG1(t),HG1(t)),(XG2(t),YG2(t),HG2(t))が得られるので、杭打船8の位置のみならずその向き(船体20の長さ方向の方向角α(t))も求めることができる(図3、図4参照)。
【0026】
また、杭打船8上に直角座標系を設定し、この座標系の水平座標及び高さ座標を「船上座標」とすると、RTK−GPS移動局5,6の船上座標(XsG1,YsG1,HsG1),(XsG2,YsG2,HsG2)、自動追尾トータルステーション16の船上座標(XsT,YsT,HsT)及び反射ミラー15の船上座標(XsK1,YsK1,HsK1)の相対的な関係は予めわかっているので、コンピュータ7は上記地上座標(XG1(t),YG1(t),HG1(t)),(XG2(t),YG2(t),HG2(t))に基づいて、時刻tにおける自動追尾トータルステーション16の地上座標(XT(t),YT(t))、反射ミラー15の地上座標(XK1(t),YK1(t))及び高さHK1(t)を求めることができるとともに、その地上座標(XT(t),YT(t)),(XK1(t),YK1(t))に基づいて反射ミラー15の方向角αK0(t)を求めることができる。
【0027】
さらに、コンピュータ7は上下動計測装置18の検出結果を受信して、時刻tにおける自動追尾トータルステーション16の相対高さh(t)を求めることができる(図5参照)。
【0028】
以上の前提の下で杭打ちシステム1による杭Pの位置検出手順を図6乃至図8に従い説明すると、まず、コンピュータ7は自動追尾トータルステーション16が船体20の後方を向いて反射ミラー15を視準したか否かを判断し(ステップ1(図6においてS.1と記載。以下同様))、視準したと判断したときにはその時刻tをt0として確保する(ステップ2)。そして、RTK−GPS移動局5,6の地上座標(XG1(t0),YG1(t0),HG1(t0)),(XG2(t0),YG2(t0),HG2(t0))に基づいて反射ミラー15の高さHK0(t0)を求めるが、この値は反射ミラー15がRTK−GPS移動局5,6の近傍に位置することを利用して、すなわち、反射ミラー15とRTK−GPS移動局5,6とが同一直線上にあることを利用して比例計算により容易に算出することができる(ステップ3)。
【0029】
つぎに、コンピュータ7は時刻t0における自動追尾トータルステーション16から見た反射ミラー15の水平角(自動追尾トータルステーション16における輪盤の読み角度)βK0(t0)、鉛直角γK0(t0)及び斜距離SK0(t0)(図9参照)を求め(ステップ4)、同時刻における自動追尾トータルステーション16の高さHT(t0)を次式(1)により算出する(ステップ5)。
【0030】
HT(t0)=HK0(t0)+SK0(t0)× sin γK0(t0) … (1)
また他方で、コンピュータ7は上下動計測装置18の検出結果を受信して、時刻t0における自動追尾トータルステーション16の相対高さh(t0)を取得する(ステップ6)。
【0031】
続いて、自動追尾トータルステーション16は杭リーダー3に固着された反射ミラー21を視準するが、コンピュータ7は自動追尾トータルステーション16が反射ミラー21を視準したか否かを判断し(ステップ7)、視準したと判断したときにはその時刻tをt1として確保する(ステップ8)。そして、時刻t1における自動追尾トータルステーション16の地上座標(XT(t1),YT(t1))を求め(ステップ9)、自動追尾トータルステーション16の相対高さh(t1)を取得し(ステップ10)、同時刻における自動追尾トータルステーション16の高さHT(t1)を式(2)により算出する(ステップ11)。
【0032】
HT(t1)=HT(t0)+{h(t1)−h(t0)} … (2)
さらに、コンピュータ7は図4に示したように反射ミラー15の方向角αK0(t1)を求めた後に(ステップ12)、時刻t1における自動追尾トータルステーション16から見た反射ミラー21の水平角βK1(t1)、鉛直角γK1(t1)及び斜距離SK1(t1)を求め(ステップ13)、式(3)〜式(6)により反射ミラー21の地上座標(XK1(t1),YK1(t1),HK1(t1))を算出する(ステップ14)。
【0033】
また、図10に示すように、反射ミラー21を含む水平面内において反射ミラー21と杭中心(杭Pの軸線位置)p1との離間距離r1は既知であるので、コンピュータ7は前ステップで算出した反射ミラー21の地上座標(XK1(t1),YK1(t1),HK1(t1))に基づいて、その杭中心p1の時刻t1における地上座標(Xp1(t1),Yp1(t1))を求める。すなわち、コンピュータ7は時刻t1における船体20の方向角α(t1)を求め(ステップ15)、この方向角α(t1)を用いて高さHK1(t1)における地上座標(Xp1(t1),Yp1(t1))を次式(7),(8)により求める(ステップ16)。
【0034】
Xp1(t1)=XK1(t1)+dX=XK1(t1)+r1×cos α(t1)… (7)
Yp1(t1)=YK1(t1)+dY=YK1(t1)+r1×sin α(t1)… (8)
ここまでの処理が完了すると、自動追尾トータルステーション16は今度は杭リーダー3に固着された反射ミラー22を視準するが、コンピュータ7は自動追尾トータルステーション16が反射ミラー22を視準したか否かを判断し(ステップ17)、視準したと判断したときにはその時刻tをt2として確保する(ステップ18)。そして、時刻t2における自動追尾トータルステーション16の地上座標(XT(t2),YT(t2))を求め(ステップ19)、自動追尾トータルステーション16の相対高さh(t2)を取得し(ステップ20)、同時刻における自動追尾トータルステーション16の高さHT(t2)を式(9)により算出する(ステップ21)。
【0035】
HT(t2)=HT(t0)+{h(t2)−h(t0)} … (9)
さらに、コンピュータ7は反射ミラー15の方向角αK1(t2)を求めた後に(ステップ22)、時刻t2における自動追尾トータルステーション16から見た反射ミラー22の水平角βK2(t2)、鉛直角γK2(t2)及び斜距離SK2(t2)を求め(ステップ23)、式(10)〜式(13)により反射ミラー22の地上座標(XK2(t2),YK2(t2),HK2(t2))を算出する(ステップ24)。
【0036】
また、反射ミラー22を含む水平面内において反射ミラー22と杭中心(杭Pの軸線位置)p2との離間距離r2は既知であるので、コンピュータ7は前ステップで算出した反射ミラー22の地上座標(XK2(t2),YK2(t2),HK2(t2))に基づいて、その杭中心p2の時刻t2における地上座標(Xp2(t2),Yp2(t2))を求める。すなわち、コンピュータ7は時刻t2における船体20の方向角α(t2)を求め(ステップ25)、この方向角α(t2)を用いて高さHK2(t2)における地上座標(Xp2(t2),Yp2(t2))を次式(14),(15)により求める(ステップ26)。
【0037】
Xp2(t2)=XK2(t2)+dX=XK2(t2)+r2×cos α(t2)…(14)
Yp2(t2)=YK2(t2)+dY=YK2(t2)+r2×sin α(t2)…(15)
ステップ16、ステップ26において杭中心p1,p2の地上座標(Xp1(t1),Yp1(t1),HK1(t1)),(Xp2(t2),Yp2(t2),HK2(t2))が得られたので、コンピュータ7はその2点を結ぶ直線を杭Pの軸線と考えることによって杭Pの設計高さHPにおける位置(XP,YP)、傾斜度dr/dH(但しdHは杭Pの鉛直方向の微小長さ、drは杭Pの水平方向の微小長さ)及び傾斜方向角αp(上記杭中心p1,p2の座標(Xp1(t1),Yp1(t1)),(Xp2(t2),Yp2(t2))を結んだ直線がX軸となす方向角)を算出し(ステップ27)、これらが設計値に対して誤差の範囲内にあるか否かを判断する(ステップ28)。なお、杭中心p1,p2の地上座標は時刻t2,t3の異なる時点で観測されたものであるが、一連の処理はコンピュータ7によりごく短時間で行われるため、その時刻の差は上記各値を求めるに際してさほど問題とならない。
【0038】
前ステップの判断の結果、上記各値が誤差の範囲内になければ杭打船8又は杭リーダー3の位置を修正した後に再度ステップ1に戻り(ステップ29)、誤差の範囲内にあればコンピュータ7はそのときの時刻t3を確保するとともに(ステップ30)、杭Pの杭頭に接するまでハンマー4を降ろしてこれをその位置に静止させる(ステップ31)。そして、時刻t3における自動追尾トータルステーション16の地上座標(XT(t3),YT(t3))を求め(ステップ32)、自動追尾トータルステーション16の相対高さh(t3)を取得し(ステップ33)、同時刻における自動追尾トータルステーション16の高さHT(t3)を式(16)により算出する(ステップ34)。
【0039】
HT(t3)=HT(t0)+{h(t3)−h(t0)} … (16)
さらに、コンピュータ7は反射ミラー15の方向角αK0(t3)を求めた後に(ステップ35)、時刻t3における自動追尾トータルステーション16から見た反射ミラー23の鉛直角γK3(t3)及び斜距離SK3(t3)を求め(ステップ36)、式(17)により反射ミラー23の高さHK3(t3)を算出する(ステップ37)。
【0040】
HK3(t3)=HT(t3)+SK3(t3)×sin γK3(t3) … (17)
また、反射ミラー23とハンマー4の杭Pに対する当接面4aとの高さの差は既知であるので、これによりコンピュータ7はその時点における杭Pの杭頭Paの高さHPa(t3)を求め(ステップ38)、これが打設完了位置よりも高いか否かを判断する(ステップ39)。その高さHPa(t3)が打設完了位置よりも高い場合には、コンピュータ7はハンマー4を動作制御して杭Pを打ち込んだ後にステップ1に戻り(ステップ40)、その高さHPa(t3)が打設完了位置に達した場合には、コンピュータ7は杭打設作業を完了する。
【0041】
この実施の形態に係る杭打設方法によれば、RTK−GPS移動局5,6の位置決定等の各処理をコンピュータ7により自動的に実行することによって、測量員を不要として人手を削減することができるほか、杭位置を決定するに際してまず杭打船8の位置をRTK−GPS観測により求めるので、沿岸から離れた沖合いでの高精度な測量が可能である。
【0042】
また、そのRTK−GPS観測の後に行う杭位置の観測には自動追尾トータルステーション16を用いるが、この自動追尾トータルステーション16を杭打船8上に設けているので、杭打船8の船外に海上構造物を設置する必要等がなく杭打船8のみで施工現場に赴き即座に作業を行うことができ、工期の短縮及びコストの低廉化を図ることができる。
【0043】
さらに、傾斜した杭リーダー3に反射ミラー22及び反射ミラー23を設け、それらの各位置に基づいて斜杭の位置を把握するので、一般に沖合いでの高精度な測量が難しいとされていた斜杭の位置を精度よく検出することができるほか、自動追尾トータルステーション16を自動整準装置17上に設けてその水平姿勢を保つので、杭打船8の姿勢にかかわらず観測精度を確保して杭位置の検出精度を一層高めることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、RTK−GPS移動局の位置決定等の各処理をコンピュータ等からなる制御装置により自動的に実行することによって、測量員を不要として人手を削減することができるほか、杭位置を決定するに際してまず杭打船の位置(RTK−GPS移動局の位置)をRTK−GPS観測により求めるので、沿岸から離れた沖合いでの高精度な測量が可能である。
【0045】
また、RTK−GPS観測の後に行う杭位置の観測にトータルステーションを用いることにより、GPS観測装置と傾斜計等のセンサーとを用いる方法、光波測距儀と傾斜計等のセンサーとを用いる方法に比しても測量精度を高めることができる。
【0046】
さらに、そのトータルステーションを杭打船上に設けているので、杭打船の船外に海上構造物を設置する必要等がなく杭打船のみで施工現場に赴き即座に作業を行うことができ、工期の短縮及びコストの低廉化を図ることができる。
そして、第二の反射部材を介してトータルステーションの位置を決定するので、RTK−GPS移動局とトータルステーションとを近くに配置することができない場合でもトータルステーションの位置決定の演算を容易化することが可能となる。
【0048】
請求項2に係る発明によれば、傾斜した杭リーダーに第一の反射部材及び第三の反射部材を設け、それらの各位置に基づいて斜杭の位置を把握するので、一般に沖合いでの高精度な測量が難しいとされていた斜杭の位置を精度よく検出することができる。
【0049】
請求項3に係る発明によれば、ハンマーに第四の反射部材を設け、その位置に基づいて杭頭の位置を把握し杭を打設するので、杭の打設状況(打込残量)を正確に検出することができる。
【0050】
請求項4に係る発明によれば、トータルステーションを自動整準装置上に設けてその水平姿勢を保つので、トータルステーションによる観測の精度を杭打船の姿勢にかかわらず確保して杭位置の検出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る杭打設方法に用いられる杭打ちシステムを模式的に示す平面図である。
【図2】図1の杭打ちシステムを示す側面図である。
【図3】測量に必要な諸量を示す説明図である。
【図4】リアルタイムに得られるRTK−GPS移動局の地上座標から諸量が決定されることを示す説明図である。
【図5】リアルタイムに得られる上下動計測装置の検出結果から自動追尾トータルステーションの相対高さが決定されることを示す説明図である。
【図6】図1の杭打ちシステムによる杭打設方法を示す流れ図である。
【図7】図6に続く手順を示す流れ図である。
【図8】図7に続く手順を示す流れ図である。
【図9】自動追尾トータルステーションから見た反射ミラー(第二の反射部材)の鉛直角及び斜距離を示す説明図である。
【図10】反射ミラー(第一の反射部材)と杭中心との離間距離を示す説明図である。
【符号の説明】
1 杭打ちシステム
2 RTK−GPS固定局
3 杭リーダー
4 ハンマー
5,6 RTK−GPS移動局
7 コンピュータ
8 杭打船
15 反射ミラー(第二の反射部材)
16 自動追尾トータルステーション(トータルステーション)
17 自動整準装置
21 反射ミラー(第一の反射部材)
22 反射ミラー(第三の反射部材)
23 反射ミラー(第四の反射部材)
Claims (4)
- 杭を支持する杭リーダーと、該杭リーダーに支持された杭を打ち込むハンマーとを有する杭打船による杭打設方法であって、
陸上又は海上の固定点にRTK−GPS固定局を設けるとともに、前記杭打船にRTK−GPS移動局及び該RTK−GPS移動局に対する位置が固定されたトータルステーションを設け、
前記杭リーダーに第一の反射部材を設け、
前記杭打船に前記RTK−GPS移動局に対する位置が固定された第二の反射部材を設け、
前記RTK−GPS固定局及び前記RTK−GPS移動局によりRTK−GPS観測を行い該RTK−GPS移動局の位置を決定し、
該RTK−GPS移動局の位置に基づいて前記第二の反射部材の位置を決定し、
前記トータルステーションにより前記第二の反射部材の位置を求めることによって前記トータルステーションの位置を決定し、
該トータルステーションにより前記第一の反射部材の位置を決定し、
該第一の反射部材の位置に基づいて前記杭リーダーに支持された杭の位置を把握しながらその杭を打設することを特徴とする杭打設方法。 - 前記杭リーダーを斜坑の打設用に傾斜させるとともに該杭リーダーに第三の反射部材を設け、
前記トータルステーションにより前記第一の反射部材及び前記第三の反射部材の各位置を決定し、
前記第一の反射部材及び前記第三の反射部材の各位置に基づいて前記杭リーダーに支持された杭の位置を把握することを特徴とする請求項1に記載の杭打設方法。 - 前記ハンマーに第四の反射部材を設け、
前記トータルステーションにより前記第四の反射部材の位置を決定し、
該第四の反射部材の位置に基づいて前記杭リーダーに支持された杭の杭頭位置を把握しながらその杭を打設することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の杭打設方法。 - 前記トータルステーションを前記杭打船の姿勢にかかわらず水平に保つように自動整準装置上に設けることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の杭打設方法。
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