JP3492598B2 - 浮体構造物上における三次元座標の測量方法 - Google Patents
浮体構造物上における三次元座標の測量方法Info
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ける三次元座標の測量方法に関するものである。
等の沈埋函の位置決め測量には、いくつかの方法が用い
られているが、一般的には、図5に示すように、沈埋函
51上に設置した測量塔52を陸上から誘導する方法
と、水中で沈埋函51接合部の相対的な位置をソナーや
ダイバー53にて確認する方法とが併用されている。沈
埋函の位置決め測量に関して、GPS(global positio
ning system)や自動追尾式トータルステーションを用
いたリアルタイム測量を行う場合、目標となる構造物
(沈埋函)の座標は、特開平10−280499号公報
の図1に示されるように構造物上に設置されたGPS受
信アンテナもしくは全方向性のプリズム等の受信部を設
置したタワー(測量塔)によってあらわされる。その際
に、あらかじめ構造物の座標とGPS受信アンテナもし
くは測量塔の座標との位置関係を把握しておく必要があ
る。
を、構造物を水上に浮かべる前に行うことができる場合
は、地上で構造物と受信部(アンテナまたは測量塔)の
座標を測定して相互の位置関係を把握すれば良いが、構
造物を水上に浮かべた後に受信部を設置する必要がある
場合は、水上に浮いている構造物(浮体構造物)上で受
信部の三次元座標を確認する必要がある。このような場
合、水上で受信部を設置した後に巻尺で設置精度を確認
する等の方法が行われており、正確な測量が行えなかっ
た。また、受信部を設置する測量塔の高さが高くなるほ
ど誤差が大きくなり、その結果、受信部の座標と構造物
との相対座標との誤差が位置決め測量の誤差となって生
じることとなる。
する測量では、図6に示すように、陸上測量で得られた
測量塔上部のプリズム61の三次元座標のうち、X,Y
座標が水中で計画勾配に保たれた沈埋函上部の基準点6
2のX,Y座標と一致しているとして水中における沈埋
函の三次元座標(例えば沈埋函端部63の三次元座標)
を算出するため、沈埋函と測量塔に設置したプリズムな
どの目標物との相対的な位置関係の精度の善し悪しが、
位置決め測量の精度を決定付けることになる。
め測量は、沈設する函体の後方の位置を確認するのみで
あることが多く、測量塔も沈埋函後方に一基のみを設置
する場合が多い。この場合の測量塔上部のプリズム座標
値と沈埋函の座標値との照合は以下のような方法で行う
ことが一般的である。
置しておく方法 沈埋函の個数が少ない場合には、図7に示すように、函
体(沈埋函)製作時にドライドック71にて、予め全て
の函体(沈埋函)72に測量塔73を設置しておき、沈
埋函72を水上に浮かべる前にプリズム(図示省略)の
位置を決定していた。この方法によれば、沈埋函72と
測量塔73の関係は陸上で確認できるために精度良く測
量できるが、全函体分の測量塔73が必要になり不経済
である。また、工事現場が空港に近いなど、曳航時に高
度制限がある場合には一時的に測量塔73を撤去しなく
てはならないため、沈設地点で再度測量塔73を設置す
る場合の確認測量が必要である。
量塔上部から沈埋函内へ下げ振りをたらす方法 沈埋函81上に設置する測量塔82をアクセスシャフト
と兼用し、沈設中にも沈設函81内に人が立ち入り、測
量塔82上部からた下げ振り83と沈埋函81の下床版
84上に設けた測量基準点85との対比が行えるように
している(図8参照)。この方法では、沈埋函81上部
に漏水の原因となりやすいアクセスシャフトを設置しな
ければならないことや、沈設時に沈埋函81内へ人が立
ち入る必要が有るため沈設作業を無人化することができ
ないことが問題となっている。また、沈設深さが深い場
合にはアクセスシャフトの高さも高くなるので、沈設時
の沈埋函81の動揺により下げ振り83が静止しない等
の問題がある。また、前述したの場合と同様に曳航・
沈設地点に高度制限がある場合は、アクセスシャフトを
部分的に一時的に撤去しなければならない。
確認する方法 測量塔92は設置する沈埋函91毎に水上にて設置する
が、設置精度の確認は、図9に示すように、沈埋函91
上にあらかじめ設置しておいた基準点93から巻尺(図
示省略)で確認する。測量塔92は各沈埋函91の沈設
ごとに設置するため、最低一組製作すれば良いが、各沈
埋函91の縦横断勾配にあわせて測量塔92を傾けなけ
ればならないため、設置作業には巻尺で最低2側線の寸
法を確認しながら微調整を行わなければならず、微調整
が困難である。
を経済的に精度よく設置するために、浮体構造物上にお
ける三次元座標の測量方法を提供することである。
請求項1記載の発明は、例えば、図4に示すように、浮
体構造物(1)の上面(1A)上に、前記浮体構造物と
の相対関係が明確な三次元座標を有する基準点(2a、
2b、2c)を少なくとも3点以上設け、次いで、前記
浮体構造物を水に浮かべた後、前記基準点のうちの1点
(2a)に測量器(3)を設置するとともに、残りの基
準点(2b、2c)に基づいて前記測量器の視準面(3
A)と前記浮体構造物の上面との相互関係を求め、次い
で、設置物(受信部5a)を前記浮体構造物に設置し
て、前記測量器にて、当該測量器から前記設置物までの
距離(L)と、当該測量器と前記設置物とを結ぶ直線と
当該測量器3の視準面とがなす角(R1)と、前記設置
物から視準面に下ろした垂線の足と前記測量器とを結ぶ
直線と基準点(例えば2c)から視準面3Aに下ろした
垂線の足(例えば3c)と前記測量器とを結ぶ直線とが
なす角(R2)を測定し、次いで、前記測量器の視準面
を基準とした前記設置物の三次元座標を求め、次いで、
前記測量器の視準面3Aと前記浮体構造物の上面の相互
関係を用いて、前記測量器の視準面を基準とした前記受
信部の三次元座標を、前記浮体構造物の上面を基準とし
た前記設置物の三次元座標に変換することを特徴とす
る。
の水平角、鉛直角、距離等を測定するものであり、例え
ばトータルステーション等が挙げられる。トータルステ
ーションとは、光波測距儀とトランシットとが一体化し
た物である。光波測距儀とは2点間(光波測距儀から対
象物まで)を光波が往復する時間を測定して2点間の距
離を求めるものであり、トランシットはトランシットに
対する対象物の水平角及び鉛直角を求めるものであり、
これらを一体化したトータルステーションは単体でトー
タルステーションに対する対象物(設置物)の水平角、
鉛直角、距離等を測定することができるものである。
置した浮体構造物上に測量器を設置したことにより、設
置物と同一の構造物上にあるので、浮遊していることに
よって生じる浮体構造物の動揺に影響されることなく、
測量器によって測量器と設置物との距離及び角度を正確
に測定することができる。また、測量器の視準面と浮体
構造物の上面との相互関係を求め、測量器で測定した距
離及び角度から得た設置物の測量器視準面を基準とした
三次元座標を、浮体構造物上面を基準とした三次元座標
に変換するので、測量器の設置精度に影響されることな
く設置物の三次元座標を測量することが可能である。
体構造物上における三次元座標の測量方法において、前
記測量器を設置した後、前記浮体構造物の上面から前記
測量器までの高さを測定し、次いで、残りの前記基準点
に標尺を立て、前記浮体構造物上に設置した前記測量器
でこの標尺を読み取ることにより、前記測量器の視準面
と前記浮体構造物の上面との相互関係を求めることを特
徴とする。
置した後、浮体構造物の上面から測量器までの高さを測
定し、次いで、残りの基準点に標尺を立て、浮体構造物
上に設置した前記測量器でこの標尺を読み取ることによ
り、測量器の視準面と前記浮体構造物の上面との相互関
係を求める。
の形態を詳細に説明する。
視準面と浮体構造物上面との相互関係を求める。求め方
を図1〜図4を用いて説明する。図1に示すように、浮
体構造物1を地上で製作する際に、浮体構造物1の上面
1A上に、浮体構造物1との相対関係が明確な三次元座
標を有する基準点を3点設ける。そして、浮体構造物1
を水に浮かべた後、そのうちの1点2aにトータルステ
ーション(測量器)3を設置し(図2参照)、浮体構造
物の上面からトータルステーション3の眼31までの高
さHを測定する。この眼31が位置する点を点3aとす
る。基準点のうちの残りの2点2b,2cには、図3に
示すように、標尺(スタフ)4を立て、浮体構造物1上
に設置したトータルステーション3でこの標尺4を読み
取る。ここでトータルステーション3は、トータルステ
ーション3の高さ方向に対し、直角方向に読み取るもの
であり、標尺4の読み取りは、トータルステーション3
にて計測を行いながら、標尺4をトータルステーション
3に対し、前後に動かし、読み値が最小となった点を標
尺4の読み目とするものとし、この点を3b、3cとす
る。点3b、3cはトータルステーション3の視準面3
A上のとなる。
さH及び、トータルステーション3で読み取った標尺の
読み目は、浮体構造物1の上面1A上の3つの基準点2
a、2b、2cからトータルステーション3の視準面3
Aにおろした垂線の長さとなる。この垂線の足(垂線と
トータルステーション3の視準面3Aとの交点)となる
3点3a、3b、3cの視準面3A上におけるX座標及
びY座標は、浮体構造物1の上面1A上の3つの基準点
2a、2b、2cの平面1A上における各基準点間の距
離と、それぞれの垂線の長さから求めることができる。
なお、3点3a、3b、3cは視準面3A上の点である
ので、Z座標は0となる。また、浮体構造物1の上面1
A上の3つの基準点2a、2b、2cの視準面3Aを基
準としたX,Y座標は、それぞれ、点3a、3b、3c
のX,Y座標と等しく、Z座標は、それぞれ点3a、3
b、3cのZ座標より、トータルステーション3の高さ
Hあるいは標尺4の読み目分だけ下となる。従って、3
点3a、3b、3cの座標から、測量プログラムを用い
て視準面3Aの方程式を求めることができ、同様に、基
準点2a、2b、2cの視準面3Aを基準とした座標か
ら浮体構造物1の上面1Aの方程式を求めることがで
き、トータルステーション3の視準面3Aと、浮体構造
物1の上面1Aとの相互関係を得ることができる。
構造物1に設置し、設置精度を測量する。まず、測量塔
5は浮体構造物1に、浮体構造物1が水に浮いている状
態で設置する。そして、図4に示すように、浮体構造物
1上に設置されているトータルステーション3にて、ト
ータルステーション3から受信部5aまでの距離(斜距
離)Lと、トータルステーション3と受信部5aとを結
ぶ直線とトータルステーション3の視準面3Aとがなす
角(鉛直角)R1と、受信部5aから視準面3Aに下ろ
した垂線の足とトータルステーション3とを結ぶ直線と
基準点(例えば2c)から視準面3Aに下ろした垂線の
足(例えば3c)とトータルステーション3とを結ぶ直
線とがなす角(水平角)R2を測定する。これにより、
受信部5aのトータルステーション3の視準面3Aを基
準とした三次元座標を求めることができる。そして、測
量プログラムにて、あらかじめ求めたトータルステーシ
ョン3の視準面3Aと浮体構造物1の上面1Aとの相互
関係を用いて三次元トラバース測量を行い、受信部5a
のトータルステーション3の視準面3Aを基準とした三
次元座標を浮体構造物1上面1Aを基準とした三次元座
標に変換することができ、この三次元座標から受信部5
a(測量塔5)の設置精度を確認することができる。
auss−Jordanの掃き出し法を用いて連立一次
方程式を解くものであり、トータルステーションの視準
面上の三点の三次元座標と、浮体構造物上面上の三点の
三次元座標と、トータルステーションによって測定した
受信部までの距離及び角度を入力することにより、視準
面の方程式、構造物上面の方程式及びこの2つの平面の
相互関係を求め、受信部の視準面における三次元座標を
求めた後、三次元トラバース測量により構造物上面上の
三次元座標を算出するものである。また、トータルステ
ーションは、光波が往復する時間を測定して2点間(光
波測距儀から設置物まで)の距離を求める光波測距儀
と、設置物の鉛直角及び水平角を求めるトランシットと
が一体化したものであり、単体でトータルステーション
に対する設置物の鉛直角、水平角、距離等を測定するこ
とができるものである。
上における三次元座標の測量方法によれば、受信部5a
を設置する浮体構造物1上に、トータルステーション3
を設置したことにより、浮体構造物1の動揺に影響され
ることなく、受信部5aまでの距離及び角度を正確に測
定することができる。また、トータルステーション3の
視準面3Aを求め、浮体構造物1の上面1Aとの相互関
係を求めるようにしたことにより、トータルステーショ
ン3の設置精度にも影響されることなく、受信部5aの
浮体構造物1上面1Aにおける三次元座標を求めること
ができる。トータルステーション及び受信部5aは、浮
体構造物1を水に浮かべた状態で設置するので、最低一
組ずつあればよく、経済的である。
準点を3点としたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、平面を特定できる点が得られればよく、3点以
上であっても良い。また、設置物として、測量塔上に設
けた受信部としたが、浮体構造物に設置でき、トータル
ステーション(測量器)にて距離及び角度を測定できる
物であれば良い。設置物の数や浮体構造物の形状等も任
意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜
に変更可能であることは勿論である。
同一の浮体構造物上に測量器を設け、この測量器を用い
て測定した測量器から設置物までの距離及び角度から設
置物の三次元座標を測定することにより、浮体構造物の
動揺等に影響されることなく、距離及び角度の測定を行
うことができるため、設置物の三次元座標を正確に測量
することができる。また、測量器の視準面と浮体構造物
の上面との相互関係を求め、測量器で測定した距離及び
角度から得た設置物の測量器視準面を基準とした三次元
座標を、浮体構造物上面を基準とした三次元座標に変換
するので、測量器の設置精度に影響されることく設置物
の三次元座標を測量することが可能である。
置した後、浮体構造物の上面から測量器までの高さを測
定し、次いで、残りの基準点に標尺を立て、浮体構造物
上に設置した前記測量器でこの標尺を読み取ることによ
り、測量器の視準面と前記浮体構造物の上面との相互関
係を求めることができる。
基準点を設けた状態を示す浮体構造物の斜視図である。
ョンを設置した状態を示す浮体構造物の斜視図である。
トータルステーションで読み取る状態を示す浮体構造物
の斜視図である。
トータルステーションで距離及び角度を読み取る状態を
示す浮体構造物の斜視図である。
図である。
置決めする方法を示す概略図である。
おく方法を示す概略図である。
を備えた測量塔を有する沈埋函の斜視図である。
尺で確認する方法を示す概略図である。
Claims (2)
- 【請求項1】浮体構造物の上面上に、浮体構造物との相
対関係が明確な三次元座標を有する基準点を少なくとも
3点以上設け、 次いで、前記浮体構造物を水に浮かべた後、前記基準点
のうちの1点に測量器を設置するとともに、残りの基準
点に基づいて前記測量器の視準面と前記浮体構造物の上
面との相互関係を求め、 次いで、設置物を前記浮体構造物に設置して、前記測量
器にて、当該測量器から前記設置物までの距離と、当該
測量器と前記設置物とを結ぶ直線と当該測量器の視準面
とがなす角と、前記設置物から視準面に下ろした垂線の
足と前記測量器とを結ぶ直線と基準点から視準面に下ろ
した垂線の足と前記測量器とを結ぶ直線とがなす角を測
定し、 次いで、前記測量器の視準面を基準とした前記設置物の
三次元座標を求め、 次いで、前記測量器の視準面と前記浮体構造物の上面と
の相互関係を用いて、前記測量器の視準面を基準とした
前記設置物の三次元座標を、前記浮体構造物の上面を基
準とした前記設置物の三次元座標に変換することを特徴
とする浮体構造物上における三次元座標の測量方法。 - 【請求項2】請求項1記載の浮体構造物上における三次
元座標の測量方法において、 前記測量器を設置した後、前記浮体構造物の上面から前
記測量器までの高さを測定し、 次いで、残りの前記基準点に標尺を立て、前記浮体構造
物上に設置した前記測量器でこの標尺を読み取ることに
より、前記測量器の視準面と前記浮体構造物の上面との
相互関係を求めることを特徴とする浮体構造物上におけ
る三次元座標の測量方法。
Priority Applications (1)
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JP2000150237A JP3492598B2 (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | 浮体構造物上における三次元座標の測量方法 |
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