JP3674600B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を加熱、保温する湯沸かしタンクと液体を貯水する貯水タンクとを有する電気湯沸かし器に関し、特に貯水タンクの液体の有無を検知する構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の貯水タンクと湯沸かしタンクの2つのタンクを有する電気湯沸かし器では、貯水タンクから給水タンクへの給水中に、貯水タンクの液体がなくなったかを検知するのには、ポンプの負荷電流を測定することにより水の有無を判断していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、貯水タンクの液体がなくなったかどうかを検知するのに、ポンプの負荷電流を測定して水の有無を判断していたため、その目的にのみしか使えない負荷電流を測定する検知装置を設ける必要があった。
【0004】
本発明は、前記課題を解決するもので、貯水タンクの液体がなくなったとき、他の目的に使用できる検知装置を使用してそれを検知し、検知した場合にはポンプの運転を中止し、ポンプの空転が続くのを抑制する電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は、外郭を構成する本体と、前記本体に取付けた液体を収容し加熱・保温する湯沸かしタンクおよび液体を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクより前記湯沸かしタンクへ給水する給水手段と、前記湯沸かしタンク内に設けた液体の温度を検知する水温検知手段と制御手段とを備え、前記制御手段は前記給水手段への動作命令と、前記水温検知手段が前記湯沸かしタンク内の湯温が一定になる検知信号に基づいて、前記貯水タンクの液体がなくなったと判断する構成とした。
【0006】
この構成により、液体を貯水タンクより湯沸かしタンクへ給水し、水温検知手段によって湯沸かしタンク内の湯温変化を検知することで貯水タンクの液体の有無を判断できるため、ポンプの空転が長く続くのを、専用の検知装置を設けることなく防止し、ポンプの騒音と耐久性を向上させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、外郭を構成する本体と、前記本体に取付けた液体を収容し加熱・保温する湯沸かしタンクおよび液体を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクより前記湯沸かしタンクへ給水する給水手段と、前記湯沸かしタンク内に設けた液体の温度を検知する水温検知手段と制御手段とを備え、前記制御手段は前記給水手段への動作命令と、前記水温検知手段が前記湯沸かしタンク内の湯温が一定になる検知信号に基づいて、前記貯水タンクの液体がなくなったと判断する構成とした。
【0008】
この構成により、給水手段によって液体を貯水タンクより湯沸かしタンクへ給水するとき、水温検知手段によって湯沸かしタンク内の湯温変化を検知し、湯沸かしタンク内の湯温が一定になると、貯水タンクの液体がなくなったと判断できるため、貯水タンクの液体がなくなってからポンプの空転が続くのを抑えることができ、ポンプの騒音と耐久性を向上させることができる。また、温度検知手段は、沸騰検知や空炊きの防止のため必要なものであるので新たに設ける必要がない。
【0009】
本発明の請求項2記載の発明は、特に、請求項1に記載の構成において、湯沸かしタンクに収納した液体を湯沸かし・保温する加熱手段を有し、給水手段の動作時、または動作時および動作時の前後(所定時間前または/および所定時間後)は、前記加熱手段の加熱動作を停止して、貯水タンクの液体の有無を検知する構成としたことにより、湯沸かしタンクへの給水による湯温変化を安定して検知することができる。
【0010】
本発明の請求項3記載の発明は、外郭を構成する本体と、前記本体に取付けた液体を収容し加熱・保温する湯沸かしタンクおよび液体を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクより前記湯沸かしタンクへ給水する給水手段と、前記湯沸かしタンク内に設けた液体の温度を検知する水温検知手段と制御手段とを備え、前記制御手段は前記給水手段への動作命令と、前記水温検知手段の検知信号に基づいて前記貯水タンクの液体の有無を検知する構成とし、加熱手段により湯沸かしタンク内の液体を所定温度まで上昇させた後又は保温状態から前記給水手段により給水し、前記湯沸かしタンク内の湯温変化を検知することで、前記貯水タンクの液体の有無を検知する構成としたことにより、湯沸かしタンクへの給水による湯温変化を安定して検知することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における電気湯沸かし器の縦断面図、図2は同電気湯沸かし器の給水特性図である。図1および2において、1は湯沸かしタンクであり、2は貯水タンクである。湯沸かしタンク1に収納した液体3を加熱手段4により湯沸かし・保温する。そして、加熱・保温した液体3は導出手段である導出ポンプ5によって、導出路6を通り導出口7より器体外へ導出される。また、湯沸かしタンク1と貯水タンク2とは、着脱可能に構成した給水路8により連結している。9は容器底部に設けた水温センサーで、湯沸かしタンク内の水温を検知する。湯沸かしタンク1の液量は湯沸かしタンク1または導出路6に設けた水位検知手段である水位センサ10によって検知し、その信号に基づいて制御手段である制御部11は、給水路8中に設けた給水手段である給水ポンプ12を駆動させ、湯沸かしタンク1へ給水する。なお、13は湯沸かしタンク1と貯水タンク2とを取付ける本体である。
【0013】
以下、貯水タンクの液体の有無の判定について述べる。
【0014】
先ず、保温時について説明する。図2(a)に示すように、湯沸かしタンク1の液体3をt1℃で保温しているとき、貯水タンク2より湯沸かしタンク1へ給水し始めると湯沸かしタンク1内の温度は降下する。そして、給水する液体3が無くなると、降下している温度がt2℃で止まり温度が一定になる、または、温度勾配が変化する。この温度勾配の変化を水温センサ9で検知し、その信号に基づいて制御部11は給水されていないと判断、すなわち、貯水タンク2の液体がなくなった事を検知して給水ポンプ12を停止する。
【0015】
次に、湯沸かし時について説明する。図2(b)で示すように湯沸かしタンク1の液体3を加熱しその温度がt3℃のとき、貯水タンク2より湯沸かしタンク1へ給水する。すると液体3の温度は降下する。そして、給水する液体3が無くなると、降下している温度がt4℃で止まり、再び温度上昇が始まる。この温度勾配の変化を水温センサ9で検知し、その信号と、給水ポンプ12を駆動する動作命令を出力しているという認識に基づいて制御部11は給水されていないと判断、すなわち、貯水タンク2の液体がなくなったことを検知して給水ポンプ12を停止する。
【0016】
以上のような構成によれば、貯水タンク2の液体がなくなってからポンプの空転が続くのを抑えることができ、給水ポンプ12の騒音と耐久性を向上させることができる。
【0017】
(実施例2)
図3は本発明の実施例2における電気湯沸かし器の給水特性図である。なお、説明にあたっては、図1に示した構成に基づいて説明する。図において、湯沸かしタンク1の液体3が湯沸かし中で湯温がt5℃になったとき、加熱手段4であるヒータをオフにし、貯水タンク2より湯沸かしタンク1へ給水する。すると、湯沸かしタンクの温度は降下するが、給水する液体3が無くなると、降下している温度がt6℃で止まり、ヒータをオフにしてあるため温度が一定になる。この温度勾配の変化を水温センサ9で検知し、その信号と、給水ポンプ12を駆動する動作命令を出力しているという認識に基づいて制御部11は給水されていないと判断、すなわち、貯水タンク2の液体がなくなった事を検知して給水ポンプ12を停止する。
【0018】
ヒータをオフにすることで、ヒータのばらつきや給水量のばらつきなどを抑えられ、湯沸かしタンクにある水温センサにより湯温変化を安定して検知することができ、貯水タンクの水がなくなったことを安定して検知することができる。
【0019】
(実施例3)
図4は本発明の実施例3における電気湯沸かし器の給水特性図である。なお、説明にあたっては、図1に示した構成に基づいて説明する。本実施例は湯沸かしタンク1の液体3の温度と貯水タンク2の液体3の温度との温度差があまりないときに給水する場合である。図において、ヒータ4により湯沸かしタンク内の液体を貯水タンク2の温度より高い所定温度t7℃、例えば60℃まで上昇させた後、貯水タンク2より湯沸かしタンク1へ給水手段により給水を開始する。すると、湯沸かしタンク1の温度は降下するが、給水する液体3が無くなると、降下している温度がt8℃で止まり、温度が一定になる。この温度勾配の変化を水温センサ9で検知し、その信号と、給水ポンプ12を駆動する動作命令を出力しているという認識に基づいて制御部11は給水されていないと判断、すなわち、貯水タンク2の液体がなくなった事を検知して給水ポンプ12を停止する。
【0020】
所定温度まで上昇させることにより、湯沸かしタンクの水温と貯水タンクの水温に温度差が生じ、湯沸かしタンク内の温度変化の勾配が変わることを判断しやすくなる。従って、貯水タンクの水がなくなったことを安定して検知することができる。
【0021】
以上のような構成によれば、ポンプ12の空転が長く継続するのを抑えられ、ポンプの騒音防止と耐久性の向上を図ることができる。
【0022】
(実施例4)
図5は本発明の実施例4における電気湯沸かし器における水位センサの要部断面図である。なお、説明にあたっては、図1に示した構成に基づいて説明する。本実施例では湯沸かしタンク1に設けた水位センサ10により、貯水タンク2の液体の有無を検知する事を特徴としている。すなわち、給水手段である給水ポンプ12によって液体3を貯水タンク2より湯沸かしタンク1へ給水する。制御部11が給水ポンプ12を駆動する動作命令を出力しているにもかかわらず、水位センサ10aが検知した後、毎秒当たりの給水量と水位センサ間の距離で決まる所定時間内に水位センサ10bが検知しなければ、給水されていないと判断できる。これにより貯水タンクに液体3がなくなった事を検知し、給水ポンプ12を停止する。
【0023】
以上のように、本実施例によれば、ポンプ12(給水手段)によって液体を貯水タンク2より湯沸かしタンク1へ給水し、所定時間における水位センサ10(水位検知手段)での水位変化を検知して貯水タンク2から給水されているかどうかを判断し、貯水タンク2の渇水検知をするため、貯水タンク2に水位センサなどの液体がなくなったことを検知する検知手段を付設する必要がないので、貯水タンク2をシンプルな容器構成とすることができる。
【0024】
したがって、貯水タンクの着脱が容易にできる、あるいは貯水タンクの容量を大きくかつコンパクトにすることができる。また、ポンプ12の空転が続くのを防止することができ、ポンプ12の騒音と耐久性を向上させることができる。また、湯沸かしタンク1の水位検知手段10は、湯沸かしタンク1内の水量のモニター、給水量の制御などにも利用できる。
【0025】
(参考例1)
図6は本発明の参考例1における電気湯沸かし器の断面図である。なお、本参考例の基本構成は実施例1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施例1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。本参考例では貯水タンク2の湯沸かしタンク1が収納されている本体13に貯水タンク2の水量を検知する水位センサ14や重量センサ15などの水量を検知する水位検知手段を設けたことを特徴としている。これにより、貯水タンク2の液体3の有無を本体13側に設けられた制御部11により容易に判断することができる。
【0026】
以上のような構成によれば、ポンプ12の空転を抑制し、ポンプの騒音防止と耐久性の向上を図ることができる。
【0027】
また、貯水タンク2の水量を検知する水位検知手段である水位センサ14や重量センサ15を湯沸かしタンク1側に備えることにより、貯水タンク2をコンパクトあるいはシンプルな構成に出来る。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜3に記載の発明によれば、貯水タンクの液体がなくなったとき、ポンプの空転が続くのを防止することができ、ポンプの騒音低減と耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1〜4における電気湯沸かし器の縦断面図
【図2】 (a)同電気湯沸かし器の保温時の給水特性図
(b)同電気湯沸かし器の湯沸かし時の給水特性図
【図3】 本発明の実施例2における電気湯沸かし器の給水特性図
【図4】 本発明の実施例3における電気湯沸かし器の給水特性図
【図5】 本発明の実施例4における電気湯沸かし器の水位センサを示す要部断面図
【図6】 本発明の参考例1における電気湯沸かし器の縦断面図
【符号の説明】
1 湯沸かしタンク
2 貯水タンク
3 液体
4 加熱手段
9 水温センサ(水温検知手段)
11 制御部(制御手段)
13 本体
14 水位センサ(水位検知手段)
15 重量センサ(水位検知手段)
Claims (3)
- 外郭を構成する本体と、前記本体に取付けた液体を収容し加熱・保温する湯沸かしタンクおよび液体を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクより前記湯沸かしタンクへ給水する給水手段と、前記湯沸かしタンク内に設けた液体の温度を検知する水温検知手段と制御手段とを備え、前記制御手段は前記給水手段への動作命令と、前記水温検知手段が前記湯沸かしタンク内の湯温が一定になる検知信号に基づいて、前記貯水タンクの液体がなくなったと判断する構成とした電気湯沸かし器。
- 湯沸かしタンクに収納した液体を湯沸かし・保温する加熱手段を有し、給水手段の動作時、または動作時および動作時の前後は、前記加熱手段の加熱動作を停止する構成とした請求項1記載の電気湯沸かし器。
- 外郭を構成する本体と、前記本体に取付けた液体を収容し加熱・保温する湯沸かしタンクおよび液体を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクより前記湯沸かしタンクへ給水する給水手段と、前記湯沸かしタンク内に設けた液体の温度を検知する水温検知手段と制御手段とを備え、前記制御手段は前記給水手段への動作命令と、前記水温検知手段の検知信号に基づいて前記貯水タンクの液体の有無を検知する構成とし、加熱手段により湯沸かしタンク内の液体を所定温度まで上昇させた後又は保温状態から前記給水手段により給水し、前記湯沸かしタンク内の湯温変化を検知することで、前記貯水タンクの液体の有無を検知する構成とした電気湯沸かし器。
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