JP3674057B2 - 冷媒蒸発器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は冷却性能向上のための冷媒−冷媒熱交換部を有する冷媒蒸発器に関するもので、例えば自動車用空調装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特開平5−196321号公報、特開平6−185831号公報等において、冷却性能向上のための冷媒−冷媒熱交換部(副熱交換部)を有する積層型の冷媒蒸発器を提案している。
上記公報記載のものを、図6に示す自動車用空調装置の冷凍サイクルに基づいて説明すると、圧縮機1は電磁クラッチ2を介して自動車用エンジン(図示せず、駆動源)により駆動され、この圧縮機1から吐出された高温、高圧のガス冷媒は凝縮器3において冷却ファン(図示せず)の送風空気と熱交換して冷却され、凝縮する。
【0003】
上記凝縮器3で凝縮した液冷媒は受液器4に溜められ、液冷媒のみがサイクル下流側へ導出され、冷媒の減圧手段を構成する温度作動式膨張弁5において減圧され、気液2相冷媒となる。5aは膨張弁5の感温筒である。この気液2相冷媒は次に上記積層型の冷媒蒸発器6に流入する。
この冷媒蒸発器6には、通常の冷媒−空気間の熱交換をおこなう冷媒蒸発部(主熱交換部)7の他に、蒸発器入口側の冷媒と蒸発器出口側の冷媒とを熱交換させて、冷媒蒸発部7の入口タンク7c内に流入する冷媒の乾き度を小さくする、冷媒−冷媒熱交換部(副熱交換部)8を設けている。
【0004】
この冷媒−冷媒熱交換部8の作用により冷媒蒸発部7の入口タンク7c内に流入する冷媒の乾き度を大幅に小さくして、入口タンク7c内における冷媒を液単相に近い状態にすることにより、入口タンク7cから多数の冷媒通路(チューブ)7aに冷媒を分配する際に、各通路に均一に液冷媒を分配できる。しかも、各通路(チューブ)7aの内面が液冷媒で覆われた状態となり、各通路内面での熱伝達率が向上し、これらのことが相まって蒸発器6の冷却性能を向上できるものである。
【0005】
また、上記公報記載の従来技術では、冷媒−冷媒熱交換部8の入口側冷媒通路8aと冷媒蒸発部7の冷媒通路7aの入口部7cとの間に、蛇行状に形成された微小断面積の絞り通路9を設置している。
この絞り通路9は、一般にキャピラリチューブと称されている減圧手段の役割を果たすものであって、その減圧度合いは膨張弁5の減圧度合いよりも小さく設定されている。
【0006】
この絞り通路9の作用により、その上流側と下流側とで冷媒圧力に差が生じるため、冷媒−冷媒熱交換部8における入口側冷媒通路8aの冷媒温度と、出口側冷媒通路8bの冷媒温度との間に、高低の差が発生し、両通路8a、8b間の熱交換が良好となる。
また、受液器4の出口側を直接冷媒蒸発部7の冷媒通路7aの入口部7cに連通させるバイパス通路10に定圧弁10aを設置して、冬季のごとく冷凍サイクル熱負荷が著しく低下して、定圧弁10a前後の圧力差が設定値以下になると、定圧弁10aが開弁して、受液器4からの液冷媒を所定量減圧して直接冷媒蒸発部7の冷媒通路7aの入口部7cに流入させるようにしている。
【0007】
冬季の低負荷条件時には、膨張弁5の弁開度が微少となって、冷媒流量が小となり、かつ車室内空気を循環させる内気循環モードでは、小流量の冷媒が比較的高温の内気から吸熱して、冷媒蒸発部7の出口冷媒温度が入口冷媒温度より高くなってしまうことがある。
その結果、冷媒−冷媒熱交換部8で冷媒蒸発部7の出口側冷媒により入口側冷媒を加熱するという不具合が生じるので、この不具合の発生を防止するため、低負荷条件下では、上記定圧弁10aが開弁し、強制的に液冷媒を冷媒蒸発部7に供給するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した絞り通路9は、金属薄板にプレス成形にて形成されているが、このプレス成形による寸法公差が大きいと、所定の減圧量(冷媒圧力差)を設定できないことになり、蒸発器6の性能低下を招くので、プレス成形時の寸法精度としては高レベルの精度が要求される。そのため、本発明者らは、絞り通路9を構成する金属薄板の板厚を0.6mm程度まで薄肉化して、プレス加工の成形性を改善することを試みた。
【0009】
ところが、絞り通路9を構成する金属薄板を薄肉化すると、次のごとき新たな問題が発生することが判明した。
すなわち、本発明者らの実験検討によると、絞り通路9を通過する冷媒は流路が絞られているため、非常に高速となり、「シュー」という冷媒通過音が発生する。そして、金属薄板が0.6mm程度まで薄肉化されていると、上記冷媒通過音により金属薄板が振動して、音が増幅され、大きな騒音を発生することが判明した。
【0010】
特に、冷凍サイクル起動時のごとく冷凍(冷房)負荷が大きいときには、膨張弁下流での冷媒乾き度が大となり、絞り通路9をガス化した冷媒が通過するので、より一層流速の速いガス単相流となり、上記騒音発生の問題が顕著となる。
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、金属薄板に形成される絞り通路での冷媒通過音による騒音を効果的に低減できる冷媒蒸発器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1記載の発明では、冷媒通路(7a)内を流れる冷媒と前記冷媒通路(7a)の外部を流れる被冷却流体とを熱交換させる冷媒蒸発部(7)と、
前記冷媒蒸発部(7)の冷媒通路(7a)の入口側に流入する冷媒と、前記冷媒蒸発部の冷媒通路(7a)の出口側から流出する冷媒とを熱交換させる冷媒−冷媒熱交換部(8)とを有し、
前記冷媒蒸発部(7)および前記冷媒−冷媒熱交換部(8)の冷媒通路(7a、8a、8b)は金属薄板(7b、8c)の積層構造により形成されており、
前記冷媒−冷媒熱交換部(8)と前記冷媒蒸発部(7)との間に、前記冷媒−冷媒熱交換部(8)で熱交換した後の入口側冷媒が流れる通路を絞る絞り通路(9)を形成する金属薄板(90)が介在されており、
この絞り通路形成用の金属薄板(90)には補強板(91、92)が接触して配置されており、
前記冷媒−冷媒熱交換部(8)、前記冷媒蒸発部(7)、前記絞り通路形成用の金属薄板(90)、および前記補強板(91、92)がろう付けにより一体構造に接合される冷媒蒸発器であって、
前記補強板(91、92)は、前記絞り通路形成用の金属薄板(90)の表裏両面にそれぞれ接触するように配置され、この2枚の補強板(91、92)で前記絞り通路形成用の金属薄板(90)が挟持され、
前記絞り通路形成用の金属薄板(90)は、前記冷媒蒸発部(7)側の補強板(92)に向けて突出した凹状通路部(901)と、前記冷媒−冷媒熱交換部(8)側の補強板(91)に向けて突出した補強用リブ(902)とを有し、
前記凹状通路部(901)と前記冷媒−冷媒熱交換部(8)側の補強板(91)との間に前記絞り通路(9)が形成され、
前記補強用リブ(902)の先端は前記冷媒−冷媒熱交換部(8)側の補強板(91)に当接し、
前記絞り通路形成用の金属薄板(90)の凹状通路部(901)の先端および前記補強用リブ(902)の根元部に位置する平面部(905)が前記冷媒蒸発部(7)側の補強板(92)に当接し、
さらに前記冷媒蒸発部(7)側の補強板(92)は、前記絞り通路形成用の金属薄板(90)に形成された前記補強用リブ(902)の内側空間の空気抜き用の穴部(922)を有していることを特徴としている。
【0012】
請求項記載の発明では、請求項に記載の冷媒蒸発器において、前記補強板(91、92)の板厚が前記絞り通路形成用の金属薄板(90)の板厚より大きいことを特徴とする。
【0013】
請求項記載の発明では、請求項1または2に記載の冷媒蒸発器において、前記補強板(91、92)の板厚が前記絞り通路形成用の金属薄板(90)の板厚の2倍以上に設定されていることを特徴とする
【0015】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0016】
【発明の作用効果】
請求項1〜記載の発明によれば、上記技術的手段を有しているため、板厚0.6mm程度の金属薄板(90)に冷媒の絞り通路(9)を形成する構造であっても、この金属薄板(90)の冷媒通過音による振動を効果的に防止できる。すなわち、金属薄板(90)に補強板(91、92)を接触させて、ろう付けにより接合しているから、金属薄板(90)部分が補強板(91、92)により効果的に補強され、その剛性が十分高くなる。
【0017】
そのため、冷凍サイクル起動時に、ガス化した冷媒が非常に高速で絞り通路(9)を通過しても、その高速の冷媒通過による金属薄板(90)の振動を抑制して、騒音の発生を防止できる。
また、補強板(91、92)は冷媒蒸発器(6)のろう付け時に一体ろう付けされるから、補強板(91、92)の追加を極めて低コストで実現できる。
【0018】
上記作用効果に加えて、請求項記載の発明では、絞り通路形成用の金属薄板(90)の表裏両面に、それぞれ接触するように補強板(91、92)が配置され、この2枚の補強板で前記絞り通路形成用の金属薄板(90)が挟持されるようにしているから、この金属薄板(90)の補強をサンドウイッチ構造による補強でより効果的に行うことができる。
また、請求項1記載の発明では、前記絞り通路形成用の金属薄板(90)は、前記冷媒−冷媒熱交換部側の補強板(91)に向けて突出した補強用リブ(902)と、前記冷媒蒸発部側の補強板(92)に向けて突出した凹状通路部(901)とを有し、
前記補強用リブ(902)の先端は前記冷媒−冷媒熱交換部側の補強板(91)に当接し、前記絞り通路形成用の金属薄板(90)の凹状通路部(901)の先端および前記補強用リブ(902)の根元部に位置する平面部(905)が前記冷媒蒸発部側の補強板(92)に当接するようにしているから、金属薄板(90)部分を補強板(91、92)にてより一層効果的に補強できる。
さらに、請求項1記載の発明では、前記冷媒蒸発部側の補強板(92)は、前記絞り通路形成用の金属薄板(90)に形成された前記補強用リブ(902)の内側空間の空気抜き用の穴部(922)を有しているから、補強用リブ(902)の内側空間がろう付け時に空気の密閉空間となるのを防止してろう付け性を向上できる。
【0019】
また、請求項2、3記載の発明では、補強板(91、92)の板厚を前記絞り通路形成用の金属薄板(90)の板厚より大きくすることにより、この金属薄板(90)の補強をより効果的に行うことができる
【0021】
【実施例】
以下、本発明を図に示す実施例について説明する。
本発明冷媒蒸発器を適用した自動車用空調装置の冷凍サイクルは、前述した図6と同じでよいので、その説明は省略する。
図1、2は本発明による冷媒蒸発器6の一実施例を示すもので、この蒸発器6は、図6で示す冷媒通路7a内を流れる冷媒と前記冷媒通路7aの外部を流れる空調用送風空気(被冷却流体)とを熱交換させる冷媒蒸発部(主熱交換部)7と、 この冷媒蒸発部7の冷媒通路7aの入口側に流入する冷媒と、前記冷媒蒸発部7の冷媒通路7aの出口側から流出する冷媒とを熱交換させる冷媒−冷媒熱交換部(副熱交換部)8とを有している。
【0022】
上記冷媒蒸発部7と冷媒−冷媒熱交換部8との間には、絞り通路9を構成する金属薄板90が配置されている。さらに、この金属薄板90の表裏両側には、補強板91、92が配置されている。
ここで、金属薄板90および補強板91、92はともに、アルミニュウム心材(A3003)の両面にろう材(A4104)をクラッドした両面クラッド材を所定形状に成形したものである。金属薄板90は、絞り通路9の通路断面積を精度よくプレス成形するため、板厚0.6mm程度の薄板からなる。
【0023】
一方、補強板91、92は、絞り通路9を形成しないので、その板厚を上記金属薄板90より厚くすることができ、金属薄板90を効果的に補強するためには、金属薄板90の板厚の2倍以上とすることが好ましい。本例では、補強板91、92の板厚は1.6mmに設定してある。
金属薄板90には、図2、3に示すように、絞り通路9を形成する凹状通路部901が冷媒蒸発部7側の補強板92に向けて突出形成されており、また補強用リブ902は反対方向である、冷媒−冷媒熱交換部8側の補強板91に向けて突出形成されている。
【0024】
また、金属薄板90には、入口側冷媒(液冷媒)穴を有する入口側タンク903および出口側冷媒(ガス冷媒)穴を有する出口側タンク904が形成されている。
冷媒蒸発部7側の補強板92は、その長手方向寸法が金属薄板90より前記タンク903、904部分だけ短くなっており、冷媒通路の形成には関与しない。そして、この補強板92には、前記補強用リブ902の内側空間、および凹状通路部901周囲の突出部の内側空間を外部に開放して空気抜きを行うための穴部921、922が開けられている。この穴部921、922は、ろう付け時に、補強用リブ902の内側空間、および凹状通路部901周囲の突出部の内側空間に空気が密閉されてろう付け不良が生じるのを防ぐ役割を果たす。
【0025】
そして、金属薄板90の凹状通路部901の先端、および補強用リブ902の根元部に位置する平面部905が補強板92の平面部923に当接、密着した状態で、この両者90、92を接合できるようになっている。
また、冷媒−冷媒熱交換部8側の補強板91は、その大部分が平板状の形状であり、前記金属薄板90の補強用リブ902の先端が当接するようになっている。そして、この補強板91には、前記金属薄板90の入口側タンク903と連通するノズル形状に形成された第1の冷媒穴911、前記金属薄板90の出口側タンク904と連通する第2の冷媒穴912、前記絞り通路9の入口部9aに連通する第3の冷媒穴913、前記絞り通路9の出口部9bに連通する第4の冷媒穴914等が開けられている。
【0026】
前記冷媒蒸発部7及び冷媒−冷媒熱交換部8は金属薄板の積層構造により形成されており、その具体的構造は基本的には特開平5−196321号公報、特開平6−185831号公報等と同じでよいので、以下積層構造の概略を図1、2により説明すると、冷媒蒸発部7では、板厚0.6mm程度の金属薄板7bを用いて構成されている。
【0027】
具体的には、アルミニュウム心材(A3003)の両面にろう材(A4104)をクラッドした両面クラッド材からなる金属薄板7bを所定形状に成形して、これを2枚1組として多数組積層した上で、ろう付けにより接合することにより多数の冷媒通路7aを並列に形成するものである。
この多数の冷媒通路7aはそれぞれ上方でUターンするU形状(図3(d)参照)のものであり、かつ前記2枚1組の金属薄板7bで構成される通路下方部に入口側タンク部7c及び出口側タンク部7dが区画形成されている。そして、前記各U形状の冷媒通路7aの入口部及び出口部はそれぞれ通路下方部において前記入口側タンク部7c及び出口側タンク部7dの開口部にて相互にコア幅方向(図1、2左右方向)に連通するようになっている。
【0028】
また、冷媒蒸発部7では、隣接する冷媒通路7aの外面側相互の間隙に、アルミニュウム材から成形されたコルゲートフィン(フィン手段)10をろう付けにより接合して空気側の伝熱面積の増大を図るようになっている。
一方、冷媒−冷媒熱交換部8においても、板厚0.4mm程度の金属薄板8c、具体的にはアルミニュウム心材(A3003)の両面にろう材(A4104)をクラッドした両面クラッド材からなる金属薄板8cを所定形状に成形して、これを多数枚積層してろう付けにより接合することにより、この多数枚の積層構造の金属薄板8cの間に、前記入口側冷媒通路8aと、出口側冷媒通路8bを交互に形成するようになっている。
【0029】
図4は、上記した冷媒蒸発部7及び冷媒−冷媒熱交換部8の冷媒通路構成を模式的に示すもので、図中の冷媒通路内において、斜線部Xは液冷媒を示し、斜線のない部分Yはガス冷媒の領域を示す。
なお、図4では、理解を容易にするため、冷媒蒸発部7の入口側タンク部7cと出口側タンク部7dを直線状の冷媒通路7aの両端に配置しているが、実際には、図1、2に示すように、この両タンク部7c、7dはともにUターン形状の冷媒通路7aの下方部において空気流れ方向に隣接配置されている。
【0030】
また、図4では、絞り通路9は便宜上、固定絞り形状として図示してある。なお、12は冷媒−冷媒熱交換部8の端板である。19は受液器4からの高圧側液冷媒通路、20は圧縮機1の吸入側に連通する低圧側ガス冷媒通路である。
ここで、冷媒−冷媒熱交換部8の端板12には図1、2に示すように配管コネクタ部材13が接合されており、この配管コネクタ部材13には、膨張弁5で減圧された気液2相冷媒が流入する入口管13aと、蒸発器6から圧縮機1側へ吸入されるガス冷媒が流出する出口管13bと、絞り通路9の下流側を定圧弁10aの下流側に接続する接続管13cとが配設されている。
【0031】
そして、この入口管13aからの冷媒は、冷媒−冷媒熱交換部8の金属薄板8cの上部に形成された、入口側冷媒通路8aの入口側タンク部8dに流入するようになっており、この入口側タンク部8dはそれ自身の開口部にてコア奥行き方向に連通している。
一方、金属薄板8cの下部に入口側冷媒通路8aの出口側タンク部8eが形成されており、この出口側タンク部8eもそれ自身の開口部にてコア奥行き方向に連通している。そして、上部の入口側タンク部8dから下部の出口側タンク部8eに向かって、入口側冷媒通路8aが蛇行状に形成されている。
【0032】
入口側冷媒通路8aの出口側タンク部8eから流出した冷媒は次に補強板91の第3の冷媒穴913を経て絞り通路9の入口部9aに流入する。そして、絞り通路9を通過した後、絞り通路9の出口部9bから補強板91の第4の冷媒穴914を経て冷媒−冷媒熱交換部8の中継タンク部8fに流入する。そして、この中継タンク部8fを冷媒−冷媒熱交換部8のコア奥行き方向に流れて、補強板91の第1の冷媒穴911を通過し、金属薄板90の入口側タンク903を通り、冷媒蒸発部7の入口側タンク部7cに流入する。
【0033】
ここから、冷媒蒸発部7の各冷媒通路7aをUターン状に流れ、その後出口側タンク部7dに集合するようになっている。
この出口側タンク部7dに集合した冷媒は、金属薄板90の出口側タンク904および補強板91の第2の冷媒穴912を通過して、冷媒−冷媒熱交換部8の金属薄板8cの下部に形成された、出口側冷媒通路8bの入口側タンク部8gに流入するようになっており、この入口側タンク部8gはそれ自身の開口部にてコア奥行き方向に連通している。
【0034】
一方、金属薄板8cの上部に出口側冷媒通路8bの出口側タンク部8hが形成されており、この出口側タンク部8hもそれ自身の開口部にてコア奥行き方向に連通している。そして、下部の入口側タンク部8gから上部の出口側タンク部8hに向かって、出口側冷媒通路8bが上下方向に略直線状に形成されている。
冷媒−冷媒熱交換部8において、入口側冷媒通路8aと出口側冷媒通路8bは多数枚積層された金属薄板8cの表裏両側に交互に形成されている。出口側冷媒通路8bの出口側タンク部8hから冷媒は配管コネクタ部材13の出口管13bへ流出する。
【0035】
上述した構成の蒸発器6は、適宜の治具により仮組付状態を保持されながら、ろう付け用加熱炉内にてろう付け温度まで加熱され、一体ろう付けされる。従って、補強板91、92の追加を極めて低コストで実現できる。
本実施例では、上述した構成を有しているため、板厚0.6mmという金属薄板90に冷媒の絞り通路9を形成していても、この金属薄板90の冷媒通過音による振動を効果的に防止できる。
【0036】
すなわち、▲1▼金属薄板90の表裏両側面を補強板91、92によりサンドウイッチ状に挟持すること、▲2▼補強板91、92を金属薄板90の板厚の2倍以上の板厚(1.6mm)に設定すること、▲3▼金属薄板90の補強用リブ902を補強板91に当接して接合しているとともに、金属薄板90の凹状通路部901の先端、および金属薄板90の平面部905を補強板92の平面部923に密着させていることから、金属薄板90部分が2枚の補強板91、92により効果的に補強され、その剛性が十分高くなる。
【0037】
そのため、冷凍サイクル起動時に、ガス化した冷媒が非常に高速で絞り通路9を通過しても、その高速の冷媒通過による金属薄板90の振動を抑制して、騒音の発生を防止できる。
図5は、本発明による騒音低減効果を示すもので、(a)は本発明による補強板91、92を具備した冷媒蒸発器において、冷凍サイクル起動時の騒音を測定した結果を示し、(b)は本発明による補強板91、92を具備しない冷媒蒸発器において、冷凍サイクル起動時の騒音を測定した結果を示す。図中、横軸は周波数(Hz)で、縦軸は音圧レベル(dB)である。
【0038】
図5の(a)、(b)の比較から理解されるように、本発明によれば、音圧レベルのピーク値および平均値を双方とも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1の冷媒蒸発器の分解斜視図である。
【図3】本発明の要部をなす絞り通路形成用金属薄板、補強板および冷媒蒸発部用金属薄板を示す正面図である。
【図4】本発明冷媒蒸発器における冷媒通路構成を模式的に示す模式図である。
【図5】冷凍サイクル起動時に冷媒蒸発器から発生する騒音の測定結果を示すグラフである。
【図6】従来技術および本発明の冷媒蒸発器の説明に供する冷凍サイクルの回路図である。
【符号の説明】
6……冷媒蒸発器、7……冷媒蒸発部、7a……冷媒通路、7b……金属薄板8……冷媒−冷媒熱交換部、8a……入口側冷媒通路、8b……出口側冷媒通路8c……金属薄板、9……絞り通路、90……金属薄板、91、92……補強板。

Claims (3)

  1. 冷媒通路内を流れる冷媒と前記冷媒通路の外部を流れる被冷却流体とを熱交換させる冷媒蒸発部と、
    前記冷媒蒸発部の冷媒通路の入口側に流入する冷媒と、前記冷媒蒸発部の冷媒通路の出口側から流出する冷媒とを熱交換させる冷媒−冷媒熱交換部とを有し、
    前記冷媒蒸発部及び前記冷媒−冷媒熱交換部の冷媒通路は金属薄板の積層構造により形成されており、
    前記冷媒−冷媒熱交換部と前記冷媒蒸発部との間に、前記冷媒−冷媒熱交換部で熱交換した後の入口側冷媒が流れる通路を絞る絞り通路を形成する金属薄板が介在されており、
    この絞り通路形成用の金属薄板には補強板が接触して配置されており、
    前記冷媒−冷媒熱交換部、前記冷媒蒸発部、前記絞り通路形成用の金属薄板、および前記補強板がろう付けにより一体構造に接合される冷媒蒸発器であって、
    前記補強板は、前記絞り通路形成用の金属薄板の表裏両面にそれぞれ接触するように配置され、この2枚の補強板で前記絞り通路形成用の金属薄板が挟持され、
    前記絞り通路形成用の金属薄板は、前記冷媒蒸発部側の補強板に向けて突出した凹状通路部と、前記冷媒−冷媒熱交換部側の補強板に向けて突出した補強用リブとを有し、
    前記凹状通路部と前記冷媒−冷媒熱交換部側の補強板との間に前記絞り通路が形成され、
    前記補強用リブの先端は前記冷媒−冷媒熱交換部側の補強板に当接し、
    前記絞り通路形成用の金属薄板の凹状通路部の先端および前記補強用リブの根元部に位置する平面部が前記冷媒蒸発部側の補強板に当接し、
    さらに前記冷媒蒸発部側の補強板は、前記絞り通路形成用の金属薄板に形成された前記補強用リブの内側空間の空気抜き用の穴部を有していることを特徴とする冷媒蒸発器。
  2. 前記補強板の板厚が前記絞り通路形成用の金属薄板の板厚より大きいことを特徴とする請求項1に記載の冷媒蒸発器。
  3. 前記補強板の板厚が前記絞り通路形成用の金属薄板の板厚の2倍以上に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の冷媒蒸発器。
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